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分裂の「原因」とこれからの「流血」 山口組抗争で殺されるのは誰か
FRIDAY 4月5日 17時0分配信
去就も噂される司忍・山口組六代目組長拡大写真
警察庁は、激化する6代目山口組と神戸山口組の争いを「抗争認定」のうえで集中取締本部を設置したが、
本当に25人の死者を出した山口組VS一和会の「山一抗争」のように、血で血を洗う抗争に突入するのか。
それには、昨年8月、なぜ神戸山口組が、6代目山口組を割って出たかを再確認する必要がある。親を裏切る「逆盃」となるのを承知で組を出た理由として、
神戸山口組の井上邦雄組長は「田岡一雄3代目が築いた本来の山口組の姿に戻すため」と、説明した。
「本来」とは、司忍6代目組長の出身母体である名古屋・弘道会の息苦しく上納金の徴収も厳しい体制から抜け出し、自由度の高いおおらかな組織に戻りたいということだった。
ヤクザの世界も高齢化が進み、山口組直参(直系組長)クラスで60代、70代が普通となった。彼らが、稼業に入ったのは昭和40年代の高度経済成長期。
「表」と「裏」が不分明でグレーゾーン領域が広く、不動産、金融、債権回収、港湾荷役や原発などの人材派遣、興行など仕事はいくらでもあり、「代紋」をチラつかせるだけでカネになった。
在日韓国・朝鮮人や被差別部落出身者への差別も色濃く残っていた時代であり、
暴力団はそうした「やり場のない怒り」を抱えた青少年を預かる装置であり、そこで「上下の規律」を学び、
いざとなれば「組織の捨石」となって死地に赴く代償として、「いい服、いい家、いい女」の夢を叶えることができた。
しかし、92年に施行された暴対法を皮切りに、改正暴対法、組織犯罪処罰法、刑法の共謀共同正犯、
暴排条例と、暴力団を取り囲む環境は厳しくなる一方で、シノギは枯渇、刑事責任は重くなり、組長クラスは使用者責任の強化で身動きが取れなくなった。
そうした時代に管理強化に走ったのが司6代目を支えていた高(正しくはハシゴ高)山清司若頭で、参勤交代のようにウィークデーは神戸の本部に直参を詰めさせ、水や雑貨を買わせ、中央集権を強めて執行部批判を許さなかった。
井上組長の懲役17年を筆頭に長い“お務め”を経験、対立組織と警察権力の双方に狙われる緊張感に生きる組長クラスは、その「強圧」が耐えられない。
しかも引退しようとした組長が、組事務所などの個人資産を、難癖をつけられて破門のうえに没収される事態まで発生。「もう6代目にはついていけない」と、飛び出したのが分裂騒動の真因である。
本格抗争が司6代目と井上組長の逮捕に直結するだけに、双方の幹部は「音(発砲)を鳴らすな!」と厳命。
そもそも、長期懲役が勲章となり、カネと地位が保証された時代は終わっており、明確に命を狙うような抗争は誰もが望んでいない。
しかし「返し」はヤクザの本能であり、最優先の行動規範である。ぶつかり合いが、暴走を生んで拳銃使用の殺人が発生したら、本格抗争が否応なく始まる。
そうなると誰にも止められないが、それはそれで暴力団の“死期”を早めることにつながるわけで、暴力団消滅の時代の流れに変化はない。
ジャーナリスト伊藤博敏
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)