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(朝鮮日報日本語版) 【コラム】重力波の検出、資金があれば韓国の研究者でもできた (朝鮮日報日本語版) - Yahoo!ニュース
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100年前にアインシュタインが宇宙の運動について説明する一般相対性理論の中で予測した「重力波」について、その存在が初めて確認された。
研究者たちは興奮を隠せず「今世紀最大の発見」として賞賛する声が相次いでいる。
米国のワシントン州とルイジアナ州に巨大観測装置LIGO(ライゴ)の設置を提案し、設計に携わった国際研究チームには、
もうすでに「ノーベル物理学賞の最有力候補」といった声がささやかれている。
このニュースに接した韓国のある研究者は「他国での発見ではあるが、今回は巨額の税金が投入された研究結果をネイチャーやサイエンスでもない、
一般の学術誌に1本の論文を掲載しただけだ」という内容の電子メールを記者に送ってきた。
メールでこの研究者はあえて反問する形の表現を使い、何か他に言いたい内容があることをにじませた。
要するに韓国では主要な学術誌に毎年数本の論文を掲載できなければ、たとえ重要な研究であっても国からの支援は行われないが、
今回のように重力波という宇宙の秘密を解明するような研究成果が、毎年幾つも発表されることなど絶対にあり得ない。
巨額の資金を要する巨大な研究施設が必要となればなおさらだ。そのため1年に複数の研究成果が求められる韓国では、今回のような結果を出すことは絶対に不可能だ。
この研究者はこのことを言いたかったのだ。
実際に今回の重力波関連の研究に参加した韓国の研究者たちも、昨年2月には独自に重力波を検出する観測機器の設置を韓国政府に提案したが、断られた。
未来創造科学部(省に相当)基礎科学研究院はこの提案に対し「これ以上検討しない」という手紙を送ってきただけで、提案についての質問や修正の要求もなかったという。
研究者たちはやむなく米国中心の重力波研究に参加した。彼らの仕事は観測ではなく、与えられたデータを処理することだった。しかしこれさえ韓国政府から研究費は与えられなかった。
以前も同じようなケースはあった。
ソウル大学の金修奉(キム・スボン)教授は2006年から116億ウォン(約11億円)の支援を受け、宇宙を構成する粒子の一つであるニュートリノを探す研究を行った。
その後12年に三つのニュートリノ変換定数(振動比率。ニュートリノがほかのニュートリノに変わる比率)のうち、解明されていない最後の一つを解明する研究結果を発表した。
中国の研究チームよりも1カ月ほど遅かったが、世界的な研究成果であることは間違いなかった。金教授はその後も研究を続けるため、韓国政府に追加の支援を求めたが拒否された。
金教授が中国に後れを取った理由も、結局は物量攻勢に敗れたからだ。
中国がこの研究を始めたのは韓国よりも遅かったが、600億ウォン(約55億円)相当に上る巨額の投資を集中的に行い、最終的には金教授よりも先に結果を出した。
その後も中国は関連する研究に2000億ウォン(約184億円)の資金を投じることをすでに決定している。
ここ数年、世界を驚かせるような研究成果は、どれも巨大な観測施設や研究施設があったからこそ可能なものばかりだ。
宇宙に質量を与えるヒッグス粒子は、スイスのジュネーブにある欧州合同原子核研究所(CERN)の粒子加速器により発見され、
2013年にはこのヒッグス粒子の存在を提唱したエディンバラ大のピーター・ヒッグス名誉教授とブリュッセル自由大のフランソワ・アングレール名誉教授がノーベル物理学賞を受賞した。
昨年は日本の梶田隆章博士とカナダのアーサー・マクドナルド博士がノーベル物理学賞を受賞した。
梶田博士は地下1000メートルの廃鉱に建設されたニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」で研究を行っていた。
巨大科学は研究者だけが恩恵を受けるものでもない。1990年代に米国で重力波観測施設の建設計画が持ち上がった際、全米から19の地域が誘致に名乗りを上げたそうだ。
この種の研究は完全な基礎科学だが、建設には世界でも最高レベルの技術力が必要なため、最先端の産業誘致と雇用の拡大効果が期待できるからだ。
米国政府もこのことを十分に理解し、候補地の中で最も景気が後退していた二つの地域を選んだ。
韓国のように「カネにならない」という理由で基礎科学への支援を行わなければ、結果として地域における景気浮揚のチャンスを奪っているかもしれないのだ。