16/02/04 05:29:36.25 CAP_USER.net
◆あまりに稚拙な「日本が5日で敗北」シミュレーション 冷戦時のデジャブ、「コミットメント・パラドクス」の罠にはまる?
1月15日、米国の外交専門誌「Foreign policy」は、ランド研究所が実施した尖閣諸島を巡る日中衝突のシミュレーション結果を公表した。
その結果は「日本は5日で敗北」という衝撃的な結末だった。
冷戦時、筆者は現役自衛官だったが、「日本は極東ソ連軍に1週間で完敗する」とか、「航空自衛隊は開戦後15分で消滅する」とかよく言われたせいかデジャブ感を覚えた。
シミュレーションの詳細が不明なため(「Foreign Policy」はシナリオと結果のみ報道)、この評価は難しい。
「5日」の正否はともかく、日中が直接ガチンコ勝負になれば、結果は同じようになるかもしれない。
さりとて、複雑な要因が入り乱れる国際社会の中で、こんなに単純にはいかないというのが率直な感想だ。
それより、ランド研究所は今、なぜこういう衝撃的な結果を発表したのだろう。
筆者はその思惑の方に興味をそそられる。
◇次々発表される「コミットメント・パラドクス」
最近、米国では中国系シンクタンクが「コミットメント・パラドクス」を相次いで発表しているという。
コミットメント・パラドクス」を簡単に言うとこうだ。
米国は同盟国へのコミットメントとして、ジュニアパートナーにあまり肩入れし過ぎない方がいい。
さもなければ軍事大国との全面戦争に巻き込まれることになる。それは決して人類にとって幸せなことではない。
つまり尖閣諸島と言った無人島の領有権を巡り、米国はあまりコミットすべきではない。
米国にとって何の価値もない無人島にコミットし過ぎると、中国との紛争に巻き込まれる可能性がある。
日中間の紛争に巻き込まれたら、米中核戦争にエスカレートする蓋然性もゼロではない。
それは米国の国益にとって決してプラスにはならないという助言を装った一種の警告である。
中国は台湾、南シナ海のみならず、尖閣諸島も「核心的利益」として位置づけ、領有権に関しては一歩も引く気配はない。
だが、米国のバラク・オバマ大統領が「尖閣は安保条約5条の対象」と明言したことにより、身動きが取れないでいる。
27年間で41倍という驚異的な軍拡を図ってきた中国も、いまだ米軍だけには歯が立たない。
だから中国は決して米国とは事を構えたくないと思っている。
もし日中間で小競り合いが起こっても、何とか米軍が動かない方策を探し求めている。
人民解放軍の高官が語っている。
「我々にとって最良の日米同盟は、ここぞという絶妙の瞬間に機能しないことだ」と。
この言葉に中国の本音が透けて見える。中国にとっては、米国の宿痾とも言える「引きこもり症候群」を再発するのが一番好都合に違いない。
今回のランド研究所の公表内容は「コミットメント・パラドクス」そのものである。
近年、米国の有名大学やシンクタンクに莫大な額のチャイナマネーが流れているのは公然たる事実である。
あるシンクタンク関係者が語っていた。公正中立を標榜する有力シンクタンクでも、莫大なファンドを寄付する顧客の意に沿わない報告書はなかなか出せないと。
「ランドよ、お前もか」ともよぎるが、「天下のランドだから、そんな」との思いもある。
オバマ大統領は2013年9月、「米国はもはや世界の警察官ではない」と明言した。
その後も同発言を繰り返している。これが今後の米国外交方針の潮流ならば、この流れに迎合する「時流迎合型」報告書なのかと考えたりもする。
ランド研究所がこれを公表した12日後、ハリス(ハリー・ビンクリー・ハリス・ジュニア)米太平洋軍司令官は、沖縄県尖閣諸島について「中国からの攻撃があれば、我々は必ず(日米安保条約に基づき)防衛する」と公開の席上で述べ、米軍の軍事介入を言明した。
この発言を見る限り、潮流の方向性が定まっているとも思えない。
JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.2.4
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
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