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時代の正体〈242〉当事者不在 歴史を抹消
慰安婦問題、モンタナ州立大・山口智美准教授
特報|神奈川新聞
安倍晋三首相は4日の衆院本会議での外交報告で「日韓関係は未来志向の新時代に入ることを確認した」と述べた。旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する日韓合意を受けたもので「問題が最終的かつ不可逆的に解決されることになった」と強調する。果たして、そうか。女性の人権問題に詳しいモンタナ州立大准教授の山口智美さんは指摘する。「外交問題としてだけの決着は解決とは呼べない」。被害者である元慰安婦の思いを脇に置いた当事者不在の思想をこそ、撃つ。
韓国から伝わるハルモニたちの慨嘆が政治決着の内実を物語る。「元慰安婦の声も聞かず、外交問題として片付けた結果だ」。山口さんは憤り、さらに表情を曇らせる。
「今回の合意を大きな前進だと評価する声が少なくない。これで安倍内閣の支持率が上がるのかと思うと困惑しかない」
当事者の思いを無視して図られた決着は問題の政治利用と同義であった。その意味で、合意以前の問題として安倍政権は慰安婦とどう向き合ってきたかを問わねばならない、と山口さんは続ける。
「安倍首相は国際的なスピーチで『女性の活躍』をアピールしてきた。だが、その中で慰安婦のことに直接触れたことはなかった。問題をあくまで外交問題として捉えてきた。だから、今回の合意で慰安婦問題が女性の人権の問題であるという視点が決定的に欠落してしまっている」
合意に盛られた「多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた」ことへの「心からのおわびと反省」が、どうして可能になるのかと首をひねる。
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