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慰安婦像、撤去どころか「内外で増設する!」 日韓合意の無効求める韓国の支援団体(1/3ページ) - 産経ニュース
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【ソウル=名村隆寛】昨年12月末の日韓外相会談での合意で最終決着した慰安婦問題が、合意無効を求める韓国の元慰安婦支援団体などにより、
“蒸し返し”の方向に向かっている。
韓国では朴槿恵(パク・クネ)大統領が13日の年頭の記者会見で、合意を評価し受け入れるよう、国民に訴えたばかりだが、反対勢力は大統領の言葉に耳を傾けようともしない。
元慰安婦を支援する「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」などは14日、ソウル市内で記者会見し、日韓合意の無効を求め、
日本大使館前に設置されている慰安婦像の撤去に反対する声明を発表した。
声明には挺対協などの市民団体、学生、宗教団体、法曹界など383団体と個人約335人が賛同。
日本政府から10億円が拠出され、韓国が元慰安婦のために設立する財団からの支援について、「体を張って拒否する」と断言し、募金などによって独自の財団を作る方針を発表した。
また、日韓の合意は断固認めず、再協議を求める世論を内外で高めていくことも表明。
日本大使館前からの慰安婦像の撤去、移転については、「屈辱的で、国民の権利を侵害する行為だ」などと強く反発。
逆に、慰安婦像の増設を目指して全国的な行動を展開すると表明した。
韓国国内だけでなく、2月には台湾やフィリピンなどの団体と連携し、緊急の連帯会議を開くほか、3月には米国で慰安婦問題についてのシンポジウムを開き、
米国の市民団体との協力で活動を強化するという。
この日に発表された声明や方針は、日韓合意の直後に挺対協が表明していたものに沿った内容だ。
最大野党の「共に民主党」も便乗するかたちで、日韓合意の見直しや再協議を要求している。
韓国大統領府は早々と、「合意を受け入れられなければ、慰安婦問題は(韓国で問題が表面化した)24年前の振り出しに戻る」と国民への談話を発表した。
しかし、元慰安婦や市民団体、反対世論の合意への反発は予想通り強く、説得は難航している。
朴大統領は、年頭の記者会見で、「批判は誰にでもできる。だが、まさに責任ある立場にあるときに、この問題の解決のために行動もせず、ここに至って(合意の)無効化を主張し、
政治攻撃をするのは残念なことだ」と語った。
金大中、盧武鉉政権当時に政権与党の立場にいた現野党勢力を批判したものだ。現に野党は、日韓合意を朴政権攻撃の“格好の材料”として活用している。
日韓合意では韓国側も、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と明言している。
問題を蒸し返さないことを日本と固く約束した朴大統領は、韓国政府の「努力」を認め、素直に合意を受け入れるよう国民に訴えている。
だが、韓国国内では元慰安婦や市民団体だけでなく、学者やメディアの間からも、「合意に法的拘束力はない」「合意は文書で残されていない」などと、
勝手な“合意の見直し”を示唆した主張が公然と出ている。
合意への理解と受け入れを求める朴大統領ではあるが、日本大使館前の慰安婦像については「政府が『ああしろ、こうしろ』といえる問題ではない」と公言している。
像の設置が違法であり、国際条約にも反しているのもかかわらず、韓国外務省も、全く同じ発言を繰り返している。
そもそも、大使館の真正面に慰安婦像を置き、反日抗議デモを繰り返していることが、日本との関係に悪影響を及ぼしているという自覚がどれほどあるのかも疑わしい。
慰安婦像について韓国政府は合意後も完全に放任している。
抗議デモは日韓の合意後、反対世論とともに、むしろ強まっている。韓国政府が断固たる、何らかの措置をとらない限り、慰安婦問題は常に蒸し返しの危険性にさらされている。