16/01/05 12:51:15.76 CAP_USER.net
厳しい外交3年の末、慰安婦問題が妥結した。1991年に外交争点に浮上して以来2
4年目だ。朴槿恵(パク・クネ)政権の努力が実を結ぶ瞬間であり、日本も国際舞台に出
ていく山脈一つをかろうじて越えた。米国の後押しと水面下の調整が有効だったのだ。世
界戦略の拠点である韓日関係が数年間にわたり冷え込んで何も進まない中、交渉妥結の便
りはペンタゴンの人々には「気楽に楽しめる音楽」だった。イスラム国(IS)のテロと
の戦いに神経が尖らせた世界戦略家にとって交渉妥結は小さいが重大な朗報であるのは間
違いない。米下院の慰安婦決議案採択を主導したマイケル・ホンダ議員さえも「正しい方
向であり一歩進んだ歴史的な里程標」と述べ、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も「歴
史が高く評価する正しい勇断」だったと朴槿恵大統領を称えた。
岩のように動かなかった安倍政権を動かしたため、そのように言うことができるだろう。
保守の源流である明治維新の尊王派の後えいを自負する安倍首相の口から「日本政府の責
任を痛感する」という発言が出てくるようにするまで、どれほど多くの困難があっただろ
うか。投資、経済協力、文化交流、観光産業が結氷するのを甘受してまでそのようにした
理由は、日本政府の「自認」という踏み石を置くためだった。経済大国に10億円など何
ともないが、日本政府が自責の徴表として出したお金で設立した財団の存在自体が重要だ。
ドイツのように自ら建設した痛恨のホロコースト記念館ではないが、日本政府の予算が投
下された法律違反の象徴物を確保したという事実の未来価値に背を向ける必要はない。長
崎平和記念館には原爆投下の理由を語る証拠物がない。
始まりということだ。多くの日本人の心象には軍国主義と植民統治が「神聖な過去」と
して刻印されている。西洋帝国主義の侵奪の前で東洋を皇祖皇宗の懐に抱え、天皇的家族
国家の神勅を実現するというのが太平洋戦争の最大の名分だった。聖戦と呼んだその「世
界史的必然」の中で、いかなる反倫理的行為も正当化された。天皇制は軍国主義者の倫理
的感覚をまひさせた虚構的発明品として、虐殺と蛮行の基準を絶対者である天皇に委任す
る限り責任の所在は消える。皇恩があるところに罪の意識はない。ここに原爆は主体性が
欠乏した彼らの精神世界に被害意識を重ねた。惨酷無道な非人間的行為の膨大な堆積物の
中に挟まれた慰安婦問題が何ともない理由だ。謝罪の膝を自ら折ったドイツとは違い、戦
勝国は戦後日本に戦犯意識や集団的狂気がもたらした反倫理的犯罪行為を問いただすのに
失敗した。
合意文に登場した「最終的、不可逆的解決」という不快で突拍子もない表現がまさにそ
のような日本の奇異な病症を集約する。日本にとって植民統治は決して罪ではない。した
がって1965年の韓日請求権協定当時に日本が出したお金は独立祝い金であったし、今
回の10億円も生存する慰安婦の方々の「心の傷を癒やす」という名分で装われた。その
ような日本が「これが最後であり、後戻りできない」という覚書を出して韓国が署名した。
朴大統領が依然として体裁悪く話すように「時間的緊急性と現実的状況」を考慮すれば避
けられない決裁だっただろうが、戦争と植民統治に対する自己礼賛的自意識に埋没した日
本政府を相手に今すぐ得ることができる最大値かもしれない。
なぜなら安倍首相が背を向けて述べた国内用の発言は、その捻れた意識構造をそのまま
表すからだ。「次の世代に謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」とは何をいう
のだろうか。十分に謝罪したという意味か、それとも忘れろという意味か。歴史はこの地
点で合意文だけで断絶するのか。戦犯国の指導者が述べた言葉としては極めて偏狭だ。慰
安婦問題は世界の人権と人倫実現に関する普遍的価値の最も上に位置する。
>>2-5あたりに続く
宋虎根(ソン・ホグン)ソウル大教授・社会学
ソース:中央日報日本語版【コラム】少女像は「合意」の外側に座っている=韓国
URLリンク(japanese.joins.com)