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2012年5月に北京で行われて以来、3年以上にわたり中断していた韓国、中国、日本の3カ国
による首脳会議が11月1日に開催される。しかし一部の期待とは異なり、おそらく今回の会議で目
に見える成果は期待できないだろう。3カ国がそれぞれ意図するところが違うからだ。
韓国は今回の首脳会議を実現させるにあたりその外交力を発揮し、また会議では議長国として
の役割を担うことになった。しかし韓国が会議の実現に向けて動いた理由は、米国の強い要求が
あったからに他ならない。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は中国の戦勝節記念軍事パレードに参加
するにあたり、米国に対して日本との関係改善を約束し、その一環として今回の首脳会議を開催す
るに至った。一方で中国が会議の開催に応じた理由は、朴大統領が北京での軍事パレード参加
に応じたことへの見返りだ。中国国内で序列2位の李克強首相の来韓は、昨年の習近平・国家主
席(同1位)、今年の張徳江・全国人民代表大会常務委員会委員長(国会議長に相当)に続くもの
で、これだけでも中国が韓国をいかに重視しているかがわかる。今回も中国は3カ国首脳会議より
もむしろ韓中会談に力を入れるはずだ。
日本も中国と同じく韓中日よりも韓国との関係改善を重視しているが、その理由は韓国と同じく米
国の求めがあるからだ。一方で中国と日本はすでに2回首脳会談を行っており、また11月にフィリ
ピンで予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際にも、両国は首脳会談を
開催する可能性が高いことから、今回何としても首脳会談を行う必要があるわけでもない。中日両
国による今回の首脳会談では何か新しい話題が出るとも考えられず、互いの主張を言い合うだけ
で終わるだろう。来年の3カ国首脳会議で議長国を務める日本は、中国との関係ではあくまで現状
維持を目指しているはずだ。
3カ国の意図する内容が最初からこのように食い違っていることから、実際のところ会議で何らか
の大きな成果が出るとは考えにくく、議題となりそうなテーマは環境問題、金融、自由貿易協定
(FTA)、韓半島(朝鮮半島)の平和と安定といったところになる見通しだ。そのため今回の会議で
期待できそうな成果があるとすれば、3カ国が同じテーブルに座るということと、次回開催の約束を
することになるだろう。
朴大統領就任以来、初めて開催される韓日首脳会談も、正直なところ大きな期待はできない。日
本は「普通の国になること」を中長期の戦略として動いており、韓国についてはさほど大きな価値を
見いだしていない。朴大統領の任期中に韓国の対日政策が見直されるとしても、韓日関係が韓中
関係のように改善することも考えられない。しかも日本の自衛隊が韓半島で作戦を遂行する可能性
など、新たな障害も出始めている。従軍慰安婦問題はあいまいな形で決着がつく可能性が高い。
ただし韓国のTPP(環太平洋連携協定)参加について、もし日本が表向きにでも支持を表明すれ
ば、これは一つの成果と見なすことができるだろう。
これに対して韓中首脳会談は非常に和やかな雰囲気で行われそうだ。李首相は中国の経済政
策に責任を持つ立場にあるだけに、韓中FTA、金融分野での協力、万衆創新(庶民による起業や
イノベーション)、創造経済、一帯一路とユーラシア・イニシアチブの融合など、主に経済面での議
論が中心になりそうだ。北朝鮮の非核化に向けた協力や文化面での交流も話題になるだろう。
これらの事情を踏まえると、韓国政府は今回の会議で何らかの成果を見いだすことよりも、会議の
定例化に重点を置くべきだと考える。それが東北アジアで韓国の存在感を高める道にもつながる
からだ。韓中日首脳会議の今後は日本の動きに大きくかかってくるだろう。日本は関係悪化の火種
となるような言動を控え、慎重に行動しなければならない。いずれにしても「首脳会議」というガラス
のコップだけは壊れないようにすべきだ。例え壊れやすいものでも、コップさえあればワインを注ぐ
ことができるからだ。
ファン・ジェホ教授(韓国外国語大学)
URLリンク(www.chosunonline.com)
ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版<【寄稿】韓中日首脳会談後の日本に求められる慎重な言動>
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