15/10/03 10:31:52.80 .net
「韓国の20-30代の死亡原因の1位が自殺だという報道についてどう思いますか。
私たちは果たしてどんな国に住んでいるのかと思うと、胸を痛めます」。
数日前、テレビのニュース番組で、アナウンサーが最後にこう言った。
こんなことを口にするまでもなく、最近の若者たちが置かれている絶望的な現実を、私たちは知らないはずがない。
若者たちが極端な選択をしないよう、手を差し伸べるべきだという声にも、異議を挟む余地はない。
だが「私たちがどんな国に住んでいるのか」と嘆く声には同意できない。
韓国だけが際立って、若者たちを死地に追いやっているかのように世論を誘導する恐れがあるからだ。
韓国だけでなく、ほとんどの国で、若者の死亡原因として最も多いのは自殺だ。それは至極当然のことだ。
20-30代の若者が死亡するとすれば、自ら命を絶つか、事故に遭うかであり、病気や老衰が原因になるはずがないのではないか。
韓国の若者たちが置かれた状況は、とても暗たんたるものだ。
最近大学を卒業した若者たちは、多くて100枚前後の志願書を企業に提出する。
あまりにも多くの企業に書類を提出するため、笑えないハプニングも起こっている。
サムスンやLGへの入社を希望するのに「私が現代に入社したら」という自己紹介書を書き、担当者を苦笑いさせたという。
また、あちこちの企業に志願書を提出する際、写真欄に仮に『赤ちゃん恐竜ドゥリー』や『クレヨンしんちゃん』の画像を貼り付け、
それをそのまま提出して受理されてしまい、気付いたときには後の祭りというケースもある。
このように深刻な就職難に加え、将来に対する不安も重なる中で広まった流行語が「ヘル(hell=地獄)朝鮮」だ。
チャン・ガンミョン氏の長編小説『韓国が嫌で』が、若者たちの間で人気を呼んでいるというので読んでみたところ、
その中身は「ヘル朝鮮脱出記」だった。韓国がこの世の地獄である理由を一つ一つ列挙する主人公の言葉に共感を覚えた。
だが、主人公が「ここでは幸せになれない」といってオーストラリアへの移住を決行し、
その後「私がどこかで何かを学び、仕事をすることで他人から認められたというのは生まれて初めてだ」と話す内容には同意できなかった。
オーストラリアが果たして「救いの地」なのか。
オーストラリアで5年間生活した経験を基に、小説集『カンガルーがいる砂漠』を出したヘイス氏は、正反対のことを話す。
この作品に登場する移民たちは留学費用を稼ぐため、詰まった便器に手を突っ込むような過酷な仕事もいとわなかったが、
賃金を踏み倒され、仕事もなくさまよった末、妻とも別れて窃盗犯へと転落した。
希望の光を求めて「ヘル朝鮮」を脱出しても「ヘル豪州」という別の地獄で苦しむというわけだ。
慢性的な低成長と若者の就職難は今日、先進国の大部分が直面していることだ。
韓国だけが「ヘル朝鮮」であるならば、脱出することこそが生きる道になるが、
それは正答ではなく、若者たちが苦しみから解放されるためにも決してプラスにはならない。
「ヘル朝鮮」を脱出しても、別の地獄が待っているだけだ。ダンテの『神曲』で、地獄を特定の場所ではなく
「希望のない場所」だとしたのも、そのような理由からではないだろうか。
だとすれば、答えはこの地で見つけなければならない。私たちの住む場所が地獄だからと、つばを吐き、自嘲するのではなく、
「パラダイス朝鮮」にしていくための希望を見出せるプロジェクトを立ち上げていくべきだ。
若者たちと中高年層が共にその方法を探るべきだ。
2015/10/03 08:26
URLリンク(www.chosunonline.com)
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