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中国・上海市場で株価が乱高下している。9日の終値こそ反発したが、懸念材料は消えない。
例えば、多くの中国企業が「売買停止」を申請した。上場銘柄の半数以上が取引できないという、日本では考えられない異常な状況であり、
中国経済が統制経済であることが明白となった。売買停止は週明けにかけて解除されるので、その時点の株価の動向は予断を許さない。
銀行融資以外の資金取引「シャドーバンキング」(影の銀行)の問題もある。
日産自動車の西川広人代表取締役CCO兼副会長は9日、福岡県苅田町での記者会見で
「中国の株価は今年3月以降、急上昇しており、あまり健全ではなかった」と指摘した。
今回の株安で共産党中央宣伝部が国内報道機関に「株式市場の問題が政治化するのを回避し、(批判の)矛先が共産党や政府に向かうのを防げ」
と指示する緊急通達を出したのも、当局の焦りの一端だろう。
中国経済の減速は、九州・山口にも影響を及ぼす。
九州の対中国貿易は急拡大した。輸出額をみると、15年前の2000年に1793億円だったが、07年には1兆円を突破した。
輸出企業に加え、中国に進出した企業が、心しなければならないのは、「撤退したくてもできない」という中国ならではのリスクだろう。
中国からの撤退を表明した途端、労働争議が勃発し、交渉の名の下で長期間にわたって拘束された経営者も九州にいる。労組の動きは、
当局の意を体現したとみられる。
「撤退するなら、工作機械などすべての資産を置いて帰れ」と司法当局に脅された話も聞く。
特に、景気低迷で国内政情が不安定になった場合、中国当局は日本企業に対して、より厳しい姿勢で当たってくるだろう。
もう一つのリスクとして、中国から海外への資産流出がある。中国では今、国内経済の先行き不安から、富裕層が海外に資産を逃がしている。
中国から近い九州では、特に福岡都市圏の不動産が、この資産運用の“標的”となっている。福岡市内の不動産関係者に聞くと、
中国人によるタワーマンションなど不動産の「購入ツアー」が盛んだ。膨大な資金の出入りによって、福岡の地価が乱高下する。
中国経済は、不動産価格の下落や自動車の販売不振などで、いずれ減速局面に入る。ハードランディングかソフトランディングかの
違いはあるが、九州にとって影響は不可避だ。
影響を最小限に抑えるには、ASEAN(東南アジア諸国連合)やこれからの発展が期待されるミャンマーなど、複数地域に軸足を
置くことで、リスク分散を図らなければならない。(九州総局次長 小路克明)
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