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■世界韓流学会理事が語る「韓流」から「嫌韓」へ 日本から世界に広がった「韓流ブーム」の今
呉承鎬(オ・スンホ)
―韓国ドラマやK-POPなどの韓流が世界各国に広がっているということですが、そこには何か特別な理由があったのでしょうか。
韓流の世界進出は、日本を経由して実現したと言えます。韓国には日本を通して欧米の大衆文化が入ってきましたが、韓流は日本を通して世界に広がりました。
ヨーロッパや米国の韓流ファンに「どうやって韓流を知ったのか」と聞いてみると、もともとJ-POPのファンだったという人が意外に多いのです。
外国人がアジアを訪れる時は、まず日本に目が向くでしょう。まず韓国に行ってみようと思う人は少ない。
日本を訪れ、日本の文化に触れた外国人たちがサブカルチャーとして、韓流の存在を知ることになります。韓流はあくまでサブカルチャーにすぎません。
サブカルチャーが世界に認められるためには信頼のある“媒体”が必要なのですが、その役割を担ったのが結果的に日本なのです。
もし韓流ブームが最初に起こった国が日本ではなく、台湾や香港、中国だったとしたら、韓流は今ほど世界に広がっていなかったと考えています。
というのも、これまで数々の良質なコンテンツを世界に輸出してきた日本において韓流ブームが起こったからこそ、世界の人々が韓流に注目したからです。
日本でブームになった大衆文化というところに、韓流の付加価値が生じたと言えるでしょう。韓流の世界進出は、日本なしには成し得ませんでした。
現在は韓流が世界的に広がったので、日本を介することなく韓流に触れる外国人も増えています。韓流が日本を経由する必要がなくなったのは2010年頃からだと思います。
それを証明したのが2012年に発表された男性歌手PSY(サイ)の楽曲「江南スタイル」でしょう。ヨーロッパで火がつき、YouTubeの再生回数が20億回を超えて世界的な大ヒットとなりました。
逆に世界でヒットしたから、日本でも注目されたと聞いています。韓流の新しい可能性を示したケースと言えるでしょう。
■「嫌韓流」が日本経由で世界に広まる
―韓流が世界進出を果たす役割を、結果的に日本が果たしたということですね。その一方で、現在の日本は「嫌韓ブーム」が起きていると言われています。
その影響は他国にも広がっているのでしょうか。
広がっています。台湾、香港、シンガポールなどでは、日本で「嫌韓流」の動きが起きているからと、自分たちも一度見直すべきだとの声が出ています。
韓流を世界に広げる媒体となった日本を経由して、現在は嫌韓が世界に広がっているのです。
日本の嫌韓流の動きは、内閣府世論調査にも表れています。
日本人の韓国に対する親近感は、2011年に「親しみを感じる」が62.2%、「親しみを感じない」が35.3%だったのに対し、
2012年には数字が逆転して、「親しみを感じる」が39.2%、「親しみを感じない」が59.0%となっています。
このデータを見る限り、日本の嫌韓感情が急上昇しているように見えます。
ただ、私はそうは分析していません。そのデータをもう少し大局的に見てみると、1996年は韓国に「親しみを感じる」が35.8%、「親しみを感じない」が60.0%だったのです。
それ以前も親近感を感じない人が、半数以上となっています。つまり、韓流ブームが起こる以前の数字と現在の数字で、韓国に対する親近感はほとんど変わっていないことが分かります。
ですから現在の日本の状況は、嫌韓感情が上昇したというよりも、正確には“戻った”と表現すべきでしょう。
90年代に日本人が抱いていた韓国に対する感情と、現在の感情には数字的にほとんど差がないのですから。
広い視野で見れば、韓流ブームが起こった2000~12年の数字だけが特別だったのです。
2015年6月30日(火)
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