【西日本新聞】姜尚中さん「先進国のはずの韓国や躍進著しい中国で、安全性や人命軽視の事故がなぜ後を絶たないのか」[06/15]at NEWS4PLUS
【西日本新聞】姜尚中さん「先進国のはずの韓国や躍進著しい中国で、安全性や人命軽視の事故がなぜ後を絶たないのか」[06/15] - 暇つぶし2ch1:ダーティプア ★@\(^o^)/
15/06/15 11:30:13.39 .net
◆「敗亡の発展」の悲しさ 
「長江転覆事故」は最悪の結末を迎えつつある。これに対して、中国当局は、厳重な報道
規制を敷くとともに他方で国営メディアを通じて、連日、救出や遺体の搬出に携わる関係者
の英雄的な奮闘ぶりを報道している。
しかし、肝心の犠牲者の遺族は事実上シャットアウトされ、事故の原因や、関係機関の対応
の是非はまったく明らかにされないままだ。この事故をめぐって、習近平政権がかなりの
危機感を持ったことは、李克強首相自ら現場に急行し、陣頭指揮を執っていることを見ても
明らかだ。
「公共安全」の強化をテーマにした党指導部の政治局会議が開催されて間もなく事故が発生
したのであるから、指導部の面目は丸つぶれであり、その分、危機意識も強かったはずだ。
しかし、それ以上に当局や指導部を震撼(しんかん)させたのは、「長江転覆事故」が、
中国版の「セウォル号事件」に発展しかねないことだったのではないか。
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確かに事故は、既視感に溢(あふ)れているように見える。いち早く脱出した船長と機関長が
拘束され、事情聴取を受けていること。旅客船の改造上の問題やすし詰め状態の過積載が
疑われること。さらに事故直後の関係機関の初動対応の問題点など、まだ詳細は明らかでは
ないが、韓国のセウォル号事件と似通っているように思えてならない。今も朴槿恵(パククネ)
政権を揺るがすセウォル号事件は、習近平政権にとっては対岸の火事では済まされないはずだ。
だが、それにしても、先進国のはずの韓国や躍進著しい中国で、効率性や利益重視による
安全性や人命軽視の事故がなぜ後を絶たないのか。それは、まるで内側が貧弱なのに、
外側は華美を誇る姿を思い起こさせる。そうしたにわか作りの「近代」を、漱石はほぼ
100年前、小説「それから」の主人公・代助の口を借りて「敗亡の発展」と名付けている。
漱石の目には、世界の一等国を任じる日本の帝都・東京の粗悪な見苦しい庶民の住宅は、
まさしく「生存競争の記念(かたみ)」であった。
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韓国や中国で起きていることは、そうした「敗亡の発展」と呼ぶべき悲劇である。だが、
それらは、ただ韓国や中国だけに特有なことだろうか。日本もまた「敗亡の発展」と無縁で
あるとはいえないはずだ。なぜなら、「敗亡の発展」は「道徳の敗退」を伴っているからである。
「今の日本は、神にも人にも信仰のない国柄であるといふ事を発見した。さうして、彼は之を一
に日本の経済事情(つまり敗亡の発展-引用者)に帰着せしめた」。この主人公・代助のため息
まじりの憤りは、心情なき世間の冷たい無関心に向けられている。「劇烈な生存競争場裏に立つ
人で、真によく人の為に泣き得るものに(略)未(いま)だ曾(かつ)て出逢(であ)はなかつた」。
この言葉は現在の日本、そして韓国と中国にも当てはまるのではないか。
戦後(解放後)70年、「敗亡の発展」という点で似た者同士の東アジアの3国が、互いに角突き
合わせ、互いの欠点をあげつらう様は、滑稽さを通り越して、悲しみの感すら誘わずにはいられ
ない光景である。
「奥行きを削つて、一等国丈の間口を張」ることに汲々(きゅうきゅう)としてきた東アジアの
日中韓3国の70年は、ある意味「敗亡の発展」の70年といえないことはない。
原発事故とセウォル号事件、さらに「長江転覆事故」は、そうした「敗亡の発展」の悲しい記念
(かたみ)なのかもしれない。この70年、日中韓3国は、何を得て、何を失ったのか、謙虚に
省みるべきだ。
【略歴】1950年、熊本市生まれ。早大大学院博士課程修了後、ドイツ留学。国際基督教大准
教授、東大大学院情報学環教授、聖学院大学長などを歴任。専攻は政治学、政治思想史。
自伝的作品に「在日」など。近刊は「心の力」。
ソース:西日本新聞 2015/06/14
URLリンク(www.nishinippon.co.jp)


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