15/05/31 10:15:59.28 .net
韓国経済の時限爆弾ともいわれる家計債務の深刻さがまたひとつ浮き彫りとなった。
ローンの利息だけを返済して、元本返済に手をつける気のない借り主が多数存在している実態が分かった。
売却益に期待した住宅価格の上昇神話が根強く残っているためだが、長期デフレの崖っぷちに立つ韓国だけに、金融システムへの影響を心配する声が高まっている。
韓国メディアは、リーマン・ショックの引き金となった「サブプライムローン」との類似性を指摘。金融危機への懸念を強めている。
“官制市場”で住宅ローンが急増
2008年秋、米投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻から始まったリーマン・ショック。発端は低所得者向けの住宅ローンの相次ぐ焦げ付きが原因だった。似たような借金問題が韓国経済の重石になっている。
個人負債残高は昨年末に1000兆ウォン(約110兆円)の大台に突入。足元では、住宅担保ローンの増加が著しい。景気過熱による借金の増加なら喜ばしいことだが、それは規制緩和が生んだ“官制市場”の側面がある。
韓国では昨年8月、住宅の担保価値に対する借り入れ可能率(LTV)などの規制が緩和されて以降、ローンが急増した。低金利も後押しし、資金を借りる条件が緩くなったわけだから、融資額が増えるのは当然といえる。
借りた資金は、教育費にも転用?
問題はその借り方にある。
朝鮮日報(日本語電子版)によると、新規の住宅担保融資のうち、7、8割が利息だけを返済する借り入れ形態をとっているとのデータがある。
銀行の融資担当者の声として、借入金は「住宅費だけでなく、子供の教育、生活費などさまざまな用途使われている」と指摘。住宅ローンだけではなく、高金利の無担保ローンを借りている世帯もあるという。
さらに利息払いの期間を終え、元本返済に移るときには、ほかの金融機関の住宅担保ローンに乗り換え、返済を先延ばしするケースも多く、大学の有識者は「住宅価格の暴落、失業などの危機への対処策がまったくできていない」と警告した。
日本では、繰り上げ返済をして元本を減らしながら完済を目指すケースが多いが、韓国では住宅価格の上昇期待が根強く残っているようだ。
同紙は、住宅担保ローンの利用世帯のうち、約190万世帯で元本返済が難しい状況にあると推定。利息のみを支払うこうした借金について、米国では「サブプライムローン問題」の元凶になったことを振り返り、警戒を促した。
景気刺激…副作用は2年後にも
韓国政府が住宅担保ローンの規制緩和を通じて狙ったのは不動産市場の活性化だ。
韓国の中央日報(日本語電子版)によると、今年第1四半期の全国住宅売買取引量は前年同期比で18%増となり、一定の効果を発揮。だがその一方で、家計債務が増える結果を生み、住宅担保ローンの増加額は第1四半期で前年同期の約9倍にのぼるほどだ。
同紙の有識者のコラム記事は、「負債主導の成長政策は短期で効果を現すが、副作用は早くて2年後に出てくる」と問題を提起。そのうえで、個人負債の規模は臨界にあり、「時限爆弾の段階に進入している。爆発がいつになるかは誰にも分からない」と訴えた。
本来、住宅ローンは優良な債権に位置付けられているが、身の丈を超えた借金をする人が増えれば、貸し倒れの危険性が高まる。最悪の場合、世界的な経済危機さえ引き起こす発火点になることがリーマン・ショックで得た教訓だった。
借金の増加に所得が追いつけなければ、さらに負債を背負い込みかねない。歯止めなき家計負債の増加は、アジア経済の火薬庫と化してしまう恐れがある。
URLリンク(www.sankeibiz.jp)
URLリンク(www.sankeibiz.jp)
URLリンク(www.sankeibiz.jp)
URLリンク(www.sankeibiz.jp)