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キム・ジュンヒョン|韓東(ハンドン)大教授・国際政治
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筆者は戦争映画が好きでない。この頃はやりのスーパーヒーロー映画もやはり良くない。上映時
間中ずっと片っ端から壊して力を誇示し、つぎはぎのように変わる都市と落葉のように死んでいく
人々を見るのは虚構であることが分かっていても不快だ。
ハリウッドの製作会社も破壊の反復に客が疲労感を感じていることを感知したようだ。撮影場所を
変えたりアイデンティティ危機を体験する哲学的な姿を薬味のように入れる。典型的な善悪の境
界を崩して若干のリアリティーを付与することによって過去の西部映画や戦争映画の幼稚さを克
服する意図は分かるが、空を飛び回って、高層建物をあるげんこつで破壊する非現実性の乱舞
の中では、主人公の哲学的煩悶はより作為的に感じられる。
ところがこれよりもっとレベルの低いリアリティーがある。アベンジャーズの粗雑な哲学的悩みさえ
ない、最も典型的な善悪の二分法が韓国外交を支配している。北朝鮮は悪い国、日本も悪い国、
米国は良い国だ。悪い国々が優しくならない限り外交はないという原則を守る。反面、良い国米国
は絶対裏切らない我が方だと固く信じる。
そのような認識の中に米国が韓半島分断を招いた責任の相当部分を負わなければならない事実
は埋められてしまった。分断後も何度も私たちを裏切った米国だが、すでに神話が席を占めて、
神話に挑戦する人々ばかりが悪い人、悪い国となる。韓米関係はどんな外交的価値より優先され、
ありのまま受け入れるより外交修辞によって彩られた。
私たちが見る世界もやはり米国の背中にのって眺める歪曲された世界の場合が多かった。過去
を反省せず再武装を始めた日本を非難しながら、これを保護する米国は批判できない。現在の日
本の歩みは米国が先に立って要請する構図なのに、相変らず優しい米国が日本の悪い行動を叱
って止めるという希望的思考だけに捕らえられている。
これまで周辺国は韓国の弱点を正確に把握してきた。その中でも米国が最もよく分かっている。
米国自身は利益を得る時も、唯一韓国には善悪の定規を突きつけて私たちを全く身動きとれなく
させた。北朝鮮は悪い国だから近づくなとして、日本には韓国が過去に執着せずに現実を見ろと
逆攻勢する。
私たちの選択肢は日がたつにつれ狭くなる。朴槿恵(パク・クネ)政府はスタートから自ら作った真
正性のフレームに閉じ込められて孤立を自ら招来してきた。外交的主導権はみな出して捨て、手
に残ったのは原則といくつかのアイデア、そして対国民用政治言及だけだ。それでも両側からラブ
コールを受けると認識しているのが本気なら無能であり、嘘なら危険だ。
原理主義外交は不安を食って寝ろと孤立を吐き出す。解放70年、急速な経済成長を成し遂げ、
中堅国家の形を持ったが相変らず外交的にはあまりに貧しい。韓半島と周辺は平和より陣営対
決、交渉外交より軍備競争が乱舞する。悪い国北朝鮮の武器開発が政府とメディアを覆っている。
潜水艦弾道ミサイル発射実験を強調し、直ちに対応しなければ国がダメになるかのようだ。
最高の武器と数十兆ウォンを投入して開発するというキルチェーンとKAMDは本格的な開発もす
る前にすでに無能な武器扱いだ。外交戦略不在の空いた空間で北朝鮮の武力示威が最大効果
を発揮し、愛国を装った軍事原理主義が盲目に押し寄せる。いくら力を育てても周辺の鯨らと武力
では競争できないのに、力を育てよと扇動ばかりする。
>>2-5のあたりに続く
ソース:(韓国語) [チョンドンコラム]‘アベンジャーズ’よりリアリティーない韓国外交
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