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安倍首相の米議会演説に沈黙の中国、孤立する韓国 中国株式会社の研究(265)~安倍演説を評価する米国 | JBpress(日本ビジネスプレス)
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米上下両院合同会議で演説する安倍晋三首相(2015年4月29日)〔AFPBB News〕
4月29日、安倍晋三首相が米議会で演説を行った。両院合同会議での英語のスピーチ、いずれも日本の首相としては初めてだ。練りに練った内容であることは分かっていたが、一抹の不安もあった。
一部邦字紙は「米で評価二分」などと批判していたが、実際の米国での評価は予想以上に高かったようだ。
こうした「米国の評価」と対照的だったのが中国と韓国の反応だ。中韓は対日政策で戦術転換を迫られるのか。今北京とソウルは一体何を考え、この日米蜜月にどう対応していくのか。
今回は、現時点での限られた情報の中から、中韓両国の今後の対日政策の行方について考えてみたい。
米国の評価
いつもの通り、関連報道をまとめてみよう。4月30日現在、欧米主要紙報道はまだ出揃っていないが、批判的論調は一部下院議員の発言を引用したものであり、どちらかと言えば好意的な論調の
方が多いようだ。ここに代表的報道の一部を再録しよう。当然ながら、米政府は今回の演説を高く評価している。
●同盟国の首相として温かい歓迎を受けた安倍氏は中国に厳しいメッセージを送った。名指しこそしないものの、同首相は「アジアの海」につき「武力や威嚇は自己の主張のため用いないこと」と
述べた。
(Receiving a warm welcome..., Abe...sent a stern message to China...he spoke of the “state of Asian waters,” saying countries must not “use force or coercion to drive their
claims.” 4月29日付「ロイター」)
●安倍氏の演説は、第2次大戦時の旧敵国で現在は最も緊密な同盟国である日米の和解を象徴しており、拍手とスタンディングオベーションで何度も中断された。
(Abe's speech was a moment symbolic of the reconciliation between former World War Two enemies who are now the closest of allies. He... was interrupted frequently by
applause and standing ovations. 4月29日付「ロイター」)
●マイク・ホンダ下院議員は「(慰安婦に言及してない)安倍演説はショッキングで恥ずべきものだ」と述べた。これに対し、コーエン下院議員は「第2次大戦の死と悲しみに関する安倍首相の認識は
歴史的で適切だ。女性に関する言及も適切である。(安倍首相は)もう少し踏み込めたかもしれないが、それでも前進しており、賞賛すべきだ」。
(Rep. Mike Honda said the speech was "shocking and shameful" for omitting direct mention of the issue. Rep. Steve Cohen said "His recognition of the deaths and sorrow that
World War II caused was historic and appropriate." "His mention of women was also appropriate, and while he could have gone further he went a goodly distance and should be
commended." 4月29日付「U.S.A.Today」紙)
訪米前、ワシントンのアジア村には安倍首相の姿勢に批判的な住人が少なくなかった。しかし、演説後、彼らの評価はかなり好転したようだ。
日頃、安倍首相に批判的だったある識者ですら、「安倍首相は公の場で初めて日本の第2次大戦に関する責任を認め、過去の日本の指導者たちの謝罪を支持した」と述べている。決して悪くは
ない評価だと言えよう。