15/03/25 11:05:18.52 .net
日本、中国、韓国の外相会談が3年ぶりにソウルで開かれ、途絶えたままになっている3カ国首脳会談の早期開催
に向けて努力することで一致した。
3カ国間では外相会談も久々なら、首脳会談も2012年5月を最後に3年近く開かれていない。隣り合う国の代表が
長らく会談しないのはお互いに不利益だ。アジアにとってもいいことではない。
時間がかかったとはいえ、外相会談で前向きの機運が生まれたことをまず評価したい。これをさらに高めて首脳会談
の開催につなげなければならない。
日中韓の首脳会談は1999年、東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議の場を利用する格好で始まった。年1回
の開催で、2008年からは3カ国持ち回りとなった。
大きな変化が生じたのは12年だ。日本が尖閣諸島を国有化してから日中関係が悪化。韓国大統領が竹島(韓国名
・独島(トクト))を訪問したことなどから日韓関係がぎくしゃくし、会談は翌13年から開かれていない。
今回、外相会談を開き、首脳会談の開催へ努力することにしたのは、これ以上関係を悪化させると、東アジアの安定
や平和を自ら損ないかねないという認識を3カ国が共有したからだ。
にらみ合っているだけでは何も得られない。同じテーブルに着き、話をしてこそ、物事が始まる。この基本に立ち返った
と言ってよさそうだ。
しかし、歴史認識問題や従軍慰安婦問題などをめぐって、日中と日韓それぞれの隔たりは依然大きい。それは首脳
会談の開催時期までは決められなかったことによく表われている。
中国の王毅(おうき)外相は、会談を開くかどうかは安倍晋三首相が夏に発表する戦後70年談話の内容次第だと
日本をけん制した。「植民地支配と侵略」を明記した1995年の村山富市首相談話を引き継ぐかどうかを見極める
というのである。
韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は、慰安婦問題で日本に対し、公式の謝罪をはじめ被害者が納得できる措置を
求めた。しかし、日本は解決済みとの立場を取っており、日韓の溝は深い。
中韓は安全保障法制の見直しを進める安倍首相に警戒感を強めている。そんな中、どうしたたかに交渉し首脳会談
を実現させるのか、安倍首相の外交力が試される。
歴史認識問題や慰安婦問題を除くと、外相会談で得られた成果は少なくない。過激派組織「イスラム国」に対処する
ため、2011年に初めて開いた日中韓「テロ対策協議」を再開することで合意した。
自由貿易協定(FTA)交渉での協力や北朝鮮の非核化を話し合う6カ国協議再開に努力することも確認し合った。
隔たりにばかり目を向けるのではなく、協力し合えるところから始め、徐々に溝を埋めていく方法もありそうだ。
ソース:秋田魁新報 2015/03/25
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