15/02/04 07:37:56.50
(>>1の続き)
伊藤忠は、共産党の既得権益層と深く結びつく本丸のCITICの懐にCPとともに食い込むことで、中国の市場を内部からこじ開ける“見えざる鍵”を得られると判断したのだろう。
CPが得意とする食糧関連のビジネスもなお市場性は大きそうだ。CITICがもつ投資機能を磨き上げることで、中国以外の第三国投資で伊藤忠の出番もある。
伊藤忠は1972年の日中国交正常化以前から、当時社長だった越後正一氏(01~91年)の強い意志で、ダミー会社を使わずに対中ビジネスに直接取り組んできた数少ない商社。
日本企業として常に、中国市場を先駆けて開拓してきたとの自負と自信が読み取れる。
共産党が牛耳る独占的な「国家経済」に食らいついて、中国市場の成長性を自社の成長にどう取り込むのか。
あるいはCITICを手始めとした国有企業改革に、伊藤忠とCPが新たな血を注ぎ込むことで中国の経済構造そのものを将来的に大きく変革させることも夢ではない。
変化の中に商機
いわば悲観論の李氏と長江実業など香港財閥にせよ、越後氏らの意志を引き継ぐ楽観論の伊藤忠にせよ、十分に認識しているであろうことは、巨大な市場を抱える中国経済の行方はゼロサムではないということだ。
成長が減速しても、不動産市況が悪化しても、その半面で経済構造改革が進むにしても、変化の中にこそビジネスチャンスがあると考えているに違いない。
李氏の中国離れの動きには対中依存度を引き下げ、リスク分散を図る狙いが透けてみえる。中国市場からの撤退を意味するものではないと考えるべきだ。伊藤忠にしても、CPを巻き込むことで保険を十分にかけている。
そこには悲観も楽観もないはずだ。冷徹なる経営者の智力と胆力、参謀を務める業務部スタッフの情報収集と分析力、そして中国の現場で戦う社員の忍耐と行動力が試されている。(上海 河崎真澄)
(おわり)