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朝日慰安婦報道 指弾された「強制性」すり替え : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
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朝日新聞は、慰安婦報道を巡って示された多くの批判を重く受け止めねばならない。
慰安婦報道の検証を委嘱された第三者委員会が報告書をまとめ、朝日新聞の渡辺雅隆社長に提出した。
渡辺社長は「改めるべき点は、誠実に実行していく。朝日新聞を根底からつくりかえる覚悟で改革を進める」と語った。慰安婦問題に代表され
る報道姿勢の見直しを迫られるだろう。
問題となったのは、韓国・済州島で「慰安婦狩り」をしたとする吉田清治氏の証言だ。朝日新聞は1982年から90年代半ばまで計16回にわた
り記事を掲載した。
吉田証言については、92年に歴史家の秦郁彦氏が信憑しんぴょう性に疑問を投げかけた。
朝日新聞も97年の特集で「真偽は確認できない」との見解を示したが、過去の記事の訂正や取り消しはしなかった。今年8月5日の検証記事
でようやく虚偽と認め、一連の記事を取り消した。
第三者委の報告書が「読者に対して不誠実」と非難したのは、もっともである。
朝日新聞は当初、日本軍が直接、強制連行したという「狭義の強制性」を大々的に報じていた。しかし、吉田証言に疑問が呈されると、民間業
者が本人の意に反して連れ去ったとして、「広義の強制性」を問題視するようになった。
報告書は、朝日新聞のこうした変化をとらえて、「議論のすりかえである」と指弾した。軍による強制連行の有無が慰安婦問題の本質であるこ
とを踏まえれば、核心を突いた見解と言えよう。
朝日新聞の慰安婦報道が国際社会に及ぼした影響について、一部の委員は「限定的だった」との見方を示した。
一方で、複数の委員は「韓国における過激な慰安婦問題批判に弾みをつけた」と指摘した。
92年1月の宮沢首相の訪韓直前に、朝日新聞が慰安所への軍の関与を大々的に報じたことは、「韓国の対日批判を、謝罪・賠償という方向
に一挙に向かわせる効果をもった」と強調する委員もいた。説得力のある主張だ。
今年8月の検証記事を批判した池上彰氏のコラムの掲載を見送った問題で、報告書が、実質的には当時の木村伊量社長の判断だったと認定
した点も注目される。
報告書は、新聞の影響力の大きさに言及し、「万が一誤った場合は、素直かつ謙虚に認めなければならない」と指摘した。報道機関全体への
注文とも言える。