14/12/06 18:46:55.46
来年は戦後70年の節目の年を迎える。
これを機に、世界にどんなメッセージを発信するのか。政治指導者の歴史観が問われる。
政府は戦後50年に村山談話、戦後60年に小泉談話を発表した。いずれも「植民地支配と侵略」により、多くの国に多大の
損害と苦痛を与えたとし、「痛切な反省」と「心からのお詫わび」を表した。
安倍首相は8党首討論会で、両談話を「全体として受け継いでいる」と強調し、来年に「安倍政権の談話を出したい」と語った。
昨年12月の首相の靖国神社参拝は、中韓両国の反発と米国の「失望」を招いた。首相が戦後の国際秩序に挑戦しているかの
ような誤解を与えたのは否めない。
国際協調を重視する平和国家としての戦後日本の歩みを、改めて世界に発信する必要がある。
憂慮されるのは、中国や韓国が歴史問題を外交カードに日本への攻勢を強めていることだ。
中国は、抗日戦争勝利と朝鮮半島の植民地解放70年の来年、中韓共同の活動を行うよう韓国に提唱している。中韓両国は
慰安婦の資料の共同研究でも合意した。
日本の調査では、慰安婦の強制連行の証拠は見つかっていない。政府はアジア女性基金を設立し、元慰安婦に首相のお詫びの
手紙を添えて「償い金」を支給した。
だが、朴槿恵大統領は、更なる謝罪と具体的措置を、その内容を明示せずに要求し続けている。
韓国系米国人の運動などで、日本軍が20万人以上の女性を性奴隷にしたという、事実とかけ離れた誤解も米国に拡散しつつある。
正しい対日理解を広げるため、歴史の真実を世界に積極的に発信することが重要である。
自民党は公約に、歴史問題などで「日本の国益に資する対外発信を抜本的に強化する」と明記した。第三者機関を設置し、
「歴史的事実に反する不当な主張」に「的確な反論・反証を行う」方針も示した。妥当な内容だ。
次世代の党も、慰安婦問題に関して「歴史的事実を明らかにし、日本国及び日本国民の尊厳と名誉を守る」と訴えている。
民主党は、歴史問題に特に言及しておらず、物足りない。
維新の党は、歴史に関する日韓の意見の相違を認識しつつ、「未来志向の協力関係を再構築する」というが、具体策が聞きたい。
歴史認識、対外発信についても、各党は議論を深めてほしい。
読売オンライン 2014年12月06日 01時24分
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)