14/11/24 01:17:42.66
ソース(カナロコ) URLリンク(www.kanaloco.jp)
「日本人が知っておくべき嘘つき韓国の正体」「2014年、中国は崩壊する」…。書店に足を運べば当たり前に目にする「嫌韓・嫌中本」
のタイトルの一例だ。隣国を敵視し、おとしめるその内容だけでなく、こうした書籍が相次いで出版される現状を問題視する声が出版業界
から上がり始めた。社会問題化したヘイトスピーチになぞらえ「ヘイト本」と位置付け、反対の意思を表明していこうという試みだ。
「当初はキワモノだと思っていたが、どんどんメーンになり、手堅く売れるジャンルになってきた」。都内の社会科学系出版社に勤める
岩下結さん(34)はヘイト本をめぐる状況の変化をそう語る。つまり売れるから、出す。イデオロギーより商業的な理由がヘイト本を
後押ししている状況にこそ危機感がある。
フェイスブックを通じてつながった業界の有志で今年3月、「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」を立ち上げた。
「製造者責任、つまり出版社の人間として責任が当然あると感じた」
民族的少数者への差別と憎悪をあおるヘイトスピーチが問題であるなら、嫌韓・嫌中本は野放しのままでよいのか-。インターネット上
ではすでに問題視する声が上がり始め、ヘイト本を並べた「愛国フェア」が大手書店で開かれ、物議を醸していた。
会のメンバーは約20人。大手から中小まで出版社に勤める編集、営業、校閲担当やフリーの編集者、書店員などがいる。意見交換
したり、シンポジウムを開いたりして現状に異議を唱えていこうというのが出発点。「フェイスブックで会のページを作ると1週間で500人
の賛同が得られた」。予想以上の反応に手応えを感じたが、一方で参加していることが会社に知られることを恐れ、表に名前を出せない
メンバーもいるという。
■素地
書籍だけでなく週刊誌、夕刊紙にも隣国を攻撃する文章はあふれる。攻撃的で排他的な言論が大手を振り、かつ広く受け入れられる
ようになった土壌はどう生まれたのか。
岩下さんは「長い時間をかけて醸成されてきた」と振り返る。
萌芽は1990年代後半にあったとみる。97年、戦後の歴史教育を日本人の誇りを奪った「自虐史観」と切って捨てる「新しい歴史教科書
をつくる会」が発足。それに先立つ95年には月刊誌「SAPIO」(小学館)の連載「新・ゴーマニズム宣言」(小林よしのり著)が始まり、
従軍慰安婦の歴史的事実に疑問を投げ掛けた。
2001年にはつくる会が執筆した歴史、公民教科書が教科書検定に合格し、市販した歴史教科書は76万冊を超えるベストセラーに。
05年の「マンガ嫌韓流」(山野車輪著、晋遊舎)も話題を呼んだ。
11年3月11日の東日本大震災後、その流れが一気に加速したと感じる。沖縄県・尖閣諸島の国有化で日中間の関係が最悪となった
12年後半には右派系の雑誌「WILL」(ワック・マガジンズ)の販売数が約3倍に伸びた。昨年は「悪韓論」(室谷克実著、新潮社)に
「呆韓論」(同、産経新聞出版)と「嫌」に代わる新たなタイトルのヘイト本が相次いで刊行された。
岩下さんは「12年以降は段階が変わり、こうした言論が主流になりつつある」と声を落とす。
(>>2以降に続く)
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