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「国益に反して何が悪い?」池上彰が朝日叩きとネトウヨの無知を大批判!
2014年11月16日 21時30分
LITERA/リテラ
画像は『ここがポイント!!池上彰解説塾』(テレビ朝日)公式サイトより
URLリンク(news.livedoor.com)
11月14日、ついに朝日新聞の木村伊量社長が辞任した。だが、15日の朝刊に掲載された辞任
のことばを読むと、中身のない反省の言葉が並んでいるだけで言論機関としての矜持は皆無だ。
いや、社長の対応だけではない。一連のバッシングは明らかに官邸や右派勢力による不当な圧力な
のに、それに抗する姿勢をまったく見せることができず、自分たちが損ねた慰安婦問題の信用性を回
復するために新たな史実を発掘しようとする気概もない。いまの朝日は食品偽装が発覚したレストラ
ンみたいに、ただ頭を低くして嵐が通り過ぎるのを待っているだけだ。
一方、そんな朝日と対照的に、最近、言論人としての原理原則を強く打ち出しているのが、その朝
日にコラムの掲載拒否をされて話題になった池上彰だろう。池上は、朝日の言論封殺の被害にあった
にもかかわらず、「週刊文春」(文藝春秋)での連載で、「罪なき者、石を投げよ」というタイトル
の文章を発表。他紙も同様に自社批判を封印していることを指摘したうえで「売国」という言葉を使
う朝日バッシングの風潮に警鐘を鳴らして、読者から高い評価を得ていた。
その池上が、ここにきて、さらに踏み込んだ発言をしているのだ。たとえば、そのひとつが「世界」
(岩波書店)12月号での発言。この号は「報道崩壊」が特集なのだが、池上はジャーナリストの
二木啓孝との対談で、朝日バッシングを取り上げ、こんな本質的な問題提起をしている。
〈今回、一番私が違和感を覚えるのは、「国益を損なった」という言い方です。極端な言い方をすれ
ば、メディアが「国益」と言い始めたらおしまいだと思います。〉
〈これが国益に反するかどうかと考え始めたら、いまの政権を叩かないのが一番という話になるわけ
でしょう。それでは御用新聞になってしまう。私は、国益がどうこうと考えずに事実を伝えるべきで、
結果的に国益も損ねることになったとすれば、その政権がおかしなことをやっていたに過ぎないと
思います。〉
たしかに、朝日バッシングでは、産経や読売といった新聞、「週刊文春」や「週刊新潮」(新潮社)
などの雑誌から、やたらこの「国益」という言葉が発せられていた。朝日は国益を損ねたのだから、
国際社会に対して説明せよとか、廃刊して責任をとれ、という意見までがとびだした。
しかも、この言葉を使うのは、右派メディアにかぎらない。朝日や毎日新聞などもふくめたあらゆ
るメディア関係者の間でこの言葉が普通に使われ、権力批判を放棄するエクスキューズになっている。
(野尻民夫)
URLリンク(news.livedoor.com)