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1997年11月に通貨危機が発生すると、「憂国之士」が続出した。「早くから危機を警告したが、私の話に耳を傾けず、こうした事態になった」という主張だった。これをメディアに流したりもした。
韓国銀行(韓銀)は同年3月にすでに通貨危機を警告する報告書を出していたと、自己防御に動いた。他の研究機関や専門家も「私は警告した」と主張した。
さらに通貨危機の主務部処である財政経済院(現企画財政部+金融委員会)内で「私は警告した」という声が出てきた。責任を免れようというのか英雄になろうというの知らないが、多くの人が似たような対応をした。
そのような才能がない人たちは通貨危機の主犯にされた。
学習効果はすごかった。2000年代のドットコムバブル、カード大乱、不動産過熱、金融危機など経済が揺れる度に「私は警告した」が相次いだ。
鋭い洞察力を持って危機を予測したり政策を批判したりした人が多かったが、そうではない場合も少なくなかった。こういうものが複雑に絡んで状況判断をさらに難しくさせた。
危機を警告するのは確かに意味のあることだ。破局を防ぐきっかけを提供する。さらに予測が外れても負担は少ない。意図があろうとなかろうと、実際に危機を迎えれば「私は警告した」グループに入りことができる。
危機が来なければどうなるのか。何ともなく通り過ぎれば済む。予測が間違っていたと指摘し、恥さらしにされることはない。
ヌリエル・ルービニ・ニューヨーク大教授は2008年、世界金融危機を予想したことで、世界的な名士となった。勢いづいたルービニ教授は2013年に世界経済に大恐慌に近い「パーフェクトストーム」が来ると警告した。
パーフェクトストームは来なかった。世界経済は依然として不安定だが、今後もしばらくパーフェクトストームは来ないとみられる。それでもルービニ教授は金融危機をあらかじめ警告した非凡な学者として記憶されるだけだ。
最近最も話題になっている経済学者トマ・ ピケティ・パリ経済大教授は、貧富の差が広がると予想した。過去300年間、資本収益率が経済成長率より大きかったというデータを根拠に挙げた。
2つの数値をあまりにも単純に比較したという批判があるが、経済構造が変わらない限り彼の予測通りになる可能性が高い。予想とは違い、貧富の差が減ればどうなるのか。
みんなが満足するためピケティを責める人はほとんどいないだろう。
経済が厳しくなると、崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済チームは金融と財政を合わせる浮揚策を用意した。多くの警告と懸念が出てきた。実際、浮揚策が一時的な効果に終わり、家計負債ばかり増加する危険がある。
政府が赤字を甘受して支出を増やし、景気は回復せず、最後の砦である財政を崩壊させるおそれもある。
いつもそうだったように韓銀は慎重だ。危機を迎える度に前から突破するよりは後ろを追った韓銀だ。今回も政府と手足を合わせながらも、「私は警告した」に片足を残している。
李柱烈(イ・ジュヨル)韓銀総裁は「財政拡大と利下げでは限界がある」と述べた。政界も浮揚策に友好的でない。野党はもちろん、与党からも違う発言が出てくる。
金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表は財政拡大などに懸念の声を出した。国会で法が通過してこそ浮揚策は作動することを考えると、尋常でない。
政府も韓銀や与党が指摘する浮揚策の限界をよく知っている。心配だが、代案がないため表情に出さないだけだ。企画財政部の関係者は「構造改革に多くの時間がかかるだけに、今は浮揚策に頼る」と話した。
浮揚策が消費・投資増大につながらなければ、3-4カ月後、景気はさらに沈滞する可能性がある。その時には適当な政策カードもない。「座して死ぬのか、戦って死ぬのか」と思わせるほど切迫している。
玄オ錫(ヒョン・オソク)元副総理当時は左顧右眄したため何も結果がないという指摘が多かった。そのためか崔ギョン煥副総理は過度に果敢に強行している。
今は本当の批判が必要だが、「私は警告した」を念頭に置いた指摘は役に立たない。「そんなことが可能か」というような皮肉はなおさらだ。
わらをもつかむ心情で崔ギョン煥経済チームを後押しするのが現実的な選択であるようだ。たとえ最善策ではなくとも。
コ・ヒョンゴン編集局長代理
URLリンク(japanese.joins.com)
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