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【社説】慰安婦問題 韓国も自らの足元を見つめよ
重要な証言が明らかな誤りと分かった以上、修正するのは当然だ。
1996年に慰安婦問題に関する国連報告書をまとめたスリランカ人法律家、
クマラスワミ氏に対し、日本政府が、報告書の吉田清治氏の証言部分の撤回を申し入れた。
多くの朝鮮人女性を慰安婦として強制連行したとする吉田証言は報告書作成時から
疑問視されていた。最初に報じた朝日新聞も今年8月、虚偽を正式に認めた。
クマラスワミ氏は、撤回に応じなかった。
吉田証言は「証拠の一つにすぎない」と主張している。首をかしげざるを得ない。
報告書で、元慰安婦を除けば、吉田氏は強制連行を認めた唯一の証言者だ。
それが虚偽であることは、当事者以外の客観的証拠がないことを意味する。
「証拠の一つ」との主張は説得力を欠く。
菅官房長官は「国際社会において、我が国の考えを粘り強く説明し、理解を得たい」
と語った。強制連行を裏付ける証拠は存在しないという日本の立場を、
強力に世界に発信することが大切だ。
人権問題を扱う国連総会第3委員会では、韓国大使が慰安婦問題について
「今も解決していない紛争時の性暴力の主な事例だ」と日本を批判した。
慰安婦問題を取り上げたのは4年連続だ。
だが、慰安婦を含む日韓間の請求権問題は、1965年の国交正常化により国際法上は
「解決済み」だ。政府は、アジア女性基金を設置し、韓国人約60人を含む285人に
「償い金」も支給した。
第3委員会で日本側は、朝日新聞が吉田証言の誤りを認めたことにも言及し、韓国に反論した。
そもそも、韓国が、日韓2国間の問題を国連の場に繰り返し持ち出すこと自体が異様である。