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漢字文化圏に属する中国、韓国、ベトナムの茶道 (茶芸) は基本的に同一系統の
ものである。ここでは茶の香りと 味を愛でる。特に中国の茶芸では香りを
愛でるときの三次元的な所作が優雅である。 上海の天山茶城を始め、中国の
お茶屋さんによく立ち寄る。すぐ見本のお茶を 入れてくれるが、好喝 (ハオフー) と
言う前に、好香 (ハオシャン) と言うと店の人は大層喜んで、うちとけた雰囲気になる。
同じ漢字文化圏に属しながら日本はアジア大陸とは地続きでなく、茶道は中国、韓国、
ベトナムとは隔絶して、ガラパゴス的特異な進化 (退化) を遂げた。茶の香りや味は
どうでもよく、屑茶をすりつぶして粉末とする。茶葉の生産地をごまかす巧みなやりかた
である。「抽出液ばかりでなく茶葉の全部を胃袋に流し込もう」 といういじきたない
やり方に見えるが、これはかって茶の葉が貴重品であった安土桃山時代を想起させ、
伝統の重みを感じさせる大事な手順である。