13/07/22 NY:AN:NY.AN
頭の血管がいい加減しびれてきた頃、一団の旅行客の
集団が列をなしているのをみた。彼らは一枚の特別に大きく間をとって
展示されている絵画を眺めている様子。その側でさも
誇らしげにこの絵画を説明している学芸員のことばに熱心に
頷いている彼ら。・・この絵はとある天才画家が晩年に見出した
という境地を表現した作品で、広い画面に具体的なものはなにも描いておらず、
色彩も乱雑であり、正直ことばによって表題を明示されければ
とてもみれたものではないのだ。それなのに彼らはこれを見てさも
分かったような態度を示しているのである。彼らは一体何に対して
頷いているのだろうか・・・・・。
もうお分かりのようにこの説話は現代アート詐欺を思いつくまでの
道程である。なにが言いたいのかというとこれは昔からある詐欺、
というか昔の鑑定方法の転換にその原因の一つがあるのではないのかと
いうこと。つまり今に限った話ではないし、老人が思いついたわけでもない。
第一こういった現代アートが流行したのは今から70年も前の
話であり(こういう運動を盛んにしていた美術学校は今も
東京の田舎にある)、けして老人の愚痴などではないのだ。