09/10/22 18:56:59 5aazQ2FH0
（やれやれと言った様子で立ち上がり、私が覚悟を決めた言葉に対して何を言うのかと思えば…）
わ、私が沢崎先生に……セクハラをしている、と…？
（全く何を言っているのかわからない、信じられない―どうして？
絶望にも似た、形容しがたい感情が胸の中を覆い尽くし、鏡の中の自分が霞んで行く）
（肩に触れる無機質な感触。）
（それは確かにヒトの手……温かいはずなのに、それすら感じるほどが出来ないほどに凍りついた体）
（高校１年生、昨年まで中学生であった生徒が着ていた制服を、
成熟した大人である自分の身体が纏えば、違和感が無いはずがないのだ。）
（頭の何処かでは分かっているのに……沢崎が鮮やかに言葉を紡ぎ示す自分の身体の艶かしさ、
言われるがままその通りに自分の視線でなぞっていく度に、本当に自分の淫らな身体に責任があるのではないのかとすら思えてきて）
ち、がう…んです……私、淫乱、なんかじゃ……
誘って、なんか……はっ……ぁ……
（身体のラインを確かめ、掌に刻み付けるかのように、ねっとりとなぞっていく沢崎の指の感触が、
過敏になった肌が軋む様にその感覚を快感だと伝え、倒錯した状況と感情が歯車を狂わせて行く）
（嫌悪感が立つ筈なのに何故か甘い吐息にも似たそれを、グロスで濡れた唇から吐き出す）
（まっさらな思考に、新しい何かが吹き込まれていく）
（…そうだ、私が悪かったんだ。こんな胸じゃ誘っていると思われても仕方が無いし、
確かに最近熱を持て余して自分の指で慰めていたことも認めよう。）
（そっか…だからあの子に厳しく当たってしまったのか―）
………は、い……申し訳、ありませ…ん……
（謝罪にもならない、子どもが親に謝るかのような幼稚な謝罪文を途切れ途切れに紡ぐ。）
（はぁ、はぁ、…息が上がる。苦しい。まるで酸素を求める魚のように唇を開き息をする）
（頬は赤く染まり、ぼんやりと開く瞳は天を仰ぎ彷徨いながら、瞳の端に涙をうっすらと湛えて光っている）
（肌が湿り気を帯び、しっとりと吸い付くようなそれに変化すると、
女性らしい甘い体臭がほんのりと放たれて、欲情を煽るような雰囲気を醸し出し始める）