09/10/28 02:17:50 UGOT1rNW0
俺の伯母はある北国の人たっだ。幼い子供をふたり残し、若くしてガンで他界した。
死ぬ間際、病床に自らの妹を呼び、「ウチの子たちを頼むね、あんただけが頼りだからね」と言い残して死んだ。
死んだ伯母の妹は、先日まで「義兄さん」と呼んでいた男の妻になり、甥や姪をわが子として育て上げた。
厳しい自然と社会の目の中で生きていかなきゃならないとき、人はなんにでも慣れるんだな、と思った。
本家の長兄は、「なに、よくあることよ」とまったく平然としていた。
東京で生まれ育った当時16才の俺には、絶対理解できない判断だった。
死んだ伯母も、後添えの妹も、ひそかに憧れていた美人だったので、幼稚な嫉妬に胸を焦がしたもんだった。