ヤンデレの小説を書こう!Part42at EROPARO
ヤンデレの小説を書こう!Part42 - 暇つぶし2ch539:名無しさん@ピンキー
11/02/10 22:04:09 0Qqg6ZMT
断言してもいい
◆0jC/tVr8LQは完全にヤンデレというものを誤って解釈している
完全にスレ違いな作品なのに、一部の信者のマンセーを真に受けて勘違いしてるな

540:名無しさん@ピンキー
11/02/10 22:05:44 sxclJBIa
次の作品投下まだかな?

541:名無しさん@ピンキー
11/02/10 22:11:01 xT1I5hkR
>>539通報しました

542:名無しさん@ピンキー
11/02/10 22:17:47 9j55ey2u
やはり幼なじみが一番だなぁ。個人的に。

543:名無しさん@ピンキー
11/02/10 22:24:49 3QEVyikY
ひょっとして、俺が「触雷」「触雷」って嫌味で名作扱いしてたのを真に受けちゃったのかな
だとすれば俺の責任だ・・・すまんかった
作者は悪くない

544:名無しさん@ピンキー
11/02/10 22:26:40 vOBYJ3ZK
>>537
レス代行スレ
URLリンク(www2.atchs.jp)

545:名無しさん@ピンキー
11/02/10 22:32:16 BoqMriv6
ほいっと

【暫定仕様2011/02/09 17:30頃版】 不明な点が多々あります。ツッコミ等よろ
 ・対象ISPは、e-mobile.ne.jp、panda-world.ne.jp、ocn.ne.jp、(cims.jpも?)
 ・書き込み時にCookieを持っていないとCookieが渡されてLv=1からスタート
 ・●なしだとレベルは24時間で1つ上がる(?)
 ・●持ちだとレベルは20分で1つ上がる(?)
 ・レベルに応じて連投規制される
  Lv=5未満 120秒  Lv=5~9 60秒  Lv=10~14 45秒  Lv=15~19 30秒
  Lv=20~24 15秒  Lv=25以上 5秒
 ・レベルに応じてスレ立て規制される(現在有効?)
  Lv=5未満 スレ立て不可
 ・対象ISPから書くとき、本文に「!ninja」を含めるとレベルが表示される
 ・Cookieの有効期間は2年間(?)。書き込むと更新される。Cookieを消すとLv=1からやりなおし
 ・適切にCookieを処理できる環境であれば、IPアドレスが変わってもレベルが下がることはない
 ・悪さをするとレベルダウンするかも?
冒険の書(Lv=1,xxxP)


546:名無しさん@ピンキー
11/02/10 23:46:47 0sXPerJI
>>545
新しい規制だな

明らかに●を買わせようって魂胆なのが見え見えだが

547:名無しさん@ピンキー
11/02/11 00:02:00 9QFJzDJu
>>539
今時はちょっとイッちゃってればそれだけでヤンデレなんだよ
狭義の意味でのヤンデレは長くなるからSS書きづらいし
悲しいことだが諦めな

548:名無しさん@ピンキー
11/02/11 00:19:28 x8nDIYaB
ヤンデレで一番怖いと思ったのは「わたしをはなさないで」(完結)の依存監禁型がメチャメチャ怖かった

549:名無しさん@ピンキー
11/02/11 00:26:16 ibihDeYb
おやおや、開き直りかよ
自分でもこんなのヤンデレじゃねぇって分かってんだろ?
まず、長い=名作って発想をどうかしなくちゃな
単に手広くやりすぎてまとめ切れねぇだけだろうが

550:名無しさん@ピンキー
11/02/11 00:54:20 dQK02UqY
お前らあんだけ批判しても投下してるんだからそろそろ諦めな

変態チックでおもろいよgj

551:名無しさん@ピンキー
11/02/11 00:58:13 x8nDIYaB
次の作品投下まだかな?

552:名無しさん@ピンキー
11/02/11 01:04:42 rQ5RCfK1
書き手なら誰にでも噛み付く犬だと証明されたな

553:名無しさん@ピンキー
11/02/11 01:39:39 KgxOuL4A
世間がヤンデレと呼んでいるジャンルは「デレヤン」が正しい
語源の「普段はツンツンしているが、2人きりになるとデレデレ」を略して「ツンデレ」から
「デレ」を「ツン」が修飾している関係にあることがわかる。
これをヤンデレに当てはめた場合、略せずに表すと
「普段は病んでいるが、2人きりになるとデレデレ」になってしまい
世間一般に言われるヤンデレのイメージである
「普段はデレデレしているが、突然精神が病んでしまう」ものとは真逆である。
よって、世間がヤンデレと呼んでいるジャンルは「デレヤン」と表記するのが正しい。
「普段は病んでいるが~」の意味でのヤンデレのほうが可愛いことも証明したいが物的証拠がない

それはそうと俺はツンヤンデレが読みたい


554:名無しさん@ピンキー
11/02/11 01:44:07 bJVQERFt
何があったんだ? 久しぶりに来たら荒れていた

555:名無しさん@ピンキー
11/02/11 01:56:34 Pi2s5zMo
何もなかった
お前は何も見なかった
だからその話を蒸し返すのはやめよう

そして規制UZEEEEEEEEEE
書いても投稿できないんじゃもうね

556:名無しさん@ピンキー
11/02/11 02:44:05 SceVVFRI
最狭義のヤンデレだと、普段は普通~良い子(地味な子)だから、ツン→デレ→病みと二段変化させない限りツンデレと複合しない。
同じ理由でクーデレとも複合しにくい(クールが人間関係に問題ない程度の弱さなら可)
後、病むほどに思いが強い必要があるからダルデレとも複合しない。

更に言うなら、主人公(もしくはヒロイン)が原因(間接、勘違い可)で病む必要があるから、最初からクライマックスは不可。
後、上と同じ理由で自傷癖持ちや精神病設定は原因分からなくなるから不可。


と、まあここまで縛ると狭すぎますけどね。


557:名無しさん@ピンキー
11/02/11 02:54:41 L2D/aLwW
ゆえに触雷はヤンデレに非ず

558:名無しさん@ピンキー
11/02/11 03:47:34 1BpvIItq
今読んだけどアレはただのビッチだろw

559:名無しさん@ピンキー
11/02/11 04:08:30 2Tr4SNfL
やはり幼なじみが一番だなぁ

560:名無しさん@ピンキー
11/02/11 10:38:22 8fa7PNMr
作品の幅を狭めてしまうから
ヤンデレの定義の明確化は必要ない
病んだヒロインがかわいいか痛いだけか、スレ違い判定するならそれだけでいいと思う

561:名無しさん@ピンキー
11/02/11 11:44:15 Uh8AMMx1
テスト

562:名無しさん@ピンキー
11/02/11 12:16:16 dbU4Ienq
触雷はそろそろ病みが欲しい

563:名無しさん@ピンキー
11/02/11 13:00:04 tOhYQdkZ
        |\           /|
        |\\       //|       今のはまずかったよ、まどか(笑)
       :  ,> `´ ̄`´ <  ′      よりにもよって、友達を放り投げるなんてどうかしてるよ(笑)
.       V            V        こういう事故は滅多にあることじゃないんだけど(笑)
.       i{ ●      ● }i        はぁ、まどかぁ、そっちはさやかじゃなくてただの抜け殻なんだって(笑)
       八    、_,_,     八        さやかはさっき、君が投げて捨てちゃったじゃないか(笑)
.       / 个 . _  _ . 个 ',       君たちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると
   _/   il   ,'    '.  li  ',__     決まって同じ反応をする。わけがわからないよ(笑)
  (( /   l`V {   } V´l  ∨ ))   どうして人間はそんなに魂のありかにこだわるんだい(笑)




564:名無しさん@ピンキー
11/02/11 13:17:41 x8nDIYaB
触雷!で一番病みそうなのは紅麗亜たちだな…独占欲が極端に強すぎ

565:名無しさん@ピンキー
11/02/11 14:19:46 YbZ8YfJA
触雷とかいう厨房くさいドタバタ喜劇作品はいらないなあ

566:名無しさん@ピンキー
11/02/11 15:09:34 ToPu8/0J
>>565通報しました

567:名無しさん@ピンキー
11/02/11 15:09:35 BOBM6Yw/
無いよりはマシ

568:名無しさん@ピンキー
11/02/11 15:37:56 9Ru+l9el
これはヤンデレですか?

569:名無しさん@ピンキー
11/02/11 17:06:35 x8nDIYaB
次の作品投下まだかな?

570:名無しさん@ピンキー
11/02/11 17:35:31 0MNn8UEg
test
!ninja
冒険の書(Lv=1,xxxP)


571:名無しさん@ピンキー
11/02/11 17:57:12 r+av1Bhv
きも

572:名無しさん@ピンキー
11/02/11 19:22:15 mZoCGmDm
如月更紗みたいなボーイッシュっぽいヤンデレキャラ知りませんか

573:名無しさん@ピンキー
11/02/11 19:24:23 tV8t0nPH


574:名無しさん@ピンキー
11/02/11 19:34:47 7YkSHtBO
test

575: ◆aUAG20IAMo
11/02/11 19:38:15 7YkSHtBO
短いですけど続きかけたので投稿します
話はほんの少し戻って、城に着いたばかりのエリス視点です

576:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 6
11/02/11 19:39:13 7YkSHtBO
今日一日でいろんなことがあった
今朝突然、父様から魔王のお嫁に行くようにと点字手紙を受け取った
すごく混乱したけれど、こんなわたしをずっと育ててくれた父様のお願い
せめて、この役立たずのわたしが少しでも役に立てるのならば、行こうと決意するまでに五分も必要なかった
もっとも、わたしは時計なんて見えないから、正確な時間なんて分からないのだけれど

噛み付かれるか、犯されるか、悪くすれば殺されるのか
そんな不安をはらみながらも、わたしは笑顔だけは崩さずにいようと誓っていた
殺されたとしても、せめて父様たちの印象は悪くしないようにと
……結論から言えば、取り越し苦労もいいところだった
まだわたしの眼が見えていた頃、御伽噺に登場する魔族というものはたいがいが粗暴で悪意に満ちていた
でも、手をつないで連れてきてくれた者も
わたしを背中に乗せて飛んでくれた者も
震えるわたしを後ろから抱きしめてくれた者も
みんなみんな、悪意に満ちている魔族というものの印象からほど遠いものだった

そして、空の散歩が終わって連れてこられた場所で、私は生まれて初めて 声? を聞くことになった

[空の旅、お疲れッス]
[!?]
[あ、挨拶が遅れたス。ワシは魔王直属軍スカル部隊総司令官のスカルエンペラーッス。そんでここは魔王城の医務室ッスよ]
[!!???]
[そんなに混乱しなくても大丈夫ッスよ。ワシは伝心魔法で心に直接語りかけてるッス
 言葉がわかんなくても意味は伝わってるッス……よね?]

なんなの。どういうことなの。よく分からないよ
ずっと闇の中にあったわたしの心
光が見えなくなってからは、指先に感じる文字だけ
それがわたしが他者の感情を感じることのできる唯一のツール
なのに、それなのに
わたしの頭に、優しく乗せている硬くて細い手の魔族の人は
どうしてこんなことを、わたしの諦めていたことを、容易にしてしまうの

577:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 6
11/02/11 19:39:33 7YkSHtBO
[……やめて、ください]
[えっ? なにがッスか?]
[女の子の心を覗くなんて、デリカシーがないです]

こんなことを恩っちゃ駄目
悪印象を持たれちゃう
そう心のどこかで思いながらも、わたしは止めなかった
希望を持たせないで
暗闇の中にいさせて
戻らない光や、わたしの知らない音というものに希望を持たせないで
そんな拒絶の感情は、確かに伝わったと思う
その証拠に、あっ と大きな声が頭に響いたと思うと
慌てたような弁解の言葉が矢継ぎ早に頭に届けられた
この人、魔王直属軍の部隊総司令官だってさっき言っていたよね
それなのにこんなふうに慌ててるんだと思うと少しおかしくて、ぷっと吹き出してしまった
それは、今日に入ってからはじめての、わたしの心からの笑いだった

[なんかおかしかったッスか? ワシ、またなんかやっちまったッスか?]
[そうではないの。ごめんなさい。わたし、こんなふうに誰かと伝え合うのは初めてだったんです]
[伝え合うッスか。エリスちゃん、こういうのは[話す]って言うッスよ]
[話、す?]

聞いたことはある
どんなものなのか分からない
でも、今わたしがしていることがその[話す]ということなのだとしたら

[なんて、すてきなことなんだろう]
[気に入ってくれたッスか? よかったッス。これで読心のことは許してもらえると嬉しいんスけど]
[ええ。でも、もう一つあります]
[?]
[突然、相手を[エリスちゃん]なんて呼ばないでください。びっくりしましたよ]
[ああああああああああ]

そうしてまた弁解と謝罪の言葉が飛んでくる
まだわたしはここの魔族の方々を信用したわけじゃない
それでも一つだけ分かることは
わたしに言葉をくれた彼は、とても優しく、とてもあわてんぼうだということ

578:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 6
11/02/11 19:39:54 7YkSHtBO
すると突然、彼の硬い手とは別の、ふわふわした柔らかい手がわたしの頬をつついてきた
なに、誰なの 邪魔をしないで
わたしは生まれて初めて、とっても素敵な、お話しをしているのに

[ああ、こいつはワシと部署は違うけど同じ魔王直属軍総司令官ッス
 名前はエレキインセクト。態度や口は悪いッスけど、悪人じゃねーッスよ]
[………]

彼がそう言うならきっとそうに違いない
でも突然ほっぺたをつっつくなんて、デリカシーがないのは彼にそっくりみたい
ああ、今度は軽く引っ張ってきているし

[エリスちゃんのほっぺた、柔らかくてよく伸びると笑ってるッス]
[……やめさせてください]
[まあまあ。悪気はないんスし、勘弁してやってほしいッス。これからこいつにも協力してもらうんスから]

協力? 何をするの?
わたしに害を加える、とかの類じゃないことは分かってる
もしもそうなら、彼はこんなふうにわたしに接したりなんかしない
でも、怖いよ
意味ありげに言わないで
はっきりと、言葉でわたしの心に伝えて

[これからワシとこいつで、エリスちゃんの目を治すッス]
[えっ]
[怖がらないでほしいッス。口幅ったいこと言うッスが、ワシは魔族きっての回復魔法のエキスパートッス
 そんで、エリスちゃんの体の中にワシの回復呪術法で育てたこいつの超微細蟲を入れて、体内から眼機能を回復させるッス]
[蟲を、わたしの体に、入れる?]
[大丈夫ッス。会って早々無理かもしれないッスが、ワシを信じてくれるなら、大きく口を開けてほしいッス]
[……はい]

ほんの少しだけ、躊躇った
それでも、彼が大丈夫と言うのなら信じよう
会ったばかりの、人間とは相容れない存在と言われてきた魔族
その頂点に君臨する魔王直属の司令官。スカルエンペラー、って言っていたっけ
彼への信頼と、光への希望を持って、わたしは大きく口を開けた


579: ◆aUAG20IAMo
11/02/11 19:41:04 7YkSHtBO
投稿終了です
送ってから思うのもなんですが、かなり短めですね
次はもう少し長く掘り下げて書きたいと思います

580:名無しさん@ピンキー
11/02/11 20:01:30 i4BEQvcu
生殺しな気分でGJさせていただきます!


続きを全裸でまってて良いですか?

581:名無しさん@ピンキー
11/02/11 20:11:03 N4YL12AL
待ってました、魔王様
これを読むのだけが唯一の楽しみです

582:名無しさん@ピンキー
11/02/11 20:57:38 vcpHZ3rP
これはまさかのスカルエンペラーを好きになるパターン!?

やべー、続きが早くきてほしい!そしてGJ!!

583:名無しさん@ピンキー
11/02/11 21:52:19 N4YL12AL
魔王は上手いか下手かと言えば下手の部類に入るだろうけど
面白さで言えば現行のSSでは一番だと思う
読んでて不快な気分にさせるような嫌なキャラが出てこないからだろうか
安定していて毎回楽しませてくれる

584:名無しさん@ピンキー
11/02/11 21:59:05 yF1k1TG4
けなしたり誉めたり忙しいな

585:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:00:07 vrM70mzH
103 名前:兎里 ◆j1vYueMMw6 [sage] :2010/10/31(日) 23:56:48 ID:aQ7IdvET
俺はどちらかというと、触雷!よりTomorrow Never Comesの方が好みだな。
何と言ってもストーリーに厚みがあるし、キャラ個々の魅力が格段に違うよ。
触雷!って地の文が説明臭い上に、主人公の愚痴ばっかりで面白くないだろ。
兎里氏は台詞回しも上手くてプロレベルだよ。マジで商業誌でもいけるんじゃないか。
むしろ紙媒体で読んでみたい。つかアニメ化希望だな。

104 :名無しさん@ピンキー :2010/10/31(日) 23:59:15 ID:aQ7IdvET (2 回発言)
な~んて誰か褒めてくれないかな。
誰も褒めてくれないから自分で言ってみましたw
実力が違いすぎるから無理そうだけどww

586:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:01:31 vFnQ3l1e
あの手この手と荒そうと必死だな

587:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:15:46 N7rn7Pk8
魔王って兎里氏が書いてるのか?
雰囲気だいぶん変わったな

588:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:16:59 RDVqtUFB
ここは作品褒めたら荒らし扱いされるおもしろいスレですねw

589:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:21:38 hVqoSRXr
俺も従妹と血液交換したり先輩にリストカット見せ付けられたり
後輩に庇われたりしたいお

590:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:30:34 vRRnjpQu
懐かしいな。アレは従姉妹との行為がエロい
ちょっと前(つってもかなり経ってるが)一度続きが来てるから完全死亡じゃないのかね

591:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:47:31 iOmlh3y3
>>579
GJ
続き読みたいす

592:名無しさん@ピンキー
11/02/11 22:53:23 mZoCGmDm
如月更紗みたいなキャラが出る作品知りませんか

593:名無しさん@ピンキー
11/02/11 23:30:03 Lu17R/0v
>>579
GJ!!
面白かったよー、姫さんのヤンデレが待ち遠しい

594:名無しさん@ピンキー
11/02/12 00:07:18 F35Ea0Pb
俺も魔王の話が一番好きだ

595:名無しさん@ピンキー
11/02/12 01:12:25 89stWOEp
魔王の話おもしろいですねGJです

でもそれぞれの作者さんによってヤンデレの定義はビミョーに違うだろうし表現の仕方も違うし、なにより読者の好みは違うだろうから基本的にどの作者さんにもGJでよろしいのでは
それで何か改善してほければ「~なヤンデレ好きだな」のように提案すれば良いのではと

だってここはヤンデレ好きな同士が集まって楽しむ場なのだから

596: ◆aUAG20IAMo
11/02/12 01:44:32 +jf6hEn0
なんだか感想をいっぱいもらえてテンションが上がったため続き書いてしまいました
ありがとうございます


597:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 7
11/02/12 01:45:23 +jf6hEn0
なにか
彼の言う小さい蟲が微細な粉薬を飲むような感覚で喉を走る
けれども食道を通る感覚はなく、そこでぷっつりと消えたかと思った
けれど、すぐに分かった
その蟲たちは、わたしのまぶたの裏で暴れだしたんだって

[痛い! 痛い痛い痛い痛いよぉっ!!]

まずはザラザラしたものが目の中を走る不快な感触
次に眼球の裏に焼けた針を刺し込まれているような激痛
それが止まらない。気を失うこともできない
針を抜いては刺し、抜いては刺しを繰り返されているみたい
こんなの、まるで拷問じゃない
痛いよ。痛くて痛くて死んじゃいそうに痛い
光を取り戻したい
それでもきっとわたしは、この拷問で死んじゃうんだ
騙されたの? 治療って言ってくれたのは、嘘だったの?
答えてよ、わたしと初めて話してくれた、お人よしの――

[がんばるッス、耐えるッス! 五分もあれば治せるはずッス!]

5分
彼の心から流れる響きに、それが絶望的な長さだと悟る
でも、ほんの少し、ちょっぴりだけだけど、痛みが引いていく
硬く硬くつぶったまぶたの上に、硬くて細くて、優しい手が添えられているのが分かる
暖かい
温度なんてほとんど感じられない手なのに、暖かい何かが流れてきているのが分かる

[蟲が治療中なんで、外部からは弱い鎮痛魔法しか流せないッス
 でも、もうすこしで光を見ることができるようになるッス! がんばるッス!]

硬く閉じたまぶたから涙があふれる
痛みのせいで無意識にこぼれてくる
けれど、それだけじゃない
和らいだとは言え相変わらず叫びだしてしまいそうな激痛の中確かに、嬉しさを感じていた
目も耳も閉ざされた世界に生きてきて、腫れ物に触るような扱いを受けることにすっかり慣れきっていたわたし
そんなわたしに対してこんなに必死になってくれた人は、きっと彼が初めてだった
決めた
わたしは頑張る
そして、この目がまた光を取り戻したら、一番最初に、あなたの顔を見よう
わたしのために、一生懸命になってくれたあなたの顔を

598:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 7
11/02/12 01:46:56 +jf6hEn0
永遠とも思える時間が過ぎる
今もまだチクチクするけれど、最初の時のような激痛はすっかり消えた
それでもまだ彼はわたしのまぶたの上に手を置いて、鎮痛魔法と言っていたものを続けてくれている
もう大丈夫って言ったのに
情報追加。彼は優しくてあわてんぼうで、その上心配性 っと

[エリスちゃん、もう痛くないッスか? 違和感はないッスか?]
[本当にもう大丈夫です。痛みは引きました]
[すまんッス。治療にはかなりの痛みを伴うってことをちゃんと説明してなかったワシの責任ッス]
[そうですよ。わたし、怒ってますからね]

もちろん、そんなことは微塵も思っていない
わたしの目を治すために頑張ってくれた彼に怒るなんて、そうしたらそんなことができるのだろう
だからこれは、わたしの初めての冗談

[ホントにホントにすまなかったッス! ワシはいつもこうして慌てて大切なことを言いそびれて叱られるんス! 
 エレキインセクトも今横で笑ってるッスし、お姫にも何度も何度も注意されてるンスが一向に治らないんスよ!
 次からは本当に気をつけるんでどうか許してほしいッス!!]

彼がまたさっきみたいに謝る
ごめんなさい。冗談なんて言ってごめんなさい。あなたは何にも悪くないの
そう心で言っても慌てふためいたあなたには届かない
だから、わたしは目の前にいるあなたに抱きついた
言葉を届けられないなら、体で伝えようと思って

[え、エリスちゃん? なんスか?]

頭に流れてくる言葉が落ち着きを取り戻す
豪奢な服を着ているような質感と、その服につりあっていないほどの細い体の感触がある
そういえば、魔族の人はいろんな姿があるって昔父様から聞いたことがある
ねえ、あなたは、いったいどんな姿をしているの?

[目を]
[え?]
[開けても、いいですか?]

その時、腕の中のあなたの体が一瞬だけ、たじろいだのが分かった


599:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 7
11/02/12 01:48:11 +jf6hEn0
[痛みが引いたのなら、もう目を開けて大丈夫ッス。でも、その前に手を放してほしいッス]
[どうしてですか? わたしは、あなたのことを一番に見たいのに]
[……ワシは、あんまり女の子に好かれるような容姿をしてないッス。昔人間に姿見られた時は、死神だって言われたッス]
[あの、もしかして傷ついてますか?]
[トラウマッス。ワシは回復とか結界とか非暴力系の魔法が得意なんスけど、黒魔法使いに見えるとか仲間にまで言われたんスよ]

だから、とわたしの手を振りほどこうと、あなたは体を振るう
だめ。逃がさない
わたしは誓ったの、目が治ったら、一番最初にあなたのことを見ようって
だから
わたしはまっすぐ顔を向けて、何年かぶりに、大きく目を見開いた

[わぁ……]

目の前にいたのは、名前の通りの魔族
王様が着るみたいな豪華な服と首飾り
頭には宝石がちりばめられた綺麗な冠
手には教皇様みたいな大きい杖
それを身にまとったガイコツ
それが、あなたの姿だった

[……だから言ったッス。怖いッスよね、ワシ]

しゅん、としょげてしまうあなた
そんなことないよ
顔に残ってる大きくてくりくりした目も、しょんぼりした姿もかわいいよ
それになにより、あなたはとってもいい人だもの
それをよく知ってるわたしが、怖がったりなんてするもんですか

[ううん。怖くなんてないですよ]
[優しいッスね。嘘でも嬉しいッスよ]
[嘘なんてついてない! あなたはとってもかわいいんです!]

わたしの言葉が届いて、あなたは目を丸くした後に、白い顔を真っ赤にしてうつむいてしまった
そんな彼を、部屋の奥にいた黄色くて大きな蜂(エレキインセクト、って呼ばれてたっけ)がおなかを抱えて肩を震わせている

[……可愛いなんて言われたの、900年以上生きてきて初めての経験ッス]
[わたしがいつだって言ってあげます。あなたはかわいいんだぞ、って]

照れた仕草があんまりにもかわいくて、わたしは思わず彼の大きな額に口付ける
すると、今度は服に隠されていない部分全ての骨が真っ赤に染まり、頭から煙を出して彼は倒れてしまった
……それを見ていた後ろの蜂はおなかを抱えるどころか、床をのたうち回って大笑いしていた


600:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 7
11/02/12 01:48:41 +jf6hEn0
[面目ないッス。醜態を見せたッス]
[そんなことないです。……後ろの蜂は大笑いしてましたけれど]

数分後、起き上がってきた彼は白い顔に戻っていた
そしてまだ笑い続けている蜂の頭に杖を振るい、殴った
あ、なにか怒鳴りつけてるみたい
でも蜂は意にも介さずに、頭をさすりながら彼を指差して笑ってる
ああ、こんな時に耳が聞こえたらわたしもお話に入れるのに
……なんて数分前までは考えもしなかったようなことを思ってしまうのは、贅沢だろうか?

[ちょっとエレキインセクトとお話するッスから、少し待っててほしいッス]
[はい]

するとさっきまでの騒がしそうだけど柔らかい雰囲気もどこへやら
ずいぶんと真面目なお話をしているみたい
そんな時、二人がびくっと震えたかと思うと、わたしは彼に抱きかかえられていた
その体は、瘧のように震えている。怖がっているんだ
そして蜂は、大慌てしながらも扉とわたし達の間に入る

[ちょっと、ほんのちょっとだけマズいことになったッス]
[?]
[危ないから、エレキインセクトが守ってる間に転移魔法で逃げるッスよ]
[ちょ、ちょっと、どういうことなの?]

それに答えずに立ち上がった彼が杖を振るうと、わたし達の体が光に包まれる
その時一瞬だけ見えた、わたしよりも年下に見える女の子
その目には明確な敵意、ううん、殺意がこめられている
どうして、なんでわたしをそんな目で見るの
その意思に気圧されそうになる
けれど、わたしだって負けられない

[あなたは、彼を怖がらせた]

わたしは怒っていた
冷静に考えれば彼は魔王直属軍司令官、その彼を怖がらせる存在に無力なわたしが怒ってもどうしようもない
でも、わたしは怒っていた
優しくてあわてんぼうで心配性な彼を怖がらせた少女が、わたしは憎い
直感的に分かった。あなたとは、絶対に相容れないと
その感情をぶつけたその瞬間、わたし達はその場から消えた


601: ◆aUAG20IAMo
11/02/12 01:51:24 +jf6hEn0
投下終了です
これでエリスと姫の話が繋がったので、次は誰の話にするかから考えます
ありがとうございました

>>587
いえ、私はコテはこれしか持っていませんし
ここに書き込み始めたときから同じものしか使っていませんよ。証明はできませんけれども

602:名無しさん@ピンキー
11/02/12 02:00:14 LsQDaKKt
投稿乙。GJ

エリス×魔王はないのかな?少し残念だ…

603:名無しさん@ピンキー
11/02/12 03:09:46 S+JQsxfL
エリスちゃんかわいいなぁ

604:名無しさん@ピンキー
11/02/12 07:50:18 NU7hsfpk
エリス×魔王はないのか・・・。

605:名無しさん@ピンキー
11/02/12 08:16:41 vI1NXLSJ
泥棒猫ではなさそうだ

606:名無しさん@ピンキー
11/02/12 08:35:09 juJ23X8m
魔王だけ読めれば俺は満足だ
GJ

607:名無しさん@ピンキー
11/02/12 12:48:15 tvHxgv74
保存庫に触雷!が更新されて無いんですが

608:名無しさん@ピンキー
11/02/12 13:10:46 Lbj9nKld
ほんとだ

609:名無しさん@ピンキー
11/02/12 17:00:00 MpBkICh/
今wiki編集してきたんだけどさ
アンサングランテが管理人しか見れない設定になってるのはなんでなんだ?
17話追加しようと思ったんだがこれじゃ意味がない

610:名無しさん@ピンキー
11/02/12 17:02:13 MpBkICh/
と思って掲示板見たら引退されたのね
調べずに書き込んですまんかった

611:名無しさん@ピンキー
11/02/12 17:13:31 vI1NXLSJ
なんかスレがグダグダしてて
くだらねえと思ってSS以外読んでなかったけど
アンサングランテの人引退してたの?
かなり好きで楽しみにしてたからすげえショックだ
定期的に書いてくれてたのも良かった

612:名無しさん@ピンキー
11/02/12 17:17:58 LsQDaKKt
アンサングランテ帰って来て欲しいな…

せっかく監禁スタートしたのに。これなんて焦らしプレイ?

613:名無しさん@ピンキー
11/02/12 17:22:02 kGOGKr/p
アンサングランテの人は……もう、ヤンデレっこに監禁されてしまって……っうう……
でも、もう一人のヤンデレっこが解放しにくるまで、わたしは待ちますよっ!!

614:名無しさん@ピンキー
11/02/12 17:26:35 gng/HRMU
ヤンデレは人生

615:名無しさん@ピンキー
11/02/12 17:51:50 tvHxgv74
次の作品投下まだかな?

616:名無しさん@ピンキー
11/02/12 18:58:44 rhvtT6cM
test
!ninja

617:名無しさん@ピンキー
11/02/12 20:09:04 h4qbzKIx
てすと

618:名無しさん@ピンキー
11/02/12 20:11:00 h4qbzKIx
pcで書き込み出来んのはなんなんだろ

619: 冒険の書【Lv=2,xxxP】
11/02/12 20:54:33 rhvtT6cM
冒険の書規制じゃないの。


620:名無しさん@ピンキー
11/02/12 21:19:44 HG0L8RfG
アンサングランテおもしろくなかったけど、消すのはよくないな

621:名無しさん@ピンキー
11/02/12 21:20:03 5BfSA3Nv
規制キツイなぁ…

622:名無しさん@ピンキー
11/02/12 22:14:23 3FCiH4JD
!ninja
てすつ

623:名無しさん@ピンキー
11/02/12 22:22:26 VmfnEt9/
サトリビト
ぽけもん 黒
群青が染まる
ほトトギす


どれか来て下さいお願いします

624:名無しさん@ピンキー
11/02/12 22:52:41 tvHxgv74
触雷!・現物支給・黒い陽だまり・風雪来てくれ

625:名無しさん@ピンキー
11/02/12 23:19:13 5BfSA3Nv
ははっ(笑)

626:名無しさん@ピンキー
11/02/12 23:31:27 tvHxgv74
次の作品投下まだかな?

627: ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:51:08 rhvtT6cM
投稿します。規制のせいで少し遅くなるかもしれませんが。

628:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:52:43 rhvtT6cM
第二十一話『バッド・コミュニケーション』

ブリュンヒルドを殺す。記憶継承のその日から、シグナムの頭にはそれしか思い浮かばなかった。
これまでにもブリュンヒルドを殺そうと思った事は幾度もあった。
しかし、その度に思い留まった。良心ではなく、打算からの理由だった。
怒りに任せて突撃しても、謀略で以って殺そうとしても、
あれは全てを跳ね返してしまうだろうと思ったからである。
とはいえ、今回ばかりはそうも言っていられない。
漠然とした予感が、確信へと変わった。イリスの記憶がそれを明確に物語っている。
このままでは、間違いなくブリュンヒルドに殺される。
なぜ今までなにもされなかったのか、理解に苦しむところであるが、それは些細な事でしかない。
あれは人間ではない。人間の皮を被った悪魔なのである。悪魔に道理などあるはずがない。
「殺られる前に殺らねば……殺られる前に殺らねば……殺られる前に殺らねば……」
何度も自分にそう言い聞かせ、揺らぎそうになる気持ちを鎮めた。
最早、後戻りの出来ないところまできてしまっている。
陰謀は途中で断念しても、必ず後で暴きだされてしまう。
陰謀を実行し失敗しても、中止しても、どの道殺されてしまう事には変わらない。
それなら実行する以外に道はない。
シグナムは生きるために、惨殺されたイリスの安らぎのために、
そしてなにより、過去と決別するために、動き出した。
まずはブリュンヒルドをここに足止めする必要がある。
そう考えたシグナムは、ブリュンヒルドの説得に向かった。
部屋に入ってみると、ブリュンヒルドは手帳を片手に、蕩けた表情をしていた。
「えっ……、ひゃあっ!シグナム様、ノックぐらいしてくださいよ!」
「ノックもしたし、何度も呼び掛けたぞ」
慌てて手帳をしまったブリュンヒルドの顔が紅い。
なにを見てそうなったのかは、聞くだけ無駄なので聞かない事にした。
「そっ……それで、こんな朝早くから一体なんの御用ですか?」
「あぁ……、しばらくこの宿を拠点にする事を告げに来ただけだ。
理由は、言わなくても分かるだろ。それじゃあ、また後で……」
「あっ……、シグナム様、お待ちください」
出て行こうとして、呼び止められた。ブリュンヒルドの顔は相変らず紅いままである。
「あの……、一人では不安なので、
一緒に情報収集をしたいのですが、……よろしいでしょうか?」
もじもじしながらそんな事を言うブリュンヒルドに、
シグナムは、なに純情乙女気取ってやがる、似合わないんだよ、糞女が、
などと暴言が口から出そうになるが、耐えに耐えた。
この女の不可解な行動など、既に嫌というほど見てきている。
下手な事を言って機嫌を損ねさせるより、乗じるのが得策である。
首を縦に振って、シグナムは部屋から出ていった。


629:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:54:01 rhvtT6cM
情報収集に出掛ける段になって、シグナムは自分の服が寝巻きしかない事に気付いた。
海に落ちてからずっとこの服だった事をすっかり忘れていたのだ。
流石に朝っぱらからこの服装のままで外出するのは恥かしい。
一考したシグナムは、従業員服を借りて外出した。ブリュンヒルドにはなにも告げなかった。
玄関先まで出て、シグナムの足が止まった。目の前の陽だまりに足が出せないのである。
疑問に思い、試しに右手を陽だまりに向けようとしたが、これも同様に途中で止まってしまった。
まるで身体が太陽の光を嫌う様である。
もしや、と思ったシグナムは、握っているイリスの傘に目をやった。
傘の骨組みはちょっとやそっとの強風では壊れないほど頑丈に作り込まれており、
傘布はやはり日光を完全に遮断する素材で出来ていた。
「仕方ない……か」
そう呟いたシグナムは、傘を開いて陽だまりに足を踏み出した。今度はなにも起こらなかった。



服選びは難航を極めた。
以前の旗袍と道服を組み合わせた様な服は、当然店に売っていなかった。
ゆったりとした服が好きなシグナムにとって、これは大問題だった。
とりあえず様々な服を着比べた。どれもこれもしっくりこなかった。
熟考の結果、足首まで隠れるほど長い青ローブとズボン、
白いケープ、青フード、ロングブーツで片が付いた。
どこからどう見てもどこかの協会の司教にしか見えなかったが、シグナムは気に入った。
店から出た時には、既に日は沈み始めており、傘は必要なくなっていた。



「シグナム様、今日は一緒に情報収集をするって約束したじゃないですか!」
宿に帰ってきて早々、ブリュンヒルドの非難の声が響いた。
カウンターの真ん前、それも周りには客がいるというのに、だ。
客や従業員の視線が痛い。シグナムは恥かしくて堪らなかった。
「あぁ、すまなかったな。服を買っていて忘れてしまったのだ」
極力冷静に、言葉を選んで、シグナムは紙袋を見せた。
ブリュンヒルドの表情が、怒りから驚きへ、そしてまた怒りに戻った。
「服を買いに行った……って、どうして私を誘ってくれなかったんですか!
私だってシグナム様と買い物がしたかったのに」
「明日こそはちゃんと情報収集に行く。それじゃあ」
ブリュンヒルドのアホな言葉を半ば無視し、シグナムは部屋に向かった。
「必ずですよ、明日は必ず一緒に行くんですからね!」
後ろでブリュンヒルドの喧しい声が聞こえる。
舌打ちをしたシグナムは、従業員服を脱ぎ捨てると、そのままベッドに倒れ込んだ。
その日は夢を見なかった。


630:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:54:48 rhvtT6cM
久し振りに快眠だった。
夢という余計な事に頭を使わなかったのですっきりしていた。
背筋を伸ばし関節を鳴らすと、鎧戸を開けようとして止めた。
そういえば、自分は太陽に弱くなった事を忘れていた。
このまま鎧戸を開けたら、清々しい朝日を浴びながら昇天しかねない。
仕方なく蝋燭に火を灯し、身だしなみを整える事にした。
昨日よりも髪の毛が伸びていた。確か昨日までは普通に短めだったのに、
今はセミロングになっていた。これなら小さいポニーテールが一つ出来そうである。
さらに酷いのが、一本だけ飛び出した髪の毛である。
周りがちゃんと整っているだけに、そこだけ飛び出しているのはいかにもアホらしい。
ブラシで何度も梳かしているが、一向に直らない。
「あぁ~、くそっ!」
なんだか苛々する。これでは恥かしくて外に出れない。
必死に癖毛を梳かそうと悪戦苦闘し、シグナムは時間を忘れていた。
「シグナム様、情報収集に行きましょうよ」
ブリュンヒルドが来てしまったのだ。シグナムは鏡で自分の顔を見た。
飛び出した髪の毛は、ぴんぴんしている。
このアホ毛(シグナム命名)め、と内心自分の髪の毛を罵倒したシグナムは、
青フードでこのアホ毛を隠すという窮余の策で、ブリュンヒルドを出迎えた。
「待たせたな。では、行こうか」
「はい、行きま……」
ブリュンヒルドの声が途切れてしまった。
どうしたんだ、と声を掛けると、ブリュンヒルドが震える指でシグナムの頭を指した。
頭に手をやってみると、なにやら感触があった。
もしや、と思ったシグナムは、慌てて部屋に戻り鏡を見てみると、
フードからアホ毛が飛び出していた。
鏡の前で固まるシグナムを、蕩けた表情でブリュンヒルドが見ていた。
最悪だった。最も見られたくない奴に痴態を見せてしまったからだ。
今からこのアホ毛を隠そうかと思ったが、それはただの悪あがきでしかなく、
ブリュンヒルドに嘲笑われてしまうのは明確である。いっそ開き直った方が傷は少なくてすむ。
「これは、……ファッションだ」
そう言ってシグナムは、ブリュンヒルドの前を歩いていった。
待ってください、と後ろからブリュンヒルドが追い掛けてきた。


631:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:55:43 rhvtT6cM
手馴れた手付きで傘を開き、シグナムは朝の陽だまりに足を踏み出した。
これまで雨の時ぐらいにしか使わず、正直持っているのが面倒だった代物ではあるが、
命に関わるとなると、今となっては頼もしい存在である。
これから一生を共にする相棒なのだから、なにかしらの改造を施した方がいい。
骨組みをさらに頑丈にし、傘布をさらに厚くして弓矢を弾き落とせる様にするのがいい。
石突には穴を開けて吹き矢にすると奇襲に使えるなど、思いの外夢が広がった。
「シグナム様、今まで傘なんて差さなかったのに、どうして?」
だというのに、隣を歩くこの女はそんな余韻を味わう時間もくれないらしい。
そんな事、聞く必要があるのか、という視線を向けたが、
ブリュンヒルドの瞳は爛々と輝いていた。
はぁ、と溜め息を吐いた。白い息が冬を実感させた。
苦し紛れに、肌が焼けるのが嫌だから、と言ってみたが、言い訳には随分と辛いものがあった。
この様なことを言うのは、歳若い女ぐらいしかいない。
だが、ブリュンヒルドはそれで納得してくれた。
そうですね、太陽の光はお肌の天敵ですからね、等と言って。
その通りなのだが、それをお前が言うな、とシグナムは内心突っ込みたかった。
それはともかく、情報収集である。
集るのはどれも、この町の名所に関する事ばかりで、
この大陸で起こっている内戦の事など殆ど入ってこなかった。
西方大陸の、国という国が滅び、群盗が跋扈していた時とは訳が違い、
こちらは七つの大国が独自に分国法を施行し、国民の流出を抑えるためか、
他の情報が入りにくかった。所謂愚民政策である。
「結論は、平民に話を聞いても無駄、という訳だ」
昼になり、カフェの椅子に腰掛けたシグナムが、コーヒーを啜りながらそう言った。
「つまり、政府に取り入るか、軍隊の将官クラスならなければ、
優良な情報は聞きだせないというのですね」
ブリュンヒルドが紅茶を一口含んで言った。
その通りなので、シグナムはあえて口を出さなかった。
以前であれば、王家の紋章で色々なんとかなったが、
それがない今、どの様にして国に入り込むか、それが問題だった。
シグナムが対策を考え始めた時、唐突にブリュンヒルドが声を上げた。
「シグナム様、気分転換しませんか?」
その声のせいで、気が散ってしまった。
シグナムはブリュンヒルドを睨み付けたが、当の本人は気にした体でもなかった。
「この町の西北に、エイロス岬という所があるのですが、
景色もよく、考え事をするには最適な場所なので、どうかと思いまして……」
考え事なら、ここでも出来る。そう言おうとしたが、喉元で言葉が突っ掛かった。
陽だまりに手を差し出そうとして止まったのと同じ様な反応だった。
その時の様に、この反応も的確なものかもしれない。
そう一考したシグナムは、分かった、と言って、エイロス岬に行く事にした。
ブリュンヒルドが小躍りして喜んだ、様に見えた。


632:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:56:23 rhvtT6cM
エイロス岬に向かう道には、多くの木が林立していた。
生い茂る木々が真昼の太陽を薄っすらと隠し、林道は薄暗く静まり返っている。
「なんだか、心が洗われる様な気がしますね」
「ここは伏兵を置くのには絶好の場所だな」
お互いに全く違う感想に、ブリュンヒルドは話す切欠を失った様に黙り込んでしまった。
あんな事を言ったが、シグナムとしてもこれぐらい静かなのがちょうどよかった。
ブリュンヒルドが言う様に、心が洗われる気がしたからだ。
無言のまま林道を歩き続けると、道の奥の方から潮の臭いが香り始めた。
林道を抜けると、そこは断崖だった。潮風が心地よかった。
「このエイロス岬は、遥か昔に神様が舞い降りた所と言われているんです」
急にブリュンヒルドが語り始めた。走ったためか、その顔は多少紅かった。
どうせ情報収集で聞いた受け売りだろうと思いながら、シグナムは崖の下を覗き込んでみた。
崖はとんでもなく高かった。過去にブリュンヒルドに落とされた崖の三倍の高さがあり、
さらにその下には剥き出しの岩礁が覗いていた。
「……なので、この岬で夕日を見るとこ……」
「落ちたら、間違いなく助からないな」
シグナムはブリュンヒルドの言葉など全く聞いておらず、
精々雑音としてしか耳に入ってこなかった。
それはブリュンヒルド同様で、語りに夢中で、シグナムの声や動きに気付いていなかった。
シグナムの胸中に、どす黒い思考が渦巻き始める。
やるならば、ここでしかない。既にどうするかも頭の中で出来ている。
傘の柄を掴む力が強くなった。不意に傘が海から吹いてきた強風で悲鳴を上げた。
慌てて転回して、強風から逃げた。
「……という訳で、今日の夕方、一緒に夕陽を見ませんか?」
長広舌を振るっていたブリュンヒルドが、シグナムの方に振り向いた。
表情がなにかを期待するものになっていた。
どうやら、今度こそ殺しにくるらしい、とシグナムは確信した。
だが偶然にも、自分もこの岬に用事が出来てしまった。
とはいえ、今日中という訳にはいかない。準備が必要だった。
「今日中というのは、……出来れば明日にして欲しいのだが……」
「はっ……はいっ!!やっっっったぁああああああ!!!」
今まで聞いた事のない声をブリュンヒルドが上げた。
シグナムは、醒めた視線でブリュンヒルドを見つめていた。


633:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:57:32 rhvtT6cM
次の日、宿にシグナムはいなかった。
朝早くに起きたブリュンヒルドが、シグナムの部屋に向かった頃には既にいなかったのだ。
ブリュンヒルドの顔色が、目に見えて悪くなった。
その場を歩いていた従業員にシグナムの行き先を聞いたが、知らないと答えられた。
慌ててブリュンヒルドは宿を出ると、シグナムの行きそうな場所を虱潰しに当った。
大通りを歩いている人に、傘を持って歩く司教服を着た人は見なかったか、と訊ねた。
これほど個性的な服を着た人物だというのに、一切情報は集らなかった。
既に日が傾き始めている。このままではシグナムとの約束が果たせそうにない。
溜め息を吐いて顔を上げたブリュンヒルドの目に涙が浮かんでいた。
もう調べられる所は全て調べた。これ以上はなにもない。
とぼとぼと、ブリュンヒルドは宿の方に踵を返した。
もしかしたら、既に戻って来ているかもしれないと淡い期待を抱いたのかもしれない。
宿に着いたブリュンヒルドに、従業員が声を掛け、一枚の手紙を渡した。
手紙には、こう書かれていた。

『夕暮れ時のエイロス岬で待つ』

そっけない一文だった。それを見たブリュンヒルドは、従業員を睨み付けた。
悲鳴を上げた従業員は、あなたに渡そうとしたら、
物凄い速さで出て行かれたので渡せなかった、と言い訳をした。
怒りを収めたブリュンヒルドは、手紙を懐にしまうと、再び走り出した。


一方で、シグナムはエイロス岬の断崖に立ち、沈む夕陽を眺めていた。
黒と黒の間に半円の赤い太陽が浮かんでいる。まるでトンネルの中にいるみたいだった
ブリュンヒルドは夕陽がなんとかと言っていたが、なるほど、見る価値は十分あった。
まるで今までの暗い世界から、明るい世界へと飛び出す予兆の様に見えた。
自然と願い事が噴出してきた。これから先も、この様な景色をもっと見てみたい。
もっといろんな人に会ってみたい。もっといろんなものを食べてみたい。
もっとたくさんの事をしてみたい。願いが溢れて止まらなかった。
だというのに、その様な些細な願いさえも、ブリュンヒルドは破壊しようとしている。
子供の頃から散々馬鹿にされ、そして殺されかけた。
大人になったらなったで、精神を徹底的に蝕まれた。
そして来るべき結末は、惨殺である。
なんと救いのない人生か。皆を統べるべくして生まれた王族が、
一貴族の一人娘に陵辱されているのだ。そう思うと、ブリュンヒルドへの殺意が高まっていった。
最早、恐れはない。心にあるのは、死んで堪るか、という一言のみだった。
背後から足音が聞こえてくる。死の足音か、生の足音か。
「……準備は全て整った。後は見ていてくれ、イリス……」


634:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:58:18 rhvtT6cM
「シグナム様、捜しましたよ!なんで勝手に行っちゃうんですか!」
息を切らしたブリュンヒルドがシグナムの掛けてきたのは、非難の声だった。
だというのに、その声音には怒りの色は見られず、なぜか嬉々としたものだった。
シグナムはブリュンヒルドに声を掛けられたというのに顧みず、夕陽を眺めていた。
夕陽は、もうじき地平線の下に沈み、夜の世界になろうとしていた。
「一緒に夕陽を見る約束……、これで果たしたな」
そうシグナムは呟いて、やっと振り返った。振り返ったシグナムの目は、
薄暗い中でもよく分かるほど真っ赤に光っていた。
「しっ……シグナム……様……」
なにかを感じたのか、ブリュンヒルドがシグナムに近付こうとした。
しかしその時、海側から強烈な風が吹き、ブリュンヒルドの足を止めた。
さらにシグナムの持っていた傘が飛来し、ブリュンヒルドの視界を一瞬遮った。
ブリュンヒルドが目を開けた時には、そこにシグナムはいなかった。
刹那、ブリュンヒルドは剣を抜き、目の前を切り付けた。金属音が響いた。
ブリュンヒルドが声を上げる暇もなく、あちこちで土埃が立ち始めた。
降り注ぐ無数のなにかを見て、地形の不利を感じたのか、
ブリュンヒルドは林道の方に逃げようとした。
が、林道への入り口の直前で、ブリュンヒルドは後ろに飛び退いた。
「なんでこんな所に槍衾が……」
飛び退りついでに剣の腹で飛んでくるなにかを受け止め、振り向き際に横に一閃した。
剣風が全てを吹き飛ばした。
一つ大きな息を吐いたブリュンヒルドは、休む間もなく剣を上段に構えた。
火花が散り、一瞬だけ空間が歪んだ。
「急襲は失敗……か。……化け物め!」
歪みから聞こえてきたのは、紛れもなくシグナムの声だった。
「シグナム様、……これは一体、……なぜこの様な事を……」
「この様な……。それはお前が望んだ事だろう?」
「なにを……」
「お前は私を追い詰めるためにイリスを惨殺し、そして今、私を殺すためにここに来た!」
「殺す?……シグナム様はなにを言っているのですか!?私がその様な……」
「黙れぇええええ!!!」
見えない斬撃がブリュンヒルドを襲った。受け止めるたびに、凄まじい金属音と火花が散った。
「待ってください、シグナム様!私はあなたの事を……」
「貴様の戯言など聞きたくない!」
シグナムの怒声の後、ブリュンヒルドの周囲の空間が歪み始めた。
とっさにブリュンヒルドが退いた。忽ち剣身が閃光と共に消滅した。
「なっ……」
「ちっ……、これも外したか!だが、これでお前の武器はなくなった!」
不可視のシグナムが高らかに勝利を宣言した。しかし、
「シグナム様、申し訳ありません」
その一声と共に、ブリュンヒルドは虚空を掴み、投げ飛ばした。土煙と悲鳴が同時に上がった。
歪んだ空間から、ブリュンヒルドに腕を掴まれたシグナムが現れた。
シグナムは心外そうな表情を浮かべていたが急にくつくつと笑い始めた。
小さかった笑い声が、次第に狂った様に大きなものへと変わっていった。
瞳も淀み、どこを見ているのか分からなかった。
「結局、この力を以ってしても、お前には勝てなかったか……」
自虐めいた言葉は、潮風と波の音に掻き消された。
次の瞬間、大音響と共に大地が揺れた。岬は轟音を立てて崩壊し、海に降り注いだ。
エイロス岬の景色が一変した。


635:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:58:56 rhvtT6cM
岩が崩れ落ちる中、シグナムは崖壁に掴まっていた。岬崩しの策は、どうやら成功したらしい。
今頃ブリュンヒルドは、下の岩礁に頭を叩き付けて死んでいるであろう。
仇は討った、とシグナムは喜びを胸に、崖をよじ登ろうとした。
突如、月光を遮る影がシグナムを覆い、手を伸ばされた。
「シグナム様、大丈夫ですか!?」
それは、最も聞きたくない声だった。身体中の血という血が引いてしまった。
手を伸ばしていたのは、間違いなくブリュンヒルドだった。
傷どころか土埃さえ付いていない様を見て、
やはりブリュンヒルドを殺せるものなどいないのだ、と絶望感がシグナムを包んだ。
「話は後で聞きます。今は手を掴んでください!」
ブリュンヒルドの手が、さらに腕を伸ばしてきた。
掴もうと思えば届く距離であるが、シグナムはそれを掴む気にはなれない。
掴めばどうなるかは、過去の教訓から分かっている。
「お前の手を掴むくらいなら……」
いっそ道連れにしてやる、と言い掛けて止まった。
大きく見開かれた目が、ブリュンヒルドを見つめた。
「しっ……シグナム様……?」
「まだ分からないんですか、あなたは……」
急にシグナムの口調や雰囲気が変わった。
感情のない声が、ブリュンヒルドを刺した。
「えっ……、シグナム様……」
「あなたは過去にどれほど非道な行ないをしたのか顧みた事もないのですか?
その無神経が、どれほど他人を傷付けていたのかも分からなかったのですか?」
矢継ぎ早にシグナムは問い掛ける。その様はさながら検察官の尋問だった。
「わっ……私はその様な事……はっ……」
ブリュンヒルドの表情から、血の気が引いていき、遂には震えだした。
「どうやら、思い出したみたいですね」
「しっ……シグナム様、申し……」
ブリュンヒルドの声が途切れ、口から血が滴り落ちた。
槍がブリュンヒルドの脇腹を刺し貫いていた。
「なんっ……で……」
強かに血を吐いたブリュンヒルドはバランスを崩し、崖から転落した。
入れ違うように、シグナムは崖をよじ登り、崖下を覗き込んだ。死体は浮かんでいなかった。
とはいえ、この高さから転落し、さらに下は岩礁だらけである。
助かる事など絶対にありえないだろう。
「ざまあみろ」
そう呟き、シグナムはエイロス岬を後にした。


636:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/12 23:59:45 rhvtT6cM
引き続き、投稿します。こっちはIFです。

637:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:00:18 jfDCykFL
第二十一´話『そういえば、レギンってどうなるの?』

岩が崩れ落ちる中、シグナムは右腕だけで崖縁に掴まっていた。
ブリュンヒルドを殺すためとはいえ、流石に岬崩しの策はやりすぎた。
その代償で、左肩を強かに打ち、骨を砕いてしまった。
だが、こうでもしなければあの化け物は殺せなかったのだ。
それを思うと、左肩の犠牲くらい安いものである。
シグナムは右腕に力を入れて、懸垂する様に崖をよじ登ろうとした。
突如、月光を遮る影がシグナムを覆い、右手を掴んだ。
「シグナム様、大丈夫ですか!?」
それは最も聞きたくない声だった。身体中の血という血が引いてしまった。
右手を掴んでいたのは、間違いなくブリュンヒルドだった。
傷どころか土埃さえ付いていない様を見て、
やはりブリュンヒルドを殺せるものなどいないのだ、と絶望感がシグナムを包んだ。
「今助けますからね、じっとしていてください」
ブリュンヒルドの手に力が入った。このまま引きずり上げられたらどうなるか。
本当に助けてくれるなどという甘い考えは、そもそもシグナムの頭にはない。
ブリュンヒルドの事だ。きっと、半死半生になるまで嬲られた挙句、
死後も辱められてしまうだろう。
死ぬ事は別に怖くない。だが、イリスの仇を打つ事も出来ず、
人としての尊厳を無視されて惨殺されるのだけは絶対に嫌だった。
「そうなるくらいなら……」
シグナムはブリュンヒルドの手を振り払い、落下直前に右腕を薙いだ。
瞬間、ブリュンヒルドの首に赤い線が走り、次に鮮血が降り注いだ。
末期の言葉などありはしなかった。
終わった、というのがシグナムの感想だった。
イリスの仇を討て、さらに短い時間ではあるが、トラウマを乗り越える事が出来た。
魔王討伐とガロンヌの排除が出来なかったのは心残りだが、
終わり方としては、十分すぎるものだった。シグナムは小さく笑った。
もうすぐこの世ともお別れである。目の前に岩礁が近付いていた。


638:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:01:21 rhvtT6cM



シグナムがアーフリード領を脱出したという知らせを聞いてから、既に三ヶ月が経った。
ブリュンヒルドは信用できないと判断したガロンヌは、それとは別に密偵を送り込んだ。
今度こそシグナムを仕留められる、と確信していた。
ところが、である。
トゥファニアの東の玄関口であるカヴァールに到着した密偵は、
シグナムだけでなく、一緒にいるはずのブリュンヒルドも見付ける事が出来なかった。
確実にシグナム達がこの町に来たというのは間違いないというのに、だ。
念のために七国に捜索依頼を出したが、それも徒労だった。
密偵の報告を聞いたガロンヌは、すぐさま御前会議を開いた。
シグナムが生存しているか否かを決めるための会議である。
議題に疑問を持った者達もいたが、この会議に誰も異論を唱えなかった。
結果はしばらく様子を見ようと言う者達や、
今すぐにでも代王を正式な王に即位させようと言う者達で半々だった。
まだ子供であるレギンに裁定を仰ぐ事は出来ない。
必然的に摂政であるガロンヌが裁定を下す事になる。
当然、やるべき事など決まっていた。
ガロンヌはシグナムの死亡認定と、レギンのファーヴニル王即位の両方を決定させた。
手順はかなり違ってしまったが、ガロンヌは遂にレギンを王にする事が出来た。
計画は着々と進んでいた。後はこの王様が、自ら政治をやるなどと言わなければいい。
そうなった場合は、速やかに玉座からご退場願わなければならず、
せっかくの計画も台無しである。出来れば無能な王であって欲しい。
自分にとっても王にとっても、ガロンヌはそう思っていた。


639:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:02:00 rhvtT6cM
子供の頃のレギンは、異母兄であるシグナムから見ても賢愚が定かではなかった。
まだ九歳なのだから仕方ないと言えば仕方ないのだが、なんとも特徴のない子供だった。
その平凡なレギンは、十二、十三と歳を重ねたがこれといって知性のきらめきを見せず、
十五、十六歳頃になると、目に見えて変化があった。
酒を飲むようになったレギンは、連日後宮に入り浸り、長夜の飲を行なう様になったのだ。
だが、レギンの淫行はこれだけに留まらなかった。
長夜の飲も然る事ながら、メディア・コルキスという愛妾を常に侍らし、
女官達に音楽を奏でさせるなどして、ますます堕落の度合いを強めていった。
レギンがまだ政治に関与する歳でないとはいえ、
流石にこれはまずいと思った者もおり、臣下の何人かはこの淫行を諌めようとした。
しかし、後宮には王以外の男は入れない決まりになっているため、
諫言できる場所が限られていたばかりか、
レギンが諫言する者は殺すという箝口令を出し、臣下達の口を塞がせてしまったのだ。
出歩く際は、ローラン・デュランダルという素性も知れない仮面騎士がレギンの傍に侍り、
この令が冗談ではない事を内外に知らしめた。
この状況をほくそ笑んでいたのはガロンヌだった。
平凡だとは思っていたが、まさかこちら側に堕ちてくれるとは思わなかった。
あと二年で、レギンが政柄を握る事になる。
それだけの時があれば、暴君にするなど造作もない事である。
親政開始時に、この様な絵に描いた暴君を見れば、皆大いに失望し、新たな王を望むだろう。
その時こそ、自らの野望を成就させる絶好の機会である。
残りの二年、レギンの好きな事をやらせてやろう。
あの女が欲しいと言えば、大臣の妻であろうと掻っ攫い、
宮殿を大きくしたいと言えば、民家を潰し、金が欲しいと言えば、民に重圧を掛けてやろう。
自らの命令で思い通りになる快楽をたっぷりと味合わせて、地獄の底に叩き落してやる。
それまで、精々人生の春を謳歌するがいい。
薄笑いを浮かべたガロンヌは、部屋の闇に消えた。


640:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:02:28 rhvtT6cM
二年の歳月はあっという間に過ぎた。レギン親政の年である。
結論から言えば、レギンは暗君から暴君へは墜落しなかった。
だが、暗君から名君にもならなかった。
やっている事は今までと変わらず、酒、女、音楽に溺れる日々だった。
せっかくレギンの評判を叩き落す好機だったが、これではあまり意味がなかった。
とはいえ、まだ時間はある。豹変するまで様子を見る事で、ガロンヌの腹は決まった。
摂政から宰相になったガロンヌは、この怠惰な王の親政を静観した。
一、二年と時が過ぎ、季節は春の盛りとなった。
レギンは相変らず酒ばかり飲んでいるが、一向に暴君の片鱗は見せなかった。
国内はガロンヌの手腕もあり、可もなく不可もなく治まっていた。内心、ガロンヌは焦り出した。
これまでにも怠惰な暗君というのは何人とこの世に出てきた。
それ等は皆、何事もなくその生を全うしていった。
今更怠惰と言う理由だけで追放する事など不可能だったのだ。
ガロンヌは眠り目で群臣達を見渡すレギンを見つめた。
知性の知の字も見当たらないその顔に、ガロンヌはなんとも言えない苛立ちを覚えた。
退廷後、ガロンヌはとある一室に同志数人を集めた。
彼等はガロンヌが選んだ平民出身の大臣達だった。
「計画の実行を早める」
開口一番にそう切り出したガロンヌに、大臣達は顔色を失った。
沈黙の中、一人の大臣が口を開いた。
「宰相閣下、確かに陛下は色に溺れる暗君ですが、まだ暴政を行なった訳ではありません。
今計画を実行すれば、貴族達や他の公子達の反発を招きますぞ」
「そんな事は先刻承知だ。だが、この千載一遇の機会を逃せば、
我々の理想郷の実現は遠退くばかりである。ここが勝負の分かれ目なのだ。
民さえ味方に付けられれば、公子や貴族など恐れるに足りぬ」
ガロンヌはそう言うと、大臣達に指示を出し、散会した。
その夜中、大臣の一人がファーヴニル城を抜け、領地に帰った。
五日後、その領地で反乱が起こり、その火種は各地に広がった。
兵士や平民を合わせて、五十万にも及ぶ大乱だった。


641:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:03:03 rhvtT6cM
反乱勃発の報せは、すぐさまレギンの許に届いた。
驚いたレギンはすぐさま御前会議を開いた。
「はっ……反乱が起こったというが、どっ……どうすればいいのだ!?」
おどおどと左右の群臣を見回し諮問する様に、王の威厳など見当たらなかった。
内心で薄ら笑いを浮かべているガロンヌが進み出た。
「私に兵をお与えください。相手は所詮寄せ集めです。一戦で打ち砕いてみせましょう」
「そっ……そうかそうか、汝は政治だけでなく軍事も堪能だったとは、
長い間共にいたが、全く気付かなんだ。で、兵はいかほど所望するのだ?」
「二十万もあれば十分でしょう」
「おうおう、賊軍の半数以下の兵力で戦うとは、なんとも勇ましいものよ。
よし、汝に全権を預けるゆえ、見事に賊を討滅せよ」
レギンは蘇った様に陽気な声を出し、ガロンヌに斧鉞を与えた。
慎んでそれを受け取ったガロンヌは、急いで部隊を編成し出陣した。



ガロンヌを見送った後、レギンの表情から怠惰というものが消えた。
護衛であるローランは、レギンの合図を受け、無言で大臣達を斬り殺していった。
それ等は全て、ガロンヌと結託していた大臣達であった。
その最後の一人となった大臣に、シグナムは剣を向けた。
「お前の親玉の計画を教えてもらおうか」
今まで聞いた事もない様なレギンの冷たい声に、大臣は悲鳴を上げた。
逃げられない様に、ローランが腕を捻り上げている。
大臣は諦めたのか、わなわなと震える口を開いた。
「さっ……宰相閣下が軍を返されたら、わっ……我々同志一同がこっ……後門を開き、
へっ……兵を招き入れるという計画でごごっ……ございます!」
「なるほど、よく分かった」
「おっ……お助け……うげっ……」
レギンの剣が、大臣の喉を刺し貫いた。
大臣の死亡を確認する事なく、レギンは唖然とする群臣を見回し、口を開いた。
「諸君、今、ファーヴニル王家始まって以来の未曾有の危機が訪れようとしている!
ガロンヌは先王から受けた寵愛に報いようとせず、あろう事か無辜の民を煽動し、
我が王室を傾倒させ、自ら独裁国家を築こうとしているのだ!
これ以上、歴史あるファーヴニル王国を、下劣な乞食上がりに踏み躙らせる訳にはいかない!
皆一致団結し、共にこの大難を乗り切るのだ!戦って、勝って、自らの名を青史に刻み付けよ!」
レギンの檄の後、一人の大臣が万歳を唱えた。続け様に一人、また一人と万歳を唱え始め、
遂にそれは、万雷の声となって王宮内に響いた。


642:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:03:33 jfDCykFL
軍議において、群臣の間から出撃してガロンヌと決戦しようという声が聞こえた。
内通者を皆殺しにした今、背後を突かれる心配などなく、平野での決戦ならば、
例え兵力差があろうと、勝つ事が可能であるというのが彼等の自説である。
だが、レギンはあえて篭城策を取った。
別に七十万の大軍が恐ろしいという訳ではなく、今まで暗君を演じてきたレギンが、
急に兵を率いて決戦などをすれば、ガロンヌに勘付かれ、逃げられる可能性がある。
ガロンヌを確実に殺すには、徹底的に暗君を演じ続ける必要があったのだ。
群臣が不安の表情を浮かべる中、それを一身に受けるレギンは泰然としていた。
三日後、ファーヴニル城の正門前は、反乱軍七十万に埋め尽くされた。
レギンは防衛を軍務大臣に一任させ、自らは王宮に居座った。
反乱軍の陣容は、前線に平民四十万、後方にガロンヌの率いていた兵二十万と、
反乱を起こした領地の兵十万を配置するというものだった。
明らかに精鋭を温存し、いざという時に動いてくるという考えが、そこからありありと見える。
「民にどう吹き込んだのかは知らないが、悲惨な戦いになりそうだな」
難攻不落の巨城ファーヴニルを相手に、寄せ集めの軍団がどこまでやれるのか。
悠然と玉座に腰掛けるレギンの許に、攻撃開始の報告が届いた。

攻防戦は、凄まじいものだった。
両軍の号令の下、矢と砲弾が入り混じった矢合戦が始められた。
無数の矢は空に黒い橋を作り、砲弾は落雷の様に地を抉った。
調練をまともに行なっていない平民は、次から次へと矢と砲弾の餌食となった。
が、流石に兵力差は覆し難く、その間隙を縫って矢や砲弾の雨の下を掻い潜り、
城壁を攀じ登ろうとする者達が現れた。
それ等は城壁上から熱湯や石を投げ掛けられ火傷し、潰された。
「雑魚には目をくれるな!後方でちょこまかと動いている本隊を攻撃せよ!」
軍務大臣の檄が飛んだ。波の様に押し掛ける平民達の間に混じって、
後方の部隊が弓矢や大砲を放ってくるのだ。
少しずつとはいえ、城壁側の兵力も確実に減少していった。
堪りかねた軍務大臣が、出撃命令の要求の使者を送ったが、
レギンはそれを退け、ひたすら防衛に専念せよ、と改めて命令をした。
レギンの命令を聞いた軍務大臣は、いったいなにを待つというのか、と怒鳴り声を上げた。
そもそも篭城は、外から援軍が来る事を想定して立てられる策である。
確かにファーヴニル城の周辺には他の貴族の領地があり、援軍は期待できる。
しかし、この落日の軍を助ける貴族がどこにいるというのか。
レギンの死んだ後に立てられた王に取り入る方が安全であるに決まっている。
つまりは、ファーヴニル城に駆け付けてくれる忠勇の領主などいる訳がないのである。
あれほど偉そうな事を言っても、所詮はただのボンクラか、と軍務大臣は怒りを胸に、
手に取った弓で押し寄せる平民に矢を放った。


643:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:04:12 jfDCykFL
防衛のみの戦いが続いていた。
難攻不落といえども、三十日という長い篭城は、城兵達には地獄でしかなかった。
レギンを見つめる群臣の目に、悉く侮蔑の色が表れていた。
口先だけ、役立たず、無能、裏では散々罵倒されていた。
そろそろか、とレギンは判断した。真夜中、一人の小間使いが呼ばれ、闇に消えた。
翌日も、正門前では激闘が繰り返されていた。
城壁前には無数の死骸が転がっており、腐臭を放っていた。
その死骸を踏み越え、城壁に向かってくる平民を、城兵が無表情で迎撃していた。
お互いに疲労は極限まできており、最早気力で戦っている様なものだった。
激闘は日暮れと共に一時中断となった。両軍から炊煙が上がり始めた。
そんな時、レギンが軍の主だった者達を宮中に呼び集めた。
降伏でも発表するのか、と諸将は侮蔑の視線をレギンに向けていた。
その様な視線の中でも、レギンは萎縮しなかった。
「今日、この日を以って戦いを終わりにする」
やはりな、と諸将が呆れて溜め息を吐いた。
「ついては、私が兵三万を率いて後門付近に伏せ、敵を撃退する。
それと同時に諸将には正門から出でて、反乱軍を攻撃してもらう」
諸将の目が驚きで見開かれた。レギンが言葉を継いだ。
「内通者の言っていた時とは、正門に戦力が集中した今しかない。
内通者が全滅した事を知らないガロンヌは、私の送った偽の使者の言葉を鵜呑みにし、
今日の夜半に奇襲を仕掛けてくる。私の事を殺したくて堪らない奴の事だ。
他の将ではなく、必ず自ら部隊を率いてやって来るだろう。付け込む隙はそこにある!」
威のある声だった。その声は諸将を圧倒し、平伏させた。
城内が慌しくなった。三万の兵を率いたレギンは後門付近に兵を伏せ、
奇襲部隊がやって来るのを待った。
レギンの才覚を疑っている兵達にとって、この時間は不安でしかなかった。
しばらくすると、場外から微かだが物音が聞こえた。
次の瞬間、後門が開けられ、馬の嘶きと足音が聞こえてきた。
焦る気持ちを抑え、隊列が中頃を過ぎた辺りで、やっとレギンが合図を送った。
瞬間、周辺は煌々と光る松明で照らされ、間髪を入れずに無数の矢が放たれた。
目に見えて奇襲部隊は動揺した。レギンは剣を抜き、敵中に突っ込み、ガロンヌを捜した。
逃げ惑う兵を踏み潰し、レギンは慌てて逃げようとするガロンヌを見付けた。
レギンは剣を振り上げ、ガロンヌの首を切り落とした。
「敵総大将ガロンヌを討ち取ったぞ!」
レギンの声と共に、火矢が天空に放たれた。
それを見た軍務大臣が、正門を開け、寝静まっている敵陣に突入した。
将兵は皆口々に、ガロンヌは死んだ、と叫び、目に付く兵を斬り殺していった。
この頃になると、将兵達も本陣にガロンヌがいない事に気付き、混乱は本格的なものとなった。
反乱軍の潰走を始まった。合流したレギンは追撃を命じ、徹底的にこれを叩き潰した。
こうして一月に及んだファーヴニル城攻防戦は、討ち取った首級の数十万、
捕虜の数三十万という王軍の大勝利に終わった。
この勝利は、今まで暗君としか思われなかったレギンが、
一転して尋常ならない人物であると内外に知らしめるのには十分すぎる出来事だった。


644:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:04:42 jfDCykFL
戦後、レギンは論功行賞だけでなく、箝口令が布かれた中、
媚び諂い私腹を肥やした臣下の誅殺を行ない、有能な臣下を登用した。
レギンの擬態は、ガロンヌを騙すためだけではなく、臣下を見極めるのにも役立ったのである。
戦後処理を終えたレギンは後宮に帰り、部屋の入り口で立ち止まった。
疲れた、というのが本心だった。
六年という長きに亘って暗君の演技をしていたが、それもやっと報われるのである。
小さく溜め息を吐いたレギンは、急に背中を押され、ベッドに倒れ込んだ。
振り向くと、そこにはローランが立っていた。
「捜したんだよ、レギンちゃん。帰る時は一緒だっていつも言ってたのに」
仮面の下か聞こえてきたのは、男ではなく女の声だった。
鎧のプレートを一枚一枚外していき、最後に仮面と兜を脱ぐと、
そこにいたのは、ショーツに晒しを巻いているだけというあられもない格好のメディアだった。
「やっぱり鎧はいつ着ても蒸れるなぁ……。汗でべとべとだよ……。
……レギンちゃん、勝手に行動した罰として、汗を舐めてもらいますからね」
メディアに押し倒され、顔に腋の下を押し付けられた。
むせ返りそうな甘い匂いが、レギンの鼻腔をくすぐった。
「ちゃんと舐めないと、お仕置だからね」
気圧される様に、レギンはメディアの窪みに舌を伸ばした。
舌が甘く痺れる。舐めれば舐めるほど、身体が浮いているのではないかと錯覚してしまう。
「あはっ……レギンちゃん、私の汗、んっ……おいしい?」
とろんとしたメディアの瞳に見つめられた。
こんな事、本当は嫌なのに、舌が止まらない。
「うふふ……、急がなくても、あんっ……逃げないから安心して……」
そう言って、まるで子供をあやす様に頭を撫でられた。
子供扱いをするなと言いたいが、後が怖いので口を噤むしかない。
時間も忘れて舐め続けていると、メディアが一旦身体を離した。
「じゃあ次はぁ……」
手を後ろにやって、晒しを緩めると、押さえ付けられていた胸が飛び出した。
「おっぱいを舐めて……」
大きな胸に顔を押し潰される。汗が潤滑油となって抵抗なく擦り付けられた。
レギンは勃起した薄紅色の乳首に舌を這わせ、空いている方には爪を立てた。
柔らかい胸がレギンの手の形に歪む。
「んはぁ……、レギンちゃん、ぁうっ、もっと……、もっと強く……」
メディアの抱き締める力がさらに強くなった。乳肉に気道を塞がれる。
乳首を吸うのを止め、軽く甘噛みすると、メディアは引いてくれた。
と思ったら再び強く抱き締められた。
目の前が白いのは、肌の色か酸欠か、レギンには分からない。
どの道、お仕置きは避けられないじゃん、とレギンは愚痴りたくなった。


645:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:05:42 jfDCykFL
レギンがガロンヌに恐怖を感じ始めたのは、十歳の時だった。
その時はどうしてガロンヌが怖いのかもよく理解できなかったが、
時折見せるガロンヌの狂気めいた目を見た時、本能的にガロンヌは敵だと認識した。
だが、だからといってどうすればいいのかも分からず、ただ流されるだけの日々が続いた。
十四歳頃になると、ガロンヌが自分に対して敵意を持っている事に気付いた。
思春期特有の過剰な自意識を超越したそれは、レギンを大いに苦しめた。
誰かに相談しようにも、周りの群臣はガロンヌに頭を下げてばかりで信頼できなかった。
そんな中で、レギンが唯一心を許せた存在が、二歳年上のメディアだった。
メディアはファーヴニル家に代々仕える貴族の子女であり、
父親の意向で王の生活居住区である後宮に入れられたのだ。
レギンは小さな頃から親しく、メディアを本当の姉の様に慕っていた。
この人ならば、とレギンは自らの懸念をメディアに告げた。
メディアはレギンの告白を笑わず、
寧ろ、レギンちゃんに頼られて嬉しいわ、と真剣に耳を傾けてくれた。
数日もすると、メディアが以前流行った奇妙な噂を持ってきた。
それは、先王はガロンヌに毒殺されたのではないかというものだった。
先王が死ぬ直前、最後に見舞った人物がガロンヌだった事と、
ガロンヌの指示で、この国では一般的な土葬ではなく火葬にしたという事が、
その噂の下地となっていた。馬鹿馬鹿しい噂で片付けてしまえばそれまでだが、
レギンにはそれが真実の様に聞こえた。もともとレギンの勘は鋭い方である。
なぜガロンヌが先王を殺したのか、考えれば誰にでも分かる。
先王が死ねば、王位後継者だったシグナムがいなかった当時、
後継者となるのは必然的にレギンである。レギンを王位に据え、自ら政治を壟断する。
または王位を狙っているのではないかと予想する事も容易い。
これ等が全て推測の域を出ていないとはいえ、用心するに越した事はない。
どうしようかと、考え始めた矢先、メディアが拍子を打った。
「レギンちゃん、いい方法があるわ。今から暗君になればいいのよ」
「えっ?」
いきなりなにを言い出すのか、という表情をメディアに向けた。
メディアは相変らず朗らかに微笑んでいた。
「宰相が気にしている事は、レギンちゃんが政治に興味があるかどうかよ。
下手に政治に興味を持たれでもしたら、対立する事は明らかだし、
そうなったら殺される事は目に見えてるわ。
そこでレギンちゃんには、色に溺れる駄目君子になってもらうの。
そうすれば宰相の目を欺けるし、尻尾を掴む事も容易くなると思います」
「だけど、そんな事をしたら群臣だけでなく、民にも捨てられるんじゃ……」
「宮中の出来事を民達が知る術なんてないから、そんな事は考慮しなくていいわ。
それに群臣達も、レギンちゃんの実力を知れば、おのずと納得するから大丈夫よ」
メディアの策は、全てが運に絡むものだった。
だが、ガロンヌに抱いた不審は一向に消えそうにない。
ここは、自分の勘とメディアを信じるか。レギンは決心した。
「うん……、分かった。姉さんの策に従うよ」
この日から、レギンの擬態は始まった。


646:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:06:31 jfDCykFL
暗君が好むものといえば、酒、女、音楽の三つと相場で決まっている。
酒と音楽は問題なかったが、女に関してはメディアから提案があった。
それは、手を出す女性はメディアただ一人にして欲しいというものだった。
「この後宮に、宰相に通じている女官が入り込んでいないとも限らないわ。
過去にも、大事を起こそうとした貴族の妻が敵方と縁戚で、
そこから情報が漏れてしまったという話もあるし……。他人だったら言わずもがなよ」
明快な理由だった。だが、どこか気が引けた。
演技とはいえ、メディアにいやらしい事をしなければならないのだ。
実の姉の様に慕っているメディアにそんな事をしたくはない。
表情で察せられたのか、メディアはレギンの頭に手をやり、
「私は別にどうなってもいいの。レギンちゃんがこの国の王になって、
しっかりと治めてくれれば、それだけで私は満足だから」
その言葉から壮絶な決意を感じられた。その決意を無下に断る事など、レギンには出来なかった。
極力、女色に走らないようにしようとレギンは心に決めた。が、それは不可能だった。
酒に溺れ、音楽に入り浸る王が、なぜか女にだけは手を出さない。
女が嫌いという訳でも、男色の毛があるという訳でもないのにだ。こんなおかしな話はない。
暗君を演じる上で、この三つの色は必要不可欠なのだ。
レギンは心中で謝りながら、メディアの胸や太ももに手を這わせ、吸い付いた。
その度に、メディアは顔を紅くした。嫌がっている事は明白だった。
メディアと二人きりになった寝室では、何度も頭を下げた。
その度にメディアは微笑みながら、次はもっと激しくしてください、と言った。
レギンは居た堪れなかった。早くこの様な事が終わればいいと切に願った。


一年も経つと、レギンの悪評が宮中でも聞こえるようになり、
日に日に諫言をしに来る臣下と、媚び諂いの言を掛ける臣下が多くなった。
それだけでも、群臣がレギンの演技を真に受けているという事は察せられた。
レギンはやる気のない生返事で応答し、呆れ顔をする臣下達を尻目に後宮に帰着した。
既に次の心算は出来ていた。箝口令を布き、群臣の口を塞ぐのである。
これで暗君の評価は確実なものとなる。
レギンはこの事は誰にも告げなかった。だが、なぜかメディアに悟られてしまった。
「レギンちゃんの考えている事だったら、なんでも分かるよ」
とは本人の言である。この発言にレギンは一瞬空恐ろしさを感じたが、
表面上は笑みを浮かべ、姉さんには敵わないな、と言ってベッドに横になった。
ベッドは二人が一緒に寝るには十分すぎるほど大きい。
暗君の演技をする際、寝る時は一緒、と二人で決めたのだ。
メディアがベッドに上がり、後ろから抱き締めた。
「レギンちゃん、その箝口令なんだけど、破った人はどうする事にしてるの?」
「んっ……、命を賭けて諫言する臣下がガロンヌと繋がっているはずはないから、
その時は本当の事を話して、味方になってもらうつもりだ」
「だったら、もっと分かりやすい形で知らしめる必要があると思うんだけど……」
腹案のありそうな声だった。レギンは向き直り、メディアと目を合わせた。
「私が鎧を着て、レギンちゃんの横に侍ったら、いい宣伝になるんじゃないかな」
メディアの案は、流石のレギンでも首を捻るようなものだった。
その様な事をしなくても、諫言する臣下を斬ろうとする動作をすれば、
それだけでも十分宣伝になるはずである。
わざわざメディアが鎧を着て横に侍る理由が分からない。
メディアの気配が変わった。表情は変わらないのに、放つ気がレギンを圧迫した。
「私がレギンちゃんの足を引っ張る様な策を立てる訳ないじゃない。大丈夫、私を信じて……」
真正面から抱き締められた。顔がメディアの大きな胸に埋まり息苦しい。
レギンは少し考えて、形だけだからいいか、と結論を出し、メディアの案を呑む事にした。


647:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:07:51 jfDCykFL
レギンの横に、ローラン・デュランダルという仮面騎士が侍るようになった。
当然それは、メディアが騎士の格好をしている時の偽名である。
メディアの言う通り、仮面騎士を侍らせると、多くの臣下がレギンを恐れるようになった。
仮面騎士は十分脅しとして通用するものだった。
だが、やはりというべきか、命を賭けてレギンに諫言をする臣下もいた。
婉曲に諌言する者もいれば、直接訴えてくる者もいた。
レギンはその者達に本当の事を話し、時機を待て、と言った。
後に彼らはレギンの政権下で、大いにその力を振るう事になる。


箝口令が布かれてから一年が経った。レギンの周りには媚び諂い私腹を肥やす臣下が集った。
レギンはそれ等の者達を招き大宴会を催した。
彼等の話は全て媚び諂いばかりで、理知の欠片も見当たらなかった。
レギンは緩んだ笑みを浮かべながら、内心で彼等を貶していた。
なんとなしに周りを見回すと、ある事に気付いた。メディアがいないのである。
一緒にいる時は傍を離れない、とメディアが一方的に決めたはずなのに、
こういう事は珍しかった。
「はははっ、酒を飲みすぎると、近くなってしょうがない」
気になったレギンは催した振りをして宴会の席から離れ、メディアを捜しに出掛けた。
当てはなかったので、適当に辺りをうろついていると、大きな物音が聞こえた。
音のした方に向かうと、そこは人があまり使わない部屋だった。
中を覗いてみると、血塗れの死体を見下ろすメディアの姿がそこにいた。
「姉さん……」
思わず大声を上げそうになった。部屋に入り鍵を閉め、メディアに近付いた。
仮面を被っていて表情は窺えないが、メディアの声は嬉々としたものだった。
「こいつはレギンちゃんに近付いて、情報を引き出そうとした愚かな雌豚だよ。
雌豚の癖に、私を介してレギンちゃんに近寄ろうとするなんて、
なかなか小賢しい事を考えるよね」
背筋が凍った。いつもの様に笑っているメディアが、今はとても恐ろしかった。
「怖がる必要なんてないよ。レギンちゃんの行く手を遮る奴は、
私が皆殺してあげるから。だからレギンちゃんは、私だけを見て」
メディアは狂っていた。いつどこで狂ったのかは分からないが、
最早後戻りは出来ないところまで来てしまっている事は十分に理解できた。
この日を境にメディアは変わってしまった。
レギンは幾度もメディアに押し倒され、その身を愛液や唾液で汚された。


目が覚めたレギンの横には、裸のままのメディアが幸せそうな寝顔を浮かべて眠っていた。
顔にはかぴかぴとしたものがこびり付いており、昨日なにがあったのかを如実に表していた。
「ガロンヌは倒せたが、今度はメディアに囚われてしまったか……」
メディアの髪を一通り撫でた後、レギンはすぐに服を着替えた。
片付けなければならない案件が溜まっているのだ。帰ってくるのは深夜になりそうである。
「今日もまたお仕置きかな……」
そう呟いたレギンは部屋を出て行った。
部屋には、メディアの寝息のみが響いていた。

648: ◆AW8HpW0FVA
11/02/13 00:09:23 jfDCykFL
投稿終了です。637に文を入れ忘れました。
保管庫に更新する時に入れておきます。

649:名無しさん@ピンキー
11/02/13 00:16:48 N4xFn54b
がんばれ

650:名無しさん@ピンキー
11/02/13 00:27:20 cPpjL2gU
乙乙
なんという生存フラグ。これは間違いなくブリュンは死んでない

そして、>>641で一箇所シグナムになってるところがあるけどレギンの間違いかな

651:名無しさん@ピンキー
11/02/13 00:37:41 tJWUh3i3
GJ!!
ドラファンとはずいぶん更新ありませんでしたけど復活おめでとうございます

652:名無しさん@ピンキー
11/02/13 00:42:46 jfDCykFL
>>650
報告ありがとうございます。
修正させてもらいました。

653:名無しさん@ピンキー
11/02/13 02:51:06 wcdV5Jw+
投稿おつかれさまです

654:名無しさん@ピンキー
11/02/13 03:08:27 RCQdL6Hi
楽しませてもらいましたGJです。


IFで思い出したけど、たまにエンディングにエロゲーに感化?されてハッピーエンドとバッドエンドの2パターン書く人いるけど、あれされたらどんな良い作品でも一気に冷めない?
ようはお好きなエンディングを貴方が選んでどうぞってことでしょ?
流されるように読んできたのに、いざって時に選択肢を作られると逆に感情移入できなくなる。
何故なら気になって両方見てしまうからw
まぁ、見たいほうだけ見ればいいだろって言われたら言い返せないけど、人間だからどちらも見てしまうよね。
だけどもうその作品を見る事はなくなるなぁ…。

655:名無しさん@ピンキー
11/02/13 04:41:33 aI1AeqQI
面白かったです。続き待ってます。

656:名無しさん@ピンキー
11/02/13 07:48:52 GLcIN43g
>>648
乙カレー

>>654
自分は気にならないな。テーマがテーマだから鮮血の結末がどうしても多くなるけど
やはり最後はキャラクター達には幸せになって欲しいと思うし、でもしかしヤンデレの極地まで行った
結末見たい気もするし・・・
贅沢なのは判ってるけどジレンマだなー。



657:名無しさん@ピンキー
11/02/13 10:54:36 tJWUh3i3
次の作品投下まだかな?

658:名無しさん@ピンキー
11/02/13 11:19:50 5PAqawt5
>>648
GJ!
ドラファン面白い

659:名無しさん@ピンキー
11/02/13 14:23:09 kgyVFI/5
こんな安直なタイトルはあり得ないだろ
本気で面白いSS書こうって態度じゃない

660:名無しさん@ピンキー
11/02/13 14:49:13 wcdV5Jw+
ss書くとしたらエロ成分ないといけないのかなぁ

661:名無しさん@ピンキー
11/02/13 15:20:27 FNKbPW2J
>>660
なくても大丈夫じゃない?主体はあくまでヤンデレだし

662:名無しさん@ピンキー
11/02/13 16:24:02 N4xFn54b
>>659

じゃあてめぇなんか書けよ

663:名無しさん@ピンキー
11/02/13 16:30:54 trL3GcO0
>>648
GJ!!
毎回楽しみにしてますよー

>>659
すっごいイチャモンだなw

664:名無しさん@ピンキー
11/02/13 16:37:12 N4xFn54b
>>659

 お前のSS楽しみにしてるから早く書けよww

665:名無しさん@ピンキー
11/02/13 18:10:51 apvdHSor
誰でも知ってる人気ゲームのタイトルをくっつけただけだからな
これ見て叩こうと言う奴が出てきかねない
659の言いたいこともなんとなくだが分かるような気がする

666:名無しさん@ピンキー
11/02/13 18:47:14 dOv1KN/9
ま、俺も最初は読むの敬遠してたけどな
でも読んでみたら結構面白いの

667:名無しさん@ピンキー
11/02/13 18:54:57 cPpjL2gU
なんとしても叩いて作者を追い出したいって熱意は伝わってきた
正直、その熱意をもっと有益な方に向けろよと思わざるを得ない

668:名無しさん@ピンキー
11/02/13 19:10:39 nB2U7yKJ
このスレで魔王より面白いSSなど存在するわけがないだろw
刺々しいだけの話がヤンデレだと勘違いしていないか?

669:名無しさん@ピンキー
11/02/13 19:11:47 gLRHdOcD
タイトルなんて飾りです 偉い人には(ry
正直中身さえ面白けりゃねぇ

670:名無しさん@ピンキー
11/02/13 19:41:44 43OeETyt
>>669
激しく同意
中身さえ面白けりゃドラファンも叩かれなかったろうになあ、ホントに

671: ◆Uw02HM2doE
11/02/13 19:41:53 wYk0Fgw8
こんばんわ。間が空いてしまって申し訳ありません。
24話、投下します。よろしくお願いします。

672:リバース ◆Uw02HM2doE
11/02/13 19:44:03 wYk0Fgw8
住み慣れると案外森の中も過ごしやすいなと思った。何よりも澄んだ空気と水が心を洗い流してくれる。
「水汲みお疲れ様!ゴメンね、寒い中……」
出迎えてくれた朔夜は申し訳なさそうに謝ってくる。そんな彼女を抱きしめながら俺は答える。
「こんなの大したことないよ。力仕事は俺に任せてくれ。伊達に海有塾で鍛えてないからな」
「ふふっ、頼りにしてるわ。さ、早く入りましょ」
笑い合う俺達を迎えたのは無機質な部屋。中には机や台所やトイレ、そして風呂とベッドなど最低限の家具しかなく暖房もない。だから冬の寒さが一番堪えるのだ。
「……要、私…寒いな」
「……朔夜はどうしたい?」
「い、言わせないでよ!……わ、分かるでしょ…」
朔夜は真っ赤になった顔を俺の胸に埋める。そんな彼女を俺はゆっくりと抱きしめた。
朔夜の体温が伝わってくる。息遣い、鼓動が彼女がここにいることを確かに俺に教えてくれた。
そう、俺には朔夜がいる。誰もいなくても、独りぼっちになっても彼女がいる。そう俺に教えてくれているようだった。
「朔夜……」
「んっ……」
これが誰も傷付かない、皆が幸せになれる唯一の方法なんだ。



窓の外には真っ白な木々が連なっており病院の誰かが作ったのだろう。真っ赤なバケツを被った雪だるまが誇らしげに胸を張っていた。
「……羨ましい」
おそらく愛情を込められて作られたのだろう。朝に試行錯誤している人影を見たから何となく分かる。
「私も……」
あの雪だるまのように愛してもらえるだろうか。言葉は最後まで出ず、私は疎らに降り積もる雪を眺めている。
「遥、入るぞ」
私の返事を待たずに誰かが病室に入って来た。この一週間、毎日飽きもせずよく通ってられるものだ。
「今日は林檎貰ってきたんだ!食べるだろ?剥いてやるからさ」
「……いらない」
「まあそう言うなって!一口食べたら絶対に気に入るからよ!」
私の拒否もお構い無し。この精神力はある意味尊敬に値するかもしれない。
近くに置いてあった果物ナイフを手にとるとその無神経な男、如月亮介は慣れた手つきで林檎の皮をむいてゆく。
「……上手い」
「だろ?意外と料理は得意なんだぜ」
そらみろとばかりに胸を張る亮介。そんな彼の姿が先程見た雪だるまと重なって何だが笑えた。
「……ふふっ」
「あ、今何か馬鹿にしたろ!?」
「し、してない……」
「本当かぁ!?」
「してないったらしてない!」
私はそっぽを向いてベッドに潜り込んだ。溜め息をついたものの特に文句は言わずに亮介は皮むきを再開したようだった。
「……っ」
亮介の優しさが痛いほど分かる。気遣いが伝わってくる。普通ならば学校をサボってまで見舞いになんて来てくれないだろう。
しかも亮介はこの一週間、毎日朝から夜までここにいる。こんな生きる価値もない憐れな私には勿体ないくらいの幸せ―
「……要」
だからこそ心が締め付けられる。これだけ優しくしてもらっても……それでも私は要が好きなんだ。要じゃなきゃ……駄目なんだ。
「会いたいよ……要……」
分かってる。このまま要を好きで居続けても何も残らない。要の心にはもういるんだ、私ではない誰かが。
その誰かが羨ましい、憎い、殺したい。でも殺したって要の心からその誰かは出て行かないだろう。だから私は諦めるしかない。
「……そんなの、嫌だよ……」
それでも私の心はひたすら要を求める。絶対に手に入らないと分かっていても割り切れない。
「私……どうしたら……」
要を自分だけのものにしたい、でも今の自分にはどうすることも出来ない。今の私に出来るのはこうやって泣き言を言うだけなのだろうか。

673:リバース ◆Uw02HM2doE
11/02/13 19:45:38 wYk0Fgw8

「……遥?」
ぽっこりと膨らんだ布団に話し掛けるが返事はない。代わりに聞こえてきたのは穏やかな寝息だった。
「……寝たのか」
一口サイズに切った林檎を眺めながら俺は考える。どうしたら遥を元気付けられるのか、と。
「……あれを聞いちまうと……な」
自分でもお人よしだと思う。よく父親である龍一郎に"お前は政治家には向かないな、お人よし過ぎる"と言われるが今回は特にそうだ。
それでも俺はここに通うことを止めようとは思わない。なぜならば聞いてしまったから。遥の呟きを。

『会いたいよ……要……』

「やっぱり……要か」
遥は聞こえていないと思って布団の中で呟いていたようだが俺には聞こえていた。
この一週間、遥はずっと同じような言葉を呟いている。多少の違いはあっても内容は全て要のことについて。
「分かってたつもり……だったんだけどな……」
こうして遥の口から直接聞くと改めて思い知らされる。遥の中でどれ程要という存在が大きなものなのかを。
そしてどう頑張ったとしても俺が遥に好かれることはないということを。
「……それでも俺は……」
病室にあったメモ用紙を取りながら俺は思う。
それでも遥の側にいたい。別に恋人じゃなくても良い。一生"仲間"でも構わない。俺は遥と一緒に生きていきたいんだ。それが出来なかったとしても、せめて遥の役に立ちたい。
「……ゴメン、会長」
一週間かけて会長が探し出した情報をメモ用紙に書く。決行は明日、クリスマスイブだ。参加出来る要組は全員召集された。
だからこそ遥が単独で動けるチャンスは今日しかない。
「……諦めんなよ、遥」
俺はメモ用紙をそっと机の上に置いた。どうするか決めるのは遥だ。



「……亮介は…いないか」
いつの間にか寝てしまったらしい。病室にかけられた時計が既に夕方だと教えてくれた。
「林檎……」
テーブルの上には亮介が切ったのだろう。一口サイズにカットされた林檎が綺麗に並べられていた。そして横にはメモ用紙が伏せて置いてある。
「亮介かな……」
無造作にメモを取って書かれている内容を読んでいく。
「…………えっ」
予想外の内容に思わず手が震える。メモ用紙に書いてあったのは意識が戻ってからずっと会いたいと願っていた要の居場所だった。
そして明日、つまりクリスマスイブに先日意識が戻った会長が乗り込みに行くと。なぜ要が急に姿を消したのか、それだけは書いていなかったが今の私には十分過ぎる情報だった。
「亮介……」
おそらく亮介が残してくれたのだろう。
……でも変わらない。いくら亮介が私に尽くしてくれても、どれ程私を好きだと言ってくれても駄目なんだ。
「要に……会える……」
メモ用紙に書いてある場所は今から急いで行けば今日中に着けそうだった。ベッドを降りて支度をする。誰にもバレないようこっそりと抜け出さなければならない。
もし要が誰か……私以外の女といるとしたら―
「一緒に……」
私はゆっくりとテーブルの隅にあった果物ナイフを握りしめた。明日はクリスマスイブ。街には恋人たちが溢れる。自分の人生を決めるにはもってこいの日だと思った。

674:リバース ◆Uw02HM2doE
11/02/13 19:46:29 wYk0Fgw8
「んっ……」
「朔夜……」
「要……もう……」
無機質な部屋の片隅でうごめく影。暖房がないこの部屋で俺達が互いに暖まるにはこれが一番のように思えた。
朔夜は着痩せする方らしく、真っ赤なワンピースを脱ぐと手からこぼれそうな二つの膨らみが視界に入って来た。
「これが……」
「あ、あんまりじろじろ見ないでよね……」
夕日が差し込む部屋で朔夜は夕日より顔を真っ赤にしていた。そんな朔夜が愛らしくなってその膨らみの先端にしゃぶりつく。
「んあっ!?」
舌で突起をなめ回すとすぐに固くなっていた。朔夜は恥ずかしいのか必死に声を出さないよう我慢している。
そんな朔夜を何とか喘がせようともう一方の膨らみの突起を手でつまみ上げる。
「んっ!」
途端に朔夜の身体が震え出す。どうやら乳首を責められるのが弱いようだ。
「朔夜……」
「あ……ふぁ……」
中々大きな膨らみを揉みながら乳首を弄る。朔夜は悶えながらもその快楽を味わっていた。顔は完全に紅潮し目は潤んでいる。
そのまましばらく彼女の胸を堪能した後、手をゆっくりと下半身へ伸ばした。
「そ、そこは……あぅ!?」
下着の中に手を入れ朔夜の秘裂を触ると既にしっとりと濡れていた。抵抗する朔夜を無視して彼女の秘裂を弄る。
尿道や膣口に指先が触れるとそれだけで朔夜の身体は跳ねた。
「そんなに……弄っちゃ……ふぁ!」
「ここも……めっちゃ固くなってる……」
秘裂の中に隠れていたクリトリスをゆっくりと撫でる。既に周りの愛液で濡れていて皮も剥けていた。それを優しく扱いていく。
「んぁ!!そこはぁ……ら、らめらろぉ!」
「朔夜にも弱点、あったんだな……」
完全無欠だと思っていた海有朔夜を虐めてかつ感じさせていたことに俺は優越感を覚えていた。
何よりも普段は意地悪な笑みを浮かべていた朔夜の恍惚な表情に目を奪われていたのかもしれない。
そのままクリトリスを弄りつつ固く張った乳首を舌でなめ回す。無機質な部屋の中には朔夜の喘ぎ声だけが響いていた。
「んぁ……もう……か、かなめぇ……わたひ……ふぁ!?」
「朔夜……?」
「いく……いっらうのぉ……」
快楽からかまともに呂律が回らない朔夜に俺はキスをする。少し痙攣している舌を舐めとりながら秘裂を弄り続ける。
既にベッドは朔夜の愛液で所々濡れていた。今すぐ押し倒して犯したい衝動を何とか抑え、朔夜を絶頂へと追い詰めていく。
「んんっ!んんっ……んっ!」
朔夜の口を塞いでいるので何て言っているかは分からなかった。しかし少なくとも身体はしっかりと感じているようだった。腰は小刻みに奮え、今にも達しそうだ。
「んっ!あ、あぁ……わたひもういっひゃふぅ!?」
「良いよ朔夜。イくんだ……!」
思い切り朔夜のクリトリスを擦る。何故か彼女をイかせなければならないという義務感に駆られる。
「んあっ!?ひぁぁぁぁあ!!」
突然の刺激に朔夜は愛液を出しながら腰を痙攣させた。腰が無意識に動いているようで朔夜は喘ぎながら痙攣を繰り返していた。
「ふぁあ……んぁ……」
「朔夜……」
恍惚な表情で快楽を味わっている朔夜が愛おしくなる。自分のペニスに熱が集まるのを感じる。
そのまま朔夜に覆いかぶさり彼女の股を開く。秘裂は既に十分濡れており膣口がだらし無く開いていた。
「いくよ、朔夜……」
「ふぇ?……ひぁあ!?」
朔夜を思い切り引き寄せて膣口にペニスを挿入する。一切の遠慮はなく、遠慮する余裕させ今の俺には無かった。肉欲に支配されてしまったかのように朔夜の身体を求める。
「くっ……!」
「んあっ!激し……んぁぁあ!!」
朔夜の中はとてもキツく動く度にヒダが絡み付いて精を吐き出させようとする。
すぐにでも吐き出したい気持ちを抑えて何とか腰を動かしていく。手はしっかりと繋いでお互いの名前を呼び合う。
「朔夜、朔夜……!」
「か、かなめぇ!も、もっときてぇ!」
顔を真っ赤にしながら朔夜は遠慮なしに喘ぐ。その喘ぎ声がさらに俺を興奮させる。
お互いしか求めない、お互いしかいらない。なぜならここには俺達しかいないのだから。ここは―
「くっ!あぁあ!」
「ひぁあ!んあぁぁぁぁぁあ!!」
ここは俺達だけの世界なのだから。朔夜の中に精を吐き出しながら俺はそんなことを考えていた。

675:リバース ◆Uw02HM2doE
11/02/13 19:47:47 wYk0Fgw8

「では決行は明日ということで……。はい、了解しました」
電話を切り一息する。お嬢様は本気のようだった。本気で敵地に乗り込み要を奪還するつもりなのだ。
「……流石お嬢様、です」
要が黒髪の少女と東雲(シノノメ)方面の電車に乗ったという情報が先日入り、お嬢様は覚悟を決めたらしい。
その少女の詳細は不明だが大した度胸だ。なんせあの美空開発の令嬢を相手するのだから。
「……オウカ?」
リビングから里奈様が顔を出す。私は要も妹さんもいないこの白川家でかれこれ1ヶ月近く里奈様の面倒を見ている。
里奈様のことはお嬢様から聞かされたが何となく自分と似たものを感じるのだ。
桃花の代わりとして作られた私とクローンの里奈様。だからこそずっとお世話が出来るのかもしれない。
「ああ、里奈様。今すぐ夕食にしますね」
「……うん」
最初はかなり警戒されていたが一緒に暮らすにつれて里奈様は私に心を開いて下さった。
そして私も屈託なく笑い、何よりも私を人間扱いしてくださる里奈様に惹かれていった。
私が人間でないことを打ち明けても里奈様は一言「オウカはオウカだよ」と言って下さった。まるでそんなことは何でもないように。
そう、要と同じことを里奈様は私に言ったのだ。
「今日は里奈様の好きなビーフシチューですよ」
「本当に!?オウカ大好き!」
目を輝かせながら私に抱き着いて来る。そんな里奈様を見ていると桃花が何故あれ程里奈様にこだわっていたか、仕えていたかが分かるような気がする。
「あ……オウカ?」
「どうかされましたか?」
里奈様は少し気まずそうにしながらも私をしっかりと見据えると口を開いた。
「カナメとジュンは……まだ帰ってこないの?」
私は思わず口ごもる。里奈様には何もお伝えしなかったのだ。要の妹が意識不明の重態であることも、要自身が一週間以上行方不明であることも。
全ては里奈様を不安にさせないため、そう思い嘘をついていた。でも本当にそうなのだろうか。
私はただ……ただ里奈様に嫌われるのが怖かっただけなのではないだろうか。里奈様に……私だけを見ていて欲しかっただけなのではないのだろうか。
現に里奈様は要が帰ってくるのを心待ちにしている。もし要が帰ってきたら里奈様は……。
「……はい。要組の活動が忙しいそうで。冬休みだというのに大変ですよね」
「……そっか」
里奈様は明らかに落ち込んでいた。主人を落胆させるなどメイドの恥だと言われるかもしれない。
それでも私は里奈様と一緒にいたいのだ。要に傾いていたはずの気持ちはまだ残ってはいるが、今は里奈様への気持ちが高ぶるばかりだった。
だからこそ気が付かなかった。里奈様は私とお嬢様の会話を盗み聞きしていたとは。そして夕食後こっそりと家を出ていってしまったことも。

676:リバース ◆Uw02HM2doE
11/02/13 19:48:46 wYk0Fgw8

「やっぱり夜は寒いな……」
夜の森へ水汲みに出かけたことを少し後悔した。今すぐ部屋に戻って朔夜の小さな身体を抱きしめたい衝動に駆られるが何とか我慢する。
そのまましばらく森の中を歩いていると小川に着いた。
「早く戻らないとな……」
「……要」
暗闇の中でいきなり声を掛けられる。驚きながら振り返るとそこには白髪の少女が立っていた。
少女が立っている辺りだけ月明かりが差し込み、彼女の白髪は美しい光を帯びていた。
「……は、遥?」
「見つけたよ……要」
遥が俺に抱き着いてきた。不思議と月明かりも移動しまるで俺と遥を照らすライトのようだった。久しぶりに見た遥の白髪からは甘い香りがした。
「な、なんでここに……」
「帰ろう、要。皆待ってるよ?会長も意識を取り戻したし、皆要に会いたがってる」
「会長が……」
「だから帰ろう?ここにいても要には―」
「要の世界はここにしかないよ」
脳髄に直接響くような声。間違いなく朔夜のものだった。振り返ると朔夜が微笑みながら近付いて来ていた。
「……誰?」
「こんばんは。白髪……ああ、貴女が春日井遥さん?」
「……誰!?」
遥が怒鳴ると朔夜は足を止めた。いつの間にか彼女の笑顔はいつもの意地悪いものになっていた。本能で察する。このままでは遥が危ない。
「に、逃げろ遥!」
「遅いよ」
「なっ!?」
気が付いた時には既に朔夜は遥の目の前にいた。遥は突然の出来事に固まっている。朔夜は意地悪い笑みを浮かべながら遥を見つめる。
「貴女じゃ要は癒せない。だって貴女は貧乏で、虐められっ子で、どうしようもなく……惨めだもの」
「止めてよ……」
遥の顔が段々青ざめていくのが分かる。それでも朔夜は言うのを止めない。
「ふふっ、本当は分かってるんでしょ?自分じゃ要に釣り合わないって。だから歪んだ形でしか要に気持ちを―」
「もう止めて!止めてよ!!」
遥は身体を震わせながら叫ぶ。それは彼女の心の叫びに聞こえた。
「要、この子……壊しちゃおうか」
「もう止めてくれ、朔夜。頼む……!」
「ふふっ、見せてあげる。私達の世界を壊そうとするとどうなるかを」
朔夜はゆっくりと手を挙げて―
「は、遥ぁぁあ!!」
そのまま遥の首筋へと下ろした。直後遥は糸の切れた人形のように崩れ落ちた。走って遥に駆け寄るが反応はない。
「遥!?遥!!」
「大丈夫。まだ殺さないから」
見上げると月をバックにして朔夜の顔があった。相変わらず意地悪そうな笑みを浮かべている。
「でもまだ要の中にあったんだね。他人を気にする気持ちがさ」
「何を―」
「安心して。ちゃんと私色に染め上げてあげるから」
朔夜の笑顔に思わず後ずさる。そう、俺はもう後戻り出来ない所まで来てしまったのだ。ゆっくりと手を挙げる朔夜を見ながら、俺はそんなことを考えていた。



明日はクリスマスイブ。世間では恋人達が賑わい、愛し愛される。そして要の人生で最も長い一日でもあるクリスマスイブが始まろうとしていた。

677: ◆Uw02HM2doE
11/02/13 19:50:46 wYk0Fgw8
今回はここまでです。
読んで下さった方、ありがとうございました。

678:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:05:50 YPiF2kWs
魔王の続き、まだかなあ

679:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:11:38 0Ix6kvN3
>>677GJ!

680:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:21:52 c9q+wsWy
GJ!待ってた!朔夜の狂気は読んでてゾクゾクするわ…

681:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:27:10 9nxgfSIR
>>678
まだかなぁっつか、まだ一日しかたってないぞw
いままでの投稿ペースがものすごく早いとは思うんだがね

682:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:33:22 zON1SWFo
>>677GJ!リアルタイムは久しぶりだな。
里奈好きの俺歓喜の展開か!?次回が楽しみだ。

683:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:39:06 N4xFn54b
カスみたいな短編が出来た

684:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:39:07 sMSZAZKv
次の投下マダァ?

685:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:41:59 N4xFn54b
よく描けるよなSS
俺には到底無理だった・・

686:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:42:02 VIqstdz2
GJ!リバース来た!朔夜は誰にも倒せない気がする…。

687:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:47:15 +eunS/dR
GJ!俺にもこんな大作は書けんわ。
しかし嫉妬も含めてレス多いな。さすが朔夜さんパネェっす。

688:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:54:02 +eunS/dR
朔夜怖すぎるわ……。要がこのまま朔夜のモノになるのか
めっちゃ気になる。

689:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:54:42 tJWUh3i3
GJ!!
触雷!といい、ドラファンといい、リバースといい名作ラッシュだな

690:名無しさん@ピンキー
11/02/13 20:58:52 kJ4itc+E
触雷!といい、ドラファンといい、リバースといい名作ラッシュだな

きめぇ

691:名無しさん@ピンキー
11/02/13 21:09:07 9F0fE6fK
いつもは丁重に無視されてる感じのリバースなのに
今回はやけに好意的なレスが多いなあ、しかも単発ばっかでw

692:名無しさん@ピンキー
11/02/13 21:09:20 QIvNeeUj
荒れてて絶望しかけてたが投下ラッシュ来てた、やったぜ
作者様方GJ!!

693:名無しさん@ピンキー
11/02/13 21:16:13 VIqstdz2
>>691嫉妬乙ですww

694:名無しさん@ピンキー
11/02/13 21:17:04 SxAptR6h
>>691
いつもは丁重無視? それは先に出た煉獄と魔王のためにある言葉だぞ
リバースが無視されてるのなんて見たことない

695:名無しさん@ピンキー
11/02/13 21:18:07 tJWUh3i3
次の作品投下まだかな?

696:名無しさん@ピンキー
11/02/13 21:54:35 9F0fE6fK
>>694
煉獄はともかく、テメェなに魔王にケチ付けてんだ
リバースはテメェが一人でID変えて騒いでるだけだろ
作者と一緒に個人サイトにでも籠もってひっそりとやってろや

697:名無しさん@ピンキー
11/02/13 21:59:31 +eunS/dR
>>696こいつ魔王の作者じゃね?一人で必死すぎるだろ。

698:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:04:04 0Ix6kvN3
>>696
お前が騒ぐと魔王の作者にまで迷惑がかかるんだが?
>>697みたいなのも出てくるからとりあえず消えてくれ

699:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:19:54 9F0fE6fK
お前こそリバースの作者だろw
小汚い語尾の使い方とかに作風がよく現れているよ
魔王を邪魔者視してるのがみえみえなんだが

700:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:25:59 S4WbZJIO
めんどくせえ奴らだな、お前らここから消えろよ
レス消費も少なくなってすっきりするしさ

701:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:27:54 9F0fE6fK
そんなに魔王が邪魔ですかな、リバースさん?

702:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:32:01 7kW4zZIR
俺も魔王はもっと評価されてもいいと思う
このスレでは珍しく読ませる作品だし
少なくともリバースや触雷よりは上等のSSだ

703:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:36:33 S4WbZJIO
>>701>>702
お前ら外出たらいじめられるからってこんなとこで鬱憤晴らすなよ
お前らが社会不適合なのはよく分かったからとっとと寝ろ

704:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:36:42 9F0fE6fK
分かる人には分かるんだよ
書き手から嫉妬を受けるのは一流の職人の証拠だろ
リバースも好意的な評価が欲しけりゃ腕を磨けばいいんだ
自演でGJしてる暇があったらな

705:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:44:01 S4WbZJIO
>分かる人には分かるんだよ
笑わせんじゃねえよw
何、ソムリエ気取ってんだw


706:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:46:27 9F0fE6fK
本当は分からない人には分からないって言いたかったんだよ
君みたいな感性の鈍い人にはリバースあたりで騒いでいるのがお似合いだよw

707:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:48:14 7kW4zZIR
いや、そいつ自身がリバースだから

708:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:49:47 6EjPBJCW
節子ぉ、それヤンデレやない
リバースや

709:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:53:47 S4WbZJIO
>本当は分からない人には分からないって言いたかったんだよ
どっちも変わらねえじゃんか、書きたかったら素直にそう書けよw
つか、「分かる人」なら素人のSS用スレじゃなくて文学板でも行ってこいw

710:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:54:07 RCQdL6Hi
お前らって本当に学習能力無いんだな…書き手可哀想だわ

711:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:54:42 80N5dYTA
とりあえず黙って作品投下待とうぜ?

712:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:56:38 dOv1KN/9
だれがどの作者で自演してるかどうかなんてわからないんですから、そうやって決めつけるのは止めましょうよ

わたしが言えたことではありませんが、スルーすることも大事です
ムカつくのはわかりますが、我慢しましょうよ
ただ、現在進行形でスルーしている方々、スルーできなくてすみません
でも、これだけは言いたかった

たぶんこの書き込みはすぐに埋れてしまうでしょうが、やっぱり言いたかったんです

職人の方々、わたしは触雷!もリバースも魔王もドラファンも大好きです
これからも頑張ってください

713:名無しさん@ピンキー
11/02/13 22:59:48 o3+sjuZL
2日間近く彼女に監禁された拙者が通るでござるよ~♪

     X
  ∠ ̄\∩
  |/゚U゚Lノ
 ~( ニ⊃
  ( 丶/
  ノ>ノ
  UU


714:名無しさん@ピンキー
11/02/13 23:06:46 tJWUh3i3
誰かクックル先生呼んで来い

715:名無しさん@ピンキー
11/02/13 23:17:40 9nxgfSIR
俺はカレーが大好物で刺身が苦手だ
友人はカレーが苦手で刺身が好物だ
でもお互い苦手なもんを無理やり食えとは言わん
変な例えだが、つまり言いたいのは
自分の好き嫌い語ったり他人の好き嫌いに口出したりすんのよそうぜってこと


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