10/12/20 20:40:09 pNTeKGVe
そして朝のホームルームが始まった。担任が出席をとった後、こういった。
「おはようございます。えー、先週から言っていた通り、今日から
教育実習の為に来た先生がこのクラスの授業を参観・研修します。
特に男子生徒は美人だからと言ってはしゃがないよーに」
担任がそういうとどっと笑いが起こった。ただ一人を除いて。
(は、はぁ?そんな事、先週言ってたっけ?)
不信に思った駿は隣の席の祐子に聞いてみた。
『先週、教育実習の先生が来るなんて言ってた?』
『何いってんだ?かなり美人な女が来るって男子共が騒いでいたじゃん』
祐子が「どうせ、実習の女子大生なんて都会でヤリまくってる雌豚だろーけど、ふん!」
と言って話を打ち切った為駿は仕方なしに前を向いた。
「では紹介します。大河さん、どうぞ」
「はい」
ガラッとドアを開け、大河と呼ばれた女性が入ってきた。
教室からおおっと言う声が上がった。長い髪に、眼鏡
すらっとした肢体に、豊満な胸、官能的な曲線美を描く腰に尻
まさに男の理想を詰め込んだような、絶世の美女だった。
そして一礼すると皆の方に向かってニコッと笑った。
「7日間、教育実習の為、お世話になります大河 梢(こずえ)です」
もう拍手大喝采に地鳴りを思わせるような歓声(男子と一部の女子)が上がった。
美人には違いないのだが、駿はどことなく違和感を感じていた。女性の頭部に何かがうっすらと見えるのだ。
「な、なぁ…祐子」
「けっ…雌豚が色目つかいやがって……って、あによ駿?」
「あの人の頭…な、何か犬の耳みたいなもの見えない?あとお尻から尻尾みたいなのも生えてるような」
「見えないわよ?駿、どうしたのさ……朝から何か様子がおかしいぜ。
熱でもあんの?それに耳とか、お尻がどうだとか…かなりマニアックね、駿は尻フェチ?」
「………ホント、その手の話が好きだな…あ、佐久間さん、ちょっと聞いてもいい?」
HRを終え、ワイワイガヤガヤと騒がしくなった教室内で駿は千種の席へ行った。
「ええ、どうかしたの?」
「あ、うん。今日から教育実習の先生が来るって話。先週、先生が言ってた?」
「ええ、言ってたわよ。美人な先生が来るって、みんなで騒いでたじゃない」
続