ヤンデレの小説を書こう!Part38at EROPARO
ヤンデレの小説を書こう!Part38 - 暇つぶし2ch50:名無しさん@ピンキー
10/10/30 03:05:24 59P69c7r
>>49
結果、誠二に嫌われて挙句に発狂…このままだと監禁か心中のどっちかか?

51:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/30 08:46:20 sJaMCz8m
仕事の合間に書いて投稿……
いやだってそんなことしないと定期的に投下できないんですもの

というわけで日常に潜む闇第4話投下します(今回は短め)
連投なのは、どうしてもこれだけは投下しておきたかったからです。
では投下開始します。

52:日常に潜む闇 第4話 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/30 08:47:11 sJaMCz8m
~授業後~
 5限目の授業が終了し、帰りのSHR(ショートホームルーム)も終わった。
 皆が鞄を手に取り友達と帰る様子を、別に羨ましがることなく風景の一部として誠二は眺めていた。
 これまでの授業で教師からお勧めの参考書を聞き出していた誠二は、今日は商業区にある書店で買う予定だ。
 さすがに放課後まで漬け回して嫌がらせをしてくる奴はいないだろうと思うものの、用心するに越したことはないだろう。
 イジメの主犯であるクラスメイトは既に下校している。そしてなぜか友里も一足先に帰っていた。
 そういえば友里は昼休みの後、一度も話しかけてこなかった、と今更ながらに誠二は思っていた。
 どうやら自覚していた以上に精神的に参っているらしい。
 思わず苦笑が漏れた。
 そろそろ書店に行こうと誠二が席を立つと同時に、教室の前の扉がガラリと開かれ、見るからに柄の悪そうな男子生徒が数人こちらにやって来た。
 教室にまだ残っていたクラスメイトはいきなり現れた不良に驚き、狙われないようにと身を堅くしている。
「お前久坂誠二だよなあ?」
 ストレートパーマをかけて腰パンをしている不良が声をかけてくる。
「え? あ、はい」
 なんか変なのに絡まれたなあと思いながらも応じる誠二。
「話があるからちょっとこいや」
「この後どうしても外せない用事があるので、今すぐ帰らせていただきたいんですけど……」
「まあまあいいじゃねえかよ誠二クン。別に取って喰おうってわけじゃないんだからサア。ちょっとオレらとお話ししよってだけナンだからサア」
 誠二が断ろうとするとすかさず取り巻きの中からチャラチャラした男子生徒が慣れ慣れしく肩に腕をまわしてきた。
 相手に悟られず逃げないようにするところが実に巧妙だと誠二は思いつつ、ため息をついた。
「じゃあ雑談しやすい場所に移動でもしましょうか。ここでは話しづらいと思うので」
「オ! イイ心がけしてんじゃんヨ」
 チャラ男は感心したような口調で言うが、その目は他の不良たち同様、嘲笑を含んでいる。
 本当に面倒臭いと誠二は思いながらも、彼らに取り囲まれるようにして教室を出て行った。




53:日常に潜む闇 第4話 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/30 08:47:45 sJaMCz8m
~高等部某所~
「で、話というのは?」
 体育館裏という典型的な場所まで連れて来られて、すぐに相手との間合いを取り、誠二は尋ねた。
 もちろん連中が何を企んでいるのかは知っている。
「テメエ調子に乗り過ぎなんじゃねえの?」
「とりあえず調子こき過ぎだから締めてやんぜ」
 そう言って不良たちは一斉に飛びかかって来た。
 つまりは噂を聞きつけて、或いは噂を焚きつけた本人がこいつらを使って自分をさらに貶めに来たということか。
 そんなことを考えながら、誠二はスタコラさっさとその場から逃走を試みる。
「逃げんじゃねえぞゴルァ!」
 精一杯ドスを効かせているのだろうか。
 スキンヘッドの大男の怒声を左から右に聞き流しながら、誠二は校舎へ一直線に走る。
 煙草を吸っていそうな連中に見えるのだが、最近の不良は煙草はやらないらしい。
 いや、単純にあの不良どもが例外なだけだろうか。
 校舎内に入ってもなお追いかけて来る不良に、誠二は焦りを覚え始めていた。
「ああ、まったく辛い」
 階段を一段飛ばしで駆け上がり、教室へ滑り込む。
 一連の事態を把握していたクラスメイトは状況の推移を見守るかのごとく、未だ教室に残っていた。
 誠二は自分の席に近づき、鞄を回収する。
 既に教科書その他は閉まってあるので今更確認する必要はない。というよりも確認している暇がない。
「テンメェ……! ちょこまかと逃げんじゃねえ……!」
 怖い怖い先輩方が迫っている。
 誠二は急ぎ廊下に飛び出る。
 教室に居れば、前後の扉からやって来るだろう。
 あるいはどちらか一方からやって来て、もう一方では待ち伏せて誠二がくる瞬間を待っていただろうに。
 今度は階段を上に駆け上がる。
これより上は理科や音楽など、俗に移動教室や特別教室と言われる教室が設置されている。
 誠二は階段とは反対側に位置しているエレベーターに駆け寄り、ボタンを押した。エレベーターは運よくこの階に停まっていたらしく、ドアが開く。
 中には誰もいない。
 誠二は適当な階数ボタンを押し、ドアを閉じるボタンを押した。
 そして廊下に出て、エレベーターの扉が閉じるのを確認してから、今度はゆっくりとした歩調で階段を使ってさらに上の階へ上って行った。
 エレベーターが作動して下の階へ向かえば、不良たちがそれに釣られると思っての策だった。
 しかし放課後とはいえまだ生徒は残っている。誘導される可能性は低い。
 屋上を出て、誠二は鉄扉を後ろ手に静かに閉じる。普段は立ち入り禁止ということで施錠され足を踏み入れることができない場所だが、運が良いことに鍵がかかっていなかった。
 何も考えずに屋上へまっしぐらだった誠二にとって、実に都合がいい話である。
 日が落ちるまで、ここで隠れてやり過ごそうと決め込んだ―その時であった。
「あれ? 誠二君、来てくれたんだ」


54:日常に潜む闇 第4話 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/30 08:48:11 sJaMCz8m
「あれ? 誠二君、来てくれたんだ」
 突然、傍から声をかけられ、声こそあげなかったものの盛大に肩をビクッと鳴らした。
「紬原、さん……?」
 落ち着きを取り戻しながら誠二は彼女の名を呼ぶ。
 対する友里は滅多に見せない静かな微笑みでこちらを見つめている。しかしどことなく危険な雰囲気がするのは気のせいだろうか。
 悟られないよう、彼女から少し離れつつ誠二はここで何をしているのか問うた。
「ここは立ち入り禁止だよ」
「知ってるわ。でも、ここなら誠二君と二人きりになれると思ったの」
「……言っておくけど、僕は紬原さんの想いに応えることはできない。何度も言ってるけど、お互いまだ何も知らないじゃないか」
 友里が何を言わんとしているかを気づいて、誠二は牽制を仕掛けた。
「そうね。だから私考えたの―お互いを分かりあうためには、一つになればいいと思うんだ」
 そう言って、紬原友里は学生鞄の中からスラリと何かを取り出した。
「いや……それは何の冗談なんだ……?」
 彼女の手にあるもの―刺身包丁を指差して、誠二は逃げ場を探る。
「冗談? 私は冗談は言わないわ。大丈夫、ちょっと痛いかもしれないけど、すぐに私たちは一緒になれるよ」
 彼女から距離を取ろうとして動いたのがいけなかった。
 唯一絶対の脱出口、校舎内へと続く鉄扉は友里の背後にある。
 自然、誠二の四肢は恐怖に打ち震える。
「カニバリズムは最高の愛情表現というけれど、ナンセンスよね。分かりあうためには時間が必要。それなら永遠に、一緒に、誰にも邪魔されることなくお互いを理解し合えて愛し合うことができる―そうは思わない?」
「……謹んでお断りしたいな」
 この期に及んで減らず口が言える自分にちょっと驚く誠二。
「私たちは赤い糸で結ばれているの。そして今、その糸はまさしく絡め取られて距離はゼロ―つまり一心同体になるのよ」
 怖いけど、逃げ場ないし諦めようかな。
 狂気に包まれた彼女の瞳を見て、誠二のうちに諦観の念が募り始める。
 それを機敏に察知したのか、友里は一層穏やかにしかし深く笑みを浮かばせる。
 ―ああ、なんだか艶やかだなあ。こんなに可愛かったのか。
 刺身包丁片手に近づく友里に、誠二はそんなことを思い始めていた。
 そして、無意識のうちに自らも彼女に歩み寄る。
 友里が誠二の首筋に刃を当てた時、誠二の口から言葉がこぼれ出た。
「愛してるよ、友里」
 友里は穏やかな笑みのまま返す。
「私もよ、誠二君」
 鋭い痛みが誠二の首筋に走ったかと思うと、視界がゆっくりとフェードアウトしていく。
 身体の自由が、思考ができなくなるのを感じながら、友里もまた血を噴き出して倒れつつ、お互いに抱き合う。
 そして二人はコンクリートの床に堅く抱きあって微動だにしなくなった。


55:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/30 08:51:36 sJaMCz8m
第4話 投下終了です。

しかし今気づいたこと、
×コンクリートの床に
○コンクリートの床の上で
ミスっちまったよ

ヤバい。上司が呼んでいる。休日返上の仕事馬鹿の働きぶり、舐めて貰っちゃ困りますな
では、また今度お会いしましょう
(ヤンデレの女性と結婚したいと思う今日この頃である)

56:名無しさん@ピンキー
10/10/30 12:23:38 uKBrKTvf
 GJです。
 お仕事がんばってください。
 色々な意味でdead endな展開。
 どう続くのか、ちょっと読めない!

57:名無しさん@ピンキー
10/10/30 14:30:30 ATmMCG6/
GJ!
どんなふうに続くのか楽しみです!


58:名無しさん@ピンキー
10/10/30 16:44:00 Zx7NUwWd
一ヶ月はたったしそろそろ黒い陽だまり来ないかな…

59:名無しさん@ピンキー
10/10/30 21:49:42 alwjGZ09


60: ◆0jC/tVr8LQ
10/10/30 22:15:18 5GZedPN3
こんばんは。今回は触雷!の投下です。
第19話 紅麗亜サイドです。

61:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/30 22:18:12 5GZedPN3
目が合った瞬間、男は倒れ、他界しました。
何ということをしてしまったのでしょう。
不可抗力とは言え、メイドがご主人様以外の男と目を合わせてしまうなんて。
後でご主人様に、きついお仕置きをしていただかなくてはなりません。
裸に剥かれ、荒縄で縛り上げられ、吊るされて、鞭で打たれながら気絶するまで犯されるのです。
しかしそのためには、まず雌蟲を駆除し、ご主人様を救出する必要があります。
その方法を考えながら、私は銀行を出て歩き出しました。
ところが、いくらも歩かないうちに、警官と名乗る男達が現れ、私を警察に連れて行こうとしました。
「恐れ入りますが、事情聴取にご協力を」
何を馬鹿な。
ご主人様が雌蟲に攫われたのです。想像したくありませんが、今まさに、凌辱されているかも知れません。
第一級の緊急事態、一刻を争う状況です。
警察で油を売る暇など、あろうはずがありません。
私は男達を睨み付けました。
「申し訳ございません。急いでおりますので」
「「ひ……」」
男達の股間が見る見る濡れ、足元がふら付きます。
しかし、そこで私は考え直しました。
ご主人様が雌蟲の手に堕ちている今、国家権力の手を借りるのも1つの方法です。
「考えが変わりました。連れて行っていただきましょうか」
「いや、あの、結構です……」
「お忙しいようですので、また後日に……」
「早く案内なさい!」
私は2人の男の襟首を掴み、両手で吊り下げて警察署に入りました。

「早速ですが、被害届の提出を所望いたします」
取調室に警官2人を放り込んだ私は、椅子に座って申しました。
「ひ、被害届ですか……? お気持ちは分かりますが、被疑者はすでに死亡しておりますので……」
被疑者が死亡?
それは確かに、あの雌蟲は一刻も早く絶命させるべきですが、忌々しいことにまだ生存しています。
きっとこの2人は何か、思い違いをしているのでしょう。
きちんと説明しなくてはいけません。床に座ったまま震える彼らを見下ろし、私は言いました。
「まだ生きていますよ。メイド保護法の違反者が」
「め、メイド保護法……?」
「ご存じないのですか? メイドのご主人様を略奪した女は無条件に死刑という法律です。メイドがご主人様にお仕えするという、神聖にして犯すべからざる権利を保護するのは、世界の常識、グローバルスタンダードです」
机の上の電気スタンドで、2人の顔を照らしました。
眩しそうにしながら、片方の警官が言います。
「いや、少なくとも日本では、そう言った法律は……」
私は呆れました。
21世紀にもなってメイド保護法が成立していないとは、何という後進国家でしょう。
しかし、ないものは致し方ありません。
今から総理大臣を拉致監禁・洗脳してメイド保護法を成立させても、おそらく手遅れです。
警察署のパソコンから、首相官邸の意見募集コーナーに“税金泥棒! 死ね!”と書き送り、私は外に出ました。


62:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/30 22:21:57 5GZedPN3
外に出てすぐ、私の携帯電話が鳴り出しました。
上の妹から電話です。
「もしもし」
『お姉様!! ご主人様はまだですの!?』
鼓膜から三半規管から切り裂くような金切り声です。私は思わず、携帯電話を耳から遠ざけました。
「そんなに大声を出すな。普通に話せば聞こえる」
『メールしたのに、全然連絡がないんですもの。声だって大きくなりますわ。まさか、お姉様お1人でご主人様を独占するおつもりではありませんわよね!?』
「そんな訳がないだろう」
私は正直に言いました。全時間の8割、私がご主人様にご奉仕し、残りの2割の時間だけ妹達にくれてやるつもりではありますが。
『では何故!? 何故ご主人様がいらっしゃらないんですの!?』
「それはだな……」
私は仕方なく、これまでの経緯をかいつまんで上の妹に話しました。
話し終えた途端、電話口の向こうで何かが爆発したような音が聞こえました。

数時間後、私はご主人様のお屋敷からそう遠くない、とあるホテルの一室で2人の妹と会っていました。
本当は、すぐにでも雌蟲その1の巣に突入したかったのですが、上の妹が、詳しい事情を聞くことを強硬に望んだため、やむを得ず説明することにしたのです。
私は片側のソファーに腰掛け、妹2人は向かいのソファーに座っています。上の妹の右手には、白い粉が付着していました。屋敷の壁を怒りに任せて破壊したのでしょう。
2人の妹に私は、ご主人様が雌蟲その1に奪われた経過を、改めて話しました。
その間、上の妹は冷ややかな目で、下の妹は落ち着かない目で私を見ていました。
「お姉様……」
私の話が終わると、上の妹は低い声で話しかけてきました。
「ご主人様の元にお出かけになるとき、わたくし達に何と仰ったか、覚えておいでですか?」
「ん? 私が何か言ったか?」
「『お前達ゲテモノメイドにご主人様は捕まえられない。ご主人様の捕獲は私に任せろ』と、仰いましたわよねえ」
「そんなことを、言ったかも知れないな」
「言いましたわ! だからわたくし達は、涙を飲んでご主人様の捕獲をお姉様にお任せしたんですのよ。その挙句が、ご主人様を雌蟲に奪われた? 開いた口が塞がらないとは、このことですわね」
傲慢な態度で腕を組み、上の妹は私を睨み付けます。
無礼な態度を注意したいところではありますが、今回のことは私にも若干の落ち度があります。あえて自重しました。
「…………」
「うう……ひどいですう。お姉様」
黙り込んでいると、下の妹が泣き始めました。
「ご主人様に使ってもらうために、鞭とか玩具とかボンデージとか沢山買って、拘束台も日曜大工でいくつも作ったんですよお。あ、ピアスはご主人様に選んでもらいますから、まだ買ってないですけど……」
この娘の頭の中には、ご主人様に調教されることしかないのでしょうか。
それはともかく、私は2人に言いました。
「心配するな。ご主人様は必ず私が取り戻す。これからすぐにだ」
すると、上の妹が即座に言いました。
「駄目ですわね」


63:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/30 22:23:12 5GZedPN3
「何が駄目なんだ!?」
さすがにこれは聞き捨てなりません。私は気色ばんで上の妹を問い詰めました。
「どうせ今から、雌蟲の巣に強襲をかけて、ご主人様を力ずくで奪還するとか仰るんでしょう?」
「その通りだが?」
「向こうは中一条グループの本家ですわ。銃を持ったガードマンが大勢いますわよ」
「通常兵器でメイドを止めることは不可能だ。そんなことはお前だって知っているだろう?」
「ガードマンを排除する間に、ご主人様をどこかに連れ去られたらどうするんですの?」
「決まっている。どこまでも追いかけて捕捉するまでだ」
「お話になりませんわね。いざとなれば、あちらはジェット戦闘機くらい繰り出して、ご主人様を逃がしにかかりますわよ」
「そのときはだな……」
「もう結構ですわ。暴力と威嚇で人を屈服させるしか能のないお姉様は、大人しくしていてくださいます?」
「何だと!?」
「ご主人様を最初にお見かけしたとき、申し上げましたでしょう? わくし達が確実にご主人様をものにするためには、まずご主人様を社会的に抹殺することが絶対に必要なのですわ」
「一体なんという……」
「ご主人様の自活能力など、メイドにとって百害あって一利なし。メイドなしでは一分一秒も生きていられない廃人になっていただいてこそ、ご主人様はメイドを無条件、無制限に受け入れてくださるのですわ」
「はうっ……」
あまりに歪んだ人格に遭遇すると、不快を通り越してある種の爽快さが感じられることを、私は知りました。
それはそうと、私は上の妹に問いました。
「で、お前には、ご主人様を取り戻す手立てがあるというのか?」
「もちろんですわ」
優雅に微笑む上の妹。私は焦りました。
獲物は、勝利者の手に帰属します。
ご主人様を取り戻すのに、妹が活躍したら、ご奉仕の時間配分を決める際に、私の分が減ってしまうでしょう。
下手をすれば、8割が7割5分に激減してしまうかも知れません。
それは避けるべきです。
「いや。ご主人様の捕獲は、最後まで私が責任をもってやり遂げる。それがメイドというものだ。お前もそう思うだろう?」
そう言って下の妹を見ると、彼女は一心不乱に何か本のようなものを読んでいました。
先程から一言も発しなかったのは、このためのようです。
「ああん……ご主人様の鬼畜う! そんなに責めたら駄目ですう……」
のみならず、右手をメイド服のスカートの中に突っ込み、ガシュガシュと動かし始めました。
いくら何でもこれは捨てておけず、私と上の妹は言いました。
「おい! 何をしている!?」
「一体、どうしたんですの!?」
すると下の妹は、読んでいたものを私に見せました。


64:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/30 22:24:34 5GZedPN3
それは本ではなく、コピー用紙を綴じて作った冊子でした。
「何だこれは?」
「ご主人様と私をモデルにして書いた、猟奇純愛SM官能小説ですう。ご主人様を取り戻したら、この本の通りに虐めてもらうんですう」
下の妹が書いたという官能小説を、私はちらりと読んでみました。
その内容は、とても私の口からは申し上げられません。
「本当にこれを、ご主人様にやっていただくのか?」
「当然じゃないですか。メイドの調教は、ご主人様の義務ですう」
上の妹ほどではありませんが、下の妹も、なかなかに我田引水、傍若無人な性質です。
あのお母様に育てられて、何故ここまで人格が崩壊するのでしょうか。
全く分かりません。
「……で、お前達2人で、ご主人様を雌蟲から取り戻すと言うのか?」
気を取り直して、私は妹2人に問いました。
「そうですわ。お姉様は大船に乗った気持ちで、待っていてくださいまし。ああ、ご主人様あ……」
「うふふ……もうすぐ実物のご主人様が私を……あ、ちょっとオマンコ汁漏れちゃいました」
2人とも、現実からどこかへ飛んでいってしまいました。
ハアハアと荒い息をつき、顔を赤らめ、ご主人様を捕えたら即刻組み敷いて一滴残らず搾り取りそうな雰囲気です。
激しい不安を覚えました。
しかし、こうなった2人を止めるのはそう簡単ではありません。とにかくやらせてみることにします。
「まあ、いいだろう。具体的にはどうするんだ?」
「腹案がありますわ。トラストミー」
「……何だ、その腹案とは?」
「今は申し上げる時期ではありませんわ」
もう仕方ありません。作戦を聞き出すのは諦め、2人が何かやっている間に、強行突入の準備をすることにしました。
作戦は、一発勝負より2段構えの方が、うまく行く確率が高いのです。
「絶対にしくじりませんわよ。このままではご主人様が雌蟲に結婚を迫られかねませんもの」
「……仮定の話でも、言っていいことと悪いことがあるぞ」
私は上の妹を睨み付け、強い口調で言いました。
ご主人様と雌蟲が結婚。
想像しただけで寒気がし、全身の毛が逆立ちます。
本当にそんなことになったら、自分が何をやらかすか、全く想像が付きません。
おそらく地球は原形を留めているでしょうが、保証できるのはそれくらいです。
「とりあえず、当面の活動拠点が必要ですわね。それにわたくし達の服も。秋葉原でもないのにメイドが3人も連れだって歩いていたら、目立ってしまいますわ」
「……まあ、そうだな」
ご主人様のメイド以外との結婚という、世界の終焉を頭から振り払い、私は上の妹の言葉に頷きました。
その後、いくつかの打ち合わせをしてから、私達はホテルを出ました。


65: ◆0jC/tVr8LQ
10/10/30 22:25:11 5GZedPN3
以上です。次回は現物支給の方になるかと思います。

66:名無しさん@ピンキー
10/10/30 22:40:49 AKfERvAj
GJ!
紅麗亜サイド待ってたがようやく来たか!

67:名無しさん@ピンキー
10/10/30 22:49:15 59P69c7r
>>65
GJ!!ヒャッハー!!新鮮な触雷!だぁ!!下の妹は中一条たちと話が合いそう

68:名無しさん@ピンキー
10/10/30 23:22:28 TGRzJVPm
これ確実に『我が幼馴染』の作者忘れてるな

69:名無しさん@ピンキー
10/10/30 23:23:08 alwjGZ09


70:白い翼 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:27:31 08GtCShr
触雷! ずっと待ってました! 激しくgjです。

白い翼の作者のものです。
少々、違う話を投下させてもらいます。

71:とある幽霊の話 前編 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:28:52 08GtCShr

――死のう。

そう思って少女は、このドアを開く。
一年前に飛び降り自殺があったこの美杉学園の屋上は、生徒立ち入り禁止の場となっていた。誰も気味悪がって近付きもしないこの屋上、古く腐った……ほぼ壊れかけのカギをハンマーで叩く。ガチャン、と大きな音をたてて、ドアノブが床に落ちた。
 「………………」
覇気のない瞳をした少女は、屋上のドアを開けた。
 「……………ぁ」
気持ち悪い風が流れる。
何一つの曇りもない青い空に、穢されることを知らない純粋無垢な風……そんなものが、少女の気を悪くした。自分と正反対のものに、なにも悩みもないままに自由に生きる世界が、少女にはどうしても憎かったのだ。
 「……………………」
目の前にある、錆びついた柵。
手入れも何もされていない屋上は、荒れた瓦礫の山とさして変わりなかった。
 「うぁ……」
柵を触るともろく崩れ去ったが、少女の手には、黒い墨を塗ったかのようになっていた。
まぁ、でも今から死のうとする少女には、そんなもの関係ないんだけどね。
 「…………………」
際に立つ。高い、下を見ると足がすくみそうになる少女。
しかし、ここでやめるという選択肢はあり得ない。
だって、ここから飛び降りることよりも生きている方が少女には怖かったからだ。
 「…………バイバイ」
十六年間という短い期間であったが、生きてきた腐った世界に、少女は別れを告げる。
足を踏み出す、視界が変わる、体が――落ちる。

その日から、少女の世界は一変した。

72:とある幽霊の話 前編 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:30:33 08GtCShr
 「でねでね、この前気付いたんだけど……人が寝ているときに体を
重ねるとね、憑依することができるんだよ!
そしたら、生きていた当時と変わらないくらい快調に体が動かせ――!」
私こと〈霞 奈央〉(かすみ なお)は、上機嫌に目の前の少年に話す。
その嬉々とした表情は、多分、生まれてから一度もしたことがなかっただろう。
 「コラッ」
しかし、会話の途中で少年は私の頭を叩いた。
 「はひっ!」
私は、情けのない声をあげて頭を押さえる。
少し涙目になりながら、叩いてきた少年に向かって頬を膨らませた。
 「もぅ! いきなり何するんだよぉ」
しかしその声は甘い。甘く脳髄がとろけてしまいそうな声。
そう、この声こそが、私が抱く少年への気持ち。
 「生きている人様に迷惑をかけるな、俺たちはあっちの世界とは関係をもっちゃいけないの!」
 「……ッ!」
隣同士に座っていたからだろう。
身を乗り出して話をしていた私の顔と、少し怒ったような顔をして空からこちらに視線を向けた少年。
二人は寄り添うように、そして互いの息がかかる位置まで接近していた。
後数センチ、もうそれだけの距離で唇同士を重ねられそうだ。
だから私は赤面してしまう。
彼の息がかかるだけで、彼の顔を見るだけで……私の心臓は握りしめられたかのように激しく鼓動する。
あ、ぁ、キス……したいな。
 「この体になって間もないこともあるけど、やっぱりそういうのは駄目だろ」
 「…………ぁあ」
一通り、私を叱った少年は、視線をまたも、空に戻す。
その行動に私は、寂しくなって、声を出してしまう。
もっと私だけを見ていてほしいのに……あなたの視線を一人占めしたいのに。
でも――あなたは……。

――ガチャ

 「お、やっと来たか」
少年は私の隣から立ち、その私が壊した屋上のドアを押して入ってきた少女〈七海 瑠夏〉(ななみ るか)のもとへ、小走りで向かったのであった。

――なんで……あなたはそんな女ばかりッ

73:とある幽霊の話 前編 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:31:08 08GtCShr
 「どうして、なんで? どうして生きてるの! 私は確かに……」
 「君は死んだんだよ、この屋上から飛び降りて……ね」
屋上であたふたしている少女に俺は話しかける。
初めてだな……人にこんな説明をするのは。死んでから一年で……早いのか遅いのか分からないが、いずれはそんなこともあるだろうと俺は考えていた。しかし皮肉に思う。俺がここの自縛霊だから分かっていたはずなのに、最初に説明するのが、同世代の少女だとはな。
 「え、死んだ? でも、私……ここにい――」
 「幽霊」
 「ッ!」
感触が、匂いが、視覚が、味が、耳が……正常に働く。少女は自分の調子……つまり、五感があるということから、生身の肉体であると錯覚したのだろう。しかしそれは違う。
俺たちはすでに幽霊なんだ。
 「君はこの屋上から、さっき飛び降りてたよ……俺も見ていたからね。ほら、下をのぞいてごらん、君の死体が転がっているんじゃないかな?」
 「えっ」
俺の言葉にとっさに反応した少女は、屋上から下の世界を見る。
 「うぇ……」
恐らくその瞳に己の姿をとらえたのであろう。嗚咽しながら、膝を瓦礫につけた。
 「…………………」
俺はしばらく、その姿を見守った。

しばらくして落ち着いた少女に、俺は三つのことを伝えた。
一つ、幽霊であることを自覚すること
一つ、人に干渉しないこと
一つ、自縛霊(一定の場所から動けない霊)にはならないこと
それを彼女は、呆けた表情のままで、うなずいて聞いていた。
まぁ、当り前であろう。死んだのは自分の意志であったとしても、まだその先に……それこそ本当の意味での「第二の人生」が待っているだなんてな。
 「俺から言えることはそれだけだが……君はこれからどうする? 普通の場合はこの世界に満足したら、生きるという意思を捨てたら消えるはずだよ……それに君は自縛霊にはまだなっていないようだ。ここじゃないどこかに旅をするのも、また一興だと思うよ」
 「う……ぅん」
 「……………」
可哀そうに……この女の子。
俺はそう思う。だってそうだろ――

――一度死んだのに、また死にたいって顔してる。

 「良かったら聞かせてくれないか?」
 「えっ?」
俺は自然と口を開いていた。
しゃがんで俺のことを見上げてきた少女に、俺は続けて言う。
 「どうして死のうと思ったか……。君が嫌じゃなければだけど」
 「…………」
少女は再びに下を向いてしまう。死んだ理由なんて話したくはないんだろう。
でもこのままじゃいけない。このままいけばこの子は……何かこの世界に心残りができた成仏できない。それどころか、自縛霊になってしまう可能性がある。
……俺みたいにな。
 「人に話すってことだけで……楽になれるかもしれないぜ? まあ、俺みたいなやつだけどさ」
 「……………ぅん、分かった」
少々考えた少女は、そのうち頷いて返事を返した。何か心の中で吹っ切れるものがあったのかもしれない。
 「えっと、ですね……私は、その――」
 「ちょっと、待って」
言いづらそうに、でも確実に言おうとしている少女に、俺はストップをかける。
少女は、不思議そうな顔でこちらに顔を向けてきた。
そんな場所に俺は笑ってこう言う。
 「まずは自己紹介からだ、俺は〈辻井 孝史〉(つじい たかし) 君の名前は?」
 「あ、〈霞 奈央〉です」

74:とある幽霊の話 前編 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:31:51 08GtCShr
 「七海! 待ってたよ」
孝(あだ名)が笑顔で、私のもとへ寄ってくる。
あぁ、今日も格好いいな……。私こと〈七海 瑠夏〉は心底そう思う。
十年来の付き合い、幼馴染、おしどり夫婦……ふふ、そんな言葉が私と孝との関係にふさわしい言葉かしら。そんな彼を見ていると、すぐさま顔がほころびそうになったが、一瞬にして私の顔は凍りつく。
 「………孝、またあの子と一緒にいたの?」
私の視界には、霞奈央が捕らえられる。
消えろよッ! 私は頭の中で、叫ぶ。
 「あぁ、奈央のことか? そりゃそうだろ、彼女だってまだ成仏してないんだから」
 「た、孝」
その言葉に胸が締め付けられるように痛くなる。
孝が、霞奈央のことをかばっている。そんなことを考えるだけで、殺したくなる。
 「………また来たんだね」
後ろから歩いてきた霞奈央は不愉快そうな顔で私を見る。
 「あなたこそまだいたのね」
不愉快なのは私の方だ、シネ、害虫! 私の孝に近づくな!
 「どうしてお前ら二人は、会うたび会うたびそうなんだ?」
孝は呆れた顔をする。
あ、ごめんね。別に孝が悪いわけじゃないんだよ、でもね、この害虫がね、うざいんだよ。
と、私は頭の中で言い訳をする。
 「………そんなことどうでもいいじゃない」
しかし、現実にはその言葉を出さない。孝に嫌われてしまう可能性があるから。
孝と私は相思相愛だからそんなことがないはずだけど、孝には、私がおしとやかな人間であると思わせておきたい。だから、仮面を私は繕う。
 「どうでもいいけど、早く出て行ってくれないかしら? 除霊が始められないわ」
ここで私は勝ち誇ったかのように、霞奈央に言った。
 「くっ」
霞奈央も分かっているのだろう、名残惜しそうな……一人前に恋する乙女の視線を彼に見せた後に、ふらふらとどこかに飛んで行った。
 「さて、始めましょうか、孝」
 「おう、いつもいつも悪いな」
 「うぅん……だって、孝のためだもん」
そう、今から孝への除霊と名をうったお楽しみタイムに私たちは入る。
ふふ、孝……今日もいっぱい愛し合いましょう。

75:とある幽霊の話 前編 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:32:18 08GtCShr
私が彼にした話、それはよくある作り話そっくりだった。
最初は、無視される程度にいじめを受けていた。
理由は簡単、学年一のイケメンと称される男子を振ったから。
元々、男子と付き合う気なんてなかったし、誰に告白されてもそう答えてきていたんだけど……。その事で、女子全体からねたまれた。
徐々にいじめがエスカレートしていく。
机や教科書に落書き、上履き、体操服が隠され、ボロボロにされて、あまつさえ、殴るけるの始末。もう大変だった。
そしてそんないじめる奴らが怖くて私はだれにも相談できなかった。
親にも……教師にも……。
そんなことが半年ぐらい続いたある日、私は思った。
あれ? 私は何のために生きているんだろうって……。
いじめられて……皆に嫌われて……そして自分自身が、こんなに弱い自分が嫌いで。
だったら私、生きてる意味ないじゃんッて……。
そう思ったら、何だかこの世界全てが醜く見えて、好きだったはずの青空も、透き通っていた風も、全て嫌いになった。

――私から、好きなもの全てがなくなった。

あ、死のう。
生きていたってこんな世界、なにもいいことなんてない。
だから死のう。
…………多分私はこんなことを、彼に話した。
終始彼は、黙ったままだった。
私の方を向いて、ただひたすら私の話に、耳を傾けるだけだった。
話も終わり、屋上に静寂が流れた。お互いに何も話すことはできず、下を向く。
重すぎる話で……この場も重くなる。
 「……………」
でも、そんな静寂を、彼はいとも簡単に破って見せた。
 「―――頑張ったんだな、霞は」
 「ぇ?」
彼の呟きが聞こえなかったわけではない。理解できなかったのだ。
頑張った? 何を? 私はただ何もできずに逃げてただけじゃない。
 「だってそうだろ、霞は誰にも相談せず……一人で世界と戦ったんだから」
そう、彼はそんなことを言い出し始めた。
 「すげぇよ、霞は。こんな広い世界の中で、仲間も作らず、一人で戦ったんだから。俺だったらそんな芸当できないね」
 「な、何……言ってるの? だって私、何もしてないんだよ! ただいじめられるだけで、それが怖くて……何もできなかった! 何にも立ち向かうことができなかった!」
私は声を荒げる。この時の私の心には、怒りの感情が芽生える。
何も知らないこんな男が、知った風な口を利くのが気に食わなかったのだ。
 「戦ったじゃねえか、自分自身と」
 「!」
 「怖くて逃げだしたくて、誰かに頼りたくても、それをせずに、自分一人で……そして何より、自分を嫌いになりながらも、生きてたんだろ? だったらそれはすごいことだって。
別に霞がそう思わなくても……たとえ世界中のだれもがそう思わなかったとしてもな、俺だけは霞が一生懸命戦って生きったってことを思い続けてやるよ」
 「…………ッ」
そんなきれいごと言わないで!
 「お、おい、霞……どうした?」
そう言おうとしてたのにな……どうしてだろう。涙が止まんないや。

――そう、この日から、私は彼に、恋し始めた。

76:とある幽霊の話 前編 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:32:57 08GtCShr
 「はぁ、んぁ………んぁああぁ」
快感だけが、私の精神を貪(むさぼ)っていく。
孝と私は一つに繋がっていた。そう、これはいつものことだ。
いつも夜の十時きっかりに私は屋上を訪れる。
元々霊力が強い神社の巫女の末裔だったために、死んだ後の孝に除霊をしてあげると言い出した。周りに結界を張って、彼を眠らせて、そして……重なり合う。
 「んぁ、気持ち……いぃ……………ぁあ、孝!」
学校に通っている間一日中、彼のことを考えているのだ。
授業中でも、興奮はさめることなく、なんど授業中にトイレでしたことだろうか。
これも全部、全部……孝のせいだ。
孝の匂い、孝の瞳、孝の優しさ、孝の頬笑み、孝の血肉、孝の臓器、孝の髪の毛一本に渡るまで、すべて私のものだ。
この時間は、私と孝だけが現実と離れて唯一過ごせる、至福の時なのだ。
誰にも邪魔などさせるものか!
 「孝、孝、孝、好きぃ、好きなのぉ! 孝ぁ!」
そしてさらに動きを加速していく。
あぁ、どうして彼といると、こんなに気持ち良く、幸せになれるのだろうか……。
そう、七海瑠夏は思いながら、今日もまた……快楽に溺れていく。

――孝は、ワタシダケノモノ。

――この世界は、孝と私だけのッ!

 「そんなわけないでしょッ!」
 「へっ?」

――ガンッ

と、頭部に大きな音が響く。
何? なに? ナニ?
私は突然の出来事に理解できない。どんどん体が前のめりに倒れていく。
彼に繋がったまま、前に、前に……。

 「あんたと、孝史君とのハッピーエンド? そんなのありえないから!」

ヒャハハハハアハハハアハアハハハハハハハハハ
そんな声がだけが、薄れゆく意識の中で……ただ渦巻いていた。

77:とある幽霊の話 前編 ◆efJUPDJBbo
10/10/30 23:33:51 08GtCShr
投下終了です。
他の作者のみなさん、めっちゃgjです
ありがとうございました。

78:名無しさん@ピンキー
10/10/30 23:39:07 CMfKJgOl
gjです
後編も楽しみにしてます

79:名無しさん@ピンキー
10/10/31 00:10:47 FSGOCG56
GJ

80:名無しさん@ピンキー
10/10/31 01:37:25 ZdbH0ihR
ヤンデレはハーレムとか無いよね・・・。

81:名無しさん@ピンキー
10/10/31 01:50:24 w8ZZB+kI
リバースはまだか……

82:名無しさん@ピンキー
10/10/31 03:34:58 ybvQ4r6H
視点変更が多過ぎて何がなんだか…
もうちょっと読み手に配慮してくれよ

83:名無しさん@ピンキー
10/10/31 10:48:54 m77Q3f60
>>80
あるにはあるんじゃない?
ハーレムと書いて修羅場と読みたいなら。

84:80
10/10/31 10:51:57 m77Q3f60
 あげてしまった。すまない。
 …ちょっとヤンデレたちに殺されてくる。

85:84
10/10/31 11:14:36 m77Q3f60
名前欄、80でなく83のミスです。
本当にすみません。

86:名無しさん@ピンキー
10/10/31 17:40:30 oasQokrz
で、ハロウィンネタはまだなのか

87:名無しさん@ピンキー
10/10/31 19:36:04 gA3yrxTL
>>82
お約束に「アドバイスは敬語で」を付け加えた方が良いかな?

88:名無しさん@ピンキー
10/10/31 20:03:44 ex+urYwS
我が幼馴染はまだか!
パンツが履けないぞ!

89:名無しさん@ピンキー
10/10/31 20:21:22 soQqIs8i


90: ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:29:30 DPPMAttU
test

91: ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:37:58 DPPMAttU
少し遅れました。投稿します。

92:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:38:46 DPPMAttU
第十七話『夏祭りと明暗』

凱旋したブリュンヒルドは、都中からの万雷の拍手と歓声で迎えられた。
満面の笑みを民達に振りまきながら、ブリュンヒルドは入廷した。
しかしどういう訳か、その笑顔はすぐに消えてしまった。
王より直々の褒詞を受けたというのに、ブリュンヒルドはまったく喜ぶ様を見せず、
ただ静かに受け答えをするだけだった。退廷してからもブリュンヒルドは、
文武百官達からの祝辞に耳を傾けず、憮然とした表情を浮かべながら歩き去ってしまった。
百官達は皆、ブリュンヒルドの機嫌の悪さの原因がなんなのか分からなかった。
ブリュンヒルドが向かった先は、シグナムの執務室である。
ノックする事なく扉を開けたブリュンヒルドは、書類に目を通しているシグナムの目の前に立ち、
「シグナム様、なぜ朝廷にいなかったのですか!」
と、今にも掴み掛からんばかりの勢いで聞いてきた。
シグナムはブリュンヒルドの戦勝報告の場にいなかったのである。
それがブリュンヒルドには気に入らなかったらしい。
「私がなんのために戦ってきたと思っているのですか!
全ては天下のために、強いてはあなた様のために戦ったのです!
だというのに、肝心のあなた様がいなかったら、なんの意味もないではありませんか!」
ブリュンヒルドの視線と言圧が、一斉にシグナムに襲い掛かった。
これほどの圧力を受けているというのに、シグナムは自若として書類に目を通していた。
バンッ、と凄まじい音が部屋中に響いた。ブリュンヒルドが机に拳を叩き付けたのである。
書類が宙に舞い上がり、床に散らばった。
ようやくシグナムは目を上げた。感情のない瞳がブリュンヒルドを刺した。
「お前は王より褒詞を賜ったのだろ。これ以上の名誉はないではないか。
たかだか私がいなかったぐらいで、この様に政務を邪魔するのはどうかと思うが」
「そういう問題ではありません!宰相とは、朝政の席では常に王に侍り、
王が褒詞を述べたならば、続けて宰相も褒詞を述べて然るべきなのです!」
「……要は、私の褒詞が欲しいという訳か……」
「それが宰相としての役目ではありませんか!」
「……………………」
シグナムは黙っていたが、内心では煮え立つ怒りを抑えるので必死だった。
こんな下らない事のために、仕事の邪魔をされた挙句、余計な仕事を増やされたのだ。
それに、ブリュンヒルドを褒めなければならない事も気に食わない。
だが、それをしないとブリュンヒルドはここから出て行きそうにない。
舌打ちをしたい気持ちを押さえ、シグナムは搾り出す様に、
「……大儀……」
と、一言だけ述べた。褒詞としてはあまりにも短いこの言葉を聞いたブリュンヒルドは、
「もっ……申し訳ありませんでした!
私とした事が、気が動転してしまって……。今すぐ片付けます!」
と、先ほどまでの怒気が嘘の様に消え、悄悄とした物言いになっていた。
しゃがんで書類を集め始めたブリュンヒルドだったが、
正直、さっさと出て行って欲しいというのがシグナムの本音だった。


93:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:39:48 DPPMAttU
シグナムは夏が嫌いである。降り注ぐ太陽の光が肌を焼き、汗を止めどなく迸らせるからだ。
執務室や朝廷で政務を行なう際は、常に左右に団扇持ちを侍らせた。
団扇持ちは、大抵の場合は女性や少年である事が多い。
この王朝では古来より女性を使っていたらしいので、シグナムもそれを踏襲した。
所がシグナムの執務室で団扇持ちは、女性ではなく少年である。
理由は簡単だ。ブリュンヒルドが女性関係にうるさいからである。
シグナムが女官と話していたり、偶然横を歩いていたりしただけで、
なんの話をしていたのですか、なぜ一緒に歩いていたのですか、と詰め寄ってくるのだ。
以前にもこういう事があったな、とシグナムは思い出した。
シグナムがイリスを従者にしていた時、それに最も反対したのがブリュンヒルドだった。
よっぽどブリュンヒルドは、自分に女を近付けさせたくないらしい。
それがなぜなのか、シグナムにはブリュンヒルドの意図が分からない。
分からないが、これがどうせブリュンヒルドの嫌がらせなのだろうという事はよく分かる。
十四年前からの関係は、相変らず続いているという訳である。
糞女め、とその事を思うたびにシグナムは地が出そうになる。
その不機嫌を押し隠しながら、シグナムは政務に励んでいるが、
完全には隠しきれないらしく、朝廷内の雰囲気は、常に張り詰めたものになっていた。
王や百官達は、今までのシグナムの陽気さに慣れていただけに、
現在シグナムから放たれる凄まじい陰気に戸惑い、心配していた。
そんな周りの心配を、シグナムは全く察する事もせず、
時折団扇持ちを外に出し、なにかを書いているなどしていた。
この陰気な王朝に、危機感を抱いた者達がいた。バトゥ、トゥルイ、フレグの三人である。
彼等は会合を開き、シグナムが陰気になった原因を話し合った。
明晰な頭脳を持っている三人である。シグナムの陰気の原因がブリュンヒルドにあると察した。
しかし、誰一人としてシグナムとブリュンヒルドの関係が険悪であるという事に気付かなかった。
三人共、シグナムこそ真の英雄だと信じて疑わない。
その英雄が差別などという下らない感情に振り回される訳がない。
その狂信にも似た決め付けが、三人の慧眼を曇らせた。皆が思うほど、シグナムは完璧ではない。
そういう間違った認識から導き出された答えは、
「シグナム様は、ブリュンヒルド将軍に好意を持っているのではないか」
と、いうものだった。間違った認識と言ったが、この答えには彼等なりの典拠がある。
バトゥは、自分とシグナムが話していた時に、ブリュンヒルドが怒鳴り込んできた事を思い出し、
トゥルイとフレグは、シグナムがブリュンヒルドに冷たく接していたのを思い出した。
以上の事から察するに、おそらくシグナムはブリュンヒルドの事が好きなのであるが、
自分が貴顕の位におり、自らの一言で朝廷内に余計な波風を立ててしまう事を嫌い、
あえて冷たく接し、告白しないでいるのだろう。
そのストレスが、陰気となって発散されているのだ、というのが彼等の結論であった。
当然、その答えも、典拠の是非も、推論も全て外れている。
だが、彼等にそんな事など分かろうはずもない。誤った考えのまま、話は進んでいく。
「主が悩んでいるのなら、それを取り除くのが部下の務めだ」
「でも、どうすればいいのかな?ブリュンヒルド将軍は別にいいとして、
シグナム様をその気にさせるなんて、すっごく難しいと思うけど」
「さて、どうしたものかな……」
と、二人が悩んでいると、しばらく会話に参加していなかったトゥルイが満面の笑みを浮かべ、
「その点は私にお任せください。身分の事など関係なく告白させる策ならあります。
今がそのちょうどいい時期です。今すぐその事をシグナム様に申し上げてみましょう」
と、自信満々に言った。
「兄上、その策とはなんなのですか?僕達にも教えてください」
フレグが目を輝かせた。バトゥもそれを聞きたそうである。
二人を近くに呼び寄せたトゥルイは、微かな声で秘策を打ち明けた。


94:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:40:22 DPPMAttU
「夏祭りをやりましょう」
トゥルイが執務室に入ってきて開口一番、そんな事を言った。
書類から目を離したシグナムは、トゥルイの方に目を向けた。酷くやつれた目だった。
「トゥルイ、その夏祭りとやらに、なんのメリットがあるというのだ。却下だ」
にべもなくそう言って、シグナムは書類に目を戻した。が、トゥルイは食い下がってきた。
「メリットならばあります。シグナム様もご存知の通り、民衆の心は戦いにより荒んでおります。
このまま政治を進めていくと、必ず民衆の怒りを買い、最悪、反乱に繋がります。
それを防ぐために夏祭りを開催し、民衆を楽しませ、彼等の心を宥めるのです。
そうすれば、滞りなく政治を行う事が出来るのです」
真剣にトゥルイは語っているが、シグナムはそれを傍耳で聞き流していた。
確かにトゥルイの言う通り、今の政情は不安定極まりなく、多少のミスも許されない状況である。
そういう時だからこそ、厳しく民を取り締まるべきである、とシグナムは思っている。
夏祭りなど、以ての外だった。それぐらいの事、トゥルイなら分かりそうなものである。
「祭りなど、金の掛かる事ではなく、法律を厳しくし、民を治めるべきだと思うが」
「それはお止めになった方がよろしいかと思います。ただでさえ戦乱に苦しんできたというのに、
ここに来てさらに厳しく取り締まったら、民衆の反発は必死です。
その様な力政は、向こう三年は抑え、寛治を行うのが適切でございます」
「寛治……?」
聞きなれない単語に、シグナムは再び書類から目を離した。
「なんだそれは、お前の造語か?」
「造語ではありません。寛治とは、文字通り緩やかな政治の事です。
税の徴収を軽くし、兵役を緩和し、戦没者遺族に十分な施しを与える。
そういう慈しみの政治こそが、寛治なのです」
トゥルイの舌は止まらない。彼は上唇を舐めた。
「古より、戦いに勝ち、勇名を得た者は幾千とおりました。
しかし、その者達の多くは、なんらかの理由で悪名を被り、忘れ去られています。
それはなぜか……、理由は簡単です。彼等は怠ったのです、民衆を慰撫するという事を。
知っての通り、民衆など、青史に名を残す事のない、そこらに生えている雑草の様な存在です。
……ですが、雑草ゆえに、彼等は多い。それこそ刈っても刈り切れないほどに……。
それ等が一度爆発したら、我々貴族では対処しきれない。今回の戦乱が好例です。
私個人としては、シグナム様には英雄であっていて欲しい。歴史に埋没して欲しくない。
たった少しの親切で、シグナム様が英雄になれるなら、私は喜んで進言します。
……シグナム様、どうか寛治を行なってください。
その寛治の始まりを告げるのに、この夏祭りほど適当なものはありません」
長広舌を振るった後、トゥルイは深々と傾首した。
「抜かしたな、トゥルイ」
と、シグナムは言ったが、悪い気はしていない。むしろ、久し振りに気分が高揚していた。
それだけトゥルイの話は、しっかりとシグナムの心に沁みこんだという訳である。
トゥルイの話術に嵌ってしまったな、とシグナムは微笑しながら思った。
「いいだろう。お前の進言を聞き入れよう。しかし、やるからには盛大にやるぞ。
祭りの準備及び実行はお前に任せる。その祭りには私も参加するからしっかりやれよ。
開催日は今日よりきっちり七日後。遅延はなしだ。分かったな」
と、言ったシグナムの目には、活気が蘇っていた。
それを見たトゥルイは、満面の笑みを浮かべて部屋から出て行った。


95:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:41:53 DPPMAttU
夏祭りの開催が決まった翌日、バトゥはブリュンヒルドの部屋に来ていた。
中に入った瞬間、刺す様な殺気を感じ、バトゥは足を止めた。
ちゃんとノックをして、入る前に一声掛けたはずである。
バトゥは殺気の出所であるブリュンヒルドに目を向けた。
窓際に座っているブリュンヒルドの手には手帳が握られていた。
「……なにか、……用……」
表情も口調も、全てが不機嫌そのもののブリュンヒルドは、
バトゥに目を向ける事なく、手帳を懐にしまった。
その些細な動作でさえ、バトゥには恐ろしくて堪らなかったのと同時に、
シグナム様は、こんな恐ろしい人と一緒にいたのか、とバトゥは改めてシグナムを尊敬した。
ブリュンヒルドの殺気に当てられ、既に冷や汗で背中が湿ったバトゥは、
自らに喝を入れ、からからになった口を開いた。
「将軍、夏祭りが開催される事が決定しましたが、あなた様はそれに参加しますか?」
「……だから、……なに……」
「いや、せっかくのお祭りなのですから、お誘いしようと思いまして……」
「……で……」
「あっ……あのですね……」
バトゥはしどろもどろだった。どれだけ自分に喝を入れても、
ブリュンヒルドの殺気が、それを全て吹き飛ばしてしまう。
将軍は、シグナム様の事が好きなのです、などと死んでも聞けない。
言った瞬間、首を引き千切られそうである。
遠回しに言おう、と頭に浮かんだ時、自分はヘタレだな、とバトゥは苦笑いしたくなった。
バトゥは、小さく深呼吸をした。
「当日は、シグナム様も夏祭りに参加されます。
その際、案内役として私が傍に付く事になっています。
シグナム様は、私が案内する場所になんの反対もなく付いてくるでしょう」
「……………………」
「その夏祭りは、シグナム様の肝煎りで、大々的に行なわれます。
そのため、大混雑が予想されます。おそらくは、迷う人も続出するでしょう。
もしかしたら、案内をする私も迷ってしまうかもしれません」
「……あんた……」
ブリュンヒルドの表情が変わった。殺気が薄らぎ、どことなく華やいだ様である。
やはり聡いお方だ、とバトゥは感心した。そして、その反応から脈ありと判断できた。
「それでは、出来れば早く場所を指定して置いてください。
私が言いたかったのはそれだけです」
バトゥはそれだけ言って、退室した。しばらく歩いたバトゥは、
「疲れた……」
と、ぐったりした様に言った。今まで幾つもの戦場を踏んできたバトゥであるが、
話だけで命の危険を感じたのはこれが始めてであった。
極力、ブリュンヒルドには近付かない方がいい、とバトゥが心に決めていると、気配を感じた。
顔を上げると、そこにはヘカテが立っていた。
「……………………」
ヘカテは無口で無表情である。だが、結婚してまだ数日しか立っていないとはいえ、
バトゥはヘカテの表情や雰囲気だけで、彼女がなにを言いたいのか理解できる様になっていた。
ヘカテの瞳が訴え掛けていたものは、嫉妬だった。
どうやら、自分が別の女の部屋に入った事を見咎められたらしい。
「ヘカテ、これはだな……」
慌ててバトゥは弁解しようとしたが、それよりも先に、ヘカテに手を掴まれ、引っ張られた。
引っ張られた先は、誰も使っていない、人目に付きにくい部屋だった。


96:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:43:00 DPPMAttU
少し無茶を言い過ぎたか、とシグナムは思っていた。
だが、夏祭りというからには、夏の内にやらなければ意味がない。
もう後三日ほどでその夏を過ぎてしまう。急ぐ必要があったのだ。
とはいえ、流石に七日でというのは無理がありすぎた。
準備期間を少し延長しよう、とシグナムが決めた時、
それを告げるべき相手であるトゥルイが、夏祭りの準備が完了した事を報告すべく執務室に来た。
夏祭り開催を決定して、まだ五日しか経っていない。
シグナムは、トゥルイの顔を凝視した。
有能だ、有能だ、と思っていたが、この様に急な出来事であっても、
それを大過なく、それでいて素早く処理するトゥルイの手腕には、目を見張らざるを得ない。
自分の後の事は、こいつに任せれば大丈夫か、とシグナムは確信した。
「トゥルイ、お前が女だったら、私はお前に告白していたかも知れんな」
「それを肯定したら、私はソフィアに殺されます」
シグナムの戯言に、トゥルイも戯言で返した。執務室に笑声が響いた。

夏の太陽が秋の太陽と交代しようとする中、遂に夏祭り当日となった。
会場はまだ朝だというのに多くの人でごった返していた。
シグナムの予想では、戦争が終わってそれほど経っていないから、
あまり動員数は期待できないだろうと思っていただけに、大いに驚いた。
「皆どの顔にも、活気が溢れています。これならば、反乱を起こす気などなくなるでしょう」
と、言ったのは、シグナムの先導役のバトゥである。
そう言うバトゥも、やけに楽しそうである。シグナムはからかうつもりで、
「せっかくの祭りだというのに、愛妻と屋台を回れないのは残念だな」
と、笑いながら言った。バトゥは微苦笑した。
「まぁ、これも仕事ですから……。ヘカテも、その辺りは分かってくれていますし……」
「実はお前の後ろを付けていたりして……」
「嫌ですよ、そんな冗だ……」
バトゥは言い掛けた言葉を呑み込んだ。
「どうしたんだ?」
「いえ、なんでも……」
シグナムの問いに、バトゥはおざなりに答えた。シグナムはそれ以上問い詰めなかった。
それはさておき、せっかくの夏祭りである。
笛や太鼓、それにトランペットの音楽に合わせ、人々は踊りに身を投じ、
それをやらない者達も、即席で作られた屋台に屯し、酒や食べ物を喰らっている。
しっちゃかめっちゃかの音楽、辺りに漂う酒や肉などの焼ける匂い、
それらは全て、シグナムの五感を刺激した。
「下品……だが、なかなか面白いものだな、夏祭りというのも……」
シグナムの感想は、そういうものだった。


97:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:43:30 DPPMAttU
この夏祭りにおいて、シグナムは多少なりとも貴族としての箍を外した。
かき鳴らされた音楽に合わせて踊ってみたり、行儀の悪い立ち食いなどもした。
酒や料理などは、安物で作られたのは間違いないはずなのに、なぜだか美味しく感じられた。
これが夏祭りマジックという奴であろうか、とシグナムは思った。
バトゥも案内に先導に熱が入った。
夏祭りに始めて参加するシグナムを退屈させない様に、様々な所を案内してくれた。
このたびの夏祭りでは、多くの出店者は奇を衒ったのか、くじ引きや射的など、
食べ物以外のものを売りにしているかなり凝った出店もあった。
ここでシグナムは、くじを引いてみた。
くじとは、言わば神託であり、紙に書かれている事は未来で必ず起こる、というものらしい。
その神託という言葉に、シグナムは惹かれた。
シグナムが引き当てた紙に書かれていたのは、
怨讐と決別する時は近く、運命の人と再会す、運命の人と再会す、というものだった。
よく分からなかったが、シグナムはその紙を木の枝に結んだ。
こうすると、悪い預言は浄化され、良い預言は叶う、らしい。
その訳の分からない預言は、ややもすると、綺麗サッパリ忘れてしまった。
神託といっても、所詮は一般庶民が書いたものである。
当る筈などなく、覚えるだけ容量の無駄である。シグナムはそう思った。
それよりもシグナムは他の事に興味が移っていた。
次はあそこに、やれその次はあれだ、と年甲斐もなくはしゃいだ。
出店はごまんとあり、それらを丹念に回っていくと、日は暮れ始めていた。
シグナムは串に刺さった肉に喰らい付きながら、未だ喧騒の衰えない人混みの只中にいた。
ふとシグナムは、先ほどまで自分を先導していたバトゥがいなくなっている事に気付いた。
迷ったのだろうか、と思い辺りを見回してみると、背後から声を掛けられた。背筋が凍った。
「あれ、シグナム様もこの夏祭りに参加していたのですか?」
それは、今最もシグナムが聞きたくない、ブリュンヒルドの声だった。
着ているものは黒い鎧ではなく、ブリュンヒルドの髪の色と同じ、白いローブである。
胸元が大きく開き、そこから深い谷間が覗いている。
巨乳フェチであれば生唾ものであるはずなのに、
シグナムはそれを見ても、なんの感慨も抱かなかった。
「お前も来ていたのか」
「えぇ、せっかくのお祭りなので。ところでシグナム様、お一人でどうしたのですか?」
「別に……、バトゥとはぐれただけだ」
「でしたら、私と一緒に回りませんか?」
ブリュンヒルドの提案に、シグナムは目を見張った。
とんでもない、そんな事は死んでも嫌だ。頭の中でそういう言葉がぐるぐると回った。
「悪いが、バトゥを捜さなければならないのだ」
と、シグナムは体のいい言い訳を告げて、その場から立ち去ろうとした。
しかし、ブリュンヒルドに腕を掴まれ、
「バトゥもいい年をした大人なのですから、それほど心配する必要などありませんよ。
仮に捜すにしても、この何十万という群衆の中から見付けるなど不可能です。
それよりも、せっかくこうして会えたのですから、私と一緒に会場を回りましょう」
と、言われた。シグナムは歯噛みしたくなった。
こう言われると、断り様がない。シグナムは無言で首を縦に振った。
「それでは、行きましょう」
ブリュンヒルドが嬉しそうな声を上げて、シグナムの腕に抱き着いた。
腕がブリュンヒルドの谷間に埋まり、その張りのある胸に圧迫された。
それだというのに、シグナムの表情は暗いままだった。


98:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:43:58 DPPMAttU
先ほどまでの興奮が、嘘の様に鎮まった。
耳に入る統一感のない音楽は、シグナムの神経を逆撫で、
鼻腔を刺激した無数の食べ物の匂いは、煩わしいものとしか感じられなくなった。
これほどまでシグナムの余裕がなくなったのは、全てブリュンヒルドのせいである。
当の本人は、シグナムの鬱屈など関係なしに、嬉しそうな表情で、ずんずんと前へ進んでいく。
シグナムは心底帰りたくなった。
「あっ、シグナム様、射的がありますよ。やってみましょうよ」
ブリュンヒルドが声を上げ、シグナムを引っ張って行った。
射的は鏃のない弓矢で、遠くに置いてある人形を打ち落とすというものだ。
しかし、弓はどう見ても子供が遊ぶ様な玩具であり、距離もかなりあるので、
人形に当てるのはかなり難しいと思われた。
ブリュンヒルドは玩具の弓に矢をつがえ、きりきりと弦を張り、刹那、放った。
矢は誤たず、標的である人形の頭を射抜き落した。
「あぁ、いつもの癖で頭を狙っちゃいました」
と、言ったブリュンヒルドは、続けざまに矢を放ち、
その全てを(人間であれば)急所に当てて、射抜き落した。
宛がわれた矢は、全て人形に変わった。
「大量ですね」
両手いっぱいに、どこかしら穴の開いた人形を抱えたブリュンヒルドは微笑んでみせた。
シグナムは笑えなかった。玩具をも凶器に変えるその技量に恐怖を感じただけだった。
その後も、シグナムはブリュンヒルドに引っ張られ、様々な屋台を巡った。
シグナムは、回った屋台も、なにを食べたのかも、全く記憶に残らなかった。
そうこうしている内に気付いてみると、
シグナムは祭りの喧騒から離れた所に連れて来られていた。
周りに人影は見当たらず、人を殺すには格好の場所だった。
「こんな所に連れて来て、……いったい……、なんのつもりだ」
シグナムの声は震えていた。
以前、ニプルヘイムでブリュンヒルドに毒を盛られそうになった事をシグナムは忘れてはいない。
遂に来たか、とシグナムは身構えた。しかし、飛んできたのは凶刃ではなく言葉だった。
「シグナム様は、好きな人はいますか?」
「……はぁ……?」
シグナムにとって、それはまさに不意打ちだった。呆気に取られているシグナムを他所に、
「私にはですね、……いますよ。強く、気高く、美しくて、皆を導いてくれるんですけど、
いつも無茶ばかりして、心配もさせてくれないんです。それを見てると、守ってあげたくなる。
愛おしくて、抱き締めてあげたくなる。私があなたの居場所になりますって言ってあげたくなる。
そういう人がいるんです」
と、言ったブリュンヒルドは、じっとこちらの方を見つめた。
シグナムは呆れた。呆れた後に、これ以上もないほどの殺意をブリュンヒルドに抱いた。
なぜいきなりその様な事を告げたのか、シグナムには理解できない。
というか、そもそも理解したくもなかった。するだけ無駄であると思ったからである。
この狡猾な殺人兵器に人間の感情などあるはずがない。
人間らしさがあるとすれば、殺した敵の首を数えて喜ぶぐらいしかないであろう。
この様な戯言に付き合うのも阿呆らしかった。
「その人の名前は……」
「私は」
まだなにか言おうとしていたブリュンヒルドをシグナムは遮り、
「誰かと付き合うとか、結婚するとかいう気は一切ない。これからも、一生な」
と、その場の雰囲気をぶち壊す様な事を言った。刹那、二人の間に冷たい風が通り抜けた。
それはまるで、夏の終わりを告げるだけでなく、二人の決裂を表している様でもあった。
シグナムはブリュンヒルドの表情の変化を確認する事なく、足早にその場から立ち去った。
祭囃子は嘘の様に静まり返っていた。


99:ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:44:56 DPPMAttU
夏祭りが終わってから、シグナムは五日間も執務室に篭り、朝廷にも出仕しなくなった。
その間シグナムは、王に提出する書類の作成に心血を注いでいた。
それは今後のオゴタイ王国が行なうべき政策を記した、言わば計画書であり、
シグナムはそれが書き終わり次第、この西方大陸を出て行くつもりである。
このままこの大陸の宰相に収まってもいいのだが、シグナムには、まだやる事があった。
時折やって来るブリュンヒルドを無視し、
遂に書き終えた書類を王に献上し、シグナムは暇乞いを願い出た。
王の顔から血の気が引いた。唇をわなわなと震わせ、目には涙が溜まりだした。
「なっ……なにを言い出すのだ!私は汝を疎ましいと思った事は一度もないぞ。
それに、宰相殿がいたからこそ、私はこの椅子に座る事が出来たのだ。
その恩をまだ返せてもいないというのに、宰相殿は致仕するというのか!」
「いえ、王が知っての通り、私は他国者にございます。
その様な者がいつまでも宰相の席を汚す訳にはいきません。
後継者は、その書類に記されております。ご安心してください」
「この国が復興できたのも、全ては宰相殿のお陰だ!
他国者だからという理由で、汝を執政の席から降ろす訳にはいかぬだろう!」
ここまで王に信頼され、愛されていると分かったシグナムは、嬉しさのあまり泣きそうになった。
しかし、それでも王の言葉を受け入れる訳にはいかなかった。
「私の様な愚か者をそこまで信頼していただき、実にありがとうございます。
ですが、これが常道なのです。常道に逆らえば、天譴を受けます」
シグナムはそう言うと、恭しく傾首し、退廷した。
シグナムが致仕したという話は、すぐさま都中に広まった。
それからすぐに、シグナムの許にはバトゥ達がやって来た。
目的は王の時と同様に、シグナムの致仕の再考を願うものだった。
その事を予期していたシグナムは、三人にそれぞれ紙を渡した。
紙には今までの事を感謝する言葉と、自分の不徳を詫びる言葉で埋め尽くされていた。
そして最後には、バトゥを軍務大臣、トゥルイを宰相、フレグを副宰相にする、と書かれていた。
所謂除官であった。これを見た三人は、シグナムを説得する事を諦めた。
皆、目に涙を溜め、部屋から出て行った。執務室は静寂に包まれた。
夕方になると、シグナムは明日出発できる様に荷造りを始めた。
背後には、ブリュンヒルドが悲痛な面持ちでシグナムを見つめている。
「ブリュンヒルド、お前はここに残ってもいいんだぞ」
と、シグナムは振り向く事なく、ブリュンヒルドにそう声を掛けた。ブリュンヒルドは声を荒げ、
「シグナム様は私の主です。従が主の許を離れる訳にはいきません!」
と、言った。荷造りの手を休めないシグナムは、苦いものでも食べた様に気分が悪くなった。
なにが主だ、とシグナムは吐き捨てたかった。この女が人に頭を下げるはずがない。
それが例え、王太子であろうと、その考えは変わらないだろう。
ブリュンヒルドの顔を見るのも嫌になったシグナムは、
「ブリュンヒルド、お前は明日朝一番の船に乗り、ファーヴニルに向かえ。
私は東方大陸に向かう」
と唐突に命令した。ブリュンヒルドは驚いた様に、
「シグナム様、私と一緒に旅をするのではなかったのですか!?」
と、言った。シグナムは相変らず振り返らない。
「東方大陸は国内で内戦が続いている。宗主国として、私にはその戦いを鎮める義務がある。
お前はそれを王室に伝えてくるのだ。分かったな」
それだけ言うと、シグナムはそれ以降しゃべらなくなった。


100: ◆AW8HpW0FVA
10/10/31 20:46:53 DPPMAttU
投稿終了です。西方篇はこれで終了です。
次からはあまり、投稿日を予告しない方がいいと感じました。
申し訳ありません。

101:名無しさん@ピンキー
10/10/31 21:20:17 xShsVOq3
gjです。
いつも楽しみにしてます。
がんばってください

102:名無しさん@ピンキー
10/10/31 21:49:51 kRehpXqS
gj!
最初の方はブリュン死ね!とか思ってたけど回を重ねるごとに可愛く思えてきた件

103:兎里 ◆j1vYueMMw6
10/10/31 23:56:48 aQ7IdvET
俺はどちらかというと、触雷!よりTomorrow Never Comesの方が好みだな。
何と言ってもストーリーに厚みがあるし、キャラ個々の魅力が格段に違うよ。
触雷!って地の文が説明臭い上に、主人公の愚痴ばっかりで面白くないだろ。
兎里氏は台詞回しも上手くてプロレベルだよ。マジで商業誌でもいけるんじゃないか。
むしろ紙媒体で読んでみたい。つかアニメ化希望だな。

104:名無しさん@ピンキー
10/10/31 23:59:15 aQ7IdvET
な~んて誰か褒めてくれないかな。
誰も褒めてくれないから自分で言ってみましたw
実力が違いすぎるから無理そうだけどww

105:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:01:39 thLZfm+Z
あきらめんなよ……あきらめんなお前! どうしてそこでやめるんだそこで!

106:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:04:32 0kzgKzWM
自分の作品は自分でしか書けません
他の人の作品は他の人にしか書けません

つまりはそういうことです

107:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:12:21 ycbM/wSE
トリの消し忘れかw
やっちまったな

108:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:31:32 vJAdEP03
日頃の自演癖が出ちまったようだ
上手くリカバリーしたつもりのようだけど

109:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:39:12 NE84nYwA
そもそも誰だよ

110:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:55:10 G5vb823/
自虐ネタなら他作品貶す必要ないよね。
寝る前にいい笑いをありがとう

111:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:56:57 Mh3gdPYx
>>109
思ったわ

誰だよ

112:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:00:46 MkN2jHe7
かわいいな

113:ヤンデレの娘さん 脅迫の巻  ◆DSlAqf.vqc
10/11/01 01:04:20 wJ+H+9ca
 こんばんは、ヤンデレの娘さんのモノです。
 今回はちょっと短め。ちょっとヤンデレ成分少なめかもです。
 っていうか、今回コイツらいちゃついてるだけです。(いつもか?)

114:ヤンデレの娘さん 脅迫の巻  ◆DSlAqf.vqc
10/11/01 01:04:52 wJ+H+9ca
 「…千里くんの弱みって何ですか?」
 ある日の下校中、俺こと御神千里(ミカミセンリ)は恋人であるところの緋月三日(ヒヅキミカ)に脈絡無くそんなことを聞かれた。
 「や、割と弱みというか欠点は多いほうだと思うけど、何でいきなりンなことを?」
 「…例えばですよ、ある日、まかり間違って千里くんがどこかの女狐に誘惑されて篭絡されるかもしれないじゃないですか」
 「いきなりヘヴィな例え話だね」
 「…それで、私に向かって『別れよう』とか言い出すかもしれないですよね?」
 「……それで?」
 「…だけどそれはある種の気の迷いで間違いで正さなきゃいけないことなんですよ!」
 くわ、と身を乗り出して三日は言った。
 「それと俺の弱みがどうつながるん?」
 「弱みを握っていれば別れられないじゃないですか!」
 「ってソレ脅迫じゃないの!?」
 断言する三日に反射的にツッコミを入れる。
 つーか、たとえ話の中の俺が最低すぎる。
 浮気男かよ、誠死ね状態だよ。
 そーゆーことしたら最後、「女の子に似合わないカオ作ってんじゃねぇ!」と親にブン殴られる。
 見た目女なのにパンチ力がハンパ無いからな、あの人。
 「…それで、今までの観察記録(せいかつ)から千里くんの弱みを洗い出そうとしているんですけど、中々うまくいかなくて…」
 「それで直接本人に聞いたと」
 俺の言葉にこくん、と頷く三日。
 ……正直なのは良いことである。
 「とりあえず三日。さしあたり、俺に浮気と別れる予定は無いよ?」
 「…昔の人は言いました、予定は未定と」
 あれ、もしかして俺、恋人からの信頼度とてつもなく低い?
 「…それに、男の人が別れたい理由なんてたくさんあります。『君にはもっと魅力的な相手がいる』とか『占いで相性が悪かったし』とか『実は巨乳(貧乳)フェチなんだ』とか『ぶっちゃけ愛が重い』とか」
 「無駄に具体的だね…」
 「…実体験です。というか全部月日(ツキヒ)お父さんが零日(レイカ)お母さんや二日(ニカ)お姉様に言った言葉です」
 「娘の前で何別れ話切り出してんのおとーさん!?」
 まだ知らぬ三日の家族の名前が明かされたと思ったら、その上ヘヴィな話を明かされた。
 ……つーか、『お姉様に』って何さ。
 まさかとは思うけど、実の娘さんが美人過ぎるからって手ぇ出したんじゃあるまいか…。
 一日(カズヒ)おにーさんといいこの月日さんといい、どうにも緋月家の男共は油断ならんというか何というか。
 「三日、もし親父さんからいやらしいことをされたら相談してくれ。絶対力になるから」
 「…ありがとうございます、千里くん。でも、お母さんやお姉様がいますから、お父さんもこれ以上泥沼にしようとは思わない……と思います」
 ああ、泥沼なのがデフォなのね。
 もしかして、緋月家の家庭環境って割と殺伐としてんじゃなかろうか?
 「…あ、我が家は割と仲良いですよ?日曜朝に子供向けヒーロー番組を家族4人そろって観る位には」
 俺の心配を見て取ったのか、三日が言った。

115:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:06:41 XyRvJ41q
ここの書き手なんか大なり小なり似たようなもんだろ
自演GJは日常茶飯事だ

116:ヤンデレの娘さん 脅迫の巻  ◆DSlAqf.vqc
10/11/01 01:06:56 wJ+H+9ca
 「ああ、それなら…」
 「…観ながら、お母さんとお姉様が正々堂々真正面からお父さんを奪い合うくらいには」
 「随分オープンな三角関係なんだな…」
 「…この前なんて、テレビのヒーローが必殺技を放つのと同じタイミングでお母さんがお姉様を吹き飛ばしました」
 「随分バイオレンスな三角関係なんだな!?」
 「…お兄ちゃんが家を出ているので、最近は飛んでくるお姉様を避けるのが大変です」
 「三日その内殺されるんでない?凶器は二日さん、犯人は零日さんで」
 「…それで、千里くんの弱みって何ですか?」
 「どうしてそこで話をそらすかな!?って言うか戻るかな!?」
 「…ウチの家族は何だかんだで幸せみたいですから」
 幸せらしい。
 当事者がそう言うからにはそうなんだろう。
 将来的には、色々な意味で三日を引き離したくなる家庭ではあるが。
 「…次は、私たちの幸せを考えましょう」
 「俺の弱みが俺らの幸せに関係するとも思えないけどなー」
 そうは言いながらも、自分の弱みとやらちょっと考えてみる。
 が、いきなり聞かれても分からん。
 弱みってぇとアレだろ?
 世間に暴露されたらピンチになるような情報のことだろ?
 一介の高校生がそういくつも持っているモンでも無いような気がしてきた。
 「自分の欠点なら数え切れないほど思いつくんだけどなー」
 「…え、御神くんに欠点なんて無いじゃないですか?」
 俺の言葉に、まるで当然のように言う三日。
 「参考までに聞くけど、三日的に俺ってどんななん?」
 「…御神千里。二年四組出席番号十九番、窓側の列の前から四番目、血液型はA型、身長195cm、体重59kg。
 所属クラブは無し、ただし料理部助っ人、夜照学園生徒会助っ人、他多数助っ人。得意科目は国語、苦手科目は数学。
 趣味は私と料理と昼寝と読書、好きな物は私と料理、本(漫画含む)、特撮番組、特技は私と家事全般、住所は都内夜照市病天零4丁目13-13。
 得意料理は和食。特に肉じゃがは絶品。ただし朝のホットケーキも捨てがたい。
 家族構成はメイクアップアーティストのお義父様、御神万里(ミカミバンリ)さん。お母様の御神千幸(ミカミチサチ)さんは故人。
 性格は温厚。意識して他人に気を配れて、頼まれると嫌とは言わないタイプ。
 けれど、できないことはできないと言うし、なおかつ頼まれたことは一通り達成する、達成できるミスター・パーフェクト。
 1日のスケジュールは…」
 「オーケー、分かった。それくらいでいい。あと、明日の弁当は肉じゃがにしよう」
 際限なく話そうとする三日を、俺は押しとどめた。
 このままでは何時間でも俺の話をしてそうだ。
 そうか、三日は肉じゃが好きなのか。
 じゃ無くて。
 「さすがに、ミスター・パーフェクトはほめすぎっしょ。俺はそんな大層な人間じゃ無いよ」
 「…そうですか?」
 お前は何を言ってるんだという顔で首をかしげる三日。
 「…千里くんは腹立たしいまでに優しい人じゃないですか。優しさで世界を狙える人じゃないですか。むしろ神」
 「何の世界を狙うのさ…」
 「…それに、私のことも助けてくれましたし」
 つぶやく様に付け加える三日。
 彼女が1年の時、1人迷って途方にくれていた所を、俺が助けたことが俺らの関係の発端である。
 いやまぁ、俺も最近忘れかけてた設定だけど。
 「でも、言っちゃあれだがよくある話だろ?たまたま、俺がそのとき声かけただけで」
 「…そこです」
 ググ、と手を握り、三日は語りだす
 「…当時、お兄ちゃんもいなくなり、人見知りで校内の知り合いも碌にいなかった私にとって、御神くんの存在がどれほど救いになったか…」
 舞台役者もかくや、という大げさな身振りで語る三日。
 「三日、みんな見てるみんな見てる」
 「…良いじゃないですか、千里くんが完璧なのは事実なんですから」
 陶酔さえ感じさせる様子で語る三日。
 うわぁ、目がマジだ。
 1人の人間に対してよくもまぁここまでカッとんだことを言えるもんである。

117:ヤンデレの娘さん 脅迫の巻  ◆DSlAqf.vqc
10/11/01 01:07:31 wJ+H+9ca
 「なんつーか…、三日がその内近いうちに悪い男に引っかかって、ボロボロにされてポイされそうで怖くなってくるわ…」
 「…え、そんな日は来ないですよ?」
 俺の言葉にキョトンとした目をする三日。
 いや、そういうところが怖いんだけど。
 「…千里くんは私をアクセサリのように扱ったうえ、好きなだけエッチした上に都合が悪くなったら捨てて高跳びしたりしないでしょう?」
 「だからなんで無駄に具体的かな!?」
 「…大丈夫ですよ、そんな日は来ませんから。……千里くんが私の隣にいる限り」
 「確かにそうなんだけれども!」
 うわぁ、愛が重い。
 多分、本来の意味でなく愛が重い!
 愛が負担という意味でなく、妙な責任感が生まれる重さだ!
 いや、これは愛が重いというか、むしろ…
 「あ、分かった」
 妙に納得して、俺は言う。
 まじまじと三日の顔を見つめながら。
 「…そ、そんなに見ないで下さい。…濡れます」
 「そこは大人しく照れときなよ」
 そういうキャラでもなかろうに。
 「そうじゃなくて、俺が思いつく限り最大の弱みがあったのに気が付いてね」
 「おお!」
 期待に満ち溢れた目でこちらを見る三日。
 「…やっぱり、出生の秘密!?失われた記憶!?それとも世界が滅びるような極秘情報とかですか!」
 「いや、どこのライトノベルの主人公だよ。それにこの弱み、できたの割と最近だし」
 「…最近の弱み?もしかして、私も知っていることですか?」
 「そう」
 不思議そうな顔をする三日を指差し、俺は言った。
 俺の唯一最大の弱みを、その原因に向かって。
 「惚れた弱み」
 その言葉を聞いた三日が顔をトマトのように赤くして……それを見た俺も自分の言ったことの恥ずかしさに悶絶したのはまた別の話。















118:ヤンデレの娘さん 脅迫の巻  ◆DSlAqf.vqc
10/11/01 01:08:11 wJ+H+9ca
 おまけ
 とある過去の一幕
 「好きな人に見つめられたら…濡れます」
 今から数年前、ある日の緋月家の居間で緋月二日が堂々とそんなことを言った。
 「…濡れる、ですか?」
 「ええ、そうですよ…。主に下半身が…」
 きょとんとした顔の、髪を童女のようにおかっぱに切りそろえた妹の三日に対して、二日がまるで当然のことのように語る。
 「いや、それは貴様だけだからな、無知蒙昧にして愚かなる上の妹よ」
 読んでいた本から顔を上げ、まるで舞台役者のような口調で突っ込みを入れるのは、彼女らの兄である緋月一日。
 一挙一動が独特というか非日常的というかナルシストっぽいというかはっきり言って胡散臭い。
 妹たちが和服姿なのに対して、一日は1人だけ洋服なので更に無駄に浮いていた。
 「…え、濡れないのですか、お兄ちゃん?」
 「そこは心がときめくところだ、下の妹よ」
 妹に対して、詩集を片手にやれやれ、と大仰な動作で言う一日。
 舞台の上なら息をのむ動作であったが、生憎ここは一般家庭のリビングである。
 「そんな台詞がでるのは、貴方がまだ恋をしたことが無いからでしょう…?不感性の愚兄さん…?」
 「…貴様にさん付けで呼ばれると、下半身でなく頭に血が昇るのは何でだろうな…?」
 二日の言葉に、形の良い眉をひくつかせる一日。
 一触即発の空気にオロオロとする三日。
 「ああ、大丈夫だ、かわいい下の妹。これは単なる日常会話。僕がこんな愚物相手に本気で怒るはず無いだろう?」
 「ええ、大丈夫ですよ三日…。これは単なる日常会話…。私がこの愚兄に対して刀を抜く筈も無いでしょう…?」
 ほぼ同時に言う一日と二日。
 仲が良いのか悪いのか。
 「とにかく…、意中の殿方に見つめられると濡れる…。これは、大宇宙の真理なのです…」
 「真理とは大きく出たな、この変態が」
 「黙りなさい、この汚物…」
 茶々を入れる一日に対して、射殺さんばかりの勢いで睨みつける二日。
 「とにかく…」
 と、改めて三日のほうに目を向けて二日は言う。
 「三日も、恋をすれば分かることでしょう…。というか分かりなさい…」
 「…わ、分かりましたです、お姉様」
 無表情にも関わらず威圧的な視線を向けられた三日が敬礼とともに答える。
 「…こうして、日々洗脳が行われていくわけだね…」
 「何か言いましたか、愚兄…?」
 「Nothing,my Lord(何も?)」
 二日に目を向けることなく、一日はすっとぼけるのであった。
 これが、緋月家の日常会話。
 その頃の緋月家の姿。

119:ヤンデレの娘さん 脅迫の巻  ◆DSlAqf.vqc
10/11/01 01:12:12 wJ+H+9ca
 以上になります。
 二日さんを書くのが無駄に楽しかったり。
 今回のおまけは、物理的にこの三人がまた集まるのはいつになるかわかんねえなぁと思いつつ書いてみたり。(ボンクラ兄貴が働き?に出ているので)
 それでは、また彼女達の物語でお会いできれば…。

120:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:13:22 1vqiaM9v
>>104
無理だね、面白くないもん


説明だらけで読みづらいしキャラ全然濃くない

なによりも書き方が自分に酔いしれてて面白くない自作漫画を友達に見せびらかしてる厨房みたいで痛い

121:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:19:46 66BmT/lS
URLリンク(www42.atwiki.jp)
Tomorrow Never Comes

保管庫で見つけたわ
こいつだろ

122:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:27:56 G/85GOzk
俺はとねかむ面白いよ

くるみ可愛いよくるみ

123:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:36:49 1vqiaM9v
>>122
自演にしか見えんwW

124:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:41:08 0kzgKzWM
作品の好みは人それぞれ
自分の意見を押し付けるのは良くない

125:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:43:03 aPzq19ko
なんだか訳の分からない展開になっているな

126:名無しさん@ピンキー
10/11/01 01:45:04 0kzgKzWM
いつものことです

127:名無しさん@ピンキー
10/11/01 02:19:02 3ZoMAI+g
>>104
完走したら褒めてやるからさっさと続き書けよ

128:名無しさん@ピンキー
10/11/01 02:26:40 K2MdbDRw
ドラファジーって最初はスライム倒したりしてたよな?
何時の間にか軍記みたいになっててワロ

129:名無しさん@ピンキー
10/11/01 02:50:32 2rT/OAT3
103 名前:兎里 ◆j1vYueMMw6 [sage] :2010/10/31(日) 23:56:48 ID:aQ7IdvET
俺はどちらかというと、触雷!よりTomorrow Never Comesの方が好みだな。
何と言ってもストーリーに厚みがあるし、キャラ個々の魅力が格段に違うよ。
触雷!って地の文が説明臭い上に、主人公の愚痴ばっかりで面白くないだろ。
兎里氏は台詞回しも上手くてプロレベルだよ。マジで商業誌でもいけるんじゃないか。
むしろ紙媒体で読んでみたい。つかアニメ化希望だな。



マジもんの作者の自演かよ
こいつ最悪だな

>兎里氏は台詞回しも上手くてプロレベルだよ。マジで商業誌でもいけるんじゃないか。
>むしろ紙媒体で読んでみたい。つかアニメ化希望だな。

こことか自意識過剰過ぎて気持ち悪過ぎ

130:名無しさん@ピンキー
10/11/01 03:19:11 s4VTa5mC
>>103
作品の続きまってるよ!!

>>119
GJ!!
しかし195cm59kgはいくらなんでも痩せすぎじゃないかなぁ?
設定にケチつけるのは邪道だけど流石に気になった
あ、月日さんの苦難っぷりは楽しいのでもっとやれ

131:名無しさん@ピンキー
10/11/01 03:22:33 U5mgEAW2
誰も言わんから言うけどヤンデレ娘gj
たまにはヤンデレ分多目な展開が読んでみたかったり
だがほのぼのは嫌いじゃないぜ

132:名無しさん@ピンキー
10/11/01 03:38:44 rrKibkiJ
みんなGJだ!
退屈な毎日にヤンデレSSは癒しなんだ
だからみんな細かいこと気にせずどんどん投稿してくれよな
してくださいお願い…お願いします

133:名無しさん@ピンキー
10/11/01 05:27:45 M+VxaEoO
別に自演くらいはいいけど他人の作品を貶めたりした時点で引いた
謝罪すらないし。終わったな

134:名無しさん@ピンキー
10/11/01 07:33:39 1XWtz2Lz
これは細かいこととか言うレベルじゃないだろ
何言っても再開したい作者が自演弁護やってるとしか見えんな

完走したら褒めてやるから書けとか、センスなしで最悪だけど

135:名無しさん@ピンキー
10/11/01 07:41:33 5q73lEFg
前スレ埋まらんな

136:名無しさん@ピンキー
10/11/01 08:58:54 5sk78JKy
どう見ても釣り
兎里っつーやつ
酉割れしてんじゃね
こないだ潰すわとか豪語してた奴が顔真っ赤にして自演してんだろ
ないわ~外人のスカトロAV並みにないわ

137:名無しさん@ピンキー
10/11/01 09:38:12 5sk78JKy
すぐ自演に入れるように0時付近に書き込んだのは良いが
俺のようにVIPで長年クソコテやってた人間には分かるんだぜ
tomorrownevercomeだっけ
巨乳娘いるから全力で擁護しちゃうもんね
俺も酉つけようかしら

138:名無しさん@ピンキー
10/11/01 09:41:13 1XWtz2Lz
どうしても自作を続けたいわけなw

おおかた、書き込み前に確認画面からいったんこの画面に戻したんだろう
そうしたら消した名前欄が自動的に復活することを知らなかったのかな

なんにせよお前が今やるべきことは一つだろ
自演の弁護や小賢しい誤魔化しを図ることじゃないよ

139:名無しさん@ピンキー
10/11/01 09:52:50 5sk78JKy
お前は本当に馬鹿なのな
酉割れだって前例有るわけだしあのタイミングであの長ったらしい文落とすのはうさんくせぇっつってんのに
そこを指摘したら
「自演を続けたいようだな」キリッ
案外お粗末だな
4点、失笑レベル

140:名無しさん@ピンキー
10/11/01 09:54:11 4SXod084
>>137
わざとタイトル名を間違えたりするあたり、わりと芸が細かいな
VIPとかの経験を自慢するとか、常識じゃ考えられないし
そんな切羽詰まってるのなら、さっさと触雷に謝れ
つまらないことやってても傷口がどんどん広がっていくだけだぞ

141:名無しさん@ピンキー
10/11/01 09:57:40 5sk78JKy
タイトルなんて伝わりゃ良いのさ
俺基本もしもしだからとぅもろーてやるとtomorrowってなんのよw
ハイ他に何か突っ込むとこある?
顔真っ赤にして探してみれば?(わらっ

142:名無しさん@ピンキー
10/11/01 10:00:57 JT5qXelv
「とねかむ」なんて恥ずかしい略称初めて聞いたわ
もう打ち切り、保管庫削除でいいんじゃね?

143:名無しさん@ピンキー
10/11/01 10:06:46 4SXod084
>>141
単語間のスペースを無視したり、Comesのsを抜いたのはわざとなんだろ?
書いてる作者本人ならタイトル間違えっこないという心理を逆手に取った高等戦術なんだよなw
さすがVIPあがりは凡人とは違う
見え透いたことするな

144: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 10:06:55 5sk78JKy
てすとー

145: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 10:09:39 5sk78JKy
>>143|( ̄3 ̄)|ブブー
かむってうつとcomeだけどカムズって入れるとでない
ふしぎ!

146:名無しさん@ピンキー
10/11/01 10:11:28 4SXod084
もういいって
痛々しくて見てられないから

147: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 10:16:02 5sk78JKy
うはだせぇwww
もうお終いですか
大したこと無いですね(*^o^*)

148:名無しさん@ピンキー
10/11/01 10:19:31 JT5qXelv
まったく反省してないようだし
追放決定のようだな

149:名無しさん@ピンキー
10/11/01 10:26:00 0NAlsHWt
とねかむ(w)なんて元から読んでないから無問題
つか、そんなのあったことすら知らんかった

150: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 10:28:07 5sk78JKy
痴呆のじーさんと話した方がまだマシだな(`ε´)
俺は只巨乳が出てくるSS読めりゃ良いのよ (^_^)v

151:名無しさん@ピンキー
10/11/01 10:47:37 M+VxaEoO
酉バレしてるってんなら、酉を晒してくれよ。わかりやすい酉ならまぁ考えられなくもない
ただな…だとすれば下のレスで冗談でーす、って言う意味はないわけで…まぁ99%本人だろ
可哀想にな。これからどんなSS書いても文体で悟られてしまうという…
悪いことは言わない、早く謝っとけ

152: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 11:03:20 5sk78JKy
>>151だから荒らしの自演だっつうに
酉無くても作者乙な文書いた後あらかじめ用意していたかのように取り繕う
後はほっておくだけで自然とスレが荒れますよ(^o^)/
ここを猿でも分かる様に説明してんのに潜伏している荒らしが話題を逸らすわけだ

153:名無しさん@ピンキー
10/11/01 11:12:57 MkN2jHe7
続きを読みたい俺としては追放になんかなって欲しくない



154: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 11:21:56 5sk78JKy
>>153安心しろ
追放なんて誰が決める物でもない
誰かの許可が無いと投下できねーのか?
違うだろう
普通に考えれば何かおかしいと気づく物だが荒らしの攪乱工作のせいで気づかなくなってるだけ

155:名無しさん@ピンキー
10/11/01 11:24:02 M+VxaEoO
>>152
だから酉を晒せば、そのめちゃくちゃ低い可能性も5%に上がると思うぞ
さすがに自分で言ってて説得力ないってのは気づいてるんだろ?

156: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 11:40:56 5sk78JKy
酉ばかりは俺には分からん
だがあからさまに怪しい餌にホイホイ食いつくんじゃねー
理屈抜きでコレはおかしいだろ

157:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/11/01 12:04:44 Lxx+Itu9
みんな、下らない事で争ってはダメだ!
なんて独りよがりな正義を振りかざすクソ野郎でごめんなさい。
とにかくこれ以上荒れてほしくないので、名前通りの駄文ながら、日常に潜む闇 第5話投下します。


158:日常に潜む闇 第5話 ◆4wrA6Z9mx6
10/11/01 12:05:56 Lxx+Itu9
~?????~
「…………」
 誠二は眩しさを感じて、ゆっくりと目を開けた。
 視線の先には白いまっ平らな板と蛍光灯。
 白い天井だとそこでようやく理解する。
 首だけを左右に動かせば、自分がベッドに寝ていることが分かる。そして両隣りはカーテンで仕切られている。
 身体を起こそうとしたが、腕や腹部、脚に鈍痛が走るので結局動くのをやめた。
「ああ、そうか―」
 その痛みで誠二は意識を失う前までのことを思い出した。
 不良たちに高等部の校舎裏だかどこかに連行されて、最初の攻撃を避けたのは良かったものの、結局袋叩きの目に遭ったのだ。
気を失う寸前で不良たちが大慌てで三々五々に散って、誰かが近づいてくるのが分かり、安心して意識を手放した。
「ってことはアレは夢だったのか」
 屋上で紬原友里とともに死ぬ―物凄く現実味を帯びていた夢だと誠二は思った。
「まあ、生きていれば問題ないか」
「そうだ。生きていさえいればなんとかなる」
 誠二の呟きに、何やら聞き覚えのある声が返って来た。
「ええ、と……」
 始業式の日、そして生徒会室までの強制連行。
 それらで会った先輩だ。
「天城美佐枝(あまぎ・みさえ)だ。まだ名乗っていなかったかな」
「あー、はい。それで天城先輩。もしかして保健室まで運んでくれたのって天城先輩ですか?」
「ああ」
 天城は首肯すると、誠二が横になっているベッドの脇まで歩み寄って来た。
「ついでに言えば、通報して、現場から君をここまで運んだのも私だ」
 耳打ちされた内容に、誠二は顔色を変える。
 目撃されていたのだ。そしてここまで運んでくれたのだ。
 これを驚かずにはいられようか。
「……そうだったんですか。ありがとうございます」
「ふふっ。感謝の言葉はいい。礼をするなら、もっと別の物……そうだな、態度や行動で示してもらいたいものだな」
 クスリとほほ笑む天城はどこか妖艶さを醸し出している。
 恐らく、至近距離でこんなことをしているからだろう。
 変に意識しないよう、誠二は痛みで悲鳴を上げる身体を鞭打って無理矢理起きる。
「おい、まだ無理はするな。これから念のために検査を―」
 天城の無理をするなという注意喚起は強制的に止めさせられる。
 誠二が床に足をついて立ち上がろうとして、それまで圧迫されていた血流が一気に流れたために眩暈を起こしたのだ。
 よろめいて、天城のほうへ寄りかかり、彼女をベッドに押し倒してしまった。
「う……す、すみません。今、どきます……」
 完全に回復していない状態のためか、誠二の口調は途切れがちだ。
 そんな彼に、天城はうっすらとほほ笑んだ。
「なかなかに殊勝な心がけだな。ここまで積極的になれるとは、どうやら私の予想通りだったということか」
 ふふっ。ますます良いぞ。
 そんなことを呟きながら、天城は誠二の後頭部へ両手を伸ばした。が、先に誠二の状態が回復してしまったために、未遂に終わる。
「助けていただいたのに、恩をあだで返すようなことをしてしまって本当にすみません」
「久坂誠二のためなら私はなんだってできるとも。気にする必要はない。むしろ君も私のために何でもしてくれると嬉しいね」
 深々と頭を下げる誠二に対し、天城も立ち上がり、制服の乱れを整えつつ、そんなことを言ってのける。
 しかし誠二は苦笑を浮かべるばかりだ。
「今の僕には、天城先輩にしてあげれることなんてないですよ」
 直後、天城の表情が無表情の一色に急変した。
「それは本気で言っているのか?」
「え? ええ、さすがに冗談で自嘲できるほど変態ではありませんから」
「ならば、少し分からせてやろう」


159:日常に潜む闇 第5話 ◆4wrA6Z9mx6
10/11/01 12:06:43 Lxx+Itu9

 一体なにを―という誠二の言葉は言葉にならなかった。
 視界いっぱいに映る天城美佐枝。そして後頭部と唇に感じる感触。
 紬原友里と同じことをされていることに、誠二は気づく。
 隙を突いて天城が舌を挿し込んでくる。しかし友里の時のような嫌悪感はない。
 いくら歯を、歯茎を、舌を絡め取るように舐められても、唾液を送りこまれても、むしろ誠二が同じことを仕掛けてしまうくらい気持ち良かった。
「んふう……」
「はあ……」
 二人の唇が離れ、間にはお互いの唾液が混ざりあった透明とも銀色とも見える橋が垂れ掛かっていた。
「ふふっ。これでも君はまだ無力だと言えるかい?」
「……いえ…………ですが、自信が持てません」
「何、気にするな。私はお前が欲しいんだ。これから、私に尽くしてくれるか?」
 思わず「はい」と言いそうになり、誠二は理性を最大限に活発化させなんとか踏みとどまる。
 果たしてここで頷いていいのだろうか。
「先輩、僕は……」
「結論はまだ出さなくても構わないさ。ただ、私が君を好いていること。これだけは忘れないでもらいたい」
 迷う誠二に天城はそう言うと、再びキスを交わす。
 今度は軽く唇同士が触れ合う、挨拶のようなものだった。
 何とはなしに一抹の寂しさを覚えるが、誠二はそれを顔に出すことはしない。
 天城は「また会おう」と言って保健室から出て行ってしまった。
 残された誠二は鞄を手に取り帰ろうとする。するとそこへ若い女性が声をかけて来た。
「あんまり保健室でいちゃつかれちゃ困るんだけどねえ」
「ええっと、すいません」
 保健医だ。
 火の点いていない煙草を口にくわえて、苛立っているかのように教務机で頬づえを突きながらこちらをジト目で眺めていた。
 この学園では、養護教諭という概念はないと最初のオリエンテーションで言っていた。大学部付属の病院から医師免許を持った人が派遣されているらしい。
「そりゃあ思春期の男子女子からしてみれば、保健室は背徳的行為の格好の場所かもしれないけど本当はそんな雰囲気なんてクソったれよ。ヤりたきゃ自分の教室に行ってヤってきな。それだけでも十分楽しめるから」
「…………それ教職者が言うセリフですか?」
「あたしは保健医。別に教える側じゃないから構わないわよ。さっさと帰りなさい。煙草が吸えないじゃない」
 法律で公共施設は全面禁煙というのをこの人は知らないのだろうか。というよりも本来なら喫煙を止める側に居るはずの人間がなんで大っぴらに煙草を吸おうとしているのだろうか。
 しかしこれ以上突っ込みを入れれば色々と面倒なことになりそうな予感がして、誠二は「失礼しました」と言って保健室を退室した。
 廊下に出て、誠二は軽くため息をついた。
 明日からの学園生活をどうすればいいか、つまりはイジメ対策についてだ。
 右足を引きずるようにして教室に戻り、自分の学生鞄を回収する。幸い、学生鞄には何も悪戯はされていない。
「誠二」
 急に、背後から声をかけられる。
 見知った声だったから、誠二はいつものようなのんびりとした口調で応じた。
「んあ? 弘志か。どうかした?」
「いや、……大丈夫、じゃあなかったみたいだな」
 振り返ればやはり雪下弘志がいた。
 どことなく翳りがあるのは、彼が俯いているからだけではないだろう。
「とりあえずどっかで飯でも食べない?」
 提案したのは誠二。
 驚いたように弘志は顔を上げる。
「久しぶりに激しい運動したから疲れちゃってね。お腹空いてるんだ」
 苦笑浮かべる軽口をたたく誠二に、弘志はどこか救われた気がした。
「…………ああ。そんじゃ、俺が見つけた美味いイタリアンレストランにでも行くか?」
「そこでラーメンって選択肢がないのが凄いね」
「俺は漫画みたいな展開は望んでないからな」
 肩を竦めるようにして、こともなげに言う弘志に、いつの間にか誠二は笑っていた。
 少なくとも味方は一人いたらしい。
 さすがに肩に腕をまわして―なんて漫画では良くある光景とまではいかないが、この事実は明日も頑張ろうという活力源になったことは言うまでもないだろう。



160:日常に潜む闇 第5話 ◆4wrA6Z9mx6
10/11/01 12:07:05 Lxx+Itu9


~Side Yuri~
 誠二君がガラの悪そうな数人の先輩たちに連れされたのを私は屋上から目撃していた。
 嫌な予感しかしなかったけれど、非力な私にはどうすることもできない。
 案の定、誠二君はリンチされて、気を失うどころか下手をすれば死んでしまうのでは、と思うくらいに蹴られ殴られ罵詈雑言を浴びせられていた。
 しかし私以外にも誰かが目撃したのだろう。
 数人の教師が駆けつけて、不良たちを追い払った。
 そこまでは良かった。確かに私は安堵していた。これ以上誠二君が酷い目に遭っていたら、と思うだけで恐怖だったからだ。
「あれが、誠二君にまとわりつくネコさんなんだよね」
 教師たちから遅れてやって来た一人の女子生徒。遠目で分からなかったが、教師たちに何事かを告げて、自分は誠二を抱きかかえてどこかへ歩いて行った。
 大方保健室まで運ぶとでも言っていたのだろう。
 私以外の女の子が誠二君に触れるなんて考えられなかった。もはや疑いは灰色から黒に確定だ。
 誠二君が気を失っている間に何か悪戯をされないか心配になって保健室へ向かった。
 どうやら向こうが一足先に保健室に入っていたようで、私は聞き耳を立てることにした。
 中から聞こえてくる声に、手元に狂気となり得るものがあれば、そしてここが学校でなければたぶん私は、いや間違いなく乱入して雌猫さんの息の根を止めていたはずだ。
 わなわなと内側から噴き出る怒りを抑えながら『ひとしきりの行為』が終わるのを待つ。
 あまつさえあの雌猫は誠二君に私の物になれと言ってきた。
 ペットは所詮飼われる側にしかなれないという不文律を雌猫はしらないのだろうか。
 傲慢。僭越。厚顔無恥―。
 そんな数多の言葉が思考を覆い尽くすが、相手は雌猫、人間ではないのだから何を言っても理解できない。実力で示すべきだが、私にはそんな力はない。
 遠まわしに雌猫を攻撃することもできるが、今は別のほうで手いっぱいだ。
 そうこうしているうちに、あの雌猫が帰ろうとしていた。
 私は慌ててその場から離れる。
 今日はこれ以上ここに居ても無意味だろう。
 そう考えた私は、下校することにした。そして今、その帰宅の真っただ中にある。
 ―私を命懸けで助けれくれた誠二君。
 ―髪が普通とは異なるのに、それを気にせず接してくれた誠二君。
 ―朝、挨拶を返してくれた誠二君。
 ―誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君誠二君
 紬原友里の頭の中は誠二一色に染まっていた。
 それだけ彼を好いている、ということなのだろう。
 さらに、友里は誠二がイジメに必死に耐えている光景、リンチに反撃せず耐え続ける様子を思い浮かべて悦に浸っていた。
 誠二にイジメが起きているのは、当然ながら友里も知っている。
 これで彼の一面を知ることができるのだ。腹立たしい現状ではあるが、その見返りは十分すぎる。他の、発情期に入った雌猫が近づくことはないし、『何よりもお互いのことをより深く知れる』。
 あの発情した雌猫だって、どうせその内愛想を尽かすに違いない。
 しかし念には念を入れるべきだろう。
 友里の足は自然と学園都市内のスーパーマーケットに向いていた。



161:日常に潜む闇 第5話 ◆4wrA6Z9mx6
10/11/01 12:07:45 Lxx+Itu9

~Side Seiji and Hiroshi in a Italian restaurant after school~
「さて、話をしよう。あれは今から37万、いや1万4千年前だったか」
「何その前書き」
 弘志のもったいぶった口調にすかさず誠二は突っ込みを入れる。というよりもアイスピックで急所を突き刺したと言ってもいいくらいの一撃を加えた。
 久坂誠二と雪下弘志は商業区にある小さなイタリアンレストランに来ていた。
 アンティークなテーブルやイス、インテリアが醸し出すその空間は、狭いながらも小洒落たた雰囲気で、どことなく喫茶店を連想させる。本を読むにも、デートをするのにもうってつけの場所だと誠二は思った。
「話って言うのは始まりが大事なんだ。導入部分だけでも飾らせてくれよ」
「別にそれでもいいんだけど。なんか長そうな気がしたから」
「誠二……お前ってやつは……」
 なぜか同上の視線を送られた誠二は、無言で目の前のたらこパスタをフォークで器用に巻いて食べ始めた。
 それを見てようやく弘志は諦めたのか、食べながらでいいから聞いてくれと前置きして喋り始めた。
「今朝の件、あれは複数の場所からほぼ同じタイミングで流出していたらしい」
 パスタをフォークに巻きつける誠二の手が止まった。
「元栓までは特定できていないから勘違いするなよ」
 早とちりしないように釘をさす弘志。
「それとグレーゾーンを発見した。もちろん推測にすぎない。だが、今一番疑いの強い線だ」
「グレー、ゾーン……?」
 そうは聞き返してみたものの、なんとなくその言葉の意味が誠二には理解できていた。
 つまり現時点で噂の発生源としての容疑が一番濃い人物のことだろう。
「そうだ。聞いて驚くなよ。紬原友里。もしくは久坂誠一だ」
「…………」
 心臓が、一度だけ大きく鳴った。
 指から力が抜け、フォークを床に落としてしまった。
 弘志は自失している誠二が元に戻るまで沈黙を保っている。しばらくして店員が代えのフォークを持ってきて、ようやくそこで誠二は意識を取り戻す。
「弘志……冗談、だよね?」
 店員にお礼と謝罪を言ってから、弘志に確認を求める誠二。
 しかし弘志が首を縦に振ることはなかった。
「この二人が限りなくクロに近い。ただ、俺の網にかかった内容から推測しただけだから、その二人のいずれでもないということも大いにあり得る。まだ推測にすぎないってことだけはちゃんと理解してくれ」
「…………いや、でも……そんなまさか……そんなはずは…………」
 未だ誠二は信じられないと言った表情で同じ言葉を繰り返している。
 そんな友人の様子に、弘志は推測にすぎない情報を与えてしまったことに失敗を覚えた。
「安心しろ。お前の兄貴やあの紬原がそんなことするはずがないって俺も思ってる。感情論抜きで、情報だけで推測した俺の不手際だ。感情論込みで考えれば、あの二人じゃ無理なことは明らかだからな」
 咄嗟にそんなことが弘志の口から出ていた。
 言った直後に彼は後悔する。自分がそんなミスをするはずがない。人間は、例え普段は大人しくあっても、状況によっては大きく異なることがある。それは世の中の犯罪を知っていればすぐに分かる。
 こうやって嘘でしか友を慰められないことに弘志は苛立ちを感じていた。
「誠二、とりあえず飯、食おうぜ。こういう時こそ美味い飯食って気分転換しないとな」
「あ、ああ、うん。そう、だね……」
 まだショックから立ち直れていない誠二だったが、弘志からすれば最初のころに比べてだいぶ良くなっている。
 後は本人がゆっくりと自分を納得させるしかないと、自分ので切ることへの限界を感じながら大切な友人と他愛もない雑談に残り時間を割くことに決め込んだ。


162:名無しさん@ピンキー
10/11/01 12:12:17 6c3MjHff
これはさすがに無理。>>104が本人だって言ってるようなもんじゃん
荒らしが酉を使って、っていうなら>>104で酉を消す意味がない。
大体、酉割れなんてめちゃ可能性低いって知ってんの?
マジでさっさと謝ったほうがいいぞ。2chなんて暇人がうようよいるんだ。
まあまあ作品かいてるんだから文体とか解析されたら、今後ssみたいなの一切かけなくなる
まあ擁護してやりたいんだけど、他の奴の作品をどうこう言ってるの見てその気が失せたわ

つか、荒らしたくないとか言いながらID:5sk78JKyが荒らしにしか見えん

163:日常に潜む闇 第5話 ◆4wrA6Z9mx6
10/11/01 12:12:31 Lxx+Itu9
第5話投下終了です。
不眠不休の涙ぐましい後始末という名の労働により、トラブルを無事解決できました。
おかげで有給休暇で休みを満喫しつつのヤンデレSS作りを楽しんでいます。
でもまたトラブル起こりそうで怖い……
みんなもっと自分達の仕事に誇りを持ってくれと思う今日この頃である。
愚痴ってごめんなさい。
そしていつも私の作品を読んでくださる方々、wikiに載せてくれている方々、ありがとうございます。

164:名無しさん@ピンキー
10/11/01 12:12:52 6c3MjHff
うお、割り込んですまない!

165:名無しさん@ピンキー
10/11/01 12:13:07 RwTx8Ks9
>>157
GJ!!
流れを変えてくれてありがとうございます

166:名無しさん@ピンキー
10/11/01 12:13:41 6c3MjHff
>>163
GJ!
割り込んでごめん

167:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/11/01 12:18:53 Lxx+Itu9
割り込み問題ナッシングです。
投下する前にチェックしたはずが、見落としがあったようです。

誤文訂正
×なぜか同上の視線を送られた誠二は
○なぜか同情の視線を送られた誠二は

今更だと思いましたが、一応報告ということで

168: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 12:29:16 5sk78JKy
おいおい>>104で酉外したら何で作者認定何だコラ
逆に酉外して取り繕ったら胡散臭さ倍増だろうが
後俺の本音は巨乳娘のいるSSは物凄い擁護するって事な
荒らしたくない何て一言も言ってないし何時も喧嘩レスしてんのも俺
さらに酉割れは前例があるわけ、嫉妬スレでな
前例有る時点で可能性を否定できないレベルにあるんだよ

169:名無しさん@ピンキー
10/11/01 12:46:10 1vqiaM9v
>>168
どこたて読み?
授業がつまらないのはわかったが日本語おかしいからきちんと勉強した方がいいぞ厨房

VIP歴自慢とか可愛すぎだろw

170: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 12:50:52 5sk78JKy
ぷっ
馬鹿ほど日本語がどうとか言う不思議
俺に相手して欲しかったらもっと勉強して来いNEET

171:名無しさん@ピンキー
10/11/01 12:51:24 6c3MjHff
>>104で酉を外さない→この作者はこんなことを言いますよー、悪いやつですね。荒れろ荒れろ
>>104で酉を外す  →あ、やべ!酉つけたままだった!早く外してごまかさないと!

前例があるとかはわかるけどね・・・その可能性っていうのはせいぜい2、3%じゃね?
まあ本人が酉を晒して、その酉がめちゃ予想しやすいものだったら考えなくもないけど。だとしても可能性低すぎる
ま、言い争っても仕方ない。本人が出てくるの待とうぜ

172:名無しさん@ピンキー
10/11/01 12:55:02 M+VxaEoO
さすがに決定的じゃない?

173:名無しさん@ピンキー
10/11/01 13:06:29 G/85GOzk
GJ!
素直クールっぽい先輩キター


せっかく流れ変えてくれたんだから自重しろよ
荒らしに構うのも荒らし
これからスルーできないやつも荒らし
今スルーできてない俺も荒らし
はい終わり

174:名無しさん@ピンキー
10/11/01 15:30:01 RwTx8Ks9
>>168
荒らし乙wwww

175: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 15:57:25 5sk78JKy
>>174
お前が俺に言ってる事そのままお前にも言えるから
わらっ

176:名無しさん@ピンキー
10/11/01 16:18:54 RwTx8Ks9
>>175
何も書かないくせにか?しかも、いっちょ前にニックネーム付けてるのお前だけだしwwwwそんなに自己主張したいのwwwwそれとも構って欲しいの?wwwwかわいちょうでちゅねぇwwww

177: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 16:21:43 5sk78JKy
>>176びっくりするくらい馬鹿だなお前
酉付けたのはNGぶち込みやすいようになんだがね
芝生いっぱい付けちゃって必死だね(*^o^*)

178:名無しさん@ピンキー
10/11/01 16:35:37 1sOErvRw
帰ってきたすぐで状況が完全には把握できてないが>>177が極度に痛い子なのは分かった

179:名無しさん@ピンキー
10/11/01 16:36:28 +ZnsDTC9
>>177
ちょっと黙っててくれないか今は真面目な話をしているんだ。

180:名無しさん@ピンキー
10/11/01 16:41:45 RwTx8Ks9
>>177
叩かれてやんのープッ!!

181:名無しさん@ピンキー
10/11/01 16:42:14 1ZvtCbLB
>>163
gj!
今後の友里の作戦に期待

182:名無しさん@ピンキー
10/11/01 17:02:41 0kzgKzWM
test

183: ◆m10.xSWAbY
10/11/01 17:11:12 5sk78JKy
>>180作者でもねーのに酉付けて暴れてる奴が叩かれない方がおかしいだろ
俺を黙らせる方法は巨乳娘のSS落とすかてめーらが俺を徹底的にスルーするかだな
わかったか猿
悔しいのはわかるよ(^_^)v

184:名無しさん@ピンキー
10/11/01 17:23:00 2OHI46We
>>183
お前は全っ然っ、わかってない。


良いか、オッパイは形が全てよ……。

感触を重視するなら、オッパイより圧倒的に尻よ。
オッパイは視覚に訴えかけて興奮させる事にこそ、その価値がある。
お前は形崩れしたオッパイに興奮する事が出来るのか?

それに比べて、美乳は例え小振りでも、美しいと感じる事が出来るだけで価値がある。

目先の大きさに捕われる等、所詮素人のする事ぞ。

185:名無しさん@ピンキー
10/11/01 17:25:53 jBDsOLfv
巨乳巨乳と連呼して場を和ませようって誘導が見え透いててむかつく

トリ付けたのも別IDでそのトリ付きで現れて「ほら、トリなんて簡単に割れるんだぜ」
なんて新たな自演を企んでるだけじゃないかw
わけも分からないまま、熱烈に擁護するようなのが急に現れるのがそもそも不自然
見てりゃ分かるけど、お前ってかなりのアホだろw
泥沼にはまっていくだけで、全然リカバリーになってないんだよ


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