パワポケでエロパロ17at EROPARO
パワポケでエロパロ17 - 暇つぶし2ch94: ◆Freege5emM
10/10/14 03:18:56 yO8VxLTf
※注意
3主と寺岡さんのSSです。
容量的には19KBくらいです。
3主はまだ金属製です。
3の爆発事故イベント(超特殊能力が貰えるところ)のくだりをかなり改変しています。
以上の記述で何か良からぬ気配がした人は、読まないことを推奨します。



「あーいらっしゃいいらっしゃい、忙しいところわざわざ来てくださって、ありがとうございます」

大学の通用門の近くに、薫は立っていた。
暖かそうなセーターと、細い脚がさらに細く見えるシンプルなロングパンツ。その上から、膝下まで裾のある白衣を羽織っていた。
少し前から吹き始めた木枯らしが、長い白衣を軽くなびかせていた。

「寺岡さんっ、そ、そんな走らなくてもすぐ行くよ!」

門から走り寄ろうとする薫を、小波は制止する。その表情が、いつかの自動車事故を思い出させたからであった。
彼女はひとつの対象に意識が集中してしまうと、他のものに対して注意散漫になってしまう悪癖があった。
彼はその危うさを、一度身をもって知ったことがある。もっとも彼女に自覚があったかは分からないが。

小波が薫からの電話を受けたのは、数日前のことだった。
『サイボーグ用のパーツで、すごいものができました。自信作なので、近いうちに大学に試しにきてくれませんか』と彼女は話していた。
彼女の『自信作』という言葉に対して、不安を覚えないわけでもなかったが、彼の足は大学へ向いていた。
彼がプロペラ島へ再び乗り込む日は、そう遠くなかった。彼女と顔を合わせるのも、最後になってしまうかもしれない。

「何でも、12月に野球の大会に出るらしいじゃないですか。
 キミにはいつも色々とお世話になってますから、できれば、それに間に合わせたかったんですよ」

小波から見て、いつになく薫は上機嫌だった。灰色の秋空の下、休日で閑散とした学内を、彼の腕を引っ張りながら歩く。
高卒でプロ野球選手になった彼にとって、大学は未だに腰の据わりの悪い場所であった。
彼女の研究室を訪ねるときも、彼は足早に構内を過ぎて、何度も彼女の実験の犠牲となった研究棟の扉をくぐっていた。
秋風に乗って、無造作に纏められた彼女の髪から、研究室と違った匂いを感じた気がした。そういえば、いつもの寝癖が直っている。
「寺岡さん、もしかしてあの門でずっと待ってたの? 寒かっただろう」
「え、いいや、そうでもありませんでした。何ででしょうね」
「もしかして、壁の一枚二枚ぶち抜いてるから、外と研究室の寒さが大して変わらないとか?」
「あっ、ひどいですよーそんな言い方。そんなこと言う人には、自分の最高傑作は差し上げませんから」

どうやら、薫にとって今回のパーツは相当な出来栄えのものらしかった。
いつも発明品に対しては自信たっぷりの彼女であったが、彼女から最高傑作という言葉を聞いたのは初めてだった。

「すごい自信があるみたいだけど、一体どんなパーツなんだい?」
「まぁまぁそう焦らない。今からパーツを持ってきますので、キミはここの部屋で適当に座って準備しててください」

薫の研究室は真新しかった。大量の電子機器が隅に追いやられ、かろうじて応接用らしきスペースがある。
また無茶な実験をして、どこかの部屋を吹き飛ばしたのだろうか。どうしてもよくない連想をしてしまう。
それでも最近は、小波は爆発についてうるさく言わなくなった。
慣れ、というのもあったが、実際こんな彼女のきわどい研究によって、彼は命を永らえたこともあった。
そもそも、彼女が研究棟を爆破しなければ、ふたりは出会わなかった。今更諫めるのも気が進まなかった。
座布団の乗せられた回転椅子と、病院によくある革張りの長椅子。座布団は彼女の指定席だった。
彼は長椅子に座って、サイボーグとしての内部機構の確認を行う。出かける前にも念入りに行ったことを、今一度。
大学までの道中では問題なく稼動していた。ショート箇所も無い。かさかさ虫やウイルスもいない。それでも油断は禁物。
いつかなど、放り込まれたキムチの匂いが取れないまま中身を見られて、彼女に笑われたことがあった。
サイボーグになる前よりも、身だしなみ(?)に気を遣うようになったかも知れない。



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