ヤンデレの小説を書こう!Part37at EROPARO
ヤンデレの小説を書こう!Part37 - 暇つぶし2ch325:名無しさん@ピンキー
10/10/13 21:45:45 f+XFG2l4
まあ設定としては寂しさが相俟って断れずみたいな感じ
振られて新彼女に超嫉妬→ヤンデレ
みたいな感じなんだがいかが?
これがダメなら没になる

326:名無しさん@ピンキー
10/10/13 21:49:25 Jn55qT53
俺はかなり読みたいが「よし、叩く理由を見つけたぜ」とここぞとばかりに叩く奴は絶対に出る。
そこをどう思うかだと思う

327:名無しさん@ピンキー
10/10/13 22:03:06 5O6Td23L
俺は>>324に同意かな
嫉妬心を煽るためにってのならいいけど、本当に浮気するのはなぁ…
多分叩かれると思うよ。完全な一途じゃないってことだろ

328:名無しさん@ピンキー
10/10/13 22:14:53 f+XFG2l4
話がほぼ出来上がったら大筋だけ書いてく。それで荒れそうな内容
みたいなら載せることはしない
まぁ、ダメ元で考えてみるよ。

329:名無しさん@ピンキー
10/10/13 22:48:47 xOOBqou6
寝取られ系はダメだけど、>>325読んでみたい

330: ◆e8vVUlQNyw
10/10/13 22:50:21 f+XFG2l4
てst

331:名無しさん@ピンキー
10/10/13 22:52:09 Y4lHm5Yt
個人的には投下してほしいな
浮気してたという負い目を感じながらも
主人公への想いを断ち切れずにヤンデレ化
ってのも見てみたいし

それに物語の冒頭でヒロインが他の男と付き合い始めるとこから始まる
前例もたしかここであったんじゃね?


332: ◆e8vVUlQNyw
10/10/13 22:59:26 f+XFG2l4
とりあえず鳥つけた
おおまかな流れ
付き合って1年→友人の目撃→尾行して彼女ホテルへ→
翌日同窓会の知らせ→同窓会に行く→同窓会で告られる→
別れを決意→別れを宣告→彼女が大学に来なくなる→
久しぶりに彼女登場→オーラ怖すぎて主人公引く→
猛烈な復縁要求→断り続ける→監禁→エンド
てな感じ
元々短編みたいにするつもりだったし俺の文才のなさも手伝って
安っぽくなってしまったんだが
見たいという人と推奨しない人がいるから迷ってる。
まだ完全に書き上げていないから載せるとしても少し時間かかるけど

333:名無しさん@ピンキー
10/10/13 23:02:26 TzVjj9d8
面白そうだから読んでみたいな

334:名無しさん@ピンキー
10/10/13 23:04:55 SlN471yz
ある程度同意を得られた事実を盾に投下しちゃえばいいと思うよ

335:名無しさん@ピンキー
10/10/13 23:10:03 8UNfCSyU
ま、確実に荒れるけどな
正直、俺には三次元キチガイメンヘラとの違いが分からんよ

336:名無しさん@ピンキー
10/10/13 23:10:47 phIev3rZ
絶対叩く奴湧くけどな
おれも見たい

337: ◆e8vVUlQNyw
10/10/13 23:15:18 f+XFG2l4
一応、書き続けておくよ。
支持してくれたみんなに感謝
期待はずれの出来にならないように書いてく

338:名無しさん@ピンキー
10/10/13 23:19:18 hBijOj1W
投下前にちゃんと注意書きさえ書いてあれば無問題、書いて無いとヤンデレ家族の作者みたいにネトラレサイトへ永久追放になるからね…

339:名無しさん@ピンキー
10/10/13 23:34:47 I4aE95yN
>>338
死ね

340:名無しさん@ピンキー
10/10/13 23:35:00 898gclK6
俺はほトトギすの作者さんが来てくれるのを待つ。

341:名無しさん@ピンキー
10/10/14 00:14:29 U63xNQXU
>>321どう考えても3次のビッチです。

342:名無しさん@ピンキー
10/10/14 00:15:06 XlXKKX4Z
>>339
m9(^Д^)プギャー

343:名無しさん@ピンキー
10/10/14 00:50:22 9492J7Ct
なんでヤンデレにわざわざ浮気とかNTRを含ませてくるんだ?普通にヤンデレで面白いのを書いたらいいじゃないか。わざわざビッチとか入れんな。荒れるだけ
もうそういう捻ったのは作者が面白いだけで読んでるほうはつまらないんだって気づけよ。なんでヤンデレという一途な愛を見に来たのにビッチやNTRを見なきゃならん
すし屋言ってハンバーガー出てきたら怒るわそりゃ。今までROMってたがもうこのNTR擁護みたいな流れが我慢できん。しかも一定のやつらが声を大きくOKみたいにしてROMのやつらの意見も同じみたいに勘違いするし
作者も擁護して欲しい見たいなレスは何なの?こういうことで荒れるならむしろ荒らしのほうを応援するわ

344:名無しさん@ピンキー
10/10/14 00:53:55 nB5N4eUR
来たぜ来たぜ
>>337はどうすんのかな

345:名無しさん@ピンキー
10/10/14 01:03:59 zvvdQZXk
>>343
お前金払ってSS見てんの?

346: ◆e8vVUlQNyw
10/10/14 01:17:49 fcEASeLb
わざわざ、荒らしホイホイな話題を振っておいてスマンが
どうやら普通のヤンデレっぽくなるかも。というより、話を作っていく
過程で自分の考える構図と離れていった感じになってしまっていた。
完成させてみてそれで出来た感じがまずそうだったのならまた聞くとしよう
>>343のように回転寿司でサーモンが流れてきたら
「寿司はまぐろだけって決まってんだろ」的な怒りを露わにするような住人
もいるみたいだしな


347:名無しさん@ピンキー
10/10/14 01:17:57 Pj9zfXm6
>>343
お前、投下する前に自分の文章読まないの?

348:名無しさん@ピンキー
10/10/14 01:20:16 B0Mux/ms
>>1では
ヤンデレ系のネタなら大歓迎
趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください
上のように書いてありますが
ヤンデレならどんな作品でも大歓迎のようですよ(版権モノ除く)
そんなわけで、浮気とかNTRが嫌いなら読み飛ばせ以上

349:名無しさん@ピンキー
10/10/14 01:23:41 TyQ/R+qd
騒いでんの一人だけだし、スルーした方が良くないか?

350:名無しさん@ピンキー
10/10/14 01:29:20 pAiadXJm
>>343の言っている事が理解不能なんだが
永久にROMってればいいと思うけど
逆になにも言わずに投下した方が荒れるかもしれないしあの短編みたいに

351:名無しさん@ピンキー
10/10/14 01:38:09 EPpxc8Ry
>>343はツン2:ヤンデレ∞ていったところだな

352:名無しさん@ピンキー
10/10/14 01:45:22 /MvDD53p
まあ、NTRとかは注意書き入れてくれればそれで良いよ

353:名無しさん@ピンキー
10/10/14 02:09:44 o/t8BD6M
age

354:名無しさん@ピンキー
10/10/14 02:20:24 bZIb13CG
>>352 の言う通りに作者が投下する時に注意書きすればそれで問題ないでしょ。
登場人物の嫉妬のさせ方や病ませ方について聞かれても、何も言えるはずがないよ。
そもそも質問内容が馬鹿なテレビが街頭のカップル捕まえて「なにをしたら浮気か?」って聞いてるようなもんで、そんなのそれぞれの主観頼りなんだから、荒れるに決まってるじゃん...。

355:名無しさん@ピンキー
10/10/14 02:42:17 +YKy5xY6
まあ、俺だったら

2年間付き合っている彼女と別れた理由は実家の家業が経営難に落ち込んだせいで
とある企業が融資してくれることを条件に、社長の令嬢と無理矢理婚約するはめになった
その事実を認めることができない彼女がヤンデレストーカー化になって

主人公と婚約者の仲を切り裂こうと策略を仕掛ける

一方、社長令嬢である婚約者も親戚が持ってきた縁談相手である主人公に一目ぼれをする
世間知らずのお嬢様育ちゆえに主人公が自分のことを世界一愛していると思い込む
とあることがきっかけに主人公の前カノ存在を知ってからは、主人公は自分のことは
実は好きではないと疑心暗鬼になってしまう。

と、適当に書いてみた







356:名無しさん@ピンキー
10/10/14 02:43:46 +YKy5xY6
プロットもどきは簡単に書けるのに、実際の作品としては色々と大変ですね

357:名無しさん@ピンキー
10/10/14 02:46:04 N2nuW2PY
なんだこのキモイ流れ
こういうジャンルは常に変化してんの
寝取られ入ってたって1の通りにやれば何も問題無いのにわざわざトリ付けて誘い受けするカスてめーは氏ね

358:名無しさん@ピンキー
10/10/14 03:38:22 0D1I6y6n
荒らしを誘導する自治廚も悪いが、誘い受けで作者気取りもいい加減にしろ。投下があまりないから書いてくれるのは嬉しいけど、なにか言う前に注意書きして投下しろよ、作者もどきが。

359:名無しさん@ピンキー
10/10/14 04:01:36 kpvda4LT
需要聞く前に取り敢えず投下してもらえるとありがたい
勿論注意書き付きでだが

360:名無しさん@ピンキー
10/10/14 04:05:57 mIHm7A5N
なにこの日本語不自由

361:名無しさん@ピンキー
10/10/14 04:07:04 pAiadXJm
こんな会話してるから投下しづらいのかな•••
ちょっと心配だなぁ

362:名無しさん@ピンキー
10/10/14 04:07:15 XlXKKX4Z
  (((;;;:: ;: ;;          ;; ;:;::)) ::)
   ( ::: (;;   ∧_,∧   );:;;;)) )::: :; :))
    ((:: :;;  (´・ω・)っ ;;;; ; :))
     ((;;;  (っ ,r どどどどど・・・・・
          i_ノ┘

 ((;;;;゜;;:::(;;:  ∧__,∧ '';:;;;):;:::))゜))  ::)))
 (((; ;;:: ;:::;;⊂(´・ω・`)  ;:;;;,,))...)))))) ::::)
  ((;;;:;;;:,,,." ヽ ⊂ ) ;:;;))):...,),)):;:::::))))
   ("((;:;;;  (⌒) |どどどどど・・・・・
         三 `J

         .∧__,,∧
       ⊂(´・ω・`)⊃
    ☆   ノ   丿 キキーッ
      ヽ .ノ  (⌒) 彡
       と_丿=.⌒

       *      *  
     *  いやです  +  
        n .∧__,,∧ .n
    + (ヨ(´・ω・`)E)
        Y     Y    *

363:名無しさん@ピンキー
10/10/14 04:08:02 mIHm7A5N
>>>360>>358

364:名無しさん@ピンキー
10/10/14 04:11:22 3vNOxdl3
秋だなぁ

365:名無しさん@ピンキー
10/10/14 06:09:03 2k69lvez
なんか書くか

366:名無しさん@ピンキー
10/10/14 06:09:35 N2nuW2PY
このスレ潰すなら今ですね!(*^o^*)

367:名無しさん@ピンキー
10/10/14 06:19:47 XlXKKX4Z
せやなw

368:名無しさん@ピンキー
10/10/14 06:34:58 6Y0dosty
@@3年前からのたのしみだから落とさないでTT

369:名無しさん@ピンキー
10/10/14 07:08:59 WeIuiC4q
荒れたスレには作品の投下しかないぜ

370:名無しさん@ピンキー
10/10/14 10:28:32 0/nNGqlL
叩いたり批評したりする暇があるなら働けw
だいたいが仕事や学校行って書いてる作者が多いんだから批評してる引きこもりニートは働けば?

371:名無しさん@ピンキー
10/10/14 11:02:38 +YKy5xY6
俺のプロット無視されて涙目だよ

372:名無しさん@ピンキー
10/10/14 11:33:21 WeIuiC4q
>>371
設定超いいから書けるならぜひ書いてほしい

373:名無しさん@ピンキー
10/10/14 11:41:04 IuXnNnxM
>>355
>>371
何を躊躇している。その設定で今すぐ書くんだ!

374:名無しさん@ピンキー
10/10/14 12:44:49 lI1MJ+JP


375:名無しさん@ピンキー
10/10/14 13:52:42 nB5N4eUR
>>371
なら作品書きなよw

376:AAA
10/10/14 16:26:45 zqTBF8Dz
みんなで一つの作品を作ると言うのは?
多分無理だろうけど、読む楽しさと作る面白さが
沸いてくるのでは?

377:名無しさん@ピンキー
10/10/14 17:28:14 sWW8s6rw
リレー小説ですね分かります


が、止めといた方が良いかと
要素盛り込み過ぎて混沌とするってのが一つ
皆の意志が一つにならんとお話にならないってのが一つ
一人でも変な要素いれると叩かれて話の完成どころじゃなくなるってのが一つ

まあ要するにやめとけって

378:名無しさん@ピンキー
10/10/14 17:44:17 lI1MJ+JP


379:名無しさん@ピンキー
10/10/14 20:37:40 2k69lvez
やめとけじゃない や る な

素直に正座して投下を待つクマー

380:名無しさん@ピンキー
10/10/14 21:58:09 hWnzmxiY
投下したいけど、PCで文章を打つと目が痛くなって、頭痛とか起こすから無理
なんかいい解決方法とかないですかね?

381:名無しさん@ピンキー
10/10/14 22:00:08 9oSvb38g
ヤンデレに代筆してもらうといいよ

382:名無しさん@ピンキー
10/10/14 22:54:15 H51xWFog
>>380
背景色変えれば?

383:名無しさん@ピンキー
10/10/15 01:26:09 Hx8q2HIT
投下ないな…

384:名無しさん@ピンキー
10/10/15 01:34:38 I/yhrcqv
>>332はまだか!?

385:名無しさん@ピンキー
10/10/15 01:44:24 Hx8q2HIT
正直言って>>332は別に来なくてもいい
未完の作品の投下がほしい
特にリバース

386:ヤンデレホテルへようこそ 前編 ◆9znZNYtb1U
10/10/15 01:46:05 l1qmokTu
 こんばんは、ヤンデレの娘さんのモノです。(今回からトリップなるモノをつけてみました)
 期待を外してしまったらすみません。
 今回は三日たちの物語から少し舞台を移して、ゴシックでホラーなお話を書こうと試みたら…こんなコトになりました。

387:ヤンデレホテルへようこそ 前編 ◆9znZNYtb1U
10/10/15 01:48:30 l1qmokTu
 イギリスのとある街。
 雷鳴轟く深夜。
 ぬかるんだ石畳に足を取られそうになりながら、オリヴァー・フォレストは無人の街を余裕の1つ無く走っていた。
 なかなかにハンサムな男である。
 雨でぐしょぐしょになった部屋着は、明らかなブランドもの。
 ギリギリの逃走劇を成立させている、適度に鍛えられた均整の取れた(ややマッチョ寄り)体つきは、モテるために大学でテニスをしていたから。
 髪はやや地味な色合いの赤毛だが、見事なグリーンの瞳は学生時代『エメラルドの都のオリヴァー』と言われたほどだ。
 ただし、そのあだ名の由来は羨望一割やっかみ一割失笑四割嘲笑四割。
 彼のことを少しでも知る人間ならば、口をそろえて顔「だけ」はハンサムな男と言うことだろう。
 現に……
 「ちくっしょおおおおおおおおおおおおお!(SHIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIT!)」
 オリヴァーは品性下劣な慟哭を夜の街に響かせていた。
 「ありえねえ!マジありえねえ!どうしてこうなったどうしてこうなった!今頃俺は人を超え、セレブを超えて超獣合身してるはずだろうがよ!それが何でひーこらと逃げ回ってんだよぉ!俺の人生クソゲーか!」
 オリヴァー・フォレスト、自分のクリアできないゲームは全部クソゲーとか言っちゃう人である。
 「それもこれもみっんなあいつのせいだ!」
 後ろをチラと振り向いて言うオリヴァー。
 スポーツで鍛えた足で随分と相手を引き離したが、それもいつまで待つか分からない。
 どうした理屈か、相手は確実に彼の後を追ってくるのだ。
 耳を澄ませばひたひたという彼女の足音が聞こえるようだった。
 「ンなところで殺されてたまるかってんだああああああ!」
 豪雨の音を上回る勢いで絶叫するオリヴァー。
 バレるバレる。
 「こーなりゃ、どっかに匿ってもらうしかねぇ!」
 そう言って辺りを見回すオリヴァーだが、時間が時間だけに街には人っこ一人出歩いていない。
 夜盗1人いない治安の良さがこの街に訪れた理由の1つなのだが、結果としてそれが仇になったのかもしれない。
 その上、家の明かりさえ見られない。
 ――いや、一箇所だけある。
 レンガ作りのやや大きな屋敷。
 何やら赤い意匠の看板がかかっていることから、何らかの店舗か何からしい。
 オリヴァーは藁にもすがる思いで、その屋敷の扉を開けた。
 「助けてくれ!」
 オリヴァーはその建物の中に飛び込むと同時に叫んだ。
 「ほぅ…こんな夜分にお客様とは」
 オリヴァーの耳に良く通る声が聞こえた。
 屋敷内のソファに座っている、黒髪の男からだった。
 その男が優雅に立ち上がり、オリヴァーの方を見る。
 男は、オリヴァーよりも背が高く、均整の取れた体つきをしていた。
 どんな名工が彫ったのかと思える形の良い目鼻。
 切れ長の、光を反射しない漆黒の瞳。
 白磁に白い肌。
 何より鴉の濡れ羽色をした艶やかな髪。
 さらに、その一挙一動には誰もを魅了する華がある。
 日本にいる時に一度だけ見た「カブキ」というものを、オリヴァーは思い出した。
 オリヴァーを中々のハンサムと言うのなら、男は絶世の、いや浮世離れした美形といえた。
 美形と言えるのだが――どうにも胡散臭い雰囲気がある。
 「まぁ、ともあれご挨拶させていただこう」
 言って、男は芝居がかった所作で両手を広げる。
 「クレセント・インにようこそ!」






388:ヤンデレホテルへようこそ 前編 ◆9znZNYtb1U
10/10/15 01:49:48 l1qmokTu
 英国のとある街にある宿。
 住人全員が行方知れずとなった貴族の屋敷を改装した建物。
 看板は血濡れた三日月の意匠。
 狂気と狂喜を孕んだ客が集う場所。
 去る者は許すが来る者は決して拒まない。
 オーナーは謎めいた男、ミスタークレセント。
 建物の名をクレセント・イン。
 またの名を――



389:ヤンデレホテルへようこそ 前編 ◆9znZNYtb1U
10/10/15 01:50:42 l1qmokTu
 「ってそんなナレーションはいいから俺を助けろ!匿え!」
 役者のように朗々と言葉を紡ぐ男にオリヴァーは叫んだ。
 オリヴァーよりも背が高く、中々にサマになってはいるのだが、生憎オリヴァーに三文芝居に付き合う余裕は無い。
 「何だ、風情のない。テレビアニメにナレーションは付き物だというのに」
 カラン、と白手袋をした手でウィスキーの入ったグラスを傾ける男。
 どうやら、ここは宿泊施設で、男はロビーのラウンジスペースで酒を飲んでいたらしい。
 「アニメじゃないわよ、コレ」
 そうため息交じりにツッコミを入れるのは、彼の横に立つドレスのようなワンピースを着た若い女。
 絹のような肌に鮮やかな金髪、遠目からも目鼻立ちが整っていることが分かるが、その目元はなぜか黒い目隠しがされている上、右手には男の左手と繋がる手錠が施されている。
 テーブルの上にはなぜかボールギャグまでおかれており、完全にSMの世界である。
 「無粋なことを言わんでくれよ、マイワイフ」
 男が言った。
 どうやら、男の妻らしい。アクセサリのせいでステロタイプな奴隷にしか見えないが。
 「では改めて自己紹介させていただきましょう。私がこの宿のオーナーのミスター・クレセント。こちらは我が細君のレディ・クレセント。ああ、ヴァイオラくん。お客様のチェックイン手続きを頼むよ。ついでにお客様のお洋服を拭いて差し上げてくれ。ぬれ鼠状態だからな」
 ひょい、と控えていた従業員に指示を出すクレセント。
 「俺は匿えと言ったんだ!泊るなんて一言も……」
 「当クレセント・インは万全の防犯防災防音設備が自慢ではありますが、その恩恵を受けられるのはスタッフと宿泊客の方々のみとなっております」
 「泊らせてもらう!」
 ヴァイオラの言葉を受け、乱暴に専用用紙に記入するオリヴァー。
 「お部屋はいかがされますか?最上級のスーペリアロイヤルスイートがお勧めとなりますが…」
 「シングルでいい!」
 あからさまな営業トークだった。
 「お支払いのほうは?」
 「明日払う!」
 「かしこまりました」
 横柄なオリヴァーに鉄面皮で応じるヴァイオラ。
 いやな客といやな店員だった。
 「とにかく、早く鍵を閉めてくれ。アイツが来る」
 「アイツ、とは?」
 ヴァイオラが鍵をする間、我関せずという顔で妻と酒を飲んでたクレセントが言う。
 ほとんど営業時間外とはいえ、見事なまでに施設を私用に使っていた。
 「……アンタたちに関係無いだろう」
 ラウンジのソファに身を投げ出し、オリヴァーは言う。
 「悲しいことをおっしゃる」
 芝居がかった動作で首を振るクレセント。
 一々決まっているのだが、洋画かとツッコミを入れたくなる動作である。
 「我が国の諺に『袖すりあうも他生の縁』という言葉もあります。偶然にもここに飛び込んできたのも何かの縁。私たちに事情を話してみませんか?話すだけでも楽になると言いますし」
 ウィスキーを片手に言うクレセント。
 「……日本人だったのか」
 「よくご存じで」
 驚くオリヴァーに飄々と答えるクレセント。
 『ミスター・クレセント』というアメコミまがいの名前が本名だとはオリヴァーも思っていなかったが、クレセントの言葉は意外だった。
 クレセントは東洋人離れした顔立ちをしているが、なるほど、確かに黒曜石のような目と鴉の濡れ羽色の髪は言われて見れば日本人的と言えた。
 「確かに、俺たちにはそっちの言う縁というやつがあるらしいな」
 首を振ってオリヴァーは言った。
 「少し長い話になるが、いいか?」
 「かまいませんよ、夜は長い」
 オリヴァーに用意したグラスにウィスキーを注ぎながら、クレセントは言った。

390:ヤンデレホテルへようこそ 前編 ◆9znZNYtb1U
10/10/15 01:51:10 l1qmokTu





 俺がアイツ、三条エリと出会ったのは一年前、留学で日本に来た時だった。
 え、何で留学したかって?
 ぶっちゃけ、向こうの大学がつまらなくなったからな。
 どの道、大学を出れば父の会社に就職できるのは決まっていたし。
 その留学先に通っていた学生がエリだったってわけだ。
 初めて会ったときから、コイツのことは狙っていた。
 もとい、好感を持った。
 今まで俺の周りにいた女共は我が強いわ俺の金にたかりに来るわ、色んな意味で「うるさい」連中ばっかりだったわけだわ。
 エリはそいつらとは全く逆の女だった。
 常に一歩引いた態度。
 穏やかな所作。
 面立ちに関しちゃキレイな目とデカい胸が取り得名だけであとは普通より少し上って感じだったが、その分ヘンに思い上がった所が無いのはポイント高い。
 あだ名が『ナデシコ』ってのも納得ものだぜ。
 ま、そういうわけで一目で思ったね。
 こんな、いかにも清純そうな娘が俺のものになったらどれほど痛快だろうと。
 あらゆる手練手管を駆使して、俺はエリを落とそうと奮闘した。
 すぐにコロっと行っちゃうかと思ったら、意外と困難だった。
 高い服を買ってやっても、高い車を買ってやっても「そんなもの受け取れません」の一点張り。
 奥ゆかしいを通り越して自己評価が低いから、自分が男に狙われてるって発想自体が無い。
 どんなにアプローチしても、そういう意味だと捉えないんだわ、これが。
 「オリヴァーさんとは仲の良い友達です」なんて、オイオイ。
 2人きりでディナーに行っておいてそりゃないだろ。
 そのときも食事代自分で払おうとするし。
 奨学金でやっと大学に通ってるくせに無茶するなと。
 そんなわけで、俺は半年で思い知った。
 こいつにゃ金じゃどうにもならん。
 俺が金無しでもどんだけクールでカッコいい(意味重複)のか。
 俺がエリにどんだけ夢中なのか。
 それをアイツに思い込ませることが重要だと方針転換したわけよ。
 手練手管を駆使して、俺はエリに優しくてクールでカッコ良くてイケメンな俺ちゃんを見せまくった。
 ゴロツキを雇ってエリを襲わせて、それを颯爽と助ける俺様、なんてベタな演出をしたこともあった。
 エリの好きなドラマや漫画をそれとなく聞いて、ソレと同じようなセリフを言ってやったこともある。
 そうして、やっとアイツに言わせたわけだ。
 「愛しています、私と添い遂げてください」
 ってな。








391:ヤンデレホテルへようこそ 前編 ◆9znZNYtb1U
10/10/15 01:52:08 l1qmokTu
 「ねぇ、クレセント」
 酒の勢いのまま話を続けるオリヴァーを見ていたレディ・クレセントが言った。
 「たたき出さない、この勘違い男?」
 「何だとこのSM女!」
 「だってそうじゃない」
 立ち上がるオリヴァーに向かって、ひょい、と肩をすくめるレディ。
 「キャラが薄っぺらい癖に一々女をナメたこと言っちゃって。大体、女の子の気持ちがそうそうモノやカネで動くはず無いじゃない。ま、今まであなたがお付き合い(笑)してきた女の子たちはみんなあなたのお金目当てだったんだろうけど」
 立て板に水を流すようにオリヴァーを言葉で粉砕していくレディ。
 「し、失礼、ご夫人…。あんまり人を馬鹿にしたことを言うものじゃありませんよ……?」
 青筋を立てながらも何とか丁寧口調を保つオリヴァー。
 「まぁまぁ、マイスイートレディ。本当のことでも言わないでやる優しさというものもある」
 「お前が一番優しく無ぇ!」
 無駄に慈愛に満ちた表情のミスター・クレセントに怒鳴るオリヴァー。
 こいつら明らかに自分よりも年下の癖に、とオリヴァーは思った。
 「それに、ミスター・オリヴァーのお話はまだ終わってはいない。今の段階で結論を出すのは早計というものだろう。主にミスター・オリヴァーの人間性に対して」
 「そうね、結論を出すのは早いわね。主にオリヴァー・フォレストの人間性に対して」
 「そうですね、結論を出すのは結末を聞いてからでも遅くは無いでしょう。主にお客様の人間性に対して」
 クレセントの言葉に、レディとのみならず今までずっと黙っていたヴァイオラまで同意する。
 「俺が生きるか死ぬかの瀬戸際の話なんだぞ!」
 屋敷の外にも聞こえんばかりに叫ぶオリヴァー。
 「それでは、続けていただこうか、ミスター・オリヴァー。三条エリ嬢の物語を」
 クレセントは三日月型の笑みを浮かべて、先を促した。
 その笑みは、どこか悪魔のそれに似ていた。


 to be continued

392:ヤンデレホテルへようこそ 前編 ◆9znZNYtb1U
10/10/15 01:57:05 l1qmokTu
 前半は以上になります。
 ゴシックでホラー(笑)とか言っていたらスラップスティックコメディになってました。
 自分にシリアスは無理かもですね。
 ちなみに、オリヴァーのあだ名の「エメラルドの都~」というのは児童文学「オズの魔法使い」からです。
 話の筋立ては森鴎外の「舞姫」ですが。
 いずれにせよ、主人公はオリヴァーほどひどくは無いのですがね。

393:名無しさん@ピンキー
10/10/15 03:28:09 aAxxN2iU
やったよ父さん、投下がきたよ
ということでGJ 
舞姫には面白いところいろいろあるからがんばれ

394:名無しさん@ピンキー
10/10/15 05:06:54 1nHZmeGU



アマガミで 上崎裡沙ルート制作決定で俺歓喜

395:名無しさん@ピンキー
10/10/15 07:23:42 9AiGgq+L
>>392

何故か安永航一郎の絵面で脳内再生された

GJだ、後半楽しみにしている

396:名無しさん@ピンキー
10/10/15 20:08:54 W1oVMg0S


397:名無しさん@ピンキー
10/10/15 21:24:20 CG+it2fK
>>394 ヤンデレ好きには吉報だね。

398:AAA
10/10/15 23:51:27 cFr09005
楽しそうなので小説を作ってみました。
初めて書くので小説として駄目かもしれないし
投稿方法も間違えているかもしれないが
それでもよければ、読んでください。

399:風の声 第1話「風の始動」
10/10/15 23:56:46 cFr09005
小学校と中学校で見続けてきたイジメという名の悪夢。
二度と見ない為にはどうすればいいか、何回も何回も考えた。
そしてたどり着いた答え

「”人”とは必要以上に関わらない」
そう、俺には風さえあればそれでいい・・・。


400:風の声 第1話「風の始動」
10/10/16 00:30:04 wy8t3aCQ
「ピピピ ピピピ ピピピ」
「カタッ カタッカタッ カタッ」
2つの音で俺の1日は始まる。
1つの音は目覚まし。
そしてもう一つは

「カタッカタッカタッカタッカタッ」
「急かすな、今開けるから」

目覚ましを止めて向かう先、それは音の原因である窓

「おはよう」

声を掛けると同時に窓を開ける。
入ってきたのは無数の“風”
反対側の窓も開けて、風の通り道を作る。

「今日は機嫌がいいみたいだな」
一つの風が耳元を通り抜ける
「フッ、相変わらずだな」

独り言に見られがちだが俺は“会話”をしている



朝食を取る為に台所へ、
独り暮らしだから全て自分でやらなくてはならない。
独り暮らしなのは今日から始まる事のために、
2度と悪夢を見ない様にする為でもある。
今日は俺の、風魔 翼(ふうま つばさ)の
高校デビューの日である。

悪夢というのは俺が小・中学生の時に受けていたイジメの事だ。
小学生の時は傷で済んだが、中学生になってからは、
命に関わるような事が多かった。
例としてあげるならば、
人体に害がある薬品を気化させ、それを充満させた密室に
閉じ込められたりしたことがある。
虫の息になりかけていた俺は発見されて一命を取り留めたものの
その薬品の毒素で髪は脱色してしまい、今もなお白い髪のままだ。
このようなことを避けるために俺は中学から遠く知り合いに会わない
高校に通うことにし、独り暮らしを始めたのである。

401:名無しさん@ピンキー
10/10/16 00:38:40 zi9/kgaJ
GJ!!
命に関わってるならもうイジメとかいう問題じゃないな>>70


402:名無しさん@ピンキー
10/10/16 00:55:39 IAyZqOPt


403:風の声 第1話「風の始動」
10/10/16 00:59:31 wy8t3aCQ
朝食を終え、制服に着替える。そして、黒いリストバンドとヘアバンドを
両手首と額につける。これらは悪夢によってつけられた傷を隠すのに
使用している。

暮らしているマンションから高校までは、まず高校に1番近い駅まで
バイクで行き、その駅からバスで行くというルートだ。
誕生日が4月2日と最速なので免許が取れたものの、
「バイク通学禁止」という校則のせいで、このような通学手段を
使うハメになっている。

バイクでの移動中は不安で心がいっぱいだった。
「“人”とは必要以上に関わらない」
心の中で何回も言い聞かせていた。

駅の駐輪場にバイクを止め駅の構内をとおり反対側のバス停へ、
構内では俺と同じ制服を着ている奴らを見かけた。と同時に
恐怖が湧いてくる。
俺の嫌いな“人”、“人”の臭いで充満している駅構内。
酔いそうになるが鞄の中から登山などでよく使う酸素ボンベを出す。
これを吸うと少しばかり楽になるので手放す事ができない。

バス停へ向かう階段を下りているときだった。

「きゃっ!!」

後ろから声がしたので振り返ると、そこには俺に
向かって倒れてくる“人”がいた。
避けてやり過ごそうと思ったのだが、俺の心の良心が勝手に体を動かした。
結果、その“人”を受け止め助けることに成功したものの
嫌いな“人”と触れている感触、“人”の臭い。
それら悪影響のせいで俺は助けた“人”と距離を置くようにして
座り込んでしまった。

(気持ち悪い・・・)
鞄から酸素を出そうとした時だった。

「あの、大丈夫ですか?」

頭上から声がしたので見上げると
そこにはさっき助けた“人”、言い方を変えると“少女”がいた。

「さっきは助け・・・」

彼女が話しかけた瞬間、俺は走り出していた。
恥ずかしかった訳じゃない、怖かったんだ。だから俺は走ったんだ。
いや、正確には逃げていた。

バス停に戻れなくなった俺は、そのまま歩いて高校に行くことにした。
高校では“人”と関わらなければ
すぐに3年過ぎて平和に終わると思っていた。

しかし、この出来事が後に俺の高校生活に今までとは違う“悪夢”を
引き起こすとは知るよしもなかった。


404:AAA
10/10/16 01:02:40 wy8t3aCQ
以上です。

割り込みでコメントされていたけどGJと
評価されていたので嬉しいです。
次回は遅くなりますが楽しみにしてくれる人がいてくれたら
なるべく早く作るよう努力します。(^^)

405:名無しさん@ピンキー
10/10/16 01:04:28 9wLCBUeX
なあ、このスレで基本NGなのはヒロインの寝取られであって、ヒロインに最初、
彼氏(主人公じゃない)がいてそいつが別の女と浮気ってのはありなの?

>>332からの流れからそういう風に感じたんだけど

406:名無しさん@ピンキー
10/10/16 01:18:51 ggHVuvL9
>>404
書きながら投下しているんだから割り込みに文句言うな

407:名無しさん@ピンキー
10/10/16 01:34:41 o0oRXVHK
できれば次からは書きためてからUPしてもらえると嬉しい

408:AAA
10/10/16 01:36:05 wy8t3aCQ
書きためのやり方教えてもらえませんか?

409:名無しさん@ピンキー
10/10/16 01:41:11 9wLCBUeX
.txtファイルに書きためて適当にぶつ切りにして投下すればいい

410:AAA
10/10/16 01:44:47 wy8t3aCQ
どうもです。

(できるかな?ww)

411:名無しさん@ピンキー
10/10/16 01:49:26 dkomG8tX
最近の流れ好きじゃないわ!

412:名無しさん@ピンキー
10/10/16 02:58:21 lMMEr+pP
>>404 GJ!
これからも期待してるからがんばれー

>>411 じゃあ君が投下して流れを変えてくれるとうれしい

413:名無しさん@ピンキー
10/10/16 03:18:57 4XmKyBL2
>>405
その後、主人公に対してヤンデレ化するなら俺はアリだと思うけど
ただ、その彼氏とヒロインがイチャつく描写があったりするとまたいつもの奴が騒ぐと思う

414:名無しさん@ピンキー
10/10/16 03:49:14 IAyZqOPt


415:名無しさん@ピンキー
10/10/16 04:08:09 ggHVuvL9
>>413
いつもの奴乙

416:AAA
10/10/16 04:37:19 wy8t3aCQ
頭に浮かんだことを打ってたら
2話目できました。

417:風の声 第2話「風の出会い」
10/10/16 04:38:18 wy8t3aCQ
県立 烏羽高校
ここが俺が今日から通う高校だ。
俺がここを志願した理由は授業や特色ではなく
とあるスポットに惹かれたからである。

そのスポットは校舎の屋上 通称「風屋根」
ここは、年中風が吹いているというスポットで
原因として挙げられているのが
1.校舎が高校にしては珍しく7階建て
2.周りの地形によって上空に風が舞っている
3.偶然
など、様々に言われているが誰も答えを知らないらしい・・・。

生徒達には「風が強すぎる」という理由で嫌われているらしいが
風好きの俺にとっては最高の癒しの空間である。
俺が風を好きな理由は自分でもあまり分からないのだが
俺の人生にはいつも風が関連している。

俺が生まれた日の天気は台風
何かのイベントの日には高確率で暴風警報が出る。
そんな感じで風とは親しく今に至るというわけだ。

入学式は地獄だった。
隣の“人”とはほぼ0距離だし校長やその他の人たちの話が長いしと嫌な事ばかりだった。
しかも、白髪のせいか、周りの視線をモロに受けることになり、気分が悪かった。

入学式が終わり教室に移動して初めてクラスのメンツが分かった。
男女の割合が50%:50%ときれいに別れていたり、
俺以外にも髪の色が黒以外の人間が若干いたりと
動物園にいる感覚で見て楽しむことができた。

担任からの挨拶も済み、休み時間になった時だった、
俺は志願の理由でもある「風屋根」に行こうと机の上を少し片付けている時だった。

「ねぇ、ちょっといいかな?」

418:風の声 第2話「風の出会い」
10/10/16 04:39:05 wy8t3aCQ
声のしたほうを振り向くとそこには腰の辺りまで伸ばした髪が印象の少女がいた。
どっかで見た気がするのだが、あまり関わりたくないので無視して行こうとした時だった。
いきなり腕をつかんで逃げられないようにすると、今度は顔を覗き込んできた。

(ジーーーーーッ)
「な、何なんだよ・・・」
「やっぱりそうだ♪」
(何が?)

彼女はつかんでいた俺の腕を放し笑顔で話しかけてきた

「今日の朝、私のことを・・・って、どこに行くの!?」
(お前には関係ないだろ)

彼女が腕を話した瞬間、俺は「風屋根」に向かって移動を開始、
聞こえた質問に心の中で返答した後、早歩きで「風屋根」に向かった。

「まだ話が終わってないんだけど!」

振り向くと同時に今度は両腕をつかまれ、さっきよりも強くホールドされた。

「今日の朝、駅の階段で私のことを助けてくれた人だよね?」
「・・・知らねぇよ」

視線を逸らしながらおれはつぶやく。
朝から入学式という地獄のイベントで“人”といたのに、
休み時間まで“人”と一緒にいるなど冗談じゃない。
そして、そんな考えを一切察知しない彼女・・・もう“人”でいいや。
目の前の“人”は話を続ける

「うそ。そんなに目立つ白髪の人そういないよ。
それに、同じ学校の制服も着ていたしね。」

さらに、顔を近づけてくる。
すこし“人”の臭いがして気持ち悪くなってきた。
そのときだった。

「キーン コーン カーン コーン」

予鈴に気をとられた“人”は俺をつかんでいる腕の力を少し緩めた。
おれはその機会をのがさずに逃げることに成功。したと思ったのだが
俺とその“人”は同じクラスだったため教師が来るまで
ずっと傍にいて質問攻めされるハメになった。
無視し続けるというのも結構大変なものだとその時知った・・・

帰りのHRが終わると同時に俺はダッシュで教室を抜けて「風屋根」へ向かった。

419:風の声 第2話「風の出会い」
10/10/16 04:42:34 wy8t3aCQ
屋上は開放されていて自由に出入りすることができる。
ドアを開けると同時に無数の風が入ってきた。
今日の「風屋根」には雨のように上から叩き付けるような風が吹いていた。
気を抜くと叩き付けられそうな感覚になるほどの強風だ。
生徒達に不満を言われているこの風も、俺にとっては友人同然だ。

(・・・・・)
声が聞こえた気がした。風の声だ。
風の声は俺にしか聞こえない。 という設定になっている。
本当に聞こえるわけではないが、風の吹く強さ、角度、暖かさで
何て言っているのかを創造するだけのいわゆる遊びみたいなものだ。
会話はできないが風を“読む”ことはできる。
今吹いている風からこの後の天気を当てたりすることはできるので
現実的には“会話”というよりも“感じて当てる”といったほうが正しい。

「ヨッ」
(・・・・・)
「へ~そうなんだ。」
(・・・・♪)
「え、マジで!?」
(・・・!?)
「なるほどねぇ」
(^0^)
「今、何て言った?」
(・・・ww)

会話に夢中になっている時だった。
「ギィ・・・」
振り向くと屋上出入り口のドアが開いていてそこに人が立っていた。
(まさか、見られた!?)
「あ、見つけたーーー!!」

420:風の声 第2話「風の出会い」
10/10/16 04:43:18 wy8t3aCQ
この声には聞き覚えがある
俺のことを2回もホールドしたあの“人”だ。

「まさか、不人気スポットの「風屋根」にいるとは、考えも・・・」

“人”が話している時、風の向きが上から真横へと変わった。

「あ、風の奴、遊んでいやがるな・・・」
「キャーーーーーーーーーーーーー!!」

視線を風から“人”へと戻すとスカートの端を押さえて耐えているところだった。

「ちょっと、何とかしてよ。その変な力で。」
「何とかって言われても・・・変な力!?」

もしかして、さっきの会話のことを言っているのだろうか?
でも、本当に会話しているわけじゃないから、どうにもできないんだよな・・・

「・・・・・(考え中)」
「早くしなさいよ!!」
(うるせぇ(怒))

(多分効かないけどやってみるか・・・)

考えた結果、風に話しかけるという方法に決定。

「・・・少しだけ大人しくしてくれないか?
 出来ないのなら・・・分かっているよな?」

・・・・・

やはり効果なし、そう思った時だった。
急に静かになり、さっきまでの暴風が微風になっていた。

(ウソ!?)

そう思うや否や、俺の体はまた勝手に動いていた。
風でぼさぼさ頭になっている“人”の首根っこをつかんで校舎内に放り込んだ。
それに続いて、自分も校舎に入ると同時に微風が暴風に戻りだした。

421:風の声 第2話「風の出会い」
10/10/16 04:44:01 wy8t3aCQ
(風が俺の声を聞いた?)
「すごい風だったわね・・・」
(偶然だよな?)
「朝、髪型セットするの苦労したのに~(泣)」
(俺って、風使いかなんかなのかな?)
「ちょっと、聞いてんの!?」

耳元で“人”の大声。鼓膜にものすごいダメージが・・・

「あなたさぁ、もしかして人のことを怒らせて楽しんでる?
 絶対そうよ。じゃなきゃ2回も3回も連続で無視なんかしないよ」
「別にそういうつもりじゃない・・・」
「じゃあどういうつもりよ?」
「・・・」

“人”とは必要以上に関わりたくない と直球で言えたらどんなに楽か・・・

「つうか、あなたを責めに来たわけじゃないし。」
「え?」
「朝のお礼、まだ言ってなかったでしょ。
 助けてくれてありがとう。あの時のあなた体調悪そうに見えたけど
 大丈夫そうね♪」
「だから、あれは俺じゃない・・・」
「・・・ツンデレ」
「は!?」
「素直じゃないね~。思いっきりデレデレしていいのに。」

よく分からないことを言い出したのでとりあえず教室に鞄を取りに行くことにした。
鞄を取ったら即行で帰る。そしてこの“人”とおさらばだ。

「あ!ちょっと待ってよ」
(まだ あんのかよ!?)
「私、大空 舞(おおぞら まい)あなたは?」
「・・・」
「フー太くんだっけ?」
「風魔! 風魔 翼だ!・・・あっ」
「フフッ、よろしくね翼君♪」

こうして“人”・・・じゃなくて、
“大空”が俺の友達(?)になった・・・

422:AAA
10/10/16 04:45:23 wy8t3aCQ
以上です
改行が多かったために
結構分解しました(TT)

423:名無しさん@ピンキー
10/10/16 06:49:27 lMMEr+pP
GJ!
風魔さん普通に見たらただの厨二病なのになぜかかっこ良い•••不思議

424:名無しさん@ピンキー
10/10/16 07:42:53 k4kbX1nW
痛いのは変わりない

425:名無しさん@ピンキー
10/10/16 08:39:15 Wv8SlN8Q
GJ!
風魔がこのまま大空を無視し続けて病ませるのも一向だな

426:名無しさん@ピンキー
10/10/16 18:44:34 IAyZqOPt


427:名無しさん@ピンキー
10/10/16 18:54:32 1bG4IYKk
この作風、それに間の抜けたようなわざとらしい初歩的な質問
これは間違いなく一万年・・・
遂に奴が上陸してきたのか


428:AAA
10/10/16 20:01:05 wy8t3aCQ
「風の声」を保管庫に移したいのですが
やり方教えてください。m(_ _)m

(知識のない自分に腹が立つ・・・)

429:名無しさん@ピンキー
10/10/16 20:03:53 sXdXAcM6
>>428
まとめwikiのほうでページ作ってコピペすればおk
ページの作り方は@wiki初心者ガイド見るなりして調べれ

430:名無しさん@ピンキー
10/10/16 20:17:53 fUNPOAMN
あれって有志の人がやってくれてるんじゃなかったの?

431:AAA
10/10/16 20:22:11 wy8t3aCQ
人気のある小説なら有志でやってくれるかもしれないけど
自分みたいな初心者が書いた小説を有志でやってくれるような
人はいないような気がして・・・(泣)

432:名無しさん@ピンキー
10/10/16 20:33:12 99jVOUJd
いらっ

433:名無しさん@ピンキー
10/10/16 20:40:30 fUNPOAMN
管理人さん等がやってくれてるとしたら、そんなハブられ方はしないハズです。
故にしばらく待てば何もせずとも載ると思います。

434:名無しさん@ピンキー
10/10/16 20:44:39 1bG4IYKk
キャラの名前からして、完全に一万年と二千年前から愛してるw

435:名無しさん@ピンキー
10/10/16 21:58:15 Wv8SlN8Q
>>431
自虐は控えた方が良いよ。イライラするからね

436:名無しさん@ピンキー
10/10/16 23:15:11 LzrGOSkE
>>431
自分が初心者で初投下だったときもしっかり保管庫に保存してもらえたから心配する必要はないと思いますよ

437:名無しさん@ピンキー
10/10/17 00:05:24 Rtwc9QuU
そういう事書く奴がいらっとする

438:名無しさん@ピンキー
10/10/17 00:15:41 +hX/+mNV
わらた
いらっとするなら流せよ
何時から人はこんなに傲慢になった

439:名無しさん@ピンキー
10/10/17 00:29:42 jy6udeRZ
自作自演だから

440:名無しさん@ピンキー
10/10/17 01:21:02 TIR1CMlE
ヤンデレのキャラとかキャラの名前とかは自分で考えるんですか?

441:名無しさん@ピンキー
10/10/17 01:41:12 Smr8xlT3
321 名無しさん@ピンキー 2010/10/17(日) 00:06:01 ID:s3o5Hd8/
おい、一万年がヤンデレスレ連載しているぞ
322 名無しさん@ピンキー sage 2010/10/17(日) 00:15:13 ID:jy6udeRZ
一万年は本気でヤンデレスレを潰すつもりだ
初心者は装っていちいち書き込んでいる時点でねあいつの手口だからな
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 第57章
URLリンク(speedo.ula.cc)

442:名無しさん@ピンキー
10/10/17 01:56:00 Smr8xlT3
208 名無しさん@ピンキー sage 2010/09/23(木) 14:05:23 ID:5xE0blwI
まさに廃墟だなぁ
ところで、うなぎ呼び込んだのは俺だって知ってた?
修羅場スレの名前出したらホイホイ荒らして痛快だったよ
ほんと馬鹿だよね
209 名無しさん@ピンキー sage 2010/09/23(木) 20:44:22 ID:pcX6UvQK
おぉ、あの時の君か
つい口車に乗っかっちゃって、ちょっと味見だけして立ち去るつもりだったのに
ちょうどタイミング的にまずかったのな
いや、それにしても懐かしいなあ
210 名無しさん@ピンキー sage 2010/09/23(木) 22:54:37 ID:pcX6UvQK
で、ヤンデレスレを荒らしてるのも君なんだろ?
ウナに荒らしの片棒担がそうとしてるんだろうけどダメだよ
一万年の時みたいに正当な理由がなきゃ、ただの荒らしになっちゃうから

443:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:02:24 +hX/+mNV
案の定現れるコピペ野郎
お前面白いと思ってやってんの?
つまんねって言われたいからやってんの?
おしぇなさぃ!

444:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:03:23 N32wj6xp
嫉妬スレってどうしてああなったの?

445:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:03:54 SvY9oldK
だから、自作自演

446:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:15:46 Smr8xlT3
660 :一万年と二千年前から愛してる :2007/11/04(日) 19:39:18 ID:05FfID3Hトリップってどうやって付けるんですか?
661 :名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:47:14 ID:5ACv94C+名前欄に半角シャープ+適当な文字列
#aaaaa
↑こんな風にやる
あとこれからわからないことは人に聞く前にググルのがオススメ
ググルというのはグーグル検索で調べるという意味ね
662 :名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:47:33 ID:Q3b4+tozおいおい仮にも18禁板なのにトリも付けれないガキが紛れ込んでるのか
663 :一万年と二千年前から愛してる :2007/11/04(日) 19:51:58 ID:05FfID3H餓鬼じゃないです。機械に弱いだけです
664 :一万年と二千年前から愛してる♯kimeenndayo:2007/11/04(日) 19:53:16 ID:05FfID3Hテスト
665 :一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 19:54:15 ID:05FfID3H間違えた?
666 :一万年と二千年前から愛してる :2007/11/04(日) 19:54:56 ID:05FfID3Hこれをやるとどうなるんですか?
667 :一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 19:56:28 ID:05FfID3Hテストその2
668 :気象予報士 ◆Wm/bvCu4Dw :2007/11/04(日) 19:56:34 ID:5ACv94C+NG推奨
669 :一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 19:57:00 ID:05FfID3H意味がわかりました。ありがとうございました
670 :名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:57:19 ID:RrgrFqjBいくらなんでも滑稽すぎるなお前

447:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:23:10 4JqgRL8e


448:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:25:51 SvY9oldK
こりゃ、ヤンデレスレも終わったな

449:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:30:41 Njlz5ZEv
調子に乗りすぎだからなぁ、潰してやるぜ

450:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:36:45 +hX/+mNV
潰すとか言っちゃってかっこいいね
つぶしてごらん

451:名無しさん@ピンキー
10/10/17 03:34:49 TK7/gFOi
潰してやるぜ(キリッ

452:名無しさん@ピンキー
10/10/17 04:10:20 MAQtqKiN
171 名前: ◆ AW8HpW0FVA 2010/10/16(土) 23:55:43 ID:YB2ktEFg0

規制されました。前回、今週の日曜日に投稿すると書きましたが、
まだ完成しておらず、ここにも投稿出来ません。


453:名無しさん@ピンキー
10/10/17 05:34:58 b+Pm8j5U
なんだかんだで荒らされてもなんとかなってたヤンデレスレも終わりかな。

454:名無しさん@ピンキー
10/10/17 05:47:47 XypQqTvq
住民の質も最悪だしもう潰れていいよ

455:名無しさん@ピンキー
10/10/17 06:21:01 RzM2ZvG7
ここで終わりとか未完の作品も新作も見たいのに•••
作者がみんなどっか行っちゃったならもうだめなのかもしれない

456:名無しさん@ピンキー
10/10/17 06:49:26 +EZKxZD4
お前らの雑談なんてどうでもいい

俺はSSが読みたいんだよ さっさと投下しろ。いや、投下してくださいお願いしまする

457:名無しさん@ピンキー
10/10/17 07:16:22 C4xaQpAz
日曜日最高!!
ちょっと監禁されてくる

458:名無しさん@ピンキー
10/10/17 08:57:55 fQ/rajZ9
政府に監禁されるのか

459:名無しさん@ピンキー
10/10/17 11:00:42 28p/+m5j
突然だがおまえらの好きなヤンデレってどういうの?
ちなみに俺はおとなしい子が豹変するのが好きでつ


460:名無しさん@ピンキー
10/10/17 11:28:40 8P1WwQ+7
>>459
幼馴染のヤンデレは至高だと考える

461:名無しさん@ピンキー
10/10/17 11:29:07 bDaU1qYx
わたしは、なんとなくこの娘いいな~って思った娘ですね

例えば、『ぽけもん黒』の香草さんとか、『ヤンデレの娘さん』の三日さんとか
他にも好きな娘は沢山いますけどね

特にこういったタイプが一番好き、というのはないですね

462:名無しさん@ピンキー
10/10/17 11:43:42 q2kKdqik
ツンデレがヤンデレになっていく過程こそが至高

463:名無しさん@ピンキー
10/10/17 12:32:00 DJ87pfUp
風の声いいですね!

執筆頑張ってください!!

464:名無しさん@ピンキー
10/10/17 13:44:12 QZzCXZfH
僕はアマガミの上崎ちゃん!



ストーキングと他の女の排除を「仕方ないよね」の一言で、自重しない、テンプレみたいなヤンデレだけど、だがそれが良い!

最後ちゃんとハッピーエンドになるのもベネ。


465:名無しさん@ピンキー
10/10/17 14:25:41 XG7ChRsF
俺は「風雪」の加藤レラのような、主人公をいじめて周りを寄せ付けないようにするタイプだ。こういうのは主人公にはかなり嫌われるから拒絶された時の暴走がたまらん

466:名無しさん@ピンキー
10/10/17 16:00:46 TIR1CMlE
え~と・・・・・SS投下していいですか?
とゆうか投下しますよ?
キャラは、オリキャラのほうがいいんですよね?
タイトルは「歪んだ愛」ってかんじのたいとるでいきます。

467:名無しさん@ピンキー
10/10/17 16:06:15 7Nay1Pj1
いいよ~じゃんじゃん投下してって~
……むしろしてください。

468:名無しさん@ピンキー
10/10/17 16:07:35 rSLUzRw3
         ∧_∧   ┌──────
       ◯( ´∀` )◯ < 僕は、大倉都子ちゃん
        \    /  └──────
       _/ __ \_
      (_/   \_)

469:名無しさん@ピンキー
10/10/17 16:46:11 XisNqYOX
テスト

470:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/17 16:50:20 XisNqYOX
ヤンデレ作品に感化され、自分も作ってみようと思いました。
タイトルは日常に潜む闇
生温かい目で見守ってください。
では投下します。

471:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/17 16:54:45 XisNqYOX
日常に潜む闇 第1話

4月―それは新年を迎える1月と似ていて、世の中が何かと新しいものに変わる時期だ。
特に、日本では4月が1月以上に重く見られているような気がする。
 そんなことを考えながら、久坂誠二(くさか・せいじ)は桜並木の下を歩いていた。
 周囲を見回せば、まだシワが寄っていない真新しい制服を身につけた男女がちらほらと見える。実に微笑ましい光景だ。
 なんてことを思っている誠二だが、彼もまた彼ら彼女らと同様、久遠坂学園高等部の入学生である。
 久遠坂学園は久遠市の西側に位置する私立学校で、小高い丘の上に広大な面積を持つマンモス校だ。
 小学校に相当する初等部からいわゆる大学である大学部までが揃っており、
桜並木の正門から敷地内に入って、左に初等部、右に中等部、その奥の両サイドに高等部があり、寄宿寮となぜか学園内に立地している商業区を間において大学部が一番奥に存在している。
 これだけ広いと、外部から通学している者にとっても寮住まいの者にとっても徒歩は厳しいらしく、
バスや路面電車という公共交通機関が堂々と設置されている。
 それでいて授業料やその他諸々の費用は一般的な私立と同じか、
もしくはそれより若干休めだというのだから驚きである。
 さすが数の暴力といったところだろうか。
 誠二はとりとめもない思考を続けながら、学園の門をくぐる。学生証に内蔵されている非接触型ICで身分証明を行うことによって通れる、改札口がとても新鮮だった。


472:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/17 16:56:54 XisNqYOX
「ここが、久遠坂学園……」
 誠二は目の前に広がる教育施設群、そして見渡す限りの人に感嘆を漏らした。
 と、その時背後からいきなり声をかけられた。
「うむ。その通りだ。ここが君たちの学び屋の園となる久遠坂学園だ。
 学園にようこそ、新入生君」
 驚いて、後ろを振り返る。
 そこにいたのは長い黒髪が特徴的な高等部の女子生徒。
 彼女の周囲の空気はピンと適度に張りつめて澄んでいる感じがした。
「ええ、と……ありがとうございます」
 しかしいきなり見知らぬ人、もとい見知らぬ先輩となる人物に声をかけられ、返答に窮する誠二。
 とりあえず歓迎はされたのでお礼だけは言っておこうと思った。
 見知らぬ先輩はそんな誠二の返し方に一瞬キョトンとしたが、何がおかしいのか口に手を当てて笑い始めた。
「くくっ。なるほど、噂どおりに面白い人物だな、君は」
 そして踵を返す。
「また後で会おう、久坂誠二」
「え? あ、はい」
 後ろ手を振って立ち去る見知らぬ先輩の言動について行けず、未だに混乱する誠二だったが、ふと疑問が浮かぶ。
「あの人なんで僕の名前知ってたんだ?」
 あんな感じの人と以前会っただろうかと記憶を探ろうとするが、
 途中で入学式の会場に早く行かないといけないことを思い出して誠二はその場を足早に去った。


473:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/17 16:58:29 XisNqYOX
「君も相変わらず物好きだな、天城君」
「いいや、貴方ほどではないさ。生徒会長」
 生徒会長と呼ばれた男子生徒は手にしていたペットボトルの紅茶を軽く口に含みながら、その真意をうかがい知ることが出来ない微笑みを浮かべている。
 生徒会長に対して、苦笑を浮かべたのは何とも口調が男勝りな、
誠二に話しかけてきたあの女子生徒だった。
「そろそろ時間だ。可愛い後輩たちを迎え入れるとしよう」
 二人がいるのは舞台袖。隙間から会場内を見ればすでに満員御礼だ。
 ペットボトルを傍の机に置き、生徒会長は気を引き締めるようにネクタイを軽く締める。
「久坂会長、よろしくお願いします」
 静かに告げるように声をかけて来たのは司会進行役の女子生徒。
いつの間にか舞台袖に移動していたようだ。
 生徒会長―久坂誠一(くさか・せいいち)は頷くと、高等部の新一年生、総数400名及びその保護者らが待ち受ける壇上へと上がった。
 天城はその様子を、微笑を浮かべて舞台袖の暗がりから見つめるのであった。


474:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6
10/10/17 17:01:10 XisNqYOX
投下終了です。
とりあえず第1話はここまでです。
ヤンデレ成分ねえじゃんよ! フラグ立ってんのかよ?
って思った方。第2話からヤンデレ来ます。たぶん
仕事柄毎日更新とはいきませんが、最低でも週一で更新できるよう頑張ります。

475:名無しさん@ピンキー
10/10/17 17:23:58 HrfmDwM7
投下gj

楽しみにしとく

476:名無しさん@ピンキー
10/10/17 18:24:34 fQ/rajZ9
>>466
どうした!投下が無いぞ!

あと序でに触雷!と我が幼馴染も

477:名無しさん@ピンキー
10/10/17 18:47:41 4JqgRL8e


478:名無しさん@ピンキー
10/10/17 19:36:03 uQNMnJ63
>>470
GJ!


479:名無しさん@ピンキー
10/10/17 19:36:46 Avl9f+Lt
GJ!
毎週の楽しみにするb

森山家の青少年…

480:名無しさん@ピンキー
10/10/17 21:27:22 28p/+m5j
>>476
物語の女性に嫉妬したヤンデレに監禁されてんだよ
そして『逃げようとしては捕まり』を繰り返しているに違いない
投下が無いのはそのせいだろう。

481:名無しさん@ピンキー
10/10/17 21:33:51 xdapsScS
wikiの抜けを更新しようと思ったが方法がわからない・・・
失敗して全部消えるとかしたらどうしよう

482:名無しさん@ピンキー
10/10/17 21:43:59 S1Q4CLoB
失敗したら諦めてどっかで救援求めれ
基本新規にページ作成してコピペしてリンク貼るだけだ

483:名無しさん@ピンキー
10/10/17 21:46:37 xdapsScS
やってみるわ

484:名無しさん@ピンキー
10/10/17 22:29:31 25UuKEdV
触雷!来ないかねぇ?
新しいSSと並行は大変だと思うが

485:名無しさん@ピンキー
10/10/17 22:33:35 xdapsScS
>>482
更新する勇気をくれてありがとう

486: ◆Uw02HM2doE
10/10/17 22:46:34 W3t7prb6
こんばんわ。「リバース」を投下している者です。
もうすぐハロウィンということで今回は短編を投下します。
よろしくお願いします。

487:Vampire☆Generation ◆Uw02HM2doE
10/10/17 22:47:51 W3t7prb6

「吸血鬼……ってお前なぁ」
昼休み。
多くの学生が友人や恋人と一緒に昼飯を共にすることで、絆を深める時間帯。
そんな時間に市内の高校二年生である俺、朱神光(アカガミヒカル)は胡散臭い話を聞いていた。
「いやいや、これが本当なんだって!騙されたと思って!な、頼むよ主人公!」
俺の目の前で手を合わせ懇願してくるのはクラスメイトで悪友の向井太一郎(ムカイタイチロウ)だ。
コイツは様々な所に情報網があり、いつも面白い話を持って来ては一緒にやろうと持ち掛けてくる。
……まあその情報の7割くらいがガセネタもしくは噂と全然違ったりするのだが。
「お前の話に乗って得した試しがないからな。つーか"主人公"は止めろ」
先程1階の購買で買ってきたカツサンドの封を開けながら太一郎と話す。
ちなみに"主人公"というのは最近クラスで流行っている俺のあだ名だ。
俺の本名、朱神光は確かに読もうと思えば"シュジンコウ"と読める。
全てはこの前教育実習で来た大学生が俺の名前を「じゃあ次……シュジンコウ君!」とか言ったのが発端だった。
「まあまあ。で、乗るか?吸血鬼退治」
「……まあ良いけど」
目を輝かせながら俺に迫ってくる太一郎。こうなるとコイツは相手が頼みを聞いてくれるまで、ずっと詰め寄って来る。
ここは潔く早めに降参するのが得策だったりするのだ。
「流石!話が分かるね光君は」
「結局強制イベントになるだけだからな。……近付くんじゃねぇ」
俺の肩を叩きながらさりげなくカツサンドを取ろうとする太一郎を牽制する。
「つれないなぁ。じゃあ今日の10時に例の屋敷前で!」
「はいはい……」
溜め息をつきながらも何だかんだ太一郎との冒険に心を躍らせている自分がいた。
だからいつまでもコイツとつるんでいるのかもしれない。
「……我ながら物好きだな」
そんなことを思いながら窓に広がる青空を見上げた。



この市内には囁かれている噂が一つある。
それは最近この辺りに真っ赤な目を持ち、夜中に市内を徘徊する"吸血鬼"がいるというものだ。
数多の目撃証言もあり、この近辺で闇夜に怪しく光る赤い目を見ているそうだ。
しかし"吸血鬼"と囁かれる由縁は赤い目だけではなく、近辺で最近怒っている殺人事件の影響もある。
被害者は皆首筋に小さな穴を二つ開けられ、いずれも血が抜かれていた。
以上二つのことから巷では「赤い目の吸血鬼が血を吸いに来た」と騒がれているらしい。

488:Vampire☆Generation ◆Uw02HM2doE
10/10/17 22:48:49 W3t7prb6

「……寒っ」
時刻は午後10時5分。待ち合わせの時間を5分過ぎても太一郎はまだ来ていなかった。
「しかしでかい屋敷だな……」
見上げるとそこには学校ほどもありそうな巨大な西洋風の屋敷があった。
太一郎が言うには赤い目をした吸血鬼がこの屋敷に入っていく所を見た人がいるらしい。
「……でも退治って…どうするんだ?」
有り得ないが仮に吸血鬼がいたとして、果たしてどうやって倒せば良いのだろうか。
太一郎は「ニンニクでなんとかなる!」とか力説していたが。
「……遅いな」
「こんばんは」
「うわぁぁあ!?」
いきなり後ろから声をかけられ思わず叫んでしまった。
振り返るとそこには黒髪に日本人形のように端正な顔立ち、そして真っ赤な目をした少女が立っていた。
「……き、吸血鬼…」
「ふふっ」
俺の言葉に彼女は微笑んだ。そしてゆっくりと俺に近付いてくる。
俺はまるで蛇に睨まれた蛙のようにその場から一歩も動けない。
俺は思った。どうせ死ぬならやりかけだったRPGをやってから死にたかった、と。



「どうぞ、紅茶には自信があるんです」
「あ、どうも……」
広い屋敷の一室。恐らくは客間に俺の姿はあった。
目の前には金で縁取られた豪華な机の上に仄かに甘い香りの真っ赤な紅茶が置かれている。ソファーもとても坐り心地が良い。
そしてすぐ左には先ほどの"吸血鬼"っぽい少女が微笑みながら座っていた。
「それで朱神君はどうしてこの屋敷に?」
「え、えっと……」
結局血は吸われず何故かこの少女、紅野香織(ベニノカオリ)さんにお茶に誘われた。
断ろうしたのだが紅野さんは家族を事故で無くしこの屋敷に数人の使用人と住んでいるようで、寂しいから是非と言われてしまい断りきれなかったのだ。
たわいのない世間話やお互いの自己紹介をしながら紅茶を飲む。今まで体験したことがない雰囲気に思わず緊張していた。
「……気に障ったらごめんなさい。誰かと話すの久しぶりでどう接して良いか分からなくて……」
「あ、その……別にそんなんじゃないんで!」
悲しそうな紅野さんの顔を見ていると何故か慰めなければいけない気がしてしまう。
結局、その場の雰囲気に流され1時間ほど話し込んでしまっていた。

489:Vampire☆Generation ◆Uw02HM2doE
10/10/17 22:49:56 W3t7prb6


「って感じでこないだも失敗しちゃってさ」
「ふふっ、外の世界は面白いことが一杯なのね」
紅野さんの笑顔を見てほっとする。生まれつき彼女は日中外に出られない病気で、夜に近辺を散歩していたらしい。
どうやら紅野は巷で噂の"赤い目の吸血鬼"のようだ。まあその噂自体がやはりガセ……というか"吸血鬼"ではなかった。
太一郎が聞いたらさぞかしガッカリするだろうが。
「面白いっていうかむしろ……んっ?」
携帯が振動している。電話だった。画面には『向井太一郎』と表示されている。
「電話?どうぞ出て。紅茶のおかわり、煎れてくるから」
「あ、うん。じゃあちょっと電話してきます」
席を立ち廊下に出る。部屋と違って薄暗く肌寒いのであまり長居はしたくなかった。
「……はい、もしもし」
『!光か!?やっと繋がった!今何処にいるんだ!?』
出ると間髪入れず太一郎が話し始めた。声は若干上擦っており普段おちゃらけている太一郎が珍しく焦っているのが分かった。
「何処ってあの屋敷だけど。お前こそ今何処に―」
『今すぐにその屋敷を出ろ!!』
「お、おい……一体どうしたんだよ?」
普段聞いたことのない太一郎の怒鳴り声。一体何があったのだろうか。
『話は後だ!とにかく早く逃げろ!じゃないと―』
「電話、終わりましたか」
「あ、もうちょっと……えっ?」
『っ!?まさか目の前にいるのか!?』
振り返るとそこには確かに紅野さんがいた。
でも彼女の目は先ほどの穏やかさとは打って変わって、まるで獲物を捕らえようとする狩人のようだ。
張り付いたような笑みを浮かべこちらに近付いてくる。そう、俺達が出会った時のように。
「紅野……さん?」
「香織、で良いよ?光君」
『光逃げ―』
一瞬だった。
右手から携帯が吹っ飛びそのまま壁にたたき付けられ、破片をばらまきながら床に落ちる。
目の前にいる紅野さんを見て始めて彼女が携帯を吹き飛ばしたのが分かった。
「随分友達想いなのね、彼。でも私たちには必要ないわ」
「……あ」
紅野さんが右手を前に出す。その手には凄まじい電気を放つ黒い塊があった。
「長かった……。でもこれでやっと幸せになれる」
動けない。恐怖からだろうか。それとも諦めからだろうか。ただ心臓だけが早鐘のように脈打っている。
「光君。私はね、"吸血鬼"なんだよ?」
「……っ!?」
身体に衝撃が走る。意識が遠くなっていく。最後に見たのは"吸血鬼"の冷たい笑みだった。

490:Vampire☆Generation ◆Uw02HM2doE
10/10/17 22:50:58 W3t7prb6

今に始まった事件ではなかった。調べていく内に分かったこと。
それはこの地域で約20年周期で"吸血鬼"の噂が流れるということ、そして同じ時期に首筋に二つ穴を開けられた死体が見つかることだった。
つまりこの"吸血鬼"事件は20年周期でこの地域に起こっていたのだ。
「はぁはぁ……!」
闇夜の中をがむしゃらに走る。1時間程電話してやっと出た友人は絶体絶命だった。
「待ってろ光!」
更に今までに犠牲になった人は全て女性。
そして最後にその女性たちと近しい男性が行方不明になり、事件はピタリと止む。
今回の犠牲者は全て光の知り合い、もしくは友達だった。
つまり"吸血鬼"のターゲットは朱神光に違いない。
「後少し……!」
角を曲がるとそこには大きな門と屋敷があった。そして入口には赤い目をした少女が不適な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「こんばんは。光君のお友達?」
「はぁはぁ……!光は……何処だっ!?」
少年、向井太一郎は必死の形相で叫ぶ。それでも少女、紅野香織は顔色を変えず言葉を紡ぐ。
「光君は私の物になりました。母様も祖母様もやった、紅野家の儀式。これで私もようやく幸せになれます」
「ぎ、儀式……?」
香織は嬉しそうに話を続ける。太一郎は困惑しながらもその話を聞くしかない。
「一目惚れでした。ある日窓の外から見た彼が、光君が忘れられなくて。使用人に調べさせてからも私の気持ちは高ぶるばかり」
「……狂ってる」
香織は頬を染めて恍惚な笑みを浮かべていた。
太一郎は思う。彼女は根本的に何かが崩れているのではないのか、と。
「光君は日に当たれない私に文字通り光をくれたんです。絶対に離しません」
「……最近起きている猟奇殺人はアンタの仕業か」
「……ああ、彼に言い寄るあのクズ達なら、吸血鬼の仕業にして使用人達が掃除してくれました。母様や祖母様の時と同じだから、慣れたものですよ」
何が可笑しいのかクスクスと笑い出す香織。太一郎の中で疑惑は確信に変わっていた。
間違いなく今回、いやこの地域に20年周期で起こっている"吸血鬼"事件は紅野家の仕業だということを。
「光は何処だ」
「……何故貴方にこんな話をしたと思いますか」
「一体何を」
人の気配を感じる。気付いた時には黒服を着た男達に囲まれていた。
「確かに私は"吸血鬼"。だって日に当たれなくて、赤い目をしている。だから」
「くそっ……!?」
香織が手を挙げると同時に黒服が一斉に懐から何かを取り出す。太一郎にはそれがサイレンサー付きの銃だとすぐに分かった。
「最期に貴方の血を頂戴?」
そして何かの音が数回した後、街には静寂が戻っていた。

491:Vampire☆Generation ◆Uw02HM2doE
10/10/17 22:52:06 W3t7prb6



光の姿を最後見てから随分時間が経った。
結局俺は殺されず、散々痛め付けられた後解放された。
どうやら光のおかげで殺されずにすんだようだった。
退院してすぐにあの屋敷に行ったがもぬけの殻、むしろ近所では元々誰もあの屋敷に住んでいないことになっていた。



「お疲れ様でした」
定時に仕事を終えて帰宅する。あれからどれくらいの時間が流れたのだろうか。
俺はずっとあの場所、朱神光がいなくなったあの時間に縛られている。

「……また来ちまったか」
気が付けば無意識に屋敷に足を運んでいた。
仕事場を屋敷の近くにした時点で、自分自身があの時に縛られていることは明らかだった。
「……光」
屋敷を眺めながらいなくなった友を想う。
何の生産性もない行為。だけれどもこれが日常になってしまっていた。
「こんにちは」
「っ!?」
そんな時、後ろから声をかけられた。
慌てて振り返るとそこには白いワンピースを着た女の子が立っていた。黒い長髪に端正な顔立ち。
そして何よりも特徴的なのは彼女の赤い目だった。
「お兄さん、いつもここに来てるよね?私、お兄さんのこと気になっちゃって」
「……ま、まさか」
何処かで見たことのある顔立ち。
そう、あの秋の日に行方不明になった、"吸血鬼"に捕まってしまった親友を思い出させるのだ。
「私の名前は紅野希(ベニノノゾミ)。よろしくね、向井太一郎さん」
「う、うわぁぁぁぁあ!!」
少女から全速力で逃げ出す。思わず叫び声を上げた。
でも仕方ない、仕方ないのだ。分かってしまったから。次は俺の番なのだ、と。
そう、吸血鬼からは決して逃げられない。きっと次の日には同僚の女性が死んでいるに違いない。
それでも逃げなくてはいけない。出来るだけ吸血鬼のいない所へ。
向井太一郎は闇夜を走り抜けた。かつて友を助けに行くために走った道を逆走する。
今度は自分が助かるために。



「ふふっ、やっぱり面白い人」
そんな太一郎の後ろ姿を紅野希は慈しむように見つめる。
きっと太一郎は希の物になる。何件かの殺人事件と一件の行方不明を残して。
そう、彼女の母親と父親が20年前そうしたように。
「待っててね、太一郎」
吸血鬼は微笑む。誰も知らない彼女達だけの秘密の儀式が始まるのだった。

492: ◆Uw02HM2doE
10/10/17 22:55:13 W3t7prb6
以上です。あまりハロウィンっぽくなかったです。
「リバース」の方はもう少しかかります。もし待ってくださっている方がいたら申し訳ありません。

投下終了します。

493:名無しさん@ピンキー
10/10/17 23:16:53 D5dET+A0
GJ!
楽しかったです!


494:名無しさん@ピンキー
10/10/17 23:39:50 4JqgRL8e


495: ◆0jC/tVr8LQ
10/10/18 01:04:55 nzeKkCQd
前作品との間隔が狭くて申し訳ありません。
触雷!第18話投下いたします。

496:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/18 01:06:05 nzeKkCQd
ジュルッ、ジュルル……ブジュ……
晃は僕の唾液を強く啜ると、逆に彼女自身のを僕の口に流し込んできた。
強引な体液交換だ。僕は黙って飲み込むしかなかった。
「んん……」
「ぷはあっ」
やがて満足したのか、晃は口を離した。
「吸って」
今度は、巨大な胸の先端、ピンク色の突起を僕の口元に突き出してくる。
「あの……」
「グダグダ言わない。黙って吸う」
「…………」
僕は逆らえずに、晃の乳首に口を付けた。
「あんっ……分かってたんだからね。あたしの胸マッサージしてるとき、いつもチンチン固くしてたでしょ?」
「それは……」
口ごもる僕。図星だった。僕だって生物学的には牡なのだ。
年頃の女の子の裸を見て触れて、反応しないで耐え続けるのは至難の技だ。
「フフッ。いいんだよ。責めてるわけじゃないんだから」
そう言うと晃は僕の手を掴み、乳房へとあてがった。
「これからは……ううん。今までもこれからもずっと、これは詩宝だけのものなんだから、詩宝が好きにしていいんだよ」
「…………」
僕は無意識に、晃の胸を揉みしだいていた。
触り慣れているはずなのに、今までと何かが違う気がする。
「んっ、あっ、いいよ詩宝。気持ちいい……」
これは、マッサージと愛撫の違いなのか。
―僕は今、晃を愛撫している……?
違和感が、頭をよぎった。
微妙な、友達同士とも何とも言えない関係が崩れて、僕は気が動転しているのだろうか。
しかし、僕が考えをまとめるのを、晃は待たなかった。
「あはは、もうグショ濡れだわ」
腰を浮かせて、晃は自分の秘所を示す。
そこからは確かに、大量の粘液が滴り落ちていた。
晃のその部分も、僕は何度となく見ているはずなのに、今はまるで印象が違った。
―これは一体、何……?
茫然としていると、晃がいきなり僕のものを握り締めた。
「あひっ!?」
「詩宝もカッチカチだねえ。お互い準備OKってことで、本番いっちゃいますかあ」
晃は何の躊躇も見せず、僕の先端を秘裂にあてがった。
「行くよ……あ、もちろんあたし、これが初めてだからね」
「あ、晃。ちょっと待……」
「うへへへ……念願の詩宝のチンポで脱処。それっ……」
ためらう僕を黙殺し、晃は腰を沈めた。
「あうっ……ちょっと痛いかな。でも凄いカイカン……」
「んんっ!」
僕は眼を閉じ、挿入の快感に耐えていた。
しばらくして目を開くと、破瓜の血が流れるのが見える。晃は少しずつ腰を動かし始めた。
「あっ! いいっ! ううああ!!」
晃の腰の動きは、どんどん激しさを増す。
「ひいっ! そ、そんなに動かさないでっ!」
挿れていると言うより、晃の膣に咥え込まれ、引き摺り回されているような感覚がした。
もちろん、ぶつけられる快感は半端ではない。
「出ちゃう! このままじゃ出ちゃうよっ!」
「あぎいっ! おぐうっ! いいよっ! 中で、あたしのマンコの中でぶちまけてっ!」
僕が限界に達したのは、それから間もなくだった。


497:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/18 01:07:22 nzeKkCQd
どうでもいい授業を聞き流しながら、私は考え事をしていた。
―やっぱり、詩宝さんを連れてくるべきだったかしら?
下手に外に連れ出すと、あのゴキブリメイドに襲われかねないと思って屋敷に残ってもらったが、こうして離れてみると、寂しくてたまらない。
明日からは、詩宝さんと一緒に学校に来よう。そして、私の膝の上に座ってもらって、同じ授業を受けよう。
詩宝さんと私では学年が違うが、詩宝さんなら1年上の授業ぐらい簡単に理解できるだろう。
何なら、校長に命じて詩宝さんを飛び級にさせてもいい。
夫婦なのだから、同じ学年の方が何かと便利だ。
一緒に学校に来ると決まったら、当然休み時間には、人気のない場所で夫婦の営みだ。
詩宝さんの精液をあそこから垂らしながら、何食わぬ顔で授業を受ける私。
ノーパンノーブラのお乳やお尻には、“詩宝専用”なんてマジックで書かれちゃったりして……
そこまで想像したとき、携帯電話のバイブレーターが作動した。メールの着信だ。
開いてみると、エメリアからだった。
『緊急自体です。大子宮おでんわを』
たった1行なのに、エメリアらしくもない誤字また誤字。
何事か分からないが、よほど切羽詰まっているに違いない。嫌な予感がする。
私はすぐに立ちあがり、大急ぎで教室を出た。教師が何か言ったようだが、耳に入るはずもない。
廊下で、すぐにエメリアの携帯に通話を入れた。1コールで彼女が出る。
『お嬢様!』
案の定、エメリアは錯乱状態に近かった。声の調子で分かる。
「落ち着きなさい。何があったの?」
私も思わず冷静さを失いかけたが、それでは会話が成立しない。努めて平静な声で、エメリアに問いかける。
『詩宝様が……屋敷の外に出られました』
「何ですって!」
聞いた途端、一瞬で私の頭に血が上った。もはや冷静さなど無用だ。大声で聞き返した。
「どうして!?」
『総日本プロレスの社長が会長に面会に来られて、帰りに詩宝様を……』
「お父様は、一体何をしていたの!?」
『それが……許可を出されてしまいまして……』
プツッという音が聞こえた。私の中で何かが切れたらしい。
思わず拳を壁に叩き込む。
コンクリートの破片が教室内部に散り、ギャーという悲鳴が多数上がった。
だが、悲鳴を上げたいのはこっちの方だ。
あの馬鹿父め。今、詩宝さんを1人で外に出すことが、どれだけ危険か分かっていないのか。
私がついていない間に、ゴキブリに襲われ、攫われでもしたらどうする気だ。
徹底的に、体に教え込んでやらないと駄目なのか。
いや。私は考え直した。
父を折檻するのは後でいい。今はとにかく、詩宝さんの身柄を確保することだ。
「詩宝さんがどこに行ったか分かる?」
『総日の、本部だと思います』
「分かったわ。すぐに学校に車を回しなさい」
『今向かっています! ソフィも一緒です!』


498:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/18 01:08:45 nzeKkCQd
通話を切ると、鞄を取りに、私は教室に戻った。
何故か、教師と生徒が全員、机の下に隠れていた。
揺れは感じなかったが、地震でもあったのだろうか。
まあどうでもいい。例えマグニチュード8の地震でも、今の私の行動を変えられはしないのだから。
迎えに来た車に乗り、超特急で総日の本部を目指す。
到着すると、すぐさま3人で中に入った。事務員らしい男が何か話しかけてくる。
「何よ?」
振り向いて聞き返すと、相手は口から泡を噴いて失神した。何かの持病だろうか。
構っていられないので、そのまま社長室に向かう。すると、今度はプロレスラーらしい男が前に立ちふさがった。
「おい、ここは関係者以外立ち入り……」
邪魔だ。拳で顎を打ち抜いて沈黙させた。
それからも、やたら筋骨だけはたくましい男達が何人も私達を阻もうとしたが、そのたびに全て、私かエメリアかソフィが打ち倒した。
社長室のドアを蹴破ると、中で社長の長木が震えている。
「詩宝さんはどこ!?」
「あの、これは中一条のお嬢様。実は……」
ソフィは長木に近寄り、右手の人差し指を掴んで無造作にへし折った。
「ウギャアアアアア!!」
「ボスは、詩宝様はどこかとお聞きですけど?」
「ひいい……ま、ま、待ってください……」
ソフィは中指もへし折る。
「ギエエ!!」
「早く言いなさい。今なら靴の紐ぐらい結べるわよ」
エメリアが傲然とした口調で言うと、長木はようやく白状した。
「と、と、堂上の家ですっ!」
堂上晃。詩宝さんと一緒のクラスの、あいつか。
男だから、詩宝さんと会話するのを容認してやったのに、その恩を忘れて詩宝さんを連れ出し、あまつさえ自分の家に引っ張り込むとは。
何という恥知らずの輩だろうか。一度思い知らせてやらねばなるまい。
「行くわよ」
「はい」
「イエス」
失禁と脱糞を繰り返しながら気絶する長木を置き去りにし、私達は社長室を出た。
ビルの出口にたどり着くまで、数十人の重軽傷者が呻いていたが、当然全て黙殺する。
総日も、所属のレスラーが素人の女子高生に倒されたなんて公表したくないはずから、表沙汰にはならないだろう。
再び車に乗った私達は、堂上晃の家に殺到した。
インターホンを押したが、誰も出ない。留守のようだ。あるいは居留守を使っているのか。
個人の邸宅ともなると、私でも迂闊に押し入ることはできない。仕方ないので玄関から離れた場所に車を停め、様子を見ることにした。


499:触雷! ◆0jC/tVr8LQ
10/10/18 01:10:21 nzeKkCQd
しばらくすると、また私の携帯電話が震え出した。
今度は電話だ。非通知である。
苛々していた私は、思わず電話口で怒鳴ってしまった。
「誰よ!?」
『ひっ! あ、あの……』
しまった。
詩宝さんの声だ。間違えようもない。ずっと聞きたかった詩宝さんの声。
詩宝さんの方から、わざわざ私に連絡を取ってくれたのだ。
それなのに、私はきつい口調で話してしまった。脅えさせてしまったようだ。激しく後悔するが、もう遅い。
私は慌てて取り繕った。
「え……詩宝さん? ご、ごめんなさい。非通知だから詩宝さんだって分からなくて……」
詩宝さんからの返事はなかったが、早く逢いたい私は、先を続けた。
『ずっと探しているんです! 今どこにいるんですか!?』
「あ、あの。それがですね……ちょっと病院に行ってまして……」
病院と聞いて、私は気が動転した。まさか詩宝さんが、病気にでもなったのではないかと思ったからだ。
詩宝さんが風邪をひいたと聞いたときでも辛かったのに、もっと重い病気だったら、私は正気を保っていられないだろう。
『病院!? どこか悪いんですか? だったらすぐうちの系列の病院に……』
「いえ、そうじゃないんです」
詩宝さんは否定する。でも、何だか苦しそうだ。
『詩宝さん?』
「そこで、検査してもらったら、いろいろお薬を飲まされてたみたいで……」
私ははっとした。
薬というのは、あの日お茶に混ぜて詩宝さんに飲ませた、媚薬のことに違いない。
詩宝さんは病気になったのではなく、病院でそれを調べられていたのだ。
おそらく、堂上晃に強要されて……
ともかく、私は弁明しようとした。詩宝さんならきっと、分かってくれる。
「あの、詩宝さん。それは……」
『それで、婚約のことなんですけど、一度白紙に戻してもらっていいですか? いや、別に、縁を切るとかじゃなくて、ゼロベースでもう一度考え直すと言うか……』
ガチャ
婚約の白紙撤回。
一番聞きたくなかった、ショッキングな言葉を残して、突然通話が切れた。
詩宝さんが自分で切ったというより、話している間に誰かに切られたような感じだ。
もちろん、堂上晃だろう。
婚約を白紙に戻すよう唆したのも、あいつに違いない。
私の中の、堂上晃に対する怒りはさらに倍加した。
大体、詩宝さんに媚薬を呑ませたからと言って、それが何だと言うのか。
詩宝さんがいくら媚薬を呑んでいても、私に“女”を感じていなければ、襲ってくれることはなかったはずだ。
襲ってくれたのは、私をメスだと認識していたから。
つまり、媚薬がなくても、詩宝さんと私が結ばれるのは既定事項だったのだ。
それなのに……
「あいつ……生まれてきたことを、後悔させてやるわ」
「お嬢様?」
「ボス?」
エメリアとソフィが、青ざめた顔で私の方を覗き込んできた。
2人とも、今の会話で、ただならぬ気配を感じ取ったことだろう。
「詳しいことは、屋敷で話すわ」
私は一度屋敷に戻ることに決め、車を出させた。


500: ◆0jC/tVr8LQ
10/10/18 01:11:30 nzeKkCQd
今回は以上になります。
現物支給の方とは、交互ぐらいに投下していきたいと思います。
では、また……

501:名無しさん@ピンキー
10/10/18 01:20:54 WYEHQC68
リバースと触雷!の作者GJ!!

長期連載してる二人が帰って来てくれて一安心です!
次も期待してます!

502:名無しさん@ピンキー
10/10/18 01:33:52 KHlVxKsd
極乙

503:名無しさん@ピンキー
10/10/18 01:35:20 SytvMM1S
やべー…
吸血鬼の話超おもしろかったです。それから触雷!の作者さんもGJです

最近投下がなかったのですごくうれしいっす


504:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:01:09 oqXfCFsq
どうも初投稿者の名無です。
いよいよ、秋も深くなっていきましたね。
秋という事で、少しヤンデレ(?)物のSSを書かせてもらいました。
レスの、無駄遣いになるかも知れませんが、投稿させていただきます。
駄文注意、厨二病注意です。
ローペースで更新していく予定なので続編が、
どれだけ先になるか分かりませんが、何とか最後まで書きます。
では、投稿します。
タイトルは、『特級フラグ建設士』です。

505:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:03:15 oqXfCFsq
落ちている。
いや、物が道路に落ちているってわけじゃなくて。
俺が、高所(約300mのタワー)から落ちている。
そう、落下しているのだ。
なんて事無い、突き落とされただけだ。
「あ~あ、俺の人生ここまでか」
落下している中、俺は溜め息を吐き呟いた。
そう言えば、人は約200m/mで落下するって聞いたな。
「丁度落とされた所だし、数えてみるか…1」
淡々と、数え自分の死があと何秒かに来るか予想をしていたら。
いきなり、落下が止まった。

506:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:05:58 oqXfCFsq
「あれ?これもフラグになるわけ?」
俺は、自分の生還を祝いつつ、もう一度溜め息を吐いた。
空中で、ふわふわと浮きながら。
どうやら、『自分の生を諦めて死ぬまでの時間を数えるのは生存フラグ』になるらしい。
らしいってのは、自分でもよく分かってないからだ。
何がって?このフラグ建設能力の事だ。
取り合えず、分かっている事を言う(?)と、
自分に死亡フラグが立って回収された時、
自分に何かしら生存フラグを立てると回収されるらしい。
回収された結果、超常現象で生存してしまうようだ。

507:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:08:41 oqXfCFsq
さて、自分の変な能力の説明も終わった事だし、なぜこうなったか説明でもしようか。
自己紹介が遅れたが俺は、神条整(かみじょうせい)だ。
名前の意味は、神々の条約を整える者って意味らしい。
このタワーから落下していたのは、学校の奴に突き落とされただけだ。
突き落とした理由?知らぬ。
取り合えず学校の奴に突き落とされたって事実だけしか、俺は知らぬ。
ここ最近、何故か死亡フラグすぐにが立ってしまう。
昨日は、通り魔に襲われるし、
先週は、交通事故に遭いかけるし、
その度に、このフラグ建設で何とか生き残っているわけだが。
そうこう考えているうちに、警察のヘリがやってきた。
下の野次馬の内の一人が通報でもしたのだろう。

508:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:11:17 oqXfCFsq
「君!!大丈夫かね?」
「普通に大丈夫です」
平然としながら返事をして、ヘリに乗った。
取り合えず、救出され、事情聴取を受け、マスコミからの取材を流し、家に帰った。
家に着き、寛いでいたら、
ふと、俺を突き落とした奴の顔を思い出した。
「そう言えば、俺を突き落とした奴って…早川さんだよな」
明日にでも本人に聞けばいいか…
と、twitterで呟いた。


509:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:16:06 oqXfCFsq
駄文ですみません
短文ですみません
レスを無駄遣いしてすみません
色々と、皆様には謝らなくてはいけないことがありますが、
取り合えず、『特級フラグ建設士』1話は、ここで終了です。
投稿してみて思った事なのですが、
物凄く心臓がバクバクと鳴っていて、とても緊張しました。
さて、そんな作者の心境の為だけに、スクロールバーを長くしてしまって、
すみません。
最後まで、謝っていてすみませんでした。
では、また遭う日までさようなら。

510:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:33:08 IfrFr50b
GJ
トリつけたほうがいいぞ

511:名無しさん@ピンキー
10/10/18 02:35:03 oqXfCFsq
>>510
あわわわわ、GJ有難うございます。
次からは、タイトルでトリップ付けていきます。
遅れましたが、トリップをつけていなくて、すみませんでした。


512:名無しさん@ピンキー
10/10/18 10:52:39 KKYs10Ps
>>466のものです。とにかく投下します。


「お~い、美香ぁ、起きろぉ~」
「う~ん、・・・・・・あっ、おはよう!お兄ちゃん。」
「おはよう」
やっと起きたこいつ、美香ことおれの妹だ、自分でイうのもあれだが、
こいつはお兄ちゃんこだから、おれが一人暮らしするといって、そしたら、こいつも付いてきた、
ので、今俺はこいつと2人ぐらしだ。
「お兄ちゃん、今日はお兄ちゃんが朝ごはんつくってね」
「え?おれ?なんで」
「だって、おにいちゃんのつくったごはんが食べたいんだもん」
「はぁ~、しょうがないなぁ。じゃあつくってやるよ。」
「わ~い、おにいちゃん大好き~」
とまあ、こんな日常を毎日繰り返しているのである。
・・・・・でも、この日常が俺にとっては一つの幸せだ。だからこんな幸せがこんな形で崩されるとは思っても見なかった。

ある日のこと、
「おにいちゃん・・・」
「ん?なんだ美香。」
「おにいちゃんさ・・・・私のこと、好き?」
「は?なにいってんだおまえは、」
「・・・・・おにいちゃんは私のこと嫌い?」
「嫌いじゃねえけど・・・・なんだ 急に、」
「ううん、別になんでもないの・・・・あ、いまのきにしないでね」
・・・・・どうしたんだ?美香のやつは。謎だ、なんてゆうか何考えてんのかわからん妹だな。
まあいっか。

とある日
今日はなんか、美香用事があるとかなんとか、
とそんな時にクラスの同級生に
「ねえ、康太一緒に帰らない?」
「まあ。いいけど、そうだ、帰りによっていってもいいか?」
「いいけど、どこ行くの?」
「まあ、今晩のおかず・・・かな?」
「ふ~ん、とりあえず行こっ」
このときの俺はおもいもしなかった、まさかこの行動があんなことになるなんて。

「まあ、今日のおかずはこれでいいか。お~い愛子、行くぞぉ」
「あ、うん、いまいくぅ~」
とまあ、こんな感じに買い物すませて、愛子と一緒にかえって
「じゃ、また明日な。愛子」
「うん、また明日~」
こんな感じで無事帰宅。まあごはんの用意したし、あとはあいつをまつだけなんだが、暇だし
ゲームでもしてよっと、今日こそあいつを狩るんだ。
・・・・・・・20分後
「クソっ、なんでこいつにかてないんだ。ボウガンがイケナイのかちくしょう!」
てとこであいつが帰ってきた。
「ただいま~おにいちゃん。あっ、ごはん作ってくれたの?ありがと~うおにちゃ~ん」
「おかえり、美香、なにしてたんだ?」
「えっ?あ、うんちょっとかいものと用事を済ませてきたの」
「ふ~ん、そうか、まあ食おうぜ」
「うん、いただきます。」
 






513:名無しさん@ピンキー
10/10/18 12:33:20 yp3v6RP1
終わり?

514:名無しさん@ピンキー
10/10/18 17:05:32 8QY9wZ/Y
偉そうにしてたくせに投下終了宣言もできなけりゃ
タイトルもトリもつけられてない。
内容もヘッタクソだし、もう投稿しなくていいよ。

515:名無しさん@ピンキー
10/10/18 17:11:26 NNZe2DSW
書かない奴が何言っても無駄だがな

516:名無しさん@ピンキー
10/10/18 17:36:43 kEDheu3S


517:名無しさん@ピンキー
10/10/18 18:04:19 cww3l3lQ
>>515
右に同じ

518:名無しさん@ピンキー
10/10/18 19:04:37 bs9gjOai
上に同じ

519:名無しさん@ピンキー
10/10/18 19:05:17 Q0tRwjqX
投下ラッシュだー!
皆さんGJです

520:名無しさん@ピンキー
10/10/18 19:59:19 HV3Qv+bU
GJ!

521:名無しさん@ピンキー
10/10/18 23:29:49 kEDheu3S


522:名無しさん@ピンキー
10/10/18 23:50:59 yp3v6RP1


523:名無しさん@ピンキー
10/10/19 00:04:21 0ZXhOe+E


524:名無しさん@ピンキー
10/10/19 00:08:18 D6E2IATW
そろそろ黒い陽だまりとかきてほしいな

525: ◆0jC/tVr8LQ
10/10/19 00:55:41 O8N0WXGP
別の作品で申し訳ありませんが、投下します。

526:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ
10/10/19 00:56:18 O8N0WXGP
「ああんっ! 気持ちいいっ! レイプ最高っ!」
―これでは約束が違う!
『やはりあなたは、わたくしの主にふさわしくありません。さようなら』
となるのではなかったのか。陣氏は抗議した。
「ちょっと! 気持ちよくならないんじゃなかったの!?」
「ああっ! そうですっ! この王女の皮を被ったはしたない雌豚を、もっと罵倒してくださいっ!」
「いや、罵倒してるんじゃなくて、遺憾の意を表明してるんだけど!」
「はいいっ! イカ臭いご主人様のオチンポに犯されて、淫乱奴隷のフェルデリアは感じていますっ!」
会話が成立していない。陣氏は一度、フェルデリアから一物を引き抜こうとした。
だが、抜く前に、気配を察したらしいフェルデリアが背後の陣氏にヒップを押しつけてきた。
そればかりか、器用に足をかけてくる。バランスを崩し、陣氏は仰向けに倒れた。
「ぐげっ!」
「あうっ……あああ……いい……」
倒れた陣氏の股間の上で、フェルデリアは腰を複雑にくねらせた。
とても処女とは思えないが、確かに破瓜の血は出ているようだ。
四方から絡み付いてくる粘膜の刺激で、陣氏はだんだん限界が近づいてきた。
「どいてくれ。そろそろ出る……」
「何ですか、その妄言は?」
途端にフェルデリアは動きを止め、冷たい視線を陣氏に向けた。
「いや、だって……」
「子種汁出してやるから、しっかり精液処理マンコで受け止めろ、ぐらいのことを言えないのですか?」
「でも、さすがに中は……」
「早くなさい!」
王女の威厳だろうか。陣氏はその言葉に逆らえず、フェルデリアの台詞を繰り返した」
「ええと……子種汁出してやるから、しっかり精液処理マンコで受け止めろ」
「真剣味が感じられません。もう一回」
「そんな」
「それに、さっきから膣を犯すだけで、他にわたくしの肉体を辱めることはなさらないのですか? 胸を責めるとか、肛門をいじるとか、何か考えられませんか?」
「…………」
もう何を言っても無駄だ。とにかく一回終わりにしよう。
陣氏は右手を伸ばしてフェルデリアの乳房を後ろから鷲掴みにし、できるだけ感情を込めて言った。
「子種汁を出してやる! 精液処理マンコで受け止めろ、淫乱王女!」
「ああっ! かしこまりました、ご主人様あっ!」
フェルデリアは、再び腰を高速で振動させた。たまらずに陣氏は、彼女の中に精を放ってしまう。
「うぐあっ……」
「おおお……ご主人様の精液が、雌豚奴隷の汚ない膣一杯に……」


527:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ
10/10/19 00:57:22 O8N0WXGP
「あのさ」
性交が終わって人心地ついた後、陣氏は騙されたような気分になり、フェルデリアと向かい合って言った。
「今ので、俺がフェルデリアの主にふさわしいって感じ、みたいな? になっちゃったけど、それでいいの?」
「はい」
フェルデリアは跪いて即答した。
「でもさっきは、心までは譲らないとかどうとか……」
「ご主人様は、わたくしの故国で、戦車を撃破されたことを覚えておいでですか?」
「戦車? ああ……」
そう言われてみれば確かに、陣氏は戦車に向けてバズーカ砲を発砲した。
撃破したかどうか、戦果までは確認できなかったが。
「あれは、反乱軍共の戦車でした。それがご主人様に破壊されたのが要因の1つとなって、わたくしの家族は国外に逃れることができたのです」
「うわ……」
俺ちゃんてば、そんな海外情勢を左右するような、大それたことやっちゃったのね。陣氏はいささか青ざめた。
「じゃあ、俺って君の国の新政府に睨まれてるんじゃ……」
「いいえ。戦車がご主人様に向けて発砲したので仕方ないと、泣き寝入りすることにしたそうです」
「ははあ」
―強気なのか弱腰なのか分からないな、その新政府……
そう陣氏は思った。
「まあ、同盟国に喧嘩売りまくって、核ミサイル向けてくる国に媚売りまくるよりマシか……」
「え?」
「いや、何でもない。それより、今の話が、君が俺の奴隷になる理由なの?」
「そうです。家族を救ってくださったご主人様に、わたくしの生涯をかけてご恩返しをいたします」
フェルデリアは、そう言って深々と頭を下げた。
―そういうことか。うーん……
腕を組んで考え込む陣氏。とりあえず、フェルデリアが自分の奴隷になることを志願した理由は分かった。
しかし、だからと言って、いつまでもフェルデリアを奴隷としてここに置いておく訳には行かない。
ここは陣氏1人の家ではない。今でこそ1人暮らしだが、いつ家族が帰ってきてもおかしくないのだ。
それに、近所の目もある。フェルデリアはその容姿だけでも相当に目立つから、例え実情が知れなくとも、あらぬ噂が立つのは時間の問題だろう。
―どうしよっかなあ。
考えていると、フェルデリアが急に赤面しながら話しかけてきた。
「あの、ご主人様……」
「ん? 何?」
「おトイレに、行かせてください……」
またそれか。陣氏はすぐに許可した。
「いいよ。行ってこいよ。トイレはここを出て、左の突き当たりだ」
フェルデリアが出て行くと、陣氏はほうっと溜息をついた。
―行きたいときは勝手にトイレに行けって何度言っても、聞いてくれないんだよな……
しばらくすると、フェルデリアが戻ってきて、こう言った。
「ご主人様、プラスのドライバーを貸していただけますか?」
「え? ああ、いいけど……」
陣氏は深く考えずに、工具箱からドライバーを取ってきて渡した。


528:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ
10/10/19 00:58:33 O8N0WXGP
「何でこんなことしたの!?」
取り外されたトイレのドアを前にして、陣氏はフェルデリアを詰問していた。
自分も用を足そうと陣氏がトイレに行くと、見事にドアがなくなっていたのである。
「必要ないからです。わたくしの排泄行為は、ご主人様の管理下に置かれているわけですから、いつでもご覧になれるようにするのが当然かと」
「それについては異論もあるけど、100歩譲ってまあいいとしよう。でもトイレは、俺も使うんだよ?」
「はあ? ご主人様、気は確かですか?」
フェルデリアは、頭脳の不自由な人を見るような目で陣氏を見た。
「ど、どういう意味だよ……?」
「これからご主人様が用を足されるときは、わたくしがお世話をするのです。なおさらドアなど不要ではありませんか」
「な、何ですと……?」
「では、早速失礼いたします」
フェルデリアは、ドアのないトイレに陣氏を押し込めると、自分も中に入り、陣氏のズボンのチャックを無造作に開けた。そのまま手を突っ込み、ペニスを露出させる。
「こ、これから毎回これを……?」
「当然です。出し終わったら仰ってください」
「でも……」
「何かご不満でもあるのですか? ああ、分かりました。わたくしの口に出すのですね?」
フェルデリアは口を開くと、何の躊躇も見せずに、陣氏のペニスを頬張った。
「……便器の方に、向けてください」
敗北感に満ちた声で、陣氏は言った。

その後、陣氏は首輪を買いに外に出た。フェルデリアから執拗に要求されたのである。
「奴隷が首輪なしでは、外にも出られないではありませんか」
―そう言われてもなあ……
首輪を着けるのは200歩譲っていいとしても、それで外に出るのだけは勘弁してほしいところだ。
何とか、こちらの要望も聞いてもらえるようにはならないものか。
重い足取りで、陣氏はできるだけ自宅から離れたペットショップに行き、犬用の首輪を購入した。
実は、首輪の他にも、ロープやら鞭やら蝋燭やら手錠やらというおどろおどろしい買い物リストをフェルデリアから突き付けられていたのだが、ハードなネゴシエーションの末、それだけは免れていた。
「金がない」
の一点張りで陣氏が頑強に抵抗し、ついにフェルデリアも、
「まあ、今日のところはいいでしょう」
と折れたのである。


529:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ
10/10/19 01:00:08 O8N0WXGP
首輪を買った陣氏が自宅に戻ると、フェルデリアが全裸のまま、居間で携帯電話をいじくっていた。
陣氏の携帯電話ではない。彼女自身のものだ。
―おっと。プライベートな時間を邪魔しちゃいけないな。
陣氏がそっと居間から出て行こうとすると、フェルデリアの慌てた声が聞こえた。
「あっ、ご主人様。申し訳ありません。お出迎えもせず……」
「いい。続けてろよ。俺はしばらく、自分の部屋で休むから。フェルデリアも好きなことしていろよ」
「そうは参りません。ご主人様のお出迎えもできない愚かな雌豚奴隷に、お仕置きをお願いします」
そう言って四つん這いになり、無防備にヒップを向けてくるフェルデリア。
疲れ果て、自室で横になりたい一心の陣氏は、強引に話を逸らそうとした。
「め、メール打ちかけなんじゃないの? それだけ先にやっちゃえば?」
「メールなら、先程一括送信しましたので。もう大丈夫です」
「一括送信?」
何気なく聞いた陣氏だったが、フェルデリアの返答を聞いて肝を潰した。
「はい。わたくしがご主人様のお世話になっていることを、わたくしの縁のある者達に伝えました」
「ギャアアアアアアア!!」
「どうなさいました? ご主人様」
「お、お、俺の奴隷になってるって、まさか知り合いみんなに言っちゃったの?」
「ご心配には及びません」
フェルデリアは立ち上がり、胸を張って言った。
「メールは、王家に連なる者にしか分からない暗号で書いてあります。例え盗読されても、ここの住所が漏れることはありません」
「ああ、うう、ぐう」
住所まで書いてもーたんかい。
陣氏は気が遠くなった。
それこそ、ご主人様の許可を得なければいけないことだろうに。
「まさかとは思うけど……」
気丈にも陣氏は意識を保ち、フェルデリアに問いかけた。
「メール見た何人かが、ここに来るってことはないだろうね?」
「いいえ。それはないかと思います」
「それなら、まだいいか……」
陣氏は全身から脂汗を流しながら、ソファーに座った。
「今こちらに向かっているというメールは、まだ1通しか返信がありませんので」
「ウーム……」
今度こそ陣氏は気絶した。

ピンポーン
「うっ!」
呼び鈴の音で、陣氏は目を覚ました。
すっかり暗くなっている。何時間ほど気を失っていたのか。
気が付くと、ソファーに横たわっていて、毛布をかぶっていた。フェルデリアがかけてくれたのだろう。
ピンポーン
再び呼び鈴が鳴る。
―今時分に、誰だ……?
陣氏は立ち上がり、壁にかかっている受話機を取った。これで呼び鈴を押した相手と、話すことができる。
「……どちら様で?」
恐る恐る言うと、相手の声が聞こえた。
『夜分に恐れ入ります。こちらは、朝霧陣氏様のお宅でよろしいでしょうか?』
女性の声だった。日本語だ。しかし、外国訛りがある。日本人ではない。
「そうですが、あなたは……?」
『フェルデリア様にお仕えしている、アレウナと申す者です。門を開けていただけますか?』
―もう来たのか!
陣氏は、己の心身が戦慄するのを感じ取っていた。


530: ◆0jC/tVr8LQ
10/10/19 01:01:31 O8N0WXGP
今回は以上になります。
なお、このSSも、触雷!同様に団体戦に発展させる予定です。
苦手な方はご注意ください。

531:名無しさん@ピンキー
10/10/19 01:12:45 D6E2IATW
GJ!
触雷!のほうもがんがれ~

532:名無しさん@ピンキー
10/10/19 02:10:17 +Hs3ffMD
ふう・・・GJ!

533:名無しさん@ピンキー
10/10/19 02:22:52 trf1013N
GJ!!
なんかえれぇことになっとるな

534:名無しさん@ピンキー
10/10/19 07:28:53 ac9FAYGw
GJ

最近の奴隷はあんなに偉そうなの?

535:名無しさん@ピンキー
10/10/19 17:18:08 7aMhkNqS
いいえ、エロそうなんです

536:名無しさん@ピンキー
10/10/19 17:57:44 qz/1SxA5
奴隷こわい

537:名無しさん@ピンキー
10/10/19 18:15:44 6riWNUmW


538:名無しさん@ピンキー
10/10/19 18:17:16 8q518ols
GJ!

まとめ更新の方も乙です

539: ◆Uw02HM2doE
10/10/19 20:15:33 VKPE3Ad+
こんばんわ。今回はリバース14話を投下します。
よろしくお願いします。

540:リバース ◆Uw02HM2doE
10/10/19 20:16:44 VKPE3Ad+
修学旅行の翌日。
二年生は昨日まで修学旅行だったということで、今日は休校日になっていた。
「じゃあ行ってくるね、里奈、兄さん!」
「おう、いってらっしゃい」
「いってらっしゃい!」
学校へ行く潤を玄関で見送る。隣にいる里奈は元気良く手を振っていた。
「さ、もう一眠りするかな」
「じゃああたしもカナメと一緒に寝る!」
俺の左腕を掴む里奈。
どうやら修学旅行で俺が家にいなかった間、潤と里奈は仲良くなったようだ。
今も里奈が潤を見送りに来ていたし、今朝の朝飯を作っていた潤を自ら手伝っている里奈を見ると二人はまるで仲の良い姉妹のようだった。
「この家には慣れたか?」
「うん!カナメは好きだし、ジュンも最初は怖かったけど今は優しいもん!」
嬉しそうに言う里奈。確かに最初里奈を連れて来た時の潤の反応は異常だった。
しかし今はこうして里奈にも好かれている。きっと何かが潤に心境の変化をもたらしたのだろう。
もしかしたらあの雨の日、潤が倒れた日に何かがあったのかもしれない。
とにかく潤は変わろうとしている。それはとても喜ばしいことだった。
「カナメのベットに一番乗り!」
里奈は俺の部屋に入って一目散にベットに飛び込む。
「おいおい、俺のベットだろ」
苦笑しながらもこんな一日も悪くないな、と思う。今日は久しぶりにゆっくり出来そうだ。
ふと視界に点滅した光を放つ携帯が入る。
「メールか。一体誰だろう?」
「カナメ~、早く来てよ~」
「分かったからちょっと待っててくれ」
里奈に急かされながら携帯を開く。やはり受信メールが一件あった。差出人は―
「…………っ!」
「カナメ?どうしたの?」
「…い、いや何でもない。さ、もう一眠りだ」
「……うん」
なるべく動揺を悟られないように携帯を閉じる。里奈を連れてそのままベットに潜り混んだ。



送信者:大和撫子
件名:無題
本文:今日の正午、桜ヶ崎駅東口で待ってます。
   あたし達、恋人だもんね。来なかったら……分かるよね?


541:リバース ◆Uw02HM2doE
10/10/19 20:17:47 VKPE3Ad+

桜ヶ崎駅東口。寝ている里奈を起こさないようにして家を出た。
「ここか……」
以前にも呼び出されてここに来た。前回は会長、そして今回は―
「時間ピッタリだね。合格だよ、要君」
「……撫子」
"恋人"の大和撫子だ。彼女は瑠璃色のポニーテールを揺らして駅前の柱に寄り掛かっていた。
「本当は5分前行動がベストなんだけど……許してあげる」
俺の左腕を取り自分の腕に絡める。撫子からは仄かに甘い香りがした。
「お、おい」
「さあ行きましょ。今日は一杯歩くんだから。覚悟しておいてよね」
嬉しそうに腕を組む撫子を見ているとつい忘れそうになる。彼女がどれほど恐ろしい存在か、ということを。
「あ、ああ……」
でも忘れてはいけない。この"恋人"がいる限り、俺に安らぎは訪れないのだから。



海上娯楽施設"アクアマリン"。桜ヶ崎駅からモノレールで20分程の所にある、海を題材としている巨大テーマパークだ。
休日になると家族連れやカップルで賑わう、我が県のイチ押しといっても過言ではない場所である。
「うわぁ!綺麗……」
「……確かに」
海底をイメージしたエントランスは撫子の言う通りとても綺麗で幻想的だった。
色とりどりの貝殻が周囲を飾り、正面ゲートには本物のアクアマリンがこれでもかという程たっぷりと散りばめられている。
「これ、藤川君のお父さんが作ったんだよね……」
「まあ正確には会社が、だけどな」
このアクアマリンは英の父親である藤川栄作が経営する、藤川コーポレーションが建設したテーマパークだ。
これは東桜では殆どの生徒が知っていることだし、俺も英から直接教えてもらった。
「あたしアクアマリン来たことなかったんだ。よぉし、今日はとことん遊ぶぞぉ!」
「ちょ!?おい、引っ張るなって!」
腕を組みながら俺をぐいぐい引っ張ってゲートに行く撫子。今日は平日だから別に混んではいないし、そんなに焦る必要もないのだが。
それでも目を輝かせながらゲートを通る撫子を見ていると、何だかこっちまで楽しい気分になってくる。
「アクアマリンにようこそ!」
海をイメージした青色を基調とした制服を着るスタッフに出迎えられ、俺達はゲートを潜って行った。


542:リバース ◆Uw02HM2doE
10/10/19 20:18:47 VKPE3Ad+

「ジェットコースターだって!あたしジェットコースター大好きなんだ!乗ろっ!」
中に入って早々走らされてジェットコースター乗り場へ。
別に平日の真昼間なんだから焦る必要なんてないと思うんだが、撫子が楽しそうなのでそれで良いかな。
「何々…"海へ突き出たレールがここでしか味わえない興奮を貴方に"…か」
入る時に貰ったパンフレットに書いてある説明を見る限り、かなり本格的なジェットコースターのようだった。撫子は隣でそわそわしている。
「海へ突き出す!?絶対楽しいに決まってるよ!」
「よくジェットコースターでそんなにテンション上げられるな……」
隣で無邪気にはしゃぐ撫子はまるで子供のようだ。どうやら余程ジェットコースターが好きらしい。
「よし、絶対にジェットコースター系は制覇するからね!」
「おいおい……」
乗り場へとスキップしながら登って行く撫子を見ていると、何だか俺までワクワクして来てしまった。恐るべしポニーテール。



「来るよ来るよ!」
「あ、ああ……」
日本の技術力は凄いと思う。
"海へ突き出たレールがここでしか味わえない興奮を貴方に"
確かにその通りだ。一体どうやって支えているのかは分からないが海面スレスレにレールがあり、まるで海へダイブするような感覚になる。
ただ一つ、"ここでしか味わえない興奮"が人によっては恐怖になる場合を除いてだが。
「さん、にぃ、いち……!」
「う、うわぁぁぁぁあ!?」
最初に一気に急降下して海面スレスレまで行った後は、激しいアップダウンを繰り返して一回転する。そしてカーブしながらまた海へ飛び出すのだ。
「さいっこぉぉぉお!」
「あぁぁぁぁあ……」
隣でテンションが最高潮まで上がっている撫子とは正反対な俺。しかしそれは当たり前のことなのだ。
いくらジェットコースターが好きだと言っても普通2、3回乗れば飽きるもしくは体力的に辛くなるものだ。
しかし隣にいる大和撫子という人間には限界がないらしい。
「きゃぁぁぁぁあ!!」
「…………」
既にこの本格的なジェットコースターに乗ること7回目。
さすがに係員にも顔を覚えられ始めた。後何回乗れば隣のスピード狂は満足するのだろうか。


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