触手・怪物に犯されるSS 23匹目at EROPARO
触手・怪物に犯されるSS 23匹目 - 暇つぶし2ch616:名無しさん@ピンキー
10/11/13 00:51:05 xcUw2Ql8
「ご、ご、ご主人様ぁ!? あっ、いった・・・・・・!?」
頭を抱え出すカレン。なにかが切れたように、まやかしがとけたように。
「い、いた、なにこれ、違う、私は、あぁ、ちがう、ちがう!」
じたばたとのたうち回る。涙を流して、嗚咽を漏らして。
「デスパイア、てきっ、ちがう、ごしゅじんさま、いやぁ! ちがう! あれは、てき!? 
 きもちわるい、きもちわるい、きもちわるい!」
「カレン・・・・・・」
耳をふさぐ。目を閉じる。
真実から。
自分を、守るために。
がたがたと、震えて。
現実を、拒絶した。
「カレン!」
「り、リアちゃん・・・・・・? 私、なに、なんで・・・・・・?」
信じられない顔をするカレン。なにを信じられないのか、なにを信じたくないのか。
わたしには、わからない。   
「ぁ・・・・・・」
ふと、カレンの手のひらが彼女のお腹に伸びる。止めようとした、止められなかった。
「あは、これ、なに・・・・・・? なに、これ。なにこれっ。いやっ! なにこれぇ!」
「カレンっ、カレンだめ! カレン!!」
がたがたと。ぶるぶると。
恐怖と嫌悪と絶望と真実を。
カレン自身の身のうちから感じ取って、
「い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
断末魔のような叫び声を上げ、カレンは意識を失った。
そして、



617:名無しさん@ピンキー
10/11/13 00:52:30 xcUw2Ql8

―グローデン家
あれから、1年と半年。また、夏休み。
メグミさんとアキラさんは遠いところへ行った。今でもメールは続けている。
この前写真が貼付されたメールが来た。ふたり並んでテーマパークにいる写真。
すごく、幸せそうだった。
クラス替えでるーあとカナエとは離ればなれになった。新しいクラスは、なんだかうまく馴染めない。
昨日、ふたりと廊下ですれ違った。わたしではない、たくさんの友達を連れて。
すごく、幸せそうだった。
お父さんはまた海外出張に行くらしい。ここ半年、一度も会ってない。
あの人は仕事が生き甲斐で、仕事をしてるときはいつも楽しそう。一昨日の電話で出張を告げたときだって。
すごく、幸せそうだった。
それから―それから、カレン。
この町に戻ってから2日後、カレンの意識は戻った。
意識は戻ったが、心は戻らなかった。
憎み、怒って殺意を抱いたデスパイア、その子供を孕まされていたことが精神に深いダメージを与えていたらしい。
病院のベッドで目覚めたカレンの第一声目は、『お母さんはどこ?』だったとか。
彼女のお母さんは、6年前に死んでいる。
もう、壊れていたのだ。
「おかーさん、またお外行くの?」
「うん、カレンもお留守番しっかりしててね?」
そして今、カレンは家に戻っている。
なぜだか、わたしをお母さんと勘違いして。
幼児退行、らしい。大きすぎるショックから、心を守るために子供に戻ったのだ。
なにも知らない、純真で白痴なあの頃に。
「おかえりしたら、しらゆきひめ読んで!」
「うん、まっててね。それじゃあいってきます」
自分より高いカレンの頭をひと撫でして、玄関を出る。
暗い、暗い闇の中へ。
わたしはひとりで、向かっていく。




デスパイア―いつからかこの世界に巣くい、人々を蹂躙してきた存在。
過去からひっそりと、今も闇の中で息づいている。
それは、絶望を喰って生きる。そして、人間の女性を、犯す。
彼らとの和解の路はないし、今後できそうな兆しもない。だから私たちは倒さなくてはならない。
けど、戦い続けてどうなるのだろう。なにがあるのだろう。
カレンを助けても、なにも手に入らなかった。むしろ、いろんなものを失った気さえする。
暗い夜道を歩きながら、思う。
疲れた、な―。

618:名無しさん@ピンキー
10/11/13 00:53:24 xcUw2Ql8
・・・・・・・・・・・・・・・・・


―グローデン家、リビング
絵本を両手に座り込んだカレンの瞳に、大きな影が映る。
砕けて転がるガラスを踏みしめ、デスパイアがそこにはいた。
小柄な馬の矮躯に、頭には山羊の頭骨を被せた姿。
カレンの家族を襲ったデスパイアと、同種のもの。
絵本でもテレビでも見たことのないその動物に、カレンは不思議の眼を向ける。
「お馬さん、だあれ? ここ、カレンのおうちだよ?」
「グケケッ、逃げないのか逃げないのか。なんだなんだ、つまらんやつめ」
しゅるしゅるとたてがみが伸びて、カレンの手足に絡みつく。パジャマのボタンを器用に外す。
ショーツ一枚を残した姿になって、ようやくカレンが疑問を持つ。
「お馬さん、なにするの? パジャマ着てないと、おかーさんにおこられちゃうよ」
「グケッ、大丈夫だよ。それより、カレンちゃんにいいことを教えてあげよう」
「いいこと?」
無垢なその唇に、デスパイアは舌を伸ばす。長く細い馬の舌がカレンの舌と絡み合う。
「んっ、んん・・・・・・?」
どこか懐かしく、熱くて幸福な気持ちがわき起こる。正体を知らぬまま、カレンは接吻を交わしていく。
つんと尖った乳頭にたてがみが巻き付く。ぐねぐねと動くたてがみに踊らされ、カレンは股を擦らせる。
半年に及ぶデスパイアの調教を受けたカレンの身体は、既に新たな主を迎え入れる準備を始めていた。
「ぁう・・・・・・。おもらし、しちゃった・・・・・・?」
ぐっしょりと濡れたショーツが彼女の下腹部に不快感を与える。そのショーツが半透明の糸を引きつつずり下ろされる。
真っ赤に充血した牝の象徴が、牡を欲してぱくぱくと蠢いていた。
「カレンちゃん、そっちをむきな。そうそう、そこに手をついて・・・・・・」
「はぁい」
デスパイアに従い長足のテーブルに手をつく。尻を上げ、馬に向ける。
「・・・・・・?」
自然と、腰が動いていた。誘うように、誘うように。
「グケケッ、調教済みかよ。まあいいや」
デスパイアの怒張があてがわれる。熱い感触は、熱い記憶を呼び覚ます。
「ぁ・・・・・・ん、あぁっ! なに、んやぁっ」
ずぷりと抵抗なく馬の怒張が呑み込まれる。太く長いソレは、いともたやすく終着にたどり着いた。
そして、大きくグラインドを始めた。
「んぁ・・・・・・、あうっ! ひゃっ、あぁ!」
カレンの淀んだ瞳は懐かしい快楽のみに焦点を合わせる。身体の記憶のままに、腰を使って牡を悦ばす。
「あん、あぁ、んあぁっ!」
2匹の饗宴はなおも続く。牡は自らの快楽を追い、牝はただ牡を悦ばせることに悦楽を得る。
その姿は、かつてのカレンと同じものだった。
結局、リアはカレンを助けることなどできなかったのだ。カレンには、これしか残っていなかったのだ。
「ごしゅじんさま、ごしゅじんさまぁ!」
無意識に今は亡き主を呼ぶ。埋め込まれた肉棒が太さを増していくのを感じて。
牡と牝の宴に、終わりが訪れた。
太く大きく高く、馬はいななく。ひときわ強く、カレンは突き立てられる。
そして、そして、そして、
「あ、あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁっっ」
染まる。戻る。あの日に、あの日々の幸せに。
ゆっくりとデスパイアが抜け出ていく。カレンの愛液と馬の精液が混じり合った白濁が女陰からごぽりとあふれた。
白くトンだカレンの心には、性の快楽しか残っていない。


619:名無しさん@ピンキー
10/11/13 00:55:32 xcUw2Ql8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅して、いつもなら飛びついてくるカレンがいなくて。
おかしいなと思って、リビングに入って。
崩れ落ちた。
巨大な馬、デスパイア。その肉棒にカレンが奉仕をしていた。
デスパイアがわたしに気づき、言う。
「ああ、デザートまであるのか」
たてがみが伸びてくる。それを振り払う気には、ならない。
ああ、わたしって、
なんのために、頑張ってたんだっけ?
そして、








そして.end
『貫殺天使リア』/bad end

620:名無しさん@ピンキー
10/11/13 00:59:00 xcUw2Ql8
終わりです。某サイレンばりの高速展開
いろいろ突っ込みたいでしょうが、ご容赦くだせぇ


次はhappy endです
そしてなにげに津南くんendも作っているという

621:名無しさん@ピンキー
10/11/13 01:01:07 xcUw2Ql8
あうちsage忘れ

622:名無しさん@ピンキー
10/11/13 01:35:12 mpowUzN/
乙!
リアに比べると、カレンちゃんは脆いなあ
まあ、半年も飼われたら仕方ないか。なまじ痛めつけるような陵辱より、比較的生ぬるい調教だったせいもあるのかな
せっかくのバッドエンドの割には、エロが今までに比べるとあっさりしてたのが意外てか残念かも

623:名無しさん@ピンキー
10/11/13 03:36:15 yZbaqHDL
乙だなー

624:名無しさん@ピンキー
10/11/13 08:25:32 Zsf0IxSc
乙。
てことはこのシリーズはもう数話で終わり?

625:名無しさん@ピンキー
10/11/13 15:41:24 CyS/pKzd
戦闘不能になると敵ETの度にエロイベントが発生(2~3Tは抵抗や装備破壊で陵辱は無し)規定ターンまでに監禁所に行かないと
「○○が監禁されている場所に踏み込んだ!「しかし先ほどまで誰か居た形跡があるが○○の壊れた装備しか発見出来なかった…」とロストしてしまう
そんなSRPGエロダンジョンを考えて一層分のMAPとそんなイベントのシステム組んでエターナル入り


626:名無しさん@ピンキー
10/11/13 15:58:13 YGEy1zuB
大丈夫だお前なら出来る

627:名無しさん@ピンキー
10/11/13 17:12:46 CyS/pKzd
>>626
汎用や丸投げ素材パックで作り始めたけどフリーズやエラー多発で折れた。
魔法少女が変身解除され死にゲーになる魔封エリアや装備が水着になるエロ蛸の巣窟の水エリアとかアイデアはあったが


628:名無しさん@ピンキー
10/11/13 17:54:56 xcUw2Ql8
ホントに作ってたのか・・・・・・
あきらめたらそこで陵辱終了だぞっ

629:名無しさん@ピンキー
10/11/13 20:33:23 WXDWi/Nv
コードエクスなんか魔法少女物と考えても良いような気がする
騎士タイプの魔法少女とかヴァルキリータイプの魔法少女とか妄想すると血が熱くなるよね



で高ボーナスポイントでガチガチに作った新人魔法少女パーティーがマイルフィックみたいなたった一体の巨大強大な化け物に
性的に壊滅させられる全滅譚とか出勤するバスに揺られながら脳裏の片隅で妄想する


630:名無しさん@ピンキー
10/11/13 23:58:14 GgKo+GwZ
エロパロ板以外でオヌヌメの触手・怪物SSも知りたい。
あんまエロくはないけれど、文書上手いヤツとかでもいい。

631:名無しさん@ピンキー
10/11/14 00:16:50 Pg6HKobV
個人的にはカノンフォーゲル氏のファイアフライがお勧め
毎回エロがある訳でも、必ずしも触手がメイン張る訳でも無いけど何かいい

632:名無しさん@ピンキー
10/11/14 01:42:42 09UZwmv9
とうか
sageは最後に入れればいいよね

633:名無しさん@ピンキー
10/11/14 01:43:56 09UZwmv9
がたんごとん。列車は線路をなぞっていく。
あの場所へ、あの娘のもとへ。
わたしの隣には、だれもいない。
帰り道は、ふたりだよ。


―夜、山中
結局、メグミさんとアキラさんにはなにも言わず出てきてしまっていた。
まだカレンがここにいると決まったわけじゃないし、なぜだかこれはわたしが解決したかった。
だから、ひとりで。
ひとりで、ここにいる。
「うーん、やっぱり無理があったかなぁ」
で、現状。
11時をまわっても、捜索の甲斐なし。
突発的に来たから、宿もなし。
オウフ。
その上、寒い。そりゃあ寒いさ、この季節の夜だもん。コスチュームがある程度寒気を和らげてくれているけど、肌にぴしぴし来る。
さて。
「どうしましょ・・・・・・」
恐ろしいことに、さっきから同じところをぐるぐる回っている気さえしている。
町の灯りも木々に遮られて見ることができない。
ザ・遭難。
「・・・・・・遭難した? そうなんだー」
しゃれにならねえ。
もしかしたらデスパイアのいるかもしれない場所でこれは、ちとまずいのでは。
・・・・・・お腹減ったなぁ。
手近な木に背もたれて座り、リュックからごはんを取り出す。
ツナマヨおにぎり、たまごサンド、烏龍茶濃い味。
和洋中三種の神器。
「うむっ、もぐもぐ・・・・・・」
まずはおにぎりから。うまー。
「もふもふ・・・・・・はふっ、はふはふっ」
たまごサンドうまー。
このふたつを交互に食べ、合間に烏龍茶を飲むのがわたしのジャスティス。
「んー、とりあえず下降りないとなー・・・・・・」

634:名無しさん@ピンキー
10/11/14 01:45:25 09UZwmv9
もぐもぐしながら今後を考える。かさこそと足下近くの落ち葉が崩れた。うわ、でっかいムカデ。冬でもいるもんだなぁ。
他の女子みたく「きゃー!」とか言って逃げたりはしないけど、虫はやっぱりキライ。わたしだって女の子なのだ。
「よっと・・・・・・」
サンドイッチを口にくわえたまま、場所移動。ふたつくらい間を空けて、また木に座り込んだ。
ばっさぁ、と目の前の落ち葉が盛り上がる。
「ぎぎぎぎぎ」
うわ、でっかいムカデ。8メートルくらい?
・・・・・・メシ喰ってる場合じゃねぇ!
「オーシャンオル・・・・・・うあ!?」
銃を構える暇もなく、ムカデがその巨体を覆い被せてきた。肌を這いずる小さな足が、生理的嫌悪感をわき上がらせる。
「きっ、きもちわるい! どいて! どけぇ!」
「ぎぎぎぎぎぎぎ」
じたばたとムカデの下で暴れるも、悲しいかな、わたしには重すぎてちっとも持ち上がらない。
この状況、わたしにはどうすることもできない。
が、どうすることもできないのは相手も同じ。この密着状態を少しでも解いたら、すぐにわたしの弾丸が頭を射抜く。
今の膠着状態は、ムカデがわたしに完全にのしかかっているから生まれているだけだ。
どうやらムカデの小さな足ではわたしの障壁が貫通できないらしい。さっきからコスチュームをかりかり引っ掻いているだけだ。
デスパイアは朝日を浴びると弱体化する特質がある。その特質は、弱いデスパイアほど顕著に表れるはず。
だったら、朝まで待てばいい。朝日を浴びた瞬間、撃ち殺してやる。
・・・・・・けど。
「・・・・・・うえっ」
視界いっぱいに広がる無数の節足。たまに顔に当たってくるからすごいキモイ。
キモイってか、やばい。今まで虫型なんてたくさん倒してきたけど、間近で見るとこんなに気色悪かったなんて・・・・・・。
「ぎぎぎぎぎぎ、ぎきゅぅぅぅぅぅ」
「ああっ、動くな! やめっ、きもちわるっ」
やばいやばい、これやばい。吐き気する。つかなにその変な鳴き声。ムカデって鳴くのかよ!
しばらくその不快な光景と格闘していると・・・・・・。
「ぎぎぎぎぎぎ」
「ぎぎぎぎぎぎ」
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・
「・・・・・・へ?」
四方八方からムカデの這いずるがさごそという音と、ムカデデスパイアの鳴き声が聞こえてきた。
「も、もしかしてさっきの・・・・・・っ」
仲間を、呼ぶため!
「っいた! こ、この・・・・・・っ」
銃を持つ右手に無数の足がのしかかる。視界は節足で埋まり、自分の周りには大量のデスパイア。
まずい。
「ぎぎぎぎぎ」
急に視界が開けた。わたしの上のムカデが、その上半身を持ち上げ蛇のようにわたしを見下ろしている。
「く、この・・・・・・っ! きゃあ!?」

635:名無しさん@ピンキー
10/11/14 01:46:33 09UZwmv9
ムカデの顎がコスチュームを破き始めた。セーラー服の真ん中からまっぷたつになり、白いブラが外気に晒される。
暴れようとしても、無駄だった。足に、手に。増えたムカデが押さえ込みをかけている。
ぶちん、とひとひらの容赦もなくブラのフロントからちぎり取られる。寒気にあてられ乳首が硬くなっているのを感じる。
「ぎっ、ぎぎぎぎ」
ムカデの頭が下へ下へと向かっていく。大の字に地面に貼り付けられたわたしは、抵抗さえ許されない。
「や、やめっ・・・・・・」
「ぎぎぎぎぎ」
ムカデの顎がスカートに触れる、
その、瞬間。
「ぎぎ、ぎ?」
つー、とムカデの頭が胴体からずれていく。お豆腐を横から斜め切りしたような、そんなずれ方で。
ぼとりと重音を落ち葉に乗せ、わたしにのしかかっていたムカデは絶命した。力をなくした胴体がまたわたしにのしかかってくる。
「もう、リアちゃんにさわらないでよ」
と、少女の声がして、わたしの上の死骸が打ち払われた。そこら中のムカデたちが、遅れて警戒音を発する。
「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいい!」
「はぁ、気持ち悪いなぁ・・・・・・」
声の主の姿をようやく確認できる。確認するまでもなく、知っている声。
夜の暗闇に映える小太刀をきらめかせ、
切れた雲から覗く月明かりに照らされた漆の髪をのばし、
かつて、あの夏休みに姿を消した、
「久し振り、リアちゃん」
彼女は、

「カレン・・・・・・」
双剣天使、カレン。
やっと見つけた、大切な人。


『貫殺天使リア』
27/幸.銀銃堕落

636:名無しさん@ピンキー
10/11/14 01:48:02 09UZwmv9
―夜、山中
「カ、レン?」
やっと見つけた、大切な人。
その顔に張り付いているのは、見たこともない表情だった。
こんな、粘り着くような、こんな、絡みつくような表情を、わたしは知らない。
ねえ、なんでそんなににやにやしてるの? わたしの知ってるカレンは、そんな顔しないよ。
「危なかったね、リアちゃん。ちょっと待ってて、すぐこいつら片づけるから」
「ぎぎぎぎぎぎ!!」
集まっていたムカデたち、遇わせて6体が突然の乱入者に襲いかかる。原始的に、顎を開いて。
「うるさいなぁ・・・・・・。『君の影草』!」
ムカデたちに一撃ずつ突きが入り、彼らを吹き飛ばす。しかし、厚い装甲は貫けたものの、致命傷には至っていない。
あれ? なにかへんだ。『君の影草』なんて技、わたしは知らない。
起きあがったムカデたちは再び牙を唸らせる。ガチガチと不快音が6重奏を奏でる。
「ねえリアちゃん、知ってる?」
先刻と同じように、同時に飛びかかるムカデ。しかしカレンは、立ちつくすだけで目もくれない。
「君影草―鈴蘭って」
突如、ムカデたちの体がびくんと跳ねる。ぶくぶくと傷口から濃い紫色をした泡が吹き出てきた。
「毒が、あるんだよ」
断末魔さえなく、あまりにあっけなく、ムカデたちは倒れる。ばたりと、腹を見せて。
「カ、レン? なに、その魔法・・・・・・?」
カレンは特殊魔法を使えなかった。それに毒魔法なんて、デスパイアしかつかえない魔法のはずだ。
「ん? 今の?」
にっこりと、ねっとりと笑うカレンは、
「そうだね、教えてあげるよ。私たちの家で」
え、発音できたかわからない、それほど自然体で、
「―『悪し君』」
いともたやすく、わたしを昏倒させた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch