キモ姉&キモウト小説を書こう!part32at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!part32 - 暇つぶし2ch68:代理投下 ◆j3gvf0a2hI
10/09/22 23:59:17 Pd5LZ842
避難所の作品を代理投下

143 : チョ・ゲバラ 2010/09/21(火) 22:51:05 ID:4/uKqcvU

規制が解けないのでこちらに投下いたします。


69:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:00:43 Pd5LZ842
「うわッ!」
 奇妙な夢に悩まされていた俺―乃木涼介は、軽い悲鳴と共にベットから跳ね起きた。
「はぁはぁ……はぁ……、夢か……」
 部屋は真っ暗。まだ深夜だろう。パジャマの中はしっとりと汗で濡れていて少し気持ち
悪かった。
「そうだよな……そんな馬鹿なことあるわけないよな……」
 本当におかしな夢だった。
 こともあろうに、実の妹と主従関係を結んでしまうというトンデモナイ夢を見てしまっ
たのだ。俺がご主人様で妹の真帆奈が奴隷。もうなんと言っていいのやら。いくらなんで
もアホすぎるわな。ハハハ……。いやいや、兄としてこんな夢を見てしまって本当に情け
ないよ。でも、もの凄くリアリティーのある夢だったような気がするんだけどな……。
「う~……。どうしたの、お兄ちゃん……?」
「あっ、ごめんな。起こしちゃったか? いやー、なんか変な夢見ちゃってさ」
「怖い夢だったの……?」
「うーん、怖いと言えばある意味一番怖い夢だったのかもしれないな」
「だいじょーぶだよ。お兄ちゃんのそばには、ずーっと真帆奈がついててあげるからね。
来て、お兄ちゃん。真帆奈がぎゅーってしてあげる」
「そっか、ありがとな。でも大丈夫だよ。たんなる夢の話だからな」
「だめだよー。怖い思いをしたお兄ちゃんを慰めるのは妹の努めなんだから、ちゃんとぎ
ゅーってしないとだめなの」
「つーか、本当はお前が単に甘えたいだけなんじゃないのか?」
「エヘヘ……ばれたか。でもでもお兄ちゃんを慰めてあげたいのはほんとだよ。それでお
兄ちゃんも真帆奈も幸せになれるんだから一石二鳥だよ。だからぎゅーってしないとだめ
なの」
「まったく、しょうがない奴だな。ちょっとだけだぞ」
「やったー。だからお兄ちゃん好き~」
 真帆奈は俺の首に両腕を回し、ぎゅーっと身体を密着させてきた。
「こらっ、そんなにくっついたら寝られないよ」
「このくらいでは真帆奈のお兄ちゃんへの愛情はまったく表せないのだ。うにゃ~、お兄
ちゃ~ん……お兄ちゃ~ん……だい好きだよ~……」
「いつまで経ってもお前は甘えん坊だな。さぁ明日は学校だしもう寝よう。起こして悪か
ったな」
「そんなことはどうでもいいんだよ。お兄ちゃんだったら真帆奈はなにされても許しちゃ
うんだからね」
「大げさな奴だな」
「大げさじゃないよ。真帆奈は本気なんだよ。だからお兄ちゃんも真帆奈に遠慮なんかし
たらだめなんだからね」
「はいはい、わかったわかった。じゃぁおやすみ」
「うん。…………ねー、お兄ちゃ~ん」
「んー?」
「おやすみなさいのキスは?」
「馬鹿なこと言ってないでさっさと寝なさい」
「うー、いつもはブチューってしてくれるのに……」
「そんなことした覚えないよ。全部お前の妄想だから。つーか、もうホントに寝ようよ。
明日起きられないぞ」
「うー、わかった……。おやすみなさい、お兄ちゃん。だい好きだよ」
「はいはい、おやすみ……」
 明日というか今日は、早く起きて弁当を作らないといけないからな。さっさと寝ること
にしよう……。
「―って、おいッ!!」


70:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:01:12 Pd5LZ842
 俺は勢いよく布団から跳ね起き電気を付けた。
「なんでお前が俺のベットで寝てるんだよ!?」
「くー……」
「こらっ、寝るな! 起きろッ!」
 隣でもう熟睡状態に入ろうとしている妹を起こす。
「な、なんなのお兄ちゃん? 寝ろとか寝るなとか、真帆奈はいったいどうすればいいの
かわかんないよ?」
「なんでお前がここで寝てるのかって聞いてるんだよ!」
 寝ぼけていたせいで、無駄に長いノリツッコミをしてしまったじゃないか。
「なんでって……? お兄ちゃんはもう真帆奈のご主人様になったんだから、一緒に寝る
のなんて当たり前じゃない」
 俺の実の妹―乃木真帆奈は、こんなの初歩の初歩だよ、と呟きながら再び船を漕ぎ始
めている。
 つーか、あの夢は現実だったのか。どおりで生々しい夢だって思ったよ。 
 実はここだけの話だが、俺は妹との真帆奈と主従関係を結んでいる。
 いや、正確には結ばされたと言った方が正しいだろう。
 内容も分からない書類に軽々しくサインをしてしまい、それが奴隷契約書なるものだっ
たのだからさぁ大変。ダルマ蔵相で有名な高橋是清も若い頃に騙されて奴隷契約書にサイ
ンをしてしまい、誰も知る人がいない海外で相当な苦労をしたらしいのだが、俺の場合は
少し違う。
 騙されてサインをした俺の方がご主人様で、騙した真帆奈が奴隷というなんとも奇妙な
契約だったのだ。
 世にも不思議な話があったもんだろ。
「兄と妹が一緒に寝るのは当たり前のことじゃないの。わかったらさっさと自分の部屋に
戻りなさい」
「えー、なんでなんでー? 妹だからだめだって、そんなの人種差別なんだよ。だいたい
真帆奈はお兄ちゃんの妹である前に忠実な下僕なんだから、いつなんどきでもお兄ちゃん
の近くにいなくちゃいけないのだ」
 かなり眠いらしく、真帆奈は目をゴシゴシさせながら持論を力説する。
 その姿をよく見たら、お腹のあたりがスケスケになったらフリフリのキャミソールにタ
ップパンツという、ちょっとというかかなりエッチないでたちだった。
「ちょっ、なんなのそのパジャマは!」
「お兄ちゃんのために通販で買ったんだよ。可愛いでしょう。エヘヘ…‥」
 どうだー、とばかりにベットの上で自分の姿を兄に見せつけてくる真帆奈さん。
 確かに、まぁなんというか……その、よく似合ってはいた。
 新雪のような白い柔肌、愛らしく整った眉目、小柄で華奢な体格、そして、シーツの上
に扇のように拡がった黒絹のような長い髪。
 実の兄である俺が言うのもなんなのだが、こいつは相当な美少女なのだ。
「今なら出血大サービスで、先着一名様にもれなく真帆奈を独り占めだよ、お兄ちゃん」
 早く早く、と両手を広げて兄を誘惑する真帆奈。
 ヒョイッ、ポイッ、バタン。
「うにゃー!」
 真夜中にこれ以上無為な時間を費やさないためにも、とっとと実力行使に出た。 
「うー! なんでこんな酷いことするの! たとえお兄ちゃんでも、こんな人道に反する
行為は許されないんだよ!」
 扉の向こうで真帆奈が騒ぐ。
 去れ!
「はっ!! わ、わかったよ、お兄ちゃん! これは放置プレイなんだね? 放置プレイ
の一環なんだね!?」
「真夜中にわけのわからないことを叫ぶと近所迷惑ですから! もういいからさっさと自
分の部屋に戻って寝る!」

71:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:01:50 Pd5LZ842
「こんなのないよー! 詐欺だよー! インチキだよー!」
 暫くの間、真帆奈はギャーギャーと喚きながらドアノブをガチャガチャやっていたが、
すぐに俺の断固たる意志を悟ったらしく、
「うー! お兄ちゃんのバカーッ!」
 と、捨て台詞を残して自分の巣に逃げ帰った。
 真夜中に余計な体力を使ったせいですっかり目が冴えてしまった。
 時間を確認してみると深夜二時過ぎ。
 俺はしみじみと嘆息してから、自分のベットに潜り込んだ。ベットの中には、まだ真帆
奈の甘い体臭の香りが残っていた。


『俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない2』


 欠伸を噛み殺しながら駅のホームで電車を待っていた。
 周囲を見渡すと、経済新聞を読んでいるサラリーマンや、携帯電話を見ながら忙しなく
指を動かしている女子高生などがまばらにいた。この時間帯は、ちょうど人が少ない穴場
時間なのだ。次の電車あたりから一気に人が増え始める。だから俺は早めに家を出るよう
にしているのだ。少し早起きしてでも快適な通学ライフを送りたいからな。しかし、そん
な小市民のささやかな計画の邪魔をしようとする人物が我が家に約一名存在する。もちろ
ん妹の真帆奈のことだ。昨晩に引き続いてまた早朝からごねやがった。
 真帆奈曰く、
「お兄ちゃんは、ご主人様としての自覚をもっと持たなくっちゃだめだよ!」
 だそうだ。
 朝起こしに行くと夜中に部屋から追い出された鬱憤が溜まっていたらしく、真帆奈はか
なりご機嫌ななめだった。その他にも、「一人で寝るのは寂しかった……」とか「これな
ら下僕としての責務が果たせないよ……」などとグチグチ言っていたが、真面目に相手を
するほど暇を持て余しているわけではないので、「まだ話は終わってないんだよーっ!」
と憤る真帆奈を振り切って家を出てきた。
 で、俺の哀れな携帯電話に先程から執拗に愚痴メールが入ってくるというわけだ。
 噂をすれば再び携帯電話がブルルと振動した。
 メールを確認する。
『今日学校に穿いていくパンツのことなんだけど、お兄ちゃんは青と白の縞々とピンクの
ハート柄のどっちがいいと思う?』
『どっちでもいいよ! そんなことでいちいちメールしてこないでよ!』
 と、すぐさま返信した。
『お兄ちゃんが真帆奈のお話をちゃんと聞かないで学校へ行っちゃうのが悪いんだよ。ど
っちがいいのか早く決めて』
 兄はそこまで妹の面倒を見ないといけないものなのだろうか? つーか、家で洗濯して
いるのは俺なわけで、真帆奈がどのパンツのことを言っているのかある程度わかってしま
うのがなんだかもの凄く嫌だった。
「まもなく二番線に電車が参ります。危険ですからホームの内側までお下がりください。
二番線に電車が―」
 ホームに独特の口調のアナウンスが聞こえてくる。
『縞々にでもしときなさい』
 と、メールを送信してから携帯電話の電源を切った。
 電車に乗る時はいつもそうするようにしている。こういうことは、一人一人のマナーが
大切なのだ。
 スピードを落としてホームへと侵入してきた電車がゆっくりと停車し、俺の目の前でド
アが開いた。


72:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:03:06 +iXOWgTo
 べつに深い意味はないのだが、俺はいつも先頭車両に乗ることにしている。それで電車
に揺られながら本を読むのがちょっとしたマイブーム。車内に入りいつもの指定席に座ろ
うと歩を進めると、そこで意外な人物に遭遇した。
 緩やかにエアウェーブした長い黒髪、造形美の頂点を極めた秀麗な顔立ち、スーパーモ
デルのような抜群のプロポーション。そして、眼鏡属性。
 高千穂学園が誇る不動のナンバー1アイドル、東郷綾香その人だった。
 頭脳明晰、運動神経抜群という文武両道の才女で、これでオマケに俺のようなクラスの
モブキャラにでも優しく接してくれるマザーテレサのような博愛精神の持ち主なのだから
始末に負えない。人間なにか一つくらいは欠点があるものだが、彼女からそれを見つける
ことは不可能であった。
 さて、俺はどうするべきだろうか。どうやら東郷さんは本を読むのに熱中していて、こ
ちらにはまったく気付いてないようだ。やはりクラスメイトとしては、挨拶くらいはして
おかないといけないよな。……やばい、緊張してきた。ちょっと落ち着けって俺。なんで
こんなにドキドキする必要があるのだ。ちょこっと行ってちょこっと挨拶するだけじゃな
いか。よ、よしっ……まずは深呼吸をしてから、自然にさりげなく行こうじゃないか。
「と、東郷さん、おおお、おはよう!」
 うわっ! 完璧に声が裏返った。最悪だ……。
「……乃木くん?」
 不審者から声を掛けられたのかと思ったのか、東郷さんは一瞬だけ怪訝な表情をして目
をパチクリとさせていたが、すぐに俺だと気付きニッコリと微笑んで、
「おはよう、乃木くん」
 と、挨拶を返してくれた。
 それだけで俺の体温は、二、三度ほど急上昇してしまう。
「え、えっと、奇遇だね。東郷さんもこの電車だったんだ?」
「いつもはもっと遅い電車なんだけどね。私、今日は日直だから早く家を出てきたのよ」
 なるほど。どおりで今まで一度も会わなかったわけだ。日直グッジョブ。
「乃木くんは、いつもこんなに早いの?」
「うん。電車混むのいやだからね。やっぱり朝は座って学校に行きたいし」
「そうなのよね。この時間って本当に人が少ないのよね。吃驚しちゃった。これならいつ
も早起きすればいいんだけど、私は朝が苦手で……」
 どうやら東郷さんにも意外な弱点があったようだ。
 身近に似たような人がいるから一気に親近感が湧いてくるな。
「うちの妹と同じだね」
「乃木くんの妹さん?」
「そっ。うちの妹も朝が苦手でね、俺が起こさないと絶対に自分では起きないんだから。
休みの日なんかは、お腹が空くまでずっと寝っぱなしだよ。ホント、冬眠中のクマみたい
な奴なんだから」
「ふふっ、そんなこと言ったら妹さんが可哀想よ」
 東郷さんは、クスクスと楽しそうに笑っている。
「ところで乃木くん」
「なに?」
「席も空いてるんだし座ったらどうかしら」
「えっと……横に座っていいの?」
「どうぞ」
 ニッコリ。
 朝からそんな笑顔を見せられたら惚れてまうやろーっっ!!
「じゃぁ、お言葉に甘えて失礼します……」
 俺は失礼がないように、一人分ほどの空間を開けて東郷さんの隣の席に座った。
 同時に静かに電車が発車する。


73:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:04:03 +iXOWgTo
 車両の窓から長閑な田園風景が走馬灯のように流れていくのが見えた。電車は並走する
乗用車を追い越しながら徐々に加速していき、一路都心へと向かうのだ。
「乃木くんの妹さんって、きっと可愛いいんでしょうね」
「可愛い? そ、そんなことないよ。普通だよ普通」
「でも、乃木くんに似てるんでしょう」
 俺にはあんまりというか、全然似てないような気がするな。あいつは完全に母親似で、
俺はどちらかというと父親似だからな。つーか、俺に似てたら可愛いのか?
「まぁ、あいつは外見よりも中身の方に問題があるからね。最近なにを考えてるのかよく
わかんないし……」
 鬼畜系エロゲーの趣味があったりとか、奴隷契約書にサインをさせられたりとか、夜中
にベットに忍び込んできたりとか、ここ最近は兄の理解の範疇を軽く突破している。
「妹さんはお幾つなの?」
「十三歳だよ。来月で十四歳になるね」
「その年頃の女の子って、凄く多感で繊細な時期なのよ。私がその時の頃を思い出すわ。
乃木くんも色々戸惑うことがあるかもしれないけど、できるだけ優しく接してあげて欲し
いな」
 あれでも繊細というものなのだろうか? かなり図太いようにも思えるのだが。まぁ、
うちの妹は特質系の能力者だから、一般論はまったく当て嵌らないような気がする。まし
てや東郷さんと比べるなんて恐れ多すぎるっつーか。
「色々気は使ってるよ。なんせ今は俺しか保護者がいないからね」
「ご両親はいないの?」
「うん。親父が転勤になったから母親も一緒について行ったんだよ」
「そうなんだ」
 東郷さんは、得心いったように静かに頷いた。
「それだとなにかと大変ね。ご飯とかは妹さんが作ってるのかしら?」
「いや、俺が作ってるよ」
「乃木くん、料理できるんだ」
「まぁ人並みにはできるよ。その他の掃除や洗濯も全部俺がやってる。真帆奈はなーんも
できないからね」
「そっか、偉いんだね」
 東郷さんに褒められた。
 なんだか背中のあたりが無性にムズムズしてくるな。
「べ、べつに偉いとかじゃなくて、俺しかやる人間がいないから仕方なくやってるだけだ
よ。真帆奈も少しは料理くらいできるようになってくれればいいんだけどね。あいつの将
来が心配だよ」
「ふふっ。乃木くんって、妹さんのことが本当に好きなのね」
 やや揶揄する口調で東郷さんが言った。
「えっ!? そんな……や、藪から棒になに言ってるのさ。こっちは毎日、苦労させられ
てるんだから」
「だって妹さんの話しをしている時の乃木くんって、凄く嬉しそうな顔をしてるんですも
の」
 マジデ!? 
 俺はそんな恥ずかしい顔をして、真帆奈のことをペラペラと話してたのか。
「変なこと言わないでよ、東郷さん。そ、そんなこと全然ないんだからね!」
「ふふっ、ごめんなさいね」
 東郷さん、クスクスと楽しそうに笑っている。
 やべ、マジで可愛いな。クソッ。
「でも、嬉しそうな顔をしてるのは本当のことよ。乃木くんの妹さんが羨ましわ。私は一
人っ子だから兄弟とかに憧れちゃうな」




74:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:04:31 +iXOWgTo
 まったく。誰でもかれでも俺のことをシスコン扱いするんだから。俺はシスコンじゃな
いっつーの。とにかくこの話題はちょっとマズイな。早急に会話を逸らさなければならな
いぞ。
「と、東郷さんは兄弟いないんだ」
「そうよ。だから乃木くんみたいな優しいお兄さんが欲しかったわ」
 あうっ、強烈なカウンターが入った。
「もうっ、あんまりからかうのはやめてよ」
「からかっているつもりは全然ないわよ。全部本当のことですもの。ふふっ」
 つーか、たった今気付いたんだけど、俺と東郷さんって結構雰囲気よくね。周りから見
たら絶対にいいよね。もしかするとフラグ立ってるんじゃないかな。
 さっきから対面の男子高校生らしき人物が、しきりにこちらをチラチラと見ている。き
っと内心では、そんな美人と朝からイチャイチャしやがって、と歯ぎしりの一つでもして
いることだろうよ。もしも立場が逆だったら、俺だってそう思うはずだから間違いない。
なんだか軽い優越感が湧いてくるな。
 とはいえ、これ以上真帆奈の話をするのはよろしくない。なにかいい話題はないものだ
ろうか。……あっ、そうだ。
「そういえば東郷さん、さっき小説読んでたけどなに読んでたの?」
「えっ、さっきの小説……えっと……」
 妙な反応だな。
 もしかして聞いたらまずかったのかな。
「いや、べつに言いたくないんだったら無理して言わなくてもいいんだけど」
「そんなことないのよ。実はこれなんだけど……」
 東郷さんは、鞄の中にしまっていた先程の小説を渡してくれた。
 小説にはカバーがしてあったので、中を開いて確認してみるとあら吃驚。
 なんとライトノベルだった。
『烙印の紋章』
 中世ヨーロッパ風のファンタジーで、主人公の若い奴隷剣闘士が魔法によってその国の
王子と瓜二つに整形され、クーデターを企む貴族達に利用される。が、主人公は頭が切れ、
オマケに戦争の天賦の才まで持っていたため、逆に貴族たちを利用し本物の王子として成
り上がっていくというお話だ。
 俺もゴゾゴゾと自分の鞄をあさり、一冊の本を取り出して東郷さんに見せた。
「ジャーン!」
「あっ!」
 まったく同じ本―『烙印の紋章』の新刊なのだ。
 俺と東郷さんは、奇しくも同じ本を読んでいたわけだ。
 そして俺達は、顔を見合わせて一緒に吹き出してしまった。
「東郷さんがこういう本を読んでるなんて意外だね」
 巷ではあまり話題になってないかもしれないが、かなり面白い作品なのだ。ただ東郷さ
んなら、てっきりお固い純文学なんかを読んでいるのかと思ってたよ。
「乃木くんも読んでたんだね。よかった。子供っぽいって笑われちゃうかもしれないと思
ったから―あっ、べ、べつに乃木くんが子供っぽいってことじゃないのよ」
 失礼なことを言ってしまったと思ったらしく、東郷さんは慌てて訂正する。
「わかってるから大丈夫だよ。だいたい俺は読んでなかったとしても人の趣味を笑ったり
はしないよ。小説なんて面白ければなに読んだっていいんだから」
「……そうよね。ありがとう、乃木くん」
「い、いいんだよべつに」
 メガネの奥の彼女の瞳は優しく澄み切っており、見詰められてしまうとかなり恥ずかし
かった。
「東郷さんは、他にどんな本を読むの?」

75:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:04:59 Pd5LZ842
「私、本が好きだから、あまりジャンルにこだわらないで読むのよ。最近読んだのは、ジ
ェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』とか、塩野七生の『わが友マキアヴェ
ッリ』とか、『ラブクラフト全集』とか、『ゼロの使い魔』とかかしら」
 本当にこだわりがないようだ。
 本人にそのつもりはないのだろうが、みごとに最後でオチている。
 一度、東郷さんの家の本棚を見てみたいな。もの凄く混沌のような気がする。
「俺も『ゼロの使い魔』だけは読んでるよ。あれ面白いよね」
 デルフも生き返ったしな。
 つーか、最初の本は聞いたことすらないよ。
「でもそんなに色々読んでるのって凄いね。もしかして自分でも小説とか書いたりする人
だったりして」
「えええっ!!」
 吃驚した。
 なにげなく聞いただけなのに、東郷さんの驚き方はハンパなかった。車内の人達も不審
な目でこちらを見ている。まるで俺がおかしなことでもしたかのように……。
「あっ、ごめんなさい……」
「えっと……なにかあったの?」
「な、なんでもないのよ。気にしないで。急に大きな声を出してごめんなさいね」
 東郷さんがなぜあんなに驚いたのか少し気になったが、そんなことよりも恥ずかしそう
に頬を染めている彼女が可愛すぎてもうそれどころではなかった。
「い、いや、なにも気にしてないから。ハハハ……」
 そういえば、東郷さんとこんなに会話をするのなんてあの日以来だな。それ以降は、ほ
とんど挨拶くらいしかしたことなかったからな。このまま電車が環状線になって永遠に回
り続けてくれればいいのに、と思わずにはいられない。
 が、もちろんそんなことが起こるはずもなく、無常にも電車は数分の遅れもなく目的の
駅へと到着するのだった。


『今日のお弁当も美味しいよー。お兄ちゃんの愛情がいっぱいだよー』
 昼休みになると早速、真帆奈からメールが来た。
 添付されていたファイルを開けると、麗ちゃんと一緒に弁当を食べている画像だった。
 とうとう恐れていた真帆奈のメール病が再発してしまった。
 このメールで本日もう二十通目だ。
 以前にあんまりしつこくメールをしてくると着信拒否にするぞ、と忠告してから少しは
減っていたのだが、先日の一件でどうやら箍が外れてしまったらしい。緊急時に備えて本
当に着信拒否にするわけにもいかず、また無視して返信しなければもの凄い勢いで拗ねる
ので後々めんどくさいのだ。
「なんだ。また愛しの真帆奈ちゃんからラブメールか?」
 サンドイッチを齧りながら悪友の黒木貴史が言った。
 まるでメールの内容を知っているかのような口振りだった。
「アホか。そんなんじゃねーよ」
「じゃぁ誰からのメールなんだよ?」
「……」
「ほら見ろ。やっぱり真帆奈ちゃんからじゃねーか」
「だ、だから、ラブメールとかそういうんじゃないって言ってるんだよ」
「だったらメールを見せろよ」
「それは断固として断る!」
 とても人に読ませることができる内容ではないので、俺は激しく拒否した。
「お前は我々の聖天使、真帆奈ちゃんを独り占めする気か! なんと罪深い男だ! お前
なんかメギドの雷に撃たれてショック死してしまえ!」
 我々ってどこのどいつらのことだよ。もしかして真帆奈関係でおかしな団体でも作りや
がったのか。この男も色々と正体不明なところがあるからな。


76:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:05:29 +iXOWgTo
 実は先日、こいつと一緒に聖地巡礼に行った時にこんなことがあった。

「やぁ藤井くん。しばらく」
「これはこれは黒木閣下ではございませんか! いらっしゃるのならば一言ご連絡下され
れば、こちらからお迎えに参上つかまつりましたのに!」
「いやいや、気にしないでいいから」
「すぐにVIPルームをご用意いたしますので、暫くお待ちいただけますでしょうか」
「いや、今日はちょっと友人と買い物に来ただけだから、楽にしいて構わないよ」
「そうでございましたか。どうぞごゆっくりお楽しみ下さいませ。それで、こちらの方は
同志の一員でございますでしょうか……?」
「ああ、彼は将来の幹部候補だ」
「そうでございましたか! 乃木様でいらっしゃいますか。わたくしコミックと○のあな
秋葉原店の店長をやっております藤井と申します。マイスターには日頃からそれはもう大
変お世話になっております。むさ苦しいところではございますが、どうかごゆるりとお寛
ぎ下さいませ。もしなにかございましたら、この不肖藤井めに遠慮なくお申し付け下さい。
ラトゥ、プライ、ヴェルヘル……」
 と、だいたいこんな感じだった。
 普段あんまり聞かない単語やあやしげな呪文まで飛び出す始末で、「いいかげんにし
ろ!」と喉仏辺りまでツッコミが出かかっていたのだが、あえて我慢した。ろくでもない
人間を。つーか、勝手に俺を同志とやらの一員にするのだけは金輪際やめてもらいたい。
 で、またメールが来た。
 ややうんざりしながら確認すると、当然ながら真帆奈からだった。
『学校だとお兄ちゃんに会えなくて寂しいよー。早くお兄ちゃんに会いたいよー。学校が
終わったら寄り道しないで、一刻も早く真帆奈とお兄ちゃんの愛の巣に帰ってきてね』
 そんないかがわしい巣を作った覚えは一切ない。
 黒木の冷たい視線が身体に染みる。
「と、ところで黒木よ。お前はゴールデンウィークの予定は決まっているのか?」
「ああ、旅行に行くことになっている」
「へー、どこに行くんだよ」
「熱海だ」
 なるほど。
 彼女と仲良く熱海旅行イベントというわけだ。
「なんだったらお前も一緒に来るか? ダブルデートということでもべつに構わんぞ。も
ちろん泊まる部屋は別々になるがな」
「いや、遠慮しとくよ。邪魔しちゃ悪いからな。二人っきりで仲良く行ってくれ」
 ぐっと涙を堪えながら俺は言った。
「そうか、気を使わせて悪いな」
「いや、いいんだよ。俺もその時は旅行に行くかもしれんからな」
 そろそろ五月会の行き先をちゃんと決めないといけないよな。週末に色々あったからす
っかり忘れてたよ。ちなみに五月会の説明を簡単にしておくと、うちの近所の五月生まれ
のみんなで一緒に遊びに行く会のことだ。今年は暫定的に温泉に行くと決定している。果
たして今からでも宿は取れるのだろうか?
 で、またまたメールだ。
『言い忘れてたけど、今日はお兄ちゃんのだい好きな縞々にしたからね♡』
 添付ファイルを開けるとさぁ大変。
 たくし上げたスカートから丸見えになった、真帆奈の縞々パンティー画像だった。
「ブーーッ」
 お茶吹いた。
「お前はなにをやってるんだ?」
「ゴホッ、ゴホッ、す、すまん……」


77:俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない 2
10/09/23 00:05:59 +iXOWgTo
 女の子がこんないやらしいメールを送ってきて! もうっ、ダメなんだからね! 家に
帰ったら絶対に説教してやるんだから!
 と思ってたら、今度は麗ちゃんからメールだった。
『おにーさんは縞々が好きだったんですね。それならそうともっと早く言ってくれればよ
かったのに。私も幾つか持ってますから、今度、ドッキリ縞々画像を送っちゃいます
ね』
 麗ちゃん、頼むから真帆奈が馬鹿なことしてたらすぐに止めてよ!
「お前はいいご身分だな」
「だ、だから、そんなんじゃねーってばよ!」
 俺の悲痛な叫び声が教室に木霊した。

78:代理投下 ◆j3gvf0a2hI
10/09/23 00:06:27 +iXOWgTo
153 : チョ・ゲバラ 2010/09/21(火) 23:07:27 ID:4/uKqcvU

続きます。
いつになったら規制解けるのかな……
後、どなたか転載よろしくお願いします。


79:代理投下 ◆j3gvf0a2hI
10/09/23 00:06:55 +iXOWgTo
155 : チョ・ゲバラ 2010/09/22(水) 18:13:40 ID:Qe3/MfB6

すいません。あまりにも読みにくかったのでもう一度貼ります…

現在、三カ月以上に渡って規制が続いており、今後も規制が解除され
る見込みはない模様です。一時はこちらの避難所で連載を継続しよう
と考えましたが、やはり永遠と転載をお願いするのは心苦しく、また
色々と不都合を感じるところもあり、誠に勝手ながらこちらでの連載
は、これで終了させて頂くことにいたしました。このような結果にな
りまして慚愧に耐えません。以上のことにより、昨日投下いたしまし
た作品の方は、本スレの方に転載しないようよろしくお願いします。
重ね重ねお詫びいたします。なお、こちらでの連載は終了いたしまし
ても、他所の方で連載は引き続き継続いたしますので、御指導、ご声援
のほどを頂ければ幸いと存じます。もし規制が解除されましたら、また
新たな作品を投下してみたいと思っております。


80:代理投下 ◆j3gvf0a2hI
10/09/23 00:07:15 +iXOWgTo
以上で投下終了です。

81:代理投下 ◆j3gvf0a2hI
10/09/23 00:09:29 +iXOWgTo
ぐあ、申し訳ないあとがききちんと読んでませんでした。
転載申し訳ありません。

82:名無しさん@ピンキー
10/09/23 02:42:22 FcGkYYBw
乙!

83:きっと、壊れてる第7話
10/09/23 02:47:25 MTlO7pBY
こんばんは。
きっと、壊れてる第7話投下します。 注意:キモウト以外とのエロあり

84:きっと、壊れてる第7話(1/8)
10/09/23 02:48:07 MTlO7pBY
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また、夢を見ていた。

茜となぜか将棋を指しているシーンだ。
目に映る茜の姿はおそらく中学校2,3年ぐらいだろうか。
しかし、中学生とは言っても今現在の茜の姿にかなり近付いてきている。
綺麗な黒髪は、この頃はまだ肩ぐらいまでしかないが、背は既に現在とほぼ同じぐらいまでになっていた。

『老けている』という表現ではなく、『大人びている』という表現の方が適切なその姿は、
同級生の中でもかなり目立ったのではないだろうか。

なぜ、将棋を指しているのか思い出した。
部活にも入らず、友達と寄り道して遊ぶわけでもなく、
授業が終わると学校からまっすぐ帰るだけの茜に、少しでも気分転換になれば、と俺の方から誘ったのだ。

この頃には既にお互い読書に夢中になっており、気分転換なら読書の話をするのが一番手っ取り早かったのだが、
俺自身が、たまには全然違う事を話題にしたいと思い、将棋を指すという発想に至ったのだと記憶している。

今思えば、年頃の女の子が将棋を指して楽しめるのかどうかが疑問だが、
盤上を見つめるその真剣な眼差しは、夢の中で見てもとても美しかった。

「はい、お兄ちゃんの番」
桂馬の駒を、次に俺が移動しようと思っていた場所に置き、茜が告げた。
俺の攻め手を封じると同時に、その気になれば次手で動かして俺の銀将も取得できる絶好の位置だ。

思えば、まだこの頃、俺への呼びかけは『お兄ちゃん』だった。
『兄さん』となったのが、確か茜が16歳の誕生日を過ぎてからだったので、これより1,2年後だ。

「う~ん、そこに置くかぁ・・・じゃあこれで王手だ!」
このままでは負けてしまうと思った俺は、飛車の駒を茜の王将の平行マスに置いた。

「・・お兄ちゃん、攻めたい気持ちはわかるけど、ここは守らないと駄目。
守り切ればまだお兄ちゃんにチャンスはあるから。見て?王手と言っても、こうすれば私は簡単に守れるし、逃げられるよ。」
茜は実際に駒を動かして解説してくれた。
「・・・」
俺は将棋などの頭を使うゲームでは、恥ずかしい話、茜にほとんど負けてばかりだった。

惨敗した俺が、飽きたようにソファへボスッと音を立て寄りかかると、
茜は俺を見つめながら注意するように口を開いた。

「お兄ちゃん、前にも言ったけど、私は別に塞ぎ込んでいるわけじゃないの」
「ん?」
「学校でも別に孤立しているわけじゃないの。友達もいるから大丈夫。ただ、少し集団行動が苦手だから家にいる時間が多いだけ」
どうやら茜はすべてお見通しだったようだ。

「そうか、なら安心だよ」
「うん。それと・・ありがとう。でも将棋で勝ちたくなったらいつでも言ってね?相手してあげる」
少し悪戯な顔をして、将棋盤と駒を方しはじめる茜を見た俺は、満足したように足を前に投げ出し、『腹が減ったな』と呟いた。

「二人とも、そろそろご飯よ。どちらか楓を起こしてきてくれる?」
台所で晩御飯を作っていた母親が、リビングにいる俺達に声を掛けた。
現実の世界ではもう随分と見ていない、母さんの姿が懐かしい。

楓は小学校が終わり帰宅した後、疲れて自分の部屋で眠ってしまっていた。
自分の部屋と言っても、我が家はそこまで広い家に住んでいるわけでもなく、茜と楓の共同部屋だ。
「わかった、じゃあ俺は母さんを手伝うから、茜は楓を頼む」
「うん」
二手に分かれ、俺は夕飯の準備を手伝った。帰りが遅い父さんを除いた全員分の箸や茶碗を並べた。

85:きっと、壊れてる第7話(2/8)
10/09/23 02:48:53 MTlO7pBY
「ん~眠い」
「遅くまで漫画を読んでいるからよ。今日は早く寝なさい」
数分後、まるで母娘のように茜が楓の手を引き、リビングへと戻ってきた。
楓はその小さい手で目を擦りながら、だらしなく欠伸をしている。
Tシャツにキュロットスカートを穿いている。どうやら、帰ってから着替えずにそのまま眠ってしまったようだ。

「ふわぁ・・・おねーちゃんも読む?おもしろいよ」
楓は海賊を志す少年が仲間たちと冒険を繰り広げる漫画を好み、よく読んでいた。
昨夜も夢中になって、寝るのが遅くなったようだ。

「私はいいよ。漫画って、絵もセリフも見ないといけないから、疲れるの」
そういえば、茜が漫画を読んでいる姿をほとんど見た事がない。そういう理由だったのか。
「へんなの~」
さっきまで寝ていたのが嘘のような顔を見せた楓が、茜の腕に抱きつく。
「ちょっと、歩きにくいから離れて楓」
「おねーちゃん良い匂いするから好き~」
楓はさらに茜の体にギュッと抱きつくと、自分の顔を擦り寄せた。
「もう、変な所触らないの」
注意しながらも、茜は楓の頭を撫で、『少し髪が伸びたわね』と独り言をこぼしている。
よく茜が楓の髪を結ったりしてあげているのを、俺は見かける事があった。
二人とももう少し成長すれば、一緒に服などを買いに行く事もあるだろう、と姉妹の仲の良さに少し微笑ましくもなった。
「はははっ、仲が良いなぁ茜と楓は」
「本当はね、お兄ちゃんに一番くっつきたいけど、恥ずかしくてできないのよ、ね?楓」
「おっ、おねーちゃん!」
「フフフッごめんなさい。さぁご飯を食べましょう」

そういえば、昔はよく俺の背中や膝の上に乗っかってきていた楓が、
最近あまり近付いてこないような気がしていたが、そう言う事か。
小学生といえど、女の子はもう異性に照れる年頃だという事か。

茜が桜ぐらいの頃はどうだったか・・ベタベタまではいかないが、俺の服や腕を掴んで離さなかった気がする。
すっかり立派な長女へと成長した茜から考えると意外だった。

「?? おにーちゃん、誰かと遊んでたの?」
夕食中、ソファの近くにある小さいガラスのテーブルの上に、半分片された将棋盤を見て、楓が不思議そうな声を上げた。

「ん~?・・あぁ、さっき茜と将棋指してたんだよ」
「おねーちゃんと!?なんで楓も起こしてくれなかったの!?」

一瞬で楽しい夕食の時間が止まった。
楓の突然の剣幕に、俺は唖然とした。

「なんでって・・せっかく寝てるのに起こすのは可哀想だろう?それに楓は将棋わからないじゃないか」
仲間外れにでもされたと思ったのだろうか、俺は必死に楓をなだめようとした。
確かに、前に茜と二人で近所のコンビニに行った時、家に帰ると残っていた楓が拗ねていた事はあった。
その時は、特に気にもしていなかったのだが。
食事中に怒鳴る程、嫌なものなのか。

「前に楓を仲間外れにはしないって約束したのに!嘘つきっ!」
やはりそういう理由のようだ。
「楓!!いい加減にしなさいよ!!」
「グスッ・・うえーーーーん!!」
母さんに怒鳴られ、泣きだした楓に俺は気の効いた事が言えなかった。

母さんの得意料理である、さわらの西京漬けを丁寧に箸で一口サイズに小分けし、口へ運ぶ。
重たい空気の中、茜だけは何事もなかったかのように、黙々と食事を続けていた。


86:『きっと、壊れてる』第7話(3/8)
10/09/23 02:50:44 MTlO7pBY
楓が泣き疲れて眠ってしまった夜10時頃、俺は風呂に入ろうと思い、脱衣所へと向かった。
ドアを開けると、そこには上下水色のパジャマを着て、洗面台で歯を磨いている茜の姿があった。

「少し待っててね、すぐ終わるから」
鏡越しにこちらにそう言うと、茜は歯磨きを続行した。
「いや、ゆっくりでいいよ」
俺は別に茜がいる前で服を脱いでも構わないのだが、以前茜に注意された事があった。
思春期の女の子だ。いくら兄とはいえ男の裸を見たくないのだろう。
俺は茜が歯を磨き終わるまで、その場でおとなしく待つ事にした。

「はい、お待たせ」
茜は黄色の歯ブラシをコップに入れ、元の場所に戻すと、こちらを振り向いた。

「なぁ」
「??何?」
「楓はさっき、なんであんなに怒ってたんだ?」
深い意味はなく、素朴な疑問だった。
俺には楓が『仲間外れにされた』と感じた理由が、よくわからなかったからだ。

「??仲間外れにされたからじゃないの?そう言ってたじゃない」
茜はそう言うと、まだ俺との話が続くと思ったのか、鏡の前に戻り髪を梳かし始めた。
「でも、そんな事言ってたらキリないじゃん。学校の友達と遊ぶのにも、楓を連れて行かなきゃいけなくなる」
楓は確かに大事な妹だが、正直そこまで面倒を見ないといけないと思うと、息が詰まった。

「それは大丈夫。・・・多分、私の時だけだから」
「えっ?」
茜が言った言葉に、俺は少なからず動揺した。
茜と俺が何かする時にだけ、楓は仲間外れにされたくない、という事か。
茜と楓は意外に仲が悪いのだろうか。いや、そんな風には見えない。

俺が考えていた事を読み取ってくれたのか、茜が言葉を続けた。
「楓は私の事慕ってくれてる。でもそれは姉として」
「姉と妹の関係以外に何があるんだ?」
「フフッ、お兄ちゃんはそんな事考えなくてもいいの、女の子には色々あるのよ」

そう言うと、茜はもう会話は終わった、と言わんばかりに櫛を洗面台の所定の位置に戻し、脱衣所から出て行った。
俺には茜の言っている事がよくわからなかった。
茜に同じ俺の妹としてヤキモチを焼いているという事だろうか・・・。
シャワーを浴びている間、ずっとその事を考えていた。

結果、やはり先程の考えが一番有力だと思った。
楓はまだ10歳。多感な時期だ。出来るだけ気遣ってやろう。俺はそう思った。

体を拭き、パジャマ替わりのTシャツとハーフパンツを穿いた俺が、脱衣所のドアを開けると、
さっきまで眠ったはずの楓が俯きながら廊下に立っていた。
「ん?どうした?楓」
俺が声を掛けると、楓は顔を上げて今にも泣きそうな顔で俺に近付き、口を開いた。
「・・・さい」
「?」
「ごめんなさい、お兄ちゃん。ワガママ言って」
楓は俺の目をしっかりと見つめ、確かにそう言った。
俺にも経験があるから理解できるが、自分に非があるとわかっていても、中々こういう風に素直には謝ることができない。
俺は楓のその素直さに、心が温かくなった。
「楓は素直で偉いな。茜と母さんにもちゃんと謝れたのか?」
俺がそう言うと、楓はコクッと頷いた。
「そっか。じゃあ今日は遅いからもう寝よう」
俺はそう言いながら、楓の頭を撫でると、部屋まで送っていた。

夜はまだ少し冷える、春の日の思い出だった。
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87:『きっと、壊れてる』第7話(4/8)
10/09/23 02:51:30 MTlO7pBY
・・・
・・


「こうすけぇ、起きてよ~」

体が揺すられている。
匂いが違う。ここは・・・。

浩介は目を開け、体を起こした。
目の前に美佐の顔があった。どうやら仰向けに寝ていた浩介に馬乗りになっているらしい。
美佐も起きてからさほど経っていないのか、寝る時の格好である薄いピンクのタンクトップに、水色の短パン姿だった。
周囲を見渡すと、カーテンの間から光が差し込んでいるのが目に入った。
自分と美佐がいるのがセミダブルのベッド、部屋の隅には化粧台とテレビを置いている組み立て式の台。
学生時代からほとんど変わっていない、同年代の女性と比べると、かなり殺風景な美佐の部屋だった。

そういえば、昨日は週末という事もあり美佐と飲んでいたが、
飲み過ぎてしまい、近くにある美佐の家にそのまま泊めてもらったのだ、と浩介は思い出した。
目の前にある美佐の顔に焦点を合わすと、ヤレヤレといった顔で美佐が口を開いた。

「やっと、起きた。薄情者、女の部屋に上がり込んでおいて、ソッコー寝やがって」
浩介の胸を軽く叩くと、美佐は浩介の首に腕を回し、チュッと唇にキスをした。

「悪い」
「許さない」
美佐は少しも怒っていなさそうな顔でそう言うと、生理現象でそびえ立っていた浩介の股間に手を伸ばし、掴んだ。
「何?これ」
「何って・・朝だからしょうがないだろ」
「おもしろ~い」
美佐は、浩介の上に乗り、向かい合っている体勢にも関わらず、
パンツを剥ぎ取り、器用にむき出しの男性器を掴んだ手を上下に動かした。
「美佐、朝から・・」
「別にそんな法律ないでしょ?」
澄ました顔で、浩介を見下ろす美佐を見て、浩介は自分が興奮していくのを感じた。征服されている感覚がなぜか嬉しかった。
人間の普段は死んでいる心理の側面を、心理学用語で『シャドウ』と言う事を、ふと浩介は思い出した。
美佐にならそういう側面を見せても構わない、浩介はそう思った。

「おっスイッチ入った顔になったな、じゃあサービス」
美佐はそう言うと、浩介の上から降り、浩介の顔の方に自分の尻を向けると、男性器を口に含んだ。

生温かい美佐の口の中で、意思をもっているかのように浩介の物はさらに大きく、そして固くなった。
「・・・ちゅっ・・くちゅ・・なんか・・・先っちょ濡れてる」
「恥ずかしいから実況しないでくれよ」
「ずちゅ・・ずちゅ・・そう言われると・・したくなっちゃな・・すごい・・固い・・」
美佐は右手で男性器の位置を固定し、頭を上下に動かして浩介の快感を高めていく。

「れろれろっ・・・ちゅっ・・ちゅっ・・はむっ」
5分程経っただろうか、舌を使い、掃除をするように亀頭回りを舐め取る美佐に浩介は視覚的にも、感覚的にも興奮した。
「美佐、ごめんもうイくかも」
「ん~?・・ちゅっ・・くちゅ・・もうイっちゃうの?可愛い」
美佐は完全に攻めを楽しんでいた。
その妖艶な笑みは、浩介の肉欲を加速させる。

「いいよ?・・ぐちゅ・・のん・・であげるから・ずちゅ・・いっぱい出して?・・・んんんんーーー!!!!!」
最後に可憐な少女のような笑みを見せた美佐の口の中に、浩介は大量の精を解き放った。

先程まで見ていた夢を、浩介はもう思い出せなかった。

88:『きっと、壊れてる』第7話(5/8)
10/09/23 02:52:34 MTlO7pBY
ベッドの中で二人、昼過ぎまでまどろんでいた。
「今何時だ?」
「ちょうど12時。お昼ご飯、食べるでしょう?」
「食べる。丼物が食べたい」
「食べるね~お兄さん。わかった、ちょっと待ってて」
そう言いながら、美佐はベッドから出ると、キッチンへと向かった。
美佐の残り香が浩介の鼻にフワッと入ってくる。

良い匂いだった。
茜の香りが高原のような爽やかで、心が落ち着く香りなら、
美佐のそれは花畑のような華やかで楽しくなる香りだった。

キッチンへ立つ美佐の後ろ姿をボーっと見ていた時、浩介は重要な事を思い出した。

今日から楓が浩介達の家へ居候する。

浩介の脳裏に、先日の楓との会話が甦ってきた。

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「夏休みが終わるまで居候させてほしい」
これが楓が俺達の家を訪ねてきた理由だった。

楓は今高校3年、受験生だ。
予備校に通っていて、その予備校が来週から夏期講習に入る。
その予備校は実家より俺らの家からの方が距離的に近い。
追い込みの時期だから、できるだけ移動の時間を減らしたい。
以上が俺達が住む家に、居候させてほしい理由だった。
両親の許可も既に取ってあるらしい。

別に他人でもあるまいし、泊まらせるのはまったく構わなかったが、俺には疑問がいくつかあった。

まず、楓は俺達が家を出た理由を知っているのか、という点だ。
俺は少なくとも教えていない。
荷物をまとめる俺を不思議そうな顔で見る楓に、理由など言えるはずがなかった。

当時は黙っていたものの、楓がある程度成長した時に、俺達の住所と家を出た理由を両親が伝えたのだろうか。
少なくとも、住所は教えてもらっていなければ、ここを訪問してきた説明がつかない。
そうすると楓は知っている、という結論になるが、わざわざ『予備校に近くなる』程度の理由で、
禁忌を犯した兄と姉の元へ居候しようとするだろうか。可能性は低いだろう。

すると、やはり楓は『何も知らない』のか。
だが何も知らない楓に、両親があんな形で家を出た俺達を頼らせるワケがないと思った。
それに、正月も盆も帰らない兄と姉に、何も違和感を覚えないのは不自然だ。

楓は何事もなかったかのように、昔のまま俺達に接している。
正直、わからない事だらけだった。
楓に直接聞くわけにもいかず、俺はとりあえず居候を許可した。
ただ、『両親に確認を取ってから』、『絶対に夏休みの間だけ』、最後に『週に1日は実家へ戻ること』という条件を付けた。
最後の条件は、茜だけではなく、楓さえも両親の元から奪い去るわけにはいかないと思ったからだ。

両親への確認は茜に取ってもらう事にした。
本当は茜との関係が健全になった今、俺が直接出向くべきなのかもしれない。
正直に言うと、もう少しだけ時間が欲しかった。

茜は、普段から定期的に母さんと連絡を取り合っているようだし、特に嫌な顔もせず引き受けてくれた。
その情報は、母さんから父さんへと必ず伝わるだろう。

もう少しだけ、待っていてください。
俺は心の中で両親にそう語りかけた。
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89:『きっと、壊れてる』第7話(6/8)
10/09/23 02:53:10 MTlO7pBY
「はい、牛丼一丁お待ちっ!」
約20分後、どこで買ってきたのか、専門のチェーン店のような容器に入った牛丼が、浩介の前に出された。
「すごいな、本格的だ。・・・・うん、おいしい」
「でしょー?」
「お世辞じゃなくて本当においしいよ。美佐昔は料理あまり得意じゃなかったよな?」
「うん、練習したの。外食ばかりだと栄養も偏るし、お金も掛るからね。といっても、まだレパートリーは少ないんだ」

嬉しそうに自分の得意な料理について話す美佐を見て、皆成長し前に進んでいるんだな、と浩介は思った。
そして、10代の頃から家事全般を高水準でこなしていた茜に対して、今まで以上に感謝をして、
これからは少しでも茜が楽になるように家事を手伝おうと、心に決めたのだった。

「そういえば、茜ちゃんは料理上手なんでしょ?」
「あぁ、俺が家事をほとんどしないからな。家の中の事はアイツに任せっきりだ」
「ちょっとは手伝いなさいよねぇ。仕事は?何してんだっけ?」
「フリーのライターだよ」
「おー、かっこいいねぇ。バリバリ働いてるの?」
「いや、本人としては餓死しない程度に稼げれば満足だそうだ。今は無理に仕事入れなくても、俺がいるしなぁ」
「なるほどぉ・・とすると、時間は比較的自由に使える、か・・」
美佐は一瞬何かを考え込むような顔をした。
「美佐?」
「ん~?いやね、普通の仕事してる人はさ、毎朝早く起きて仕事行って夜に帰るじゃない?
私としては『拘束時間長すぎじゃない?』って思うわけさぁ」
「確かに、出かける準備の時間とか移動時間含めると長いよなぁ」
「でしょ?税金も勤労もない国に生まれたかったわぁ」

以前付き合っていた頃も、真面目な話をしてお互いを高め合い、笑い合い、そして愛し合った。
そして4年の時を経て、再び美佐と同じように過ごしている。
浩介は他愛もない話をして美佐と過ごす時間が最高に楽しかった。

『運命』浩介は脳裏に浮かんだその言葉に、我ながらロマンチストだなと苦笑いした。
そして、次に浮かんだのは・・茜だった。
『宿命』茜と自分の関係を例えるなら、この言葉が一番ふさわしいと浩介は思った。

もし生まれ変わる事があるのなら、約束する。
その時こそ一緒になろう。

浩介は相手のいない約束をして、かけがえないこの時間、『運命』の大切さを噛み締めた。

美佐と会話しながら、ゆっくりと牛丼を食べ終わった浩介は、ふと携帯電話を手に取った。
メールが1件届いている。
茜からだった。
普段同じ家に住んでいる事もあり、あまり茜とメールしない浩介は、何かあったのかとメール本文を開いた。

内容は今日から楓が住むのに必要な物をいくつか買っていいか、という内容だった。
いつもは特別高い買い物をする以外、こんな連絡はしてこない。
なんで今日に限って、と思った浩介だったが、件名を見てその答えがわかった。

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From:茜
Sub :今美佐さんの家?

楓が今日からしばらく泊まるけど、生活用品買ってもいいわよね?
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そういえば昨日は、先に寝てて構わないという連絡はいれたが、いつ帰るかは言っていなかったと浩介は思い出した。
連絡もなく、家にも帰っていない事を心配しているのだろう。
浩介はすぐに美佐の家にいる事ともうすぐ帰る旨を返信した。
引け目を感じる事もなく、素直に美佐と一緒にいる事を茜に伝える事が出来た。
『茜は大事な妹』もう少しでそう言い切れる気がした。

90:『きっと、壊れてる』第7話(7/8)
10/09/23 02:53:40 MTlO7pBY
その日は水曜日だった。
1週間の内で一番疲れる日は?と聞かれたら、かなりの人数がこの水曜日を挙げるのではないだろうか。
明日も明後日も仕事、または学校。
当日を含めて、3日間我慢すればいいのだから、先が見えている。
けれどすぐに終わりが訪れるわけでもない状況が、今の巧の心境に酷似していた。

巧は黒髪の美女と初めて会った場所で、あの日と同じように隅田川が悠々と流れているのを見つめていた。
昨夜、雨が降ったためか、川の色が普段より黒く感じる。
川沿いのテラスにあるベンチに座っている巧は、先程自動販売機で買った缶コーラを自分の隣に置いた。

「時間ぴったりだね」
「・・・」

巧の前には、黒髪の美女が立っていた。服装もこの前と同じ、シンプルな黒いワンピースだ。
時刻は午後3時。巧の言う通り、約束通りの時間だった。

「この間は御苦労様」
黒髪の美女は川の方を向いたまま、ななめ後ろにいる巧には目もくれず、言葉を発した。

「本当に苦労したよ。あの人・・・なんか掴み所がないし」
巧は美佐と対面した時の事を思い出した。
昼行燈という表現が正しいのかはわからないが、飄々とした人物である事は確かだった。
そして、最後に一瞬だけ見せた冷徹な目。
巧の中で警笛が鳴っていた。
できれば、玉置美佐とはもう二度と関わり合いたくないと思っていた。

「そう、会話はしたの?」
「したよ・・完全に見下されてたけどな。もっと言えば好戦的だったよ」
「好戦的?」
「あぁ」
「そう、あの人・・・意外に優しいのね」
「優しい?」
「優しいじゃない。あの人は『もう二度と首突っ込むな』って警告してくれたのよ?理解できなかった?」
「・・・」
「・・・まぁいいわ」
黒髪の美女はそう言うと、立っているのに疲れたのか、巧と同じベンチに腰を掛けた。
巧との間には、もう一人ぐらい座れそうなスペースが空いていた。

「あぁ・・そういえば、電話でも話したけど念のためもう一度言っておく。『相手が悪かったね』だって」
「・・・」
「あの人はなんかヤバい気がする。普通じゃない。いや・・根拠はないけどそんな気がする」
「あなたに言われなくてもそんな事わかってるわ」
黒髪の美女は少しだけ不愉快そうな声を出した。

「なぁ」
「何?」
「そろそろ教えてくれないか?名前。何て呼べばいいんだよ」
「名前?別に好きなように呼んだらいいわ」
黒髪の美女は興味がないように、そう言い捨てると、長い髪をかき上げた。
「好きなようにって・・・」
「別に呼称なんて何でもいいのよ。判別できれば」
「・・・わかった」

「後もう一つ聞いてもいいか?」
「・・・」
「『村上浩介』って誰なんだ?・・・えーっと・・あんた、とはどういう関係なんだ?」
「・・・あなた、本当にわかってないのね」
「え?」
黒髪の美女はため息をつきながら、この日初めて巧と目を合わせた。

91:『きっと、壊れてる』第7話(8/8)
10/09/23 02:54:45 MTlO7pBY
「お使いをするだけならともかく、事情を知るという事はあなたも関係者になるのよ?
何かあった時、知らなかったでは済まされない。玉置美佐はそういう警告をしてくれたのよ」
「・・・」
「後1度お使いをしてくれれば、1日だけデートでも何でもしてあげる。それで満足しなさい。
そして私とあなたの関係は終わり、その方があなたの為にもいいわ」
黒髪の美女はまくしたてる様に、喋った。
しかし巧は気付いていた。黒髪の美女は焦っている。
言っている事と、頼んでいる事が確実に矛盾していた。

「・・・とりあえず後1回のお使いって?」
巧は先程から気になっていた事は一旦忘れ、黒髪の美女が言う最後のお使いの内容を聞いてみる事にした。

「これをまた、玉置美佐に届けてほしいの」
黒髪の美女は口が開いたままのバッグを肩から降ろすと、中からA3サイズの茶色い封筒を取り出した。
受け取ってみると、手にかかる重さと封筒の薄さから、紙類しか入っていない事がわかった。
正直、中身より黒髪の美女が発した言葉の方に巧は気を引かれた。
「え・・・またあの人に?」
「えぇ、これで駄目なら違う手を考えるから。あなたはどちらにせよ最後だから安心して?」

巧は、なんでそこまで『村上浩介』と『玉置美佐』の邪魔がしたいんだ?、と言いかけたが、思いとどまった。
また小言を言われるのは目に見えていたし、これ以上は不味いと思ったからだ。

「それで、実際に行動に移す日はまだ待ってほしいの」
「しばらく様子を見るって事か?」
「そう、内心もう嫌になっているかもしれないし、私もリスクのある事はできるだけ避けたいから」
「・・・わかった。腹を決めたら連絡してくれ。それまでこれは預かっておく」
「えぇ、よろしくね」
「・・・」
「どうしたの?もう行っていいわよ」
「・・・あぁ、じゃあな」
巧はそう言うと、ベンチから立ち上がり、早歩きでその場を去った。

これ以上は本当に不味いと思ったからだ。
これ以上あの場所にいて、黒髪の美女に小馬鹿にされるような事があったら、
本気で襲いかかってしまいそうな衝動に駆られたからだ。
ここが、外で良かった。
巧は本気でそう思った。

あの生意気な女を自分に服従させ、凌辱したい。
あの小さな口に自分の男性器を咥えさせ、嗚咽を漏らさせたい。
半泣きのあの女の後ろから突っ込んで、激しく突きたい。

巧の中に、自分でも嫌悪するほどの下衆な発想が蠢いていた。

彼女は最後のお使いが終われば、1日オレに付き合うと約束した。
『体も許す』とは一言も言っていないが、こちらも『健全なデートです』等とは一言も言っていない。
正直に言えば、彼女があそこまで高圧的でなければ、ここまで付き合う事はなかった。
きっと前回のお使いすら投げ出して、いつものオレの、つまらない日常に戻っていた。

ここで彼女に言われっぱなしで終わってしまったら、オレの人生は一生つまらなくなる。そんな気がした。
男の意地か、小さいプライド。
どちらにするかはオレ次第だ。

おそらく、オレの頭はイカれてる。
・・・でもきっとあの女を一度は手に入れる。そう決めたんだ。

巧は黒髪の美女の方を一度も振り返らずに、歩き続けた。
少しだけ視界に入った川はやはり黒ずんでいて、しばらくは何色にも染まらない鈍行な輝きを放っていた。

第8話へ続く

92:『きっと、壊れてる』第7話
10/09/23 02:55:46 MTlO7pBY
以上です。ありがとうございました。ではでは。

93:名無しさん@ピンキー
10/09/23 03:31:24 Ov/JsSpX
巧に死亡フラグ立ちすぎでワラ太
GJ

94:名無しさん@ピンキー
10/09/23 11:09:53 cca+Vl+t
これから波乱がありそうな話でしたね。毎回楽しませてもらってます
GJ!


95:名無しさん@ピンキー
10/09/23 14:32:59 MGGuF5+Q
>>92
寝取られは勘弁

96:名無しさん@ピンキー
10/09/23 15:54:37 XOsLkA2i
>>92
同上

97:名無しさん@ピンキー
10/09/23 16:58:44 8rPraZlU
まだ読んでないから流れは知らないけど誰かが騒ぎ立てるから注意書きしたほうが無難だな

98:名無しさん@ピンキー
10/09/23 19:37:56 M9WUKW3A
ヤンデレに寝とられを入れるのはヤンデレを理解してない証拠
とっとと寝とられスレに行け

99:名無しさん@ピンキー
10/09/23 19:58:45 lfAmRoGm
嫌なら見るな

100:名無しさん@ピンキー
10/09/23 20:07:12 fq1x0/sm
NTRとかイラネ

101:名無しさん@ピンキー
10/09/23 20:08:05 oKy9Q3Xd
作者さんは気にせず連載してほしい。

102:名無しさん@ピンキー
10/09/23 20:16:51 gqYDneri
NTRあるなら注意書きして欲しいかな
注意書きしてくれれば問題ないです
某スレみたいに注意書き無いせいで荒れるのは勘弁

103:名無しさん@ピンキー
10/09/23 20:18:50 NPFzTvVo
寝取られ展開はあり得ないだろ
お前ら脅え過ぎ

104:名無しさん@ピンキー
10/09/23 20:46:49 MTlO7pBY
作者です
反応を確認しに来てみると、予想外のスレ内空気になっていて驚きました
ネタバレ的な発言になってしまうので控えていましたが、作中実際に寝盗られる描写は今後も一切ありません
登場人物の壊れた行動理念を表現したいがために、あのような描写を投下してしまいました
私の不注意のせいで、皆さんにいらぬご心配をおかけして申し訳ありませんでした

以後も、引き続き投下する予定です。もしよろしければ、また読んでやって下さい。では

105:名無しさん@ピンキー
10/09/23 20:52:28 vgu5aHhi
続き楽しみにしてます

106:名無しさん@ピンキー
10/09/23 21:20:40 X2c6NeLN
いいよ、いいよー作者さん
GJ

107:名無しさん@ピンキー
10/09/23 23:52:32 T3iYAeGj
>>104
GJです。NTR展開はなさそうって思ったけどなぁ…。感じ方は人それぞれか。

108:名無しさん@ピンキー
10/09/24 02:14:55 7jiUFGE3
自分の嫌いなものは全否定したがるバカが
さも自分が多数派みたいな態度で騒いでるだけ
気にしなくていいだろ

109:名無しさん@ピンキー
10/09/24 02:19:30 tb5kvPT+
エロパロ板というか、ピンクの粘着キチガイ率の高さって凄いよなー
全体的に粘着気質な奴も多いし。エロは人を狂わせるのかね

110:名無しさん@ピンキー
10/09/24 02:33:47 nlQS2ZUI
でもキモウトの足は舐めたい

111:名無しさん@ピンキー
10/09/24 02:48:32 ilZv3QvX
全年齢板より人が少ないから荒らしやすいだけだと思わないでもない

てかこのスレだと男は普通に姉妹や泥棒猫間で寝たり寝なかったりするんだがそれはいいのか

112:名無しさん@ピンキー
10/09/24 02:55:10 jA5IF5dq
>>104
投下楽しみにます!

113:名無しさん@ピンキー
10/09/24 06:52:40 vIa86Lq4
>>104
ありがとうございます。今後も楽しみにさせていただきます。

114:名無しさん@ピンキー
10/09/24 13:19:45 euFPTd0W
まぁやっぱり何人も言ってるようにNTRとヤンデレは駄目だと思う。荒らしとかじゃなくて、真剣にな

本当に「お兄ちゃんより気持ちいい」みたいなNTR書いたら、その時めちゃくちゃ叩いてやったらいいし、それを荒らしとは思わないが
ただ、まだそういう描写があったわけでもないのに騒ぐなとは思うわな。草郎は止めろ


115:名無しさん@ピンキー
10/09/24 13:49:37 d60Hp7ap
注意書けばいいよ
読みたくない人は読まなきゃいい話だし
というか無駄に嫌嫌言ってるのはヤンデレスレでやたら掘り返して叩いてた奴じゃないのか

116:名無しさん@ピンキー
10/09/24 14:15:29 X8N1k47X
ヤンデレとは共通項もけっこうあるから
禁止すると今までに投稿されたものの大部分もひっかりそう

117:名無しさん@ピンキー
10/09/24 14:39:29 WQ2WmMGS


118:名無しさん@ピンキー
10/09/24 15:02:28 HiRj2VUS
ヤンデレでNTR展開とかありえないものを心配してどうする

119:名無しさん@ピンキー
10/09/24 15:11:15 exEmd4xo
NTR駄目って言うならキモ姉キモウト主人公以外が登場するSSも禁止にしようぜ

120:名無しさん@ピンキー
10/09/24 15:49:33 ilZv3QvX
>>110
お前は舐められる側だと何度言えば

121:名無しさん@ピンキー
10/09/24 16:30:05 /5IqaiJK
姉や妹が他の男に寝取られるのは
キモ姉・キモウトという属性からしておかしいっちゃおかしいけど
(弟や兄一筋だからキモ姉妹なわけで)
姉妹の視点で弟や兄が泥棒猫に寝取られる話は有りだと思うし
もともと弟や兄の恋人だった女キャラが他の男に寝取られるってのも展開次第で有りと思う

ただしNTRは基本、鬱展開で読者を選ぶから
注意書きがあったほうがよさげかも

122:名無しさん@ピンキー
10/09/24 16:40:21 GU5t9r3q
難しい…こちらの考えていない展開にまで、どう注意書きをすれば良いんだろう?

123:名無しさん@ピンキー
10/09/24 16:53:35 3eBTRRPm
だよな
今回の作者だって自分ではNTR展開なんて考えてなかったっぽいし
匂わす表現にも逐一注意書きするのか?

124:名無しさん@ピンキー
10/09/24 17:18:52 0nPMNmQM
姉妹視点で兄弟が泥棒猫に寝取られるってのは、
ふつうの兄や弟にとっちゃハッピーエンドだかr

おや、誰か来たようだ


125:名無しさん@ピンキー
10/09/24 17:49:49 b7WCClU6
>>124…雉も鳴かずば打たれまいに…

もっとも姉妹側の思いを兄弟が知らない場合、気をつけようがないというか
防御不能だよな。まして兄弟の恋人からしたら、もう天災としか言いようがない。


126:名無しさん@ピンキー
10/09/24 18:12:27 euFPTd0W
つか、まだ描写されたわけでもないのにNTRとか騒ぐなよとは思うんだが、
注意書きさえしてりゃNTRでもOKみたいな流れもどうかと思う
ヤンデレとNTRは水と油だし、そこをOKにしたら絶対荒れる。嫌なら読まなきゃいいって言うのもわかるが、ちらほらレス見てたらやっぱりNTR嫌いは多いんだから

127:名無しさん@ピンキー
10/09/24 18:35:06 b7WCClU6
>>126
NTRの是非自体にはあまり関心無いのですが、そこに至る前にクレームが出ちゃうのは困りますよね。
姉妹がに寄ってくる兄弟以外の男という名の「五月蠅い虫」をキャラクターとして出すことすら禁じられるか、
あるいは「こいつは○○です」とネタバレ全開の注意書きをしなければならないとなると…

128:名無しさん@ピンキー
10/09/24 18:39:29 htw8cS8w
寝とり連呼して騒いでるのってヤンデレスレの荒らしだろ
自分の意見が話題にしてもらえたので味を占めたな

129:名無しさん@ピンキー
10/09/24 19:23:01 IdYYYRzZ
まー何にせよ作者が本来想定していた筋書きが周りの五月蝿い声によって歪めざるを得なくなるのは良くない
それがNTR一直線だとしても

130:名無しさん@ピンキー
10/09/24 19:28:55 W6MErjK9
文句があったらそっとNGしろ
記憶から消せ

無価値なものに割くべき記憶領域はない

131:名無しさん@ピンキー
10/09/24 20:03:15 ZhuBDjpm
そろそろ三つの鎖がクル予感!

132:名無しさん@ピンキー
10/09/24 20:14:07 nE+ENI66
幸さん...流石に死なんと思うが、
どうなのか、楽しみです!!

133:名無しさん@ピンキー
10/09/24 22:29:06 hlOYLarl
キモ姉最高

134:名無しさん@ピンキー
10/09/24 23:42:01 u8ROOha6
>>114
96だけどあってからじゃ遅いから今のうちに言ってるの



男が犯しそうな雰囲気だったから念のためにレスした
NTRがあったら俺を含め文句言う奴や不快に思う奴がいる、でもなければ文句言う奴はいない
だったら入れないでほしい
NTRの専用スレはあるし、わざわざ揉めるようなのを入れなくてもいいじゃない

でもNTRがないようで安心した



135:名無しさん@ピンキー
10/09/24 23:45:00 81gWYa0w
>>134
・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。

136:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:15:03 OW9JKP/h
>>134
まだ95,96は「この後の展開としてNTRは勘弁してくれよ~?」と言う風に聞こえるが
98は明らかに荒らしだろ
見てて気分悪くなったわ

137:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:21:07 R+5nyzfV
つまりこのスレでは、キモ姉妹に言い寄る男が返り討ちに遭うとか
謀略に乗せられて銀座通りで裸踊りを踊るハメになるとかの
お話を書くのは禁止なんですね?
男が出てきた時点で警告が入ってしまいますから。

138:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:34:24 OFaGKRpN
>>137
受け手の感じ方・受け取り方次第としか言いようがないかな
あとは多少荒されてもスルー、叩かれても耐えれる作者のメンタルを期待するしかない

後者はよくわからんけど前者は個人的には欲しい描写だなぁ

139:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:44:19 HATaol8D
お兄ちゃんがキモウト以外と付き合ったらNTRなの?
話を盛り上げる過程だとしても?

だとしたら書き溜めしてたSSがボツになりかねないんだが・・・
教えてエロい人

140:名無しさん@ピンキー
10/09/25 00:51:18 OW9JKP/h
>>139
誰もそんな事言ってないぞw

141:名無しさん@ピンキー
10/09/25 01:22:59 FiivI4mj
読み返してないのでうろ覚えなのですが、『きっと、壊れてる』は茜目線の物事の描写や心理の描写を極力避けていて、茜の行動や心理は浩介なり美佐なり巧なり作者なりを通過してでしか読み手にわからないようになってるんですよね。
そういった形式の話のなかで、ほぼ浩介と同等の濃さでされている巧目線での行動や心理の描写が、茜にかなり危険な好意を抱いているのがよくわかるもので、しかもそれに対する茜の反応と思惑がわからないから、不安に感じるのだと思います。
(そういった理由で、巧目線の部分を読んでいる感覚が、寝取られものを読んでいるときのものと似てしまうのかもしれません)
こういった問題(と呼べるのかどうかはわかりませんが)は起こらない方がいいのですが、しかしこれも作者さんの話の組み立て方が上手な証拠だと思います。
それなので話の旨味を「寝取られ」だと一種の思考停止で勘違い判断せずに落ちついて読むのが一番だと思います。

142:名無しさん@ピンキー
10/09/25 01:26:35 HATaol8D
>>140
ごめん、今日になって久しぶりにスレを見たからまだ92氏のSSを読んでなくて、>>134の「男が犯し~」っていうのを主人公指してるもんだと勘違いした
半年ROMります

143:名無しさん@ピンキー
10/09/25 01:31:10 IEd262kT
てすと

144:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:34:07 IEd262kT
話の方ができたので載せていきたいと思います。
今回も途中で規制がかかった場合は保管庫の方を使い続けていきたいと思います。

作中 エロあり

145:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:35:39 IEd262kT
(一人side)

「兄さんお出かけですか?」
「あぁそうだよ」
「どこにいくんですか?」
「えぇっとまぁ散歩みたいなもんだよ」
「そうですか、車に気をつけてくださいね。あ、すぐ帰ってきますよね?」
「たぶん大丈夫だと思うよ。」
「ならいいです。行ってらっしゃい兄さん。」
「ん、行ってくる~。」

バタンッ!!

こんな風に外に出たはいいものの身体からは汗がダラダラ出ている。
暑い……これじゃ麻奈ちゃん見つける前に俺が干からびるぞ……。
携帯とかほとんど使わないからアドレスも聞いてないし…というか持ってきてないな…これじゃ探すのにも一苦労だ。
あたりを見回しても住宅が並んでいるだけでこの暑さの中で外に出ているのは俺ひとりだけだった。

とりあえず日陰でも探して休まないと死にそうだ……。

「あちぃ……それにセミさんも頑張りすぎだろ…。お前達死んでいいころじゃないのか……?」

時間は12時を過ぎた頃。
空から照りつける太陽が燦々としており身体から水を奪っていく。
アスファルトから映える陽炎は頭の中のようにゆらゆらとしている。
意識もなんだか朦朧としてきた。
少し先に人がいるようだけどかすんで見えない。

「あ!!!一人くん!!!!こっちです~!!!!こっち~~~!!!!」
スタタッ

どうやら天使が迎えに来たのかもしれない。そうだ、桜のこと頼むように言っておかないと……。

「天使さん、妹のこと頼みます…。」
「何言ってるですか!!!私ですよ!!麻奈です!!!」
「麻奈ちゃん…?!麻奈ちゃんって天使だったの……?」
「ふざけたこと言ってないで早く家にきてください!!!水ならいくらでも出しますから!!」
「うおっ!?麻奈ちゃん引っ張らないで!!!痛い!!痛いって!!!」

半ば強引に麻奈ちゃんに連れていかれた。意外と力が強い。怒らせたら怖いタイプなのかな?

「はいお茶です!!!それにしても体力ないですね~もっとガツーンとしないと女の子を守れませんよ!!?」
「お茶ありがと、なんだか最近体の調子が悪くてさ、まだ学校に慣れてないのかもしれないからね。」
「そうなんですか~。なら一回ゆっくりしてからケーキづくりの練習にしましょうか?」
「いや大丈夫、お茶飲み終わるころにはよくなってるから。」
「なら大丈夫そうですね!私は先にある程度用意しておきますから終わるまで待っていてください!」

ひとりだけになってしまった。
改めて麻奈ちゃんの部屋を見ると俺と桜の部屋とは真逆の可愛い部屋にみえる。
一言でいうとぬいぐるみだらけだ。あちこちにネズミさんやらクマさんのぬいぐるみがある。
というか初めて女の子の部屋に入った。今さらだけど恥ずかしいな。


146:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:36:55 IEd262kT
(麻奈side)

一人くんと二人きりです!!!この前みたいに桜に邪魔されないから仲良くなれるチャンスです!!!!
これはデートなんじゃないですか!!!?しかも最初から家でデートだなんて/////
よし!!!今日は頑張るです!!!一人くんとケーキを食べたりしてイチャイチャするですよ!!!
卵よし!!砂糖よし!!薄力粉よし!!!その他よし!!準備バッチシです!!!

「一人くん~!!準備できましたよ~!!!」
「早いね、もう準備できたの?」
「そりゃ楽しみにしていたんですから~!!それに早く作りたいかな~って思ったからです!」
「ありがと麻奈ちゃん。」
ナデナデ
「っ~~~~!!!!な、何するんですか!!!?」
「うわぁ!!そんなに驚かないでよ!?この前もそうだったけど。」
「いきなり頭ナデナデされたらだれだってびっくりしますよ!!??」
「そういうものなの?!桜はいつも嬉しそうだけど…?」
「桜は普通じゃありません~~~!!!それにいつもナデナデってどういうことですか!!?」
「桜に感謝するときとか、なんとなく気分でやってるけど?」
「むむむ、兄妹で変なのですか……これだと太刀打ち出来ないです。」
「ま、まぁそんな細かい意味はないから安心していいよ。」
「そうなんですか?」
「うん、そう。」
「そうですか、ならいいです!早速ケーキですよ!!!」

(数時間後)

「どうですか~?これが手作りケーキの破壊力ですよ!!」
「これは……美味い!!麻奈ちゃん美味いよこれ!!!」
「当たり前ですよ~!!はい、あ~んです!!」
「麻奈ちゃん!!?」
「あ~んです!」
「あ、あ~ん。モグモグ」
「どうです?美味しいですよね!?」
「お、美味しいよ…麻奈ちゃん強引な性格なのか……。」
「強引じゃないです!!!桜がやっているんですから私もやるのですよ!!」

なんかおかしい気がするけど気にしちゃだめだ。

147:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:38:00 IEd262kT
(数時間後)

「今日はほんとありがとね麻奈ちゃん。」
ナデナデ
「っ~~~~~!!!恥ずかしいですよ!!。」
「ホント動物みたいでかわいいな~。」
「動物じゃないです!!!人ですよ!!!!…それにかわいいだなんて……。」
「麻奈ちゃんは十分可愛いよ。あ、そうだ!そういえば麻奈ちゃんはいつ桜と仲良くなったの?」
「な、なんでですか!?」
「いつ桜と仲良くなっていたのかな~って。」
「そ~ですね、多分高校の初めのころですよ。」
「何がきっかけで?」
「お話してたらです。性格があっていたんだと思いますよ?」
「ふ~ん意外だな~。」
「意外とは何ですか!!!私は桜とすっごく仲良しなんですよ!!?」
「お…おお、じゃあ桜が欲しがりそうな物ってわかる?」
「そうですね~~一人くんが渡せば何でもいいと思いますよ。」
「俺が?」
「一人くんが桜のことを考えて選んだってことに意味があるんです。女の子はそういうものなのですよ!!」
「そうか、そうなのかもね。ありがと麻奈ちゃん。」
「いえいえです。あ、桜の分のケーキはもって帰らなくていいですか?」
「ケーキは誕生日のドッキリにしようと思っているんだ。だからまだ遠慮しておくよ。」
「そうなのですか~!一人くん優しいお兄さんですね!!!私もこんなお兄さんが欲しいです!!!」
「は、恥ずかしいな~。そうだ、麻奈ちゃんも誕生日教えてくれたら一緒にパーティーしようね。それに妹ならいくらでも大歓迎だよ。」
「はぅ……冗談なのに!!一人くんはもしかしてシスコンさんなのですか!!?」
「…シ…シス。」
「一人くん?」
「ぁ……ぁあ…。」
「一人くん!!!どうかしたのですか!!?」
「ぬわぁあ!な、なに麻奈ちゃん!?」
「なにボケっとしてるんですか!!!!」
「いや、なんでもないよ……ちょっとボケっとしてただけ…。」
「顔色悪いですけど本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、心配かけてごめんね。」
「本当に桜と一人くんは似ていますね~!!不思議なところもそっくりです!!」
「そうなのかな。あ、麻奈ちゃん今日はもう帰るね。」
「あ、もう少しゆっくりしていってもいいんですよ?」
「いや、よしておくよ。桜がご飯作っていると思うから。」
「そうなのですか…少し寂しいですね。」
「ごめんね麻奈ちゃん…それと今日はありがとね。」
「一人くんが頑張っているのを応援するくらいお安いなのです!!玄関までですけど送りますね。」

「それじゃ麻奈ちゃんまたね。」
「バイバイで~す!!」
バタンッ

うぅ…一人くん行っちゃったよ…でも今日は楽しかったです!!
それにしても一人くんが急に黙り込んだのは何か理由があったのかな。
それとも一人くんなにか昔にあったのかな…。

148:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:39:09 IEd262kT
(一人side)

ケーキ美味しかったな~。ある程度覚えたし紙にまとめたから一回練習すれば大丈夫か。

日も傾きだした。
辺りは夕日が影を作り、暖かさの中にどこか静けさを感じさせている。
行くときもそうであったように道には人の気配は感じられず、まるで世界に一人だけいるかのような錯覚が起きる。
やはり今日も体調が悪いのだろう。昼の時といい、ボケっとしていたときのことも。
それでも明日だけは意地でも…。

「明日は桜と買い物か……久しぶりだな。」

帰り道の寂しさを紛らわすためにひとり呟いた。
返事が返ってくるわけでもなく、声は闇の中に消えていった。

もうすこしで家につくはずだ。
そうしたら家に桜もいるはずだしこの寂しさは消えるだろうと頭に思い浮かべながら歩いていた。
道をよく見ると懐かしさがわいてくる。
しかしどこか変わっている。どこか違っていた。
だからこそ今を大切にしていこう思った。
学校に再び行けるようにもなったし、麻奈ちゃんや紗耶ちゃんとも仲良くなった。
少しずつだがこうして昔のように人と関わりを持てるようになった。

___桜のおかげだな

だからこそ俺がしっかり者にならないとな。

あともうすこしだ、早く歩くか。

(桜side)

兄さん……遅いです。
どこにいるんですか…早く帰ってきてください…。
はぁはぁ……兄さん!兄さん!!兄さん!!!

兄さん、散歩じゃないんですか…!?
もしかして事故に巻き込まれたとか……いやです!そんなの絶対にありえません!!
連絡も取れません…心配です…兄さん…。

兄さんのベットに入って慰める。
私は兄さんがいなくて心配なのになにをやっているんでしょうか…。
股間はおもらしをしたみたいに濡れてしまっています…。
でも兄さんの匂いがします…。
今はこの快楽に溺れても…。

「兄さん…ハァハァ…クンクン…クチュクチュ…っ!ハァハァ…兄さんのが入ってくるよ…ぁ!にいさん!!にいさん!!
にいさんごめんなさい…えっちで汚い妹でごめんなさい!…ハァハァ…でもにいさんじゃないとだめなんです!!!
いいですにいさん!!もっとわたしを犯してください!!ずっとにいさんといられるからだにしてください!!
クチュ…あぁ!!兄さん気持ちいいです!!ひゃ!にいさん痛い!!!いたいよ!!
だめ!!もうだめです!!イク!イッちゃいます!!!兄さぁあああああん!!!」

ハァハァ……兄さん……汚い子ですみません……。
でも…兄さんしかいないんです…。
兄さんがいないと私……。



149:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:40:55 IEd262kT
ピンポーン!!

兄さん!?兄さんなんですか!!?は、早く兄さんを兄さんを!!!!

私は急いで着替えて玄関を開けました。
ですがそこにいたのは……。

ガチャ
「兄さん!!?」

「……コホン…すみません。こちらに紅瀬一人さんはいますか?」
「あっ……。」
「すみません、紅瀬一人さんはいますか?」
「は、はい…私の兄ですが今は出かけていますのでよろしければ中で待っていただけますか?」
「お心遣い感謝します。」
「いえ、どうぞお入りください。」

兄さん、誰ですかこの人は…私は兄さんのことは何でも知っているはずです…。
くやしいですが綺麗な人です。歳は兄さんと同じくらいかもしれません。
私の小さな胸よりもずっと膨らみが大きい胸です。それに振る舞いの一つ一つがとても優雅です。
一番気になるのは髪の色がブロンドで眼の色も私とは違う青色。日本人のそれとはかけ離れた容姿。

「あのすみません、兄さんとはどんな関係で?」
「今日はそのことについて話に来たので一人が来てからでいいでしょうか?」

兄さんを呼び捨てで呼んだなんて……何者なんですか兄さん。
許しません…絶対に許しません…。

(一人side)

ふぅ…もう目の前だ。
昼よりかは日差しもなかったから倒れることはなかったしスムーズにいけたな。
ありゃ…鍵持ってくるの忘れてたな。まぁ桜がいるだろうから大丈夫か。

鍵を探してポケットの中に入れていた手でそのままインターホンを押す。
家の中からスタタッと桜の歩く音が聞こえてきた。

ガチャ
「兄さんお帰りなさい。」
「ただいま、桜。」
「兄さん今お客さんが来ています。兄さんに会いに来たようです。」
「そう、随分珍しいね。それじゃ先に居間に行ってるよ。」
「はい、わかりました。私はお茶を用意しておきますね。」

居間に入るとそこにいたのは金髪の女性だった。俺にこんな知り合いがいたかと思考を張り巡らしたが全く覚えがなかった。

「会いたかったぞ一人!!」
ガバッ!!

いきなり抱きつかれた、自分でもなにが起こっているのかわからなかった。
「一人!!一人!!!あぁ~本当に嬉しいよ!君に会えてよかった!!」
「ちょ、いきなり抱きつかないでください!!!」
「あ、あぁすまない…つい嬉しくて…。」
「で、改めてお訊きしますがどちら様ですか?」
「え…?なにを言ってるんだ一人…私を忘れたとでも言うのか…?」
「すみません本当に覚えてないです。」
「嘘だ!昔から好きだったじゃないか!!ずっと、ずっと!!君は憶えていないのか!!?」


150:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:42:17 IEd262kT
肩を掴まれた。彼女の頬には涙が垂れている。どうやら本当に俺の知り合いらしい。

「落ち着いてください!話なら十分聞きます。私も思い出すかもしれません。」
「落ち着いていられるか!!!君のためにここまで来たというのに!!!なんてバカバカしいんだ!!」

顔がものすごく近い、彼女の顔は怒気にみちていたが声にはどこか涙が混じったように聞こえた。

「一人っ!!なんで!!なんでだ!!!ぐすっ…私はずっと君に逢いたくてしかたがなかったのに…。それなのに!!君ってやつは!!」
「落ち着いて!!! ってちょっtうわぁああああ!」

彼女を落ち着かせるために彼女の手を抑えたが力が強く彼女に押し倒されてしまった。
そして運が悪く、ちょうどそこで桜がお茶を持ってきてしまった。

「兄さんお茶持ってきまし……な、何やっているんですか…兄さん。」

あぁやばい完全に誤解されてる……。このままじゃ今日は一緒の部屋じゃ寝れないな…はは…。

「兄さん?お客さまと戯れるのは後にして下さい。それにまだちゃんと自己紹介していないようですし早くしましょう?」
「あ、あぁそうだな…。すいませんどいてくれますか?」
「妹さんも来たようだしそうしようか、一人さっきは取り乱してすまなかった……このとおりだ。」

彼女は立ち上がると俺に目をあわせて申し訳なさそうに謝った。
育ちの良さを感じさせる謝り方だ。どこかの社長娘とかなのかもしれない。

「お名前を教えていただけないでしょうか?」
桜が切り出した。桜の顔はどこか好奇心にあふれた表情だった。彼女に興味があるのだろうか。

「改めて名乗ろう、私の名前は伊吹瀬里朱だ。どうだ?一人思い出してくれたか?」
「せ、せりす…?」

「そうだ、お前の彼女にして許嫁の瀬里朱だ。」

理解できなかった、そう言うしかない。
隣座っている桜の見ると表情は読み取れなくなっていた。ただ、黒い何かが見えた気がした。


151:キモウトとひきこもり兄Ⅳ
10/09/25 01:48:26 IEd262kT
今回はここまでです。
今回は !や? が多くなり読み辛いかと思いますが楽しんでいただけたら僥倖です。
あと今までのを個人的に保管しているので加筆したのをサイトで配布するかもしれません。

その際は本人確認のためここにリンクの載せるやも知れないので事前に意図を説明しておきます。

それでは

152:名無しさん@ピンキー
10/09/25 04:54:10 0/eKs90l
>>137
意味がわからない
誰もそんなこと言ってない
話がややこしくなるから無理矢理屁理屈こねないでくれ

153:名無しさん@ピンキー
10/09/25 05:53:03 yWT6E5n3
>>151
エロありGJ。

154:名無しさん@ピンキー
10/09/25 06:53:18 o9a7QXQD
乙でした
どうして俺には金髪碧眼の許嫁がいないのだろう

……なんてレスを書きかけで寝落ちしてたら
朝から妹が洗面所で髪の脱色始めて
薬品臭くてたまらんのだが

155:名無しさん@ピンキー
10/09/25 17:18:11 o+xKE10q
その臭いを嗅いだ時点で既に奴の術中にある
随分時間も経ってるし、もう・・・

156:名無しさん@ピンキー
10/09/25 18:14:25 QybLr5FH
職人さんGJ、次回以降の妹の活躍が楽しみです

そして>>154にはそろそろ金髪碧眼の許嫁ができた頃かな?おめでとう!

157:名無しさん@ピンキー
10/09/25 18:37:35 jAnzJA/s
金髪なら青よか緑の瞳の方がいいな

158:名無しさん@ピンキー
10/09/25 18:39:51 c1VFkqat
それはお前のイメージってだけで

159:名無しさん@ピンキー
10/09/25 18:56:37 W/lwNXWV
かわいければそれでいい

160:名無しさん@ピンキー
10/09/25 19:27:36 OW9JKP/h
>>151GJ
俺も便乗して、試作コメディを投下。
注意:パロネタあり。エロなし。

161:河童の苦悩(1/6)
10/09/25 19:29:16 OW9JKP/h
やあ、みんな!俺の名前は明神河童(ミョウジンカッパ)。
自他共に認めるイケメン(池で泳いでいそうな顔面)だ。
今日は息抜きとして、みんなに俺のイケメン振りを伝えられればと思っている。

あれは、いつだったか。
雨で川が増水して近所の野良猫が流されているところを発見した俺が、
猫を華麗にスルーして、クラスのマドンナである珠代ちゃんに告り、そのまま勢いで抱きつこうとした時の話だ・・・。

「一億年と五千年前からあっいっしってっる~!!」
どこかで聞いた事のある歌を歌いながら、
勢い良くバタンッと俺の部屋のドアを開けて侵入してくる奴がいた。
とりあえず、心の中でツッコんでおこう。歌のチョイスが古いんだよ。
「オイ!邪魔すんなよ!これから俺の武勇伝をみんなに聞かせようと思ってたのに!」
「何言ってんのお兄ちゃん、珠代先輩にビンタされた時の話なら、それお兄ちゃんの武勇伝じゃないから。珠代先輩の武勇伝だから」
「うるせぇ!珠代ちゃんはツンデレなんだよ!猫だって後で助けようと思ったんだ!」
「結局、お兄ちゃんの同級生の出来松さんだっけ?川に飛び込んで助けたんだよね~。もう珠代先輩メロメロ」
「ふんっだ。本物のイケメンは嫌いだ。で?お前何しに来たんだよ?」
「いやだな~愛するお兄ちゃんに会いに来たに決まってるじゃない!!」
あぁ・・・キモい。

コホンっ紹介が遅れてすまんね。
このだいぶネジが外れていそうな女は俺の妹、明神木野子(ミョウジンキノコ)だ。
「アッチョンブリケ」とは言わない。それはピノコだ。
肩ぐらいまである茶髪がビッチっぽいが、彼氏はできた事がない。理由はすぐに話そう。

何?名前がおかしい?
しらねぇよ!休日の昼間っから寝室でイチャついてるアホ夫婦(両親)に言えよ!
俺の名前なんてアレだぞ?
母さんがカナヅチだから、溺れた時助けてくれるようにって名付けられたんだぞ?
なんで生まれたての子供頼りなんだよ!親父!てめーが助けろよ!!

ハァハァ・・。まぁそれはひとまず置いておこう。
木野子は俺の一学年下。つまり高校一年になるわけだが、
頭にどういう衝撃を与えればこうなるのか、俺の事が大好きらしい。LIKEではなくLOVEだ。
黙っていればソコソコな容姿なのに非常に勿体ない。

古くは幼稚園の時にお遊戯で、俺と手を繋いで踊っていた女の子を積み木で殴り、
最近では学校の文化祭、『未成年の主張』とかいう古臭いイベントで、
「お兄ちゃん~~~~!!愛してる~~~~!!手出したメス豚は・・・ブっ殺すから~~~~~~~~~~~~~!!」
と叫んだ何処へ出しても恥ずかしくない、真性のキチ○イだ。

そのせいで、せっかくイケメンに生まれた俺まで年齢=彼女なしというこの状況。
「どうしてくれんだよ!」
「何が?それよりお兄ちゃん!遊ぼうよ~。ツイスターゲームしよ!」
「やらねぇよ!どこに兄妹二人でツイスターゲームやる奴がいるんだよ!」
「じゃあバッファローゲームは?」
「バッファローゲーム??聞いた事ねぇなぁ。どんなゲームよ?」
「じゃあ一度やってみようよ!う~んとね~まずお兄ちゃんが頭に指でツノをつくるの」
「こうか?」
頭の横で人差し指を伸ばして角っぽくみせる。

「そうそう!それで~下を向いて木野子めがけて突進してくるの!」
何かオカシイと思いながらも言われた通り、角を突きだしたまま、木野子に向かって小走りしてみる。
ムニュン
「?」
この感触は・・・。木野子の胸だった。

162:名無しさん@ピンキー
10/09/25 19:29:30 c1VFkqat
wiki見たら画像掲示板とか出てたけど要らんだろ
こういうアホが増長するだけで作者の迷惑

196 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/09/17(金) 05:53:17 ID:PMZHWs3C
こんなナルシストのオナニー野郎にキャラクターデザイン(笑)で粘着される方がよっぽど作者のモチベ削れると思うが

124 名前: Nice@名無し 2010/09/06(月) 23:23:55 ID:QsctEw6w0
ヤンデレ家族フィナーレおめでとうございます
URLリンク(freedeai.saloon.jp)
URLリンク(freedeai.saloon.jp)

完結記念に作者様にご感想を。
ヤンデレ家族と傍観者の兄のテーマに帰結した楽しめる作品でした。
予想していたシナリオに近いものだったので、余計にそう感じるのかもしれません。
(ラストのシーンがやっぱりジミー君が一人プラモで作ってるっていう予想が大当たりでした。)
傍観者が主人公であること、ヤンデレ家族が物語りの軸になること、
魅力的なキャラクターがどんどん出てきてもそこはぶれていなかったのが素敵でした。
連載中IFの話を読む限り、(物語の)人々は過去がどうあれ今の現実と日常・人付き合いを大事にすべき・・・
という暗喩が含まれていると思っていましたが。

キャラクターデザイン面で言えば、
ジミー・ロマンス:90年代ギャルゲー主人公タイプ(東鳩1タイプ)
弟:2000年代ギャルゲー主人公タイプ(東鳩2タイプ)
妹:可愛い普通の妹
葉月さん:物語のエンジン役?美人
などなど勝手に憶測してました。
キャラクター重視の後日談とかあれば読みたい位どのキャラも良かったです。

最後に完結お疲れ様・おめでとうございます。

163:河童の苦悩(2/6)
10/09/25 19:30:06 OW9JKP/h
「バッファローーーー!!やったね!お兄ちゃん!見事乳首にクリーンヒットだよ!」
「くだらね~~~~~!!」
何この下賤な遊び!考えた奴馬鹿じゃないの!?
「いや~お兄ちゃんさすがだね!木野子の乳首に命中率100%!!ちなみに惜しいと『ニア・バッファロー』って言うらしいよ」
「知るか!!妹の胸触っちゃったじゃねぇか!!どうしてくれる!!」
「いやだなぁ!毎晩どさくさに紛れて、触ってるじゃない!」
「嘘をつくな!嘘を!俺がいつ触った!?」
「寝てる時」
「何?」
「だ~か~ら~寝てる時だって。毎晩、木野子がお兄ちゃんのベットに潜り込んでるもの」
「何~~~~!!!聞いてねぇぞ!そんなの!・・・いや待て、嘘だろ?それ。もし本当に潜り込んでたら、お前は朝まできっといるはずだ!!」
「うん。そうしたいのは山々なんだけどねぇ~。朝立ちしてるの見たら我慢できなくなっちゃうから」←頬を赤らめながら言ってる
「そこかよ!俺が怒るから、とかそんな理由じゃなくて!?・・いやそんな事はどうでもいい。じゃあ本当に毎晩俺のベットに潜り込んでいるのか?」
「うん」
ガーン。神様、いや河童大明神様。俺はモテないばかりについに実の妹に手を出してしまったようです。
「まぁまぁドンマイお兄ちゃん!大丈夫よ。お兄ちゃんの好きなエロ小説なんか、毎晩兄妹でヤってるじゃない。うらやましいなぁ」
「はい仮にも女子高生がヤッてるとか言わな・・ん?・・・お、お前!!なぜそれを!?」
「この前、部屋漁った」
実は河童は二次元妹萌えな男だった!!

「ふざけんなよ!!なんで勝手に人の部屋漁るの!?」
「まぁまぁ、それはいいじゃない。それよりお兄ちゃん!あんな妹駄目よ!暗いし、何より貧乳っぽいじゃん!」
「お前はなんっっっにもわかってない!そこがいいんだよ!あの子は俺の理想の妹なんだよ!!
うるさくて、馬鹿で、チビのくせに胸だけは立派な現実の妹よりな!」
ちなみにこいつの胸はDカップで、いまだ成長中らしい。
・・・いや・・・なんで知ってるの?って言われても、サイズ上がる度に無理やり報告してくるんだもん、そりゃ覚えるよ。
「ははは、現実みなよ~お兄ちゃん」
「うるさい!うるさい!もう出てけ!二度と入ってくんじゃねーぞ!」
「あっ待って、せっかく新しく買ったブルマで誘惑しようとした・・」
「バタン!!」
フー。木野子を追い出し、ドアを締めてやっと静かになったぜ。
ちなみに、あの木野子(アホ)が最後に言っていたのは、俺がブルマ好きという根も葉もない噂をどこからか聞きつけてきたからだ。
別に嫌いではないが、『ナイスブルマ!』と叫ぶほどファンでもない。
一体どこから、そんな噂が出始めたのか。

そういえば昔、俺達が今通っている高校に異常なほどブルマが好きな校長がいたらしい。
そいつはブル魔王と恐れられ、時代の流れでブルマが廃止される折には、
国会議員に立候補して法律でブルマ着用を義務付けようとしたらしい。
立候補者締切日まで体育教師総動員で監禁し、陰謀を食い止めたその事件は、
ブル魔王の伝説として代々語り継がれていく事に・・はならない。
その後、ブルマ泥棒で逮捕されるから。学校のタブーになりました★

ブル魔王よ・・今は一体どこで何をしているのか・・・。
「バタンッ」
人が感傷に浸っている時に誰かが俺の部屋のドアを勢いよく開ける。
何やら凛々しい顔をした老人が立っていた。
誰だ・・コイツは・・俺の拳法かなんかの才能を見込み、迎えに来た仙人かなんかか・・・?
それとも、何かの力に覚醒しようとしている俺を止めにきた暗殺者かなんかか・・・?

「河童よ。ワシのコレクションNO:298ミキちゃんのブルマ見なかったか?」
・・・ブル魔王ここにいた。はい、祖父でした。

「ふざけんなよ!!なんでせっかく伏線にしようとしたのにすぐ出てくるんだよ!!」
「ワシのマキちゃんのブルマ知らんか?」
「知らねえよ!!ミキちゃんだろ!?ボケきてんならその悪趣味やめやがれ!!」
「孫が冷たい・・」
泣きそうな顔をしながらトボトボと引き返すブル魔王。
残念ながら、ちっとも悪いとは思ってないぜ!!
あいつのせいで俺のあだ名はしばらく『ブルマ三世』だったんだぞ!!
確かに大泥棒の孫だけど・・ってやかましいわ!!

164:河童の苦悩(3/6)
10/09/25 19:31:07 OW9JKP/h
もうやだこの家族。
ん?そういえば、今日はめずらしく木野子(アホ)は一回で引き返したな。
普段は、追い返しても追い返しても粘り強く部屋に入ろうとするんだが・・。
どうも胸騒ぎがして、俺の部屋がある2階から階段を下り、様子を見に居間へ行ってみた。

いた!テレビを観てやがる。
しかも近っ!ソファーに座らず、テレビの前に正座して30cmぐらいの距離で凝視してるよ。目悪くなるぞ。
何をそんなに熱心に観てるんだ!?

「今日は最近巷で噂のアイドルグループ、MKI24の皆さんに密着取材しま~す!」
元気な声で、はしゃいでいるように魅せる女子アナウンサー。あいつらも大変だな・・・。
で?そのMKI24とやらが木野子は好きなのかな。パッと見、普通のアイドルグループに見えるが。
再度テレビを盗み観る。

左端の髪をツインテールにしている小柄な女の子がインタビューに答えるところだった。
「わたし~、今日はお兄ちゃんのパンツ穿いてるんですよ~もう幸せで死にそう!!キャ~!!」

!!!!!!!!!

それに負けじと、左から2番目のポニーテールで長身の女の子が前に出る。
「わたしなんか~!今朝、兄さんの眼球舐めてきゃった~!!ホント美味しかった~~!!キャ~!!」

!!!!!!!!!

な、何この子たち・・・。
放送していいの?これ。ツインテールとポニーテールって純真の証じゃないの・・?

プロ根性か、女子アナは何事もなかったかのように爽やかな笑顔で、リポートを進める。
「ははは、ご覧のようにM(マジで)K(キモい)I(妹)24(人のグループ)の皆さんは、日々自分のお兄さんへの愛を演技や歌で表現しているわけです。」

「嘘こけ、普通に行動で表現してるじゃんか・・・」 ←思わず声に出したツッコミ

放送席の男性アナが一言。
「すごいですねぇ」
「本当に皆さん、お兄さんへの愛で溢れていますよね!以上!MKI24の皆さんでした~!!」
再び放送席。
「いや~アイドルの世界も変わりましたねぇ。」
男性アナの隣にいる女子アナが、付け足す。
「ちなみに年に1度のファン投票で見事第1位に輝いた妹さんには、NASAプレゼンツ『お兄ちゃんと行く!1週間の宇宙旅行』が贈与されるそうです。」
「ほほう、それはすごい。大好きなお兄ちゃんと二人っきり、宇宙で1週間彷徨うわけですな、はっはっは」
「そうですね、さらに現在メンバーの追加募集をしていて、15歳以上のお兄ちゃんを愛する女の子なら誰でも良いそうです。宛先はこちら」

テロップが流れた瞬間、今まで微動だにしなかった木野子(アホ)がついに動き出した!!

バババババババッ

は、早い!!手の動きが見えない!!なんだあのメモを取るスピードは!?
「命に関わるため、応募にはお兄さんの同意書が必要なのでお忘れなく。では皆さん、よい週末を~!!」
放送事故レベルの事を爽やかに締めやがったアナ達が手を振っている間に、俺は自分の部屋へと猛ダッシュで帰った。

あぁ・・・どうしてこうなった・・・・。
なんだあの企画!!てかNASAって、あのNASA!?何やってんのNASA!?ヒマなの!?
ていうかあの子達アイドルなの!?
お兄ちゃん宇宙に拉致したいだけじゃん!夢も希望もないよ!!
人間は大地を離れては生きてはいけないのよ!?
それにファンいるの!?誰が応援すんだよ!!

165:154(洗脳済)
10/09/25 19:31:25 o9a7QXQD
金髪碧眼ノ妹ハ最高デス
金髪碧眼ノ妹ハ私ノ嫁デス
金髪碧眼ノ妹ハ下ノ毛モ金髪オイシイデス

166:河童の苦悩(4/6)
10/09/25 19:32:19 OW9JKP/h
ハァハァ・・・落ち着け俺。
少なくとも参加には『お兄ちゃんの同意書』が必要だと言っていた。
俺はサインする気はない。大丈夫。大丈夫だ・・・。

「お・に・い・ちゃ・ん(はぁと)」
「うわぁぁぁぁ!!」
「きゃあ!何よ?どうしたの?そんな声出して」
いつ間にか木野子が俺の部屋のドアから顔だけをチョコンと出していた。
怖い・・生首みたいだ・・。

「い、いや何でもない・・ど、どうした?」
「うん、お兄ちゃん」
部屋に入りドアを閉めた後、茶髪を軽くかき上げて妙な色気を出してくる木野子。コイツ・・まさか・・。
「あ、ああ」
ヤバイ、変な汗出てきた。

「宿題教えて!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!嫌だ!それだけはkんあばえし・・・・何?」
「だ~か~ら~宿題教えて?数学得意でしょ?」
「あっああ」
何だよ・・ビックリさせおって・・。
寿命が二万年縮まったわ!!流石の吾輩もビビったぜ。
ここで断ると、しつこく居座りそうだからなぁ・・・。仕方あるまい。
「どれだよ?」
「これ~」
部屋の隅に畳んで置いてあった、ちゃぶ台ぐらいの大きさのテーブルを部屋の中央に広げて、木野子と挟んで向かい合う。
木野子は持参してきた通学カバンから、教科書を取り出すと、付箋を付けてあったページを開いた。

ていうか、なんでこの子はシャツを第2ボタンまで開けてるの?
谷間がチラチラ見えるんだが・・・まぁいいや、シカトで。

木野子が見せてきたのは、特別難しくもない問題だった。
「何がわからないんだ?」
「わからないところがわからない」
出たよ・・・一番厄介なタイプだな。少しお説教してやる。
「いいか?お前は確かにアホの子だが、授業をキチンと聞いていれば解けない問題じゃないぞ??」
「授業??いいよ~寝たいもん」
「寝るな寝るな!お前は何をしに学校にいっとるんだ!」
まさか、『お兄ちゃんと登下校するため(特大はぁと)』とか言わないだろうな・・。
さすがにそれ言ったら、アホの王様だぞ・・・。

「お兄ちゃんと登下校するため(特大はぁと)」

うん、どうやら我が家は魔王と王様が同居しているようだ。
とりあえず誰か衛兵を呼んでくれないか?

まさか・・ここまでとは・・。しかも一字一句間違えてねーよ!! すごいな俺!!
しかし、こんなのでも妹は妹。宇宙に1週間拉致監禁は免れそうだし、イケメンな上に超優しい俺が、しょうがねーから面倒みてやっか。
「しゃーねーなー、教えてやるからここに座れ」
向かい合っていると少し教えにくいので、若干左に移動し右側にスペースを作った。そこへ、木野子(キング)を呼ぶ。
「は~い」
クククッ笑っていられるのも今のうちだわさ。
みっちりしごいて、ヒーヒー言わせてやるぜ!!!
・・・
・・

あれから3時間が経過した。
今も木野子は、俺が数字だけイジった、比較的難しい教科書の問題を必死に解いている。
「できた~!!」
「ほう??我に見せてみよ」

167:河童の苦悩(5/6)
10/09/25 19:32:58 OW9JKP/h
・・・ふむ・・・正解だ。過程の数式も申し分ない。
「OKだ。後は自分でテスト前に少し勉強すれば、必ず良い点数取れるぞ」
「やった~!!ありがとねお兄ちゃん!!」
「お前こそ、3時間も集中力がもつとは正直意外だったぞ。頑張ったな」
「へへへ~お兄ちゃんに褒められた」
照れるように微笑む木野子。
いつもこう素直で健全ならかわいい妹なんだが・・。
まぁ、休みの日が潰れてしまったが、教えて良かったな。

「ねぇお兄ちゃん!!この勢いでさ!現国も教えてよ!」
「現国?」
「うん、文章は教科書と同じでいいけど、問題は昔みたいにお兄ちゃんがオリジナルの作ってくれると嬉しいなぁ」
そういえば、そんな事もあったな。かなり前の話だが。
「え~お兄ちゃんさすがに疲れちゃったなぁ。面倒だな~」
「いいじゃん!前に作ってくれたの友達に見せたら、『お兄さんの字綺麗でカッコイイね!』って言ってたよ!」
「ま、まじか!?」
「うん」
「そ・・その友達は、無口キャラで黒髪ロングで貧乳か??できればちょっとエッチな子がいいんだけど!!」
「そんな気はしない事もないかもしれない」
何とも曖昧な答えだが、俺は1%の可能性でもあれば理想を追い求めるぜ!!!
「よぉ~し、お兄ちゃん頑張っちゃおうかなぁ」←腕まくりしてる
「キャ~!頑張って!お兄ちゃん」
そう言いながら、なぜか木野子はあぐらをかいていた俺の上へ向かい合って座る。
腕を俺の首に回し、足も俺の腰に回してガッチリとホールドされた。
マズい・・この体勢は非常にマズいんだ・・。

しかし・・コイツの身体柔らかい・・。
しかもなんか甘い良い匂いする・・。
「こっこら!何してんだ!」
「へへへ~、現国の前に、かー君分補給~」
「かー君言うな!」
「いいじゃ~ん、二人っきりの時ぐらい~」
オレの胸へ顔を擦り寄せて、気持ち良さそうにしている木野子。
本当にマズイぞ!!!

「・・・オイ、昨日しらねー女と喋ってただろ?」
しっしまった!遅かった・・・。
発動しやがった。
実は木野子は俺にくっ付くと心の内をすべてさらけ出してしまう、という恐ろしい病気にかかっている。
今回は声が非常にドス黒い気がする。
クソッ今回はかなりダークサイドな感情が溜まっていたようだ。

「お前、何度言ったらわかんの?私以外の女と喋ったら駄目だって、言ったよなぁ?」
「ヒイィィ、ごめんなさい。あれは宿題の範囲がわからなくて委員長に聞いてただけなんですぅぅ・・」
ここでの最善策は、ひたすら謝る事だ。
謝って、謝って、木野子様の怒りを鎮めるんだ!そうすれば比較的いつもの木野子に戻る。
けっ決して立場が弱いわけじゃないんだからっ!

「後よぉ、珠代だっけ?あのブスにまだ付きまとってんのか?」
「たっ珠代ちゃんはブスなんかじゃ!!」
「あぁっっ!?」
「・・・ない・・・ような・・ははははははっ」
「お前今度約束破ったら、どうなるかわかってんだろうなぁ?」
「どっ・・・どうなるんでしょう?」

「あれをこうしてボンッっだ」
!!!!!!


168:河童の苦悩(6/6)
10/09/25 19:33:33 OW9JKP/h
「そっ!!それだけはやめてぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「だろう?そうされたくなかったら、おとなしくしておくんだなぁ」
「はいっ、以後気をつけますっ!!」
「よおし、いい子だ。で?」
「で?、と申しますと?」
クソッ中々ダークサイドが静まらない・・。余程溜まってたんだな。

「そろそろ、ヤらせろや?お前も童貞捨てたいだろう?ホレホレ」
俺に抱きついたままの木野子がお尻を左右に振って俺の股間を刺激し始めた。
「いっいや~~~!」
「嫌で済めば世の中、性犯罪なんてねーんだよ!!おら、誠意みせろや誠・・・・・・」
!!
木野子の動きが止まった。
危なかった。やっとか・・・。
「・・・あれ?木野子何してたんだろ?わぁ!!!かー君だ!!やだぁ木野子に抱きついて何してんの~!?」
「おっお前が最初に抱きついたんだろーが!」
「そうだっけ?まぁいいや、かー君分ほきゅうぅぅぅぅ~~~!!」
ギュッと女の力とは思えない力で俺に抱きつく木野子。

マズい・・柔らかさと良い匂いでクラクラしてきた・・・。
おっぱいが俺のおっぱいの上でムニッと形を変えて、誘惑してくる。

賢いみんなはもう気付いたよね?
状況まったく変わってないんだよねっ!

しかし・・なんだこの柔らかさは・・天使のほっぺのようだ。
えへへ・・・触っちゃおうかなぁ・・・・。
だってさぁ、考えてもみてよ?
俺、男じゃん?
木野子、女じゃん?
なんの問題もないじゃ~ん!!
・・・いや・・・・イカンイカン!!
兄の尊厳をこんなアホの子で失ってはならない!! 私・・負けない!!!!

「俺の上に座るな!てか、なんだこの格好!!」
「いいじゃ~ん!減るもんじゃないし~」
「しかも普通後ろ向きに座るだろ!なんで向かい合ってんだよ!お前もう勉強する気ねーだろ!」
「いいじゃ~ん!木野子が発情するだけだし~」
「よくねぇ!大体お前は・・・」
「木野子の事を褒めまくって、スイッチ入れたのは旦那ですぜ??ヒヒヒッ」
「うわっキモ!ちょ・・変なとこ触るな!あ!!あぁ~~」
・・・・
・・・
・・
その日やっとの事で、木野子(アホキング)を引き離した時には既に夜中の11時だった。
ギリギリ貞操は死守しました。

こんな感じで毎日が過ぎていく。
キモチ悪い事に変わりはないが、なんだかんで可愛い妹だ。
いつまでも、こうしてバカやれる日々が続けば・・
「お兄ちゃん~!!」
「邪魔すんなよ!!人が締めてる時に!!」
「今、珠代先輩から電話かかってきて『ごめんなさいあなたとは付き合えません』だって!」
「いまさらかよ!!知ってるよ!!ビンタされた時点で気付くよ!!」
「ハハハッ残念だったね」
「笑うな笑うな!!ていうか、お前キモウトだろ!?こういう時は『あの泥棒猫!』とか言いながら、包丁持って駆けだすんじゃないの?」
「え~初登場なのに、そこまでできないよ~。それにそんな事したら、すぐお巡りさんに捕まっちゃうじゃん」
「意外にそこは冷静なんだ!!」

需要があれば続くかもしれない。

169:名無しさん@ピンキー
10/09/25 19:33:53 OW9JKP/h
以上、駄文失礼。

170:名無しさん@ピンキー
10/09/25 19:36:08 o9a7QXQD
書き込みかぶったスマソ
アホの子かわいいので続けて下さい

171:名無しさん@ピンキー
10/09/25 19:42:05 c1VFkqat
被ってしまったごめんなさい

172:名無しさん@ピンキー
10/09/25 19:47:17 OW9JKP/h
>>170,171
いいってことよ。気にすんな

173:名無しさん@ピンキー
10/09/25 20:20:30 zO1v85EQ
>>171絵の話は保管庫BBSでやれゴミクズ

174:名無しさん@ピンキー
10/09/25 20:35:05 X3zrXXTs
歓迎だ
大いに需要あるでよ

175:名無しさん@ピンキー
10/09/25 20:36:45 8MKiFeYb
>>171
蒸し返す上に被るとかひどいっすねw

176:名無しさん@ピンキー
10/09/25 20:58:21 uEOmjl2e
>>173
下手糞絵師さん必死っすねw

177:名無しさん@ピンキー
10/09/25 21:05:00 v53mQLrz
絵を書きたい奴はHPにでもうpすればいいんじゃねーの?
キャラクターデザイン(>>162)とか痛い事するなら特に

178:名無しさん@ピンキー
10/09/25 21:10:49 zO1v85EQ
>>176よく読めよチンカス
スレチだからよそでやれって言ってるだけなんだが
馬鹿はこんな事も解らないのか
切ないね

179:名無しさん@ピンキー
10/09/25 21:14:07 2ZVIrWxQ
>>169
やばい、ダークサイド相当面白かった
続き期待しています

180:名無しさん@ピンキー
10/09/25 21:15:33 v53mQLrz
>>178
脊髄反射しちゃうお前もな
スレチって言いたいならスルーしろ

181:名無しさん@ピンキー
10/09/25 21:38:54 /QoJMqeB


182:名無しさん@ピンキー
10/09/25 23:12:54 yeqp+ujE
      ____ うん キモすぎ
     /____\  _____
    / |  ─ 、- 、!          \
    !___|─|(●)(●)|-──- 、   ヽ
    (    `‐ァ(_, )、|(●), 、(●)  \  i  <このスレキモいね
     入  `トェェェイノ ,,ノ(、_, )ヽ、─  i  |      
    /ヽ-、` ┬〒ィ´  `-=ニ=- ' 二  |  !      
    | (/`v二)| ヽ   `ニニ´     |  /    
    ヽ_入 _ ノ   \ ____)  / /
    |──┤  ○ ━6━◯━ヽ
    |____|    \|/ _____\   ヽ
     |  |  |       ! ヽ__ノ !    |     
      |__||__|      >、 ___ ノ     ノ-o   
    __|__||__|_     (___.ヘ ___/

183:名無しさん@ピンキー
10/09/25 23:50:53 beKGhue1
ss

184:名無しさん@ピンキー
10/09/26 00:03:38 LXtRKjk1
衛兵読んでも王様には逆らえないと思うんだ

185:名無しさん@ピンキー
10/09/26 04:07:19 Ht9wvmfY
面白かったよ GJ

186:名無しさん@ピンキー
10/09/26 18:41:26 +YsEnYuq
>>168
需要ならここにあるぜ。

187:名無しさん@ピンキー
10/09/26 20:18:54 JuMgwytw
投下ないかな

188:名無しさん@ピンキー
10/09/27 00:22:35 YBOO8xMq
俺の愛する未来のあなたへと三つの鎖の投下がしばらくない・・・
作者さん待ってます

189:幸せな2人の話 6
10/09/27 01:31:16 UAuQBQvZ
今晩は。
ちょっとお呼びの者では無いかもしれませんが、
表題につきまして投下いたします。

190:幸せな2人の話 6
10/09/27 01:32:38 UAuQBQvZ
******************************************

暫らく俺を物欲しそうに見つめた後、雪風はいたずらがドッキリが成功した時のようにくすっと笑った。
「さあ、選手宣誓はこれでおしまい。
 私、こういう息の詰まる展開って苦手なの、そろそろいつもの私達に戻ろっか?
 兄さん、今日の晩御飯は私が作るんだけど何が良い、今日の雪風は頑張っちゃうよ~?」
その言葉と共に彼女はいつもの俺が知っている雪風に戻った。
「そうだな、ハンバーグじゃダメかな?」
おれも、いつも雪風にそうしているように答えた。
「分かったわ、兄さんの大好きな和風ハンバーグね。」
「俺は和風が好きなのか?」
「ええ、大根おろしがた~くさん載っているポン酢風味のソースが兄さんの好物よ。
 兄さんにとって何がおいしくて、何が嫌いかなんて顔をちょっと見れば分かるわ。
 ふふ、勿論分かるのは料理だけじゃないよ?」
そう言って、ふふん、と得意げに胸を張る。
「それじゃあ、兄さんは先に帰ってて。
 私は買い物をしてから帰るわ」
雪風は少し早足で歩き出した。
夕日で伸びた影の背丈くらいに俺達の距離が開く。
ぴたっと、歩みを止めて、くるりと雪風が振り向く。
「そうそう兄さん、兄さんは一つだけ勘違いしているよ。
 私はね、兄さんのことが欲しいし、それに愛してるの。
 でも、私は兄さんの事が嫌いでもあるんだよ。
 そうやって私の心を読める癖に、私の事を理解してくれない。
 私の欲しいものは何でもくれるのに、一番欲しいものはくれない。
 本当に、兄さんって一体何なのかな?」
そう言って、雪風はまた歩き出す。
夕日が影になって雪風の表情は見えなかった、どんな表情だったのかはだから分からない。


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