11/01/29 15:24:55 yE5JWgrO
「ラバウルやトラックからの索敵と潜水艦の情報を総合してみると貴官らが撃破した敵空母は東へ向かっている。おそらく修理の為にハワイか米本土へ向かっているのだろう」
二日後。指揮所で塚作は咲島達陸海軍合わせて4人の搭乗員を前に「レンジャー」の動向について説明をした。
「つまり我々の作戦は成功したのだ」
得意満面で塚作は作戦の結果を述べた。自分で計画し実行した作戦なのだから尚更だ。
作戦終了により咲島や大河らは原隊へ帰る事になった。
陸軍の野沢と整備員に道具や部品を一〇〇式司偵と九七式艦攻で陸軍飛行場へ運び終えてから咲島・大河・森永の帰還が行われた。
丁度3人であるから九七式艦攻で一緒にニューギニアを離れた。
トラックを経てサイパン島。次いで硫黄島から千葉県木更津へ到着した。
木更津の飛行場で大河と森永は降りた。咲島は大分県の宇佐へと向かう。
「中尉。色々とお世話になりました」
宇佐への出発を前に大河は咲島へ礼を述べる。
咲島は給油待ちで飛行場の待機所で茶を飲みながら休憩をしていた。
「こっちも色々と世話になったよ一飛曹」
意味ありげに咲島は笑った。その意味を理解して大河は照れ笑いをする。
「中尉。給油完了しました」
そこへ整備兵が報告に来た。
「さて行くかな」
咲島は飛行帽を被りながら立ち上がる。
「一飛曹。いや大河さん。また縁があったらどこかで」
「はい中尉。またどこかで会いましょう」
再会の約束を交わしてから咲島は愛機へと向かった。
西の空へと飛ぶ九七式艦攻を大河は親しげに愛おしく見つめ続けていた。
(終)