【戦闘】軍人や傭兵でエロ 3【休暇】at EROPARO
【戦闘】軍人や傭兵でエロ 3【休暇】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
10/08/16 10:07:48 6B/S9ORa
いちおつ

3:名無しさん@ピンキー
10/08/16 13:19:26 x26dWdZy
>>1曹長殿、お疲れ様です!

4:名無しさん@ピンキー
10/08/16 22:45:53 CH0X2wMW
「フフフ…ほらほら早く>>1乙した方が良いわよ?」
とある牢獄にてグラマーな服装をした女が、鎖で両手を縛られている14、15才くらいの女の子のような少年兵に対し
淫靡な笑みを浮かべている。
「い、イヤだ!ボクは……絶対に>>1乙なんかしないからネ!」
「フフ…可愛い顔して勇ましいのね。それじゃあ坊やが>>1乙したくなるようにしてあげる」
女はペロッと舌なめずりをすると少年兵の股間をさすり始めた。
「はうう!?一体何を……んむぅ!」
女は少年兵の唇を奪い舌を差し込む。れちゃれちゃと女は執拗に舌を絡ませ、少年兵の口内を凌辱していく。
「ぷはぁ!」
女の唇が離れると同時に少年兵は大きく息を吐く。そんな少年兵の姿を艶かしい表情を浮かべながら女は自分の割れ目を片手でいじり始めた。
「夜はまだまだ長いわよ…坊や、恨むならさっき>>1乙をしなかった自分を恨むのね」
女は怯えた目付きで自分を見詰める少年兵にゾクゾクしながらも、今から始まる宴に大きく期待を膨らませていた。



つまり何が言いたいのかというと>>1

5:名無しさん@ピンキー
10/08/17 07:34:36 aPomvs1W
一乙はいいから、続きを頼む
すごく

6:戦車兵
10/08/18 04:36:45 Aoys6P+x
>>1さん乙です

大尉:ハンスってさ、君達の水浴びを覗いて
オナニーして三回も
射精したんだって

ファニー:最低でーす!
あたしのおっぱいオカズにしないでほしいでーす
エルン:私のお尻に欲情してたなんて…ハンスさんなんか大っ嫌い!顔もみたくありません!


ハンス「はっ!?ゆ、夢が…し、心臓に悪いよ」

7:名無しさん@ピンキー
10/08/18 22:26:40 s8xHRi/7
ハンス落ち着けw

8:名無しさん@ピンキー
10/08/19 22:45:03 3Qvtv+6r
そういや保管庫はないの?過去作品読みたい

9:名無しさん@ピンキー
10/08/20 23:24:02 O1aBcCYb
ほす

10:名無しさん@ピンキー
10/08/20 23:29:41 7tKt4+OW
17レスほどお借りします。ダーク、スカトロ分注意です。

あまり軍隊とかに詳しい方ではないんで、厳しい突っ込みはご勘弁。

11:西方の雪      1/17
10/08/20 23:31:38 7tKt4+OW
 
 静かに雪の降る夜だった。
 冷やかな夜空の下、銃口は凍りつき、そして仲間一人一人の心臓もまた凍り付いていった。
「アルマンド、アルマンド!!目を開けろよ、こんな所でくたばるのかよ、おいっ!?」
 幼さの残る少年が、足のない男を抱いて叫ぶ。
 アルマンドというその男は、小隊において少年の兄のような存在だった。作戦がうまくいけば髪を 撫でてくれ、誕生日には必ずプレゼントをくれた。
「エル……ノ……幸せに、なれよぉ……」
 男は少年の手の中、つらそうに目を閉じ、項垂れて二度と動かなくなる。
「っ!!!」
 少年―エルノは義兄の死を察し、唇を固く結ぶ。
「……アルマンドも、逝ったか」
 暗闇の陰から女の声がした。エルノはそちらにゆっくりと目線を向ける。
 ショートブロンドの髪を持つ美女がいた。年は20代前半だろう、ロシア系の透けるような白肌に、軍服越しにも解る女性らしい体つきをしている。
 しかし鼻筋の通ったその美貌は擦り傷と泥に塗れ、目は軍人らしく鋭い光を放っていた。
「はい。……たった今」
 女の質問に少年が答える。
 暫しの沈黙があり、彼女―小隊の長であるイリーナは大きく息を吐いた。
 40人と1人の小隊も、これで残るはあと5人だ。

「……見捨てられたのだろうな、私達は」
 少年がイリーナの言葉に驚愕の表情を見せた。
 敵軍との雪原戦が始まり、一週間。本来の作戦通りであれば、とうに援軍が敵の背後から迫り、挟撃で決着がついている筈だった。
 だがいくら待てども援軍はおろか補給すら来ない。無線で要請を出しても歯切れの悪い答えが返ってくるばかり。
 戦況の芳しくない地域で孤軍奮闘するイリーナ隊が見捨てられた、というのは、もはや疑いようのない状況だった。
 退路も弾薬も断たれて戦い続けるイリーナの小隊は、敵軍に包囲されたまま、一人また一人、銃弾や寒さに倒れていく。
「このままじゃ埒があかねぇ。一か八か闇に乗じて突っ切りやしょう、中尉!」
 小隊軍曹であるアントニーがイリーナに告げる。
「しかし、軍曹……いや、危険などとは言っていられないか。ここにいても死ぬ事は変わらない」
 イリーナの答えに、アントニーが頷いた。
 イリーナとアントニーの付き合いは長い。イリーナが分隊の指揮をまるで知らぬ小娘であった頃から、場数を踏んだ下士官であるアントニーが彼女の補佐に回っていたのだ。
 当時は侮られていたイリーナも、今ではアントニーの強い信頼を得ている。
 アントニーに限らない。エルノも、死んでいった仲間達も。小隊の者はみな、イリーナを頼れる姉として、或いは気の強い妹として心から慕っていた。

「っ! 俺が殿を勤めやす、中尉達は先に!」
 闇の中に敵影を見つけ、アントニーがまだ銃身の凍っていない小銃を構えて告げる。他の2人の隊員もイリーナ達の傍に並んだ。
「中尉の身は俺達が身体張って守りますんで、中尉はエルノの奴を守ってやって下さい。
 まだ小さいんだ、せめて恋ぐらいしてから死なせてやりたい!」
 そう言ってイリーナを闇の中へ押しやる。
「お前達……。……済まない…………済まない!!!」
 イリーナは素早く踵を返すと、エルノを抱えるようにして雪の中を駆け出した。
「待ってくれ、3人じゃ無茶だ!アントニー! レスター!! フィリッーツ!!!」
 エルノが必死で兄達を呼ぶ中、彼らは背を向けたまま手を翳す。
 立て続けに掃射の音が鳴り響いたのは、その数秒後の事だった。

12:西方の雪      2/17
10/08/20 23:32:29 7tKt4+OW

 夜を徹して雪山を駆け下り、凍った川を走って、イリーナとエルノは小さな小屋に逃げ込んだ。
 途中何度か銃声を聞いたが、タイミングよく出た霧で敵を撒くことが出来たらしい。
 周囲から見えない場所である事を確認して暖炉に薪をくべ、凍りついた身を暖める。イリーナの手で長椅子に寝かされたエルノは、疲れから高熱を出して寝込んでしまった。
 どのくらい経ったのか、エルノが目を覚ますと、額に濡らした服の端切れが置かれていた。
 毛布のかかった腹部にはイリーナが倒れるように突っ伏している。
 隈のできたその目元からは、彼女が眠りもせずに見張りと看病をしてくれていたのがわかった。
「……うむ、眠ってしまったか」
 エルノがイリーナに毛布を掛け返すと、彼女が目を覚ます。
「お前もようやく目が覚めたらしいな、エルノ。寝続けて腹が減っているだろう。
 野菜とレーションがいくらかある、スープでも作ろう」
 イリーナはそう言って流し台に行き、土のついたジャガイモを洗い始めた。

「……皆は、あの3人はどうなったんでしょうか」
 エルノは俯きがちに言った。
「解らない。しかしあの状況で、生きていると思うべきではないな」
「そんな!上手く逃げ延びてて、今にこの小屋に来るかもしれないじゃないですか」
「来ない」
 イリーナは冷たく言い放つ。
「たった一夜で、どうしてそんな事が!」
「……一夜ではないんだ、エルノ。おまえはもう3日も寝込んだままだったんだよ」
「え?」
「3日だ。それで来ないなら、もう期待はできない。敵も来る気配がないのが、せめてもの救いだ」
 ナイフで人参の皮を剥きながら、イリーナは淡々と語った。
 エルノは絶句し、叫びを上げようと口を開いた。しかしふと、小隊長であるイリーナ自身の悲しみを思い、その叫びを押し殺す。代わりに涙が溢れた。
「おまえは優しいな。エルノ」
 イリーナも野菜を切る手を止め、かすかに肩を震わせる。エルノは長椅子を降り、その背中を撫でた。小隊で寂しがっている者が居た時、誰かがやった事だ。
 するとイリーナは急にエルノの方を振り向き、痛むほど強く抱きしめた。
「…………おまえは、よく死なずにいてくれた。小さいのに、よくぞ、生き残っていてくれた……!!」

13:西方の雪      3/17
10/08/20 23:33:25 7tKt4+OW

 その夜、エルノは15にして初めて女を知った。
 誘ったわけではないし、誘われたわけでもない。しかし死線を抜けた男と女、例えそれが上司部下や義姉弟の間柄にあったとしても、求め合うのは自然なことに思えた。

 エルノは床に敷いた毛布の上に腰掛け、イリーナがその足元に屈みこんで逸物を口に含む。イリーナは頬を赤らめながら、必死に口を窄めていた。
「すまないな……不慣れなんだ。こういう事は」
 イリーナが言う。初体験であるエルノには、それが不慣れなのかどうか判別できない。ただイリーナの口内はぬるりとして暖かく、やけに情感を煽る。
 何より、憧れの人であったイリーナに性器を舐めしゃぶられている、という夢のような事実が、彼の下半身にたちまち血を漲らせた。
「凄いな……子供でもこんなに大きくなるのか」
 イリーナが口から抜き出した逸物を見て呟く。エルノは少し恥ずかしく、また誇らしくもあった。
「こ、今度はぼくの番です。僕が中尉を気持ちよくして差し上げます」
 エルノが体を入れ替え、イリーナの脚の間に頭を差し入れて言う。
 イリーナは少し恥ずかしそうに身悶えた。
「うっ!えぇと、な。風呂に入れていないから、ほんの少し匂うかもしれない。無理にしなくていいぞ」

 イリーナが言う通り、エルノが初めて嗅ぐ女性器は強い香りがした。
 いい香りかといえば明らかに違う。ワインと一緒に供されるチーズのような芳香だ。
 しかし血と硝煙に慣れた鼻には新鮮な生々しさで、それがイリーナの物であると思えば、これほど性欲を煽る匂いは無かった。
「ぼく、この匂い好きですよ」
 ぴちゃぴちゃと音を立てながら、エルノはイリーナの秘部に舌を這わせた。イリーナの秘部は初々しい桜色をしており、薔薇のように肉びらが重なり合っている。
「……うんんっ……」
 ややぬめった襞に舌を這わせるとイリーナの腰が揺れ、割れ目の奥が強く窄まる。
 割れ目の上、金色の茂みの中に小さな突起があり、そこに鼻先が触れると特に強く身悶えるようだ。
「気持ち良いですか、中尉?」
 秘部に舌を這わせながらエルノが問うと、イリーナは少し困惑したような顔でエルノを見下ろした。
「……あ、ああ、とてもいい。子宮の奥が疼いてしまう。それに何だか……凄く、抱きつきたいんだ。
 良いのかな、おまえにこんな気持ちを抱いてしまって」
「いいですよ。ぼくも嬉しい」
 エルノは身体を起こし、イリーナの背を抱えて抱き寄せた。そしてその温かな身体を強く抱きしめる。
「ああ……!」
 イリーナが心地良さそうに声を上げた。心地が良いのはエルノも同じだ。イリーナの体は、その毅然とした態度とは裏腹に、骨がないのではないかと思えるぐらい柔らかかった。
 いつか兄貴分だったアルマンドが言っていた「女の子の体は柔らかい」という噂を、エルノは憧れの女性の身体で確かめる事ができた。

14:西方の雪      4/17
10/08/20 23:34:23 7tKt4+OW
「中尉。ぼく、中尉が好きです」
「そうか。だがエルノ……私はもう、中尉などではないよ」
「……え?」
 アルトの見つめる先で、イリーナはぞっとするほど美しい笑みを湛えていた。
「イリーナだ。イリーナと、そう呼んでくれればいい」
「い、イリーナ、さん……好きです」
 エルノは抱きついたまま、イリーナの身体と自らを擦りあわせる。豊かな乳房が胸板に弾み、経験したことの無い快感が生まれた。首筋に口付けすればイリーナが甘い吐息を零し、自分が快感を与えているのだと実感できる。
 互いに抱きしめながら、エルノとイリーナは何度も秘部を擦りあわせた。割れ目をなぞる様に何度も亀頭が滑り、ある時ずるりと中に入り込んでしまう。
 ああ、と叫んだのは同時だった。エルノはその暖かく潤んだ中に、また新しい快感を見出した。
 それに夢中になって腰を進めると、ある所で急にイリーナの背が仰け反る。
「い、ぎっ……!!!」
 歯を食いしばり、眉を顰めてつらそうな顔をしている。ナイフで刺された時のようだ。
「イリーナさん!?」
 エルノは相手の不可解な反応に狼狽する。自分はこれほどに心地良いのに、受け入れる方は痛いというのか。
 エルノが焦って腰を引こうとすると、イリーナがエルノを腰を掴んで引き留めた。
「い、いいんだエルノ。女は、その、初めて……の時は、どうしても痛いんだよ。大人になる痛みだ。
 ありがとう。おかげで私は今、本物の女になる事ができた」
 イリーナは額に汗を浮かべながら、精一杯の笑顔を作る。
「初めて……ぼくが……」
 エルノはそれが驚きであり、また嬉しくもあった。
「そうだ。さぁ、腰を動かしてみるぞ。心地良いだろう」
 イリーナはエルノの腰にややのしかかる様にしながら、ゆっくりと腰を使いはじめる。
「ああっ、あそこが絞られるみたいで、凄いです!!」
 エルノはうねるような締め付けに声を上げる。イリーナは少年のあどけない顔に満足そうに笑いながら、何度も腰を使った。時折りエルノの小さな上体を抱き寄せ、愛おしそうに口づけを交わす。
「ああ、イリーナさん、イリーナさんっ!!」
「エルノ、エルノっ!!」
 2人は、何度も何度も結合し、やがて窓から朝日が照らしこむまで、覚えたての快楽を堪能した。

 朝、イリーナはとろとろと眠りに落ちたエルノの頬に唇を触れさせ、静かに戸を開いて外へ出た。
 エルノが目を覚ました時、部屋には誰もいない。
「中……あ、と、イリーナさん……?」
 室内を見回すと、夕べのスープ鍋の横に一枚のメモが置かれている。
 イリーナの字だ。そこにはこう記されていた。

『 私の最後の宝 エルノへ。

 この小屋を山伝いに歩けば、我が軍の西方司令部に辿り着く。そこに向かいなさい。
 あの激戦区から生還したとなれば、軍に重用して貰えるはず。エルノ、お前はそこで立派にお国の役に立つんだ。
 私はこれより、自軍敵軍問わず銃を向ける反逆者となる。
 軍に裏切られて死んでいった軍曹達の弔いをしなければならない。
 だがそれは、私の小隊長としての勝手だ。お前はついて来てはいけないよ。
  ……一つ、頼みがある。
 いつか私が殺されず捕らわれたなら、きっと激しい尋問を受けるだろう。
 それによって、もし私が私でなくなった時には、どうか存在全てを忘れて欲しい。
 勝手な願いで済まないが、宜しく頼む。

                     第1歩兵隊 B中隊 第3小隊隊長 イリーナ・アラルースア』


15:西方の雪      5/17
10/08/20 23:35:58 7tKt4+OW
 ※
 
 それから4年の月日が経ち、19歳になったエルノは西方司令部に勤務していた。
 どこかあどけない面影も残っているが、背はすらりと伸びている。
 彼はこの4年を苦悩と共に生きてきた。
 戦火は依然収まることを知らず、それどころか緩やかに広範囲へ飛び火していく。それはまるで両国が領地を侵略しあうゲームをしているようだった。
 戦争が長引くにつれ、軍のモラルは崩壊していった。当たり前のように敵軍の衛生キャンプを破壊し、無抵抗な村人を蹂躙し、そして味方さえも偵察隊と称して使い捨てにする。
 思えばイリーナの隊を見殺しにしたあの頃から、その兆候が見えてはいた。
 イリーナはいち早くそれに気付いていたのだろう。
(こんな軍の為に尽くすべきなのか?)
 エルノは一日の終わりに必ずそう自問する。

 司令部にいると時おりイリーナの噂が入ってきた。
 彼女は両軍の脱走兵や民間の自衛団員を率い、正規軍による衛生キャンプの破壊や無関係な民間人への暴行を阻止して回っているらしい。
 現地の者からは涙ながらに感謝されているようだが、軍上層部はイリーナをゲリラの首謀者と定め、その捕獲を各軍に命じていた。
 奇妙なのは、ゲリラ扱いにも関わらず『標的の命は奪わず、拘束せよ』との命が発せられていることだ。
 エルノは何度、イリーナの元へ助太刀に行きたいと思ったか解らない。だがその度にイリーナの書置きを思い出し、その思いを呑み込んだ。
 ゲリラとなって復讐に身をやつすのは自分だけでいい。将来のあるエルノは軍で終戦まで生き抜け。
 それがイリーナの最後の命令であり、死んでいった仲間達も同じ事を言うはずだった。
 エルノは彼女や仲間達の為に、ただ死なないように日々を過ごす。苦しい日々だったが、エルノはその毎日がどうか終戦まで続いて欲しいと願っていた。
 そんな願いを打ち砕くかのように、ついにある日、エルノは噂を耳にする。

「おい聞いたかよ。あの“イリーナ様”、南の方でとうとうとっ捕まったんだってさ」
「おっ、マジかよ。いやァしかし長かったなあ」
「ああ。大体このご時勢に、軍を抜けた中尉ぐらいで騒ぎすぎだよな。
 何でも将官クラスの人間が何人も作戦に関わってたらしいぜ」
「そりゃあれ、名門アラルースアの生まれだし、しかも知ってっか?実物はすんげぇ美人なんだぜ」
「へぇ。じゃあ少将中将のジジイ共は、殺すのが惜しいから穴奴隷にでもしようってのかよ」
「殺すなっつってる所見ると、そうだろうな。しっかしかなり軍の邪魔してたからなあ、えらく辱められると思うぜぇ?」
「ひひっ、たまんねぇなあ!」

 同僚たちが笑い転げる中、エルノは持っていたスープ皿を取り落とした。


16:西方の雪      6/17
10/08/20 23:36:55 7tKt4+OW

 反逆者・陸軍中尉イリーナの尋問は、西方司令部の地下尋問室で行われる事となった。
 西方司令部は収容所と繋がるようにして建っており、他国の要人など特別な人間の尋問は司令部の地下で行われる。
 壁に浮かぶ赤黒い染み、天井から下がる無数の鎖。尋問室とは名ばかりの拷問部屋だ。
 今その特別な部屋には、尋問官を除けば大佐以上の身分を持つ人間しか入室を許されていない。しかし1人だけいやに歳若い男がいた。エルノだ。
 エルノは元イリーナ隊である事を口実に尋問に立ち会おうとした。しかしそれを嘆願するまでもなく、逆に将官の方から是非にと声がかかったのだ。

 エルノは暗がりに起立し、目深に帽子を被り直す。
(イリーナさん……)
 4年ぶりに見るイリーナは、気の強そうな青い瞳はそのままに、長いブロンドの髪が美しく背に垂れかかっていた。彼女が真っ直ぐで勇敢な女兵士である事がその顔だけで窺い知れる。
 昔よりさらに凛々しく強かになったようにエルノは感じた。
 イリーナは軍服姿で後ろ手に縛られ、猿轡を噛まされて椅子に腰掛けている。
 普通、尋問は囚人服や拘束服でなされるものだが、それをあえて正装である軍服でする。
 軍に背いた者の尋問としてはかなりの皮肉といえた。

 イリーナの前に、肩幅の広い壮年の陸軍中将が歩み寄る。
 尋問官がイリーナの猿轡に手をかけた。
「いいか。もし舌を噛み切ったりしたら、一緒に捕らえた仲間を公然でバラすぜ」
 尋問官の囁きに、イリーナは小さく頷く。
 尋問官は用心深く猿轡を外した。猿轡の瘤と桜色の口内が唾液で結ばれている。
「……君が生きていると知った時には驚いたよ、イリーナ・アラルースア中尉。
 あの雪原での連戦で、よもや生存者がいようとは」
 中将は髭を撫でながら告げた。
 イリーナがその顔を激しく睨み上げる。
「あれは、そちらの援軍とで挟み撃ちにする計画だったはず。なぜ我らの要請に応えて下さらなかったのです」
 イリーナの瞳は怒りの炎を滾らせていた。身の凍るような迫力だが、美しさもまた増している。
 中将はそのイリーナを眩しそうに見下ろした。
「ああ、あの時は別件がゴタついてな、君達の方へ戦力を割く余裕が……」
「ふざけるなっ!!」
 イリーナの顔はいよいよ怒りに歪む。
「私がこの4年、あの時の戦いについて調べなかったとでもお思いか!
 あなた方は私達の数個小隊を敵大隊の囮にし、手薄になった北東に過剰な戦力を集めていた。
 始めから私達を捨て駒にするつもりだったのだろう!!」
 イリーナは中将へ襲い掛からんばかりに身を乗り出した。尋問官がそれを羽交い絞めにする。

17:西方の雪      7/17
10/08/20 23:38:59 7tKt4+OW

「なるほどな」
 中将が1人頷く。
「デコイに使われた恨みで、我が軍の邪魔をしていたわけか」
「私だけではない、死んでいった仲間達の無念もだ。あなたには理解できない事かもしれんがな」
 イリーナが中将を睨み上げながら答えた。
「貴様!先程から中将殿になんたる口の利き方だ!!」
 将校達が銃を構えるが、イリーナは中将を睨んだまま微動だにしない。
 それを嬉しそうに見下ろし、中将が手を翳した。
「なに、構わん。このぐらい気の強い女軍人がおってもよかろう。
 ……さて、ところでイリーナ。君がなぜ戦場で射殺されず、こうして尋問を受けるかわかるかね」
 その言葉に、初めてイリーナの目の鋭さが翳る。
「ふん。仲間の居所か、アジトの場所でも聞き出すつもりだろう?」
「そんな事はどうでもいい」
「なっ……!?」
 中将に言葉を流され、イリーナが狼狽を示した。
「それは君よりも、他の構成員共に吐かせた方が楽だ。君を捕らえたのは、謝罪と誓約をさせるためだよ」
 中将は美しく整ったイリーナの顎を持ち上げる。
「謝罪と、誓約……?」
「いかにも。軍を裏切ってすみません、これからは軍のために私の身を捧げます、とな。
 無論、身を捧げるとは文字通りの意味でだ」
 中将、そして四隅に座る将校達がイリーナにぎらついた目を向ける。女を食い物にする雄の目だ。
 誇り高いイリーナは恥辱に頬を染めた。
「どこまで腐りきっている……!謝れだと、謝るのはそちらの方だ、死んだ部下を返せッ!!」
 イリーナが憤怒の形相で叫ぶが、彼女に臆するものはいない。
「我々とて、貴様のような女が簡単に転ぶとは思っていない。だからこその尋問だ。なぁ」
 将校達が尋問官の肩を叩く。
「そういうこと。ま、こっちもプロだからね。観念しなよ」
 尋問官はイリーナの肢体を眺め回し、待ち遠しそうに笑った。

(なんだよこれ、無茶苦茶だ……!こんなのが軍の幹部だっていうのかよッ!!)
 エルノは怒りで腰に当てた手を握りしめる。隣に座る少将が横目にそれを見つめていた。

18:西方の雪      8/17
10/08/20 23:39:52 7tKt4+OW

「さて、と。じゃあ皆さん、とりあえず彼女をうつ伏せにして下さい。尻は高く掲げる形で」
 尋問官が命じると、将校たちはイリーナの身体を床に寝かせる。
 見事な臀部とスカートから覗く脚線が露わになった。
「おお……よく鍛えられて、これは……!」
 男達は誰からともなくその下半身へ触れ始める。イリーナが眉を顰めた。
「それは何をしておるのかね?」
 中将が尋問官の手元を見ながら訊ねる。尋問官はブリキのバケツに水を汲み、その中に透明な薬液を溶かし込んだ。
 そして風船のようなゴム球が3つ付いたチューブを取り出す。
「浣腸の準備ですよ。気の強い女を服従させるには、何といってもコレが一番なんです」
 浣腸。その言葉に将校たちが目をぎらつかせ、イリーナが表情を強張らせる。
「い、いやっ!!」
 イリーナが叫ぶと尋問官がその顔を覗きこむ。
「尻から水入れられて糞をぶちまけるのは嫌かい?だったら、
 『逆らってごめんなさい、こんな私でよければ、身体を好きにお使い下さって結構です』
 と皆さんにお願いするんだ」
 尋問官の言葉に、イリーナは顔を背けて拒否の意を示す。
「ノーか。まぁ、そうこなくっちゃな」

 尋問官は嬉しそうにイリーナの背後に回った。そして彼女のスカートを捲り上げると、その下のショーツもずり下げる。
 イリーナの白い臀部が露わになった。中心には、皺の放射状に並んだ肌色の窄まりが隠れている。尋問官はそれを両の親指で押し開いた。
「色素も薄くて綺麗な形をしている、とても排泄の穴とは思えないな」
「い、ひぃっ!!」
 尋問官が指に油をつけてゆっくりと菊の輪を擦ると、イリーナは声を上げて背を仰け反らせる。
「うん、可愛い声だ。真面目で実直なイリーナ中尉は、本来なら一生こんな所を触られる事のない人生を送ったんだろうにな」
 尋問官はイリーナの反応を楽しみながらたっぷりと油を塗りこめ、チューブを手に取る。
 そしてチューブに付いた3つのゴム球のうち、最も大きなものをイリーナの尻穴に押し当てた。
「ぐっ……!?」
 イリーナは尻の穴に何か触れる感覚を必死に堪える。
 ラグビーボールの形をしたその風船は、尋問官の押し付けと油の潤滑でぬるりと奥へ入りこむ。

19:西方の雪      9/17
10/08/20 23:41:11 7tKt4+OW
 
 風船が根元のストッパー部分だけを残して全て埋まると、尋問官は別のゴム球を強く握りこんだ。
 その瞬間、イリーナの体が強張る。
「っ!?何だ、肛門の中で、膨らんで……!?」
「新鮮なもんだろ、お尻の中を拡げられるのは。今、腸の中でゴム風船が膨らんでるんだぜ。
 これが膨らんじまったが最後、もうどんなに息んでも追い出すことはできねぇんだ」
 尋問官の言葉に、イリーナが歯を食いしばりながら腹部に力を込める。しかし一瞬の後、すぐに息を吐き出した。
「ほら、もう無理だ」
 尋問官はさらに一度ゴム球を握りこみ、膨らませてから手を離した。
「面白い道具だな。まだ一つ風船のような球があるが、それを押すとどうなるんだ」
 中将が聞くと、尋問官は笑みを浮かべながらチューブの先を水の入ったブリキバケツに浸す。
「まあ、やってみれば解りますよ」
 尋問官が言いながらゴム球を押し込むと、バケツの水の中で気泡の生まれる音がした。
 と同時にイリーナが声を上げる。
「く、つ、冷たいっ……!!貴様、私の腸に何を入れている!?」
「と、言うわけです。このゴム球を一度握れば、バケツの中の水が彼女の腸内に流れ込む」
 尋問官はそう言ってさらに何度もゴム球を握りこみ、イリーナが息を呑んだ。

「コレのいい所は、じっくりと時間を掛けて少しずつ、好きなだけ浣腸できる事です。
 あまりやりすぎると腹が破裂してしまいますが、その限界まで、様子を見ながら一押しずつ。
 浣腸しながらも流れ込む管以外は塞がれているので、絶対に漏らせません。
 時間を掛けて屈服させるにはもってこいなんです。
 ちなみに、バケツの中には便意を呼び起こすグリセリンが溶かしてあります」
 尋問官がそう言う間にも、何度も水を送り込まれたイリーナはその未知の感覚に震えていた。
 歯の根が合わない、という様子だ。
「さぁ、まだまだ入っていくぞ中尉殿。どこまで我慢ができるかな」
 尋問官はさらにゴム球を握りこみながら、他の将校達を振り仰いだ。
「どうです、皆さんもこの女の腹に水を流し込みませんか。ホンの一握りするだけですよ」
「楽しそうだな。どれ」
 陸軍大佐がそのゴム球を受け取り、強く握りこむ。イリーナの腸に勢いよく水が噴き出した。
「うぐ……っ!」
「ほう、鳴きおるわ。これは愉快だ」
「俺にもやらせてくれ」
 代わる代わるゴム球が手渡されていく中、腸に水を湛えたイリーナは、ただ歯を食い縛って耐え忍ぶしかなかった。


20:西方の雪      10/17
10/08/20 23:42:06 7tKt4+OW

「うく、く、苦し、い……!」
 10度ほどゴム球が握り回されたところで、イリーナが小さく呻く。
 尋問官がうつ伏せになった彼女の前を肌蹴た。白い下腹部が膨らんでいるのがわかる。その中からはぎゅるぎゅると低い唸りが響いていた。
「だんだん腹が膨れてきたな。中で大量の水が渦巻いてるのが解るだろう」
「あ……は、あっ……!!」
 尋問官が腹を撫でると、イリーナが苦しそうに顔を歪める。
「どうだ、出したいか?出したければ許しを請え。惨めったらしくな」
 将官達がゴム球を握りこみながら笑う。イリーナは床につけた頬を捻って彼らを睨みあげた。
「誰が、許しなど!謝るのはそちらの方だ……!!」
「なるほど、気が強い。だが抵抗するとますます苦しみが長引くぞ」
 将官達がさらに液を流し込み、イリーナは歯を食いしばって呻きをあげる。
 それが幾度も繰り返され、やがてどれだけゴム球を握りこんでもチューブに液が逆流するようになってしまった。
 容量一杯と見た尋問官は、チューブの根元をコックで止めて流出を阻む。

「うぐぐぐ、ぐふうんぐうう……!!」
 髪を掴んで引き起こされたイリーナの腹は、妊娠何ヶ月目かのように歪に膨らんでいた。
「2リットルは入っただろうな、腹がちゃぷちゃぷいってるぜ。どうだ?苦しいだろう」
 そう問われ、イリーナは荒い息のまま薄目を開ける。
 眉は垂れ下がり、下唇は噛み締められ、普段の顔からは考えられない弱気な表情だ。
「ほう、いーい表情だ。勝気な女性の見せるこの顔は堪りませんな」
「どれだけ戦場で雄雄しくいようとも、糞がしたくてたまらないだけでこの顔になる。脆弱なものだ」
 将校たちは口々にイリーナの顔をなじった。
「く、うう……ふ、ふん、鏡を見ろ。貴様らの好色面の方が、よほど見るに耐えんぞ」
 イリーナが気丈に切り返しても、軍服の前を肌蹴たまま尻に栓をされる状況は変わらない。
「何とでも言え、女」
 将校たちはイリーナの軍服の胸元に手をかけ、力任せに引き千切る。
 イリーナの前身が完全に露わになった。手のひらでは到底掴みきれないほどの見事な乳房が零れだす。
「見事なものだ。合同訓練の際に何度か目にしたが、軍服を着ていてもこの大きさが分かったよ」
 陸軍大佐が興奮気味にその乳房を鷲掴みにする。
 イリーナが小さく声を上げると共に、その腹部が激しく鳴り始めた。
「ふぐううう、う!!」
「ほう、胸が感じるらしいな。20代も後半に差し掛かろうという歳で戦争に身を捧げる女は、性欲が溜まっているのか?」
 男達が乳房を揉みしだきながら詰った。
「本当に良い表情になってきたな。どれ、乳を揉みながら、じっくり観察するか」
 中将が苦悶に満ちたイリーナの顔を眺めて言う。

21:西方の雪      11/17
10/08/20 23:42:59 7tKt4+OW

 そこからイリーナは、排泄を必死に堪えながら男達に顔を覗きこまれ続けた。
 羞恥に顔を伏せても、顎を掴んで無理やり前を向かされる。
 イリーナは全身に凄まじい脂汗を掻き、後ろ手に縛られたまま腰をくゆらせた。
その乳房を女の扱いに慣れた将校達が嬲る。ある者は膨らんだ腹部を残酷に揉みしだいた。
 その刺激でイリーナは、真っ赤にした顔を崩さざるをえない。
「はぁ、ああああ、あぐっ、うう、ああぐう、はぁ、はああ……っ!!」
 イリーナの口が大きく開き、その口の端から涎が垂れる。それは陸にいながらにして溺れているような有り様だ。
「苦しいか?服従するならすぐに楽になれるぞ」
「はぁ、はぁ……だ、誰が……!このぐらい、何時間でも耐えてみせる……!」
「そうか、ならば何時間でも耐えてもらおう」
 イリーナの負けを認めない姿勢は、ますます男達の嗜虐心を煽り立てた。
「や、やめ、ろぉ……!!」
 膨れた腹を掴まれ乳首を摘まれると、イリーナの眉が垂れ下がる。

 地下には腹の鳴る低い音が響き続けた。女の生々しい呻きもそれに重なった。
 イリーナの汗まみれの顔から血の気が失せ、目も虚ろになった辺りで尋問官が立ち上がる。
「限界のようです。これ以上はこの後の調教に差し障ります」
 尋問官がイリーナの尻の下にブリキのバケツを置き、チューブについたボタンを押す。
 しゅうっと空気の抜ける音と共に肛門のゴム球が萎んでいく。その直後だ。
「あああああ゛っ!!見るな、見るなあああぁぁぁあっっ!!!!」
 イリーナの叫び声が終わらぬ内に、柔らかくおぞましい音を立ててバケツに黄色いものがぶち撒けられる。
「おうおう、細い体でまた大量に出るもんだ。収容所じゃ勝手な用足しが禁止されてるらしいからな。
 数日分のクソってわけだ!」
「あれだけ水を流し込まれて我慢したのを解放してるんだ、気持ち良いだろう。
 どうだ?この人数の前でクソをひりだすのはどんな気分だ、中尉!」
 男達のなじりを受けながら、イリーナの排泄は続く。後ろ手を縛られた蹲踞の格好で、1人に顎を持ち上げられ、その時の顔を見られながらだ。
「いやぁ、ああああああ゛!!……とまらない、どばらないい゛……!!!!」
 イリーナは細く涙を流し、口を開けながら腸に溜まった水を勢いよく放つ。
 妊婦のように膨らんでいた腹がへこんでいき、引き締まった腹部が表れてくる。側筋の浮いた腹は豊かな胸によく似合った。
 長い長い排泄だった。何度もバケツの淵に飛沫を上げながら、窄まりを一杯に開いて噴き出していく。
 ようやく全てを出し切った時、イリーナは床にへたり込んでいた。
「う、ぐぐ、く……ゥッ……!!」
 その汗まみれの顔は射殺すように将校達を睨み据える。
 将校たちは勝ち誇ったように見下ろしていた。
「無様な姿だったな、イリーナ中尉。美しい君が大量のクソをひり出す光景は、生涯私の脳裏に刻まれたままだろう」
 中将が満面の笑みを浮かべて告げると、イリーナは弱りきったような顔のまま、力なく項垂れる。

 ぎりりっ。
 かすかに歯軋りの音がした。音を立てたのはエルノだ。彼の指は静かに胸のポケットに触れ、その内側にある拳銃を指でなぞった。
 (まだだ……まだ、だ)
 エルノは息を整えながら拳銃から指を離す。
 怒りに震える彼の前では、尋問官に担ぎ上げられたイリーナがまた新たな責め苦を受けようとしていた。

22:西方の雪      12/17
10/08/20 23:44:13 7tKt4+OW
 ※

 イリーナは分娩台に酷似した開脚台に手首・足首を繋がれた。
 格好は前を大きく肌蹴られた軍服の上衣と、恥毛の上にたくし上げられたスカート、そして腿までのガーターストッキングだ。
 秘部は大きく開脚したまま男達の好奇の視線に晒されている。
 そのような屈辱的な状態に置かれながらも、イリーナの目はなお軍人らしい凛とした光を放っていた。
「いい絵だな。毅然とした顔に浅ましい格好……最高だ」
 尋問官が楽しそうに言いながら、イリーナの秘部にライトを向ける。開かれた割れ目が奥のほうまではっきりと見えるようになった。
 さらには彼女の全身を捉える形でビデオカメラまでがセットされる。
「ほう、撮影するのかね」
 中将が問うと、尋問官はよくぞ聞いたとばかりに微笑む。
「ええ。これからする責めは、女をそれはそれは恥ずかしい姿にしますから。映像に残す価値はありますよ、と」
 カメラとライトを微調整した後、尋問官は嬉しそうに警棒のようなものを手にする。
「さて中将殿。これから自分が何をされるのか、理解しているか?」
 棒をイリーナに見せ付けながら尋問官が問うた。
 怒りに目を剥いたイリーナが鼻で笑う。
「電気責めだろう。たとえ焼き殺されようとも、断じて貴様らの言いなりにはなら……」
 そう言いかけたイリーナの脇腹へ、尋問官がおもむろに電気棒を押し付ける。
「ぎゃあうっ!?」
 イリーナの肩が跳ね、目が白黒と彷徨った。
「そうだ、電気責めだ。電気責めは素晴らしいぞ。電流を抑えて適度に電圧をかければ、
 外傷を一切与えることなく苦痛だけを感じさせる事が出来るんだ。
 感電死なんて楽はさせないぜ。死どころか気絶すらできない、しかし痛くてたまらない電圧を使う。
 じっくりと、とろ火で炙るように調理してやる」
 軽く息を乱したイリーナを眺めながら、拷問官は告げる。

 尋問官はまず、慣らしと言ってイリーナの膣と肛門に弱電圧を流した電気棒を挿入し、30分ほどかけてゆっくりとピストン運動を施した。
 時に陰唇やクリトリス、尿道孔など周辺にも刺激を与えながら、イリーナの性器を電気に慣らしていく。
「ああああ……あ、ふああぁああうう……!!」
 気持ちいいのだろう。イリーナは亜麻色の髪を台に擦りつけ、白い顎を晒しながら細かに震わせている。
「中将殿はよっぽど男日照りだったのか?えらく感じまくってるな」
 周りから野次が飛ぶとすぐに顔を引き締める。
 だが尋問官が秘部から引き抜いた電気棒には相当な粘度の愛液が纏わりついており、それを鼻先に晒されると口を噤むしかなくなってしまう。
「はぁっ、ん、ふんんんん……!っは、ゥん……うんん、あぁ」
 イリーナの艶かしい喘ぎがビデオに収められる。
 乳輪は収縮して盛り上がり、乳首は尖って上を向き始める。クリトリスも色づき始め、イリーナから女の匂いが漂い始めた辺りで尋問官は手を止めた。
「さて。いよいよ本番だ」

23:西方の雪      13/17
10/08/20 23:44:50 7tKt4+OW

「あああああーーーッ!!あッアっ、はあッ!!く、ひいいああああああ゛あ゛!!!!!」
 ビデオカメラは女の狂乱する顔を捉えていた。
 それは映写機を通じて尋問室のスクリーンに大きく映し出される。
 女は目鼻立ちの整った涼しげな美人であろうと窺えた。
 しかしその美貌は、目を見開いた次の瞬間には涙混じりに細められ、鼻水に塗れてグズグズになっている。
 天を仰いだ口からは、だらだらと絶え間なく涎を流しつづけている。
「ははは、凄い顔だぞ!糞を我慢している時も傑作だったが、ここまで崩れるとはな!」
 スクリーンの映像を見て、将校たちが口々に笑いあった。
 イリーナの両耳と乳首、クリトリスは鰐口のクリップで挟み込まれ、膣と肛門には深々と電極棒が埋め込まれている。さらに脇腹や内腿にも無数の電極が取り付けられている。
 そんな状態で電流を流されるのだから堪ったものではない。
 コードにまみれたそのえげつなさは、紛れもなく拷問のそれだった。

 一旦電流が止められ、海老反りになっていたイリーナの体がどすんと台に落ちる。
「あッ、あ……あッあッ、んうッあァ……はぁッ、はぁあッ……!!!」
 イリーナは小刻みに喘いだ後、肩を震わせて大きく息を求めた。
「何だ、まだ10分ほどしか経っておらんぞ。これが我が国の陸軍中尉を務めていた女かね。
 いささか鍛錬が足りんのではないか」
「お恥ずかしい限りです。しかしこれで照明されたでしょう、この女は戦地に置いても駄目です。
 潜水艦にでも放り込んで、兵士の慰安に充てるのが関の山かと」
 将校たちの蔑みの発言に、イリーナが怒りを露わにする。
 しかしまた電流が流されたことで、その身体は大きく仰け反りながら痙攣を始めた。
「貴様っ……あッ、ううああああああ゛!!!!あああああう、あッ、うくぅはあああ゛あ゛っあぐ!!!」
 スクリーンに白目を剥いて大口を開ける表情が映し出される。
 絶叫が、彼女の身体を駈け巡る電流の激しさを表していた。
 電流はイリーナの白い腹部や内腿の随所を震え上がらせ、ほっそりと伸びた手足の先に至るまで小刻みな痙攣を及ぼしている。


24:西方の雪      14/17
10/08/20 23:45:52 7tKt4+OW

 エルノはその光景を悪夢のように感じていた。
 気高く美しく、自分の軍人としての理想であったイリーナが、踏みにじられていく。
「どうだね、エルノ」
 隣に立つ少将がエルノの肩に手を置いた。
「かつての上司なのだろう、あの女は?一時でも“あれ”の下で動かされていた気分はどうだね。
 男としてやり切れなかろう。見たまえ、まるで家畜だ」
 少将はスクリーンを指す。そこにはイリーナの腹部が映し出されていた。
 ライトに照らされた白い腹は汗で油を塗ったように光っている。
 豊かな乳房と引き締まった腹が濡れ光る様は異様にエロチックだったが、エルノは心臓を突き刺されるようだった。

 カメラがさらに下を映すと、将校達から歓声が上がる。
 映ったのは大きく開かれたイリーナの秘部だ。
 2穴に電極棒を呑み込んだそこからは、夥しい量の液が漏れて開脚台の座部を滴り落ちていた。
「おや、失禁しているのかね」
「いえいえ、それだけじゃありませんよ」
 尋問官が膣に入った電極棒を静かにゆっくりと抜き取り、中を開いてみせる。
 開かれた秘裂はずぶずぶに濡れそぼち、奥から新たな愛液が溢れて床に滴り落ちていく。
「おおお、いやらしく濡れておるわ!あの電流で感じてしまうとは、どうしようもない淫売だな!!」
「うむ、しかし凄い匂いがするものだ、男を誘う女の香だな」
 将校たちになじられ、イリーナはいよいよ顔を赤く染め上げて顔を背けた。
 尋問官が笑いながら補足する。
「感じている訳ではないんです。全身を巡る電流で脳の神経がやられて、
 小便や唾液、愛液といった体液が垂れ流しになってしまうんですよ。
 さっき浣腸をしたのも、下痢便を漏らされちゃあ敵わないからです。
 でも感じてないとはいえ、体液垂れ流しのこの姿、精神的にかなりきつい筈ですよ」
 尋問官はそう言って、イリーナのあられもない姿をスクリーンに映し続ける。
「どうだ、恥ずかしかろう。謝罪するか?軍の性欲処理道具になると誓うか?」
 中将が顔を覗きこみながらイリーナに問うた。
「こ……断る……っ!!」
 イリーナは汗まみれの顔のまま首を振る。中将が尋問官に合図をした。
「ぎいゃああああああッあ、あうっぐああぃあああっはあぁぁあああああッ!!!!」
 イリーナの身体が反り返り、汗を飛び散らせる。豊かな乳房が上下する。
 その美しい体を眺めながら、尋問官は笑った。
「長期戦でいきましょう。この失神できない電流拷問は、しばらく繰り返すと精魂尽き果てる。
 体力がなくなってからあの拷問に耐えるのは、大変ですから」
 その言葉に将校達も待ち遠しそうな笑みを浮かべる。
「だそうだ。楽しみだな、エルノ」
 少将がエルノの隣で言った。
 エルノは痙攣を続けるイリーナを見ながら、小さく喉を鳴らした。


25:西方の雪      15/17
10/08/20 23:46:49 7tKt4+OW

 電流責めはどのくらい続いただろうか。窓のない地下室では、時間の感覚は全く分からない。
 責めを受けるイリーナには永遠にも近い時間に感じられただろう。
 ようやく開脚台から下ろされた彼女は、その瞬間にがくりと気を失った。
 伸びやかな肢体は湯上りのように火照り、汗に塗れている。秘部は開ききり、尻肉に到るまで愛液で濡れ光る。
 将校達の目がイリーナのの恥じらいの部分に集まっていると気づき、尋問官が秘部に触れた。
「如何です、どなたかここを試してみませんか。気絶しているので膣も肛門も締まりがありませんが、
 電気ショックの影響で中が痙攣しています。具合のよさは保証しますよ」
 尋問官の言葉に将校達は顔を見合わせて囁きあう。
 そんな中、中将が歩み出た。

「ならば遠慮なく使わせて貰おう。そろそろ辛抱も限界だったところだ」
 中将はそう言ってチャックを下ろし、隆起した逸物を取り出す。かなりの大きさだ。
 亀頭はイリーナの後ろの窄まりに押し当てられた。中将が腰を進めると、亀頭はずぐりとさしたる抵抗もなく沈み込む。
「ほう、確かに締まりが緩くなっておる。易々と入っていくわ」
 逸物が根元までイリーナの直腸に入り込むと、中将はゆっくりと腰を動かし始めた。
「中将殿もお好きですな、いきなりアナルですか」
「若い頃に村娘を輪姦した時、使った事があってな。それ以来癖になっておるのだ。
 あの時は貧相な娘の上、腸奥に何か詰まっておって全て入りきらんかったが、これはいい」
「なるほど。まあ中将殿のご立派な物は、後ろでないと長さが入りきらんのでしょうな」
 将校達が騒ぎ立てる。
 尻穴に抜き差しをされながらも、気絶したイリーナが気がつく気配はない。
 うつ伏せのまま抽迭に合わせて床に身体をこすり付ける。
「ふむ。中々良いが、締まりが足らんな。おい君、目を覚まさせてやってくれ」
 中将が命じると、尋問官がバケツに入った水をイリーナの頭に浴びせかけた。

「げほっ、げほっ……あ、ああう、い痛いっ!?何、おしりが痛い!!」
 気がついた瞬間、括約筋が戻ってイリーナが悲鳴を上げた。
「おお、締まりおる、締まりおる。菊輪が根元にぎちぎちと食いついてきて痛むほどだ」
 中将が歓声を上げながら腰の振りを大きくした。
「く、う!!はぁ、はぁ……し、信じられん、そこが何の穴か解っているのか貴様っ!!」
 イリーナは目を吊り上げて中将に叫ぶが、手足は力なく床を叩くだけだ。
「全身が痺れて身動きが取れないだろう。抵抗も出来ずに糞の穴を犯される気分はどうだ?」
 中将が楽しげにイリーナの腰を掴み、剛直を叩き込む。
「痛いっ!!やめろ、早く、早く抜けぇっ……!!」
 イリーナは目から薄く涙を零しながら力なく訴えかけた。
 それは彼女がこの4年掛けて守ろうとした、強姦される無力な少女の姿そのものだった。
 尻穴を無抵抗に犯される様を、将校達が楽しそうに見下ろしている。
 イリーナはどうしようもなく、口惜しさに歯を噛み締めて泣いていた。
 どうしようもなく、ただ無力に……。
「もう……もう、やめろおおおおおっ!!!!!」
 うら若い男の叫び声が響いたのは、その直後だった。


26:西方の雪      16/17
10/08/20 23:47:58 7tKt4+OW

 エルノが銃を構えていた。セイフティーは外れ、その銃口はイリーナを犯す中将を狙っている。
 場が凍りついた。
「……どういうつもりだ、若造?」
 中将は余裕の笑みでエルノを見やる。
 エルノは震えた。自分でも己のしている事が把握できないでいた。
 元々彼がここに来たのは、イリーナを殺す為だったのだ。
 軍に反逆したイリーナは嬲り殺しにされるに違いない。ならばその前に、自分の手で殺そうと思っていた。
 しかし出来なかった。代わりに何故かこうして、中将に銃を向けている。
「うああああ!!!」 
 もう退けない、せめてこの悪の根幹と相打ちになろう。エルノは覚悟し、銃の引き金に力を込めた。
 しかし次の瞬間、銃を握っていた右手が弾け飛ぶ。
 痺れるような痛みと共に銃が宙を舞い、乾いた音を立てて床に転がる。
「あっ、ぐ……!!」
 エルノは右手を押さえて呻いた。その瞬間、今度は左足首の腱を鋭く切り裂かれる。
「うう!!」
 エルノが左に顔を向けると、少々がサーベルを凪ぐ形で構えていた。
 腱を切ったのは少将で、銃を弾き飛ばしたのはその奥の大佐らしい。
 エルノは立っていられずに地面に膝をつく。

「ご苦労、少将」
 中将が笑みを浮かべた。それに一礼を返し、少将が膝をついたエルノに語りかける。
「お前がこうする事は解っていたよ、元第3小隊のエルノ」
 その言葉にイリーナが目を見開いた。
「エル……ノ……?」
 イリーナは遠くで顔を顰める青年を見つめる。懐かしい髪の色、顔の造り。
 随分と精悍になってはいるが、紛れもなくあの時の少年だ。
「…………エルノ、エルノッ!!!」
 イリーナは叫びながら青年に手を伸ばした。しかし中将に組み敷かれ、その手は届かない。
「イリーナさ……!!」
 エルノも将校達に床に押さえつけられ、呼びかける言葉を途切れさせる。

「安心しなさいエルノ。お前を殺しはしない。お前は、その特等席で見ているといい。
 己のかつて従った隊長がどうなっていくのか。軍に従えなかった者の末路はどうなのか。
 すべて見届けるんだ」
 少将がそう告げると共に、イリーナの呻き声が響き始めた。
 中将が尻穴への突き込みを再開したのだ。
「あっ、あぅ、あぁッ!!エ、エルノお願いだ、私を見ないでくれ。私のこの声を聞かないでくれ!」
 イリーナが金色の髪を振り乱してエルノに懇願する。
 床に押さえ込まれたエルノが目を背けようとすると、その鼻先の床をサーベルが叩いた。
「見たまえ、エルノ。目を瞑ったり背けたりすれば、その不要な瞳を抉り出す」
 サーベルの剣先が目袋をなぞり、エルノは震えながら顔を戻す。
 イリーナが悲しげに目を細めた。


27:西方の雪      17/17
10/08/20 23:50:19 7tKt4+OW
 ※
「ん……ん、んはっ、はあ、あん……んン!!うん、あっ、ああッ……!!」
 尋問室には女の艶かしい呻きが響いていた。
 女―イリーナは這い蹲った格好のまま手首を拘束され、背後から犬のように犯されている。
「すげえや。ガキの頃から田舎で色んな女とヤッたが、こんなに具合のいいのは初めてだぜ!」
 イリーナを後ろから犯す男が言った。階級章を見る限り伍長だ。
「そりゃあ、よく鍛えてるからだろう。それによ、何しろ誇り高い中尉様だぜ?
 そんなご立派な方を犯せるってだけで、愚息がおっ勃っちまうよ」
 上等兵らしき男が射精を終えた逸物を弄くりながら言う。
「全くだな。しっかし、いきなり尋問室へ来いなんて少将に呼ばれた時は驚いたが、
 こんないい思いできるなんてな。レーションは不味いが、この軍で働いてて良かったぜ」
「にしても、すげえ精液の量だな。いつから輪姦されてるんだ、この中尉サマは」
「さあな。まあ、今日が初めてってわけじゃあるまいよ……おお、締まってきた」
 伍長が腰の角度を変えると、イリーナの喘ぎ声が一段階上がる。
「ふあああああ!!!」
 伍長は構えた自分の腰にイリーナの腰を擦りつけるようにして浅くじっとりと結合していた。
 イリーナの内腿が強張り、足の指が快感に開いて踏みしめられる。
「しかしお前、うめえな。中尉殿も相当感じてるんじゃねえか」
 男たちが伍長の腰遣いを褒める。伍長は誇らしげに腰を突き出した。
「伊達に田舎生まれじゃねぇよ。娯楽といや女を抱くばっかりだったからな。
 今はほれ、Gスポットをゴリゴリと愛してやってるんだ。声がすげえだろ?
 子宮は下がってきてるし、愛液は逸物を包んでくるしでもう感じまくりだな」
 伍長のその言葉を裏付けるかのように、イリーナは口を開き、その端から涎を垂らしていた。
「うう、いく!出るぞ!!」
 伍長がイリーナの腰を強く掴み、奥まで突きこんでから動きを止めた。
 陰嚢が収縮しており、中に大量に射精している事が解る。
「いや、あ……中に、は、入って……くる……!!」
 イリーナはもう何度目か解らない膣奥への中出しに眉を垂れた。

 長い輪姦が終わると、イリーナは拘束服を着せられて収容所の檻に入れられる。
 隣の檻には、同じく拘束服を着せられた青年がいた。
「エル……ノ……!」
 イリーナは乾ききった声で青年を呼ぶ。
「イ……リーナ……さん」
 エルノもやつれた顔でそれに応えた。
 2人は、鉄格子に阻まれ、手足の自由もないまま、舌だけを絡ませて朝まで愛を交わし合う。
 イリーナの舌には他の男の精液が絡みついているが、それでも僅かな時間を愛おしむ。
 朝までの、僅かな時間。
 次の朝、イリーナはまた別の男に犯され、目を蕩けさせては首を振って振り払う。
 しかしそのサイクルは次第に短くなってきている。
 手足に包帯を巻いたまま、エルノはそれをただ見つめていた。
 足首からは血が流れ、首元にはサーベルの刃が当てられている。

 尋問官が体力の尽きかけたイリーナへ与えた最後の拷問。それは快楽拷問だ。
 女に飢えた兵士達を使って好きなだけイリーナの身体を使わせる。
 飢えた男達に辱められ、尋問官たちによって穴という穴を開発されていく中で、イリーナはやがて快楽を自然に受け入れるようになっていく。
 人は苦痛には死ぬまで耐えられても、快楽には耐え切れない。
「ほらどうした、イクんならイクって言えよ!?」
 少佐の階級章をつけた男が抱きかかえたイリーナを突き上げる。
「い、いくっ、ああっ、んうあああああいぐうぅうううっ!!!」
 イリーナは天を仰ぎながら、叫び声を上げた。
 彼女はやがて潮を噴き上げ、エルノの頭上に浴びせかけていく。
( あの日の雪みたいだ )
 エルノは思った。
 
 体が、ひどく寒い。

                                  END

28:名無しさん@ピンキー
10/08/21 00:18:28 e8WpHfNw
おお、超大作ですな!

29:名無しさん@ピンキー
10/08/21 05:51:54 eA/v2tmR
え?







GJ!!!!!!!!!!!!!

30:名無しさん@ピンキー
10/08/21 10:12:50 blEFGtCp
GJ!

31:名無しさん@ピンキー
10/08/22 13:27:34 3N912q6F
朝のスパームの匂いは格別だ

32:名無しさん@ピンキー
10/08/24 15:57:31 eIOhOlXr
ho

33:名無しさん@ピンキー
10/08/26 16:26:52 nU5hXmlX
軍人にとって上官の命令は絶対である。
「そうだよね?ライサちゃん♪」
「くっ…」
もみもみ…と軍服の上からライサちゃんの大きな胸を堪能する。
ライサちゃんは気をつけの姿勢のまま動かない。いや、動けない、僕がそう命令しているから。
「んっくうっ、あっ」
今度は下半身を弄る。でもライサちゃんは直立不動の体勢を崩さない。
「んじゃ今度は座って口を開けてもらおうかな」
「わかり…ました…」
地面に腰を下ろし、口をだらしなく開く。いつものライサちゃんからは想像もできない姿だけど…
「んぐっ、もがっ、んんーっ」
頭を掴み、喉の奥にまでペニスを突っ込み、犯すように腰を振る。
「あははっ、ライサちゃんの口まんこ気持ちいいよっ」
ライサちゃんの顔はとても苦しそう、でもその表情を見るとますます腰の動きが加速しちゃう。
そして僕は欲望をその綺麗な顔にぶちまける、軍服も僕の精液で汚れていく…
「げほっがほっ…うぇぇ、ごほごほっ」
咳き込んでとても苦しそう…その姿を見て僕は…
「服を脱いでよ、全部ね」

僕の家は先祖代々、そんなに役職の高くない役人の一家だった。
それに比べライサちゃんは上級騎士の一家…
子供の頃は家が近所でライサちゃんともよく遊んだ…いや、いじめられた
何せ、親の階級も向こうのほうが上だし、何より腕っ節が違いすぎた。
だって子供の頃から軍人として教育されたライサちゃんと、下っ端役人の我が家の教育では…ねぇ
僕も13歳になって役人として働き出した(当時は12~14ぐらいで大人扱い)んだけど、そんな僕に一大転機が現れたのがつい先日。
敵国を攻めるにあたっての最重要拠点を、僕が口先一つで落としたんだ!
…といってもそんな格好いいものじゃないんだけどね、単にそこの城のお偉いさんと知り合いで、その人もちょうどウチの国に帰順したいらしくて、僕をパイプ役にして降ったってだけのこと。
でも、敵国の最重要拠点を口先一つで奪ったことに代わりはない。僕は褒美として領土とかなり高い軍の役職を貰ったんだ。
そしてもう1つ、領主となるにあたって、兵士を貰えるということになった。騎士隊長を何人か選んでいいよということになって、それでライサちゃんをもらったんだ。
ライサちゃんも凄く頑張ってこんな若くで騎士隊長になったようだけど、この歳で下っ端役人から領主様にまで登りつめた僕には適わなかった。

「あんっ、やぁっ、だめぇっ、もう…ああーっ!」
「気持ちいいっ、いくよっ」
それで、僕の思うがままにされてるってこと。
ライサちゃんは(黙っていて、何もしなかったら)美人だし、胸も大きいし、鍛えてるからその体は引き締まってるし…
これからも可愛がってあげるね♪

34:名無しさん@ピンキー
10/08/26 18:22:47 etymaJVh
うおおおおおおおお!!GJ!
ライサちゃん可愛いいいいいい!

35:名無しさん@ピンキー
10/08/26 19:52:49 x1UNpuh8
>>33
これはいい。
続き希望。

36:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:51:19 nU5hXmlX
僕がもらった子はライサちゃんだけじゃない。もう1人の騎士隊長、それがジャンナだ。
ジャンナは物凄い力を持ってて、なんと12歳にして騎士隊長っていう軍の期待の星だ、通常なら…
でもジャンナの出生が問題だった、ジャンナは孤児でライサちゃんのように騎士の一家に育ったわけじゃない。
それどころかどこの馬の骨ともわからない孤児、それが物凄いスピードで出世していくことは、いくら実力主義のうちの国でも問題だった。
だから中央にいられるとまずい…そういうことで僕が引き取ることになった。

でもこの子は…物凄い当たりくじだった!


領主となってしばらくすると近くの城から援軍要請がきた。
僕はそれを快諾してしまったのだけど、行軍途中、城が近くなってきたあたりで
「これってやばくない?」
ということにやっと気づいた。冷静に考えれば、戦場だ。僕は文官(というのも情けないような下っ端役人)で戦争は未経験…
「今更何言ってんのよ」
ライサちゃんが僕の様子に気づいて呆れたように声をかけてきた。
「いやだって僕は戦に出たことなんて無いし…ライサちゃん、ジャンナ、ちゃんと僕を守ってよ!?」
「御意、マウロ様には指一本触れさせません」
そう言ってくれたのはジャンナ あ、マウロってのは僕のことね
「ふーん、あんたが死ねば私も自由になるわね……冗談よ、守るべき主人が死んで部下だけが生き残ったとなっては騎士の恥だから不本意だけど命に代えても守ってみせるわよ」
ジャンナに睨まれてライサちゃんは慌てて言い換える。そういえば最初のほうはライサちゃんも反抗的だったんだけど、ジャンナに「説得」されてから従順になったんだよね。


僕らが城が見えるぐらいの場所に着いたころ、既に敵軍が城を包囲し戦闘が開始されていた。
「マウロ!」
「え、えーっと、こういうときは…どうすればいいの?」
初めて見る戦にテンパる僕、だってしょうがないじゃないか、僕は軍人ですらないんだぞっ!
「敵はこっちには気づいていないわ、城攻めに夢中だから背後から攻撃すれば相手を撹乱できるわ 早く攻めましょう、ジャンナ、アンタも早く準備しなさい!」
「私の受けた命令はマウロ様をお守りすること」
攻めようと動くライサちゃんとあくまで僕の命令どおりに僕の傍から離れないジャンナ。
「ならマウロ、アンタが前に出なさい。そうすればコイツも出ざるをえないでしょう!」
ひぃぃぃっ、なんてことを!でもテンパると地が出てライサちゃんの命令に従う僕。
「…わ、わかった ジャンナ、敵軍を打ち倒してきて!」
でもさすがに先頭に立って突っ込むのは無理。
「はっ、必ずや敵軍を打ち倒してまいります」


戦は大勝だった。
とにかくジャンナが強くて、ジャンナの周りの軍は蒸発するように消えていった。
ライサちゃんは意気揚々と向かった割にはジャンナの圧倒的な強さの前に殆ど出番が無かった、ライサちゃんだってかなり有能な軍人のはずなんだけど…
あと、僕の兵も意外と強かった。軍事のことは全部ジャンナに任せてたんだけどかなり上手くやってくれたらしい。
戦場では鬼神のごとき強さを見せるジャンナ、そんな彼女を好き放題にできるっていうのは…凄く気持ちが良い。


ジャンナは忠犬タイプの軍人で、僕の言うことにはどんな命令であろうと従う。
「マウロ様、なんなりとご命令を」
先に命令したとおり裸になったジャンナが次の命令を待つ。
「んじゃそこに寝てよ」
「はい」

「あっ、マウロさまぁっ、あんっ、あんっ」
僕は胸を吸いながら腰を振りペニスを叩きつける。
ジャンナは12歳だけども、とても背が高くて(だからこそあんなに強いんだろうけど)、体を鍛えているから遠慮なく責めることができる。
ちょうどペニスを入れると胸のあたりに僕の顔が届くから、好き勝手に平らな胸を責める。
「(こんなところは子供なんだよなぁ)」
子供とはかけ離れた強さと体格を持ちながら、童顔な顔と平らな胸と無駄な毛の生えていない体、このアンバランスさは僕しか知ることができない。

37:名無しさん@ピンキー
10/08/26 22:11:35 x1UNpuh8
二人目キタ━━(゚∀゚)━━!!

38:名無しさん@ピンキー
10/08/26 22:32:43 etymaJVh
うほほほ!良作来たーー!!
超支援!

39:名無しさん@ピンキー
10/08/27 11:00:30 B00qe0tK
>>11
GJ !
なんか無料で読むのが申し訳ないほどのクオリティでしたよ!

>>33
めっちゃ期待!

40:名無しさん@ピンキー
10/08/27 13:18:47 wNCjDDA3
その後も僕はライサちゃんとジャンナを気ままに犯していた。

「わ、私の乳マンコを犯してください…」
俯きながら僕の命じたとおりの言葉を発するライサちゃん。
僕は仰向けで寝そべっているライサちゃんの顔の上にお尻を乗せ、パイズリを堪能する。
アナルを舐められるのが快楽を倍増させ、すぐに出しちゃった。

「ほらほら、進め進め~」
山族を追っ払って誰もいなくなった山道で、僕は裸で四つん這いになったライサちゃんの背中に跨っている。
「あはは、昔はよく僕がお馬さんになってライサちゃんに乗られたけど、逆の立場になるのはどう? いや、この大きな胸は牛さんかな?」
馬上鞭でお尻や胸をバシバシと叩くと苦痛で顔を顰める。
「んぐっ…あっ、ぐっ…」
「あはっ、苦しそうだけどここはこんなに濡れてるよ、鞭で叩かれて濡れてるなんて変態さんだね」
お尻に挿した尻尾が原因なんだろうけど、僕はここぞとばかりに言葉で責める。
往復で3kmぐらい歩かせて、最後にはもう疲れ果てていたようだった。

ジャンナには特訓と称していろいろやってる。
腕立て伏せしているところの背中に乗って、前の穴や後ろの穴を弄ったり、おんぶさせて胸を弄ったり…
そして今は懸垂のように棒にぶら下がらせて、僕は木に登るようにジャンナにしがみついている。
「あっ、んっ…ひっ」
胸や脇を舐められ悶えるジャンナ、でも構わず体中にキスマークをつける。


…とまぁこんな感じでほのぼのと過ごしていたんだけど、また援軍要請がやってきた。
「あーあ、また戦争か、嫌だなぁ…」
「……そんなに嫌なら、私に任せて城にいれば?」
ライサちゃんが呆れたように…かと思いきや結構真顔で言ってくる。
「え?僕も行かなきゃいけないんじゃないの?」
「王が毎回戦に出ているわけじゃないでしょ、そういうのは軍人に任せるの」
ああ、なるほど…それならライサちゃん頑張ってねー ってわけにはいかないな、今回だけは
今回、僕らはルンデル家から援軍要請を受けた。僕が口先一つで落としたってことになってる相手だ。
僕が領主になれたのも彼らのおかげだし、何より旧くからの付き合いだし、断れない。
「あら、結局行くのね」

41:名無しさん@ピンキー
10/08/27 13:19:48 wNCjDDA3
ルンデル家のお城に着いた。ここが集合場所のはずなんだけど…
「おお、マウロではないか!」
「ホルムじゃん、久しぶりー」
「んなっ、マウロ…あんた…戦の天才で僅か1500の兵で5千以上の軍を退けた戦の天才と言われてるホルム殿と知り合いなの!?」
説明口調ありがとう。ホルムは僕の軍を軽く見渡して、
「っ!? マウロ、お前どれだけの兵を連れてきたんだ?」
「500人ぐらいかな 小領主なんでこれぐらいが限界なんだよー」
「(いや、500人は多いぞ!? しかも明らかに素人じゃないってことは…全て正規兵かよ!?)なぁ…もしかして民に重税課したりしてるのか?」
「してないよ!」
なんて失礼な、むしろ他より税金低いんだぞ。
「お前の国の内政って誰がやってるんだ?」
「僕だよ」
だってライサちゃんもジャンナも戦はともかくこういうことはからっきしダメなんだから、僕がやるしかないんだよ。
一応、役人やってたから経験はあるしね。


軍事において最も重要なのが補給である。
項羽と劉邦の3傑、戦の韓信・智の張良・政治の蕭何の中で決して劉邦の兵糧を絶やすことが無かった蕭何に最大の功績があるということからもそれは明らかだ。
更に戦においての兵士はその殆どが傭兵や臨時徴兵された平民であり、正規兵は全体の何割かしかいなかった。
そんな中、小領主でありながら立派な装備をした500もの兵を連れてきたことにホルムが戦慄したのは無理も無かった。

その評価はホルムだけに留まらなかった。それぞれ兵を率いて集結した諸侯も同じような感想を抱いていたのである。
農民一揆に毛の生えたような装備の軍隊が大勢を占める中、立派な装備に身を包んだ500人の軍は皆の目を引いた。


「(単なる口先だけの男かと思ったが…)」
「(これほどの兵を整えてくるとは……)」
周囲がざわつく中、ホルムが現れた。
「どうも、今回の戦の総司令官、ルンデル・ホルムだ。お集まりいただいたこと感謝する」
「(おー、やっぱ凄いなホルムは)」
「そして紹介しよう、今回の戦で補給を全面的に担当する…マウロ殿だ!」
「えっ、ちょっ、まっ」
こうして、事実上の副官に(勝手に)担ぎ上げられてしまった。

42:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:51:38 43puZiVx
hosyu

43:名無しさん@ピンキー
10/09/04 19:25:03 VSlJeCA2
>>41
面白いな
もう続きないの?

44:名無しさん@ピンキー
10/09/04 23:20:31 bNPT6Z+4
ない

45:名無しさん@ピンキー
10/09/06 23:25:46 Cb8EUumZ
我が軍は絶好調で、早速いくつも城を落とした…らしい。
らしいってのは僕はあくまで後方支援で、実際に戦には出てないからだ。あくまで報告で聞くだけ
どうも城を落とすってのは大変らしいね、相手の3倍の兵がないと難しいとか それなのにあっさりと城を落としていくホルムは凄いなぁ
「ホルム殿はどうして北に北に攻めないのかしら、東に比べて手薄なはずなのに」
ライサちゃん…そうすると東西から攻められて挟み打ちにされちゃうんだよ。補給路も絶たれちゃうし。
「ライサちゃんって脳筋だよね」
「何ですって!?」
ああ!心の中と口が逆に出てしまった!

現状を図で表すとこんな感じ↓
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                                       ○

◎=本陣(僕のいる場所)
○=味方の城
△=落とした城
●=敵の城
■=敵の本拠地


46:名無しさん@ピンキー
10/09/06 23:27:16 Cb8EUumZ
ホルムはかなり計画的に敵の城を落としている。それは僕にもわかる。
落とした城はそれぞれ敵の西・北・東からの攻撃を抑えている。
僕のいる場所が軍の中心になってるけど、どこから攻められても援軍を出せる状態になっている。
敵の本拠地がある西を攻めたいんだけどその前に立ちはだかる4つの城は互いに近くて連携しているから攻め辛いんだろうね。
つまり、現状ではどちらも動けない膠着状態。そこで主だった人たちが本陣に集まって、今後の計画を練ることにしたんだけど…
「あえて城を空にし、相手を釣りだすのはどうだ?」
「本国に援軍を頼もう」
「いやいや、それはダメじゃ(まろの手柄が奪われるではおじゃらぬか!)」
「ええい面倒だ!一気に攻め込んでしまえ!」
全く決まらない、ホルムも何も言わない、決めかねているのか、それとも…

「報告します!敵軍が西方に軍を集結!こちらに攻めてくるものと思われます!!」
「兵はどれほどか」
「3万はいるかと」
一気に場がざわめく 3万!一体どこから…
「北や東から軍を集めたようです」
「なら北や東はガラ空きじゃないの、今が攻め時じゃない」
ライサちゃん…頼むから黙っててよ
「早く援軍要請を!こちらは全てかけ集めても1万程度しかおらんのだぞ!」
「だまりゃ!ここは引き上げ時じゃ!(援軍が来る前にまろが死んでしまったらどうするのじゃ)」

「ねぇホルム、敵って全方向の軍を合わせても1万ぐらいしかいないんじゃ…」
「総動員体制をかけたのだろう、とにかく戦える者を全て戦場に駆り出したんだ」
なるほどね、他の疑問もいくつか聞いてみる。
「武器?それは鍬や竹槍など一揆と同程度のものだろう。しかし兵の数は士気にも影響するからな。3万という数字は敵の士気を上げ、こちらの士気を削ぐには十分だ。
どうやって我々に気づかれずに移動したか?そりゃ、何も持たず身一つで移動したのだろう。そうでなければこの早さでは動けん。
兵糧?敵の本城だからある程度の備蓄はあるだろうし、これから北・東の城から移していくんだろう」
「ふーん、それだったら……」


「作戦は決まった!今までどおり軍を3つに分ける、北と東はそれぞれ1000の軍勢を率いてそれぞれ攻めよ!それ以外は西で敵軍を食い止める!」
「(私の案と一緒ね、流石はホルム殿)」
「馬鹿な!それは下策中の下策だ!」
「この期に及んで軍を分散させる気か!」
「敵は北や東を完全に捨てておじゃる、その北や東を取っても何にもならないでおじゃるぞ!」
当然のことながら非難轟々、しかしホルムが反対を押し切り決定した。
「イルヴァ様、敵軍は軍を3つに分けたようです」
その報告を聞いた妙齢の女将軍は思わず口元をゆるめる。
「ふふふっ、何が天才戦術家よ まさかそんな下策を打つとはね…これで我が軍の勝利は決まりだわ」
「では、全軍前進ということでよろしいので?」
「一応、裏から攻められることを考慮してある程度の兵を別働隊に当てなさい。1000の部隊が2つ…3000もあれば十分に防げるでしょう」




47:名無しさん@ピンキー
10/09/06 23:27:53 Cb8EUumZ
僕らの軍は別働隊に組み込まれることになった。
理由は騎馬軍で動きが早いこと。別働隊の役目は今頃になってゆっくりと輸送している北や東の城に貯めていた物資を奪い取ること。
兵の規模が大きくなればなるほど必要な物資は多くなる。おそらく3万の兵士たちはロクな武器も持っていないし3万人に長時間食べさせる兵糧もない。
「マ、マウロ殿!貴殿の軍は速すぎる!」
「なら、軍を分けましょう。貴方の軍は途中の城を落としていって、僕らは敵の物資だけを狙う!」
「おそらく兵などいないでしょうが敵国の奥深く、くれぐれもお気をつけください」
途中で別働隊を切り離し、僕ら500だけでひたすら軍を進める。僕だって馬に乗り慣れているわけじゃないし、はっきり言って辛い。
「マウロ様、そろそろ休みましょう」
自分から口を開かないジャンナも僕を心配して声をかけてくれる。でも、立ち止まってはいられない。


「おーおー、大したもんだな3万の軍勢というのは」
城を取り囲む大軍勢。それに比べこちらは8000、流石のホルムも冷や汗を流す。
「ほ、本当に大丈夫なんでおじゃるか!敵は我らの4倍いるのでおじゃるぞ!」
「大丈夫ですよ、俺は1500で5000の軍を防いだことだってある」
しかしこれはホルムの強がりだ、その時は味方が精鋭揃いで指揮系統も一本化されており士気も高かった。
一番の精鋭揃いだったであろうマウロの軍を別働隊に回し、寄せ集めのこの状態…明らかに情勢は悪かった。
「だが、なんとか凌いでみせるさ」

48:名無しさん@ピンキー
10/09/06 23:28:44 Cb8EUumZ
              .,i!                             ll,、                    
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●.゙ll,                           `゚゙゙゙llllllll,,,,,,,,llllll゙゙                     
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゙゙ ̄`゙゙゙lllllll,,,,,,,,,,,,,,,,,_              △ .,,,il゙゙゙’                        
        `゙”゙゙゙lli,,___     【3万】vs【8千】                                    
            ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙lllllllllllllllllll゙゙゙゙゙’           ○                         
                                                             
                                       ○

状況はこんな感じだ。
僕らは敵の輸送隊を叩き、ここを落とせば敵の本拠地までいける!ってところまで来ている。
他の別働隊が各城を落としていってくれている分、僕ら500だけで敵の最後の砦を攻めなければいけなくなってしまった。
「(そろそろ…最後の策だ、これが決まれば……決まるかっ!?)」


ホルムは巧みな指揮で敵軍の攻撃をなんとか凌いでいた。しかし士気は徐々に低下し、確実に城の防衛力も低下していた。
「ふふふ、あの子、なかなかやるわね…城を落としてもあの子は殺しちゃダメよ、私が食べるんだから」
「イルヴァ様、我らの兵糧庫が焼かれ、補給路が分断されました!」
「なんですって!?」
イルヴァの軍は①の城を兵糧庫として兵糧を貯め、そこから兵糧を流していた。北・東からの兵糧輸送が途絶えた今、最後の食料基地となっていたのだが…
「どうして!?別働隊は食い止めているし、主力部隊は我々が包囲して…一体どこに兵を隠していたの!?」
「わかりません!そもそもどこの国の軍なのかもわかりません!単なる山賊の仕業だったとも…」

49:名無しさん@ピンキー
10/09/06 23:29:07 Cb8EUumZ
「姐御!やりましたぜ、敵の兵糧を全て燃やしてやりやした!」
「その姐御っていうのは止めなさい!もうっ」
敵の兵糧庫を落とした軍の中心にはライサがいた。しかしこれはライサの率いる軍ではないし、周りにいる者たちもどう見ても兵士の格好ではない。
彼らは>>40で根城とされていた山を追い出された山賊たちであった。(山族ってなってるけど変換ミスですサーセン)
長年領主や住民たちを悩ませていたのだが、ジャンナの一騎当千の活躍によって駆逐された…と思われているが、実際には諜報やゲリラ戦に特化した部隊として軍の中に組みいれられていた。
敵国に多数潜んでおり、敵の軍勢が集結していたことを知らせたのも彼らである。そしてライサが彼らを集め、ガラ空きになっていた兵糧庫を落としたのだ。
「流石に首都には結構兵がいるから私たちは落とせないけど、ここはガラ空きだったわねぇ」
「へいっ、ホルム様がかなり踏ん張っていたため動かせる軍を全部投入したんでしょう」
「お頭が敵の輸送隊を叩いたため来るはずの兵糧が来なくなって、急いで落とさないと危ないと急かされたんでしょうよ」


「ならば目の前の城を落とすのよ!そして兵糧を奪うの!」
イルヴァは顔面蒼白で指示を出す。しかし…
「ダメです、もう兵たちが気づいて士気が大低下!逃げ出す者が続出しています!」
これも山賊たちが兵として潜み、噂を流したのである。こうなっては寄せ集め集団の悲劇である、混乱に歯止めがかからない。
それに追い討ちをかけるように軍馬の駆ける音…篭城していたホルムたちが討って出てきた。
「もうお前たちの兵糧はないぞ!」
「貴様らの負けでおじゃる!」
「今までやられた分をやり返してくれるわ!!」


3万の軍勢は散り散りバラバラになり、敗残兵を回収できるほどの指揮系統も残ってはいなかった。
次々と城を落とされ、遂に敵国の本拠地を…落とした。
僕らは思った以上に最後の砦に阻まれ、首都陥落の報を受けてやっと相手が降伏して通ることができた。
「私が守将のカルロッタだ、私の命と引き換えに、我が部下の命を保障していただきたい」
守将は思った以上に美人だった。
「いいよ、命なんて その代わり、僕に仕えてくれないかな」
「一度捨てた命です、喜んで」
カルロッタが敵の将軍だったら、僕らは負けていたかもしれないな。それぐらい手ごわかった。




50:>>44 まだまだ続きますよ
10/09/06 23:30:03 Cb8EUumZ
僕が首都で見た光景は、僕の想像を超えて遥かに…悲惨だった。
「オラオラ、もっと締め付けやがれ!」
「やめてぇ、もう、んっ」
「へばってんじゃねぇよ」
「ぐすっ…もういやぁ…」
白昼堂々・道端で繰り広げられるレイプ、若い美人な子ほど悲惨な目に遭っていた。
ある子なんて5人以上の男に囲まれ、ペニスが引き抜かれる度にボトボトとどれだけ犯されたんだというほどの精液を流していた。

「……ホルムっ!」
「おお、マウロか、お前の策のおかげで勝てたぞ それにしても500の正規軍の上にあんな部隊まで持つとは…」
「そんなのどうだっていい!どういうことだよアレは!」
なんで取り締まらないんだ、なんで処罰しないんだ、僕は必死に訴えたけど……
「なるほどな、確かにお前の言っていることは正しいよ、だけど…」


「おお、マウロ殿ではおじゃらぬか、そちも一緒に楽しもうぞや」
貴族の1人が僕を見つけて声をかける、今度はなんだ!?

「あぐっごぼっ…」
地下牢で壁から上半身だけを出している女性が口を犯されていた。
逆側を見れば下半身だけを出し、こちらも犯されている。
「もう…ゆるじでぇっ…」
「ほっほっほっ、その程度でへばってもらっては困るのう」
「名を敵国に轟かせたイルヴァ将軍といっても捕まればこの程度とはのう」
「こんな女に敗れた者たちは浮かばれまいて」



「お前の言いたいことはわかる 確かに俺もあれが正しいとは思わんさ」
ホルムが神妙な顔をして口を開く。
「男から女へのレイプだけじゃない、女から男へのレイプ、男から男、女から女…老人子供は暴行され、家も破壊される…金目の物は略奪される。
だが、お前のとこのような正規軍はきちんとした給金を貰っているが、殆どは傭兵や農民だ。彼らはこういう見返りがあるからこそ戦争に加わる。
今回のようなことは流石に希だ。だが、激戦になったからな…命が危険に晒されれば晒されるほど、戦で死ねば死ぬほど……落ちた後がむしろ悲惨になる」

ホルムはそれほどショックを受けていないように見えた、こんなことは日常茶飯事なのだろう。だけど、ホルムにそれほど幻滅はしなかった。
「俺は今回の戦いの総大将だ。だが、あくまで同じ目的を持った集団のリーダーに過ぎない。止めようとすれば反対にあって…味方の間で戦になるだろう。
だから止められない、お前もだ、絶対止めるな。止めたければ…頂点に立つしかないのさ」
ホルムは慣れてしまっただけで、認めてはいないようだから…

51:名無しさん@ピンキー
10/09/07 03:25:33 djA6V3EF
ここで区切りかな?
GJ
まだまだ続きそうなんで期待してる

52:名無しさん@ピンキー
10/09/07 08:13:39 yJxMvGJh
内容については各人好みがあるだろうから触れないとして、投下マナーが酷すぎる……

53:名無しさん@ピンキー
10/09/07 18:44:23 yIQDe1KK
>>52
何か悪いか?普通じゃね?
>>50
gj

54:名無しさん@ピンキー
10/09/08 05:07:49 tlejAr9Y
>>53
投下終了時に終わりレスないから終わったのかどうか分かりにくいから書き込みにくくなるって事じゃね?
目くじらたてるほどの事じゃないけども、まぁ、マナー違反かな…とは思うかも

55:名無しさん@ピンキー
10/09/08 06:42:27 kNqzDctg
成る程トン

56:名無しさん@ピンキー
10/09/08 23:59:33 gHhbZ0NM
ちょっと前に別のスレで投下された女軍師が敵国のショタ王子を性的説得したSSを思い出したよ…

57:名無しさん@ピンキー
10/09/09 13:51:49 WYX17kox
kwsk

58:名無しさん@ピンキー
10/09/10 22:57:15 iHRuVhIP
アマゾネス100人VS天才ショタ軍師1人

59:名無しさん@ピンキー
10/09/11 00:41:26 3ITxs1a4
かなり上級者向けだな

60:名無しさん@ピンキー
10/09/11 06:20:16 lHg2rw/q
どう見てもショタ軍師蹂躙の流れ…。

実は武の方も天才とか、しっかり罠貼って待ち構えてたりしない限り。
もしくは犯されるも100人切りして猶まだ余りある性の勇者か



61:名無しさん@ピンキー
10/09/11 06:26:23 aeZljSjy
いやまて、力押ししか知らないアマゾネスたちをその知勇で撃退し、
初めての敗北に感服してショタ軍師に忠誠を誓うという流れもありじゃないだろうか?

62:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:38:42 5tMYaIyu
「マオ!貴様は一体なにを考えている!」
村での騒動から一夜明け、城へと戻ったオレに一人の騎士が詰めよってきた。
(やれやれ、またこいつか…)
オレはうんざりした様にため息をはく。彼女の名前はミリア、戦乙女の異名を持つ姫騎士だ。
長い金髪に凜とした顔立ち、戦場での武勇もあってか彼女の名前は敵味方問わず有名である……らしい。
そんな高名な姫騎士ミリアに怒鳴られているオレの名前はマオ。
齢は17、好きな食べ物はサンドイッチとミルク、嫌いな食べ物は人参(これは秘密)、趣味は猫と遊ぶ事……これ以上の自分語りは不要か。
「なにをぶつぶつ言っているんだマオ!私の話を聞いているのか!?」
ミリアはその無駄にでかい胸をオレに押し付けながら怒鳴りつけてくる、全く迷惑も良い所だ。
奴は初めて顔を合わせた時からずっとオレの事を目の敵にしている。理由は分からんがオレのやる事にいちいち文句を付けてくるのだ。
「一体なにを怒っている?任務から帰ってきたばっかりで眠たいから後にして欲しいんだが」
「ふざけるな!貴様はまた国の民に対しての略奪を認めたそうだな!
国の宝である民を傷付けてなんとする!」
「なんだその事に対して怒っていたのか……やれやれ」
「なんだその態度は!?貴様は自分がなにをしたのか分かっているのか!」
ミリアは激昂した様子でオレの腕を掴んでいる。どうやらコイツはオレがその国の宝である民に攻撃された事までは聞いていないらしい。
全く、この女に報告をしたのは誰だ?物事はしっかりと伝えて欲しいものだ……特にこの女のような頭の堅い奴にはな。
オレは面倒くさそうにポリポリと頭をかくと、ミリアに対して口を開いた。
「ミリア、あの村には何回も使いの者を送ったのはお前も知っているだろ?
その結果はどうなった?奴らは知らぬ存ぜぬの一点張り、挙げ句の果てには罵倒を浴びせながら使者に対して
攻撃を仕掛けた事もあったじゃないか。
そんな連中を果たして民と呼べるのか…皮を被った賊とオレは言い様がないのだがな?
それに関して何か言いたい事はあるかミリアよ?」
「そ、それは…………」
ミリアは少し言葉を詰まらせながら視線を逸らす、
オレは自分の腕を掴んでいるミリアの手をゆっくりと離した。
「…………確かに彼らは私達に対して反抗的な態度をとってしまった。その事実に関しては認めよう。 だけど!それが略奪をして良い理由にはならないはずだ!
例えどんな理由で自分の国の民を傷付けるなど『義』に反する事だ!」
「………………」



またそれか。ミリアは義という言葉が大好きで何かあればすぐに義という言葉を使ってくる。

63:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:39:37 5tMYaIyu
いや、ミリアに限らず戦場で名を馳せている奴らはよく義という言葉を使いたがる。
なるほど、確かに義という言葉を支持している人間もまた多く、今までの歴史の中で義は沢山の人達の救いにもなってきた。オレも義というものは嫌いではない。
だが、義を掲げ歴史に名を残してきた者は皆、裏で緻密な計算と策略を重ねてきているもの。
昔の話に兵士の傷の膿を口で吸った君子の話もあるが、それだって兵士達の心を奮わせて命懸けで戦ってもらうための策略であった事はあまり知られていない。
それに引き換え、義だけに囚われた人間の末路なんて悲惨なものだ――義だけでは人はついていかない。綺麗事だけではこの世界は生きていく事など出来やしない。
不思議な事に義を美徳としている奴のほとんどはその事に気が付いていないのだ。
つくづく末路だな……オレはこのギャーギャー騒いでいるミリアの事を少し哀れに思うよ。
「どうした二人共?このような場所で口喧嘩などしてはならんぞ」
この騒動にようやく終止符を打ってくれるお方が現れた。この国の当主であるライル姫である。
「はっ!これはライル様!身体の御加減はよろしいのですか?」
「うむ、今日は気分が良い。少しは薬も効いてきているようだ」
「それは良かっだです。ライル様はこの国を治める御方……どうかお身体には気をつけてくださいませ」
ミリアはさっきとはうって変わって優しい表情をライル殿に向けている。
いつもオレに向けている厳しい顔とはえらい違いだな。
ライル当主は幼少の頃から病弱で身体が弱い。ほとんど外を出歩く事も出来ないほどに。
本来ならこんな軍事に関わらずに療養に徹するべきなのだろうが
先代が敵の間者によって暗殺され、後継ぎであった兄もまた川遊びの最中に船が転覆
付き添いの配下と共に溺死するなど不幸が重なり、やむを得ずライル殿がこの国の主に据えられる事となった。
しかし、悪い事は続くもの。病弱かつ年若い上に女であるライル殿を多くの家臣が見限り他の国へと鞍替えしてしまい
この国に残っているのはオレとミリアと、古くから仕えている文官のみという状態になってしまっている。
しかも、この国には金が採掘出来る山が複数あり、群雄割拠している現在において他の国からしたら
この国は文字通り金の成る木と言えるだろう。
現にこの国に攻撃を仕掛けない代わりに金を要求してくる使者をオレは何度もなく見てきた。

64:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:40:48 5tMYaIyu
だが、どんな形であれ対話が出来る相手はまだ良い方だ。
中には宣戦布告すらせずにいきなり兵を進めてくる連中もいた。
まあ、大抵そういう奴らには出兵を諌める頭の良い人間がいないから
頭を使うという事を知らず馬鹿みたいな力攻めしかしないので迎撃は容易ではある。
しかし、例え勝ったとしてもこちらが得るものがほとんど無い。せいぜい敵軍の陣に残っていたわずかな兵糧や武器くらいだ。
それに例え物資が手に入ったとしても失った兵士の代わりにはならない。生き残った兵士にしても度重なる戦いの末の価値の見出だせない勝利に士気が下がる一方だ。
だからこそ…その失った士気を少しでも上げるために略奪を認めざるをえない。
それに襲われた村にしても敵国に内通し金を横流しして自己保身を図ろうとしていたのだから、文句は言えないはず。
……とにかく、このままではオレがいる国が敵国に滅ぼされるのは時間の問題だ。
「どうしたものか……」
オレは小さく呟く。そのオレの呟きがミリアの耳に入ったのか奴はオレの顔を指を指し、
「ライル様!マオがまた兵士の狼藉を許しました!この様な不義を放置してはなりません!私はマオの行った事を許す事が出来ませぬ!
マオに対して何らかの処罰を与えるべきです!」
と声高らかにライル殿に言い放った。こうなったミリアにオレが何か言うと厄介な事になるから黙っておくことにしよう。
「ううん……」
それに対してライル殿は困ったような表情でオレの方に顔を向ける。オレはただ黙ってライル殿を見る事しかしない。やがてライル殿はほっと溜め息をつくとゆっくりと口を開いた。
「……分かった。マオに対しての処罰は後で考える事にする…だからミリアもどうか落ち着いてくれないか?」
「流石はライル様!ライル様なら私の言葉を理解してくださると信じておりました!
これで兵士達の狼藉を止める事が出来ましょう!
マオ!ライル様がお前に罰を与えるそうだが……これも不義を働いた報いだ!心して受けよ……いいな!?」
ミリアはそうオレに言い勝ち誇った様な顔でその場を後にする。全くオレも嫌われたものだ、一体オレがミリアに何をしたというのだろう。
「さてと……ライル殿。私にどのような罰を賜るおつもりなのでしょうか?首でもお斬りになりますか?」
オレは右手で自分の首を斬る様な仕草をライル殿に見せる。その仕草を見たライル殿は慌てた様子で両手を振る。
「と、とんでもない。マオは今この国には無くてはならない存在……その様な真似はせぬ」
「ありがたきお言葉でございます」
オレはペコリと頭を下げる。どうやら首は斬られる事はないようだ……まあ、分かっていた事ではあるが。

65:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:42:05 5tMYaIyu
「だが、進言したミリアの体面もあるから無罪放免という訳にはいかない。よってマオには減俸と当分の間の自宅謹慎を申し付ける。…本来ならしたくはないが我慢してくれ」
「承知いたしました。謹んでお受けいたします」
「うむ……それにしても今の国の兵達の狼藉を止めるというのは…やはり無理があるのか?」
ライル殿は自分の胸に手を当ててオレに問いかける。下手な気休めを言っても意味がないから本当の事を話す事にするか。
「そうですね…今、この国にはあまり兵がおりません。そして…それ以上に一軍を率いる事ができる将がおりません。
今いる少ない兵達に対して改めて規律を厳しくするような事をすれば
ほぼ間違いなく他国へと逃亡する者が現れるでしょう」
「そうか……やはり無理か。父上や兄上が生きていたらこんな事にはならなかっただろうに……私が不甲斐ないばかりに……ゴホッゴホッ!」
薬の効果が切れたのかライル殿はその場へと倒れこみそうになる。オレはすかさずライル殿の身体を支えた。
「すまないマオ……お前やミリアには迷惑をかけてばかりだな……この情けない君主を許してくれ…」
「何を言っておられるのですライル殿。ライル殿は十分に頑張っておられます……そうやって自分を責めないでください」
「う…む……そうだな。君主たる者、弱気になってはいかんな…もっと堂々とせねば」
ライル殿はオレの肩を借りながらゆっくりと立ち上がると、決意改めたような表情で空を見上げる。
空は黒い雲に覆われ今にも大雨が降りそうだ。
「殿、そろそろ部屋に戻られた方がよろしいのでは」
「そうだな、マオの言う通りだ…それでは…」
ライル殿が部屋へ戻ろうと歩みを進めようとした時、一人の兵が慌ただしい様子で駆け込んできた。
「殿!一大事です、殿!」
「何事か?今から部屋へ戻ろうという時に……」
「マ、マイルが………マイル帝国が我が国に対しての侵略を計画していると密偵から連絡が来ました!」
「な、なんだと!?それは真か!」
「はい……着々と出兵の準備が出来ているとの事です!」
「な……なんという事だ…」
ライル殿の顔がみるみるうちに青ざめていく。まるでこの世の終わりのような表情をしている。
マイル帝国とはこの国の東に位置する国で天下に近い群雄の一つといわれている大国だ。
豊かな土地と盛んな交易によって強大な兵力を維持しており、マイル帝国の名を聞くだけで震えあがる者も存在する。
よって、ライル殿が絶望するのも無理からぬ事だ。

66:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:43:20 5tMYaIyu
今まで攻めてきた国はどれも小粒であったためどうにか出来る相手ではあったが、マイル帝国ほどの大国となれば話は別。
この国は最大の危機を迎えてしまったという訳だ。
「もはやこの国もここまでか……」
ライル殿はあきらめたように膝を折るとがっくりと肩を落とす。
「ライル殿……」
「マオ…今までこんな不肖な主君に仕えてくれてありがとう…ミリアや残ってくれた者達にも礼を言わなければならぬな…」
「何を言っておられるのですかライル殿…?……まさか」
「ああ、この国ではマイル帝国の侵攻を止める事など不可能だ。私は自分のこの身と引き換えに皆を助け……」
「それはなりませんライル殿。例え貴女がマイル帝国に身を預けたとしても、連中が約束してくれるとは限りません。それに……」
オレは途中で言葉を止める。この先に続く言葉はライル殿にとって非常に恐ろしいものだったからだ。
マイル帝国の今の君主であるルロイは『英雄色を好む』という言葉が実によく合う人物であり、自分の屋敷に数人の妾を侍らせていると聞く。
もし、ライル殿がルロイに降伏したとなれば奴が自分の妾の一人としてライル殿を慰みものにする可能性は十分に考えられる。
まあ、その時はミリアも妾になるかもしれないがあれはどうでもいいとして。
別にこの国に対して思い入れはないが、仕えていた主君が敵の慰みものになったおかげでオレの命が助かるなんて事は
気分が良いものではないしこちらとしても寝覚めが悪い。
義を掲げるつもりは全くないが主に仕える家臣としての、最低限の忠はオレだって持ち合わせている。
かと言ってもこのまま戦っても圧倒的な兵力で押し潰されるのは確実、一体どうしたものか。
「マオ……私は今まで皆に迷惑をかけっぱなしだった。せめて最期くらいは国の主としての本懐を」
「ライル殿、最期なんてそんな弱気な事は……」
その時、オレの頭の中で一つの策が浮かび上がった。もしかしたらマイル帝国の軍勢を退かせる事ができるかもしれない策が。
しかし、この策は失敗する可能性もあり、そうなった場合はただでは済まないだろう。しかし、このまま何もしないというのはオレにはできない。オレは心を決めた。
「ライル殿…私に考えがあります」
「考え…?」
「はい、可能性は低いですがこの国もライル殿も守る事ができるかもしれません」
「そ…それは本当かマオ!?」
ライル殿の顔に明るさが戻る。オレは小さく息を吸い口を開いた。

67:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:44:38 5tMYaIyu
「はい、私はマイル帝国に対して埋伏の計を仕掛けようと思います」
「埋伏の…計?なんだそれは?」
「はい…埋伏の計とは」
オレはライル殿に埋伏の計の説明をする。
埋伏の計とは敵の軍に兵士を忍びこませ、様々な妨害工作をして内部から敵を崩す計略である。
無論、潜入する人間には常に危険が付きまといもしバレればただでは済まない。
「なるほど…そんな策があるのか。しかし、マオよ……その埋伏の計とやらを成功させるためにはそれなりに優秀な人間が
潜入する必要があるのではないか?」
「ええ、ですので私自身がマイル帝国に潜入しよう考えております」
「な、なんだと!マオよ、お前がマイル帝国に…!?」
「はい、今まで戦場で勇敢に前線で戦ってきたおかげで有名なミリアと違い私は特に名を上げた活躍をしていないため
私の名を知っている人間はほとんどいない事でしょう。
ミリアほどの将ならともかく小さな国のしかも無名の男が兵卒として紛れこんだとしても、特に怪しまれる事はないと思います……多分」
最後に多分をつけたのは自分の言った事に対して確証が得られないからだ。
敵国との戦いでは常にミリアが総大将でオレは後方で支援する側だった。よって必然的にミリアに対して注目が集まるのだろうが
もしかしたらオレを知っている奴がちょっとだけでも存在するかもしれない。
もしそんな人間がマイル帝国の軍にいたら、埋伏の計はそこで失敗に終わってしまう。
だが、この計略は他人には任せられない。今の状況でオレ以外の適任者が思いあたらないから。
「だがマオ、私はあまり気が進まない……私はお前を危険な目にあわせたくないし、それに……マオには私の側から離れてほしくはない。
お前を疑う訳ではないがもし……お前がマイル帝国に行き心変わりしてそのまま帰ってこないなんて事が…」
「心配には及びませんライル殿。そのような事は有り得ませんよ。私の心は常にライル殿のおられるこの国にありますから。
敵との交友にほだされて二心を持つなどは義に反する事ですので」
オレはここで義という言葉は使ったが、もちろん本心から言った言葉ではなく
ライル殿を説得するために使っただけに過ぎない。
だが、人を説得する時に義という言葉は実によく役に立つ。現にライル殿の表情がさっきと違って安心したような顔になっている。
「そうか…それを聞いて安心したぞマオ。マオがいない日々が続くと思うと多少寂しくはなるが…私はお前を信じよう」
どうやらライル殿はオレを信用してくれたらしい。こうしてオレは埋伏の毒としてマイル帝国に潜入する事となった。

68:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:46:10 5tMYaIyu
そして出立の当日。オレは自分の部屋で旅立ちに持っていくものをまとめると部屋を見渡す。
「またここに帰る事ができるか…それとも…」
オレは小さく呟いた後、自分の武器である堰月刀を手に持ち部屋から出た。
「待て!マオ!」
声がした方に顔を向けるとミリアが息を切らした状態でそこに立っている。
「どうしたミリア。何をそんなに慌てている」
「どうしたじゃない!一体どういう事だマオ!お前が追放されるだなんて私は聞いていないぞ!」
(ああ、そういえばそういう事になっていたな)
埋伏に行くにあたってライル殿にオレを追放という形で国から出すように進言していた。
埋伏の計に関してはオレとライル殿とあの時報告に来た密偵しか知らない。もし、埋伏が周囲に知られれば面倒な事になるだろうからな。
特にミリアが知れば烈火の如く怒る事だろう。
『敵であれ人を裏切るなど不義の極みだ!そんな事を見過ごす訳にはいかない!』
だのなんだの計画を妨害するに違いない。それに自分から出奔するよりも追放という形なら、周囲からあまり怪しまれずに国から出られる事ができる。
問題は国から出る前にこの女に出会ってしまった事だ。とにかく、ミリアをどうにかしないと。
「ああ、お前が言っていた兵の略奪に関してライル殿が非常にお怒りだったみたいでな。
こうしてオレは地位を剥奪された挙げ句に国を追放される事になった。
良かったじゃないか、お前が望んていた事になったぞ」
オレはやれやれと言った様子で目を閉じミリアの問いに答える。ミリアはオレの事を毛嫌いしていたみたいなので奴としてもオレの追放は喜ばしい事だろうよ。
こうしてオレの所に来たのもオレを貶すために違いない。まあ、分かりきっていた事だから何を言われても聞く耳はもたんがな。
(さて、どんな嫌味を言われる事やら)
オレは溜め息を吐き、閉じていた目をゆっくりと開く。
だが、オレの目に入ったのは何時もの自信たっぷりの顔をしていたミリアではなかった。
彼女はまるで道に迷った子供のようにオロオロしていて困ったような顔をしている。どういう事だ?オレはてっきり勝ち誇った顔でオレを見下すものと思っていたのだが…?
「どうしたミリア?何をそんなに困惑しているんだ……これがお前の望んでいた事ではないのか?」
「ち…違う。私はただ罰を受ける事によってお前に心を入れ替えて欲しかっただけだ。
お前が追放される事を願っていた訳じゃないんだ」
ミリアは視線を落としながら静かな声で言う。明らかにいつもとは様子が違うミリアにオレはほんの少しだけ戸惑ってしまった。

69:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:47:25 5tMYaIyu
と、ミリアは顔を上げると急にオレの腕に掴んできた。今度はなんなんだ全く。
「マオ、今からでも遅くはない。私と共にライル様に許しを乞いに行こう!」
「・・・・はぁ?」
「どうせお前の事だ、自分の非を認めずに口答えしてライル様を怒らせたのだろう?
全くお前はいつも余計な事ばかり言うからこんな事になるんだ!もう一度心を込めて謝ればきっとライル様だって許してくれるだろう。
仕方ないから私も一緒に謝ってやる・・・さあ、行こう」
ミリアはぐいぐいとオレの腕を引っ張りライル殿の所へ連れていこうとする。
偽りとはいえ国外追放される原因を作ったのはオレへの処罰を求めた貴様のせいだろうが。そこの所をこいつは理解しているのか。
「放せ、ミリア。軍律で決まった事を今さら取り消す事はできないのはお前もよく分かっているだろ」
オレはようやくミリアの手を振りほどき、門へ向かおうとするが再びミリアに腕を掴まれてしまう。
「待ってくれ!お前がいなくなったらこの国はどうなる!?マオはライル様や私達を見捨てるつもりなのか!行かないでくれ・・・頼む!」
「見捨てるもなにもそのライル様がオレを追放したんだろうが。
それにお前はいつも言ってじゃないか・・・『お前の力なんか借りなくても私だけで十分だ。だからお前は私の後ろで黙って見ていろ』とな。
オレがいなくてもこの国を守れるのだろう?それとも今さら怖じ気付いたのか?」
「なに!?私が怖じ気付いただと!」
ミリアの顔がみるみるうちにいつもの表情へと戻っていく。どうやらミリアを怒らせてしまったようだ。
「馬鹿な事を言うな!いつ私が怖じ気付いたというんだ!私はただ・・・」
「ただ…何だ?他に理由があるなら言ってみろ。まあ・・・いずれにしろオレがいなくなる事に変わりはないがな」
「それは・・・それは・・・」
「他に理由がないならオレは行くぞ。早くしないと更に重い罰を課せられるかも知れないからな」
オレはミリアの再び手を振りほどき改めて門へと歩みを進める。
「・・・もう良い!私が下手に出ればいい気になって!ああ分かった!貴様のような薄情者がいなくても私がこの国を守ってみせるさ!
お前の顔なんか見たくない!何処にでも行ってしまえ!」
かなりご立腹の様子だが背中を後ろに向けているためミリアの顔を見る事は出来ない。
「なら最初からそう言え、怒るだけ余計だミリア」
「・・・バカ!」
ミリアはそう言い捨てるとこの場から走り去って行った。
不義の輩の次は馬鹿呼ばわりか。この分だと帰ってきた時にまた罵られるだろうな。全くここまで嫌われると逆に清々しさを感じる。
ようやく邪魔者がいなくなった事だし、早くこの国から出るとしよう。

70:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:48:24 5tMYaIyu
城の門には一人の男がオレの愛馬である月影と共に待機していた。
「お待ちしておりましたマオ様」
「おう、お前は確かあの時報告に来た密偵だな」
「はい・・・途中までですが道案内をさせていただきます」
「ああ、よろしく頼む」
オレは荷物を月影に乗せ、背中の上へと飛び乗った。
「マオ」
「・・・ライル殿ではありませんか。お身体の方は大丈夫なのですか」
案の定、ライル殿の足元はフラフラしていたがそれでもライル殿は首を横に振り、オレの側へと歩み寄る。
「良いんだ・・・どうしてもお前を見届けたくてな」
「ありがとうございます。このマオ・・・必ずや埋伏の計を成功させてみせます」
「必ず、必ず帰って来てくれ・・・私はずっと待っているからな」
ライル殿はニッコリと微笑むと従者に連れられて部屋へと戻っていく。
「それでは行きましょうマオ様」
「ああ、分かった」
こうしてオレは密偵と共に城を後にする。
オレは密偵と会話をしながら橋の所まで移動した。ここから先はオレ一人で行く事になっている。
「それでは、私はこれで。マオ様のご武運をお祈りしています」
「ああ、また会おう」
密偵はペコリと頭を下げると、今来た道をサッと走り去っていく。ふと空を見上げると雲の裂け目から日の光が射し込めていた。
「この道の先、オレを待っているのは希望の光が。それとも絶望の闇か・・・それ!」
オレはそう呟くと橋の上を駆け抜けていく。埋伏の計・・・必ずや成功させてみせよう。


しばらくの間オレは勢い良く馬を走らせていたが、辺りが暗くなりはじめ視界が悪くなってきた。そろそろ馬を休ませる必要がある・・・どこか休める場所を探さないとな。
密偵の話によるとここいらには盗賊がいて旅人を襲っているらしい。まあ、盗賊ごときに負けるオレではないが面倒事は嫌いだ。
「中々見つからないな。早くしないと面倒臭い事になる・・・ん」
森の前に差し掛かった時、草むらの中から十数人くらいの男達が現れてオレを取り囲んだ。あーあ、面倒な事になっちまったよ。
「やいやいやい!命が惜しくば有り金と荷物を残らず置いていけ!」
お約束通りに盗賊の一人がオレを恫喝する、本当に面倒臭い。
「・・・お前ら見逃してやるから家に帰れ。オレは眠たくて仕方ないんだ」
オレは手をヒラヒラと振り面倒そうに溜め息を吐く。まあ、こいつらが素直に帰るなんて事はあり得ないだろうが。

71:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:49:26 5tMYaIyu
「ぷっ、はははははははは!中々おもしろい事言いやがるぜこの小娘!その可愛らしい顔で凄んでも無駄だぜぇ!なぁお嬢ちゃんよぉ!」
お嬢ちゃん呼ばわりされてオレは不愉快そうに舌打ちをする。
オレは身長が低く童顔であるため良く女と間違われる事が多い。自分の外見を嫌ってはいないが気にはしている。
ミリアにもその事を指摘され、将たる者そんななよなよした姿でどうすると食事を作ってくれた事もあった。
・・・見た目があまりにもアレだったから食べたふりをして捨ててしまったが。思えばあれは嫌がらせだったのかもしれん。
と、話が逸れた。 アイツの話など今はどうでも良い。このまま女だと思われるのは非常に不愉快なのでオレが男だって事を教えてやる。
「お前ら勘違いしているみたいだがオレは女じゃなくて男だぞ?」
「えっ?おいおい・・・冗談言うなよな。こんな可愛い子が男の子な訳ないじゃないですか」
「そうだそうだ!そんなのあり得ねぇ!」
「今この場で性別を偽る必要があるか?なにを期待していたのかは知らんがオレは男だからその期待には答えられん・・残念だったな」
「・・・マジですか」
「ああ、マジだ」
「・・・・・・」
急に盗賊達が静かになった。なんなんだコイツら・・・いったいなにを考えている。
オレが口を開こうとした時、盗賊の親分らしい奴が大きな声をあげた。
「うおおおおおおおお!まさかの大物が来ましたよ!野郎共、今日はついてるぞ!」
「・・・はぁ?」
「へい親分!俺達も興奮のあまりハラハラしてきましたぜ!」
「おい、そこの坊主!大人しく俺達の所へ来いよ!可愛がってやるぜ!?」
どうやらこいつらは男でもイケる変態だったらしい。逆にコイツらのやる気を起こしてしまったみたいだ。
もうこれ以上は無駄のようだ、というよりもこれ以上はコイツらと一緒にいるのは無理だ。オレは堰月刀を構え、いつでも戦える体勢をとる。
「それじゃあ野郎共、いくぜぇ!」
盗賊は剣を構えるとオレに向かって走り出した。やって来た盗賊を攻撃しようと堰月刀を振り上げた時、後ろの方から怒鳴り声が上がった。
「ちょっと待ちなオメーら!」
突然の怒鳴り声にオレと盗賊達は声の上がった方に顔を向ける。
そこにいたのは小麦色の肌に黒髪のショートカット、そして露出度の高い服を着た女だった。
「うほっ、かなりのベッピンさん・・・じゃねーや!なんだテメェは!」
盗賊の問いかけに対しその女はフンと鼻で笑うと、手に持っていた鉄の棒を盗賊達に向けた。

72:名無しさん@ピンキー
10/09/11 14:50:40 5tMYaIyu
「なーに、野良犬がさっきキャンキャンとうるせーからちょっと退治してやろうと思っただけだ!」
「な、野良犬だとぉ!俺達を馬鹿にするたぁ命が惜しくないみたいだなぁ!」
「へっ、オメーらの様な野良犬ごとき誰が恐れるってんだ!野良犬は野良犬らしく尻尾を巻いて逃げるんだな!」
「なにおう!?」
現れた女の罵声に盗賊達はすっかり逆上してしまっている。
盗賊達の視線が女の方へと集中している隙に逃げるのも悪くないが・・・少し気になるから様子を見るとしよう。
「ぐぐぐ・・・たかが女一人に馬鹿にされたままじゃ盗賊の名がすたるってもんだ!野郎共たたんじまいな!」
「へいさ親分!」
盗賊の親分の合図と同時に子分達が一斉に女の方へと突撃を開始する。
「オメーらごときが俺に敵うわけない事を悟らせてやるぜ!」
女はニヤッと不敵な笑みを浮かべ、持っていた鉄の棒を盗賊の一人へと振り下ろした。
「ぐはっ!」
鉄の棒は頭部に当たり、盗賊はその場に力無く倒れた。
「ほう・・・・中々やるな」
オレは感心した様に呟く。仲間がやられたのを見た盗賊達は動揺したのだろう、動きがピタリと止まった。
「お、親分!あの女、強そうですぜ!」
「ビ、ビビるな!相手はたった一人だぞ!一気にやりゃあ問題はねぇ!いくぜ!」
再び盗賊達は女に向かって走り出した。女は笑みを浮かべたまま今度は盗賊の集団へと突撃をする。
「まだ悟らねーのか!なら嫌というほど教えてやるぜ!それっ!」
女が鉄の棒を振る度に盗賊達の身体が宙を舞い、地面へと倒れていく。
一人また一人と女によって打ちのめされ少し経った時には戦える盗賊の数は二、三人だけとなった。
「ど、どうします親分!あの女・・・強過ぎですぜ!」
「ぐぬぬぬぬ・・・」
「どうしたどうしたぁ!さっきまでの威勢はどこにいった!?遠慮しないでかかってこいよ!」
女は全く疲れた様子を見せず鉄の棒を振り回している。
盗賊の親分はしばらく何かを考えるような素振りを見せていたが、急にくるりと背中を向けた。
「お・・・親分!?」
「こうなったら仕方ない・・・戦略的撤退だ!」
「へい・・・それはつまり逃げるって事ですかい?」
「馬鹿野郎!戦略的撤退だと言っているだろうが!ガタガタ言わずにいくぞ!うおおおおおおお!」
「待ってくださいよ親ぶーん!」
こうして盗賊達は野良犬の様に尻尾を丸めて戦略的撤退をする。その速さは見事なものでまさに風の如くであった。


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