お姫様でエロなスレ13at EROPARO
お姫様でエロなスレ13 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
10/07/27 17:53:38 8i/nYf8A
では投下します。

「レンと小さなお姫様」の最終話、5の投下です。

5だけはどうしても、「メイファと皇子様5」のあたりを読んでおかないと「??」な
展開になってますね。全然通じないことはないと思いますけど。

ようやく非エロ展開から脱しましたです。

大規模規制がまたあってるとかで、連投規制がちょっと怖いです。

3:レンと小さなお姫様5
10/07/27 17:58:28 8i/nYf8A

婚儀は、滞りなく進んだ。
中華の国たるこの国が、異国の姫を迎え入れる式典は、国の威信を示すように盛大に
執り行われた。
花嫁の真紅の衣装に身を包んで豪奢に着飾ったメイファも、それはそれは綺麗だった
けれど、大勢に囲まれた中で喋りもせずじっと座っているだけというのは退屈だった。
まあ、メイファと約束したから、じっと大人しくはしておいたけれど。

  *   *   *

「─困ります、あの、まだ姫様は支度がお済みではございません!」
その侍女は、必死に僕を押し留めた。いや、押し留めようとした。
しかし、異国から着たばかりとはいえ、シン国の皇族の身体に下級の身分の者が触れる
ことは許されていない、という程度の知識は、持ち合わせているようだった。強引に
歩を進めると、彼女は道を空けざるを得ず、かわりに房室の中に居た他の侍女たちも
わらわらと寄って来て、こぞって僕の非常識を非難し始めた。
「わあ、新鮮な反応。まるで六年半前、この国に来たばかりのメイファみたいだ。
懐かしいねえ。」
婚儀が終わってすぐに、僕はメイファを訪ねた。男の方は着替えも支度も大して時間は
かからないのに、女の支度というのは、特に花嫁にもなると異常に時間がかかる。
その間ぼんやり待っているのも退屈だし、ましてや客の相手なんか真っ平ごめんだ。
せめてメイファとお喋りくらいは許して欲しいものだ。退屈で長くて疲れる儀式の間は
ずっと我慢していたのだから。

僕が喧騒をのんびり楽しんでいると、房室の奥から凛とした声が響き渡った。
「やめなさい! その人はそれで普通なのだ。今更何か言った程度でどうにかなるなら、
とっくに素行は直っているだろう。」
彼女は鏡に向かって、髪をほどいている最中らしかった。金糸で刺繍を施された上着と
二重の上帯はもうはずされていて、内側に着ていた吉祥色である鮮烈な真紅色の、
無地の絹製の襦裙のみを纏っている。複雑な髪型を結っていた髪は半分くらいが解かれ、
残りの細かな三つ編みが、ふわふわに揺れる解いた髪の中にいく筋も残っていた。
彼女は鏡の前から立ち上がり、背筋をぴんと伸ばしてこちらを真っ直ぐに見据えていた。
主人のはっきりとした言葉に、侍女たちも一斉に押し黙る。

「メイファ。逢いたかった。」
「何が『逢いたかった』だっっ!! 今日は朝からずっと、顔をつき合わせておっただろう?!」
「ずうっと澄ました顔でじっとしてなきゃならないなんて、やっぱつまんないよねえ?
でも我慢したよ、メイファのために。
ところで君が連れてきた侍女さんたちは、『こちらの事情』にはあまり精通してない
みたいだねえ?
反応が初々しくて、面白いよ。」
メイファはくっと息を詰まらせた。
「それは…っ、本人の居ないところで悪い評判を話すのもどうかと思って、躊躇って
おったのだ。」
「うんうん。メイファは陰口叩くのって、嫌いだもんね? 偉いなあ」
僕はにっこり笑って同意する。
「黙れっ! 私も少しは説明しておくべきだったと、反省しているところだ
…馬鹿にするなっ!」
「やだなあ。苦労して迎えたばかりの妻を、どうして馬鹿になんて」
「その細目っっ!! 細目のにやにや笑いが、馬鹿にしているっ!! 
絶対、馬鹿にしているっっ!!」
「世の中には『絶対』なんて、本当は滅多に無いんだよ?」
「詭弁を弄するな───ッッ!!
大体、こんなところで何をしている?! 着替えが早く終わるとは言っても、
シン国の第三皇子たるおまえに目通りを望む客人ならいくらでも…。」

4:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:01:00 8i/nYf8A

「放って来た。いちいち顔見なくても、名簿に名前書かしときゃいいよ。
おっさん達の顔ばっか見てもつまんないし。メイファと話してた方がずっと楽しい。」
「つまるとかつまらんとかの問題ではないっっ!! 真面目にやれっっ!!」
「メイファ、婚儀を終えたばかりの美しい主人の剣幕を前にして、君の祖国から
長旅をして付いてきた健気な侍女たちが動揺しているよ?」
言われてメイファは、はっと後ろに目をやる。解きかけの髪のまま言い合いを始めた
主人を、侍女たちはおろおろと見守っていた。
「すまない…おまえ達。大国の第三皇子ともなればさぞや素晴らしい方なのだろうと
夢を膨らませているので…ちょっと言いづらかったのだ。その…色々と問題行動が多めだとか…。
別に悪い奴じゃないし…。」
「夢見るって、大切だよね? 皆の夢を壊さないようにしてあげて、メイファは優しいなあ。
君達のご主人様の事は大切にするし、この国が提示した条件も本物だから、安心していいよ。」
「黙れ元凶。体良く放蕩者の皇子のお目付け役を押し付けられたようなものだと気づいて
いたら、もっと条件をふっかけておくのだった。」
「ふふ…。言い得て妙だね。メイファは色恋には鈍いけど、頭はいいんだよね。
頼りになるなあ。」
「この…っ、変人! 嘘吐き!! 恥知らずっ!!」
「人聞き悪いねえ。何をそんなに拗ねているのかな? この可愛い花嫁さんは。」
怒りと羞恥に震え始めた彼女を眺めながら、僕はとぼけた振りをする。

メイファは紅く塗られた唇をきりっと噛んだ。
「おのれ、白々しいことを…。
─おまえ達、もういいから下がれ。わたしは、レンに話がある。」
周囲の侍女たちにざわり、と動揺が走った。
「でも姫様、御髪(おぐし)もまだお済みではありませんし、このあと湯浴みと
お召し替えが…。」
「ひとこと言ってやらないと、新床の準備などできんっ!
幸い、レンが放ったらかしにしてきた客人達以外は、今日は公のことは終わりだ。
シン国の皇族の皆様方も、今日はこのレンが婚儀の間中大人しくしていただけで、
心底驚いているだろうよ。身内の事で多少予定がずれても、他でもないレンの事だ、
今更何か言われることもあるまい。
わたしでも、一通りのことは出来るから、わたしが呼ぶまで席をはずしてくれないか。
─お願いだ。」
付き従ってきた主人に真剣に懇願されれば、侍女たちもそうそう否とは言えない
ようだった。戸惑いながらも、しずしずと出て行く。
最後の一人が房室を後にして、僕とメイファは二人きりで向かい合った。


「良かったの? 侍女の皆さん、下がらせちゃって。」
「良かったも何も、おまえが大人しくしていればこんなことには…っ。」
「でもメイファのほうも、これを侍女に見られるのは、嫌だったんじゃないの? 
ちょうどいいから、このまま湯浴みまで、自分でする気だよね?」
ここは花嫁のために特別に用意された控えの間なので、隣室に湯浴みの準備が
既にしてあるのだ。
紅い襦裙の合わせ襟に指先を掛けて、ついと左右に緩める。
柔らかなふくらみの白い谷間があらわになって、そこに残されたいくつもの
紅い花弁のような跡が見え隠れした。昨晩、僕がつけたものだ。
「これはっ…おまえがっ…! 何度も、嫌だって言ったのに…っ」
「そうだっけ? まあ、あんな声で言われても、ちょっと拒否には取れないよね。」
「なんなのだ声、声って…。あんなもの、どこかから勝手に出てしまうのだ。
わたしのせいではない。」
メイファの国では、貞節と節制が美徳で、シン国に留学中も、そういった方面の
噂話はせずに育ってしまったらしい。嬌声を上げるのが演技でもなんでもなく、
抑えようもなく自然に出てしまうのだと告白してしまうことが、どれほど男を興奮
させるのか、彼女は気づいていない。
細い腰に腕を廻して抱き寄せ、少し開いた襟元に指を滑らせた。

5:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:04:28 8i/nYf8A

「…ひゃっ?!」
彼女は驚いて身体を震わせる。その様子があまりにも愛らしくて、開いた襟元から
首筋にかけて、音を立てるようにして何度も口づけた。
「あ…あ…、駄目、まだ、話は終わっていない…っ」
たちまちのうちにメイファの声にも甘い吐息が混じりだす。
「聞いてる、続けて?」
僕は舌で、指で、唇で、存分に胸元と首筋に皮膚の柔らかさを味わいながら言った。
「レンの、嘘吐きぃ…っ、狼藉者…っ、わたしは、あんなことまで、許した
おぼえはない…っ…」
「『あんなこと』って、何かな? 服の下に、愛の跡をいくつも残したこと?
それとも、あのあと二回も『した』ことかな?」
メイファはさっと顔を赤らめ、さらに泣きそうな声を出す。
「あぅ…う…。レンの、ばかぁ…っ。」
「どちらも、『嘘吐き』とまでは、言えないな。だって、『これ以上は何もしない』とか、
その類のことを約束したわけじゃないしね。
約束を取り付けるときは、ちゃんと条件を確認しないといけないよ?」
「この、詭弁家…、詐欺師…っ!」
「メイファは、騙されやすそうで心配だなあ。シン国の宮廷は、騙しあいで成り立ってる
とこあるからねえ。
暫くは、ちゃんと見ておいてあげないといけないな。」
僕は彼女の、くったりと力を失いつつある身体を抱き上げて、傍にある応接卓の上に
腰を下ろさせた。両脇に背もたれつきの椅子が三脚ずつ揃っているが、今は卓上には
何も置いていない。

「何をするっ?! 卓は、座るものではない!」
「高さが丁度いいから。ちょっと、借りようと思って。」
「や…っ、離せ…っ…」
彼女は抵抗の意思を見せるが、その力はもう弱々しくて、僕は、彼女の上体をゆっくりと
卓上に抑えつけた。
「昨日は婚儀の前だから、見えないところにしかつけられなかったけど、今日はもういいよね?
君が僕のものになった証を、誰の目にも明らかに─」
両腕を押さえ込んだまま、柔らかな首筋の皮膚に唇をつけて、思うざま吸いたてる。
「や…っ、見えるとこは駄目! みえるとこはだめ!! やぁ、ああぁあぁぁ───ッッ!!」
メイファは僕の下で身体を震わせながら、語尾を高く長く伸ばす悲鳴を上げた。抗議の
意図を伝えたいのかもしれないが、何も知らない彼女は、こんな声を上げることがどれだけ
男を猛らせるのか、分かっていない。

思うに、貞節やら節制やらといった、彼女が大好きな道徳観念も、所詮は男社会の産物だ。
かつてはその頑なさに辟易したが、こうして自分のものにしてしまえば、実は男にとって
魅惑的な女を育て上げるためのものだったのかと思うほどだ。
無垢で、何も知らないがゆえに刺激に対して無防備に鋭敏に反応してしまうメイファは、
それほどに蟲惑的だった。
勿論、こうしてつけられる印がどんな意味を持つかさえ、彼女は全く知らなかった。
それは男女の交わりの最中にしかつかないこと、少し見れば他の跡と区別がつくこと、
程度にもよるが数日の間は消えないこと─は、昨晩、彼女の肌を弄っている合間に
そっと教えてあげた。
明かりを灯してその紅い跡を見せてあげたときの表情の、可愛かったこと─

6:名無しさん@ピンキー
10/07/27 18:05:06 YZKIN+9H


7:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:08:14 8i/nYf8A

「…ぁ、はぁ、い、嫌だって、言ったのに…っ。」
メイファは潤んだ瞳の端に涙をため、震える声でそう言った。
「どうして毎回、嫌だって言っても、聞く耳を持たないのだ?! き、昨日だって…!」
「…ああ、でも最後は嫌って言わなかったし、どんどん感じやすくなって…。
三回目は、なかでイッたよね? 凄く、可愛かった。」
「勝手な事ばかり、言うなっ!! この…嘘吐き! 我儘! えと…色狂いっ!」
顔を真っ赤にして、必死になって罵倒の言葉を捜すメイファは、やはり
とんでもなく、可愛い。
もっと美辞麗句を使えばいいのに、心の中でも言葉でも、出てくるのは
『可愛い』ばかりだ。
相当、浮かれている。

卓上に彼女の身体を押し倒したまま、僕は囁いた。
「ねえメイファ。メイファの中に、入りたいな。」
「だ、駄目。湯浴みも着替えもまだだし、あの、侍女は待たせているだけだし、支度が」
衣越しに、固くいきり立った股間のモノを彼女の秘所のあたりに押し当てる。その固さの
意味も、何を望まれているかも、彼女はもう知っている。
「じゃあ、僕が脱がしてあげよう。」
「そういうことじゃ…ないっ・・・」
早速、彼女の裳裾をたくし上げてすらりと伸びた白い脚をあらわにする。膝から太腿の
素肌に手を這わせ、その滑らかな感触を愉しんだ。
「メイファのなかに、入りたいな。」
「…だ、め…」
「入りたい」
「…や…っ…」
単純に繰り返すだけでも、徐々に拒否の勢いが無くなって、か細い声になってくる。
楽しい。
でも、メイファはちょっと押しに弱いみたいだから、外に出すときはそこも気をつけて
おいてあげないといけない。

太腿から指を滑らせ、繁みの中へと分け入ってゆくと、そこは既にしっとりと濡れていた。
「君のここは、欲しがっているみたいだけど?」
ひくつく秘唇に、指を差し入れる。昨日から何度も弄り続けた身体はひどく敏感になって
いて、刺激に反応して奥から蜜を溢れさせる。それを知っていながら、わざと言ってみる。
「昨日、男を知ったばかりなのに、もうこんなにするなんて、メイファは淫乱だね。」
「そんな…っ」
反論する言葉も持たない哀れなお姫様は、顔をますます赤くして、羞恥に震える事しか出来ない。
僕はそっと自分の下帯を解いて下衣をずらし、衣の間から痛いほどにみなぎった
陽根を取り出す。
「─じゃあ入るね。」
彼女の片腿を持ち上げて脚を開かせると、濡れそぼった割れ目にそれを押し当てる。
「…え? や、やぁぁああぁあぁっ!!」
準備の整っていたそこは難なく僕の一部を飲み込んだ。

「……ぁ……っ…だめ、だめぇ…っ…」
「─メイファ。暴れないで。」
身を捩って逃れようともがく彼女の両手首をふたたび卓上に押さえつけ、抗議の言葉を
零そうとする唇を強引に塞いだ。
「…ふ…っ、…んんっ…」
唇を割って舌を差し入れ、何かを言わんとする舌を絡め取った。そのまま罵倒も嬌声も、
全てを奪い取るように激しく吸いたてる。
夢中になって貪っていると、やがて組み伏せた身体からも腕からも、徐々に力が抜けていく。
かわりに吐息には、甘えるような響きが混じり始めた。
力が抜けて柔らかくなった彼女の舌を、あらためてゆっくりと味わう。舌先で優しく
舐めあげ、さすり、唾液を絡めて撫でてあげる。
それから、濡れた口腔内を丹念に調べるようにして舌で辿った。
そうしているうちにも繋がった身体が、狂おしいほどの熱を放ち出す。
唇を離すとメイファは、蕩け切った瞳をしていた。

8:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:11:57 8i/nYf8A

「いい表情になってきたね…どうする? 続ける? やめる?」
「あ…、あ…、ひどい、ひどい…!」
彼女は蕩けた瞳のまま、泣きそうな声で抗議した。
「途中でやめたらどうしようもなくなって、もっと狂うんだって、おまえは、
知っていたんだな…。
知っていて、昨日も、あんなに…っ」
「それはメイファが、意地っ張りだから…。つい、焦らしてあげたくなっちゃうんだよね。
でも、可愛くおねだりできたら、ちゃんとしてあげたでしょ?
それで、ちゃんと気持ちよくなったでしょ?」
「…うう…」
「ふふ、ちょっと思い出しただけで、また反応して。
そんなに良かった?
大丈夫、僕は優しいから、今日はおねだりしなくても、してあげる。」
僕は腰をゆっくりと動かし始めた。まだほとんど動いていないにもかかわらず、
メイファの締め付けは厳しくて、長い口づけの間にも達してしまいそうだった。
それはメイファのほうも同じようで、たちまち弓なりに身体を反らせて切迫した声を上げる。

「…あ、あぁ…っ…」
「気持ちいいの? メイファ。」
彼女はもうすすり泣くような甘い声を漏らすしか出来ないようだった。かわりに
僕の背中に両腕を廻し、両脚を絡めてぎゅっとしがみつき、こくこくと頷いて肯定を示す。
「…僕もだ。」
そのまま少し激しく揺らすと、か細く高い声を放って彼女はあっさりと達した。
昨日から幾度目かの交わりで慣れてきた彼女の身体は、僕のそれをびくびくと締め付けて、
昨夜幾度か精を放っていなければ、僕のほうも耐え切れずに達していたに違いない。

「メイファ、いったね? いくときは、ちゃんと僕に教えなさいって、言ってるだろう?」
「あ…、でも、わか、らない…。」
彼女はほんの昨日、処女を散らしたばかりで、絶頂だってまだほとんど経験が無い。
そんな状態で前もって分かるはずも無いのに、僕はわざと意地悪なことを言いつける。
こんな風に、瞳を揺らして僕の言葉に戸惑う様が見たいから。
「いけない子だね、メイファ。」
いつもだったらキッと見返して反論するはずだけど、慣れない絶頂を迎えたばかりの彼女は、
蕩けた瞳を少し伏せて、身体を震わせるだけだ。
「…悪い子だ。」
きっと、いつも凄くいい子の彼女が、言われ慣れてるはずもない言葉を、優しく甘く耳許で囁く。

「お仕置きに、次は少し激しくしようか。」
そこでやっと彼女は、自分の内部に残っているそれがまだ固いままなのに気づいたようで、
僅かに身じろぎする。
「や…っ、もう、無理…っ。ゆるして…。」
今にも泣き出しそうに震えた声で、頭を振って懇願なんかされたら完全に逆効果だというのに、
それを全く分かっていないところも更に可愛い。
「僕のほうは、まだ終わっていない。
それとも、途中でやめて、苦しさにのたうちまわれと言うの? 昨夜の君のように」
「うぅ…」
昨日散々焦らされた苦しみを思い出したようで、途端に抵抗をやめて大人しくなる。
メイファはいつだって、自分と同じ苦しみを他人に味わわせるのを良しとしない、思いやり
溢れる娘なのだ。
少し名残惜しげに彼女の中から陰茎を引き抜くと、彼女の身体を抱えるようにして
向きを変えさせる。
真紅の花嫁衣裳をしどけなく乱れさせ、豊かな髪をうねらせて、僕の花嫁はうつ伏せの
上体だけを卓上にぐったりと預けた。
そして、たくし上げられた裳裾からすらりとした脚を露出させて、従順に僕を待っていた。
僕はその割れ目に引き抜いた陰茎をあてがうと、もう躊躇わずに一気に貫く。
彼女は短く悲鳴を上げたが、一度気をやったそこは柔らかく充血して僕の一部を押し包んだ。
それから、言った通りに少し激しめに突き始める。彼女のそこはもう充分に慣れていて、
遠慮はいらなかった。

9:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:14:49 8i/nYf8A

女の身体というのは、不思議だ。たった一晩のうちに、刻々とその姿を変える。
メイファはいま、時間をかけてゆっくりと開いた美しい花だ。たっぷりと蜜を含んで、
あたりに甘い芳香を撒き散らして。
どうして、貪らずにいられよう。
婚姻という形に特にこだわりは無くて、彼女にその気さえあればいつでも奪ってしまう
つもりだったけど、結婚前にこんな状態にしてしまわなくて良かったと思った。
契約という鎖で縛る前にこんなに魅力的になられたら、心配で仕方が無い。
「メイファ、好きだよ。」
後ろからそう囁いて、乱れた上衣の首元を引き下げて、うなじに口づけた。
抱き締めるようにして、肌蹴た前合わせからこぼれる乳房を掬い上げる。固く
しこったその先端は、愛撫されるのを待っていた。

「あぁ…っ、ああ、そこ、駄目…っ」
「こんなに身体は反応してるくせに、メイファは嘘吐きだね。」
きゅっと固くなった先端をつまんでこりこりと転がしてあげると、僕を包み込んだ
媚肉が切なげに収縮を繰り返す。
「嘘吐き。嘘吐きなメイファ。
ほら、今度こそ『いく』って、言わないの? また、いきそうなんでしょう?」
僕はもうほとんど声すら上げれなくなっている彼女を更に弄る。
「…ほら、言ってごらん。この可愛いお口と舌は何のためについているのかな?」
卓上にうつ伏せになっている彼女の顎に手を添えて僅かに上を向かせ、上下の唇を
何度も指先で辿った。
そして唇を割って中指を口中に侵入させ、その中にある柔らかく濡れた舌をまさぐる。
「んん…っ…」
彼女は苦しげに、しかし甘く喘ぎ声を漏らしながら、それでも僕の指に応えるように
舌を動かした。
僕は口中の熱く濡れた感触をゆっくりと愉しんでから指を引き抜き、指に纏った唾液を
赤い唇に塗りつけるように動かしながら、もう一度彼女を促す。
「…言ってごらん。」
「あ…あ…、い、く…っ」
メイファはようやく、揺れる声でその言葉を口にした。
「よく、できました。」
僕は一層強く彼女の中を突き上げた。どのみち、僕のほうももう限界に近い。

受け止めて欲しい、受け入れて欲しい。そして許して欲しい。僕がどんなに汚くて、
捩じれていて、澱んでいても。
それがいつでも僕の密やかな願いだ。
僕は何もかもを叩きつけるように、彼女の中に自分自身を打ち付けると、その最奥に
欲望の塊を吐き出した。

10:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:17:03 8i/nYf8A

  *   *   *

「結局、こんな事になって…どんな顔をして侍女達を呼べばいいのやら」
「どんなって…普通に。新婚の夫婦が睦まじいのは、別に非難されるべき事じゃない。」
僕はメイファが座っていた姿見の前の椅子に腰掛けて、膝の上にメイファを横向きに
座らせていた。
指先まですっかり力の抜けてしまっているメイファは、大した抵抗も出来ずに
されるがままだ。
かわりに、彼女の髪に残っている幾筋もの小さな三つ編みを解いてあげていた。
解くだけなら大した技術もいらないし、何より艶のある長い髪に思う存分指を
絡ませる事が出来て、楽しい。
「うぅ…、目一杯文句を言ってやるはずだったのに…。
今回はすっかりレンの我儘に付き合わされてしまったが、毎回こうはいかないからな。
きっとあれだ、おまえの性根が歪んでいるのだ。
わたしが、おまえの性根を叩き直してやる。」
思いっきり難題に取り組む宣言をしてしまっていることに、気づいているのか
いないのか。メイファが何かに奮闘する様もまた想像するだけで可愛い。
ごく軽い気持ちで、質問で返した。
「ふうん。叩き直して、どうするのかな?」
「幸せに、してやる。」

「……っ。」
僕は虚を衝かれて、一瞬押し黙る。
メイファは、さも当然で自然なことのように何の気負いも無く、唄うように続けた。
「何か、おかしいかな?
そんなに何もかもを持っていて、何もかもに優れているのに、妙に不幸せそうな顔を
しているのは、やっぱりどこかおかしいと思うぞ。
レンはもっと、幸せを感じるべきだし、感じられるはずだ。
難しいことじゃない、小さな幸せってやつからで良いんだ。」
何だそれ。何だそれは。完全に不意打ち。
だからメイファは油断ならない。
好きな娘にそんなことを言われて、このうえもなく幸せな気持ちにならない奴なんか
いるものか。
僕は泣いていいのか笑っていいのかわからなくなって、香油の香りを漂わせながら
ふわふわと波打つ君の髪に顔をうずめる。
きっと君なら、上手に笑うんだろうな。上手に、蕩けるような極上の笑顔を見せて、
相手の心を魅了するのだろうけれど。
「まあ、わたしがそれを見たいだけ、なんだけどな。
なんか見ていたい気持ちになるんだ、レンがこの先、どんな風に生きるのか。
そして、せっかくなら、幸せに生きるところが見たい。
自覚の無いメイファは、更に追い討ちをかける。何これ。この容赦の無い破壊力。

11:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:19:54 8i/nYf8A

「…メイファは、格好いいね。惚れ直すよ。」
君の首筋に抱きついたまま、ようやくそれだけを言うと、彼女はむぅ…と小さく頷いた。
「そうか…。レンはそういうことで惚れ直すのか。…憶えておく。」
もごもごと、打って変わって照れくさそうに呟く。
「それであの…。惚れ直す、というからには、その前も、惚れていたということで相違ないな?」
うわ、今度はなんか素っ頓狂なこと言い出した。
「はあ? 何を今更。」
「あの…ごめん。何か凄く好かれているのは分かるのだが、何故そんなに好かれている
のかは、まだなんか分からないというか。
髪や肌を侍女たちが磨いてくれても、それが好かれるということなのか。
美しさで言うなら、わたしなど足元にも及ばない美姫が沢山、王都にはいるはずで。」
「メイファは、鈍いからなあ。君のどこをどう好きかなんて、六年間で言い尽くした
気がするよ。」
僕は苦笑交じりにそう返した。もしもどこが、と訊かれたとしても、今更短い言葉で
言い表せるような気はしない。
「うぅ…鈍いということは、少しは自覚している…。だから、これからちょっとずつ、
憶えていく。
好きって、どういうことなのか。
好かれるって、どういうことなのか。
愛するって、どういうことなのか。
愛されるって、どういうことなのか。」
メイファは、やはりどんなときにも真面目だ。どんなことにも真剣に、真正面から
向き合って。
そんな彼女に、きっとこれからも、何度でも惚れ直してしまうことだろう。

「レンに代わって表に出るという話も、よく見て、よく考えて、レンが一番良く
なるようにする。
責任を引き受けるのも、幸せを感じる上では割と重要だからな。」
僕は漸くそこで顔を上げた。彼女の嫌う皮肉そうな笑みではなく、もっと嬉しそうな
表情が、うまく作れていることを願って。

「メイファは、責任感あるもんね?
君の、言う通りなのかもしれない。
今までは、自分のことだけで手一杯だった。
でももう僕も、子供ではないしね
君が隣りに居てくれるのなら、君と共に、僕に何が出来るのか探そう。
僕に出来ないことは君が、僕に出来ないことは君が、きっと補い合えるだろう。」

彼女は不思議そうに訊く。
「レンにも、出来ないことってあるの。」
「あるよ。メイファにとっては簡単すぎて、ちょっと想像つかないことばかりだろうな。」
「わたしでも、レンの役に立つ?」
「うん。」
「わたしでなければ、ならない?」
「うん。」
メイファは、僕の膝の上で、はにかみながらほんのりと頬を染めた。やっぱりメイファは、
こんなときにはどうしようもなく人を魅了する素敵な表情を見せるのだ。

12:名無しさん@ピンキー
10/07/27 18:21:36 YZKIN+9H


13:レンと小さなお姫様5
10/07/27 18:22:03 8i/nYf8A

「それで、順序としては、この後湯浴みってわけだね?
メイファはこの恥ずかしい身体を侍女に見せるのが嫌で、自分で入るつもり
だったんだよね。」
「ご…語弊のある言い方をするなっ。
これは、おまえが跡をつけた所為で…!
うわ、首筋にも、本当に遠慮なく特大のを?!」
彼女は鏡で自分につけられた紅い跡を確認して驚いたような声を上げる。
「つける時にも、ちゃんとそう言ったでしょ?
ひとりで湯浴みの作業を全部するのは大変だから、僕が手伝ってあげよう。」
「いらんっ! レンのほうだっていつも、手伝われる方だろう?! 人のを手伝ったこと
なんて、無いくせに!!」
「いつも手伝われているからこそ、手伝い方も分かります。」
「わからんっ! 何だその論理?!
わたしだって、自分で入ったことくらいあるっ!!
いいから去れ、邪魔するなー!!」
僕は真っ赤になって暴れる新妻を眺めながら、このまま強引に手伝うべきか、
それとも身体を洗ってあげる楽しみは後日に取っておいて、怒らせないようここは
引き下がるべきか、割と真剣に思案していた。

  *   *   *

その後─

シン国では初の女性宰相が誕生したり、夷狄を退けた名将が居たりしたけれど、
それはまた、別のお話。






        ──終──

14:名無しさん@ピンキー
10/07/27 18:25:38 8i/nYf8A
支援、ありがとうございました! 大感謝です!

エロ展開まで長くてスマンかったです。しかも投下間隔が一週間って、長かったですね。
3→4は二週間かかるし。

筆が遅いので、次に来るときは、今度こそ、充分に書き溜めてから来るつもりです。
では、忘れた頃に、また来ます。

15:名無しさん@ピンキー
10/07/27 18:28:43 YZKIN+9H
一番槍GJ!

次回も待ってます!

16:名無しさん@ピンキー
10/07/27 19:19:38 1J27LAm5
スレ立て乙&GJ!



17:名無しさん@ピンキー
10/07/27 20:51:18 myedW1MT
三番目GJ、行きます!
甘々の新婚初日、ありがとうございました
息子はともかく、娘にはメチャ甘なお父さんになりそうだw

18:名無しさん@ピンキー
10/07/27 22:02:54 BqewHtW3
>>17 わかるw

自分の子には男女区別なく愛情は持つだろうけど、
娘にはべたぼれあまあま
息子は教育係にお任せコースで
ってイメージが浮かんだ。


中華作者様乙でした。全編楽しく拝読しました。

19:名無しさん@ピンキー
10/07/27 23:06:14 mXL8Aou1
物凄くエロイ…そして良い話
なんというGJ…
レンもメイファも可愛いのう

……おふぅ

20:名無しさん@ピンキー
10/07/27 23:36:25 0cX260hZ
480KB超えたスレ一週間レスなしでDATだっけ
じゃ梅小ネタある人とか以外は前スレは放置でいいのかな

21:名無しさん@ピンキー
10/07/28 00:24:44 cQKvOKik
あい>>1

22:名無しさん@ピンキー
10/07/28 01:09:31 XNtpJ4AB
数日間放置してあるようなら、10KB程度の埋めネタ落とします
すぐは無理だけど

23:名無しさん@ピンキー
10/07/28 03:49:25 Vz2dXfkm
>>1
スレ立てと投下GJGJ!
西の田舎で領主生活おくる二人も見てみたいw

>>22
全裸で待ってる

24:名無しさん@ピンキー
10/07/28 11:12:12 l7e7yix3
GJGJ!
レンってほんとにメイファがかわいくて仕方ないんですね

わかってていろいろ言葉で責めてるとこがエロくて萌えました

メイファ視点とレン視点と、どちらもすごく楽しめました

もちろん楽しみに待ってたので、早い投下だとこちらはありがたいですが、間隔があいても作者さんのペースで全然構わないと思いますよ

ぜひまた作品を披露してくださいね~

25:名無しさん@ピンキー
10/07/28 11:25:47 FGtm9JrA
今482KBだから10KB程度ならかえって前スレ延命しちゃうんじゃないか?
それはこっちに落として前スレは放置でいいと思うよ
ちょこちょこやってるとかえって延命しちゃって二重スレ状態が長引く

26:名無しさん@ピンキー
10/07/28 16:25:57 XNtpJ4AB
>>22

>>25
ごもっとも
カキコんでから気付きましたw ご指摘ありがとう
そうさせて戴きます。

27:名無しさん@ピンキー
10/07/30 22:50:13 JtDNHYEv
お疲れ様

28:名無しさん@ピンキー
10/08/01 08:32:11 IDjj8aLk
ええと、割と初心者なんでスレ立てに際して色々と慌ててしまいましたね。モチツケ自分。
小ネタは書き始めたので、せっかくだから書き上げて投下しておきます。

「中華の国の物語」番外編小ネタ
タイトル【昼休み】

百合系?妄想少女の暴走話。エロなし、ギャグ風味。
メイファは下級生の女の子からも人気があったって設定でした。
色々と妄想してますが、罪の無い乙女の妄想ですから…。

29:昼休み
10/08/01 08:34:48 IDjj8aLk

「─なんですって?! メイファお姉さまがあの男と結婚?!」
その噂が彼女にもたらされたのは、夏の休暇に入る少し前の、昼休みのことだった。
「許せない…あの男。のらりくらりと胡散臭くていかがわしくて、ぜんっぜん、
お姉さまに相応しくないわ! 在学中は歯牙にもかけられていなかったくせに…
一体どんな汚い手を…っ!」
「普通に政略結婚だろ」

この春に卒院した、一級上の異国の姫君、ラン メイファ女史と、その前の年に
卒院したこの国の皇族男性の結婚話。客観的には順当な話に怒りまくっているのは
俺の同期生、裏の通称は『黙ってりゃ可愛い』の榎二娘[チァ アルニァン]である。
彼女と俺、直胡風[チ ホゥフォン]は同郷のよしみで─同郷と言っても、王都の
この学院に来てから知り合った、ただ同じ州の出身というだけだが─よく話す仲
だった。ただ通称の通り、『黙ってりゃ』可愛い、なので、よく話すのも良いんだか
悪いんだか…って感じではあったが。
彼女は黙ってりゃそこそこの容姿と、鈴を鳴らすような声でとんでもないことを喋り始める。

「いいえっ!! あんなに相手にしていなかったのだから、お姉さまだってお嫌だったはず!
…そうだわ、女子学寮に残っていた下働きの女の話だと、あの男、春の休暇の間に女子
学寮に来たことがあるとか言ってた…!
他の貴族の娘たちは全員、帰郷していて…。
まさかあの男、私たちの目がないのをいいことに、お姉さまにあんなことやこんなことを…!
いいえそうに違いないわ、きっとお嫁にいけなくなるようなことをされて、それで泣く泣く
結婚を承諾せざるをえなかったのだわ…!
なんてうらやま…いえ、卑劣なのかしら!!」
「おまえこそ普通に不敬だろ。何だその妄想。」

昨年までは『あの方』に不穏な口の利き方をすれば、どこに居ても上級生が真っ青になって
飛んできて、『悪いことは言わないからその辺にしておいた方がいい』と忠告されていたもの
だが、彼らが卒院してしまえば、割と野放しである。
いや、以前から、男に対しては厳しかったが、女に対しては眼中に無いというか、あまり
厳しくなくて、だからこそアルニァンもここまで暴走しているのかもしれないが。
それにしても仮にも皇族の一員に向かってあの男とかそんな口の利き方をしてもいいのか
と思うが、突っ込む余裕もなくこの同期生は凄い勢いで妄想を垂れ流している。

「はっ…そういうことなら、機会はまだあったはずだわ。
お姉様が遅くなった学院からの帰り道、暗がりで…!! ああ、なんてこと!!
そういえばあの男、昨年はお姉さまの帰り道でよく目撃されてっ…!!」
「護衛がついてるだろ」
「護衛なんてシン国に雇われている奴らよ。いざとなれば皇族に逆らえる筈も無いわ。
侍女だってそうよ。…あぁっ!! ということは、夜這いの手引きだって簡単だわ?!」

「おまえさっき、女子学寮では『わたしたちがの目がなかったから』とか言ってなかったか。
女子学寮は大して広くもないひとつの邸(やしき)なんだから、他の奴らが居る時は無理だろ。」
アルニァンの妄想のあまりのひどさについ真面目に突っ込みを入れてしまう。
「いいえ、侵入さえ出来れば、声を出させない方法なんていくらでもあるわ!
可哀想なお姉様!! 安全だと思っていた自室に侵入されて、眠っている間に手足を拘束されて、
口には何か噛まされて…!!
ああっ!! わたくしが同じ房室に寝泊りして、お守りするんだったわ! はぁ…はぁ…」
「どう考えてもおまえが一番危ないだろ。つーかラン女史に対しても、物凄く失礼だろその妄想。」
一応合いの手を入れてはみたものの、最早全く聞いている様子も無い。

「大国の軍事力にモノを言わせてお姉様の国に結婚を迫って─いえ、経済力かしら?
いずれにせよお姉様の祖国は小国の朝貢国、逆らえる筈も無いわ。
無理矢理奪ってきて妻にして─ということは、お姉様のあの極上のしなやかな肢体に
夜な夜なあんなことやこんなことを出来るってこと?!
なんて、うらやまねたましいッッ!!」
「女の癖に、ありえない本音がだだ漏れだぞ、アルニァン。
つーか、なんか生々しいな。女子寮では、もしかして一緒に風呂でも入ったりすんのか?」

30:昼休み
10/08/01 08:37:47 IDjj8aLk

「まさか!! お姉様は、シン国がお招きしている『留学生』よ? 国賓よ?
いつも侍女がきっちりついていてそんな気軽なこと、出来やしないわ。
でもね、抜け道はあるの。
自由に外出しにくいお姉様と一緒に、女の子だけで近場の温泉旅行を企画したことが
あったの。
女子寮では抜け駆け禁止協定があるから、皆でよ。
といっても、そのときはお姉様も含めて五人だったけどね。
事前に申請さえ出しておけば、近場の外出くらい駄目ってこと無いし。
何よりメイファお姉様も大変、喜んでくださって…。

─勿論目的は、 裸 の お つ き あ い 。」

アルニァンは、うら若き乙女にあるまじき腹黒さで、にやりと笑った。
「…はあ。」
俺が護衛なら、こんな危ない奴との小旅行なんて許可しないが。

「わたしたちも、とっても楽しかったわ…!!
お姉様の身体を洗って差し上げるときはね、『お背中お流しします。』って、
言い切らなきゃ駄目なの。
『お背中お流ししましょうか?』では、断る隙があるものね。
お姉様はお優しいから、ちょっと強引に迫れば学友の少女の申し出を無下に
断ったりなんて、なさらないのよ。
お姉様は、大変肌がきめ細やかで、すべすべで…何というか、さすが王族のお姫様、
『素材が違う』って感じ?
勿論それだけではなくて、お姉様はお体を鍛えてらっしゃるから、全身引き締まっていて、
その身体の線の美しいこと!!
胸の方は…その、痩せていらっしゃるから多少控えめではあるのだけれど、形は美しいし、
充分柔らかいし。」
「やわ…っ?! ちょっと待て、触ったのか?!」

「あらやだ、黙ってるから無視してるのかと思ったら、しっかり聞いてるのね。
女同士でお風呂に入るんだから、当然でしょ? むしろそれが目的でしょ?
コツはね、あくまで可愛く、明るく、爽やかに。」
「…何やってんだ女ども。」
「女同士だから楽しいんでしょ? すべすべだし、可愛いし、柔らかいし。
お湯に浸かってほんのりと桜色に染まったお姉様の肌も素敵だったわ…!!」
俺が護衛だったら、こいつは姫様に近づけちゃ駄目だと思った。

「まさかそのノリで、宿でも雑魚寝したんじゃ無いだろうな。」
「何言ってるのよ雑魚寝なんて…お姉様に、似つかわしくないわ。
他の子達だって貴族の娘なんですから、それぞれ侍女付きで来てたし、
部屋は別々に取ったわ。
ただ、夜は寂しくなって、皆でお姉様のお部屋にお邪魔したけど。」
「同じことだろうが。」
「そんなこと無いわ、夜半にはおいとましたし。
お姉様を寝不足にして、お肌を荒れさせるわけにもいかないしね。
まあ、それまでにくすぐり倒したり、寝台で添い寝させてもらったりしたけど。
濡れた浴衣越しの肌もいいけど、薄布の夜着もお可愛らしくて。
また瞼の少し重くなった頃が、しどけなくて色っぽくて」

「さっさと開放してやれよ。ラン女史も闖入者を追い出さないとどうせ
眠れないんだから!」
過去の話に突っ込んでも無駄と知りながら、俺はしつこい下級生に付きまとわれる
人気者のお姫様に同情した。
「お姉様だって翌朝楽しかったって言ってくださったわよ。」
「ああいう気品のある姫様が『昨日は酷い目に逢った~』とか、愚痴を言えるはず無いだろ?!
察してやれよそのくらい!」

31:昼休み
10/08/01 08:41:38 IDjj8aLk

「違うわっ! お姉様は心根も綺麗でいらっしゃるから、私たちの心のこもったもてなしに、
そんなひどいこと、お考えにならないわ!!
あんたは知らなくともねえ、お姉様の美しいところは外見もだけど何より内面! なのよ!」
そう言ってアルニァンはうっとりと遠い目をした。


「そう、あれはわたくしがこの王都に来て間もない頃…。
女史学寮のお姉様方が、親睦会も兼ねて茶話会を開いてくださったことがあったの。
お姉様方のうちお一人が、わざわざ侍女にできたてのお菓子を買いに行かせて。」
いきなりさらに過去話か。女の話はどうもぽんぽん飛んでちょっと辛い。まあ、ついていく
必要も無いが。
「揚げ菓子だったわ。
でもね、買ってくる途中でちょっとした事故があって、その侍女が二、三個落としてしまったの。
勿論余分に買ってはおいたようなんだけど、結果的に、ひとり分足りなくなって…
そのとき、真っ先に譲ってくださったのが、メイファお姉様よ!」

「要は食い気か。
おまえ、甘いもの好きだしな。」
「揚げ菓子が好きなのは、そのときからよ!! 
ひとり分足りないと分かったときには、微妙な雰囲気が流れて。だってそのお菓子からは、
凶悪なほどに美味しそうな香りが流れてきていたんだもの。あの香りの魔力に逆らえる
女の子なんて、そうそういやしないわ。
誰もが、足りない状況と自分のことを考えて押し黙っている、と思っていたら…。
メイファお姉様があのよく通る素敵な声で、おっしゃったの。
『わたしの分はいいから、侍女を怒らないでやってくれないかな』
…って。
ああ!! なんて素晴らしいのかしら!! とっさに場の雰囲気を変えた上に、侍女のことまで
思いやって…!!」

「ああ、なんか人徳あるもんな、ラン女史。
あれなら皇族に嫁いでも大丈夫なんじゃないか。」
「ちょっと!! ひとが美しい思い出に浸っているときに、嫌なこと思い出させないでよ!!
ともかく順序から言えば、そのとき最下級生であったわたくしが辞退するのが筋だわ。
そう申し上げたら…っ。お、お姉様は、半分こにしようって……!!
あぁっ…!! あの白魚のような指で、手ずからお割り下さって、しかも奥ゆかしくも
小さい方をお取りになって…!!」
「そこはおまえが小さい方取るとこだろ」

「うるさいわね! お姉様のお優しさに水差さないでくれる?
そのときの菓子の味の、甘美だったこと…!!
私はそのとき思ったの、世の中には、こんなに美味しくて、素敵なものがあるんだって。
一生懸命お勉強を頑張って、この学院に入って良かった!!って。
そのあと、同じお店で何度も同じ揚げ菓子を買い求めてはみたけど、あのときほど美味しく
感じたことは無いわ。」
「まあ、状況でメシが美味くなったりすることって、あるよな。」

「あら、珍しく同意してくれるのね。
そうなの、そのときのお菓子は、とってもとっても美味しかったのよ…!!
…とってもね。」
少し遠くを見つめるようにして、アルニァンは、溜息をつくように最後の言葉を呟いた。
「…そうか。」
その感傷ぶりにほんのちょっと共感しかけたその刹那。

32:昼休み
10/08/01 08:43:29 IDjj8aLk

「ああ…わたくしがせめて男だったら、お姉様を攫って逃げて差し上げるのに。」
うわ、まだ話し続ける気か。いい加減にしろ。
せめてさっきの表情のまま黙ってろ。
「普通に身分違いだろ。つか迷惑。」
「それも駄目なら、一夜限りの美しい思い出とかっ…!!
はっ?! 一夜限りなら、女同士でも出来ないことはないわね?
問題はお姉様のほうが腕っ節がお強いことだけれど、それはいくらでも方策はあるわ…!!」
俺は確信した。こいつを、姫様の半径五里以内に立ち入らせては駄目だ。
姫様の祖国が、遠い西の辺境で良かった。

そのときやっと、昼休みの終わりを告げる鐘が二回、打ち鳴らされるのが聞こえた。
ようやく、このとんでもない妄想話から開放される。
「やれやれ、次の講義の時間だ。
アルニァン、王族や皇族とは格が違うとはいえ、おまえだって出るとこ出れば貴族の
お姫様なんだから、もう少し言動には気をつけた方がいいぞ。」
「あら、わたくしだって、出るとこ出れば貴族のお姫様なのですから、場面くらい
ちゃんと読めますとも。
いざとなったときの猫被りの鮮やかさを、あなたにお見せできないのが残念ですけど。
それに、他人には話しづらい妄想話を一緒に楽しむのも、わたしなりの親愛の情の
現われなのですけれどね。」

「親愛の情なら、もうちょっとましな現し方をしろ。」
俺が少し苦い顔でそう吐き捨てると、アルニァンは女の子特有の甘ったるい笑い方で
ふふっと笑った。
そしていつもの、鈴を鳴らすような声で言う。
「さあ、次の講義に遅れますわよ!」
そして明るい色の裳裾を翻し、簪の飾りを揺らしながら、俺の前を軽やかに駆け出した。



        ──終──

33:名無しさん@ピンキー
10/08/01 08:46:04 IDjj8aLk
以上です。
では自分も次の姫様待ちに入ります。
姫様来ないかなー。

34:名無しさん@ピンキー
10/08/02 11:39:31 LgrBnxCx
完結してさみしかったから小ネタうれしいです

それにしても…レンがあんまりな言われようでw



35:名無しさん@ピンキー
10/08/05 17:58:56 CcMWFFdn
エルドとセシリアの作者です。
「桃色の鞠(後編)」を保管庫に入れました。
少しだけ誤字も修正しました。

そして自分勝手なお願いなのですが、
旧保管庫にある「白いリボン」を新保管庫にも入れたいなと思っています。
もちろん、そのままでも結構なのですが、
みなさまどのようにお考えでしょうか。


36:名無しさん@ピンキー
10/08/05 19:29:55 V72AgnzR
おお!乙です
作者さんならいいんじゃないかな
ただ何か気兼ねや引っかかりがあるなら、
シリーズのとこに、第一話はこちらと案内したり直リン貼ったりするのもありでは

37:名無しさん@ピンキー
10/08/05 22:12:34 tbd870kK
>>35
乙です。
まとめてくれると読み返しやすくてうれしいな。

38:名無しさん@ピンキー
10/08/06 21:34:03 m5zb/pUy
>>35
乙です

保管庫の件、管理人さんか作業さんか作業する方が大変でなければよいですが

読む方としてはどちらでもよいです

39:名無しさん@ピンキー
10/08/06 21:34:59 m5zb/pUy
すみません
作業さんとは作者さんの間違いです

40:名無しさん@ピンキー
10/08/07 13:17:40 b0V+4V/w
自分は新参者のときどこに1話があるのか迷ったので、
白いリボンも一緒の保管庫に置いてあると嬉しいです

41:名無しさん@ピンキー
10/08/08 00:50:35 q2gcJI+l
こんな話題をダラダラ引っ張られたら投下しにくくね?

>>35もそろそろどっちか結論出しなよ

つか最初から自分で決めたらいいのに

42:名無しさん@ピンキー
10/08/08 06:00:02 oxrhBKVN
話題のいかんに関わらず投下は少ないし(泣)
噛み付くほどのことでは・・・

43:名無しさん@ピンキー
10/08/08 09:14:42 s9BQ37lu
遅くなってすみません。
ご意見ありがとうございました。
白いリボンを新保管庫にも収録させて頂きます。

投下をストップさせていたなら申し訳ない。

44:名無しさん@ピンキー
10/08/08 10:56:14 7UtHHMPK
>>41>>43
共に乙

>>42
この程度のことで噛み付き扱いするのが、むしろ余計

45:名無しさん@ピンキー
10/08/08 13:04:45 dsxrYl1D
なんでもいいからエロい姫書けよ、おう早くしろよ

46:名無しさん@ピンキー
10/08/08 21:36:56 q2gcJI+l
>>41だが言葉が悪く噛みついたように受け取られたなら申し訳ない

結果はもう見えてたからいいんじゃ…と思ったまで

おとなしくROMって姫を待つよ

47:名無しさん@ピンキー
10/08/09 00:29:08 Uoq2p+QN
結果は見えていても、バロメータ確認にはなったからいいよ

48:名無しさん@ピンキー
10/08/10 19:19:07 hNLavXuM
は?

49:名無しさん@ピンキー
10/08/10 22:47:55 T9mD7KZo
ひ?

50:名無しさん@ピンキー
10/08/11 01:34:01 sMvlzQFV
ぎ?

51:名無しさん@ピンキー
10/08/17 02:28:54 aDxKP74c
ん?

52:名無しさん@ピンキー
10/08/18 23:57:25 BtGCHwAH
エルドとセシリア の続きが読みたい・・・

53:名無しさん@ピンキー
10/08/19 09:11:41 ikK2Wr1v
未完の話も沢山あるから、その続きも読みたい。
帝国の皇女様とかどうなった。

エルドとセシリアも、あれで完結とか思ってないので、引き続き待ってる
エルド頑張れ

54:名無しさん@ピンキー
10/08/19 13:02:35 lHglUQVX
完結でいいよ…
YES意見引き出すためだけの保管庫移動アンケートとか
しかも意見いくつか集まってんのに数日放置とか
正直うざいわ

55:名無しさん@ピンキー
10/08/19 13:49:56 5iuA715h
良作が終わっても、カス掴んでも泣かない
富樫のHHみたいな作品は まだまし。
fivestarや美内すずえのガラスの仮面みたいに、存命中に終わるかどうかの作品
画太郎の漫遊記みたいに完結したけれどコアすぎるモノ

それよりも圧倒的な数の打ち切りが多いんだよ~

ベルモンド、P2!(?)、瞳のカドプレパス、バレーボール、BLUE DRAGON、ユンボル
、M&Y、ツギハギ、HAND'S、OVERTIME、斬、みえるひと、村雨、タカヤ、ポルタ、
k.o.sen、muddy、ポセイドン、勇者学、バリハケン、ダブルアーツ ぼっけさん、マイスター、アスクレピオス
切法師、カイン、コート、waqwaq、ゲドー、ぷーやん、スピンちゃん、ごっちゃんです、
LIVE、サラブレッド、神撫手、サソリ、神奈川磯南風天組、キックスメガミックス、闇神コウ、
SANTA、ウルトラレッド、タトゥーハーツ、AON、グラナダ、SWORD BREAKER、NUMBER10、ソワカ
、あっけら貫刃帖、サクラテツ、グランバガン、I'm A FAKER、マジャシャンズスクエア、鴉、
GBW、虎次郎、バカバカしいの、りりむキッス、純情パイン



56:名無しさん@ピンキー
10/08/20 19:36:30 jRpJ4ADx
バカバカしいの、だけ知ってる。

57:名無しさん@ピンキー
10/08/20 21:49:31 LuCX7juC
>>29-32
亀ですが乙!!
実はレンもメイファ近辺の女生徒も全員チェックしてるに1元
さらに、アルニャンもきっちり要注意人物の1人としてリストに入っているに10元

58:名無しさん@ピンキー
10/08/22 20:10:41 WsffPang
お姫様から精神的に虐められたい…

59:名無しさん@ピンキー
10/08/26 23:35:35 9EdrX3VL
>>58でなんか浮かんだ

姫「このっ……豚!」
下僕「は?」
姫「ひっ……!ごめんなさい言ってみただけです……」

60:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:32:13 Xx6UW8mi
覇王の孫娘
前編
エロ無し





「姫様―!姫様―!」
静かな昼下がりの午後、屋敷内を駆け回る一人の青年がいた。
「あ、キルシェ様。どうなさいました、大声を出されて」
廊下の反対側から、ワーウフルのメイド――ティニアとアリアエル
がティーポットとカップをのせたカートを押しながらやってきた。
「どうしたもこうしたもない!ティニー、アリア!姫様はどちらに行かれたんだ!」
青年はティニーの両肩をがしりとつかみ、凄まじい剣幕で両肩の脱臼を目論むが如く
ガクンガクン揺らした。
「やめて下さい!やめて下さい!犯さないで!」
いきなり泣き叫ぶメイドに青年は怒鳴った。
「誰がだ!アリア、知らないか!」
青年はもう一人のメイドに激しい剣幕で振りむいた。
「え、ええっと…その…わかりません」
申し訳なさそうにもう一人のメイドが頭を下げた。
「ああ…一体、どちらに行かれたというのだ!?姫様にもしものことあれば陛下に申し訳が立たん
もしや、姫様に口止めされているのではあるまいな!?」
ギクッとなった二人のメイドだが、それを誤魔化すようにティニアが言った。
「そんな!?適当に理由つけて犯そうと―――!?」
ティニアは両手を頬にあて、悲壮な顔をした。
「違う!誰がお前なんぞ犯すか!頼まれたってするわけないだろ!」
「私がワーウルフだからって差別してるんですか!?」
「種族は関係ない!だいたい昼間から若い娘が犯すとか犯さないとか―――」
ワーワーギャーギャー…もはや収拾がつかなくなってきた。
「そもそも私が留守の間、一体何をしていたんだお前達は!メイド失格だ!減給してやるからな!」
「ええッ!?減給だけは勘弁して下さい!御飯が食べられなくなってしまいます~」
「身体で払いますから減給だけは!」
収拾がつかない三人を遠巻きに最年少のメイドが小さな手に封書を持ち、ぼそっと呟いた。
「あ、あの……キルシェ様、ひ、姫様のお部屋にお手紙が……」


『覇王の孫娘』


かつて『大陸の窓口』と呼ばれ帝国西部方面軍の拠点であった都市は
今や行楽地としてその名を馳せていた。港近くの露店には
様々な輸入品と海産物がずらりと陳列され、行き交う人々で大通りはごった返していた。
さらにこの季節にしか輸入されない東方大陸の珍しい品々は特に観光客の目を引き、
『土産に』と飛ぶように売れ、また都市が有する長大な砂浜には、毎年のように多くの海水浴客が訪れ、活気に満ち溢れていた。

61:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:33:13 Xx6UW8mi
『宿屋ボナパルト』

「いやぁ…お久しぶりですねぇ姫様」
「いくらお客さんが多いからって姫様はダメだよ、イツファさん。誤解されちゃう」
ワイワイガヤガヤと騒がしい宿の食堂で昼食を取っていた少女が言った。
「ああ、ごめんねぇ…でも、あんなにちっちゃかったのに、
少し見ない間にすっかり大きくなって……ティル様にそっくりですよ」
手に持った料理をテーブルにならべ、イツファと呼ばれた女将は笑った。
『おーい、ビッククラブの丸焼き、上がったぞ』
カウンターの奥から野太い声が聞こえた。ここの主人だろう。
「はーい、今行くよ。じゃ後で、エッジにでも街を案内させますから、ごゆっくり♪」
「ありがとう、イツファさん」
少女は愛想良く笑うと、テーブルを囲んでいる連れに向き直った。
「あの方は主様の御知り合いですか?」
と自前の箸で魚の塩焼きを摘んでいた黒髪の女性が言った。
「うん。母様とプリンおばさんのね…リーフェイは初めてかな?」
貝と唐辛子のパスタをフォークでくるくると捲きながら少女は言った。
「ええ…あの身のこなし…シノビの心得があるようで」
「もぐもぐ……さすがリーフェイ、当たり♪……ああ~夏休み中にやっと海に来ることができたわ。
女子校はそれなりに楽しいけど息が詰まるんだよねぇ、御丁寧な貴族の女の子ばっかりだし。
『リューティル様、ごきげんいかが?』とか『お姉様、お慕い申し上げております』とか……
はぁ……共学の小さい学校の方がよかったなぁ…」
少女の隣に座っている少年が眉をひそめて小さな声で言った。
「でもよかったんですか、リュティ様?キルシェさんに無断で?」
その問いに少女は貝のフライをパリパリと食べながら、ぞんざいに答えた。
「え~?いいの、いいの。キルシェに言ったって、『海に行かれるのであれば、安全の為に最高級の宿泊施設を』
とか言って、絶対つまらなくなるのは目に見えてるもん。出店に行かせてくれないし。頭、固いんだから」
ふんっと鼻を鳴らして少女は言った。その口真似がおかしかったのかリーフェイはクスッと笑って言った。
「ですが……私とセイヴィアが留守ということ知れば…キルシェさんならおおよそ行き先は検討がつくと思いますが」
「大丈夫だよ。ちゃんと置き手紙してきから」
えっへんと胸を張って、少女は答えた。
「主様、その置き手紙には何と書かれたのですか?」
「『7日程、屋敷を開けます。探すな、絶対』って」
「…………そ、それはさすがに心配されるかと」
セイヴィアが苦笑しながら言った。それにキッと眉を上げて少女は答える。
「でもさ、『首都に行きます』とか書いたら、連絡されてまた父様とか母様に叱られるし、
兄様も『リューティルも年頃なんだからもう少し落ち着けばいいのに』とか言われるんだよ?他にどう書けって言うのよ?」
「確かに……勘の良いキルシェさんであれば……偽ってもすぐバレますし…」
「そんな事より、念願の海に来ることができたんだし、早く海に行こうよ♪この日の為に可愛い水着買ったんだから」



62:名無しさん@ピンキー
10/08/27 22:41:57 RvYV+dWa
何ー?! ハッピーエンド編の更に子供世代編ですとー!!
これは期待せざるをえないwktk
お転婆姫様可愛い

63:名無しさん@ピンキー
10/08/29 22:03:52 eECJC5Av
続き待つ!
宿屋の食事が美味しそうだな
夏の海でどんな姫様っぷりを発揮してくれるのか楽しみ

64:名無しさん@ピンキー
10/09/02 17:08:34 7Q42Lv0t
wikiから転載

PINKBBSの方には類似スレがあり立ててはいけないような気がしたので
独断ですが作ってしまいました。
無論、閉鎖しろといわれたら閉鎖いたします。
ご意見だけでも書き込みよろしくお願いします。
SSも投下していただけるならうれしいです。
ファンタジー世界の戦う女(女兵士)総合スレ避難所(仮)
URLリンク(jbbs.livedoor.jp) -- (名無しさん)
2010-08-31 15:45:49

65:名無しさん@ピンキー
10/09/03 21:03:57 yz0QDRwq
覇王の孫娘
水着
ちょいエロ
少し長いです




「海だー!海だよ!うみィ!いい風~最高だよ♪」
絵に描いたような青空の下に広がる青い海に少女は歓声を上げた。
白い砂浜に見える人々は何百人といるだろうが、それでも十分な間隔が開いている。
それだけこの砂浜が長大なのだろう。少女は麦わら帽子を被り、水着の上に白いシャツを着て
砂浜を駆けていった。海に入る直前、帽子とシャツをセイヴィアに向かって投げた。
『持っていてね』と叫び、そのまま波に向かってに突進していった。
「リュティ様、お一人では…」
後から付いてきた少年は肩に掛けたクーラボックスを置き、はぁ~とため息をついた。
「……大丈夫かな…」
「セイヴィアもキルシェさんの心配性が伝染したか?」
「そんな事はないよ―――」
顔を赤くしながらセイヴィアはリーフェイから目をそらした。
「どうしてリーフェイも水着を着ているの?」
セイヴィアの後ろに立つ、リーフェイの姿はビキニの上にシャツを羽織っている出で立ちだ。
問題なのは、そのリーフェイのスタイル。
エキゾチックな黒髪に歩くたびにゆっさゆっさと揺れる豊満な胸、そして見事にくびれた腰から
伸びるお尻のラインにすらりとした四肢。やや褐色に焼けた肌と水着の境目から覗く白い肌。
神話の世界から抜け出てきた女神はこのような容姿なのではないか?というぐらい輝いて見える。
「海だし、海だから、海だろう?護衛を兼ねて水着の方が自然かつ目立たない、それに機能的で動きやすいからだが?」
「おもいっきり目立ってるよ……黒髪の女性ってだけで十分目立つのに…」
それに『もっともらしく聞こえるけど、海で泳ぎたいだけでしょ?』というようにセイヴィアはジト目でリーフェイを見た。
「泳ぎたいって素直に言えば―――」
「主様がお一人では危険だ、行ってくる」
セイヴィアの言葉を遮ってリーフェイはリューティルと同じようにシャツを放り出し、海にバシャバシャと入り、泳ぎだした。
何故かその顔が輝いて見えた事に少年はさらに深いため息をついた。
「いやっほぉう!!」
バシャンっと激しい波しぶきを上げて少女は海面から飛び跳ねた。
リューティルの水着は蒼色と白色を基調としたワンピースタイプで、控えめな胸部に可愛らしく
ディフォルメされたノコギリザメがプリントされており、お臍と背中が大きく開いたオーダーメイドなデザインの代物だ。
「ああ…気持ちいい…ほんと、来て良かったぁ…」
バシャバシャと海面を叩き、海水をすくっては天まで届けと言わんばかりに振りまく。
母譲りの赤い瞳をもつ眼が細められ、満天の笑みをもって波に身を任せる少女は真の底から海を満喫しているようだ。
「主様、追いつきましたよ。あまり遠くへは行かないでください」
黒い髪から水を滴らせながらリーフェイが側に寄ってきた。

66:名無しさん@ピンキー
10/09/03 21:04:42 yz0QDRwq
「ん~あんまりに気持ちよくて…このまま寝ちゃいそうだよ~って…あ、あ、足がつった!!――ごぼごぼごぼ」
そう言ってリューティルは海中に姿を消した。
「あ、主様っ!」
いきなりの事態に声を上げたリーフェイの後ろからその豊満な胸がむにゅっと鷲掴みにされた。
「なっ――!?」
「前から思ってたけどリーフェイのおっぱい大きいねぇ♪どうしたらこんな大きくなるの!?」
にひひひとイタズラっぽく笑ってみせるのはもちろんリューティル。
どこかの危ないおじさんよろしく少女はその細い指を
リューフェイのおっぱいに食い込ませて、むにゅむにゅっと柔乳の感触と圧倒的な質量を楽しんだ。
「このおっぱいでセイヴィアをたぶらかしてるのかなぁ?あれ、乳首がコリコリしてきたよ♪」
「あ、主様!…そんなに揉まないで…くだ………んっ!?」
リーフェイは思わず鼻に掛かったような甘い声を漏らしてしまった。
「いやん、色っぽい声。ひょっとして感じちゃった?私って意外とテクニシャンなのかな~♪」
「あ、主様!」
リーフェイの声に胸から手を離し、ゴメンネとちょろっと舌を出す少女にリーフェイはふぅと息をつくと
「………お返しです!」
すかさずリューティルの胸部に手を押し当てた。
「ひゃあ!?」
むにゅとまではいかないが、ふにふにとした感触の慎ましながらも張りがあるリューティルのおっぱい。
(わたしもこれくらいの方がよかったのに…)と思いつつ、悪ノリしたリーフェイは言った。
「ダメですよ、許しません。お仕置きです」
「きゃはははっ!やだっくすぐったいよォ♪」
バシャン、バシャンと一際大きな波しぶきをたてて二人はじゃれあった。

「はああ…金槌な自分が恨めしい……」
荷物の番をさせられている少年が口にくわえたアイスをカプっと噛んだ。
「あ、当たりだ。もう一本もらえるかな」
パラソルを立て、水捌けのよい布の上に寝そべるセイヴィアは今し方食した
アイスの棒をペロペロとなめていた。
「ねぇ、ボク」
「はい?」
顔を上げてみるとそこには翼を持った女性がこちらを見ていた。
真っ白な純白の翼が光に反射して神々しい…有翼人の女性だ。
麦わら帽子をかぶり、スレンダーなスタイルに珍しい模様が描かれた水着を着ている。
東方大陸の模様だろうか。セイヴィアは返答に窮した。
有翼人の女性をこんな間近で見ることは初めてだったのだ。
「あ、ごめんなさい。お邪魔だった?今日はお父さんとお母さんと一緒に海に来たの?」
女性が前屈みになったせいで胸が強調されてみえる。
「い、いえ、いえいえ、友人達と来たんです…そ、それに僕はそんなに年下じゃ」
実際のところ、セイヴィアの年齢は14歳。だが祖先にエルフの血が混じっており、
なおかつ童顔で背丈が低いため、かなり低い年齢に見られてしまう。
それこそ、この広い海水浴場でキョロキョロしていたら『ボク、迷子?』と沿岸警備員に言われるくらいの年齢に。

67:名無しさん@ピンキー
10/09/03 21:05:18 yz0QDRwq
「でも私よりは年下よね?」
「ええっと…たぶん…」
顔を赤くしながら、あわてふためくセイヴィアを見て、女性は微笑んで言った。
「私も友人と来たの。でも具合を悪くしちゃって、宿で休んでいるのよ。君は?」
「あ、僕は泳ぐのが苦手で……」
苦笑するセイヴィアに女性は『そっか……君も一人で荷物番なんて大変だね』と返した。
「そっか………はぁ…海に来たのに一人じゃつまらないし……悪いんだけど、
お姉さんにサンオイルを塗ってくれないかな?見ての通り翼と背中は塗れなくて、ね、お願い」
「で……で、でも…初対面の…女性の肌に触れるのは…」
「大丈夫、私はそんなの気にしないから、そうだ、君の名前は何て言うの?」
「あ、僕はセイヴィア=アンザックスっていいます。友人からは『セイヴィア』って」
「セイヴィア君ね。じゃ、サンオイルは翼専用とお肌用があって、初めは翼から使って」
有翼人の女性はテキパキと手に持っていたデーパックから容器を並べ、セイヴィアの横にうつ伏せになった。
そして背中で結んでいた水着の紐を解き、女性は言った。
「あ~苦しかった。じゃ、お願いね、セイヴィア君」
有翼人の女性は翼があるためワンピースタイプの水着を
基本的に着す事が難しい。その為、ビキニタイプの水着を着する事が多い。
翼の隙間から見え隠れする白い肌、むにゅと圧迫された胸、そしてスレンダーな腰から続くお尻の谷間。
セイヴィアの顔はもう真っ赤だ。
「え、えーと…」
セイヴィア震える手で翼用のサンオイルを手に塗りつけた。翼に手が触れた時、女性が「セイヴィア君」と声を上げた。
「は、はいい!?」
セイヴィアはビクッと身を震わせた。
「ごっめーん。私、まだ名前を言ってなかったよね」
「え、ええ…あ、そ、そういえば……」
「私の名前はテュアロッテ。テュアロッテ=ラバッツ。『ロッテ』って呼んで」

68:名無しさん@ピンキー
10/09/03 21:05:55 yz0QDRwq
その夜

『宿屋ボナパルト』
「あ~海、最高!楽しかった~♪すっごく綺麗だったし、ね、リーフェイ♪」
夕食のテーブルを囲み、リンゴジュース片手にリューティルは上機嫌に言った。
「そうですね♪久しぶりの海はいいものです」
「天気もよくって、お昼に食べた貝の壺焼きもクラーケンの足焼きも美味しかったし。妾は大満足じゃってね」
ベーコンとナスの冷製パスタにタバスコをちょんちょんと掛けながらリューティルは言った。
「はぐはぐ…セイヴィアもカナヅチなんて言わないで海に入れば良かったのに」
「そうだ。泳ぎなら私が指南してやったのに…」
魚介スープをすくっていたスプーンでセイヴィアを指し、リーフェイは納得のいかない顔で言った。
「え、で、でも…ま、その…荷物番だし…僕は…ね…」
心なしかセイヴィアの顔が赤く明るい。海に来て荷物持ちをさせられたセイヴィアなら
気落ちした顔に『はぁ~僕も泳げたらなぁ』という台詞を吐くはずだ。
「ヤケにニヤニヤしちゃって何かあったの?綺麗な女の人に声をかけてもらったとか?一緒に遊んだとか?」
「そんな…リュティ様―――」
「セイヴィア、そうなのか?」
リーフェイの眼が鋭くなる。
「そんなことないって」
あたふたとあわてるセイヴィアにリューティルは助け船を出してやった。
「まぁ、セイヴィアに限ってそんな甲斐性はないと思うけど。
あ、リーフェイ、そのお魚の炊き込み御飯、少し頂戴」
「どうぞ、主様。野菜と塩の味が効いていて美味しいですよ」
自前の箸で器用に小皿に御飯を取り分けるリーフェイ。
「ん~これも美味しい♪海と山の幸のコラボって感じだよね。本当、屋敷を抜け出してよかった♪」
「それはよかったですね、姫様。食事の後は夜店に行かれるおつもりですか?」
「もちろんだよ。たこ焼き食べたいし、夜食のデザートも。東洋のアクセサリーとかもみたいし、
可愛いは欲しいな。学校の友達のお土産も買うつもり」
「そうですか、こんな夜更けから…」
「大丈夫だよ。リーフェイもセイヴィアもいるし……て、あ、あれ?リーフェイ?セイヴィア?」
さっきまで明るかった二人が、下を向き、最後の晩餐みたいな暗い雰囲気になっている。
そして、その横にいつの間に席についていたのか、ぷるぷると震えている人物が一人。
「そうですね……『お』・『め』・『つ』・『け』・『や』・『く』・『の』!!『護衛』が『二人』もいるのですから…」
「あ…あー…あの……や、やぁ、キルシェ………」
「やっとみつけましたよ!リューティル様!!」

69:名無しさん@ピンキー
10/09/03 21:06:46 yz0QDRwq
「まったく、どれほど心配したと思っているのですか!姫様!屋敷に帰ったと思ったら、こんな置き手紙を残して!」
バッと屋敷の私室にあった置き手紙を差し出し、キルシェは叫んだ。
もちろん場所は大衆ひしめく食堂でなく、今日、リューティルが泊まる部屋。
「キルシェだってティニーとアリアに聞いたとか言ってるけど、どうせ二人に減給するとか言って脅したんでしょ!?酷いよ!」
事の顛末をキルシェから聞いてリューティルは言った。あの二人がキルシェに問い詰められて、素直に答えるハズがない。
「そのような些細なこと………そんなことより、リューティル様の御身にもしもの事があれば、このキルシェ=マイステン、
両陛下に申し訳がたちません。父も母もその為に私をお目付役に推挙してくれたのです!」
「そんな事言って!また父様とか母様にいいつける気でしょ!?」
「当然です!」
「トールおじさんだってキエルヴァおばさんだってキルシェみたいに頑固じゃないし、とっても優しいのに
なんでキルシェはそんなに厳しくて頑固なの!?」
「父と母は関係ありません。私は私です」
「このわからず屋!」
「それはこちらの台詞です。姫様、どうして私に一言おっしゃってくれないのですか!?」
「だってキルシェに言ったら、海には来ることはできても、夜店とか屋台とか絶対に行かせてくれないじゃない。
私は前みたいな高級ホテルなんてイヤなの!一人で食べる高級料理なんて全然、美味しくない!」
普通の宿がいいの!安くても皆と一緒に食べる料理はすごく美味しいんだよ!」

70:名無しさん@ピンキー
10/09/03 21:07:08 yz0QDRwq
「何をおっしゃるかと思えば…リューティル様は一国の姫なのですよ?宿泊施設も料理も一級品であってしかるべきなのです。
それに、この二人の力を疑っているワケではありませんが、万が一という事があってからでは遅いのです!」
キルシェは激しい剣幕で、一気にまくし立てた。その生真面目さは『紅髪の騎士』と謳われた母をも凌ぐ。
その激しい剣幕に圧されながらもリーフェイが言った。
「キルシェさんのお怒りはごもっともです。ですが主様を責めないで下さい。責められるべきは私達です」
「当たり前だ!リーフェイ、セイヴィア!大陸軍から特に優秀な武術家と魔法剣士を選抜したのは何の為だと思っている!?
姫様のお目付役を何と心得ているんだ!そのお前達が姫様を諭すどころか―――」

「黙りなさい」

キルシェが怒気をあらわにし、口を開いた時、リューティルの口調が変わった。
その場にいた三人がリューティルが放つ威厳に一気に圧倒された。
背筋が凍り、呼吸がとまる。その射抜くような眼の力だけで魂を砕かれたように萎縮してしまう。
かつての大陸を支配した覇王の血を受け継ぐ、皇女だけが成せる術だった。
「いくらキルシェでも…いくらキルシェでも二人を責める事は絶対に許さない…」
しかしリューティルはそれ以上何も言わず、その気を消すように俯いた。
再び顔を上げたリューティルは赤い瞳にいっぱいの涙を浮かべ、言った。
「キルシェが心配してくれるのは……わかってた……ごめんなさい」
「ひ、姫様……」
さすがのキルシェもその様子に口をつぐんでしまった。
「………でも……来たかったんだもん……」
リューティルはポロポロと涙を流しながら続けた。
「私が悪かったのはわかってる……でも…夏休みくらい…いいじゃない……豪華なホテルとか食事なんかより
普通の宿の…皆と一緒にテーブルを囲んでお食事したり、海で遊んだり…したかったんだもん」
それはリューティルの心からの願いであった。幼い頃は首都で皇族としての教育を受け、
より環境の整った女子学校に通学することになった。
それに伴って学校からほど近い場所にあったマイステン家の屋敷に寄宿する事となったリューティル。
首都の堅苦しい生活から開放され、羽を伸ばしたい気持ちは、キルシェでも理解できた。
「………明日、屋敷に帰ります…だからティニーやアリアをリーフェイとセイヴィアを許して…」
キルシェの胸に顔を疼くめ、搾り出すような声でリューティルは言った。
そのまま、しばらく、気まずい沈黙が流れた。その沈黙を破るように声を発したのはキルシェだった。
「………わ、わかりました。私も少々、考えが足りなかったようです…よ、夜の店もいいでしょう。
姫様の御学友の事もありますし……宿のイツファさんも姫様の宿泊を歓迎されているご様子です……」
「キルシェ…」
「た、ただし条件があります。私も同行します、案内はイツファさんが申し出てくれている子息に」
「…あ…あるがとう…ありがとう、キルシェ」
リューティルは涙を拭って、再びキルシェの胸に顔を疼くめた。
そんな様子を見ていたルーフェイはセイヴィアに視線で合図して、言った。
「では私達は罰として、ここに残ります。主様はキルシェさんがいれば何も問題はないと思いますし」
「なッ!?」
「いいの、リーフェイ?セイヴィアも」
「はい、お二人で楽しんでいらしてください。僕達は宿で帰りを待ちます」
二人の護衛の粋な計らいであった。




71:名無しさん@ピンキー
10/09/04 22:40:17 W6k3QUzI
キルシェはヘスタトールに立ち位置が似てると思ったら息子か!
今回の姫様のお相手はキルシェなのかな

話題を逸らすのが上手いワーウルフのメイドとか、お子ちゃまを誘惑する有翼人のお姉さんとか
色々な種族が出て来て気になるな
でも一番気になるのはクラーケンの足を採ってくる漁師さんだな
どんだけ戦闘能力高いんだろう

72:名無しさん@ピンキー
10/09/04 23:33:56 bAZWUNWV
>>71

作者の補足

有翼人のお姉さんは
覇王の娘~の勇者軍にいた幼女です。

クラーケン…確かに
タイ○ンの戦いにでてきたクラーケンは無理ですね。
この世界のクラーケンは現代のイカぐらいの設定にしときます。

73:名無しさん@ピンキー
10/09/05 12:51:25 cuhbtu45
クラーケンの幼子だったとか

74:名無しさん@ピンキー
10/09/05 18:29:01 GTZrsliS
>>73
その考えはなかった。

また長くなるけど
次でエロ本番にします。

75:名無しさん@ピンキー
10/09/08 14:34:24 A94NAaQN
せめてもう少し纏まってから投下してくれねーかな・・・
ダラダラ細切れ投下されても困るんだが

76:名無しさん@ピンキー
10/09/08 22:40:47 WGh5g/N7

181 :名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 21:45:26 ID:o/LQkBPy
経験がないときは綿密な取材が代わりになるよ!
このスレが唯一の取材の場なこともあるんだから、取材の邪魔はしないでスルーすればいいのに

ところで
どうしよう、俺の行ってるスレ、過疎でほとんど発言する奴いないんだが、
近頃書き手に対する暴言を吐く奴がいる…。
一週間間隔で2回落としただけで細切れ投下されても困るとか…
書き手だって、あんまりスレが寂しいから間隔あけて投下が続くようにしてるのかもしれないのに
俺が楽しみにしてた話なだけにがっかりする
ここで書き手擁護しても更に荒れるだけだし、だんまりを決め込むしかないのかな?

そのスレに投下する予定のSS書いてるんだが、投下する勇気が折れたw
そろそろ自サイトでも検討するか
…って見てるだけの(読み手としてGJはしてるよ!)俺がこんなに凹むってことは、そいつ荒らしかな?

182 :名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 21:51:03 ID:sHD5k3ey
2・3レスの超短い話をぽつぽつ落としてるなら纏めて書け、細切れ乙と言われても仕方ない。
逆に7レス以上とかのそこそこ量がある投下なら何も悪いことではない。

77:名無しさん@ピンキー
10/09/09 18:40:09 6icgvmKO
どうでもいいが、お姫様がドレスの裾を乱してハアハア言う話が読みたいお(´・ω・`)

78:名無しさん@ピンキー
10/09/10 10:35:26 CVxmOlUE
>>77
走らせりゃいいんだな?

79:名無しさん@ピンキー
10/09/10 17:20:22 SHyLsa2B
>>78
ちょw
まあ、それでもいい。

80:名無しさん@ピンキー
10/09/11 22:18:22 boo3iOpL
覇王の孫娘
リューティル×キルシェ
エロ本番




「あれ、キルシェさんも来てたの」
宿の一階に下りるとカウンター越しに見慣れた顔の少女がこちらを見て声を上げた。
リューティルと同年代の少女で名前をエッジというワーキャットの少女だ。
ただその肌は褐色に日焼けしており、いかにも海の男ならぬ女の子。
ワーキャットのトレードマークである耳をピンッと立てて腕を組んだ。
「母ちゃんからは聞いてなかったけどなぁ?おーい、リーチェ、名簿」
少女がカウンターの奥に声を掛けると、名簿を抱えた女の子がやってきた。
こちらはエッジの妹のリーチェルだ。
「めいぼ、めいぼ、はい、エッジ姉ちゃん」
「よーし、んでキルシェさんは宿泊する?つーか、するよね?
こんな時間だし。朝御飯付きにしとく?リュティと合わせて4名にしとけば割引で安くなるし。
リュティ達の宿泊期間はあと2日になってるけど、合わせるとさらに安くなってお得だよ?」
「あ…ああ、任せる」
エッジは『毎度ありがとうございます』と営業スマイルで名簿にチェックしていく。
元々素質があるのか、なかなかに商売上手な少女であった。
「部屋はリュティと同部屋で決定ね。そこしか開いてないし。後は他のお付きの人と相談して」
矢継ぎ早に言って、少女は名簿を閉じた。
「ちょっと待て…姫様と同室などと、セイヴィアと同室にしてく―――」
その言葉を遮ってエッジは言った。
「だから、問題があるんだったらお付きの人と部屋を交換すればいいだろ?
頭固いよキルシェさん、それくらいの事でこっちは何も言わないから安心しな」
「し、しかしだな―」
さすがのキルシェも物怖じしないエッジには言い返すことができない。
「それでいいよ。エッジ、出店の案内よろしくね」
リューティルが間に入ってようやく話がついた。
「りょーかい。バイト料分はきっちり働くから任せて。先週から海神の祭りやってるから人が多いしね」
エッジはボナパルトと可愛く刺繍されたエプロンを外すとカウンターをひょいと飛び越し、リュティ達の前に立った。
「では、このボク、エッジ=ボナパルトがお二人の夜のデートの先導をさせていただきま~す」
「だ、誰が…デートだ!私はただ姫様の―――」
真っ赤になって怒鳴るキルシェ。
「はいはい。キルシェもエッジの冗談に突っかからないよーに。ね?」

81:名無しさん@ピンキー
10/09/11 22:19:16 boo3iOpL
夜の大通りは昼間のように人通りが多く、活気づいていた。
祭りの関係だろう。観光客が涼しげな格好をして食事や屋台を楽しんでいる。
「メインストリートは人が多いし、店も落ち着いてみれないから、裏の方がいいんだ。こっち、こっち」
エッジに案内された裏通りは地元の若者達の憩いの場となっていた。
いかつい漁師のおじさん達が野外の酒場で賭け事に興じていたり、軽快な音楽に合わせて
若者達がダンスに興じていたり、表通りとは違った活気があった。
「よォエッジ、随分格好いい兄ちゃん連れてんじゃねぇか。そっちのお嬢ちゃんも」
煙草をくわえた女性が露店から声をかけてきた。
「おばさん、こんばんは。今夜はお客さん連れてきたんだ。
リュティ、ここのアクセサリーは一押しだよ。東洋の珍しい物がたくさんあるよ」
「ほんとだ。首都じゃ見たことないのばっかり」
露店に飾られている耳飾りや装飾品は大陸では見ないモノばかりだ。
キルシェも東洋の短剣や剣に目を向け、その美しい装飾に関心の言葉をあげていた。
「この緑色の耳飾り、可愛いね…お土産にしようかな。あ、こっちのネックレスもいい~♪」
「この剣の刃……大陸の剣より鋭い…実に美しい反りですね。こちらに短剣も…」
「こっちの貝のアクセサリーも変わってるね」
ワイワイと珍しい品物に実に楽しそうな面々であった。
その後、いくつかの夜店や穴場の店などをまわり、
すっかりご満悦のリューティル一行は砂浜が見える野外露店で涼んでいた。

「ボクのお母さんから聞いた話だけど………大戦後、しばらくこの辺りは甲殻を纏った海洋生物がウヨウヨいたらしいんだ。
ほとんど退治したんだけどその亡霊がいまでも時折、出るらしいよ。あ……キルシェさんはこういう話、嫌いだっけ?」
「バカバカしい、亡霊など……姫様、申し訳ありません、その…お手洗いに」
「一人で大丈夫?怖くない?着いていってあげようか?」
リューティルにからかわれて、顔を赤くしたキルシェはぷいっと余所を向いて言った。
「………結構です」
キルシェが店のお手洗いにトボトボと歩いていく。エッジはジュースを飲みながら、ふと言った
「クセェクセェ…リュティから非処女のニオイがするなぁ」
「ぶっ!?い、いきなりだね……エッジ」
「いやぁ~いつまでもお転婆姫と思っていたら…ヤることはヤってるんだねぇ~
うん、うん、ボクは嬉しいよ」
「エッジは好きだね…そういう会話…」
「だっておもしろいじゃん。でさ、でさ、相手はキルシェさんでしょ?どんな感じなの?
大きい?上手いの?お姫様だからリューティル×キルシェなの?それとも逆?」
「ノンノン、秘密でーす。いくらエッジでもそれだけは秘密」
「え~、教えてよ。教えて~」
色恋沙汰が大好きなワーキャットの願いは空しく夜風に消えていった。

82:名無しさん@ピンキー
10/09/11 22:20:18 boo3iOpL

「あ、おじょーさま、お帰りなさいませ」
店番をしていたリーチェが愛想良く挨拶をした。
リューティルは可愛い店番の頭を撫でた。
「ははは、ただいま。その挨拶はイツファさんに教えて貰ったの?」
次に入ってきたのはキルシェ
「お帰りなさーい、パパ♪」
「だ、誰がパパだ。私はただの客だ!それにそんな年齢ではない!
まったく、イツファさんはどういう教育を……ブツブツ」
そして最後にエッジ
「お帰りなさいませ、おじょうーさま?」
「おい、リーチェ…今、疑問系にしただろ?」
ぐいぐいと首を絞めるエッジに軽く挨拶をしてリューティルとキルシェは二階へと上がっていった。

「姫様、部屋割りですが…」
リューティルの宿泊する部屋へと土産や購入した品を置き、キルシェは言った。
「ああ、キルシェと私ね。」
「は?な、何を仰っているのですか!?私とセイヴィアでしょう?」
リューティルの言葉にぎょっとするキルシェ。
「キルシェこそ何言ってるの?あの二人の邪魔をするつもり?たぶん、今、真っ最中だよ?」
「なっ…何を」
「それで、これから私達も。ねぇ、キルシェ……心配して来てくれたんだし、ケンカの後は
いつも燃えるもんね?」
「ひ、姫様、いけませ―――」
あわあわとあわてるキルシェにリューティルは甘い吐息を乗せて言った。
――チュッ――
「私が言ってるんだから、逆らわないの。次に拒否したら反逆罪で処刑だからね」
くすくす笑って、リューティルはキルシェの頬に啄むようなキスを繰り返した。
「なっ…ひ、姫様……」
「いやぁ…キルシュが可愛いいなぁって思って…私のおっぱい…少し大きくなったんだよ?わかる?」
するすると私服の前を開き、下着を晒す。
「そ、そんな……ふしだらな…質問は」
絶対の忠誠の元にリューティルに仕えるキルシェ。だがそう言っても立派な青年だ。
年頃の姫の肌に情欲の念を抱かぬわけではない。

83:名無しさん@ピンキー
10/09/11 22:21:05 boo3iOpL
「ふふん…でも、ここは正直なんだよね」
リューティルの手がキルシェのアソコをズボンの上からぐにゅっと触った。
「あっぐぅ!ひ、姫様…わ、私は仕える身です。主君と交わるなど、それは許されないことです」
「そうかな?兄様が立太子されて父様の跡を継ぐから、私は比較的自由なんだよ。
それに今更でしょ、毎回その台詞言ってるよね?…聞き飽きちゃったよ。
大丈夫、もしキルシェとの間に赤ちゃんできても皆、祝福してくれるって」
「そんなワケないでしょう!大問題ですよ!」
「また、そんな事言って…私が純血を捧げた相手なんだから、観念しなさい。」
「た、確かに…それは光栄ですが……わ、私は」
「ふふふ、毎回、そういう反応だからキルシェは頑固って言われるんだよね。
でも、そういう意味での頑固は好きよ」
リューティルはキルシェに身を預け、耳元で囁いた。
「キルシェ…主君として貴方に命じます…私の唇にキスしなさい」
「あ…う…ぎょ、御意」

「ん…ちゅ…あ…」
「はぁ…う……ひ、姫様…うっ」
ベッドに腰掛け、その足元に踞るリューティルをキルシェは直視できずにいた。
己の勃起したペニスを口と手で奉仕する主君を見るだけで思わず射精してしまいそうになる。
必死に目をつぶり、頭中で考えるのは、先日言い争ったメイド連。
ワーウルフは容姿こそ良いがキルシェにとっては性欲の対象外だ。
ティニーやアリアの容姿を浮かべるだけで射精感はなんとか押さえることが出来る。
「キルシェ……私って下手?…いつもにゃかにゃか…らさないひ気持ち良いところ……
んっ…はぁ、責めてる…ちゅ…ちゅもりなんらけど」
「ひ、姫様…く、口に含みながら…うぐっ」
「ふふ…じゃ、喋らないで集中するね…」
リューティルは手で扱きながら、口をすぼめ丹念に吸い、先端を舌で責め続けた。
「あっ…ああっ、ひ、姫様…い、いけません…は、離して」
「ええ~イけないの~♪」
キルシェのペニスがさっきよりも太く熱く、そして太くなっている事をはっきりと感じた
リューティルは袋を手で揉みほぐしながら、裏筋に舌を這わせた。
「あが…だ、ダメです…ひ、姫…さ―――」
「いいよ…らひても…飲んへあひぇる…」
キルシェが天を仰ぎ、腰を引いた。しかし、それは一瞬遅かった。
結果は最悪。リューティルの顔にキルシェの精液がぶちまけられた。
キルシェの白濁液は普段からオナニーしていないのではないかと思うほど濃く、
液と言うよりは糊のような塊がリューティルの顔を汚した。
「ああ…ああ…ひ、姫…姫さ…ま…うっうう」
しかしキルシェは主君の口淫によって口内射精を回避できたと
思いこみ、その達成感に満足しているのか目を閉じ、荒い息をついている。
「あーあ……私の顔、汚されちゃった…髪もカピカピ…酷いなぁ…キルシェ」

84:名無しさん@ピンキー
10/09/11 22:21:40 boo3iOpL

「ん…ひ、姫様…」
「私の顔を汚した罰として、第一皇女の権限でキルシェに私との性交を命じます。異論は?」
「あ、ありません…」
騎乗の姫は口元をフフンと吊り上げ、言った。
リューティルはその血の成せる技か、女性優位なこの体位が好きなようだ。
「ん…よろしい……んっ、あ…は」
リューティルの秘所は充分に潤っており、キルシェの先端部分を簡単に飲み込んだ。
隙間なくキルシェの亀頭に密着する狭い膣口に、「あ…うぐ!」とキルシェはうめき声を出す。
「では!」
リューティルは一瞬の間を置いて、一気に腰を下ろした。
「はぁ……ぐうう!」
ぐちゅっと淫らな粘着音を上げて、キルシェのペニスが完全に飲み込まれた。
「は…あ…ひ、姫…」
ドクン…ドクンと膣内で大きくペニスが震えた。
「ん…あは……キルシェの…おっきい」
「だ・・・だめ…です・・・・」
このままイきたい、わだかまる精子を姫の膣内にぶちまけたいという願望と
いくら迫られたとはいえ、何度も汚すことは避けなければならないという忠誠心。
そんな事を知って知らずか、リューティルは腰を動かし始める。
「あはっ…んっ……気持ちいいよ…キルシェも…素直になって、私のここに忠誠を尽くして」
キルシェの上に座れば、ペニスの先端は膣内を押し上げる。
リューティルはその感触を味わうため先端の部分まで腰を持ち上げ、一気に落とす。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
キルシェも必死になって快楽に抵抗する。
目の前には薄褐色に焼けた四肢と境界線を引いたような真っ白い胴体がある。
リューティルが動くたびに桜色の突起をもつ淡い二つの膨らみぷるんぷるんと揺れ
結合部からはぐちゃぐちゃと卑猥な音が聞える。
「どお?キルシェ、興奮する…海に来ると…んふっ…こういう風に焼けるんだよ?」
「はっ…あぐ…!!」
キルシェは目を瞑り、歯を食いしばって耐える。
しかし身体はもう意志とは無関係に腰が動き、下からリューティルを突き上げる。
「あはっ…はっ…キルシェの身体も素直に…ん…なってきたね」
そう言うとリューティルはベッドの上から立ち上がり、床におりた。
続けてキルシェも立ち上がらせると、リューティルはベッドに両手を着き、お尻をキルシェに突き出した。
「今度は後ろからお願い。思いっきり動いていいて」
「はぁ…はぁ…ひ、姫…様」
キルシェは反りかえりすぎるぺニスをつかみ、リューティルの後ろに立つ。
瑞々しい桃のような尻にもくっきりとした境界線が引かれていた。
「ひ…姫様…の……」
キルシェ早熟な胸にはおとるものの、立派にもりあがった尻肉にたまらない魅力を感じていた
ゴクリと生唾を飲み込む音がはっきりと聞こえた。
「…両陛下………お、お許し…下さい」
キルシェはリューティルの腰をぐっと引き寄せ、ピンクの割れ目に先端を合わせた。
「おいで、キルシェ」

85:名無しさん@ピンキー
10/09/11 22:22:25 boo3iOpL

「あんっ…あはっ…あああっ!」
「うっ…ぐう…んん」
パン生地のように柔らかいリューティルの尻に腰を打ちつけ、キルシェは呻いた。
耳をつくリューティルの嬌声がさらに興奮を高める。
キルシェはリューティルの腰を掴み、下腹部を尻に叩きつける様に激しく動き出した。
「あっああっ!はげし、激しい…キルシェ」
「申し訳ありません。もう止められ―ん、ああっ…ん、ううう」
語尾を強めたキルシェはリューティルの腰を
抱きかかえるように掴むと腰を叩きつけた。
「あううっ!あっあっあ」
ズッズと突かれる度に前のめりになるリューティル。
キルシェは背後からぷるっぷるっとはねまわるリューティルの胸を
撫でるように愛撫し、その乳首を搾乳するように指で扱きあげた。
「あ、やあっ!」
「姫様、姫様…」
キルシェはリューティルの両肩を掴み、そのうなじにむしゃぶりついた。
「はあっ…そこ…私…よわっあん!」
リューティルはベッドに突っ伏すようにして倒れ込んだ。
「さ、最後…ベッドの…ううっ…上で」
リューティルは突き上げられるたびに、ベッドの上へ、上へと押し上げられるように動いた。
「はぁはぁ…んっく…う…うっ!」
ベッドの上に這うようにして動くリューティルの背中に密着し、キルシェは腰を上から尻に叩きつけた。
むにゅむにゅとした柔尻の感触、膣壁が熱いアレで擦られる快感は何物にも代え難く、抗えない。
「も…もうダメです!」
「んっ…いいよ、キルシェ、そのまま…あはっ…あっわ、私…あっはああっ!」
リューティルが先に達し、膣口がキュウウと収縮した。
あまりの締めつけにキルシェはリューテイルを背後から抱き締め、
そのもり上がった尻肉に腰を叩きつけた。
「で、出る!ひ、姫様!」
キルシェが眉間に皺を寄せ、歯を食いしばった。
どぶっという音に続いて堰が決壊したような射精がリューティルの膣内を直撃した。
「あっんっんんんううう熱い、熱いよキルシェのんんんっ!」
圧倒的な放出感に打ち震える腹部。体内に埋め込まれたモノから猛々しく放出される
熱い液体が広がっていく感覚。キルシェが快感に打ち震える顔。
身体に感じる体温がとても心地よかった。
「姫様…姫様…」
ビクンビクンとひきつる腰。キルシェも収縮を繰り返す膣口のヒダにペニスを
絡め取られ、ぐちゅぐちゅと搾り取られる快感は脳がとろけそうなほど甘美だった。
まるでペニスから魂が吸い取られるような極上の快楽。
またリューティルの体内に埋め込んだ分身から淫らな音を立てて放出されるたびに
甘い声を発し、悶える姫の顔はこの上なく美しく、また愛おしかった。
仕える主人を組み敷き、その尻に欲望を叩きつけ、体内に射精した情欲が雄の征服欲を満たしていく。
「はぁ…はあ…はっ…」
しばらくそのままで両者は動けなかった。先に動いたのはキルシェだ。
萎えたペニスをずるっと引き抜き、荒い息をつくリューティルから離れた。
「んっ…あ…」
目の前には淫らな性交を終えた皇女が俯せになっている。
尻の谷間から時折、どろっと逆流してくる白濁液、乱れた髪、身体のいたる所につけられた唇の跡。
「……私のお尻…視姦してるところ…悪いんだけど…タオル濡らして持ってきてくれないかな?」
「は、はい。も、申し訳ありません!」
あわてて部屋を出るキルシェ。それを確認してリューティルは身を起こした。
「……ん…ぅ」
起きあがった反動で膣口から太腿をつたって精液が垂れ落ちた。
「エッチだ……すんごくエッチ…でも生で出してもプリンおばさんの術で
できないようになってるんだよね……キルシェに悪いことしちゃった」

エピローグへ続く

86:名無しさん@ピンキー
10/09/13 07:06:05 1+dIVLmi
>>85
GJ!姫様エロいぜ!
エピローグ楽しみに全裸してます

87:名無しさん@ピンキー
10/09/16 10:17:30 OjKkaocZ
>>85
亀だけどGJです!
キルシェは、強く出てるようでいて、ベッドに入ると受けになっちゃうとこが
パパにそっくりw
やはり、主従と言うより惚れた弱みなんでしょうかね。
エロい上に実は一途な姫様も可愛い。

88:名無しさん@ピンキー
10/09/18 02:07:32 GvQMvxE3
覇王の孫娘
エピローグ






「―――何、またリューティルが?」
「…も、申し訳ございません。皇后陛下」
旧・帝国領の首都にそびえる城の一室で頭を垂れた騎士が恐縮した面持ちで答えた。
「ふむ……困ったものだな」
皇后は「はぁ…」と短いため息をつき、こめかみに手を当てた。
「私がキルシェをお目付役に推挙したのが間違いでした。な、何とお詫びすればよいか…」
その騎士のトレードマークでもある紅い髪がビクビクと震える様は見るからに哀れだ。
「いやいや、キルシェが悪いワケではない。あのじゃじゃ馬がよこす便りには
よく仕えてくれていると毎回のように書かれている……我が娘ながら……人を見る眼は確かだ。
そなたが詫びる必要はない」
「は…で、ですが…」
「今回の件か?」
「は、はい」
皇后は事の詳細が記されている報告書に目を通した。

89:名無しさん@ピンキー
10/09/18 02:08:07 GvQMvxE3
「ふむ……ヘスタプリン…いや、宰相はどう思う?」
側に控えていたダークエルフの女宰相に皇后は意見を求めた。
「ええ、特に問題はないかと思います」
あっけらかんと答える宰相。その言葉に女騎士はがばっと立ち上がって言った。
「な、何を申されますか!宰相殿、わ、私の…い、いえ我が子息が皇女殿下と、そ、その海に
行ったのですよ!他の従者はたったの2人!しかも宿泊した部屋は2部屋と言うではないですか!」
「ええ、だから特に問題はないと思うのですが?キエルヴァ殿、何か問題でもあるというのですか?」
きょとんとした宰相に女騎士はぶるぶると拳を震わせながら言った。
「さ、宰相殿……男女が一つの屋根の下で2日も宿泊を共にしたのですよ!?ま、間違いでもあったら!」
「なるほど。しかし貴女のおっしゃる『間違い』の真相は確かめようがないでしょう?
ご本人に聞くわけにもまいりませんし。もし、借りに貴女のいう『間違い』があったのなら、
一ヶ月くらいすれば皇女様のお腹が大きくなっているでしょうから、それからご子息を咎めればよいのではありませんか?」
「な、何を言っているのですか!そのような事態になれば咎めてどうにもならないではありませんか!?」
女騎士が顔を真っ赤にして反論したが、それを遮るように皇后が神妙な面持ちで静かに言った。
「……その場合は……キルシェに責任をとってもらうか……」
「そ、そんな……ざ、斬首ですか…い、一族郎党だ、断絶ですか…」
皇后の言葉に女騎士は実に悲壮な顔をした。
「いや…そんなつもりはない、責任というのは婚儀の……だが王がな…娘を愛して病まない王が何と言うか…」
皇后は太子を連れ、諸外国を訪問中の王の顔を思い浮かべた。
「ああ、確かにその問題がありました。皇女様がお生まれになった時、『結婚する男は私に剣で勝った者だけ』
とか言ってましたし…もし婚前交渉などの事実があったら…」
「ああ……史上希な……実にくだらん御前試合が開かれそうだな…」
げんなりとして皇后が言った。
「と、とにかく…こ、この事はここにいる陛下と宰相殿、そして私だけの話に…」
「そうですね。お兄様に知られたら、『御迷惑をおかけしました』と書き残して自害しそうですし…
もし、王に知れようものなら全騎士団を率いて、リューティル様が下宿されている屋敷を包囲しそうです」
「ああ、あり得る話だな……はぁ…誰に似たのやら…じゃじゃ馬め」
皇后は再度、深いため息をついた。

90:名無しさん@ピンキー
10/09/18 02:08:34 GvQMvxE3

「で、実際のところどうなのです?」
自室に戻った宰相は一人で呟くように言った。
「はい……宰相様の読み通りです」
壁に掛けてある絵画から聞き慣れた声が聞こえた。
「そうですか…エッジさんには悪いことをしましたね」
「いえ、皇女様と親しいエッジは何も知りません。探りをいれたのは、その下の妹の方ですから」
それには宰相も驚いたようだ。
「そうなのですか」
「ええ。私の血を一番強く引いていると思います。もしかしたら私以上の間者になるかもしれません」
「それは楽しみですね……まぁ、キエルヴァさんのいう『間違い』は杞憂に終わるのですが……
心配事といえばキエルヴァさんの胃に穴が開くか、開かないかぐらいでしょう………
貴女の宿の方は盛況なようですね。よいことです」
「あははは…おかげさまで…息子や娘がよく手伝ってくれますし、旦那の料理も評判で」
「では今回の報酬はこれで……海の宿……いつか私も行ってみたいものです」
「大歓迎ですよ、宰相様……というか、宰相様はまだご結婚はされないのですか?」
「伴侶…となる人はいるのですが…まだ、しばらくは…」
宰相は微笑んで言った。
「はぁ…さいですか。では、私はこれで」
「ええ、御苦労様でした」
気配が去るとシーンと静まりかえった執務室。
ヘスタプリンは椅子にもたれかかると腕を組んだ。
「結婚かぁ……一族の姫というのは大変です」

END


91:名無しさん@ピンキー
10/09/19 08:26:36 1unZKJWR
GJ!!!!

パパは親衛隊で包囲しちゃうのかw
キルシェも弱くはなさそうだけど、かつての勇者様が相手じゃなあ…
いざとなると覇王の孫で勇者の娘の姫様が一番強そう。
なんにしてもみんなが幸せそうで良かった。

92:名無しさん@ピンキー
10/09/19 22:35:56 h3HmSof7
覇王の娘~は一応、これで完結。

ハッピーエンドなオリジナルは久しぶり。
基本的に他人様の設定を借りて書く書き手だったので読んでくれた方には
本当に感謝してます。
どうもありがとうございました。

93:名無しさん@ピンキー
10/09/21 18:37:41 MrVPwlAA
>>92

GJGJ! 完結お疲れ様ー
また機会があれば投下してくだされ

94:名無しさん@ピンキー
10/09/26 00:56:50 0ED3Hv+k
誰か大乱交仮面舞踏会を開いてくれ

95:名無しさん@ピンキー
10/09/26 02:01:09 Badw0Yjg
三日で書き上げるので待っていて下さい

96:名無しさん@ピンキー
10/09/26 03:45:42 /ZwjaDJ4
大乱闘仮面武道会でよけばww

97:名無しさん@ピンキー
10/09/29 00:42:24 TGcTIHa3
>>95期待

98:名無しさん@ピンキー
10/10/02 06:26:23 dMrGcUin
そろそろ?

99:名無しさん@ピンキー
10/10/04 00:07:52 YLimVQzg
やっぱりお姫様は縦巻きロールだよ
縦ロールの束を引っ張られながら犯されている所が見たい

猫みたいな顔立ちで三白顔のお姫様がいい

100:名無しさん@ピンキー
10/10/04 18:52:07 Xuj7Njkt
[姫君と見習い魔術師]の人はもう2chにはいないのかな


101:名無しさん@ピンキー
10/10/09 05:10:33 eh77ePnG
犬の人も他スレでも書いてないぽいya

102:名無しさん@ピンキー
10/10/10 00:25:38 1P6n8yR5
そういう拘りが、反発を呼んだんだろーよ

103:名無しさん@ピンキー
10/10/10 14:12:31 i2ZvovYR
特定の職人に付き纏うのは迷惑行為じゃね

104:名無しさん@ピンキー
10/10/12 23:15:44 WR+sCLLV
保守

105:名無しさん@ピンキー
10/10/15 14:25:14 pwR6lG4a
保守保守保守保守保守ほh

106:名無しさん@ピンキー
10/10/22 22:35:33 UiPaU01q
保守

107:名無しさん@ピンキー
10/10/23 11:31:04 LP08P3wc
姫様の設定とかあったら何か書いてみたい。

108:名無しさん@ピンキー
10/10/23 19:31:44 32QwfXnF
リクエストを募るって事か?

109:名無しさん@ピンキー
10/10/23 19:50:25 nMA4wJke
んじゃ、今までこのスレになかった方向性のお姫様で

110:名無しさん@ピンキー
10/10/23 23:59:26 LR0tjB1l
武闘派な姫はいたかな?

111:名無しさん@ピンキー
10/10/24 11:45:03 grsJWS4t
ネットで知り合った外国人男性と
いい仲になった少女。
彼は実は某国の王子だったという玉の輿姫。


112:名無しさん@ピンキー
10/10/24 22:39:00 0sisST0Z
それは姫じゃないだろ

113:名無しさん@ピンキー
10/10/25 13:36:22 AxZZnLdg
シーランド並の小国の姫だったんだよ!


114:名無しさん@ピンキー
10/10/25 14:03:22 vkOQCiuz
むしろ王子のビジュアルが…
北の某国の後継者を想像してしまった。

115:名無しさん@ピンキー
10/10/25 17:18:45 xyrfwX20
>>114
後継者の方は知らんが、脱落したまさおの方ならありえなくもない

116:名無しさん@ピンキー
10/10/26 04:21:52 xvCQm7Nd
極悪独裁者の後継者である一人娘と、民衆のためにクーデターを企む青年将校の純愛で

117:名無しさん@ピンキー
10/10/26 07:01:23 /9LCizf4
姫×女騎士みたいなのって需要あります?
OKなら書いてみます

118:名無しさん@ピンキー
10/10/26 07:47:22 HzUpDa92
百合オッケーかってこと? 特に問題ないと思うよ
どうしても不安なら、百合スレに投下してから、こっちでも教えてください

119:名無しさん@ピンキー
10/10/26 15:34:01 8/2e2GcO
女騎士を愛している姫にペニスが生えて犯すヤツ何かの漫画にあったな。
姫が魔王で犯すと魔族化(頭に角が生える程度)
するという当時にしてみれば斬新な漫画だった気がする。

120:名無しさん@ピンキー
10/10/26 22:19:59 11zua5VX
>>116
何それ萌える

121:107
10/10/27 00:35:55 uequ/3W6
>>116
この設定で書かせて下さい。厳密にいうと1人娘ではなくなりますが、…

>>覇王の娘作者様
申し訳ないんですが、
自分が考えている世界観にぴったりなので
設定をお借りしたいのですが構いませんか?

122:名無しさん@ピンキー
10/10/27 11:29:31 JP2jCZ5F
そろそろ潮時なんかな

123:名無しさん@ピンキー
10/10/27 11:30:31 JP2jCZ5F
てーかさ
考えている世界観なんてものがあるのなら
別に他人から借りなくてもいいよな
いいよな

124:名無しさん@ピンキー
10/10/27 11:40:34 YwVSNUdj
二次創作がしたいってこと?

125:名無しさん@ピンキー
10/10/27 15:16:35 rYByqm+9
>>121さん
覇王の娘~の作者です。
自分はこのスレが活性化して楽しんでいただければ
いいと思っていますので世界観設定に関してはどうぞ。
他の方が書かれる自分の作品は楽しみです。


126:名無しさん@ピンキー
10/10/29 01:24:14 EWqbgvbD
期待してます

127:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:12:53 CpOneQy7
>>107で書いた者です。
前編が出来ましたので投下します。







かつて大陸を支配した王も、元を正せば大陸南部を拠点とした小国の君主であった。
軍馬に跨り、戦場を駆ける君主に常に付き従う者が二人いた。
一人は後に君主の妻となる女騎士。
もう一人は軍師として仕える、青年。
幼い頃より共に笑い、泣き、苦楽を共に過ごした親友であった。
やがて君主は大陸を平定し、強大な帝国を築く。
女騎士を正妻として迎え、軍師として仕えた青年も妻を迎えた。
帝国は益々、栄えるはずだった。しかし、君主は全ての頂点に立つ者として
『大陸に平穏を保たねばならない、再び戦乱の世に戻してはならない』という思いがあった。
いつの頃からか……誰かがこの座を奪うのではないか?…と君主は人の心を疑うようになった。
今、この座を奪われては、再び大陸は戦乱の世に戻ってしまう…と人の心を疑う思いが日に日に強くなっていった。
そして王の心が闇に閉ざされるきっかけを作ったのは皮肉にも、王の世継ぎが誕生した日だった。
側室を持たなかった王には待望の世継ぎであったが、生まれたのは元気な女の子であった。
さらに王妃の産後の容態が思わしくなく、そのまま帰らぬ人となってしまった。
幼い赤ん坊を前に王は、一つの結論に辿り着く。

疑わしき者は全て消さなければならない。

そして謀反を疑われた者は全て処刑された。その中には無実の罪を問われた者の少なくはなかった。
あまりに度が過ぎた粛清に対して、かつて軍師は君主に諫言した。
しかし、もはや疑心暗鬼の塊と化していた君主はその軍師を筆頭にその一族郎党を全て処刑してしまった。
王は自ら親友を処刑した事で自責の念に駆られたのか、ようやく冷静さを取り戻したが既に時は遅く
王は臣下、万民から『魔王』と呼ばれ、恐怖の対象となると共に多くの怨恨を背負った。

128:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:14:01 CpOneQy7

「……有能な将校さんはこんないい部屋で寝泊まりできるのね」
朝の日差しが差しこむ部屋で若い女性がくるまったシーツから顔を出した。
「ははは、何度修理しても雨漏りする兵舎が懐かしいよ」
「贔屓だわ。とっても贔屓。同じ王に仕える身なのに」
「ルナは近衛騎兵団の副長だからね、俺とは武勲の数が違うのさ……」
既にベッドから出て、制服を身につけた青年騎士が水差しと2つのグラスを持って来た。
「……気兼ねなくシャワーが浴びられる貴方が羨ましいわ」
ルナと呼ばれた女性が半身を起こしてグラスを受け取る。
群青色の髪に赤い瞳が印象的な女性だ。何気なしに水を飲んでいるだけなのに不思議と見とれてしまう。
「私なんて身体を拭くのがやっとなのに……ん?…やだ」
青年の視線に気付いたルナはシーツから覗いている乳を隠し、顔を赤らめた。
「あ、ごめん……そんなつもりじゃなかったんだけど」
「もう……」
近頃は帝国内外で兵士の行き来が激しい。
その理由は帝国に反旗を翻す部族や小国によって帝国領内の街道が寸断され、物品の流通に支障が出ているからだ。
特に貴重な真水や塩などの供給がここ数日、滞っている。先に大規模な暴動が街道で起こったためだ。
さらに国境外の少数民族及び、森林地帯のエルフ、地下探鉱のドワーフ達が同盟を組み、着々と軍備を進めているという。
また帝国内でも一部の者達がその同盟組織と内通しているという噂がある。果ては王の暗殺まで画策しているとか、ないとか…
「なら前線の部隊に転属するかい?ルーナンティ=エレオノーレ君。
我が第1騎兵団は君を歓迎するよ。毎日、乾燥豆のスープに塩漬け肉と水割り酒のフルコースで」
水を飲み干した女性は軽く笑って
「遠慮しておくわ。キース=フィリップマン第一騎兵団長…………もう行くの?」
「ああ、朝議の時間だからね。シャワーは自由に使うといい。じゃ、また後で」
「ありがとう、いってらっしゃい」


「失礼致します。お呼びでしょうか」
「………入れ」
城内に設けられている塔の中で、最も高い塔の一室
城下が一望できる部屋の主にルーナンティは低い声で入室を告げた。
「ルーナンティ=エレオノーレ近衛騎兵副団長であります」
「………近くに寄れ」
暗い室内で椅子に座す男の声にルーナンティはゆっくりと歩み寄った。
「ここ最近、お前に命じた任務の報告書に同じ文字が記されている」
「い、いえ…そのような事は―――あっ」
男はいきなりルーナンティの尻に指を食い込ませた。

129:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:14:58 CpOneQy7
「事細かに記されているが……要は『成果なし』と言うことだ。これが何を意味するか、わかるか?」
「じ…事実を述べているだけです…わ、私は――んっ…く」
男の指がさらに下部に伸び、ぐっと上へ突き上げた。
「フィリップマン…とか言ったか…あの男は有能すぎるのだ。それに人徳もあるとあれば計画とやらに携わっているかもしれん。
風の噂では……私を暗殺する計画というではないか。お前をあの男へ近づけたのは、
暗殺計画に関わっているであろう者共を調べ上げるためだ。
それを命じて4ヶ月も経つ…それほど時間がかかっておるのには、他にワケがあるのではないか?
男と女……床を共にする中では寝物語に何を囁いているかわからんからな?特にお前は」
男がルーナンティの眼を射抜くように睨んだ。
「わ、私は……あの者にそのような感情は……んっ…は」
男の手がさらにルーナンティを弄(まさぐ)る。
「我が血を分けた娘で無ければその首をとうに刎ねているところだ。あの男の下で股を開くだけがお前の任務か?」
「……断じて…そんな…心構えではありません…」
「お前の身体には母親と同じように淫らな血が流れているのだ。男を狂わせるセイレーンの血がな。
その能力(チカラ)を使ってもこの程度とは……」
男は報告書の束をルーナンティへと投げつけた。宙を舞う紙の中でルーナンテイは静かに言った。
「…母は貴女を愛していたと………ち、父上」
ルーナンティは目を閉じ、震える声で答えた。
「何だ、それは?」
しかし、男は殺気を帯びた声で答えた。
「―――し、失礼しました。陛下」
「お前の存在は、私しか知らん。この世で私の血を正統に受け継いでいるのは第一皇女のみ」
「………はい」
「あと一週間の猶予を与えてやろう……その汚れた雌犬の身体をもって、忠誠を示せ。
もしも、あの男が計画にたずさわっていたとしても…あの男だけは生かしてやる。
舌を抜いて生かせておけば裏切りの憎悪の矛先は全てあの男に。お前もその方が楽しめるだろう?」
「……し、承知致しました。計画の首謀者、必ずや……」
「その言葉、努々、忘れるな……」

130:名無しさん@ピンキー
10/11/01 00:16:16 CpOneQy7

「………」
数日後、首都の郊外の娼館がひしめき合う地区をキースは歩いていた。
「ねぇん、騎士さまぁん、お願い、私を買ってくれないかい?」
一人の街娼が腕を絡ませてきた。大きく開いた胸元を見せつけるよう言った。
「ああ……そうだな」
「ふふふ…『料金は』?」
「『それ相応で』………ハンナ、集まっているか?」
「そこの角の酒場よ。あと1時間は巡回の兵士が来ないわ」
娼婦はボソとキースに呟くようにいうとさっと路地へと入った。
酒場のドアを3回叩き、さらに3回叩く。するとドアが開いた。
「遅いぞ、キース。お前が最後だ。皆、揃っている」
ドアを開いたのはルーナンティの上司である近衛騎士団長のハリーだった。
酒場に入ると帝国の名だたる将校と同盟組織の代表が集結していた。
「遠路痛み入る、この計画の責任者、キース=フィリップマンだ」
「前置きはけっこうです。時間が惜しい、本題に入って下さい」
どこかの少数民族の族長だろうか?どこか気品がある。
美しい青い髪に尖った耳、エルフの女性だ。
「決行はこれより7日後の半月の夜だ。抜け道に精通しているというのは君か?」
キースの視線が一人の男性に向けられた。
「ああ。とある縁でラズライト公に協力している者だ。あんた達よりあの城の構造を知り尽くしている自信はある」
男がテーブルに置いた詳細な城内地図を指し、言った。
「ここに兵舎がある。奥から2番目兵舎の屋根は新築でもしていなければ今も雨漏りがしている。
そして側溝を流れる水は地下水路に流れず、逆流して兵舎の床を水浸しにする…違うかい?」
「……君の素性に興味があるな。正解だ、王を討つメンバーに君が入っている事は心強い」
「王を討つメンバーは申し分ないが…皇女を討つメンバーの編成はどうする。
聞けば、あの王の力を受け継いでいるらしいではないか、生かしておくのは危険だ」
ドワーフの男が言った。これには近衛騎兵団長のハリーが答えた。
「そうしたいのは山々だが、皇女の部屋まで距離がありすぎる。我等、近衛隊の者でさえ
ここには近づけん。皇女直属の者達がガードしている。ここは確実に王のみに的を絞りたい。
王が死ねば、この強大な帝国をまとめ上げることはいくら皇女とて容易ではないだろう?
皇女を討つのは、盟約通りに各部族の代表で議会制を敷き、帝国から自由を取り戻してからでも遅くはない」
「帝国の残党をまとめる事は容易ではない…確かに、あなた方をみていれば納得がいきます」
先のエルフの女性が言った。
「そういう事だ。あとは―――」
そして最後の会合が終わり、メンバーは別々に散っていった。
残ったのはキースと近衛騎兵団のハリーだけだ。
「いよいよだな……」
「………ああ」


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch