11/02/01 19:04:04 i3X+cYhS
腹パンサイトに海外からの書き込みって結構あるもんだな
501:名無しさん@ピンキー
11/02/02 13:42:32 5REu8SR1
>>499
続きに期待させられる
502:鉄仮面
11/02/03 10:41:08 jON55hCQ
501さん先日499まで書き込みした者ですがかなり忙しくてまた暇な時に続き書きます。
503:名無しさん@ピンキー
11/02/03 11:13:44 NQPaT6BQ
ゼントラーディ美女士官のクランクラン大尉のどてっ腹に
VF-25のピンポイントバリアー付きパンチage
504:名無しさん@ピンキー
11/02/03 13:25:28 KTSt/cj1
>>502
自分のペースで、ゆっくりでいいのよ
505:名無しさん@ピンキー
11/02/05 01:31:33 FK0I7qBl
ニコ生のカラテガール試写会、イギリスの大男に主演の子がみぞおち入れられて苦しむNGが、
スタッフロールでチラッと映ってなかったか
506:名無しさん@ピンキー
11/02/05 02:48:50 i3XdQnSV
久しぶりに、一本投下してみようかな
妄想爆発で、結構ハードな感じになっております。
拙い点が多かろうと思いますが、それもひっくるめてネタとして。
【内容】最近謎の悪夢を頻繁にみるヒロインの話。
507:名無しさん@ピンキー
11/02/05 02:51:10 i3XdQnSV
目を開けるまでもなく、体全体を覆う感覚や空気を察し、稔(みのり)は絶望した。
この感覚には無論、覚えがある。
去年の終わりから突然始まり、それから幾度と無く襲われたこの感覚は、まさに文字通りの、悪夢だ。
「・・・・しばらくは、無かったのに・・・どうして・・・っ!」
心の隅にのこる僅かな希望をたよりに、恐る恐る目を開ける。
が、其処に広がったのはその希望を容赦なく滅ぼす、心の大半を占めていた予想通りの風景そのものだった。
人工的に作られたと思しき壁。同じく無機質な天井。うっすらと全景を鏡のように映す床。どれもが灰色一色で、不安を駆り立てる。
真四角、正方形の壁や床に囲まれたこの部屋には、少女以外の生物や物は存在せず
稔は部屋の中心部で、制服姿のまま仰向けの形で横たわっていた。
実に2週間ぶりの『悪夢』であった。
508:名無しさん@ピンキー
11/02/05 02:56:51 i3XdQnSV
今年の春、はれて高校生となった少女の名前は、厳島稔(いつくしま みのり)。
AO入試で無事進学を果たし、受験真っ只中の同級生とは違い、悠々とした中学最後の数ヶ月を過ごしていた。
友人に頼まれれば受験勉強を積極的に手伝い協力し、部活の空手にも精を上げて取り組み、友好関係も順調だった。
もちろん、本人の性格がいいためもある。穏やかな容姿とあいまって、のほほんとした、という風がぴたりと当てはまる笑顔は、クラスの人気の的だ。
また、人気に拍車をかけている抜群のプロポーションも、同級生の男子達の注目の的から外れたことが無い。
幼い笑顔を残しながら、体つきはもはや立派な大人のそれと大差なく、将来はどれほどの器量良しになるのかと、本人のいないところでは男子達の話の種になっている。
容姿端麗、運動神経良好、性格良し・・・
非の打ち所が無いほどに、彼女は恵まれていた。
だからこそ、今この事態は、彼女にとってはまさに晴天の霹靂ともいうべき事態であった。
非のないはずの彼女がなぜ、こんな地獄のような仕打ちをうけることになったのか。
「・・・・・・っ!!」
飛び起きるようにして、その場に立ち上がる稔。
一面灰色で染まる、生活感など皆無のこの部屋で、唯一色の異なる場所がある。
起きた前方の壁の中央に、濃い灰色をした長方形の壁がある。
最初にこの悪夢に遭遇した際には気がつかなかったが、すぐにそれが壁ではなく、扉だと気がついた。
そして二度目の捜索で明らかになったことは、このドアの向こうには、まず目の前に廊下が左右に伸び、似たような扉がならび・・・
稔はそれ以降の探索をまだしていないが、ひとまず、広大な施設内部の一角であることが窺い知ることが出来た。
そして今まさに、そのドアの向こうから既に何者かが近づいていることも、頭脳明晰な彼女の経験上、明らかであった。
509:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:00:19 i3XdQnSV
この部屋に他に逃げ場はない。隠れられない。敵はおそらく今までの経験上、右側からやってくる。
左側は誰もいない、否、きていないはずである。
「・・・迷うな、稔!今日こそは、絶対に脱出してやるんだから・・・っ!」
両手でパンと頬をたたいて己を鼓舞する。
失敗すれば、この悪夢の真の恐怖と鉢合わせすることになるのだから無理も無い。
迷わず、全力で扉へとはしる。扉は部屋からみて引き戸となっている。
稔はドアノブに手をかけ、勢いよく引っ張った。
瞬間目に映った景色は幸い、以前見た記憶のままの、無機質な灰色の壁である。
大人が3人ほど並んで歩ける程度の幅で、記憶をたどると、この先両サイドに遠くまでこの直線の通路が
続いているはずである。そして、自分の恐れる存在は、確か右側からやってくるのだ。
無論左側へと走ることに異論はないが、どれほど後ろから敵が近づいてくるのかを確認する必要は大いにある。
一歩通路に踏み出し、迷わず右側を確認し――
「―――あっ・・・――」
それはすぐ、目の前に立っていた。
異様なその姿は、忘れようとも忘れられない、恐怖を具象化したかのようだった。
一言で言えば、大人の男の影そのものである。黒いマネキンのような姿で
大きさは稔とくらべ頭2つほど飛びぬけている。黒く隆起したその体は、シルエットだけでもその逞しさがみてとれる。
無駄の無い筋肉が無機質なライトに照らされて、つやつやと光沢を放っている。
しかしその輝きは、人の筋肉に最低限は備わっているような柔らかさは感じられず
もはやそれはれっきとした、人工物特有の「硬度」を持った塊である。
510:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:03:06 i3XdQnSV
「あ・・・・あ、あぁ・・・・っ!!!」
恐怖の記憶が、瞬時に稔の頭をよぎる。
そしてそれを助長するかのように、ゆっくりと、その影の左手が伸び、稔の肩を掴もうとする。
「い・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
青ざめ怯えきった顔で、全力で手を払いのけ、後ろへ逃げようとする。
が、払われた手がすぐに伸び、後ろから稔の左肩を掴む。
力強くつかまれた肩が、ミシリと悲鳴をあげ、ついで稔の口からも悲痛な声があがる。
「いやっ・・・は、なしてっ!いやぁぁっ・・・!!」
痛みに体をよじりながらも必死で手を振り払い逃げようとするが、しっかりとつかんで話さない影の手は
逆に稔を引っ張る。大男に手加減無く引っ張られてしまっては、いくら空手で鍛えたとはいえ
少女の力ではとても逆らうことなど出来なかった。
大きく体がぐらつき、足をもつらせ、背中から転倒しそうになるのを寸でのところでこらえる稔。
だがそれは、稔だけの力ではなかった。
「あっ・・・!!」
倒れかけた少女の右腕を、影の左手がしっかりと掴んでいた。
二の腕あたりを強く握られたが、今や少女の頭はそれを痛みとして処理できるほどの余裕がなかった。
ぐらつき全身から力が抜けている少女の体に照準を合わせた、影の強力無比な右拳が
硬く握られていたからだ。
それをみた少女はその瞬間、未だに僅かに抱いていた希望を、完全に手放した
511:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:06:11 i3XdQnSV
ドボォォッッ!!!
「!!?げふぅぅっ!!!」
大の男の、手加減を抜きにした全力のアッパーが、少女の腹部の中心に突き刺さった。
ずっぽりと拳が柔肉にめり込み、制服の皺が一気に一点に収束する様は
とてつもない威力を物語るには十分であった。半分以上も拳を埋め込んだ体が、ふわりと宙にうき
まっすぐに伸びた足がビクビクと痙攣を起こす。
頬を膨らませたのもつかの間、あふれた唾液をごばぁっと吐き出す稔の瞳は、きゅっと点になるまで小さくなって
焦点の合わない瞳でどこかを凝視していた。
「うえぇぇっ・・げふ・・うぐうぅぅっ!」
少女の体は、腹部に深々とめり込んだ拳と、衝突の瞬間に勢いよくひかれた男の左腕の2点で支えられていた。
ぐっと引っ張られたのと同時に拳が直撃したので、通常ならば内臓破裂もありえるほどの衝撃であった。
痙攣はなおも続き、瞬時に呼吸困難に陥った少女は、ただ唾液と胃液をぼたぼたと垂らしながら
拳が早く引かれる事を願う以外なかった。
存分に内臓の感触を味わったとでも言うのか、突如稔を支える手を離し
影は一歩二歩と距離をはなす。
痛みが頭の中を支配している少女は、そのままの体制で無様に地面におとされた。
が、衝突の痛みなどまるで感じていないのか、起き上がれず、ただ体をまるめて腹をいたわるしかなかった。
「ふっ・・ぐふぇ、・・・げほっ、けほ・・・おぇ・・」
ただし、影が身を一旦引いたのは、少女の苦しむ姿を堪能するわけでもなく
ましてや今の一撃は、影にとっては何も始まってさえもいなかった。
あくまで、暴れる少女を黙らせ、動かなくさせるためだった。
512:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:10:19 i3XdQnSV
大きく両腕を広げ、上を仰ぎ見る影。
と、体全体がゆがむように変化し、巨大な黒い影が周辺を支配する。苦しむ少女を影が覆い隠す。
それは異様以外の何者でもない。長い通路の中心を、真っ黒な闇が包んだ。
「はぁ・・・はぁ・・・は――ああぁっ!!」
涙目でもだえる稔の髪を、闇の中で何者かが掴んでもちあげた。
頭に突き刺さるような痛みがはしり、反射的に両手を頭へと移した稔。
それをその影は待っていた。
ボグウッ!!
「ぐえぇ!?」
稔の腹の中央が、暗闇の中でべコンと大きくへこんだ。
稔の目には真っ暗な闇しかみえず、ピンと前へ突き出した手はおろか、腕や肩さえもみることはできない。
しかし感触からして、また殴られたと思って間違いなかった。
先ほどとは違ってすぐに拳を引き抜かれ、くの字に曲がった体が垂直にもどるが、さらに追撃が放たれる。
ドズンッ!!ボムッ!!ドポッドプッ!!ズドォォッ!!
「ぎゃふぅ!・・おうぐ、おぇ・・・げふっ!うぐぅっ!!・・・がっはぁぁっ!!!」
次から次へと腹部に手加減無しのボディブローが放たれる。
臍、下腹部、肝臓と胃、そして鳩尾と、執拗に拳を叩き込む影。
ピンポイントに人体の急所を責め、通常の人間ならば、一撃一撃が意識を
吹き飛ばすのにふさわしい威力を秘めているのにそれでも稔の意識は残ったままだった。
前後左右に体をゆさぶられ、腹に拳を叩き込まれ、もはや死んだとしても
おかしくはないほどの連撃を受けているのにもかかわらず、である。
ズムッ!!・・・グリュゥ・・・ミチ・・・メリィ・・・・
「うげえぇぇ!・・・あっ、が・・・ふぇぇ・・っ!!」
髪を掴まれて身動きが取れない稔に対し、執拗な腹責めは苛烈を極める。
今度はすぐには引き抜かず、捻り、めり込ませ、さらに捻るという非道な責めがおこなわれた。
すでに腹部は赤くそまり、限界が近づいている。
513:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:15:03 i3XdQnSV
「ぁ・・・あぅっ!・・・・・ご・・おぇ・・・うぶっ!!」
今まで耐えてこれたことが奇跡に近かったのだがここで初めて、彼女の胃袋が限界をむかえた。
大きく目を見開く少女の、頬を膨らませ耐えるというわずかばかりの抵抗も
いともたやすく影の無慈悲な責めにねじ伏せられることになった。
「おげえぇぇえぇえっ!!!げおぉぉおぉっ!!」
びしゃびしゃと勢いよく胃の中の内容物をぶちまける稔。
もっとも、胃の中には何も無かったので、でるのは黄色みがかった液体、胃液のみだった。
だがそれは立派な嘔吐だった。
影はそれをきっかけとしたかはなぞだが、最後に一回り力強くぐりゅっと拳を捻ってから
ようやく腹から拳をぬき、少女を開放した。
どさりと落ちた少女の体には、もはや力を入れるだけの意志さえも残されていなかった。
「はあ・・・あう・・・ご、おぇ・・げぼっ・・・」
膝を着き腹を両腕でかばうようにだいて、頭に吐瀉物が付くのも構わず頭を地に付け
びくびくと震えながら悶絶する。もはや腹部にたまったダメージは、壊滅的であった。
だが、影は少女に一時の休憩を与えただけに過ぎなかった。
再び少女の肩を掴み、立つように持ち上げる。
足に力など入らなかったが、強引に立たされた形となった少女は、空ろな目で前をみる。
広がるのは闇ばかりで、いつ、どんな攻撃がされるのかなどまるで検討もつかない。
いまさら何をしようとも焼け石に水。そうは理解していても、反射的に腕が腹をかばうように動く。
右腕を掲げるように立たされ、左腕で痛々しく紅く痕が残る腹部をおさえる。
だが――
514:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:25:29 i3XdQnSV
ドガァッ!!
「いぎッ!がぁぁぁぁっ!!!」
突然、あごに走った衝撃。思いっきりあごを突き上げられたのだ。
それが拳によるものか膝かは分からないが、顎を全力でカチあげられ、瞬時に意識が暗転しかけた。
そのまま真上に浮かび、あとは重力に従い背中から地面に落ちるだけだった。
ところが、まだ体が垂直の状態を維持している最中、またしても腹部に重い一撃が放たれる。
ドボンッ!!
「げうっ!!?」
一瞬で体がくの字にまがり、今度は後ろにそのままの体勢で飛ばされる。
ドガァッ!!
しかし飛ばされた先で、強烈な膝蹴りが背中を強かに迎え撃った。
背骨を強打し、ゴギンと耳をふさぎたくなるような音が響く。
「あぁぁあっ!!?」
体をのけぞらせて呻く少女に対し、容赦ない暴力は続く。
腹を突き出すように反らした上体で前へ倒れる、少女のがら空きの腹に
再び重いアッパーが突き刺さる。真上へと突き上げられ、体をへの字に曲げて軽々と浮かされる。
どぶんッ!!
「ごぷッ・・・!!」
さらに影は左右のアッパーを立て続けに繰り出し、稔の体を地面に着かせない様に
何度も何度も少女を宙へ突き上げた。
重力に従い、そして暴虐にさらされるという連鎖のなか
稔は何度も口から胃液をぶちまけることになる。
ドブッ!・・・ズンッ!・・・ボゴォッ!・・・ドズンッ!!・・・――
「おげぇ・・・えぅ!・・・ぶふぅッ!・・・あ・・・げほぉ!!?」
十数回繰り返される暴虐にさらに続けとばかりに、虚ろな目で落下する少女の左ほほに
今度は手加減無しの右ストレートが直撃し、大きく横に吹き飛ぶ少女。
515:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:30:21 i3XdQnSV
それから暫くの間、嵐のような暴行が続くことになる。
倒れることも許されず、何も見えない闇の中で、前後上下左右とすき放題に飛ばされ
全力で放たれる拳や膝、肘、蹴りが少女の顔、胸、腹、腰、尻、足と、場所を選ばず打ち据える。
制服は上下ともびりびりに破け、肌には健全な色をした部分がほとんど消えてしまっているのがみえる。
時折聞こえるビチャッという音は、腹部を穿たれた少女の口からでる、血の塊が地面に落ちる音。
だがそれもドゴォッ!やバキィッ!!といった暴音と、少女の悲痛な叫びによって掻き消えてしまっている。
少女が影の世界に入って、1時間がたとうとしていた頃・・・ついに音がやんだ。
「・・・ア・・・・うぶ・・・ぐ・・・・・・・・」
少女は闇の世界の中で、得体の知れない何かに羽交い絞めをされた状態で、立っていた。
驚くべきことに、まだ微かに息をして、意識も保っていた。
その姿は少女を知るものが見たら間違いなく卒倒するほどに痛々しく、変わり果てていた。
アイドルのようだと謳われ羨望を浴びていた顔は、右側の頬が特に酷くはれあがり、両頬とも赤黒く
拳の形のあざを刻まれていた。左目瞼もはれ、口の端からは血がボタボタと流れ落ちる。
制服は全身いたる所が破れてしまって、ボロ雑巾にも劣る有様であった。
切れた間からのぞく肌はどこも赤黒くあざとなって、特に腹部に至ってはところどころに
頬と同じような拳のあざがついている。
無論、拳のあざの量にかんしては、顔のそれとは比べ物にならないことだけは断定できる。
その制服の下に隠れた下着も、嵐のような暴虐の時間のなかで破壊され、びりびりとなり
豊満な乳房の右側をあらわにしてしまっている。だが、綺麗な丸みは失われ、一部はべコンと凹み
元に戻らない状態にまで墜ちてしまっている。
スカートはびりびりに破け原型もなく、かろうじてパンツだけが残っている状態だが
失禁や血尿によって、悲惨な状態になってしまっている。
なぜ、これだけの暴力の嵐を一身に浴びて、意識を保つことができているのか。
それは至極、単純な答えであった。
なぜなら人は、「夢の中で寝ることが出来ない」生き物だからだ。
いくら薄れども消えかかれども、完全に消えない意識・・・
逆に言えば、否応無くずっと覚醒し続けざるをえない意識の中、少女の考えはこの瞬間、意外なことに平凡なものであった。
「(あぁそうか・・・寝なきゃ、いいのか・・・明日、やってみようかな・・・)」
生物に睡眠は欠かせないものである。
食欲と性欲とならんでそれは生きるうえで重要な自然現象だ。
呼吸と等しく、とめれば死へとつながる。
516:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:33:57 i3XdQnSV
「(体が、だるいなぁ・・・・・いつ・・・朝が・・・くるんだろう・・・・)」
ぼんやりと取り留めの無い考えが浮かぶ稔の表情は、すでに生気が消えうせていた。
それを現実世界で当てはめれば、死と等しかった。
正体のわからない怪人に両肩をつかまれ、動きを見せない稔に対し、影が右腕を弓のように引き絞り
拳をギリリと握り締める。ぐっと力をため、逆に力を込めることさえできないただの的と化した少女の腹部に、狙いを定め・・・
ズドォォォッ!!!
「ごぷっ・・・・!!」
今までで一番の破壊力をこめた一撃が、背中に拳の形に浮き上がらせるほどにめり込んだ。
パツンッと音がしたと同時に、背中の布地がはじけとんだ事から、衝撃の強さが見て取れる。
ぶるんとたわわな双乳が震え、しぼめた口からびゅっと鮮血があふれ出す。
体がくの字をこえ、手首までめり込んだ腕に絡みつかんばかりに折れ曲がった。
「お・・・ぇ・・・・・」
両肩を抑えていた影が手を離すと、そのままダランと腕を下ろし、力なく完全に体を折り曲げる稔。
腹部にめり込んだ拳だけで体を支えている状態で、微動だにせず
かすかに足先がビクンと痙攣をおこすのみだ。
と、そのままの状態を保ったままで、拳をさらに引き、別の何かに狙いを定めるように
構えをとる影。そして、一気に拳をふりぬき・・・
ドガァァァッ!!!
「あぁぁぁぁぁ・・・・っ!!!」
周囲の壁全体に、爆発に匹敵する衝撃が走った。
稔ごと拳をたたきつけた先にあったのは、通路の壁だった。
壁を粉砕する勢いで叩きつけた拳は、見事に壁にクレーター上にひびをいれた。
無論、その衝撃を全て叩き込まれるようになった稔は、その一撃で体全体を粉砕されるようなダメージを受けたことになる。
拳と壁に挟まれた腹部が、ギュルル、と不気味な音を発する。
意識を失いかけ満身創痍となった稔でさえも、絶叫を上げずには入られない程であった。
517:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:37:23 i3XdQnSV
しかし影は容赦しない。拳を引き抜き様に、左のボディアッパーを鳩尾にめり込ます。
ズシンという音とともに再び壁一面が振動し、ヒビ割れが増した。
「げ・・・ぉ・・・・・・・っ!!」
さらに右のストレートを顔面に、左フックを右胸に
そして、一撃一撃に重みをしっかりとのせるようにして、左右の拳・蹴りを少女の体にぶちこます。
顔や胸や足をふくめ、鳩尾、胃、肝臓、臍、子宮、下腹部を、特に重点的に潰すように拳をたたきこみ
そのたびに地震のような振動が響く。
一撃ごとに、壁のひびが一層ずつ深くなっていく。
ズドンッ!!ボゴォォッ!!ズムンッッ!ドブゥッ!!ズンッ!!ゴシャァッ!!
ドボッ!!ボギィッ!!ベゴンッ!!ドゴッ!!グギィッ!!ドッボオォォォ!!!
「ぁ・・・!!っ~~・・・っ!!っぇ・・~~ッ!!ぎっ・・!?!!」
まるで、戦地さながらの激震と轟音が、たっぷり数十分と休み無く響き続けた後・・・
ゆっくりと薄まるように、影がその黒の範囲を減らしていく。
徐々に形がまとまり、濃くなっていく。が、影が消えていくと同時に見え始めるのは
あたり一面に広がった黄色い液体と、大量の紅い液、そして壁一面にひろがるひび割れ模様。
やがて影がすべて収束し一つの影にもどったころ・・・・
一人立つ影の目の前に、深く深く穴を穿たれた灰色の壁が現れた。
平面だったはずの壁に、べこんとクレーターが出来上がってしまっている。
その中央に、十字架に掲げられたかのようにこていされた、少女の姿があった。
顔はうつむき、表情はうかがい知ることは出来ないが・・・全身、とくに腹部をボコボコに
へこまされ赤黒く一色に染まった体を見れば、だれも無事とは思わないだろう。
人体の急所の位置を一本の線でむすんだ正中線の中央、鳩尾のあたりは陥没したままで
元の位置にもどらないままだ。
衣服は全て汗・血を含む様々な液体で汚れ、びりびりに破け
一糸纏わぬ姿で十字に貼り付けにされた少女。
それをしかと目に焼き付けるようにじっと見つめる影が、やがて何事も無かったかのように
その場を歩き去っていった。影が歩き出して数十秒後、ずずっと体が地面にずれ墜ち
やがて力なく地面にうつぶせに倒れ付した。
それはただ、人形を前に倒しただけのような、そんな倒れ方だった。
518:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:39:17 i3XdQnSV
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「・・・・・・・・・・あ・・・」
気がついたところは、やけに妙な臭いがのこる、汚れた通路だった。目の前には扉があるが
もとが何の色かも分からないほどによごれていた。
周りを見渡すと、自分の周りだけやけに汚い。そして寒い。腕に力を込めて、上体を起こして周りを確認する。
長い通路の、ちょうど真ん中あたりで眠っていたらしい。
周りをみわたし、床や壁の上体を見て、最後に自分の「傷一つない」生まれたままの姿をみて
・・・・・すべてを思い出した。
「そっか。私一回・・・やられて・・・でも、まだ夢の中、なんだ・・・良かった」
本能のまま、とりあえず当たりにある布切れから大きめのものを
かき集め、胸と股をかくすようにする。
だれかが見ているのかもしれない。
もっともこの夢で自分以外の誰かにあったことはないが。
「・・・・絶対、抜け出すんだから・・」
こんな不自然に、何回も同じ状況に鉢あわす夢なんて、おかしい。
きっと誰かが仕組んだ罠・・・だとでも思わなければ、この不自然は納得がいかない。
きっと・・・多分、ゴールがあるはず・・・・。
そこにいけば、きっとこの悪夢の連鎖から抜け出すことが出来る。
もう二度と、死ぬほど・・・いや。
死ぬより辛く痛い、苦しい思いをしたくない。
こうして少女は、朝がくるまで探索を続けるのである。
幸い、次にこの夢に訪れるときは、前に「死んだ」ところからのスタートらしい。
ならば、できるだけ迷宮を探索して、ゴールの手がかりを探したほうがいい。
それが、唯一の打開策だった。
「・・・・さて、どこからいこうかな・・」
少女の目にうつる通路の先は、果てしなく遠いもののように思えた。
519:名無しさん@ピンキー
11/02/05 03:46:41 i3XdQnSV
以上です。そして異常です、はい。
言い方によっては、よくて「ハード」、悪くて「くどい」と言い換えらそう・・・
この後の展開は迷い中。一人で淡々といく、夢の世界で仲間となりうる人と遭遇、
ボス的キャラ登場とか・・・様々なパターンがごちゃごちゃとあってまとまらない。
そもそも続くかどうかも分からない。
・・・作中の説明不足を補うため、監督の所にイメージとして挿絵置いておきますね。
だれか、飽きずに絵を上手くかける方法おしえてください;;
520:名無しさん@ピンキー
11/02/05 04:18:11 i3XdQnSV
・・・と思ったのですがすいません、監督のとこに置けない・・・;;;
なので、2号に挿絵おいてきました。
521:名無しさん@ピンキー
11/02/05 16:14:45 fLa2Dkr7
2号のSSってここにったんだ。
顔ボコは苦手だけど、容赦なく責めるのは良いですなあ。グッド
522:名無しさん@ピンキー
11/02/06 13:34:56 gmMq8T5E
ナイス
523:名無しさん@ピンキー
11/02/06 13:37:48 gmMq8T5E
ナイス
524:名無しさん@ピンキー
11/02/09 00:11:22 tHsycHLn
>>505
その動画もう見れないの?
525:名無しさん@ピンキー
11/02/12 05:28:24 59EM3ZDr
今日仕事帰りに、町で中学女子~高校女子くらいの女の子一人と 体格の良い二人の男が町のはずれで腹パンチをしていました。
あれはかなり深く腹に拳メリ込んでいましたよ…興奮はしましたが、実際にやるのはヤバイから流石に止めに入りましたがね。
私はあくまでもアニメやイラストの方が好きですね 他の人は見て見ぬ振り あんなガキ共の何処が怖いんだか分かりませんが、まぁ 大人がしっかりしないからガキ共も物事の分別つかんのですかねぇ。
526:名無しさん@ピンキー
11/02/12 07:38:08 kHlTIgAP
それは俺も笑ったわ、妄想乙って感じだな。
527:名無しさん@ピンキー
11/02/12 22:24:10 UmqxSciY
そもそも人様のブログに関係ない私事書きまくる時点で、しっかりしてない大人代表だわな
528:名無しさん@ピンキー
11/02/12 22:41:14 kHlTIgAP
昨日あたり何書いたんだか知らんけどコメントも削除されてたしな。
ところで例の同人誌買った?
迷ってたけど、今日の製本の写真見てかなり良さそうだったから予約した。
529:名無しさん@ピンキー
11/02/13 00:44:57 lngd/1Wr
>>528
自分の実名でも書いたんじゃね?
同人誌の件は様子見する
実際に届いた奴を見るまでは不安だわ
個人制作のだと詐欺られる可能性もあるし
個人情報渡すわけだから慎重に行かないとな
530:名無しさん@ピンキー
11/02/14 01:45:20 wRKbyYyb
さすがにあそこまでやって詐欺は無いんじゃないか?
まぁ同人誌届いたら誰かしらコメントするだろ。俺もそれ見たら注文するし。
てかまたこっちでも書いてくれないかな
531:名無しさん@ピンキー
11/02/14 19:47:55 u2qbBd5i
届いた報告がないなw
532:名無しさん@ピンキー
11/02/14 21:28:12 FsAEjvR1
何の話をしているんだぼくにも分かるように説明してくれないか
533:名無しさん@ピンキー
11/02/14 21:31:13 u2qbBd5i
ログ読んで分からないなら説明しても理解できないだろう
534:名無しさん@ピンキー
11/02/14 21:51:20 FsAEjvR1
ルームナンバー55が同人を書くっていうのしか分からなかった
535:名無しさん@ピンキー
11/02/14 21:57:10 u2qbBd5i
分かってるんじゃん
536:名無しさん@ピンキー
11/02/14 22:00:32 FsAEjvR1
分かりません
537:名無しさん@ピンキー
11/02/14 23:07:56 2U/2E9G+
読みきりでも書こうかな。
何かネタあれば俺にくらはい
538:名無しさん@ピンキー
11/02/14 23:12:57 sG3vCEYK
スパイ物希望します。
539:名無しさん@ピンキー
11/02/15 00:47:04 BCGFDoxS
>>537
>>538
の通りスパイ物希望します
巨乳美少女スパイが腹ボコボコにされてるのを読んで(゚Д゚ )ムハァてなりたいです
こんな厚かましいお願いですが、聞いて頂けると喜びます
540:名無しさん@ピンキー
11/02/15 15:47:32 wtya5TLh
おいおい55の同人誌届いたって報告無いじゃんか?
マジで詐欺かよ?
541:名無しさん@ピンキー
11/02/15 16:55:15 wT0UtCaB
なんだ報告あったじゃん
542:名無しさん@ピンキー
11/02/15 17:03:22 wtya5TLh
え?マジで?
543:名無しさん@ピンキー
11/02/15 18:24:07 BCGFDoxS
>>542
twitterだと思うけど
え、まだ報告これだけ?
少なすぎじゃ・・・
544:名無しさん@ピンキー
11/02/15 18:42:57 2NEUxBBs
>>543
連休前に振り込んだ人が少なかったんじゃね?
ツイッター見ると出張してるみたいだし、発送は帰ってからするんじゃないかな
545:名無しさん@ピンキー
11/02/15 18:44:11 BCGFDoxS
>>544
そういうことか
546:名無しさん@ピンキー
11/02/15 18:49:18 2NEUxBBs
あれだけのSS買いてもコメントする人なんて限られてるから、
届いてもわざわざコメントしないんじゃないか?
まぁ1人でも報告が聞けて安心したわ、売り切れる前に注文しよう。
547:名無しさん@ピンキー
11/02/15 18:50:46 2NEUxBBs
ゴメン
×買いて
○書いて
548:名無しさん@ピンキー
11/02/15 22:55:16 S0iVsyE0
同人誌wwwwww
バwwwwロwwwwwスwwwwww
549:名無しさん@ピンキー
11/02/16 20:22:09 d4d5DOR0
あの、盛り上がっているところ申し訳ないんだが、率直な感想として、
ある程度の期間同一ネームで活動をしている実績のある人間が
その信用を投げ捨てて犯罪、同人誌詐欺を働くと考えてしまうのは、パラノイアに近いのではないかと思うわ。
この疑り深さは、マズいと思うよ。
個人の同人誌通販は広く見られる活動なので、はっきり言って、根底に相当な常識の欠如を感じるし。
550:名無しさん@ピンキー
11/02/16 20:37:23 k73nFBwh
縦読み失敗してるぜ
551:名無しさん@ピンキー
11/02/16 21:09:49 /uCflRz/
>>528
郵便番号書いちゃっただけだったけど調べたら北海道の土井中でワロタ
例の同人誌は発行冊数30冊みたいだからウカウカしてると売切れもあり得るんじゃない?
売れ行きも好調みたいだし
ちなみに俺は注文受付翌日に入金して15日には届いたぜ
552:名無しさん@ピンキー
11/02/16 22:32:48 fFXfX1l7
2ちゃんねるで特定サイトの話題を続けるという行為は、アンチを産んだり
そのサイトが荒れる危険性をはらむものだという事を意識した方がいい
553:名無しさん@ピンキー
11/02/16 22:34:22 7KzEsnON
>>551
俺消される前にチラッと見たけど、なんか銀行名か口座番号かが書いてあって
ここに振り込むのですか?
とか言ってた気がする。他人の個人情報なんて見たくもなかったからすぐに消したけど。
ところで本どうだった?
今金ないから迷ってるんだよね
554:名無しさん@ピンキー
11/02/17 00:06:41 cINfeB85
つーか香ばしい奴が言ってるブログで馬鹿にされたってここのことじゃねーの?
555:名無しさん@ピンキー
11/02/17 00:18:45 aBhP5awR
完全にルームナンバーのヲチスレと化してるな
うぜぇ
556:名無しさん@ピンキー
11/02/17 01:25:04 9CxSV0zV
俺55のとこ知らんかったから話題になったおかげで今読めてるわ。
エロもあるしランサーの人と並んで好きだな。
腹パンはもの凄い好きってわけでもないがイラマもよくあるし同人誌も気になってきた。
557:名無しさん@ピンキー
11/02/17 02:21:45 hOxxGvAZ
これはゾンビですかの京子をボコしたい
558:名無しさん@ピンキー
11/02/17 03:21:05 aBhP5awR
55の話題が出ると決まって「ヲチスレじゃねーぞ!」ってageて発狂する奴なんなの?
別に褒め殺してもけなしてもないし、556みたいに新たに見れる奴めいるじゃん
55の読者やファンが増えて困ることでもあるのか?
559:名無しさん@ピンキー
11/02/17 03:23:15 aBhP5awR
よりによってこいつとID被るのかよ…。
携帯はID被りやすいのか?
560:名無しさん@ピンキー
11/02/17 07:14:23 aBhP5awR
まあ自演だけども
561:名無しさん@ピンキー
11/02/17 07:42:33 aBhP5awR
自演じゃねーよ!
お前マジで55のアンチな訳?
562:名無しさん@ピンキー
11/02/17 10:28:07 ebdJ9OCp
>>555
>>560
>>561
バレバレの自演ほど痛いものは無いな
相変わらずsage忘れてるし口調ももう少し真似ろよ
あと、55を半角にするのを忘れてるぜ?
563:名無しさん@ピンキー
11/02/18 03:13:05 o0WhHmMS
とりあえずナンバー55氏の新作の展開予想でもするか
564:名無しさん@ピンキー
11/02/18 10:45:51 o0WhHmMS
氏のSSは腹パンやイラマもいいが、最近ストーリー追うことが面白くなってる。
涼の復活に期待
565:名無しさん@ピンキー
11/02/18 21:31:33 hc6CM6fu
ストーリー予想もいいが、同人誌の感想が聞きたい。
コメントが無い所を見ると大して良くなかったのか?
566:名無しさん@ピンキー
11/02/18 21:48:34 o0WhHmMS
イラストは良かった。
というか文章自体は加筆あるとはいえ既出なんだから、イラスト目当てでしか買わない。
567:名無しさん@ピンキー
11/02/18 23:15:27 JsJiqDBi
>>538-539
お待たせー。
ちょっとグロくなっちゃった
568:女スパイ物 1/11
11/02/18 23:17:06 JsJiqDBi
空港にオリヴィア・ブラウンが姿を現した瞬間、一斉にフラッシュの嵐が浴びせられた。
「ミス・ブラウン、今のご気分は!」
「拘束中、貴女は何をされたのですか?性的被害はありましたか!?」
「公開されたビデオは既に確認されましたか?あれは真実なのでしょうか、ミス・ブラウン!」
記者達が我先にと質問を投げかける。
オリヴィアは警備に守られながら、沈んだ瞳を下に向け、乱れた髪を揺らして人垣を過ぎった。
やつれていてもなお美しい女だ。
頭頂部から艶めくダークブラウンの髪がふわりと下がり、胸の付近で自然なウェーブを描く。
ガラス片のようにくっきりとした瞳は知性と高潔さを現し、唇にもだらしなさの欠片さえない。
スタイルなどは正に驚くばかりだ。
女らしい胸の膨らみと、そこから慎ましやかに括れゆく腰、その締まりを裏切る尻肉の豊かさ、
むちりと肉感的でありながら、伸びやかに整った脚線。
今やボロ切れを一枚羽織るだけの格好だが、それさえハリウッド女優が映画撮影の為にそうしているように思える。
しかし彼女、オリヴィアは女優ではない。演技は演技でも、国単位で騙し通す美しき女スパイだ。
アジア某国から、アメリカの特定企業に対するサイバーテロが多発したのが一昨年。
甚大な被害を受けた企業群は一時的に結託し、秘密裏に諜報員を雇い入れた。
それがオリヴィア・ブラウンだ。
父方の祖母が華僑であるオリヴィアには、アジア系の血が混じっている。
顔立ちもどちらかといえば東洋人の好みに近い。
オリヴィアは持ち前の器量と狡猾さを駆使して組織内部に取り入り、ついに機密を突き止めた。
しかし深夜にオフィスへ忍び込み、データを抜き出していた所を取り押さえられてしまう。
オリヴィアにミスらしいミスはなかった。
監視を事実上無効化し、人的にも物的にも綿密に隙を作り上げた上での決行だった。
悪かったとすれば、それは『その日に限り日課を忘れた警備が、深夜に偶然舞い戻った』……という不運でしかない。
いずれにせよ、オリヴィアは捕縛され、尋問を繰り返された。
オリヴィアが自白する事はなかったが、業を煮やした男達は、その尋問の様子をネットの海へ放流する。
断片的な映像でしかなかったが、そこには間違いなく当のオリヴィアが殴られ苦悶する様、
女の部分に逸物を抜き差しされている様、あるいは口から延々と水を流し込まれる様が見て取れた。
『米国美人スパイ、某国にて捕縛され強姦!!』
メディアは即座に喚きたて、戒厳令を敷く暇もなく事件を世に周知させる。
そのオリヴィアが交渉の末ついに解放されたのが、まさに今日この日であった。
569:女スパイ物 2/11
11/02/18 23:19:53 JsJiqDBi
「……ご苦労だったな、同志・ウェルズドーター」
迎えの車の中で、運転手がオリヴィアに告げる。
オリヴィアは驚きに顔を上げた。
ウェルズドーター(ウェルズの娘)とは、組織におけるオリヴィアのコードネームだ。
それを知っているという事はつまり、この男はオリヴィアの身内と考えられる。
「どこへ向かっているの?」
オリヴィアは問うた。
「我々の貸し切ったホテルだ。クレインを待たせてある。
……今夜は何も考えず、彼の傍で寝るといい」
運転手はそう答えを返す。
オリヴィアの氷のような瞳が、微かな光を孕んだ。
クレインは組織におけるオリヴィアの想い人だ。
オリヴィアを組織に招いたのも、諜報員としてのイロハを教えたのも彼だった。
オリヴィアにとって、兄よりも父よりも近しく、頼りになる恋人。
※
「……大変だったね、オリヴィア」
クレインは椅子から立ち上がってオリヴィアを出迎えた。
「……クレイン……」
オリヴィアはドアに後ろ手をかけたまま、気後れするように立ち止まる。
「おいで、オリヴィア。」
クレインは彼女の心を解きほぐすように笑った。
「…………私は……あんなミスを、して…………ボスに、組織、に……」
オリヴィアは気丈な顔を崩し、小さく肩を震わせる。
クレインは頬を緩めた。
「……大丈夫だ、オリヴィア。僕が居る」
クレインが一言幼子を諭すように言うと、そこでようやくオリヴィアの氷が解ける。
オリヴィアの長い脚が柔毛のカーペットを撫でた。
クレインはオリヴィアを抱きとめ、髪を撫でる。
「オリヴィア、何があったか……話してくれ」
クレインが問うと、オリヴィアは言いにくそうに口を開く。
「……あの日は……セキュリティを完全に遮断したの。人員の把握も……」
「そうじゃない」
オリヴィアの答えをクレインが遮る。
オリヴィアが言いよどむのは、それが後ろめたい事だという以上に、
『本当に伝えたくないこと』を隠すための時間稼ぎだ。
「そうじゃないんだ、オリヴィア。君がどう捕らえられたかは問題じゃない。
そんな事は取引の際に、向こうの連中が自慢げに語ってくれたさ。
僕が聞きたいのは……君が 『何をされたか』 だよ、オリヴィア」
クレインにじっと瞳を見つめて問われると、オリヴィアももう言い逃れはできないと悟った。
自分の愛する男にだけは見せたくないと思った部分を、もう隠せない。
建前はどうあれ、薄氷を渡るようなこの危うい空気の中、隠し立てをしては信頼回復は望めない。そう女の直感で嗅ぎ取ったのだ。
ゆえにオリヴィアは、切ないほどの恥じらいを以って身に纏う衣を脱ぎ捨てた。
その醜く変化した腹部を、愛する男の視界に晒しながら。
570:女スパイ物 3/11
11/02/18 23:21:24 JsJiqDBi
オリヴィアの記憶に焼き付いたのは、その部屋に満ちた“香”の匂い。
人間の汗、体臭、性汁と妙薬をない交ぜにした、フェロモンのような匂いだ。
それは場に居る人間の鼻腔を侵し、性本能を炙りたてる。
オリヴィアを取り巻く男達は、皆一様に屹立した怒張で下穿きを膨らませていた。
眼前の女を丸々72時間に渡って犯しぬいた後だというのにだ。
だがオリヴィアの方もまた、乳房が膨張し、乳輪がほんのりと赤みを帯びるセックスアピールを晒していた。
男達は吊るされたオリヴィアが睨み返すのを愉しみながら、その色づいた肢体を眺め回す。
突如、そのオリヴィアの身体を鞭が襲った。
パシンッと鋭い音を立て、鞭が背中側からオリヴィアの胴に巻きつく。
『ぐっ!』
鞭の先端が腹筋に食い込み、オリヴィアは目を見開いた。
『そら、どうだ?』
背後の男が手首を返し、鞭をオリヴィアの腋、内腿へ浴びせかける。
そうして気を散らした直後、再び蛇が噛み付くように腹筋へと先端を食い込ませた。
『う゛んっ!!』
オリヴィアは歯を食いしばって耐える。
鞭の衝撃はかなりの物であるはずだが、彼女の鍛え上げられた腹筋も、また並ではない。
『ひゅーう、ほんとお宝だぜこの腹は』
オリヴィアの正面にいる男達が口笛を吹いた。
彼女の腹は何度も鞭を浴びせかけられ、細かな金網で焼かれたようになっている。
しかしそれでも腹筋は確かな形を保っていた。
ブロンズ増を思わせる艶やかな腹筋。
鳩尾から繁みまでの楕円形の骨組みの中に、6つに割れた腹筋が盛り上がっている。
臍を横断する中心線が美しい。
本格的に鍛え上げられた凹凸を備えながら、しかし流れるようなスタイルの邪魔をしない。
男女を問わず見惚れさせる、実に見事な腹筋だ。
「……だから、ここを狙われたのか?」
クレインは裸で立つオリヴィアの足元に跪き、腹部に舌を這わせて問う。
それにぞくぞくと反応を示しながら、オリヴィアは頷いた。
「あっ……!……そう、何度も、何度もお腹に鞭を浴びせられて、殴られたわ。
でも私はそんな事では折れなかった。だから連中も、だんだん躍起になっていったの」
571:女スパイ物 4/11
11/02/18 23:22:43 JsJiqDBi
※
一番の剛力と思われる大男の拳が、オリヴィアの腹部にめり込んだ。
『う゛ぉ゛っ!!』
オリヴィアは目を見開いて苦悶する。しかし決定打にはならない。
天井から吊るされる状態ゆえ、殴られる度に身体が後ろに泳ぎ、ダメージを逃がす形となっていた。
しかしそれでも衝撃は大きく、オリヴィアは手首から血を滲ませながら脚をぶらつかせる。
『ちっ、クネクネしやがって。オイ、これじゃせっかくの俺の豪打が活かせねェじゃねえか!』
大男は岩のような肩を鳴らし、見た目通りのガラの悪さで叫んだ。
『そうかねぇ。俺は吊るされた女が、腹殴られて無様に踊る姿が好きなんだが……まぁいい。固定しようか』
ネズミのような顔つきをした男が、オリヴィアの後ろに回る。
『ふぅ……ふぅ……!!』
オリヴィアが荒い息を吐きながら、そちらに視線を向けた。
何かを覚悟するように唇を噛み締めて。
『んッ!!!』
にちっと音がした数瞬の後、オリヴィアの脚が硬く強張った。
『へへ、お前もケツの穴が好きだね。昨日も散々使ってやがっただろう』
『ああ、暖かくてキツくって最高だぜ?どんなアバズレも、ここに突っ込みゃあ顔を歪めるしよ。
それにこっちを犯されると、ヒトってのは勝手に腹筋が固まっちまう』
男はオリヴィアの腹を撫で回しながら告げる。
確かにそこは、歪められた顔と同様、彫りも深く浮き出ている。
「ほぉ、確かにいいカタチだ。お前がそこで繋がってる限り、支えにもなるし、な!!」
豪腕の大男は嬉しげに笑いながら、思いの限り腕を引き絞った。
『…………!!』
オリヴィアの顔色が変わる。
男の山のような三角筋が盛り上がり、巨大な拳を唸らせてくる。
自分は先ほどと違い、それを受け流せない。肛門をこじ開けられたまま、背後の男とで鋏潰される。それが避けられない。
ドンッという小気味良い音が鳴り響き、上空の鎖がじゃらじゃらと鳴った。
『ぐぅお゛おぉぉお゛お゛っ!!!!!』
その時の声は意外なものだった。
美しく知性溢れるオリヴィアから漏れたとはとても思えないほどの、低く汚らしい叫び声。
『げはっ、げえはっ!!おえ、ううう゛おぉえっ!!!!!』
オリヴィアは何度も腹部を折り曲げ、足をばたつかせて身悶えた。
口の端から涎が垂れる。
『ひゅー、すげぇ衝撃。背後でこんなキッツイなら、こいつなんか悶絶モンだな。
あー、ケツがキュウキュウ締まって最高だぜ』
オリヴィアを後ろから抱く男が笑いを浮かべた。
『はっはっは、本当に悶絶してるぜ。涎が飛び散りやがった!いやァいい図だぜ!!』
男達もオリヴィアの乱れた姿に腹を抱える。
『…………ッ!!』
オリヴィアがそれを睨みつけようとした刹那、再び男の拳が腹部を抉りあげた。
『ごぉあああぁ゛あ゛っ!!!』
鎖の音が、濁った悲鳴が仄暗い部屋に鳴り響く。
572:女スパイ物 5/11
11/02/18 23:25:07 JsJiqDBi
『しかし、女だてらによく鍛えられてるもんだよなぁ。
俺のパンチをここまで耐えといて、一般人ですなんて言い張るのは流石に無理があるぜ、姉ちゃん』
十数発の腹打ちの後、大男が項垂れたオリヴィアを見下ろして告げた。
オリヴィアはにちにちと音を立てながら肛門を犯されつつ、荒い息で大男を睨み上げる。
『……はっ、はっ…………そ、総身に知恵が回りかねてるみたいね、大男さん。
女が、この程度で音を上げると思っ、てるなんて、笑っ……ちゃうわ』
オリヴィアのその挑発に、大男は眉根を寄せる。
『おいおいおい、チャンにそれ言っちゃあ殺されンぜ?』
周りの男達は可笑しそうに笑いあった。
大男はオリヴィアの顎を掴み、美しい唇をへし曲げさせる。
『面白い事を言う姉ちゃんだ。だがな、こうして口を開けさせられると、歯ァ喰いしばる事もできねぇだろう。これなら流石に効くんじゃねぇのか?』
大男はそう語りかけ、オリヴィアの瞳がかすかに惑うのを愉しんだ後、おもむろにその腹を殴りつけた。
『あうぇええ゛え゛っ!!?』
口を開かされた状態で上がる、女の悲鳴。
オリヴィアは先程よりも明らかに狼狽し、目を白黒とさせていた。
『へへ、どうだイイだろう?もっと味わえ』
大男は笑みを浮かべながら、さらにオリヴィアの顎を押し潰し、腹を抉りぬく。
バスッ、バズンッという鈍い音が美しい腹筋から溢れた。
『おええ゛え゛っ!!んうぇぇええ゛え゛っ!!!』
『へへ、いい声だなぁ。ケツもきゅんきゅん締まって最高だ……ああ、出る、、出るぞッ!!!』
背後から尻穴を犯す男が叫び、苦悶するオリヴィアの腸内に精をぶちまけた。
どぐっ、どぐんと何度も怒張を脈打たせ、注ぎ入れる。
『えほっ、うおえっ……!!』
オリヴィアの口が噎せ返るのに呼応するかのごとく、肛門から怒張が抜き出された。
怒張は小柄な男に似合わずかなりの大きさで、オリヴィアの蕾はぽっかりと口を開け、
わずかに黄色く染まった白濁を腿の裏へと垂らしはじめる。
『良かったなぁ、ケツで射精して頂けたぜ。テメェも実はヨガってたんじゃねぇのか?』
大男は下卑た口調で問いながら、腹に当てた拳を下に滑らせた。
女らしい下腹部の膨らみを過ぎ、繁みを越えて、恥じらいの場所へ指が入り込む。
『……うンっ……』
オリヴィアはかすかに呻いた。
大男はそのオリヴィアの女の部分を撫ぜ回しつつ、口元を歪める。
『ふん。やっぱりな、湿っていやがる』
『おいおい本当かよ、理解に苦しむな。この変態女め!』
男達は口々にオリヴィアを嘲った。オリヴィアは柳眉を吊り上げる。
濡れるのは仕方のない事だ。
つい昨晩まで、昼も夜もなく男女の交わりを強要され、女を目覚めさせられていた。
先ほどまでの腹責めの合間にも体中を弄られていたし、そもそもこの部屋には興奮剤のような香が焚かれている。
女の事を嘲うまでもなく、男共も逸物を屹立させ、先走りの汁を滲ませているではないか。
オリヴィアは心中で毒づきながら、ただ嘲笑を耐え忍んだ。
だがやがてその嘲笑は、女への嗜虐の心へと昇華される。
『折角だ、うんと気持ちよくさせてやるよ。力を抜きな』
男の一人がそう告げ、オリヴィアの脚を開かせた。そして足首に鎖を繋げ、床に固定する。
艶めく太い棒を手にしたまま。
573:女スパイ物 6/11
11/02/18 23:26:45 JsJiqDBi
「それは、バイブレーターか何かか?」
オリヴィアの腹部へ舌を這わせながら、クレインが問う。
「……違う……そんなものじゃない。あれは電気責めのための、“責め具”だったわ」
オリヴィアは想い人の舌遣いに目を細めながら答えた。
クレインの舌が這う腹部、それが数日前に受けた悲劇を思い起こして。
※
『流石に濡れていただけあって、それがスルリと入っていくな』
オリヴィアの秘部に極太の電極棒が挿し込まれる様を見て、男が呟く。
『ああ、子宮の入り口辺りまでは入ったろう。もう抜けねぇはずだ』
挿し込んだ男はくつくつと笑い、電極棒に繋がる機械を弄くった。
一瞬火花の散る音が聞こえ、直後、オリヴィアの引き締まった身体が痙攣する。
『があああアアっ!!!?』
『ほほ、踊りよる踊りよる。さすが西洋の女は浅ましい腰つきをするもんだ』
男達はオリヴィアの苦悶を楽しみ、その腹部に手を触れた。
バチリッ、と静電気のような痛みが手に噛み付く。
『おっほ、腹越しにでもビンビン電気を感じるぜ!?こりゃすげぇや!』
『ああ、中じゃどんだけの電流が走ってるんだかな。可哀想だねぇ全く』
男達がひとしきり奇異を体験したところで、電流が一旦止められた。
『か……はぁっ!!ああ、あ、あっ……!!!!』
オリヴィアが溜めていた息を吐き出し、汗を散らしながら項垂れる。
だが甘い香りの息が場に広がった頃、再び電流が流された。
『ああぁあッッ!!!!!』
オリヴィアは白い喉を衆目に晒して伸び上がる。
『どうだ、つらかろう。だが所属する組織を吐くだけで、お前はこの地獄から逃げられるんだ』
男の甘い囁きを、オリヴィアは鋭い眼光で拒んだ。
『……なるほど、ならば仕方がない。おい、やってやれ』
男がそう言うと同時に、先ほどまで散々オリヴィアを苦しめた大男が立ちはだかる。
その手には8オンスほどの黒いグローブが嵌められていた。
『へへ、素手で殴るとこっちまで痺れちまうからな、ゴムで出来た特製のグローブだ。
だがベアナックルより楽だ、なんて考えない方がいいぜ』
大男は両拳を打ち合わせながらオリヴィアに近づく。
そしてフックの軌道で一撃を叩き込まれた瞬間。
『ごぉう゛っ!!!』
今までの人生で出した事もないような声と共に、オリヴィアの視界はホワイトアウトした。
574:女スパイ物 7/11
11/02/18 23:27:41 JsJiqDBi
ばしゃりと水を浴びせかけられ、オリヴィアは意識を取り戻す。
見渡す視界には、男達の笑いばかり。
『おいおい、一発で意識飛ぶとか、そりゃ無ぇんじゃねえのか?』
大男がグローブを揺らしながら茶化した。
その姿を見た瞬間、オリヴィアは意識を飛ばす直前の状態を思い出す。
男の大きな拳が、腹の中に“入り込んで”きた。
以前までの表面をゴツゴツと殴られる感触とはまるで違う。
柔らかなゴム製のグローブが衝撃で腹筋の溝に張り付き、余すところ無く衝撃を伝播させる。
その結果内臓に直接衝撃が叩き込まれ、挙句に膣内の電流と結託したのだ。
それで脳が焼き切れた。
『ベアナックルより楽だ、なんて考えない方がいいぜ』
大男の言葉通り。このグローブで電流の流れる腹を叩かれる責めは、先までの比ではない。
なにしろ頭の神経が即座にブツリと逝ったのだ。
おまけに今度は足首を固定されているため、衝撃を受け流す事が叶わない。
『今度は耐えろよ?』
大男が腹部にジャブを触れさせる。
膣に入った電極棒にも再び電流が流れ始めた。
『あ゛……あ゛』
オリヴィアは声にならない声を漏らし、しかしすぐに唇を噛み締める。
直後に叩き込まれるストレート。
しっかりとジャブで距離を取り、無駄をなくした重撃が腹へ潜り込む。
『げはっ、あぁ゛あ゛!!!』
オリヴィアの口から銀色の飛沫が飛んだ。
そのまま下唇を突き出す無様な顔を晒し、男の太い腕が腹から引き抜かれる瞬間、
それを追う様にして胃の中の物を溢れさせてしまう。
『おお、ついに吐きやがったぜ!っつっても、ゲロだけどなぁ!!』
『はっは、品のなさもここまで来ると笑えるぜ!』
男達の嘲笑う中、オリヴィアは身体をくの字に曲げて咳き込み続ける。
『おら、吐いても続けるぜ』
大男はグローブでオリヴィアの額を押し上げ、顔を上げさせてもう一撃を叩き込んだ。
『おぉええぇぇ゛え゛っっ!!!!!』
苦悶の叫びが上がる。
さらに、上がる。
肉を打つ音、鎖の鳴る音、苦悶の叫び、笑い声。
それぞれ数パターンしかないその響きが組み合わさり、まるでセンスのない人間が作った楽曲のように、単調に単調に繰り返される。
しかしその音色の一つ一つは、吐き気がするほどに痛切で、また、おぞましかった。
575:女スパイ物 8/11
11/02/18 23:29:32 JsJiqDBi
『…………いやはや、感服するね。ここまで辛抱強い女だったとはね』
どれほどの時間が経ったのか、男達は項垂れたオリヴィアを眺めて呟いた。
オリヴィアの足元には液だまりができている。
繰り返しの電流責めにより、感情を無視して垂れ流された汗や小水、愛液、胃液などの混合液だ。
オリヴィアは肩で息をし、目の下には隈のような疲れきった証を浮かべていた。
美しい全身が湯上りのようにほのかな桃色に染まっている。
唯一殴り続けられた腹部だけは、六つの割れ目すべてが赤紫色に変色していた。
そこまでになりながら、オリヴィアは一切の情報を口にしない。
電流と腹責めで朦朧とする中、様々な誘導尋問が行われたが、血液型や家族構成などの初歩的な問いにさえ、何一つ情報を明け渡さずにいた。
『くそ……どんだけ強情なアマだよ、こいつ!!』
大男がイラついた様子でオリヴィアの下腹を蹴りつける。
『ぐっ!』
オリヴィアは小さく呻いた。
『ふむ、確かに強情という他ないな。追い込まれているのは間違いないが……』
プライドを傷つけられ憤慨する大男に対し、男の一人はどこか嬉しげな素振りを見せる。
『……あ、あんた達なんかには……死んでも屈しないわ』
俯いたままオリヴィアが呟いた。
その言葉に、男の笑みはますます深まる。
『ほう、死んでもか。いい信念だ。だがそれを実際に貫ける人間など、居はしないよ』
男はそう言ってオリヴィアの拘束を外した。
オリヴィアはその場に力なく崩れ落ちる。咄嗟に逃げ出すような体力はとうに無かった。
男は無力なオリヴィアを拘束台に横たえ、改めて手足を縛りつける。
そして水の入ったヤカンを持ち上げた。
『生命の水をやろう、女』
男は笑みを浮かべたまま告げる。
『…………!!!』
男の意図を察し、オリヴィアが目を見開いた。
『……ああ、なるほどな!』
当然、理解したのはオリヴィアだけではない。
他の男達も拘束台に群がり、ある者はオリヴィアの鼻を摘み上げ、ある者は唇を上げさせ、
またある者はその口の中に漏斗を差し込んだ。
『あえぇっ!!えあっ!!!!』
オリヴィアが抗議の声を上げる中、その遥か上方でヤカンが傾けられる。
水責め、だ。
どぐどぐどぐどぐ、と水は漏斗の窄まりへ泡を立てて流れてゆく。それはそのまま、開かれたオリヴィアの喉奥へ。
『えごっ!!あぇごっ、おごおおおおっっ!!!!』
うがいをするように喉を泡立てながら、オリヴィアは次々と水を飲んだ。飲まされた。
溢れた水がオリヴィアの顎を、喉を、そして乳房までをも濡れ光らせる。
『ほーら、美味しいか。お替りもあるぞ』
一つのヤカンが空になると、即座に次の一つが手渡された。
紙一重でオリヴィアが窒息死しない程度の感覚を空け、水がなみなみと注がれ続ける。
やがて、細く締まっていたオリヴィアの腹は膨れだす。
割れていた腹筋は風船のように丸まり、見る間にドーム状に肥大化した。
『おおげっ!!ごぼっ、ごぼぼごげおろおお゛お゛っ!!!!』
拘束されたオリヴィアがいくら暴れても、暴れても、その変化を止める事は出来なかった。
576:女スパイ物 9/11
11/02/18 23:30:35 JsJiqDBi
『ひっ……ひィ、っ……ひいぃ…………っ!!!!!』
静脈が浮き出るほどに腹が膨らみきったオリヴィアは、息をするだけで震え上がっていた。
当然の事だ。
視界を遮るほどに膨れ上がった腹、浮き出た血管、周りから感じるおぞましい気、笑い。
その何もかもが恐怖を煽るのだから。
もはや体中が、脂汗などというものでは済まない、粘ついた液に覆われている。
『死んでも情報を漏らさない……だったな』
男達は木の棒で肩を叩き、あるいは手の平で弄びながらオリヴィアを取り囲む。
ガクガクとオリヴィアの身体が震え始めた。死の直感でだ。
神よ。我が信仰する偉大なる神よ。
オリヴィアは口には出さぬまま、心の中で祈りを捧げる。
だが神はいない。この世で人が触れられるのは悪魔しかいない。
ドンッ、と腹の頂点に木の棒が振り下ろされた。樫の樹のように堅い棒だ。
『げは……っ!!!!!!』
オリヴィアは口から水を吐きこぼす。それはオリヴィアを美しい髪を無残に汚した。
『はは、効いてるぜ!』
木の棒が引き戻された直後、別の男の拳がオリヴィアの腹を抉る。
垂直に、そして奥まで。
『があああああ゛あ゛!!!!!』
オリヴィアは目一杯に開いた口からさらに汚水を吐きこぼし、手足をばたつかせた。
さらに棒が、拳が、グローブが、上からオリヴィアの膨腹を滅多打ちにする。
『がぇああああ゛あ゛おお゛お゛お゛っっっ!!!!!』
オリヴィアにできるのはもう、叫ぶ事だけだった。
内臓が軋んでいる感覚が伝わってくる。
ビニールに包まれた生肉を押し潰した時のような……いやひょっとしたら、すでに弾けてしまっているかもしれない。
この状況を抜け出ても、絶対に無事ではすまないだろう、そう確信できる。
『いいねぇこれ、腹殴る度に喚いて、手足が強張ってよ。セックスより興奮するぜ』
『確かに傑作だ。だが、腹筋の力が無くなっちまってイマイチ歯応えがねぇぜ。
顔は相当にクるけどよ!』
『見ィろよこいつ、小便漏らしちまってんぜ?脚はすらーっと長い美人風なのに、情けないねぇ』
男達の声が、バリバリという耳鳴りにかき消されてゆく。
喉奥から溢れる水が、鼻に、脳に、耳にまで入り込んでしまったかのようだ。
地獄に思えた。
臓腑という臓腑が押し上げられる、抉られる、すり潰される。
今へこんだのは腎臓か、いや肝臓かもしれない。胃が、原型を留めていないのは確かだ。
肺だけは正常らしい、いや、それも下から何かが押し上げてきて、へし曲がる。
熱いものが絶え間なく喉を押しひらいて迸る。
苦しい、苦しい、苦しくて、たまらない。
『こ……殺してえっ!!!もぉ゛いっぞころじでえぇ゛え゛え゛っっ!!!!!』
とうとう視界に血を吐き出しながら、オリヴィアは哀願した。
悪魔のような男達は満面の笑みを湛えながら棒を、拳を振り下ろす。
気が狂いそうなほど恐ろしい情景だった。しかしあまりにも苦痛が強すぎ、気を失う事もできない。
手足の筋肉がいきり立ち、拘束された縄に食い込んでゆく。
側頭部の血管がぶちぶちと切れてゆく。
やがて自分が生きているか死んでいるのかも解らなくなった頃に、遠くで部屋の扉が空いた。
交渉が成立、その女は即時解放すべし……との伝令と共に。
577:女スパイ物 10/11
11/02/18 23:33:19 JsJiqDBi
※
「…………そうか。辛かったな」
クレインはオリヴィアの赤紫にただれた腹から舌を離し、彼女を抱き寄せた。
「うん……」
オリヴィアは愛する男に導かれるまま、壁を背にして抱きしめられる。
「オリヴィア」
「なぁに」
「……オリヴィア」
「なぁに、クレイン」
オリヴィアは瞳に安堵の色を浮かべて繰り返す。
クレインの思いつめたような顔が間近にあった。彼が自分を案じてくれている事が、オリヴィアにはとても喜ばしかった。
しかし、次の一瞬。その至福は地に落ちる。
クレインの左手がオリヴィアの首を押さえた。右手は背中の後ろに回り、鋭利なナイフを取り出している。
クレインがぐっと肩を入れた直後、オリヴィアの白い肌を朱が流れた。
「………………
え …………?」
オリヴィアは腹部に差し込む冷たさに思考を失う、
何が、どうなっている。なぜ、腹が焼けるように熱い。
「げおっ、ごはっ……!!あ゛、げは、あっ……!!!」
喉から血があふれ出す。痛みに耐え切れず前屈みになり、クレインの袖を掴もうとするが、
力及ばずに倒れ伏す。
「い……たい……いたいよ?……ク…………クレイ……ン…………」
自失したまま、オリヴィアは空を掻き毟る。ぬるりとした血が背中の滑りだけを助ける。
クレインはナイフを手にしたまま、オリヴィアに覆い被さった。
暴れる手足を封じ込め、再び腹にナイフを突き入れる。
今度は抜かず、ずっ……と腹筋に沿って肉を裂いてゆく。
「ぎぁああ、あ゛っ……!!!っひ、ひだい、ひだい、っよオぉ!!!!!
グレイン、グレインッ!!おなか、おなかが…………こんなに血が、ひどいの。
…………どうひて…………クレ…………ぃ…………ン…………」
オリヴィアは子供に戻ったように泣きじゃくり、クレインに感情を訴えた。
その瞳の光がやがて薄れ、人形のように無機質に変わる。
美しかった手足がだらりと垂れ落ちた。
578:女スパイ物 11/11
11/02/18 23:35:21 JsJiqDBi
クレインはすでにオリヴィアでないものの腹部をまさぐり、その血を浴びる。
時に救い、自らの口に含みながら、一滴ずつ指にふれさせてゆく。
「つらかったろうね。こんなに腹を殴られて、口惜しかったろうね」
そう呟きながら、腹の穢れた部分を血で洗うかのように触れ続ける。
やがてその赤い肉に、透明な雫が滴りはじめた。
「……許してくれ、オリヴィア。これが僕に与えられた任務なんだ。
任務に失敗したばかりか、世界規模で事件を知られ、犯罪組織に弱みを握らせた。
君は死ななければならないんだよ。ならせめて僕の手で、ね。
でも心配はいらない。……言ったろう。“僕が居る”、って」
クレインはナイフの刃を自らに向ける。
そして飛沫を上げ、抉り出して、愛する女性の上に覆い被さった。
その薔薇のように朱に染まった肉体を、内まで溶け合うように絡ませて……。
FIN
579:名無しさん@ピンキー
11/02/19 00:30:18 WuDeH/CO
すげえ、あんた>>578 すげえぜ!
最高にぬけたw
たまんねーひゃーwww
もう一周するわwww
580:名無しさん@ピンキー
11/02/19 06:13:04 /v2mAUFO
抜いたw
581:名無しさん@ピンキー
11/02/19 19:21:21 ICiG5JBP
ルームナンバー55氏はシオンが死ぬ話を思いついて、書きはじめたらしいぞ。
582:名無しさん@ピンキー
11/02/19 23:17:31.92 LUMp4SMQ
あれは思いついただけと思われ
シオン死んじゃやだよ
583:名無しさん@ピンキー
11/02/20 00:30:09.78 V7YrVVZJ
>>578
アナル責めと腹パンチの破壊力やべえw
584:名無しさん@ピンキー
11/02/20 00:51:06.06 SskZ4ebr
腹パンとエロの親和性がいいなぁ。やりながらなぐり、なぐりながらやる。
585:名無しさん@ピンキー
11/02/20 16:59:29.58 cMZGYAVu
539ですが、まさかアナ腹がこんなにも素晴らしいものだとは思いませんでした
オリヴィアの世界に神はいませんが、こちらにはいました
感謝感謝。・゚・(ノ∀`)・゚・。
586:名無しさん@ピンキー
11/02/21 01:13:17.69 EAMgTx+Q
>>578
抜いた。切腹は珍しいから満足でした。
例の同人誌やっと到着報告来てるな
様子見てたけど評判いいみたいだし、俺も買うわ
587:名無しさん@ピンキー
11/02/22 01:30:35.56 b+GJHTZW
>>578
グロは苦手だけど責めは興奮した
GJ