10/08/26 19:30:43 TIr18Hb+
「ゆり、おまえ顔色すごく悪いじゃないか。どうしたんだ?」
「……平気よ。なんでもないわ」
「でも…」
「大丈夫よ。ちょっと、顔を洗ってくるわね…」
席を立ち、怪訝な表情を浮かべる音無くんを通り越した刹那――。
―あれ?
フラり、と強烈な立ちくらみに襲われ、身体が傾く。
突如視界がぼやけ、周りの景色がブレ始めてきた。
「ゆり?」
手で顔を覆うも、一向に症状が治まる気配はない。
ああ、なにやってんだあたしは。
戦線を纏めるリーダーなのに、自分の体調管理を怠るなんて、バカ丸出しじゃない。
音無くんやほかのみんながなにか言ってるけど、意識が遠のきかかっているあたしには聞き取れない。
ごめん……みんな。
とうとう足の力が抜けてあたしはそのまま前のめりに倒れ、ゆっくりと意識を手放して闇の中に沈んでいった。