Angel Beats!でエロパロ 3at EROPARO
Angel Beats!でエロパロ 3 - 暇つぶし2ch349:名無しさん@ピンキー
10/08/18 09:55:40 VtFEH6yS
チャー>松下>大山>TK>高松>野田>竹山>音無>日向>直井>藤巻


こうだな

350:名無しさん@ピンキー
10/08/18 10:50:15 9IMYVMQr
夏コミの新刊、4対1か5対1くらいで圧倒的に天使ちゃんだな


351:名無しさん@ピンキー
10/08/18 11:38:28 5CbSRkkU
天使ちゃんの立ちションが見たいです…

352:名無しさん@ピンキー
10/08/18 16:04:06 02IqKgQK
>>349
それは何のランキングだ?

353:名無しさん@ピンキー
10/08/18 16:14:46 Fj/ggjzG
自前の刀の(ry

354:名無しさん@ピンキー
10/08/18 17:11:47 wqdygorN
お前らTKはアメリカ人なんだぞ? 刀だって……あれ? そいやTKって何人?

355:Love Me Tendar
10/08/18 18:43:41 l/js7KBn
>>272の続きです。
この物語もようやく後半に入ったんで、タイトルをつけてみました。

356:Love Me Tendar
10/08/18 18:44:02 l/js7KBn
 時刻は昼食時。いつものメンバー(あたし、音無くん、かなでちゃん、日向くん、直井くん)で食堂に向かう。
 今までならオペレーション、トルネードで食券を巻き上げるところだけど、かなでちゃんと闘うことがなくなった以降は、陽動でゲリラライブを行う必要はもうない。なので、普通に食券を購入する。
「うへー、今日はほとんど満席じゃん。全員座れるかねぇ? 音無、そっちはどうだ?」
「あそこなら6人くらいはギリギリ座れそうだぞ」
「音無さん、なに食べますか? 僕が食券を買ってきますよ!」
「―って、いちいちくっついてくるなよおまえは!」
 すり寄ってきた直井くんの首根っこを掴み、引き剥がす音無くん。
 あたしも同意だわ。確かに申し出自体はありがたいかもしれないけど、だからと言ってわざわざくっつく必要性はないと思う。
「じゃあ、音無さんはここで待っててください! 僕が今日音無さんの食べたいものを見事に当ててきますから!」
「お、おいこら、直井!」
 直井くんは音無くんの制止も聞かず、そのまま食券販売機へ走っていってしまった。
 ふぅ、と溜め息を吐く音無くんも頭をかきながら若干呆れ気味だ。
「あっ、おーい! せんぱぁーい!」
 ふと聞き覚えのある声。
 食堂の出入り口から声が聞こえたのであたしたちが振り返ってみると、ユイが手をブンブンと振っていた。尻尾をピコピコと動かしながら、嬉しそうにこちらに走り寄ってきた。
「えーいっ♪」
 ユイは迷うことなくそのままの勢いで日向くんに抱きつき、日向くんもユイを優しく抱き止める。周囲(NPCを含む)にとってはいつものことなので、特に誰も反応しない。俗に言うバカップルというやつだ。
 ちなみに、そのバカップルの片割れであるユイ曰く―。

「バカップルは、恋人たちにとっては最高の褒め言葉です」

 とのことらしい。
 つまり、周囲の人間からその言葉を引き出せるということは、きっと、それだけ幸せ者に見えるからなのだろう。

357:Love Me Tendar
10/08/18 18:44:27 l/js7KBn
「バンドの練習は終わったのか?」
「はい! それで先輩をお昼に誘いに校長室へ行ったんですけど、大山先輩が食堂に行ったって教えてくれて」
「そっか」
「先輩先輩。あたし、ここんところガルデモのほうで忙しくてあまり一緒にいられませんでしたけど、ようやく一息ついたんで、明日から一緒にいられますよっ。あたし、明日はひなっち先輩とずっと一緒にいたいです!」
「そうだな。久しぶりだし、それもいいな。じゃあ、校内で悪いけどさ、明日はデートにでもしゃれ込むとするか」
「あ、うんっ♪」
 ユイは頬を紅潮させ、蕩けるような笑顔でそのまま日向くんの腕を取り、俗に言う腕組状態で食券を買いに行く二人。おそらくその後の日程は、食事を摂りながらゆっくり決めるのだろう。
「…………」
「ははっ、あの二人、本当に仲がいいな」
「うん。羨ましい」
「でもあいつら、絶対俺たちも一緒にいるってこと忘れてるな。まぁ、久しぶりに一緒に過ごせるんだから、目の前でいちゃいちゃされても多少は目を瞑ってやるか」
「うん。久しぶりだものね」
 これから日向くんとユイのラブラブっぷりを嫌と言うほど見せ付けられるとわかっているのに、音無くんとかなでちゃんからは、羨望の眼差しこそあるものの、妬みなどの感情は見られない。むしろ、あの二人を温かく見守っている感じだ。
 あたしは無言のまま俯いてしまう。
「じゃあ結弦、あたしたちも食券を買いに行きましょう?」
「そうだな。直井の奴、変なもの持ってこなけりゃいいけど……。ゆり、おまえはなに食べたい? 俺がついでに買ってきてやるよ」
「……いらない。あたし、用事を思い出したからもう行くわ」
「え? あ、お、おいゆり!」
 なぜか唐突に居た堪れない気持ちになったあたしは、音無くんの制止を無視して食堂から飛び出した。

358:Love Me Tendar
10/08/18 18:45:37 l/js7KBn
 それからも、あたしの情緒は不安定になっていくばかりで。
「あ、音―」
「おーい音無ー、一緒に麻雀やらなーい?」
「ああ、いいよ。メンバーは?」
「あたしと藤巻、そんでTKと松下五段だよ。んじゃ、親はあたしねー」
「くそっ、今度こそひさ子の独壇場を阻止してやるぜ!」
「次は負けん…!」
「絶望のカーニバル…」
「…………」
 次の日。
 廊下にて。
「音な―」
「あ、先輩先輩ー!」
「音無ー、視聴覚室にゲームしに行こうぜー」
「は? そんなものまであるのか?」
「もちろん。こっちの世界にも、向こうの世界(げんせ)のものがちゃんとあるんだぜ」
「まぁ、いいけどな。んで、メンバーとジャンルは?」
「えっと、あたしとひなっち先輩、先輩と天使さんに大山先輩、そしてしおりんにみゆきちの7人です!」
「ジャンルは格ゲー。メル○ラな。へっ、俺、生きていた頃はこのゲームやり込んだんだぜー」
「それ、なんかズルくないか? おまえが圧倒的に有利じゃないか」
「大丈夫だって。メインキャラは使わないようにするからさー」
「メインキャラじゃなくても、ゲーム全体の立ち回り方を知っている以上はどのキャラでもそれなりに強いだろ。日向はハンデありで、使用キャラはランダムセレクトな。やり慣れていないこっちとしては、これくらいのハンデをもらわないと正直やってられない」
「えぇっ、なんだよそれー」
「ひなっち先輩以外は全員初心者なんだから、ハンデを付けるのは当然ですー。さっ、もうみんな先に行って待ってるんで、あたしたちも早く行きましょー!」
「…………」
 次の日。
 校長室にて。
「お―」
「音無さんっ、おはようございますっ! 今日は図書室でこんな本を見つけたんですよ! 一緒に読みませんか?」
「どれどれ……タイトルは、男の友情を超える時―ブッ!? おま、これ、BL本じゃないか! なんでこんなものが図書室にあるんだよ!」
「音無さん、一緒に読みましょう! そして、あわよくば実践を!」
「いやだよ! 俺は完全にノーマルだ! そっちの趣味はねぇよ!」
「僕にはあるんです!」
「言い切った!?」
「音無さんは最近、女どもの相手ばかりしていて、全然構ってくれないじゃないですか。僕にも音無さんの無限の愛を注いでくださいよっ」
「気持ち悪いこと言うなよ!? 確かに女子メンバーと一緒にいることは多いけど、愛とかは関係ないからな!」
「音無さん、僕、もう我慢できません!」
「人の話を聞けって―うわっ、馬鹿! やめろ来るな近寄るな!」
「…………」
 音無くんは直井くんから逃げるように、校長室から出て行った。

359:名無しさん@ピンキー
10/08/18 18:46:44 l/js7KBn
今回は短くてごめんなさい。
では失礼します。

360:名無しさん@ピンキー
10/08/18 18:52:26 Fj/ggjzG
ヒャッハーーーーー!!
GJ!

361:名無しさん@ピンキー
10/08/18 18:58:06 x5P/AizW
遂に来たか!
GJ 続き楽しみに待ってるぜ

362:名無しさん@ピンキー
10/08/18 20:56:23 ChDHo2NT
GJ!!

直井www

続きに期待

363:名無しさん@ピンキー
10/08/18 22:28:58 s8xHRi/7
きたあああああ!GJぅうう!!

364:名無しさん@ピンキー
10/08/18 23:43:57 fP0CV61v
過去ログ追って読んだがおもしろいなw
音無主人公のゆりルートも見たかったかもw
続き待ってる

365:名無しさん@ピンキー
10/08/19 02:43:35 ioJ1HTGU
天使の麻婆豆腐が辛いんだけど

366:名無しさん@ピンキー
10/08/19 08:09:05 gQ5bqz8J
芋っぺ男いないからな・・・
音無と日向は鉄板の相手がいるし

367:名無しさん@ピンキー
10/08/19 16:20:53 FEoJ837v
野田さんがいるさ

368:名無しさん@ピンキー
10/08/19 16:33:34 LMDFFgKM
>>366
男いないなら女とくっつけばいいんじゃね?

369:名無しさん@ピンキー
10/08/19 16:48:59 0U0JYifi
>>368
頭いいな!

370:名無しさん@ピンキー
10/08/19 17:47:35 ZnoXMdTV
正にゆりっぺだなw

371:名無しさん@ピンキー
10/08/19 18:44:14 LAOVzsCB
攻めも受けもどっちも対応できそうだしな

372:名無しさん@ピンキー
10/08/19 21:27:06 3Qvtv+6r
百合っぺ見たいけど、レイプッペも見たいな

373:名無しさん@ピンキー
10/08/19 21:39:31 LMDFFgKM
ゆりっぺ×奏が好きです

374:名無しさん@ピンキー
10/08/19 22:39:38 7Ejmi2ND
レズっペまだー?

375:名無しさん@ピンキー
10/08/20 00:01:53 lWaxFm/6
もはやエロゲ化しろよ

376:名無しさん@ピンキー
10/08/20 00:08:26 DHOtZs48
>>372
と、いうわけで 鬼畜直井×ゆりっぺ お願いします

377:名無しさん@ピンキー
10/08/20 00:43:13 ysY/ra4v
天使軍団に集団レイプされるゆりっぺ

378:名無しさん@ピンキー
10/08/20 10:41:59 J5CtXIzE
それだっ!

379:名無しさん@ピンキー
10/08/20 20:41:45 JJf5Xxw4
18禁SS倉庫が更新されてると思ったら新しいシリーズが乗ってる!ぜひ続きを!

山の上のホテルの人も乙です!

380:名無しさん@ピンキー
10/08/20 23:55:48 jxG6ICj6
>>347
俺、ひなっち先輩だけどユイにゃんは絶妙なやわらかさだったよ

381:名無しさん@ピンキー
10/08/21 05:49:10 eA/v2tmR
>>380
うp

382:名無しさん@ピンキー
10/08/21 08:02:22 3RicSqrm
陵辱・百合・エロなし

ユイやんいないしやや長いです

携帯からのうpなのでちんたらしてしまいますが
この時間帯からならいいかなと思いました

383:確信への歩み
10/08/21 08:05:42 3RicSqrm


天井と蛍光灯の白さが目に飛び込んだ。

「……はぁあっ」

何度目の目覚めになるだろう。覚えがある。間違いない。
ここは、今や馴染みとなった保健室だ。
まず自分の指を見つめて、それを動かしてみた。
うん、動く。
足はどうだろうと思って膝を曲げてみるがこちらも問題なしだ。
ベッドから上体を起こして大きな伸びをすると、肺の中にすうっと新鮮な空気が入っていった。
あらためて体を見渡すが切り傷ひとつない。
制服も新調されたばかりのようにみえるが、誰かが俺のことを着替えさせたというわけでもなさそうだ。

「あー、意識ははっきりしてそうだな。無事でなにより、この世界に感謝だな」

片手を挙げた日向がすぐ隣りのベッドに横たわっていた。
頭部を打ったんだろうか。俺とは違い、頭に包帯を巻いていた。

「こんなとこで会いたくはなかったな」
「まったくだ」

きっと『死んだ』んだろう。
日向の包帯、それにシャツは赤々と染まっていて痛々しかった。
いまだに血を見ることは慣れない。というより慣れることはないと信じたい。
他人の血を見ることに慣れてしまう人間になってしまうことは怖いことだ。
少しだけ目をそらそうとして保健室の奥を見つめたら、そこにもう一人の患者がいた。

384:確信への歩み
10/08/21 08:13:30 3RicSqrm

「ったくゆりっぺのやろう容赦ねぇぜ、一度は自分がなってみやがれってんだ」

藤巻がなにやら文句を言っている。
見たところ健康そうだが、こいつにもやっぱりなにかがあったんだろう。

「その声さ、ゆりに届くか? それにゆりだってここにいる以上は一度はそういう目にあってるんだろ」
「今度は直に言うつもりだからちっと揉め事になるかもな」

ゆりのことは俺よりよっぽど知っているんだろうがそれでも腹に据えかねているらしい。
こいつそれだけのことはされてきていそうだし、分からないでもない。
でも俺はゆりはリーダーはやれてる。むしろゆりはゆりにしか出来ないことをやってるとも思ったので口を噤んだ。
まぁギルド降下作戦のときも俺は幸いにして生き残れたわけだし、これまであまり痛い思いはしていない。
だからこれはラッキーだった側の人間が思うことに過ぎない。

俺にとっての衝撃はといえば……かなでに胸を貫かれたときのあの瞬間的な痛みしかなかった。
あれはここに来て早々の出来事だったし、あのいきなり具合は今から思ってみてもかなりの怖さだ。
と、ふとそんな風にかなでのことを思っていて思い出した。
俺が今ここに横たわっている理由だ。
それは……

「なあ音無。起きたら訊きたいと思ってたんだけどさ」
「なんだ?」
「いやさ、実は俺がここにいるのはゆりっぺがらみなんだけど……お前もそうなのかと思ってさ」
「ああ、俺はゆりとは関係ない。自業自得ってやつだ。にしてもお前のそのゆりがらみって……?
 その状態からすると校長室のトラップに引っかかって転落したようにしか思えないんだが」
「落ちたのは当たってる。けどあの罠にかかるほど落ちちゃいないさ」
「じゃ、高いところっていったら屋上からとかか? またどうして?」
「ご明察。理由はわれらが姫君に訊いてくれ」

385:確信への歩み
10/08/21 08:20:02 3RicSqrm

なんとなく、落ちた、というより落とされたように見えた。だとしたら同士討ちだ。怖いもんだ。
日向を見ていると藤巻も似たような事故に遭ってここにやってきたのかもしれないなと想像させられた。

「てめぇはどんな死に方したんだ?」
「俺? まぁあれだ。お前らと同じようなもんだよ」
「にしては外傷がねぇじゃねぇか。不自然だぜ」
「外傷がないのはお前もだろ、……さては水死か」
「くそっ、それは仕方ないだろうが!泳げねぇもんは泳げねぇんだよ!
 お前ゆりっぺに気に入られるだけあるよな、人の痛いとこ突いてきやがる」

ゆりは皮肉や揚げ足とりの上手さなんか評価したりするだろうか。
あながちなくはないとも言えないから恐ろしい。
ところで、藤巻は俺も死んだからこそここにいるんだと思い込んでいるみたいだけれども、
実はそうじゃない。俺は気を失っただけだった。


 ※ ※ ※

「……あのさ、いつも思うんだけどお前って色んな力持ってるよな」
「そんなことない」
「ハンドソニックとかさ、あれだけでも凄いと思う。
 あれってやられる側からしたら相当の脅威だから」
「………」
 風に流れた髪を手ぐしでさらりと梳かしたかなでは、かすかに眉をひそめた。
 その仕草は淡くはかないものだった。
「そこでなんだけど、俺からひとつ提案があるんだ。
 かなでがこれ以上恐れられると天使っていうより悪魔とさえ呼ばれかねないから……
 なんとかしたい。だからもうちょっとかなでのことを教えて欲しい」

386:確信への歩み
10/08/21 08:26:13 3RicSqrm

「天使でも悪魔でも変わりはないわ。私は私だもの。
 でも結弦は気になるの?」
「……例えばだけど、かなでが使える力のなかでもっと穏やかなものってないかな。
 あまり目立たないもので、人に影響を与えられるものとか。
 そういうのがあったら試しに使ってみてくれよ。俺に向けてでいいから」
「私もあまり知らない」
「そっか……」
「……知らないスキルならある」
「あんのか! あーでもそれってものすごく怖いなー」
「フェイズシフト」

 ※ ※ ※


そう、そこから先のことは覚えていない。これが先ほど思い出した記憶。
かなでと行動を共にしていることはなるべく隠しておきたいので藤巻には隠した話だ。
はたして実験の結果はどうなったんだろうか。
自分でも確認した通り四肢に異常はないし、全身滞りなく動く。
確かに穏便で、何事もない。
気を失わせるだけなら非暴力的だし、ひょっとすると成功ってやつなんだろうか。
ただ被験者は俺ひとりだし、なんの副作用もないというのもあやしい。不発だったということも有り得た。

「こんなんで本当に天使に敵うもんか?」
「叶えるのよっ」

ガラガラッと威勢のいい音を立てて戸が引かれた。弾かれたといってもいいくらいだ。
さすがわれらが戦線のリーダーゆりだ。ここを病室だとは思っていない。
三床が横並びになったベッドの中央に歩み寄り、とうとうとまくし立て始めた。

387:確信への歩み
10/08/21 08:30:37 3RicSqrm

「あなたたち起きるの遅すぎる。いったいなんなの?
 時間は無限だけどいつまでも眠っていていいとは言ってないわ。
 あたしにやられてるようじゃまるで駄目じゃない。ぜんぜんね。
 藤巻くんはいい加減に弱点克服しなさい。プールに突き落とされたくらいでなによ。
 言っておくけど水に慣らしてあげようとしたんだからね、あそこ足着くのよ?」

「ゆりっぺてめぇ! 世の中どうにもならねぇことだってあんだよっ!」
「どこがどうにもならないことなのよ。いい加減恥ずかしいと思ったほうがいいわ。
 それと日向くん……あなたほど学習能力のない人あたし知らないんだけど」
「だいぶ学ばせてもらってっから。落ちる方に関しては。
 ってか今回はなにが目的なんだよ」

「SSS一斉危機管理定期テストよ」
「は?」
「んだと?」

「他のみんなは全員無事なの。それだけに、あなたたち二人のだらしなさは際立っていたわ。
 二人にはいずれ抜き打ちテストを受けてもらうから覚悟してね」
「今回だって抜き打ちじゃねぇかよっ」
「それより音無くんだけ見当たらなかったんだけど、どうしてここにいるのよ。
 まさかあなた消毒液のにおいがたまらなく好きでここにいついちゃった消毒液フェチなの?そうなのね?」
「そんなわけ……」

なぜだろう―

「あるのかもしれないな」
俺は自分でも思ってもみない言葉を口にしていた。

388:確信への歩み
10/08/21 08:36:26 3RicSqrm

「ちょっ、あなた大丈夫? そんな奇癖持ちなんて奇跡だわ。キモッ」
「ゆりっぺ寒いぞ」
ぐしゃっと鈍い音が立ち、日向が前のめりに伏せった。
有無を言わさないゆりの前蹴りだった。

「鳩尾一直線か。日向まだ内蔵完治してないと思うぞ」
「ああっ? なにか文句あるわけ? あたしは腹が立ったらそのままにはしておけないの!」
「いい蹴りかもな。俺も受けたいくらいだった」
どすっと鈍い音が立ち、激痛に襲われた。
…息ができない。俺はあえぎあえぎ酸素を求めた。
つーか俺ェ…なんてこと言ってんだ……
「ゆりっぺェー、白いもん見えてっからなー」
ガツン、という金属音がした。藤巻ェ……

「あなたたちどうしようもないわ。しかも音無くんまで堕落してるとはね」
「あまり責めるのはよしてよゆりっぺ」
大山が俺たちを擁護する。
あまりの存在の希薄さに気がつかなかったがゆりと同時にこの部屋に入ってきていたようだった。
「あのね、腐ったリンゴを一緒にはしておけないの」
「僕たちはみかんやリンゴじゃないよ! 人間なんだよ!」
「そんなベタなセリフ物書き志望のやつが書いたら……」
日向は苦痛のあまり最後まで言い切れない様子だ。なにが言いたかったんだ?

「ゆり……」
意図せずして、それも唐突に、俺の口が開いた。あれ?
「なにかしら」
「……もっと聴かせてくれないか」
「へっ?」
「さっき言ってくれた、堕落してる、って言葉」

389:確信への歩み
10/08/21 08:41:46 3RicSqrm

辺りが水を打ったように静まり返った。
なによりも、俺自身が自分の言葉に傾注させられた。
うわ!? そんなの聴きたいなんてことがあるわけあるかっ!!

「音無くんって消毒液フェチなうえにMだったのね。見抜けなかったあたしが悪かったわ」
冷ややかな視線を感じる。それはゆりからばかりではない。
気絶寸前な日向や藤巻からも感じられる。

「僕たち人間なんだよ! ちょっとした性質上のかたよりだってあるよ!」

大山が俺を弁護してくれる。
きっと性癖という言葉を知らないんだろう。ややこしい言い方をしている。
しかしなんていいやつだったんだ大山は。

「ふざけんなよっ! Mのなにが分かんだよ!」

けたたましいくらいの大声が響いた。
一瞬誰の声だか分からなかった。
俺だ。って俺!!

「お前…結構いっちゃってるやつだったんだな……」

日向の罵声がなぜか心地いい。
ボイスレコーダーで録音してリピートしまくりたい感じだ。
って俺!?

390:確信への歩み
10/08/21 08:48:37 3RicSqrm

「ちょ、ちょっと待った。勘違いさせるようなこと言って悪いな!ジョーク…だ、ジョーク!」
なんとか声が絞り出た。が、動悸がして止まない。
苦しい言い分だが大山は許してくれるだろうか。
「少しなら分かるような気がするよ。それってゆりっぺになじられたときのような気持ち……かな」
「大山くん、こういうときはかばったって良くはならないのよ」
完全に真性だと思われている。
しかし本当は大山が真性なんではなかろうかという疑問も生まれた。
「つまらねぇジョークだぜ」
ほんと、冗談にならない。
かなで……なんかマジでやばいんだが……


「そうだ日向! お前がいつか言ってたけど大山って魔法みたいなものが使えるんだっけ!」

場にしらっとした空気が流れた。
なんでここで突然、と日向は思ったことだろう。けれども乗ってくれた。

「脱力系の魔法しか使えないが幾度となく戦線の分裂を阻止してくれたたしかな賢者ではある」
「そんな前振りされたらいやでもハードル上がっちゃうね!」
「大丈夫よ。期待していないからやってあげて」

大山は神妙な面持ちで身構えて言った。
「それじゃ……死せる魂を常世の闇へ葬らん…。安らかに眠れッ! イクソシズム!!」
空に十字を切っていた。
その光景は陳腐だがどことなく神秘的でもあった。

「音無はなにかに取り憑かれてたのか? 珍しく的を得てる方かもな」
「で、どーなんだよ?」
「く、下らないんじゃないか」
どの口がそれを言う! 大山マジごめん。


391:確信への歩み
10/08/21 08:53:58 3RicSqrm

「少し期待しちゃったあたしも馬鹿みたいじゃない。とにかく音無くんと日向くんが定期的に検診を
 受けないといけないメンヘラだとすると今後の戦力のことを考えないといけないわね・・・・・・誤算だわ」
「なんで俺も含まれてんだよっ!」
「当たり前じゃない。魔法とやらのことを音無くんに吹き込んだのはあなたなんでしょ?おとなしく連座しなさい」

「おっと、一緒にしてもらっちゃ困るんでわりぃが俺はもう行くからな」
藤巻は頭にへし曲がった保冷温庫を引っ付けたまま、保健室を後にした。
よっぽどの強打だったんだな。


「別に……メンヘラじゃないけどさ」
またかっ!頭んなかはわりと冷静なのに……!?
「……なんていうか……そう呼ばれるのも悪く……ない」

ああ、みんなどん引くぞ。そりゃそうだ。
日向がお前最近なんかで無茶したのか?と冗談めかすがさきほどの俺のジョーク発言の効果はもはやない。
すでに冗談としての限度はオーバーしていた。

「どうしよう僕のせいで音無くんがもっとおかしくなっちゃったよお!!」
「……消毒液フェチでMなうえにメンヘラだったのね。ムリ、SSSに置いておけない」

ゆりはにこやかに微笑んでいる。
が、それに反比例した冷ややかな言葉が胸に突き刺さる。
ひと言でいい。これはささいな行き違いなんだ、と俺は言いたかった。

「ゆり……冷静に聴いて欲しい。俺は」


392:確信への歩み
10/08/21 08:58:39 3RicSqrm

立ち去ろうとしていたゆりの足がぴたりと止まった。
日向と大山も俺になにかを期待しているのだと分かった。
そして誰より、俺は俺自身の言葉に救われたかった。

「俺は……」

校庭からは陸上部の掛け声が聞こえてくる。
唾を飲む音さえ聞こえてきそうなほどの静けさだ。


「―お前のことが好きだ、大好きだっっ!!」


うん、千里先の山のほら穴で尻を出したままでいいから隠れたい。
でも待てよ、照れがあるってことはゆりのこと本当に好きだったのか?俺?
しかしながらその辺りがどうなのか分からないまま告白ってのはないな。


「な、なに言ってんのっ!? 消毒液フェチでMでメンヘラなうえに告白魔だったの!!?
 女の子にこんなシチュエーションで告白する男がどこにいるのよ!ってここにいたし!
 そりゃあたしはそこそこの美人で性格もよくて権力も握ってるし、あなたが
 ギルド降下作戦のときにあたしにしがみついたときに欲情しちゃったとしても分からなくはないわ。
 でも岩沢さ……はもういないけどみゆきちもしおりんもいるしユイだって椎名さんだって遊佐ちゃんだっているじゃない。
 あたしには目的があるし恋は邪魔なの。そういうことだからあなたは考え直すしかないの。よーしっオーケー?」

「気持ちに嘘はつけないっ。大好きだ、ゆり!」


393:確信への歩み
10/08/21 09:04:48 3RicSqrm

「マジかよ……。お前こいつを誰かと勘違いしてねぇ?分かってんのか?ゆりっぺだぜ?」
「ああん?あなた喧嘩売ってるの?買うわ、買占めよ、大人買いよ!」
「馬鹿だ、音無。お前は馬鹿だ!」

日向はしきりに俺をののしる。
するとだ、不思議な感覚……につつまれていった。
そうだ。『お前…結構いっちゃってるやつだったんだな……』と言われたときと……同じだ……


「落ち着いて聴いてくれ日向」
「え?」

もみ合っていたゆりと日向の動きが同時に止まった。おろおろしていた大山も。
ゆりへの告白によって俺はもうひとつ上のステージ、新たな高みへとのぼり詰めていた。
俺はゆりが好きだ。今……確信を持って言える。
けど、それだけじゃない。


「俺はお前のことだって……」




394:確信への歩み
10/08/21 09:08:59 3RicSqrm

「両っ性っ愛っキターーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!
 あ、そういう存在は認めるけど
 あたしの半径100m内には二度と入らないで以上w」
「お前がコレだったのかよっ!てかそれコレを越えてんじゃねぇか!カムアウトすんなよアウトだっつーの!!」
「えっと、言葉が見つからないよ……」


 ※ ※ ※

「ある一定の揺れが親しみに、ある一定の揺れが嫌悪に変わるようにシフトしているみたい」

かなではいつも通りの平静さでフェイズシフトとやらの説明をしてくれた。
詳しいことは俺に使用するまで分からなかったスキルらしい。
付け加えると、シフトした感情と元からある感情とが混ざるのでとても危険とのことだ。

「今更だけどさ、かなでのスキルって身を守るためのものだけじゃなかったのか?」
「わからない」
「使い方しだいってことか」

それにしてもとんでもない力だった……と過去形で言いたいところだが、
あれから三日経ったというのにいまだに効用が続いている。
現状の俺は完璧にSSSから除籍扱いのうえ、バイを始めとしたあらゆる噂を身にまとうことになってしまった。
なので生徒会にやっかいになっている。だけど……

「結弦、必ず治すから……」
悲しいよ、かなで。
俺はお前のことまでイヤになり始めている……

395:確信への歩み
10/08/21 09:12:59 3RicSqrm

「僕はいつだって音無さんの味方です!だから僕の催眠術とこの愛を受け入れて下さいっ!」
胸を張って俺の味方だと誇示してくる直井が非常にうとましい。
うぜぇw

嗚呼、ゆり、日向……俺に誹謗中傷罵詈雑言の波を浴びせてくれッ
『末期なことを自覚しなさい。や・ば・す・ぎ・る。』
『お前マジで引くわ……』
ハァハァ……

「どうしたの結弦…?どこか苦しい?」
「……なんでもない」


 ※ ※ ※

「ゆりっぺさん、音無さんは再起不能。回復のめどは立っていない模様です」
「そう、報告通りだとすると変態のままということね。
 変態のくせに生徒会に受け入れられているのはなんでなのかしら。
 もしかして……天使も同類……?」

 ―音無のせいでますますレッテル貼りをされることになった天使であった―





396:名無しさん@ピンキー
10/08/21 09:17:37 3RicSqrm
ちなみに言うと初のABssでした。
最終的には音無がゆりに駆逐される生徒会バッドENDになったのかも。

397:名無しさん@ピンキー
10/08/21 09:50:21 nwYwK0J+
乙!

変態生徒会イイヨイイヨー

398:台本形式でスマン。
10/08/21 12:00:28 s1UaWIZV
NPC女C「あ、ああっ、いやぁ、あんっ、ひゃんっ、あっ」
「ハァハァ」パンパン

NPC女A「Cが休んだ……。B、何か知ってる?」
女B「知らないよぉ。だって、昨日あんなに元気だったのに……。」
女D「もしかしたら……。あの、噂の」
女A「カミサマ?そんなの年頃の精神不安定な子が考えた都市伝説ってやつだよ。」
女D「でも、隣のクラスの子が見たらしいよ!」
女C「はいはい。まあ、今日Cのお見舞いに行こう。」
女B「うん。」
女D「やっぱり、都市伝説だよね。」

ゆり「ほうほう」

399:名無しさん@ピンキー
10/08/21 12:11:55 s1UaWIZV
ゆり「みんな、聞いて!」
日向「何だ?ゆりっぺ」
ゆり「この、世界にカミサマという者が現れたわ!」
日向「マジで!」
音無「本当かよ!」
野田「とーとー、おでましか!」
ユイ「でも、それ都市伝説ですよね?」
ゆり「さあ?本当か嘘かは分からないわ。」
野田「と、としでんせつ!なんなんだそれは!」
椎名「黙れ。」

藤巻「し、椎名が喋った!」
大山「それほど、野田君が馬鹿だって事だよ!」
野田「うるせぇっ!」
椎名「で、都市伝説とは何なんだ?」
日向「椎名っちも同レベルじゃねぇかよ。」
ユイ「アホですね。」
大山「椎名さんは、漢字使ってるよ!」

ゆり「お前ら、うるせえええぇぇ!!!」

400:名無しさん@ピンキー
10/08/21 12:29:28 s1UaWIZV
ゆり「で!カミサマというのは」

夜、女子寮に現れる。
そして、どこかの部屋のインターホンを押し、
女の子の声で「部屋に入れてくれない」と言う。
そして、部屋に入れてしまうと
口を塞がれ、無理矢理犯される。
そして、最後に
「カミサマ」
そう書いた紙を置いて帰る。

日向「都市伝説だな。」
音無「だな。」
ゆり「女の子の声をした変態レイプ男というわけ。」

C「有り難うA、B、D。」
B「友達でしょ。お見舞いに来るのが当然だよぉ。」
A「で、元気そうだけど……。何で休んだの?」
C「……。」
D「やっぱり、カミサマ?」
C「!」
A「だから、都市伝説だっ!えっ!C、嘘だよね!何、その反応!?」

401:名無しさん@ピンキー
10/08/21 12:43:56 s1UaWIZV
A「ほ、本当にいたんだ。カミサマ。」
D「カミサマって書かれた紙、見せられたら。」
B「私、思ってたんだけど、カミサマって本当に男性なのかなぁ?」
A「え?」
B「ペニパン履いた女の子かも。」
ADC「ペニパン?」
B「あの、ペニスのパンあっ!」
ACD「……。」
B「ち、違うよぉ!えと、あの、と、と友達が持ってたの!わ、WAWAWA私は、そんなの持ってないよ!」
A「聞かなかった事にしよう。」
C「あれは、本当に男だった。」
D「カミサマって一人なの?」
C「一人だった。」
A「そうか。怖かったな。」
C「うぐっ、ひっく、うぅっ」
B「うぅっ、ひっく、うぐっ」
A「B、お前は泣くな。C、今日は私達がここに泊まるよ。」
C「うぐっ、あ、りがとう」
AD「友達でしょ」
B「うぐっ、ねぇ、ひっく、わ゛だしは?」
A「友達だよ。」
D「この四人は友達、いや、親友でしょ!」

402:A、B、C、D分かりにくいな。
10/08/21 13:02:53 s1UaWIZV
>>398 女A「はいはい。今日は(ryです。すみません。

その夜

A「ドロー2だ。」
D「あっ、もうAズルいよ!」
A「ズルくない。」

ピンポーン

B「誰か来た。」
「あの、落とし物を拾って、この部屋の方のはず何ですけど」
B「C、落とし物だって。」
A「カミサマだ。」
C「ひっ!」
A「あたしが出てくる。」
D「気をつけて……。」
A「一応、木刀持ってくよ。」

「あ、あのぉ。留守ですか?」

A「すみませ~ん!今、行きま~す!」
ガチャ
「あ、はいこれ。Cさんのパンティです。」
A「てめぇが、カミサマか。死ね!」ブゥン
カミサマ「木刀なんて振り回さないで下さいよ」パシッ
A「くっ!おらぁっ!」蹴りっ
カミサマ「うぐっ!」ヨタヨタ
A「今度こそ、死ねぇ!」ブゥゥゥン

403:名無しさん@ピンキー
10/08/21 13:22:41 s1UaWIZV
カミサマ「撃つよ」
A「け、拳銃!」
カミサマ「中に入らせて貰うよ。君は後で美味しく食べてあげるから」
A「あ、あぁ、け、拳銃……。」

トントン
B「あ、A!カミサマは!おっぱらっ……。」
カミサマ「手、挙げないと撃つよ」ニコ
C「い、い、いい(いやあああああああぁぁぁぁぁ)」
D「……。」
カミサマ「Cさん、今にも叫びたそうだね。叫ばれたら困るから」
B「ん、んぐっ、んぐうううぅぅ(は、早い!もう皆口と手を塞がれた!)!」
カミサマ「初めは……。君からだ。」
B(わ、WAWAWA私!)
カミサマ「あは、君って淫乱だね。こんな濡れてるや」
B(見て!もっと見てカミサマ!)
D(A!何してるの!早く!早く!)
カミサマ「ふんっ、ふんっ、ふんっ!」パンパン
B(本物のおちんちんってこんななんだ。もっと突いてカミサマ!)

404:名無しさん@ピンキー
10/08/21 14:17:01 s1UaWIZV
ゆり「あなた、何してるの?」
A「はっ!カミサマが!」
ゆり「カ、カミサマ!」
A「部屋の中に!」

B(あぁん!カミサマ!カミサマ!カミサマ!カミサマ!)
ゆり「大人しくしなさい!カミサマ!」
A「ぶっ○す!!!」
ゆり「あなたも!」
カミサマ「やあ、ゆりっぺ」ドピュ
B(あ、温かいのが!中に中に!出てるぅ!)
ゆり「お、大山君!」
カミサマ「バイバイ」シュン
A「き、消えた……。」
B(あれ、おちんちんは?カミサマは?温かいのは?)
ゆり「大山君だったなんて……。それに、消えちゃったし……。」
A「何で消えたんですか!?」
ゆり「……。その子たちを解放してあげなさい。」
A「あ、はい、大丈夫か!?B!?」
B「わ、WAWAWA私のおちんちんを返して!!!」
ACDゆり「……。」



405:名無しさん@ピンキー
10/08/21 14:31:42 s1UaWIZV
別ルート ゆりが来ない

カミサマ「で、出るっ!」ドピュ
B(あ、温かいのが!中に中に!出てるぅ!)
カミサマ「くっ、やめっ!」
B(もっと!もっと!もっと頂戴!)
カミサマ「ま、また!出ちゃう!」
B(出してぇ!)
カミサマ「はぁぅっ!」ドピュ

A「う、撃たれる……。」
D「んんん!!!」ドン
A「うわっ!」カックン
A「はっ!D、C!大丈夫か!?口と手の取ってやる!」
D「う、うん。大丈夫。」
C「Bが!」
A「Bがどうしたんだ!?」

B(ん!萎えちゃやぁ!)
カミサマ「  」
B(カミサマ!お口で私のお汁飲んでぇ!)
カミサマ「  」
A「……。」
D「Bの性欲がカミサマを超えた。」
C「で、カミサマが気絶した。」

B(んあぁっ!カミサマ!カミサマ!カミサマ!カミサマ!)

A「あたしたちは、この状況をどうすりゃいいんだ……。」



406:名無しさん@ピンキー
10/08/21 19:42:27 yscUl93G
乙&GJ!

407:名無しさん@ピンキー
10/08/21 22:38:04 zG6kzXgd
そういえば音無×入江の人はどうしたのだろうか……

随分前に書いているという報告以来音沙汰ないけど

408:名無しさん@ピンキー
10/08/21 22:46:53 oocdPL1e
ガルデモの面子っていまいち把握してなかったけど、
おーでぃおこめんたりーで顔と名前と声認識した

409:名無しさん@ピンキー
10/08/21 23:36:28 eA/v2tmR
最近来てるなwGJ!

410:名無しさん@ピンキー
10/08/22 04:02:37 PN01K6CC
>>408
俺は顔と名字は一致してたが、
どっちがみゆきちで
どっちがしおりんか最近までわかん
なかった。

411:名無し.co.jp
10/08/22 21:32:49 YBG/DzNk
え~と…最近、音無×奏が全くないので書こうと思いますがハーモニクス天使×奏×音無の三角関係って需要ある?

412:名無しさん@ピンキー
10/08/22 21:46:07 PN01K6CC
絶対ありますよ!
wktk

413:名無しさん@ピンキー
10/08/22 21:54:45 tbZpf1L7
もうその組み合わせだけでいける

414:名無し.co.jp
10/08/22 22:00:42 YBG/DzNk
じゃあ今日中に少し投稿するが作者は投稿するのがはじめてなので漢字変換ミスや誤字脱字があります。タブあと、作者は最近18才になったのでエロの専門用語がわからない(漢字が読めないので)からエロなしになります。

415:名無しさん@ピンキー
10/08/22 22:08:02 +YksOv1l
ぐぃいおおおぉおおいぃ!エロなしか
よし、続けたもれ

416:名無し.co.jp
10/08/22 22:21:05 YBG/DzNk
投稿します。奏は戦線メンバーと和解している方向であといるメンバーは岩沢はどう頑張っても出せないのでいないという事で

音無「神も仏も天使もなし…と」ガチャッ

音無「ってあれゆりだけか?」

ゆり「もうすぐ日向君か高松君くらいがくるわよ」

音無「そっか」

音無「………」

ゆり「………」

音無(会話が続かない…)アセッ

音無「そういえば、この校長室校長先生に返さないのか?」

そう…今は奏とも打ち解けてこの部屋を使う必要も無くなっていた。

ゆり「何言ってるの…返せるわけないじゃない」

音無「えっ…なんでだ奏とは敵対する必要はないだろう」

ゆり「違う違う、奏ちゃんの問題じゃなくてこのまま渡したら次の日に校長先生が野田くん(第1話)のようになるのよ」

あぁ…あの入り口の仕掛けか確かにあれは痛かったからな

ゆり「大丈夫奏ちゃんにはもうあなたが心配するような事はしない」

音無「そっか」

俺はまだ奏と敵対関係にあると思っていたけどひと安心だな。

しばらくすると他のメンバーが集まってきた。椎名はいつも通り大山と犬の人形を眺めて、TKと松下五段はダンスの練習、藤巻は何処からか持ってきたマンガを野田と読み、ユイと日向はいつも通り喧嘩をしていた。
その時、ガチャッと扉が開いた


417:名無しさん@ピンキー
10/08/22 23:02:20 8qJ0Stuw
今日たまたま入った楽器屋にLisaさんのサイン入りギターがあってビビった

418:名無しさん@ピンキー
10/08/22 23:04:08 +YksOv1l
>>417
当然買ったんだろ?

419:名無し.co.jp
10/08/22 23:05:14 YBG/DzNk
そこには赤い目をした奏がいた

ユイ「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」
日向「なんだってあの時の天使がここに」

大山「うわぁぁぁぁぁぁ」
ユイはすごいスピードで部屋の端まで逃げ、大山は足が尋常ではない震え方をしながら怯えていた

奏(赤)「もうすぐ授業の時間だけど」

野田「貴様…まだ諦めていなかったか良いだろう本気で相手をしてやる」

藤巻「瞬殺された奴のセリフとは思えないぜ」

野田「うるさい」

椎名「浅はかなり」

ゆり「まって…皆行きましょう」

野田「正気かゆりっぺ!」
ゆり「ここで歯向かったら全滅よ」

俺は奏が何故このような事をしたのか考えていた。全員が校長室からずらずらと出ていき俺も出ようとした時。

奏(赤)「待って…」

そう言って奏(赤)が俺の袖口を掴んでいた。

奏(赤)「良かったら…一緒に授業を受けたい」

音無「えっ…」

そう言った奏(赤)は頬を赤らめ身長差のせいで見上げられる形になっていた。

音無(こいつホントにあの時の奏か)

奏(赤)「ダメ…」

うっ…駄目だ断れない

音無「わかった」

そう言った自分の頬が熱くなっていたことがわかった。

420:名無し.co.jp
10/08/22 23:07:47 YBG/DzNk
すまん今日はこれまでだ続きはできるだけはやくあげるがすまない

421:名無しさん@ピンキー
10/08/22 23:12:19 +YksOv1l
がんばれ~!見てるぞよ

422:名無しさん@ピンキー
10/08/22 23:54:13 ki8hKdp4
このスレ二期始まるまでは続けたいとこだな


423:名無しさん@ピンキー
10/08/22 23:58:33 +YksOv1l
だな

424:名無しさん@ピンキー
10/08/23 00:29:32 Qokp3w5A
二期か・・・やるとしたらどれくらい先なんだろうか

425:名無しさん@ピンキー
10/08/23 01:20:37 6QhxyK6b
なぜ奏の人気が高いのだろうか・・・?
俺は岩沢さえいてくれればそれでいいんだが

426:名無しさん@ピンキー
10/08/23 01:32:41 IHfAEeLb
>>425
そんなことここで言われてもw

二期はないと思うけどゲーム化とか
他の媒体ならあるかもね。テレビアニメでやってくれるのが1番いいけど

427:名無しさん@ピンキー
10/08/23 08:13:00 kuQKylUn
奏はあれだ。綾波とか長門みたいなもんだ。

428:名無しさん@ピンキー
10/08/23 18:29:24 RUAYkP3K
なんかキモオタのコピペ思い出したw
コポォとか笑う奴

429:名無しさん@ピンキー
10/08/23 21:20:14 wfxC5mfI


>>418

『値段が付けられないので・・・・』って店員さんに言われちった

430:名無しさん@ピンキー
10/08/23 21:32:04 RUAYkP3K
>>429
店員分かってるなぁ~ww

431:風と木の名無しさん
10/08/23 22:27:54 XWAVe+vt
前の人途中だからかいちゃ駄目っすよね

432:名無しさん@ピンキー
10/08/23 22:40:08 RUAYkP3K
書けよ
速く
頼む

433:名無しさん@ピンキー
10/08/23 22:46:10 XWAVe+vt
じゃあ、卒業式ネタ。
エロなし•カプ無しのただのネタです。
キーボードじゃないんで遅くなります

434:~卒業式~ 1
10/08/23 23:28:07 XWAVe+vt
日向視点。

卒業式も一通り終わり、直井、ゆりっ
ぺがこの世界から旅立った。

「じゃ、次は俺がいく。かなでのこ
と、よろしくな」
音無が言った。
「ああ。•••短い間だったが、お前と
居た時間は、すげぇ楽しかったぜ」

本当に、本当に短かったな。

そして、音無はかなでちゃんに向か
って、
「かなで、かなでもいままでありが
とな。また会えたらその時はよろしく
な」
かなでの手をそっと握ってそう言った
「結弦、」
「•••。じゃあまたあえたら。•••2人と
も•••大好き、だ」
音無の最後の顔はどこか照れたような
でも、少し悲しげで、
それでも晴れやかな表情だった。

•••。
しばしの沈黙。

3分くらい経っただろうか。
「卒業式、楽しかったか?」
きいてみた。
「•••うん」
笑顔で答えたが、嬉しそうな声ではな
かった。

435:~卒業式~ 2
10/08/24 00:04:30 0pOrXJkb
「どうした•••?」
不安な思いがこみ上げてくる。
「ううん、どうもしないわよ。ただ•••

「ただ?」
「•••最後は悲しいのね」
「•••そうだな」
新しい人生を歩み始めたんだ、みんな
この娘も、そうしてやらないと。
「な、なぁ。かなでちゃんの•••その、
未練って•••なんだ?」
「••••••」
「ああ、むっ無理していわなくても」
「ありがとう」
「は?」
「私は心臓が弱くて•••」
ふぅん。まぁか弱そうな感じだもんな
「そして、心臓移植をすることになっ
た」
移植、ねぇ。
「その、心臓をくれた命の恩人に感謝
出来なかったのが、私の唯一の不幸」
「えっ、でっでもその•••恩人•••は」

436:~卒業式~ 3
10/08/24 02:45:55 0pOrXJkb
「そう。今はここにその恩人はいない
。命をくれた恩人にありがとうって言
えない•••」
「今はって•••恩人ってまさか•••」
音無、なのか?
「結弦よ」
なんで•••
「なんでそんなことが、わかるんだ?

「結弦がこの世界に来た時、私が胸を
ひと突きしたの、みてた?」
あぁ、あれか。
俺はこくりと頷く。
「結弦には、心臓がなかった」
心臓が、ない。
俺は冷や汗をかいていた。
「結弦が記憶を取り戻したのは、私の
胸の上、自分の心臓の音を聞きながら
眠ったから。」
そうだったのか•••
~~~~~~~~~~~~~~~
「日向君、いきなりなんだけど•••
私は結弦のこと、すきなのかもしれ
ない」
顔を赤くして言った。
好き、ね。
「音無も、お前のこと好きだったんだ
ぜ」
かなでちゃんは目を丸くした。
「本•••当•••?」
「あぁ、本当だ。」
「結弦•••」
なんか、音無の話してたら、俺も
音無の後、追いかけたくなってきちま
ったよ•••
音無•••また会いたい•••
「わたしは一人でも大丈夫よ。」
ぅおっ、心よまれてた•••
「でも•••」
一人だと流石に可哀想だ。
「いいのよ。わたしは天使。見送るの
が役目」
笑顔でいわれてしまった。
ここは、甘えるか•••
「じゃあな。」
かなでちゃんと握手を交わし、別れを
告げる。
「はい」

••••••そして俺も新たな人生へ歩みだし
た。

437:~エピローグ~
10/08/24 02:49:50 0pOrXJkb
日向君も、逝った。
私一人、体育館の中だ。
私は、待つ。
音無君のことを。
ずっと、
ずっと、
永遠に。

438:名無しさん@ピンキー
10/08/24 02:53:46 0pOrXJkb
駄文サーセンでしたorz

439:名無しさん@ピンキー
10/08/24 02:57:52 0tnqshSj
乙してやんよ!

440:名無しさん@ピンキー
10/08/24 04:09:13 0pOrXJkb
>>437って音無君じゃなくて
結弦だったな。

441:名無し.co.jp
10/08/24 22:17:22 SxY6MrPa
続き投稿します。続きは木曜日か金曜日に投稿します。あ~受験生って面倒だな毎日が疲れる。

442:名無し.co.jp
10/08/24 22:22:16 SxY6MrPa
そしてついていった教室に入ると本当の奏がいた。奏は信じられない物を見たようになりNPCも唖然としていた。

教師「えっと…あなたは」
沈黙になった教室でようやく教師が口を開いた。それは当然の疑問だなぜなら同じ教室に瞳の色以外全く同じ人がいるのだから。

奏(赤)「今日転校した立華奏の妹です。」

音無(なにぃぃぃぃぃぃぃ)
そう叫んでしまいそうなのを必死に耐えて心の中に留めた。っていうかそんな嘘通じる訳ないだろう!

教師「そうですかわかりました。」

NPCA「へー生徒会長に妹がいたんだ」

NPCB「姉と違って明るい子だな」

NPCC「そっくりだな~双子なのかな」

なんだこいつらの順応性の高さ…高過ぎだろ誰か1人ぐらいツッコメよ

奏「あなたどうして…」

奏(赤)「さぁ……」

そう言って奏(赤)は俺が座ろうとしていた真後ろの席に座った。1時間目は数学だった不真面目にしていたら何を言われるかわからなかったから真面目に授業を聞いていると。


443:名無し.co.jp
10/08/24 22:24:10 SxY6MrPa
奏(赤)「ねぇ…結弦って結構頭いいんだね」


音無「いいのか…仮にも生徒会長の妹が授業中に駄弁ってて」

奏(赤)「いいんじゃないこの前に結弦と日向君が駄弁ってたし」

音無「それとこれは話が別だろ」

奏(赤)「何処が違うの?」
音無「それはお前の立場じ(ry」

奏(赤)「奏」

音無「え?」

奏(赤)「あなたが私の事奏って呼んでくれたらやめる」

音無「わかったよ…奏」

奏(赤)「うん」

そう言って奏は満面の笑みを浮かべてた

教師「もう少し静かにできますか」

奏(赤)「ごめんなさーい」
こっちの奏は凄い上機嫌になったみたいで普段なら絶対にしない態度をとっていた。普段こんなことをしないせいか内心ドキドキしていた。

444:名無し.co.jp
10/08/24 22:24:52 SxY6MrPa
奏と話す為に体を後ろに向けていた体を前に向けると物凄く不機嫌そうな奏が目にとまった。表情はいつもと変わらないのに背中から黒いオーラがにじみ出ている感じだ。

そうして午前中が終わり昼休みとなった俺は今の内になんであの時の奏が現れたか聞こうと思い席に向かおうとすると。

『生徒会長の立華奏さん至急生徒会室に』

『生徒会長の立華奏さん至急生徒会室へ』ピンポンパンポーン

この声ゆりか…そうだよな知りたいのは皆同じだもんな。昼飯ついでに奏から話しを聞こうと思ったんだが。機嫌が悪いみたいだし・・・って何落ち込んでんだ俺は本題は何故奏がハーモニクスを使ったかだろ。
そう自問自答していると奏(赤)が

奏(赤)「ねぇ…結弦の為にお弁当作って来たんだけど屋上で食べない?」


445:名無し.co.jp
10/08/24 22:26:18 SxY6MrPa
音無「は?」

今こいつは何て言った…お弁当を作ってきた何故、俺に食べて欲しくて…

奏「………………」

その時奏は1人生徒会室に向かった

―生徒会室―

直井「何で僕もここに来ないと行けないんだ」

ゆり「生徒会副会長の立ち会いがいるかなって前見たいに」

直井(くそ…音無さんと学食で食べようと誘おうと思っていたのに)

直井「はやく終わらせるように」

奏「わかってる」

ゆり「奏ちゃん…何か急ぎの用事でもあるの?」

奏「何でもない」

ゆり「そうじゃあ最近ハーモニクスを使った」

奏「使ってない」

ゆり「じゃあアブソーブは」

奏「もう試した」

ゆり「わかった…最後にまたあなたの部屋に入ることになるけどいい」

奏「わかった」

ゆり「ありがとう…竹山君お願い」

竹山「了解あとクライ(ry」ガチャ

ゆり「もういいわありがとう…奏ちゃん」

奏「ううん…いいの」


446:名無し.co.jp
10/08/24 22:27:15 SxY6MrPa
―屋上―

奏(赤)「おいしい?」

音無「えっ…ああ」

奏(赤)「そう…良かったこういうの初めてだから」

音無「なぁ…何でお前はここに居るんだ」

奏(赤)「私じゃあ…だめ?」

音無「え?」

奏(赤)「私じゃあだめなの…私だってこんなにあなたの事」

そう言って奏(赤)はどんどん顔を俺の顔に近づけて来た。その時屋上のドアが開く音がしたが顔のすぐ前に奏(赤)の顔があるせいで見えなかった。そして、俺と奏(赤)はキスをする形になった。

奏「結弦…」

聞こえた時誰が来たのか直ぐにわかった。俺の事をそう呼んでくれるのはあいつしかいない。

音無「奏……」

奏は俺と目があうと何処かに駆け出していった。

音無「奏っ」

俺は直ぐに奏を追いかけた。後ろから「待って…」と声が聞こえたがただ俺は奏を探しに行った。

447:名無し.co.jp
10/08/24 22:28:43 SxY6MrPa
今日はここまでです。長々とだらだらと駄文をすいません。

448:名無しさん@ピンキー
10/08/24 22:32:01 QJCtJjqo
リアルタイム乙!


449:名無しさん@ピンキー
10/08/24 23:40:46 p2hBQjKJ
GJ

450:名無しさん@ピンキー
10/08/24 23:55:36 QMTTWeMt
gj!エロも募集!

451:名無しさん@ピンキー
10/08/25 04:10:49 drQZOUxk
下げようぜ。

メール欄に sage

あと、受験生とかあんまり書かない方が良くないか?全年齢板じゃないし。

何が言いたいかというとGJ

452:名無しさん@ピンキー
10/08/25 05:46:40 j980ZVY3
>>407
すまん
別のトコのssとかこのスレのssとか
投下しててそっち手つけてなかった

453:名無しさん@ピンキー
10/08/25 11:06:58 INH4Njfc
>>452

よし、今から頑張ってくれ
音入は好きなんだ!

454:名無しさん@ピンキー
10/08/25 22:30:15 FB5H6W06
>>452
超ガンがれ!

455:名無しさん@ピンキー
10/08/26 19:26:22 TIr18Hb+
>>358の続きです。
グダグダ感抜群です。

456:Love Me Tendar
10/08/26 19:27:42 TIr18Hb+
 そろそろ日が傾き、空一面が茜色に覆われる時間帯。
 あたしは今日もここ、屋上に来ていた。人気のない場所なので、一人になりたい時は絶好の場所だからだ。
 風景を見渡せるように、手すりに身体を預け、自販機で買ってきたKeyコーヒーを煽る。視界に入ってくるのは、下校したり、部活の片づけをしているNPCたち。
「ふぅ…」
 残っているコーヒーを一気に飲み干し、溜め息を吐く。
 …今日も、ダメだった。
 自爆してから結構日が経つが、相変わらずなんの進展もない。あるのは、遊佐さんの暴走度の上昇と、日に日に募っていく音無くんへの想いだけ。
 ここ最近のみんなの反応を見た限りだと、遊佐さんは誰かにバラした、ということはしていない気がする。一応あたしたちだけの秘密ということで、約束は守ってくれてるみたい。
 でも、そんなことよりも真っ先に浮かんでくるのは音無くん。
 胸の前で拳をギュッと握る。
 そして再び走る、胸の痛み。
 一瞬だけ息ができなくなる。
 苦しい。
 痛い。
 つらい。
 次々と襲ってくる負の感情が、苦痛という名の悪魔に姿を変え、あたしの身体を蝕んでいく。それは、あたしが彼のことを考えれば考えるほど勢いを増していき、激痛を走らせ、心に悲鳴を上げさせる。
 近頃はタイミングが悪く、音無くんとはまともに会話できていない。
 音無くんは戦線の男子の中では人気が高いから、ほかの戦線内の女の子からも結構話しかけられている。そのまま会話が弾むことが多く、音無くんはあたしに気づかずにほかの女の子のところへ行ってしまう。
 彼の姿が見えなくなると、胸の中に大きな空洞を感じる。虚無感とでも言うのか。
 同時に湧き上がってくる、恐怖。
 彼のことを想うと嬉しいはずなのに、身体が震え、悪寒が走り、怖くて、つらくて、悲しくて、痛くて。
 好きなのに。こんなにも彼のことが好きなのに。頭の中が音無くんでいっぱいなのに。それに矛盾する形で襲い掛かってくる恐怖に、あたしはおびえている。

457:Love Me Tendar
10/08/26 19:29:40 TIr18Hb+
「あはは……。滑稽ね、滑稽だわ」
 そのまま重力に従って、地面に腰を下ろす。
 こんな時でも脳裏に浮かぶのは、やっぱり音無くんの顔。
 あたしはこれから、どうすればいいのだろうか。やはり、告白しかないのだろうか。
 でも、見ている限り、あたし以外にも音無くんに好意を寄せている女の子はたくさんいる。
 最近は好意が顕著に現れてきている関根さんと入江さん。あの二人、音無くんと一緒にいる時は一段と嬉しそうな表情(かお)をするし、若干過激なボディタッチをしているところも何度か見たことがある。
 椎名さんは、時折集中力を高める訓練に付き合えという形で、音無くんを誘っている。
 ひさ子さんも、よく彼を麻雀に誘っているようだ。
 爆弾発言をしたけど、本気なのか冗談なのかよくわからない遊佐さんも、ちょくちょく音無くんと二人きりでご飯を食べているところを見かける。
 音無くんをからかって遊んでいるのかどうかはわからないけど、恋人同士がやる、いわゆる「あーん」なる行為をやっていた時もあった。無論、音無くんは狼狽していた。
 最後に、かなでちゃんでさえ無表情を装いながらも、普段からチラチラと音無くんを盗み見たり、まるで妹が兄にじゃれ付くような感じで甘えてくることがある。
 漫画かなにかで知ったのか、さすがにツイスターゲームとか、二人で王様ゲームをやりたいって言った時は驚いたけど。
 ちなみにこの件に関しては、音無くんにTPOを盾に取られたため、未遂で終わっている。念のため。
 ユイは日向くんとラブラブの相思相愛だから、音無くんにはただの先輩として接しているので問題ないだろう。
 直井くんは……キモいわね。この前なんかパンツ1枚で、音無くんの部屋で彼が帰ってくるのを待っていたようだし。彼、本気でコレっぽいわ。
 仮にここが現世だったら、真っ先に警察に突き出すけどね。だって変態だし。

458:Love Me Tendar
10/08/26 19:30:14 TIr18Hb+
 最後はともかく、みんな多かれ少なかれ彼のことが好きだということが窺える。しかもみんなかわいいし、彼女にしたら楽しくなると思う。同性のあたしから見ても、彼女たちが魅力的なのは百も承知している。
 対するあたしは暴力的で、ガサツで、かわいげもないし、誇れるものがなにもない。戦線のリーダーという肩書きこそあるものの、今回に至ってはなんの役にも立ちはしない。
 かなでちゃん、遊佐さん、椎名さん、ひさ子さん、入江さん、関根さんと、こんなにも選り取り見取り状態なんだから、わざわざその中からあたしを選ぶなんて、まずないだろう。
 そもそも音無くんからあたしに告白してきてくれる確率はほとんどゼロに等しい。
 仮にあたしから告白してフラれでもしたら、友人に戻れなくなるどころか、彼が戦線自体から去ってしまうかもしれない危険性だって孕んでいる。
「う……っく…」
 最悪の結末を考えた末に、漏れる嗚咽。この世界では泣いたことなんてなかったのに。
 でも、あたしの意志に反して、瞳からは涙がポロポロと止め処なく零れ落ちてくる。
 それだけは、嫌だ。
 あたしは、彼と一緒にいたい。
 離れたくない。
 側にいたい。
 別に彼のいちばんになれなくてもいいから、せめて、あたしの近くにいて欲しい。
 好きじゃなくていいから、嫌いにならないで…。
 あたしの前から、いなくならないで…。
 やっぱり、今の関係を壊さないためには、現状維持しか、ないのかもしれない…。
 ならばあたしのすることはただ一つ。
 この想いを胸の奥底に封印すべく、心にカギをかける。
 固く、しっかりと。

459:Love Me Tendar
10/08/26 19:30:43 TIr18Hb+
「ゆり、おまえ顔色すごく悪いじゃないか。どうしたんだ?」
「……平気よ。なんでもないわ」
「でも…」
「大丈夫よ。ちょっと、顔を洗ってくるわね…」
 席を立ち、怪訝な表情を浮かべる音無くんを通り越した刹那――。

 ―あれ?

 フラり、と強烈な立ちくらみに襲われ、身体が傾く。
 突如視界がぼやけ、周りの景色がブレ始めてきた。
「ゆり?」
 手で顔を覆うも、一向に症状が治まる気配はない。
 ああ、なにやってんだあたしは。
 戦線を纏めるリーダーなのに、自分の体調管理を怠るなんて、バカ丸出しじゃない。
 音無くんやほかのみんながなにか言ってるけど、意識が遠のきかかっているあたしには聞き取れない。
 ごめん……みんな。
 とうとう足の力が抜けてあたしはそのまま前のめりに倒れ、ゆっくりと意識を手放して闇の中に沈んでいった。

460:名無しさん@ピンキー
10/08/26 19:34:04 TIr18Hb+
今回はここまで。
あと数回ほど続くので、もうしばらくお付き合いしてくれると幸いです。

461:名無しさん@ピンキー
10/08/26 19:51:29 RNMYT6Zt
リアルタイムgj

462:名無しさん@ピンキー
10/08/26 20:24:13 xfr3IIvI
GJ!ゆり元気になればいいなぁと思った。
ときに、需要あるか分からないけど迷惑がないようだったら明日にでも関根×岩沢出す
混み具合(どうなるのか分からないけど)によっては明後日にしてみる

463:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:24:31 iQfVGuna
エロパロ版でエロ無しってのもどうかと思うけど投下します
初投稿なんで暖かい目で見守ってくださいww
23:50からちょいちょいアイディア貰いましたー

設定は、現実世界、ユイは現在ニート。てか日向に養ってもらってる。ガルデモは五人。記憶はないけど体が覚えてる。ユイにゃん元気。ユイ↓にゃん↑☆


464:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:25:38 iQfVGuna
「♪…幼~い~日々にっ見・つ・け・たっ、深い闇に…♪」
重いギターケースを背負いながら、街中を歩く。
今日は所属しているガールズバンドのスタジオ練習だった。
バンド名は『Girls Dead Monster』通称、ガルデモ。
このバンド名について岩沢さんに不思議な話を聞いたことがある。
バンド名を決める時にメンバーがそれぞれ案を紙に書いて一斉に見せあったらしいのだけれど、不思議なことに全員の紙にこの名前が書かれていたそうだ。
その話を聞いた時は流石にびっくりしたけれど、でも私がこのバンドに名前をつけるとするなら、きっと私もそう名付けるだろう。なぜかは分からないけど、そんな気がする。
岩沢さんに出会ったのは私が音楽の世界に入る前のことだった。
高校に入って、これまでなんとなく入ろうとしてこなかった部活に入ることを決め、けれどいざ入ろうとすると自分が何をしたいのか、何が出来るのか分からなくて。
そこで巡り合ったのが軽音部だった。

465:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:26:22 iQfVGuna
当時、特に音楽に興味を持っていなかった私は、軽音部っていうくらいだからきっとカスタネットとかを演奏するんだろう、なんて思ってて。
見学に行って愕然とした。
世界が開けた気がした。
こんな綺麗な世界があったんだって。
そのあと、色んな部活に仮入部してみたけど、結局私は音楽室のドアを叩いていた。
こうして、私は今も歌っている。

466:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:27:06 iQfVGuna
あ、そういえば日向先輩に会ったのもそのころだったっけ。
昼休憩に岩沢さんと一緒にお昼食べようと思って行ったら、岩沢さんと音無先輩、それに日向先輩が三人で話してて、結局4人でお昼食べることなって、それから日向先輩とも話すようになったんだ。
なんかこう、頼りないな~ってのが第一印象だったのは覚えてる。
けど、なんか気になって。
いつしか、『岩沢さんのついで』に話すんじゃなくなってた…
……ナニコレめちゃくちゃはずい!

467:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:27:48 iQfVGuna
そ、それにしても、岩沢さんはやっぱり凄い。
ヴォーカルとしての技術も、ギターとしての技術も、私よりずっとずっと上手い。
…ずっと追いつけないんじゃないかって、ホントに私なんかが一緒にやってていいのかって思ったことも何度もある。
けれど、そんな風に私が落ち込んでた時、日向先輩が言ってくれたんだ。
「俺が聞いてやんよ!」って。
…あの時は、嬉しかったな。

468:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:28:20 iQfVGuna
そ、それに、世の中には頑張りたくても色んな事情で頑張れない人達がいるのに、頑張れる私が頑張らないのはそういう人達に失礼だ。
むしろ、私が頑張って歌を歌うことで、そういう人達に元気をわけてあげたい。
「よっしゃ!頑張りますか!」
そうとなれば早く帰って練習しなくちゃっ!
ずれてきたギターケースのストラップをかけ直し、心地よい疲労感を背負いながら、私は帰路を急いだ。

469:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:29:26 iQfVGuna
先輩に貰った合鍵を使って家の中へ。
「ただいま~」
日向先輩は…まだ帰ってないか。
とりあえず洗濯物を取り込みにかかる。
家事は二人でローテーションを組んでやっているのだけれど、洗濯だけは私がしている。
というのも、前に日向先輩に洗濯を任せた時、なぜか、洗濯バサミを上に掲げながら『洗濯バサミ最高!』なんて涙を流しながら土下座で言ってたからだ。ぶっちゃけ意味わかんない。
…一緒に暮らし始めるようになってから気づいたけど、日向先輩は時々おかしい。いや、むしろ時々マトモなのか。
こないだも、『ひっなひなにしーてやんよー!』なんて叫んでた。なんでだ。病院が来い。
(…まぁ、そういうとこも含めて好きになったんだけど、さ)
……顔が熱い。
ベッドに倒れ込んで枕に顔を押し付けた。

470:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:30:26 iQfVGuna
…頬に柔らかな感触。
くすぐったくて逃げるように寝返りをうつ。
…しばらくして。
唇に柔らかな感触が。
「ん…んぅ」
苦しくて目が覚める。
目の前には日向先輩の顔。
…は?
「どぅえぇぇぇ!?」
驚いてベッドの端で俯いて縮こまる。
(なんで?え、なんで?いやそりゃ恋人だしそういうことするのも当たり前だしだけどだけどっ)
「な…なんで…?」
かろうじて声が出た。
「ん?なにがだ?」
先輩は妙に元気だ。
「その…キス…」
「そんなの決まってるじゃねぇか」
先輩はニカッと笑って。
「ひっなひなにしてやんYOー☆」
ウィンクしながらそう言った。
…………
……
とりあえず、股間を蹴り上げて失神させ簀巻きにした。
さ、家事しなくちゃ。

471:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:30:51 iQfVGuna
しばらくしたら先輩は起きた。
どうやらおかしかった時の記憶はないらしい。
厄介なもんだ。
まぁ簀巻きにしとくのもかわいそうなんで解いて上げた。
「それにしても、カップ麺も食べ飽きましたね~」
ずるるっと啜りながら私。
先輩は食べる手を止めて、
「文句あるなら食わなくていいぞー」
そう言って私からカップ麺を取り上げようとする。
「た、食べますよ食べますって」
しかし…一ヶ月カップ麺だけってのは酷いと思う。
むしろ、ここまでよく耐えた方じゃないだろうか。
「先輩は料理出来たりしないんですか?」
とりあえず話を振ってみる。
「俺がかぁ?家庭科でやったことはそりゃあるけどなぁ…」
若干渋るような口調の先輩。
ここは…もう一押しですねっ
「ユイ、先輩の手料理食べてみたいですっ☆」
上目づかいでおねだり+ウィンクだ。
これなら先輩も断れないだろう。
てか、ホントもうカップ麺食べたくない。無理。マジで。
「俺の?はっ無理無理。めんどくさいっての。」
うわこいつ断りやがった。
とりあえず近くにあったスリッパで頭殴っとく。
「ってぇ!つか、むしろ料理はフツー女がするもんだろ!お前がやれっての」
「そりゃ出来ますけど…男女差別反対ー」
「出来るんならやりゃいいだろが」
えー。
「だってメンドいじゃん」
無言でスリッパで頭はたかれる。
「何すんだコラァ!」
「これでおあいこだろ」
したり顔で先輩。
「ふっざけんな!乙女の頭はたくなんて5倍返しされても文句言えねぇぞ!」
「はっ…どこに乙女がいるんだっての」
ムカついたので連打してやった。
「うぉ!八発も殴りやがって!上等だこのアマァ」
「こっちこそ!殴られた回数数えてるちっせぇ男に負けるかっての!」
………
……
…机の上のカップ麺は、すっかり伸びていた。

472:名無しさん@ピンキー
10/08/26 21:33:31 iQfVGuna
以上です^^;
駄文でホントすんません・・・
ちなみに自分のblogの方でも掲載してるんですが
いろんな人からの評価欲しかったんで投下しました
なんで批判でもおkいやむしろどんどん批判してください(ドMェ・・・
お目汚しでスンマセンでしたーノシ

473:名無しさん@ピンキー
10/08/26 22:00:45 dqNt1Q5o
>>459
弱きなゆりかわいいな、GJなんだかんだで音ゆり好きだから応援してるぜ

>>472
ユイにゃんニートwGJ
やっぱこの二人いいな

474:名無しさん@ピンキー
10/08/26 23:00:09 rOvMAHuD
>>473
本編で観れなかった分音ゆり展開にもえまくりです
>>472
GJ ともに料理しない~♪
けんかっぷるかわいい!
これ読んで音無×岩沢と日向×ユイの4人組もいいと思った

475:名無しさん@ピンキー
10/08/26 23:00:54 rOvMAHuD
間違えた>>473じゃなくて>>459
連投スマソ

476:名無しさん@ピンキー
10/08/27 19:36:17 hz5X1yGC
予告ですが関根×岩沢約8000字で20:00ころ投稿します

477:関根×岩沢
10/08/27 20:00:50 hz5X1yGC


彼女たちの活動に昼も夜もないが、しばしば支障をきたすことだってある。
その原因はおもにゆりによる突然の動員であることが多い。

ミーティングでは陽動部隊としての平時の在りかたと作戦時の在りかたを問われ、
もし即答できないようなことがあらば、特製のマニュアルを手渡される。
NPCとのほどほどの対話の仕方から、天使との距離を確保するための対策法、
緊急時の集合場所がマークされた連絡通路網の図面や、いざというときの日向の使い方、
はたまた下衆に襲われたときの金的のつぶし方まで載せられている大変な指南書だ。

とはいえこの度はそのゆりはまったく関係がない。
彼女たちは機材の損傷によってその活動を阻まれていた。

「ちっ、あーいっちまったか」

アンプから音が出ない。その原因がシールドの断線であることを見て取ったひさ子は、
ジャックからシールドを引き抜いて早々その交換をしようとした。
部屋の隅に置いてあるプラスチック製の箱の中には、マイクやケーブルの類が収められている。
が、今日は何かが違った。

「替えなくなってるじゃねーか。どういうことだよ。
 関根、入江、おまえら何か知ってる?」
「そうなんです!あたしも思ってました。
 そこで気の利くあたくし関根めは三日前に購買部に取り寄せを頼んでおりますよ」
「んじゃ明日ごろには届くか。関根、感謝するよ」
「褒められるなんてめずらしいね、しおりん」

478:関根×岩沢
10/08/27 20:02:17 hz5X1yGC

違和感を覚えてはいたがひさ子の切り替えは速い。
軽めのフィンガリングトレーニングから、横移動、縦移動のフレーズ、
ペンタポジションの確認や弦飛び、エコノミーピッキングなど、
生音ながらも流麗に弦を弾き始めていた。がしかし、
チョーキングやビブラートの練習に差し掛かったときに諦めた。

「感じ出ないからやめだ、卓囲んでくる。
 それにしても一本もねーとはな。まさかだよ」
「行っちゃうんですか?」

関根の問いかけにそれじゃ岩沢によろしく、とだけ答え、
藤巻たちが暇をもてあましているであろう男子寮へと向かった。
と、バンドの要であるひさ子がいなくなったところで、関根は入江の様子を気にし始めた。
なにやら不具合でもあるのか、入江はバスドラのフットペダルを懸命に踏み込んでいた。

「シャフトがずり落ちちゃっててビーターがヘッドまで届かないんだ。 
 それにちょっと変なんだよ。チューニングボルトがすごく固い」
「落ちるってことは普通は緩くなってるはずだね。あっちゃーミステリー」
「レンチ?うーん、ハンマーかな」

いつもならケーブル類の箱の横に並んで置かれているはずの工具箱。
が、それも見当たらない。

「そこにあったのなら踊りながらやってきたTK先輩がどこかに持ってっちゃった」
「えぇー! TK先輩どこにいるのかなんて見当がつかないよー」
「松下先輩なら知ってるかも。森で稽古してるか藤巻先輩たちと麻雀?」
「だったらTK先輩も麻雀してる?? Oh! I don´t knowって言われたら戻ってくるよ」
「それがいいね」

479:関根×岩沢
10/08/27 20:04:22 hz5X1yGC

小さく手を振って見送ったあと、関根は内心どきどきとし始めていた。
そんな関根の心中を知ってか知らずか、入れ替わりになってやって来たのは岩沢だ。
背中にはストラトの入ったソフトケースを背負っており、その表情は平生となんら変わりない。
彼女はこの場にいない二人のことを口にした。

「ひさ子と入江、用事?」
「野暮用って言ってました。いわゆる隠し事の常套句の一種ですね!」

「そうなんだ、仕方ないか。それよか新曲持ってきたからとりあえず演ろうか。
 一度聴かすからその後遊んでみてくれ。あ、入江いない分スリップビート増やしてみて。
 それとあたしはひさ子のパートいじってみるからメロディに関してはあまり外さないで」

中止するという考えは彼女の頭の中には片隅にもなかった。
というより、既にチューニングを始めていた。
5フレ7フレのハーモニクスをぽんぽんと鳴らしては指に伝わる振動とその耳を頼りに合わせていた。

「はやっ、お願いだから少しくらい迷ってください」
「ん? どうして? 速ければ速いだけ時間浮くからいいじゃないか」

関根がそわついているのに対し、岩沢は坦々と調弦をしていた。
というより、既に色んなコードを用いて試奏を始めていた。
唐突な、すさまじい破裂音が室内を震わせたのはそんなときだった。
校内を震わせたと言っても過言ではないほどの重低音が轟いた。

「うわっっ、えっ? 4弦?」

480:関根×岩沢
10/08/27 20:05:51 hz5X1yGC

焦った関根が手元に忍ばせていたニッパーで自分の弦を無理やりぶった切っていた。
アンプに繋いでいた状態だったのでその音量は相当なものだった。
外からうるせーぞーという複数の非難の声が上がっていた。
にもかかわらず、岩沢はといえば、いつも通りだ。

「チタンピック使ってかつてないアタック音求めたりでもした?
 関根の弾き方ならまだしばらくは使える弦だったろうに、もったいない。
 新曲さ、聴かせてから二人ですぐに始めてみたいから張り替え終わるの待ってる。
 けどなるべく早く始めよ、日が暮れたら寮に戻らなくちゃならないからアコギ版になる」

「あ、替え弦ありません」と白々しく告げる関根であったが即答された。
「あたしの使え。たまにベースも弾いてるから持ってる。.105inchでいい?」
「え、ええぇっ! そんなの困りますから……」
「あたしは困らないから遠慮する必要ない」

岩沢はギターケースのポケットから4弦を取り出すと、それを手渡そうとした。
なのに関根は受け取ろうとしない。
どことなく手持ち無沙汰になった岩沢だが、
そのとき目敏くも、ペグに残っていた4弦の切り口を注視していた。
目が良くないと分からないが不自然なくらいに鮮やかな断面をしていた。
岩沢は言った。

「……自分で切った?」
「そんなことしたら今後メーカーの方角に向かって足を向けられません!
 だからそんな訳ないですって!」

勘が働いた岩沢は、関根の動揺をよそにして彼女のベースケースをあさった。
するとあっさりと替え弦が見つかった。

481:関根×岩沢
10/08/27 20:08:15 hz5X1yGC

「なんだ、やっぱり持ってるじゃないか。今日は練習したくない日とかだったら正直に言ってくれ」
「そうじゃないです……」
「じゃ、巻き直して。それで始めよ、好きな曲からでいいからさ」

ひさ子同様岩沢も気を取り直すのが速かった。
にしても、新曲へのアプローチのことで頭の中が一杯なはずの岩沢が気を使った。
これは普段は有り得ないことと言えた。
そのせいか関根は少しだけ特別な気持ちになっていた。

「どしたー。二人だけじゃ演りたくないとかだったらそれもはっきり言ってくれよ、
 あたし言われないと分からないからさ」

関根とは対照的に岩沢はちょっと不安がった。
訊ねた通り、考えようによっては拒絶されているようにも思えたからだ。
そのことは関根も敏感にさとっていた。

「やりたいです、あたし……」
「だったら曲決めてって。ガルデモじゃなくてもいいよ、関根が聴いてる範囲なら多分弾ける」

ピックを人差し指でぴっと弾いた。
退屈からそうしたようにも見えるし、面白がってそうしたようにも見えた。
空を舞ったピックはくるくると回り、それを収めようとして岩沢は右手をぱっと広げた。
そして着地点でしっかりとキャッチ。
と思いきや、
掴んだものの感触は明らかに違った。すべすべで温かだ。
握手というより、指と指とが絡まり合うように握っていた。関根の手を。
ことのほかがっちりと握っていたし、また握られてもいた。

482:関根×岩沢
10/08/27 20:10:32 hz5X1yGC
何故こうなったのか、と頭にはてなを浮かべていた岩沢であったが当然のことながら手を離そうとした。
指を伸ばし、腕を右に振り、左に振り、肘を引っ込めようともしたがそれが上手くいかない。
しまいにはぶんぶんと振ってみた。それでも離れない。

「これだとハンマリングオンとプリングオフだけで演奏することになる。
 ……それとも歯でピッキングしろってこと? どっちにしても難度上がるよな」

関根は思っていた。なんて音楽キチなんだろうと。
そう思わずにはいられなかった。だが関根はそんな岩沢のことが好きだった。
シールドを断線してストックを隠したのも、シャフトを落として固定して工具を隠したのも、
岩沢と二人きりになるために関根が仕組んだことだった。

「………?」

ふと関根は身を寄せて、わずかに背伸びをしていた。
状況を把握出来ない岩沢はただぽかんとした。
そんな彼女は弱味に付け込まれた。
背中に右手が添えられ、ぎゅっと抱きしめられた。
なおかつそれに加え、そのまま机の上に押し倒された。

「痛い…関根。それにネック反れるかもしれないしボディが傷つく」
「……それならこうすればいいんです」

右手が腰の辺りを回ってストラップがほどかれ、ギターが隣の机にそっと横たわった。
それによって二人の身体はぴったりと合わさった。
熱っぽくなっていた関根は二度、三度、と拙い口付けをした。
それはさきほどと同じく、唇がそっとふれあうだけの淡いものだ。
時計の針の音が、関根の心音と同じくらい強く響いていた。

「どこにも行かないでください、岩沢先輩」

483:関根×岩沢
10/08/27 20:12:44 hz5X1yGC

関根がそれ以上なにもしてこない上に、
そんなに悪くもない心地がしていた岩沢はどうしてよいのやら分からないでいたが、

「どうしてそんなこと……。みんなと演奏してるとき、楽しいってこういうことかもしれないって思うよ。
 あたしは音楽を止めない。だからみんなと離れることもない。
 もしみんなと離れるときが来るとすればあたしが音楽を止めるような時かな。そんな日来ると思う?」

みんなの方が音楽を止めることもある、という可能性を考慮することを忘れながらも断言していた。
岩沢が音楽を続けることに疑いはなかった。
それでも、関根には言いようのない淀んだ不安が広がっていった。
今までずっと分からずにいた岩沢のことを、急にすべて分かったような気がしていた。
その過去も、痛みも、―訊いたこともない―のに、だ。
それは錯覚と言っていいもの。
だけれどそれは、彼女が知ろうとした岩沢のすべて。

「約束してください。じゃないとあたし、信じません。信じられないです」
「するまでもないよ」

二人は沈黙に身を任せることになった。
身体を重ねて、ゆったりと、食い違いの未来を見つめたまま。
これが恋であったのかどうかは分からない。
恋なんて形のないものだ。
どれだけ切ないまでに深く思いを寄せていたとしても、
関根自身にとっても曖昧な感情だった。
だからだろうか。
それを確かめようとして関根はもう一度岩沢に身を寄せた。

484:関根×岩沢
10/08/27 20:15:20 hz5X1yGC
あと数センチ、というところだった。
拒むでもない岩沢に口付けを交わそうとしたそのとき、
部屋の戸が無造作に、力強く、ガラリと開かれた。

「貴様ら、ゆり……」

闖入者は野田だ。
少し不思議な光景だな、と思った程度なのかもしれない。
どう思ったのかはさておき、彼は彼女らに淀みなく尋ねなおした。

「貴様ら、ゆりっぺのことをどう思っている」

目撃されたとしても野田ならばなんら問題はない。
むしろそのまま続けても気付くかどうかといったところだ。

「ときどき使いっぱにするのはやめてほしーです」
「いざというときに頼りになるやつ」

野田は「そうか」とだけ言うと即座に帰っていこうとした。
だがその真意を測りかねて関根が訊いていた。

「意味分かんないよ?」
「ゆりっぺに頼まれたアンケートだ。邪魔したな」

はたしてこんな風に訊きまわってちゃんとした答えが得られるのだろうか。
野田はちゃんと記憶したのだろうか。
それに万が一のことだけれども、余分なことを言ったりしないだろうか。
関根は色々疑問を抱きながらも彼の帰り際にひと言を告げた。

485:関根×岩沢
10/08/27 20:17:55 hz5X1yGC

「あと人選間違ってると思います、と伝えてください」

もちろん野田はそれに気付くこともなく、乱暴に戸を閉めて立ち去った。
関根は緊張していたが、自然をよそおって野田と応答する程度のことは出来ていた。
密着していた身体もそれとなく、いつの間にか離していた。

「変わってるけど面白いやつだよなー」

岩沢はそう呟いて微笑を浮かべていた。
だが関根は、繋いだままの左手を見つめて無条件反射的に呟いていた。

「岩沢先輩、変わってるのはあなたもです……」
「ん? 何か言った?」

 ※ ※ ※


わずかな間だけ分かった気がしていたあたしが、時が経った今、
心から信じることのできる先輩の唯一つの面影。
譜面台の上にある、あたしの拠りどころであるスコア―

演奏を終えたとき、岩沢先輩のその頬にはひとすじの涙が零れ落ちていた。
少なくともあたしにはそう見えた。
誰よりも先輩のことを理解しているつもりだった。
でも先輩は最後まで何も言わなかった。

「……先輩」

486:関根×岩沢
10/08/27 20:20:41 hz5X1yGC

岩沢先輩は目を閉ざして、しばらく立ち尽くして、
そして全身から力を抜いたようにふっと倒れこんだ瞬間に、姿を消した。
約束はしてくれなかった。でも、そんなことするまでもない、って言ってくれたのに。

「あたしよりよっぽど嘘つきだ……」

あたしは泣いていた。知らず、とめどない涙が溢れていた。

 ※ ※ ※


「―いい?今回は最小限の人数で作戦を行う。作戦決行は本日ヒトキューマルマル」

時計の針は進み、開演の時が差し迫っていた。

「特等席だぜ?」

岩沢は相棒であるアコースティックギターに語りかけた。
ステージ全体が見渡せる舞台中央にスタンドを置き、立てかけていた。
背後のざわめきが少しずつ高まる。
緞帳に向き直り、ストラップを肩に掛け、
ストラトの重みを感じながら毅然として言った。

「時間だ」

メンバー全員の士気を高めようとして、
まだオフになっているマイクの前で気合を入れる。

487:関根×岩沢
10/08/27 20:21:21 hz5X1yGC

「さあ、派手に演ろうぜっ!」

大きなストロークでコードが掻き鳴らされた。
それを合図に幕が開いていく。
岩沢は細やかな運指に切り替えて、前奏を始めた。
歓声が上がるとともに、入江がスネアを十六分で弾いた。
関根も3弦をグリッサンドしてスイッチを入れた。
Crow Songだ。

 find a way ここから
  found out 見つける

グルーブもぴたりと合い、華やかに盛り上がっていった。
一つ、また一つと歓声が立ち上った。
やがてアウトロに入り、
ひさ子がオクターブ奏法でスライドをかけて締めくくりを迎え、館内が沸いた。
ミスもない、走ることももたることもない、好調な滑り出しだった。
だが残響が止んでから、オーディエンスを見つめていた岩沢が呟いた。
彼女は満たされていなかった。

「どうして?もっと集まってくれ」

―フィードバック音が空間を貫いた。
その瞬間ひさ子は驚きを隠せなかった。岩沢のリフとひさ子の声が重なった。

488:関根×岩沢
10/08/27 20:23:59 hz5X1yGC

「アルケミー!? こんな序盤で……!」

オーディエンスが握り締めた拳を上げて色めき立った。
関根は流れる汗を拭い取る暇もなく、岩沢に沿ってベースラインを奏でていた。
きらめく照明が岩沢を熱した。
最高の時間が過ぎていくことを予感させた。
後方に人がなだれ込み、ほどなくハコは満員になった。
幕間に控えていた遊佐もリズムを刻む。
ガルデモメンバーは会場のボルテージを肌で感じていた。
怒号が響いたのはそんな時だった。

「お前達、大人しく寮に戻れ!!」

最後尾で教師ががなり声を上げた。
近くにいた男子生徒の一人が不平を漏らしたがしりぞけられた。
岩沢はピッキングを強めた。
屈してはいけない。岩沢はそう思った。
音色の違いに気付いた関根はそれに同調して、体全体を弦に託すように揺らした。

後列はもみ合いになっていた。
NPCたちはステージへの道を閉ざそうとした。だが教師は強靭だった。
生徒らを弾き、竹刀で威圧して、中央をかき分けた。
こともなく壇上へと昇り、そして、岩沢たちを拘束したとき、ガルデモの演奏は止んだ。

体育館を埋め尽くした生徒たちは口々に彼女たちの自由を訴えた。
教師は声を荒げて生徒たちを突きはなし、ガルデモへとその矛先を向けた。
関根と入江は悄然としていたが、ひさ子と岩沢は強い意志を保っていた。

489:関根×岩沢
10/08/27 20:27:16 hz5X1yGC
後者二人の反抗的な視線を見て取った教師が、その代償を払わせるべくして言った。

「ふん、これは捨てても構わないなぁ?」

その先には岩沢のアコースティックギターがあった。

「触るな……」
「あん?」


「それに……それに、触るなあぁああああああーーーーっ!!」


岩沢はギターへと飛び込んだ。
気をとられたもう一人の教師にひさ子が頭突きを食らわせた。音響室へと駆け上がった。
追いかけようとした教師は、何かに足を取られた。
フェーダーのつまみが上限まで上げられたとほぼ同時に、岩沢はアコースティックギターを掻き鳴らした。
静寂の館内にその歌声が響き渡った。そこにPC、NPCという隔たりはなかった。
目の前の人々。
オーディション活動と弾き語り時代の岩沢自身。
そして今ある逆境とが一つになった。

 泣いてる君こそ孤独な君こそ
  正しいよ人間らしいよ
岩沢は呼んでいた。やっと、自分自身のことをも含めて。

 落とした涙がこう言うよ
  こんなにも美しい嘘じゃない本当の僕らを―
見つけた。一人では決して得ることが出来なかった本当の希望を。

490:関根×岩沢
10/08/27 20:29:16 hz5X1yGC

 ―ありがとう

 ※ ※ ※


窓ガラスの向こうから足音が聞こえた。
あたしは慌てて、制服でごしごしと目元を拭った。

「あれ、一番乗りだねしおりん」
「おはよーみゆきちっち! さあて今日も朝練朝練」
「愛称に愛称の語尾が加わってバルカン半島の人みたいな名前になってるよ?」

みゆきちは多分すぐに気付いてしまうから、なるべく虚勢を張った。
楽しげなウォーキングラインを奏でる。なるべく、なるべくと。
でも却っておかしかったみたいで、みゆきちは手を休めていた。

「だからユイ、おめーは……」
「もう少し待っていてくれたらひさ子さんも納得のフレーズを……」
「そういうことじゃねぇよ。とりあえず完成度をだな……」

と、そんなところでひさ子先輩とユイの声がしたので、
二人が部室に到着するなり嘘をつくことで誤魔化すことにした。

「聞いてくれますかせんぱい!」
「あ、何だよ」
「さっきまでみゆきちの恋の悩みを相談されちゃってて、ホント参ってたんですよー」
「しおりん?」
「どんな話だったんですか」


491:関根×岩沢
10/08/27 20:30:35 hz5X1yGC
ユイが食いついた。あたしはここぞとばかりに滔々と語り始めた。
こんな感じです、と。

「みゆきち曰くですね、何度もごめんねーまたもて話なんだけど聞いてくれるー?
 あたしーNPCたちに告られるのまではまだ我慢できてたんだけどーちょっ、大山先輩?
 あの人マジ受けるw 大山先輩さ、あの人、ほら……えーと野田先輩いるじゃん。
 野田先輩がなんか近ごろゆりっぺ先輩と仲いいらしくてー、
 それで僕も彼女作りたくなったんだ、とかあたしにぶっちゃけてくんの!
 有り得ないっしょふつー。
 あの人顔悪くないし性格もよさそうだけど正直わけ分かんないところあるからあまり絡みたくないんだよね、
 あ、でもあたしが断わっちゃうと今度はしおりんに目をつけちゃいそうだから一応受けちゃったんだ。
 でも先輩そういうことまったく気付いてなくてー、という風なことを……」

「おー、あんた今日も励むねー」
とひさ子先輩が、がしり、と腕を肩に巻きつけてきた。
「ねぇ、しおりん、まさか他の人たちにもそんなこと言ってたりしてないよね?」
温厚さが取り柄でもあるみゆきちも頬をひくひくとさせている。

「なんとなく慣れました」
ユイは傍観を決め込んでいる。


岩沢先輩がいなくなってから、ストッパーが不在になりました。
要するに責められる時間が長くなりました。大きな痛手です。
そんなこんなですが、こちらは相変わらず賑やかです。
……音楽、続けていればいつか会えますか?
ジャコパスやビリーシーンやビクターウッテンみたいな超絶ベーシストに―
先輩を逆に困らせてしまうような存在に―なっててあげますから覚悟していてください。
たとえ会えなかったとしても、そこまでになれれば先輩の耳に届くと信じています。
だって先輩は音楽を止めたりはしないから。

492:名無しさん@ピンキー
10/08/27 20:32:49 hz5X1yGC
以上です、
関根純粋説。しかしふざけ具合がイメージに反してたらすまない。

493:名無し.co.jp
10/08/27 21:01:50 3w3dSpnG
>474の続きですがすいません…最後まで書けなかったのでまた後日にまとめてupします。

494:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:24:14 6Dg3FqJD
・・・^^;

495:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:31:15 ZO3L3JKW
しおりんマジ破壊活動

496:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:50:43 hz5X1yGC
二つだけ・・・
保管庫に編集してくれた人thx
>>493、気を使わせてもうしわけない

497:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:51:46 3nrRktRA
>>493
いろんな意味で空気読めよカス

498:名無しさん@ピンキー
10/08/27 21:57:14 hz5X1yGC
>>497
それはおかしい。493は俺より前に宣言してた。

499:名無しさん@ピンキー
10/08/28 05:57:16 /c4PPTtt
長編おつー


500:名無しさん@ピンキー
10/08/28 22:07:09 fXyDce32
7話キャラコメ(ゆり・大山・ひさ子・椎名)

大山がSSSの巨乳を独占した件について

501:名無しさん@ピンキー
10/08/29 15:16:28 JP66ywgw
大山くん(藤巻のにくべんき)なら許す

502:名無しさん@ピンキー
10/08/29 18:42:04 XXfcU36t
ひさ子の太ももハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ

503:名無しさん@ピンキー
10/08/29 23:55:14 87ptQtNh
>>500
ユイ「あたしは?」

504:名無しさん@ピンキー
10/08/30 18:29:56 8nuO0j3g
ユイは俺のセフレ

505:名無しさん@ピンキー
10/08/30 18:54:57 2NWheJnu
ロリータコンプレックス乙

506:名無しさん@ピンキー
10/08/30 19:36:41 chui1/lh
岩沢さんって乳でかいの?

507:名無しさん@ピンキー
10/08/30 21:28:55 8nuO0j3g
>>506
ひさ子に負ける感じじゃね


508:名無しさん@ピンキー
10/08/30 21:57:05 NpBCC6mv
岩沢さんは脚が良い

509:名無しさん@ピンキー
10/08/31 22:17:24 Mva6SYGi
>>503
日向「巨乳の意味調べてこいよ」

510:名無しさん@ピンキー
10/08/31 22:28:57 yGjZiqXp
絶妙な柔らかさだからおk

511:名無しさん@ピンキー
10/09/01 23:34:37 DJDvJXrZ
誰かゆりっぺ×野田を!

512:名無しさん@ピンキー
10/09/02 21:24:45 sV7x1s+/
最近書き込みが無くて寂しいな……

513:名無しさん@ピンキー
10/09/02 22:01:42 Ej1joLSu
だれか!
結弦×初音
の近親相姦モノを!

514:名無しさん@ピンキー
10/09/02 22:33:58 KoShVLMu
R-18じゃなくてもいいので
音無×奏のssを書いているサイトを教えてください

515:名無しさん@ピンキー
10/09/02 22:36:03 EmwEP9ZI
vipだか制作速報だかのSS保管庫にもあるよ。
毛嫌いする人も多いけど。

516:Wind
10/09/02 22:40:41 F0eqCLy4
入ってよろしいでしょうか?……あっ
ここはチャットじゃないですよね
すみません

517:エラ呼吸
10/09/02 22:44:24 llLbYzUH
いえいえ、大丈夫ですよ
皆さん待機モードですが深夜には活発になると思います

518:名無しさん@ピンキー
10/09/02 22:51:38 KoShVLMu
>>515

正直台本形式のものは苦手なんだが……まぁ何もないよりはマシか
全部読み終わったら、自分で書くという最終手段も残っているしな

519:Wind
10/09/02 22:56:30 F0eqCLy4
>>517
ありがとうございます!
反応遅くなるかもしれませんが…
よろしくお願いします!

520:Wind
10/09/02 22:59:21 F0eqCLy4
クレクレをする気はありませんが、
あまりssとかを書くというのもできません
ごめんなさい。

521:Wind
10/09/02 23:07:02 F0eqCLy4
あ、あと今日は眠いので、12:30ぐらい
には消滅して粉々になって朝まで
逝っているので、ごめんなさい。
普段は、6:30~あいてます。

522:Wind
10/09/02 23:09:31 F0eqCLy4
>>521
の6:30はPMの方です。

523:Wind
10/09/02 23:27:00 F0eqCLy4
今日はもうこれなくなってしまいました。
明日きます。オチ

524:名無しさん@ピンキー
10/09/03 00:03:09 CVTo7t4e
まさに風の如く去っていったな・・・
近親相姦とか需要あるのか?単に俺の趣味じゃないだけか

525:名無しさん@ピンキー
10/09/03 00:24:50 6O3w5j0v
近親相姦も母親とかは無理だけど妹なら全然おk。

526:名無しさん@ピンキー
10/09/03 00:27:15 YCKj5NsN
兄弟なら全然オッケーだよな

527:名無しさん@ピンキー
10/09/03 00:30:52 6O3w5j0v
同意出来ない

528:名無しさん@ピンキー
10/09/03 00:53:09 aagNkUmC
最近過疎気味だな。。。


529:名無しさん@ピンキー
10/09/03 16:19:27 kkq1RZT7
ネタになる話題も少なくなったし、信者もアンチも他所のスレで昔のように暴れ始めてるみたいだし。

530:名無しさん@ピンキー
10/09/03 17:04:31 KtWXtBTl
いやいや週に一回でも投下されてれば充分だろ

531:名無しさん@ピンキー
10/09/03 19:17:12 pd4MewOD
ひさ子エロマダーーー?

532:名無しさん@ピンキー
10/09/04 11:31:00 jom9Ikvc
日向とゆりっぺは恋人じゃないけど、体の関係だけあるとかは…ないよなw

533:名無しさん@ピンキー
10/09/04 13:57:30 DEmFO13b
有りだろ

534:名無しさん@ピンキー
10/09/04 20:24:58 ylzNpAii
週末だけど投下あるの?

535:名無しさん@ピンキー
10/09/04 22:11:40 DEmFO13b
言い出しっぺの法則

536:名無しさん@ピンキー
10/09/04 22:34:46 8zEPuA3R
遊佐とゆり、奏(赤)のSS待っています

537:名無しさん@ピンキー
10/09/04 23:48:34 wC/FduXc
「きて・・先輩・・・」
「ああ」
クチュ
「あぁん!」
「お前のアソコ、髪の毛と同じ色で綺麗だな・・・」
「あ・・・せ、先輩のアソコも髪の毛と同じ色で綺麗ですよ・・・」
「いや、褒め返してるつもりか知らんが全然嬉しくねーぞ・・・青くねーし」

538:名無しさん@ピンキー
10/09/04 23:56:49 ylzNpAii
一日の練習が終わった深夜に、皆が寝静まった女子寮の二人の部屋で、お互い黙りこくったままkeyコーヒーを飲み、
ごく当たり前のように同じベッドに滑り込んで、激しいセックスをする岩沢とひさ子

539:名無しさん@ピンキー
10/09/05 00:54:59 3yTCQdUf
どっちにチンコ生えてんだ?

540:名無しさん@ピンキー
10/09/05 04:51:09 tgnPQmg/
>>538
はよ書け!がんば~

541:名無しさん@ピンキー
10/09/05 14:49:10 +A5Cf94D
>539
別に片方に生えてないと肉体を重ねられない訳でもなかろう。
むしろ生えてない方がエンドレスで淫靡だ。

542:名無しさん@ピンキー
10/09/05 16:41:42 /RUGgwwu
>>459の続きです。

543:Love Me Tendar
10/09/05 16:42:27 /RUGgwwu
「……ん」
 不意に目が覚めた。
 なぜかはわからないけど、どことなく、なにもない闇の世界にたった一人呑まれている孤独感があった。
 瞼をゆっくりと開いていき、まだ少しボーっとする頭をフル稼動させ、現在地を確認する。
 カーテンが締め切られた、どこかの部屋。顔だけを動かして自分の姿を確認すると、ベッドで横になっている就寝スタイル。そしてかすかに匂う薬品の匂い。ということは、ここは学園内の保健室ね。
 ああ、そうか。そういえばあたし、校長室で倒れたんだっけ。どのくらい意識を失ってたのかしら。
 やや自嘲気味に笑いながら、ムクりと身体を起こす。すると突然ドアの開く音がした。
「ゆり、大丈夫か?」
 ドアの向こうから現れたのは音無くんだった。
 あたしが今、もっとも会いたかった男性(ひと)。そして今、もっとも会いたくなかった男性(ひと)。
 彼は安堵と心配が入り混じったような表情を浮かべて、あたしに近づいてくる。
「まったく、心配させやがって。目の前で突然倒れたから、マジで焦ったぞ」
「……ごめん。あの、音無くんがあたしを看ててくれたの?」
「ああ。1時間くらい前はかなでが看てたんだけど、時間も時間だから、さっき女子寮に帰したよ。あと、ゆりの症状は疲労と寝不足から来る貧血だったから、しばらく安静にしてればすぐに良くなるよ」
 そういえば、音無くんは生前に医学を志していたんだっけ。納得。
 聞いたところによると、あたしはあれから丸一日近く眠っていたらしい。時計を確認すると、時刻は23時をちょっと回ったところだった。
 あたしはなにを話せばいいのかわからなかったけど、そんなあたしの心を悟ったのか、音無くんはあたしの心配を取り除くような形でいろいろと話してくれた。

544:Love Me Tendar
10/09/05 16:44:06 /RUGgwwu
 音無くんが言うには、あたしが倒れた以降の戦線は、阿鼻叫喚の大混乱だったようだ。特にかなでちゃんと野田くんは狼狽しまくりだったとのこと。
 たぶん野田くんがあまりにも大袈裟に騒ぎ立てるから、その動揺が、純粋な心の持ち主であるかなでちゃんに感染(うつ)ってしまったのだろう。
 かなでちゃんはなにを思ったのか、そのあと暴走状態のまま食堂を占拠し、どうやら麻婆豆腐とお粥の融合体、麻婆粥なるものをシンクロ召喚させなすったようで。
 その謎の物体はこれでもかってくらいに赤かったらしく、眠っているあたしに代わって、試食という名目で無理矢理食べさせられた日向くんの断末魔の叫びが木霊したとか。
 ……あの時意識を失っていなかったら、危うくあたしがアレを食べさせられていたのかもしれない。
 なぜそんなことをしたのかと音無くんが問うと、かなでちゃん曰く―汗をかけば早く良くなる、らしかった。
 かなでちゃんの気遣いは嬉しいんだけど、それは風邪の症状であって、貧血とは関係ないんじゃないかしら。
 野田くんは言うまでもなくバカ全開だったようだ。上着を脱ぎながら人肌で暖めるとかほざいたらしく、それを聞いた戦線の女性メンバー全員から袋叩きにされたとのこと。なんか高松くんだけが共感していたらしいけど。
 それからも、あたしが倒れた空白の時間を、音無くんが詳しく教えてくれた。
 その最中でも、しょっちゅう別の女の子の話が出てくる。わかってはいたけれど、あたし以外の女の子の話を楽しそうに話す音無くんを見ていると、やっぱりつらい。
 あたしは乾いた笑みを浮かべながら、音無くんの言葉に相槌を打つのが精一杯で。
 そんなあたしの表情に気づいたのか、雑談を話し終えた音無くんはそのままベッドの脇に置いてある椅子に腰がけて、神妙な顔つきで聞いてきた。
「なぁゆり。ここ最近元気ないようだけど、なにか悩み事でもあるのか?」

545:Love Me Tendar
10/09/05 16:44:37 /RUGgwwu
「…………」
 いきなりの空気の変化とその質問に身体がわずかに震え、あたしは無言で俯いてしまう。
 音無くんに、この気持ちを悟られるワケにはいかない。
 悟られるワケには、いかないんだ。
 少しの間沈黙が続いたが、ふいに音無くんが口を開いた。
「俺さ、おまえには感謝してるんだぜ? 入隊当初は記憶が戻るまでの間だけ所属するつもりだったけどさ。でも、ここでみんなと一緒に生活してみて、いつしかこの空気が心地よくなってきて―」
 一つ一つ、ゆっくりと言葉を噛み締める音無くん。
「―みんながいると毎日が楽しくて、すごく安心するんだ。生前では得られなかった青春や友情って、こんな感じなのかなって」
「…………」
 音無くんはやさしげな表情で、あたしを見つめている。
 ダメ……やめて…。
「入隊したてで、この世界のことについて右も左もわからない俺にいろいろ教えてくれたり、指導してくれたおまえには特に世話になったからな。だから、今の俺がいるのはゆりのおかげだ」
 彼の表情が眩しくて……。
「ありがとな、ゆり。あの時戦線に誘ってくれて、本当に感謝してる。おまえが俺の力になってくれたように、俺もおまえの力になってやりたいんだ」
 それでもあたしは、彼の真摯な瞳から目が離せない。
 もうやめて…。
 そんな目であたしを見ないで…。
 あたしにやさしくしないで…。
 せっかく頑丈にカギをかけたのに…。
 現状を維持するって、決めたのに…。
 今やさしくされたらあたし、感情を抑えきれなくなっちゃうよ……。
「無理にとは言わないけど、悩みがあるなら話してくれよ。一人で抱え込む必要なんてない。俺はどんな時でもゆりの味方だ。だからさ、もう少し俺を頼って欲しい」

546:Love Me Tendar
10/09/05 16:44:58 /RUGgwwu
「―ッ!?」
 もう、限界だった。
 感情を、コントロールできない。我慢できない。
 彼のやさしい言葉と表情に、あたしはとうとう抗うことができなくなり、今まで必死に抑え続けてきた想いを爆発させてしまった。
「音無くん、音無くんッ!」
 彼の胸に勢いよく飛びつく。もう離さないように、その身体を強く、強く抱きしめる。
 そして――。
「う…あぁ…っ! ああ…あぁぁあぁああぁあッ!!」
 あたしは激しく泣き出した。
 心の防波堤が決壊したかのように。
 そこから感情の波が涙となって溢れ出してくるみたいに。
「ゆ、ゆり!?」
「うあああっ……ごめ、ん…うくっ…うぅあああ…!」
 一度決壊した涙は、そう簡単には止まらない。
 あたしの意志とは無関係に、次々と瞳から溢れ出る。
「……ゆり」
 無意識のうちに彼の手が動いたのがわかる。
 彼もそっとあたしの背中に手を回し、そしてもう片方の手で髪を梳くように撫でてくれる。
「うぅあぁ……音無くん、音無くん、音無くんっ!!」
 あたしたちしかいない夜の保健室で、あたしの慟哭だけが響き渡る。
「ゆり……」
 音無くんがあたしをギュッと、力強く抱きしめてくれる。
「うぅ……もう…ダメ、うっく……我慢…できない…」
 あたしの声の感じが変わった。まるで疲労に満ちた声だった。
 もうダメ。ここまで来た以上は引き返せない。
 だからあたしは、覚悟を決める。
 いったん音無くんから離れ、目頭に涙を溜めながら、零しながら、彼を正面に見据える。
 そして、ポツリ、と口を開く。
「……好き」
「……え?」
 上がったのは驚きの声。
 でも、あたしはそのまま続きを紡ぐ。
「好きなの……」
 すぅ、と軽く息を吸い込み、あたしは、ずっと言えなかった、でも言いたかった言葉を思いきり叫んだ。

「あたしは音無くんのことが好き―――ッ!! ほかの女の子と仲良くしちゃイヤなの―――ッ!!!」

 長い間、ずっと胸の奥に秘めてきた想いをすべて吐き出した。
 自分の顔を見ることはできないけど、きっと今のあたしの顔は真っ赤で、涙と鼻水でぐちゃぐちゃに汚れているだろう。
 だけど、しばらく経っても音無くんからはなんの反応もない。
 嗚咽を漏らして泣きじゃくっているあたしには、彼がどういう表情をしているのかもわからない。この沈黙が、あたしにとって最悪の結末を物語っているような気がしてならなかった。
 あはは…。あたし、やっぱりフラれるんだ…。
 そうよね、あたしみたいな女なんか……彼女にするメリットが、ないものね…。
 もう、仕方がない。現実を、受け入れるしかない。それと同時に、彼の側にいられなくなることも。
 溢れ出る涙を拭おうともせず、あたしは彼の側を通り過ぎようとする。
 さよなら……音無くん。
 こうして、あたしの最初で最後の恋は、その実を結ぶことなく終わりを告げた――。

547:名無しさん@ピンキー
10/09/05 16:45:39 /RUGgwwu
中途半端菜気もしますが、今日はここまで。

548:名無しさん@ピンキー
10/09/05 17:37:24 Zk/r7yLM
GJ!
完結?

549:名無しさん@ピンキー
10/09/05 17:53:49 nH15I0gY
GJ
なんという乙女なゆりっぺ

550:名無しさん@ピンキー
10/09/05 18:44:18 tgnPQmg/
gj!
ベッドシーンは無しか~。

551:名無しさん@ピンキー
10/09/05 19:50:10 MjogqYZt
ゆりっぺかわいすぎ、でももうチョイツンデレ成分がほしいかも

552:名無しさん@ピンキー
10/09/05 20:21:20 ozJAGKg1
おいおいゆりっぺがヒロインみたいじゃないか

553:名無しさん@ピンキー
10/09/05 20:26:46 Lf3ZppId
今更なにを
あんな白髪金目発育不全花沢香菜野郎のどこがヒロインだって?


554:名無しさん@ピンキー
10/09/05 20:43:20 4zEISZa1
好きなキャラをマンセーするのは構わないけど
他のキャラを貶める奴は最低のクズだよね
同じファンとして見られるのも不愉快

555:名無しさん@ピンキー
10/09/05 21:20:05 tgnPQmg/
>>553
野田乙

556:名無しさん@ピンキー
10/09/05 22:56:55 Lf3ZppId
>>554
ネタだったのに・・・

557:名無しさん@ピンキー
10/09/06 00:03:16 6B6OiUXt
>>547
GJ
続きが気になって仕方がない。ゆりっぺルートも見たかったってつくづく思う
ゲーム化キボンヌ
>>553
冗談で言ってても不快に思う人いるからw

558:Wind
10/09/06 00:42:04 pX7ZYhYj
こういうSSっていうのかな?
書ける人ってすごいですね…!

559:名無しさん@ピンキー
10/09/06 01:40:06 65H2NTo8
>>557
ゲーム化ってして欲しくない人とか、やっぱり結構いるのかな?
俺はゲームが出たらそのハードごと買うのに。

560:名無しさん@ピンキー
10/09/06 01:40:48 lS2kuVkH
エロゲー化なら待ってる

561:名無しさん@ピンキー
10/09/06 07:02:32 5Dij8x+S
エロゲ化は声優変わっちまう人いるだろうからなぁ…

562:名無しさん@ピンキー
10/09/06 14:58:38 v9WxokLO
自前のエロゲなら持ってるが

563:名無しさん@ピンキー
10/09/06 15:12:06 ZyvU30/Y
ゆりっぺは草食系

天使ちゃんは肉食系&体育会系

564:名無しさん@ピンキー
10/09/06 18:18:33 65H2NTo8
keyだし、無理じゃ無いよな。リアルに。

565:名無しさん@ピンキー
10/09/06 18:51:29 FCsrNB/e
山のない話ですが勘弁。野田×ゆり書いてみた。

566:野田×ゆり未満
10/09/06 18:52:33 FCsrNB/e


色とりどりの花が咲き乱れている校内の庭園の片隅で、
野田はハルバードを振るっていた。天使と闘うための訓練だ。

水平・垂直斬り、袈裟斬り、突き、を幾度となく繰り返す。
汗の飛び散るその筋骨隆々とした肉体はSSSでも指折りだが、
いざ実戦となるとチャーに引けを取る。椎名には手も足も出ない。
なので当然、ゆりには時間稼ぎ程度の戦力としてしか見られていない。

が、皮肉なことに、野田自身は自分の力に一片の疑念もない。
<いつもの勇姿>をゆりに見せつけるため、今日も励んでいるという訳だ。
そんな、どこか可哀相な彼が構えを変えて斧槍を握りしめたとき、
木陰の奥から聞きなれた声が飛び込んできた。

 入江さん、こんなところにいきなり呼び出してごめんなさい!
 たぶんびっくりしてるよね、でも伝えたいことがあるんだ。
 率直に言うよ。
 僕はあなたのことが好きです!
 考えれば考えるほど胸が苦しくなるんだ。
 入江さんのことを見かけるだけで胸が苦しくなって、
 どうしたらいいのか分からなくなるんだ。
 ドラムをずんばん叩いている君の姿が焼き付いて離れない。
 初めて見たとき、すごく輝いて見えたんだ。
 それはきっかけに過ぎなかったけど、
 一緒に食事を摂ったことがあったよね、それからずっと、
 笑顔も、やさしい声も、なんだか臆病な姿も、
 そのすべてにどきどきするようになって、頬が熱くなるんだ。
 僕の心はいつも、入江さんのことでいっぱいなんだ。

567:野田×ゆり未満
10/09/06 18:53:34 FCsrNB/e
 消えて無くなっちゃいそうな気持ちになる。
 けど、入江さんと僕とはSSS以外では接点がないし、
 一緒にいるときなんて、思うように話すことができないんだ。
 こんな状況がつづいたらどうにかなりそうだよ!
 もう入江さんの側にいても、一人でいても、ずっとずっと胸が苦しい。
 きっと今までのような関係じゃいられなくなっちゃうと思うけど、
 気持ちを抑えておけなくなっちゃったんだ。
 自分の都合だけで、しかも本当に突然の告白で、ごめんね。
 思いを伝えたからって楽になれるかは分からない。
 でもこんな風に思いを伝えられる相手がいてくれて、それだけで嬉しいんだ。
 入江さん、僕は誰よりもあなたのことが好きです―

腹から声が出ておらず、とても気弱そうなので、
飯はしっかり食ってるんだろうか、と野田は思った。

そこで思考がそれたのか、いつの間にかハルバードを振り下ろしていた。
そう、自身が昼食を摂っていないことに気付いたのだ。
そしてこのままこの場所にいるのも無粋だということにも。
なので即座にタオルで汗を拭い、シャツと制服に袖を通し、学食へと向かっていた。


左手に斧槍を握ったまま、右手の箸でチキン南蛮をつつく野田に好奇な視線が注がれる。
同席している日向、高松が口々に言った。
「それ明らかに邪魔だろ、食事のときくらいせめて床にでも置けよ」
「常に足でボールを触っているサッカー少年やハンドクリップで握力をつけている野球少年のようですね」
野田は話を聞いているのか、いないのか分からない調子で頷く。
というより食べることに意識を傾けている。聞いていない。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch