10/07/26 17:31:44 KbXoBgqW
その翌日。
ぶっちゃけ昨日の自爆のせいで、明らかに睡眠が足りてない。
もちろん遊佐さんのせいでもあるんだけど、いつも通りに当の本人はこの部屋にいない。いるのは、いつもオペレーション時に行動する時のメンバーだ。
あたしは眠たげな目を擦りながら、部屋を見渡す。
あたしから見て出入り口の左側では、TKが松下五段にダンスを教えている。アホね、二人揃っていつもより余計に回っておりますとか言ってるわ。
その右側では、大山くんと椎名さんがぜんまいで動く子犬のおもちゃを眺めながら、軽い雑談に興じている。
……はっ、べ、別に羨ましいとか思ってないんだからねっ!
直井くんは……相変わらず態度でかいわね。
椅子に深く腰掛け、机に両足を乗せて本を読んでいる。まるでこの世界は自分を中心に動いてます、的な感じね。自分で神とか言ってるくらいだし。
同じく竹山くんも、パソコンのキーボードに指を走らせている。なんでもブログをやっているって聞いたことがあるけど。
「ふんっ、ふんっ、筋肉っ、筋肉っ」
その隣では高松くんが上着を脱ぎ、汗が飛び散るほどの速さで筋トレをしていた。途中までは普通に数えていたみたいだけど、500回を越えたあたりから、なぜか筋肉に変わってるし。
…暑苦しいわね。
「おい藤巻、この、“極めるに寒い”って、なんて読むんだ?」
「ああ、こいつは、漢検1級レベルの漢字じゃねぇか。確か、ゴッサムと読むって聞いたことあるぜ」
「なるほど、ゴッサムか。よし、しかと覚えておこう」
そして間違った知識を吸収している馬鹿二人。もう完全にアホ丸出しだわ。
備え付けのソファーでは、馬鹿筆頭の野田くんとザ・噛ませ犬の藤巻くんの馬鹿二人が、珍しく(?)一緒に漫画本を読んで納得し合っていた。
……漫画を読みながらハルバートと長ドスを振り回している姿はこのうえなくシュールね。
と、ここで違和感を覚える。
「―あれ? そういえば音無くんは?」
「ああ、音無ならガルデモの連中たちの手伝いに行ったぜー」