仮面ライダー総合エロパロスレ11at EROPARO
仮面ライダー総合エロパロスレ11 - 暇つぶし2ch50:ありえない照亜樹
10/06/04 21:55:51 kLfn61Ww
だが亜樹子は照井に唇をキスで塞がれ、それ以上何も言えなくなる。
照井は指先の動きを再開する。今度は少しだけ強めに。沈み込ませるように。
その指の動きに合わせて亜樹子の体がびくん、と震え始めた。

気がつけば下着を脱がされている。いったいいつの間に。脱がされやすいように自分で
腰を上げて協力してしまったような気もするが、よく覚えていない。
キスと同様、照井の指は優しい。決して焦ることも痛みを与えることもない。
微かに触れるか触れないか、程度の動きでくすぐるようにそこを撫で続けている。
竜くん、やだぁ……そんな触り方、ずるい……。
照井の胸に頬を押し当てその襟をきゅっと掴む。亜樹子の口から吐き出される熱い息が
胸元にかかり、照井も徐々に昂ぶり始める。
照井の親指の腹が、亜樹子の最も敏感な突起にそっと押し当てられた。

「ひゃうっ!」
思わず漏らした声。その自身の声の甘さに恥ずかしくなる。
こんな、こんな声だしちゃって……あたし、もう……うわぁぁん。
だが照井がその親指で触れた部分をゆっくりとこね上げるように動かし始めると、亜樹子が
漏らす声はその程度では済まなくなった。

「んぁ……ふん………あっ。あ、あ、あ、あぁぁぁ。やぁっ!りゅ、竜くんっ!」
亜樹子の声は途切れることなく続く。照井の指にリズミカルに優しく弾かれ、甘く優しく
触れられる。じっとしていられない。太腿で照井の腕を挟みその動きを止めたくなるが
「もっと」と求めるようにまた開いてしまう。ジタバタと暴れてしまう。
長く続く愛撫と優しく繰り返されるキス。身を任せ翻弄されながら亜樹子の心の奥に、
一つの言葉が浮かぶ。

欲しい。
あたし、竜くんが欲しい。欲しいよ。

だがその言葉を口に出すことは恥ずかしくてできない。どうしても無理だ。
代わりに亜樹子は照井の体を強く抱きしめた。そしてその顔をじっと見つめる。
伝わってほしい、そう願いながら。
照井が見下ろしてくる。二人はしばらく見つめ合う。
そして照井が頷いた。
思いは、伝わった。

ソファの上にそっと横たえられる。
亜樹子はもう覚悟を決めている。決して自棄になったわけでも捨て鉢になったわけ
でもない。亜樹子は照井が欲しかった。たぶん、こうなるずっと前から。

必要だったんだ、あたしには。
竜くんが、必要だった。

目を閉じる。ゴソゴソと照井が服を脱ぎ出した音がする。
その音に何故か昂ぶりが増す。「もうすぐ、来る」と思う。それだけで胸が高鳴る。

51:ありえない照亜樹
10/06/04 21:56:50 kLfn61Ww
脚を開かれた。「あぁ……」と自分が漏らす吐息が聞こえる。照井が囁いてくる。
「……所長、いくぞ」
羞恥に襲われながらも照井のその問いかけに、亜樹子はコクンと頷く。
照井がのしかかってくるのを感じる。亜樹子の心に「あたしは奪われるのかな、それとも
竜くんにあげるのかな」と、何故かふとそんな疑問が浮かぶ。
その疑問を断ち切るように、照井が一気に貫いてきた。

「あぅっ!」と、これまでで最も大きな声で叫んでしまった。
凄まじく熱く固いものが入ってきた。それを自分の体が包み込んでいるのが判る。
「くっ」と小さく息を吐き出す音がする。照井が亜樹子の中に包まれる感触に思わず
漏らした声。快感に耐える声。
わぁ。竜くんも、気持ちいいんだ……。
それが嬉しい。目を閉じているため照井の顔は見えないが、おそらく自分と同じように
快感に耐えながら額に眉を寄せているのだろう。そんな顔をしているのだろう。
照井が動き出した。ゆっくりと。亜樹子の反応を見るような動きで。
亜樹子は照井が作り出すそのリズムに身を任せ、漂い始める。

あぁ、どうしよ。すごく気持ち、いい。
ゆるやかで優しいその動き。まだ叫んだり泣いたりするほどの快感ではない。
だがじわじわと、あたたかい何かがそこから体全体に広がっていく。
徐々に照井の動きが早くなる。広がっていたぬくもりが全身を包み込むような快感に
変わる。亜樹子の息が速くなる。そして照井の呼吸も。
照井が挿し込む角度を変える。ぐり、と抉られるような快感が亜樹子の体を貫く。
「あぁっ、だめっ」
叫び、伸ばした手で照井の腕を掴む。照井はもう一度抉る。そして二度、三度と。
「りゅ、竜くん竜くんっ……あ、あたし……やだぁっ、なんか、何か!」
照井は無言のままさらに速度を上げる。突き上げられ穿り続けられることで亜樹子の
体の奥から凄まじい快感が弾け出す。こんなことは初めてだ。亜樹子はもう体を
くねらせ快感の波に溺れ啜り泣きの声を上げること以外何もできない。

「竜くん、好き……!」
快感と共に愛しさが激しくこみ上げ亜樹子は照井の体を強く引き寄せる。亜樹子には
見えないが照井が耳元で口を開き何かを言いかける。だが照井は口をぎゅっと
噤むと言葉の代わりに亜樹子を強く固く抱きしめた。そして勢いを上げる。ゴールに
向けて全力疾走を始める。
亜樹子の体がのけぞる。「あ、あ、あ」と漏らし続けていた声が叫びに変わる。
「あぁっ!竜、く………んっ!も、もう……あたし、だめっ………!いっ……!!!」

びくん!と亜樹子の体がこれまでで最も激しく震えた。
その身体が足の爪先までピン、と伸び、片足がソファから転げ落ちた。
頂点を迎えた亜樹子の身体がガクガクと痙攣するように震えだす。その震えの中で
照井も達する。亜樹子の腰を掴み引き寄せ、その最も奥深くで。

ふぅ、と息をついた照井は亜樹子のあごにそっと手を添え、その唇にキスをした。
しがみついてくる亜樹子を強く抱きしめ、そして微かに震えが残る亜樹子の身体が
落ち着くまで、その髪や肌を優しく撫で始めた。

52:ありえない照亜樹
10/06/04 21:58:03 kLfn61Ww
照井の膝の上。亜樹子はまた最初の時と同じ姿で小さく丸く抱かれている。
亜樹子は照井がきちんと避妊してくれていたことに気づく。その気遣いは嬉しいが
照井があの状況でそんな心の余裕があった、ということが何故か少し寂しい。
夢中だったのはあたしだけだったのかな……悔しいなぁ。

「竜くん、ひどいよ。あんなこと……ひどいよ」
思わず口にしてしまった憎まれ口。だがこうして寄り添いながらではその非難の
言葉もまるで説得力はない。
照井が眉を上げる。何が?というような涼しい顔で。
「俺は必要なことをしたまでだ」
あー、もう。にくったらしいーっ。
照井の体にぎゅっとしがみつきながら、亜樹子は不満げに口を尖らせる。
「竜くんには、それだけなの?」
「それ以外に何がある」
照井は亜樹子を膝から下ろし立ち上がる。
その背中を寂しげに見つめながら、亜樹子の目にじわ、と涙が滲む。
もう……竜くんの、いじわる。

だが照井は亜樹子に背を向けたまま、小さな声でぼそり、と呟いた。
「俺に、必要だったんだ」
「え?」
「あの時、俺をずっと見守っていてくれたな」
「あの時?」
「シュラウドとの特訓の時だ。死に物狂いになっていた俺を、それでも所長は
俺を信じて、ずっと見守っていてくれた。あの時は必死だったから気づかなかった。
だが後になってから判った。所長が見守っていてくれる。それが俺にどれほどの
力を与えてくれたか」
「竜くん……」
「俺には、これからも……所長が、必要だ」

ただそれだけの言葉だが、照井にとってそれを口にすることは一大決心を要した。
その頬が紅く染まっている。照井のその様子と耳にしたその言葉に、亜樹子は
パッと顔を輝かせる。

あたしが必要?これからも?ねぇ……竜くん!それって!?

「竜くんっ!」
顔を赤くしたまま照井はゴホン、と咳払いをする。
「喉が渇いたな」
「ねぇ、ちょっと待ってよ。いま何か言ったよね?ねぇ、ほんと?今のほんと?」
「何のことだ。さて、コーヒーでも淹れるか」
「ちょっと!大事なことなのっ!すごく大事なことなんだからぁっ、ねぇ竜くんっ!」
やや早足で歩き出した照井を、亜樹子は立ち上がり喚きながら追いかけた。

コーヒーの缶を手にした照井。その背中に向かって大騒ぎしている亜樹子。
これまでと何も変わらない、いつもと同じ二人。いつもと同じ事務所の光景。
だが二人の間には。これまでとはまるで異なる目に見えない何かが。二人の未来へ
続くあたたかい何かが、確かに存在していた。

亜樹子はこの日を最後に、独りで泣くことをやめた。
泣くのは照井の胸の中と、決めた。

─終わり

53:名無しさん@ピンキー
10/06/04 22:00:10 kLfn61Ww
以上です。
照亜樹も一回は書いてみたかったものの、やっぱり上手く書けなかった。
この二人の難しさを思い知った。出来が悪いので、もし最後まで読んでくれた
方がいたとしたら全力でごめんなさいを申し上げます。

54:名無しさん@ピンキー
10/06/04 22:13:05 Fzym36EJ
GJ!
自分で自分の行動を理解できていない様子の先生もいいし
亜樹子を泣かせたくないのか鳴かせたいのかわからない照井も良い。
確かに照亜樹は自分も難しいと思う。そんな中難易度の高い二組を投下してくれた
>>53に感謝。

55:名無しさん@ピンキー
10/06/04 22:29:51 y6Yc/qxZ
>>53
GJ!GJ!!
先生エロいよ先生!
コネクタの位置でスイッチ入っちゃってるいつもの変態先生もエロいが
無表情且つ無自覚で冴子さんイカせてる先生もエロくて素敵だ
先生の前では冴子さんも健気でかわいいなぁ

照亜樹もごちそうさまです
俺はこんな照亜樹を読みたかったんだ……

56:名無しさん@ピンキー
10/06/05 00:45:49 KBiOr7mb
GJGJ!
井坂先生エロすぎワラタ
まさか「冴子かわいいよ冴子」と思う日が来るとはww

そして照亜樹キター!!待ってました!
照井さんも照れてないでちゃんと亜樹子に好きだって言いなさいよ

どちらも乙でした!

57:名無しさん@ピンキー
10/06/05 00:52:58 ydLC3ccb
GJGJGJ!!
井坂先生ツボすぎwww
もうこの変態さが好きでたまらん。
自分、草加も大好きなんだが、男の側があっちの世界の人がツボなんだろうか。

照亜樹もGJ!!
この二人の難しさはよく分かるよ、挫折したからwww

ぜひ今度はフィリ若を読んでみたいです!!

58:名無しさん@ピンキー
10/06/05 11:03:27 OccynrU9
録画した電王の劇場版をさっき初めて見たんだが、モモハナに萌えた!
あのケンカップルな殴り愛がたまらない。
デンライナーであちこち観光してる様は普通にデートですね、分かりますw
ちょっと改めてレンタル逝ってくる!

59:名無しさん@ピンキー
10/06/05 11:46:23 yM9w0MTX
やっと見つけた!!
>>ピカピカ亜樹子。GJです!
本編であまり語られることなかった
亜樹子とスカルの関係。
パズルのピースが嵌った気がする!
ありがとう!
仲良し三人のほのぼのも好きだが、自分エロも好き。





60:名無しさん@ピンキー
10/06/05 18:21:20 jRLIky6S
ウルフオルフェノク×真理とか、スコルピオワーム×ミサキーヌがすごい読みたいw

61:名無しさん@ピンキー
10/06/05 19:44:32 uyjk3otf
>>60
何で変身体のほうなんだwww

62:名無しさん@ピンキー
10/06/05 19:55:00 Pk+KfV3f
確かにあえて変身体でっつーのも読んでみたい

63:名無しさん@ピンキー
10/06/05 20:00:26 l6k82GFU
なんか投下が無いなと思ったら・・・!!
今日やっと気づいた・・・orz

64:名無しさん@ピンキー
10/06/05 20:15:37 kYGkUe14
新スレも進みが早いなー。
で、投下させて頂きます。
前スレの>17以降で投下させてもらった長めの翔亜樹の続き。
またちょっと長いです、すみません。
エロ部分は軽く翔太郎が鬼畜で、強姦なのでそういうテイストが苦手な方はスルーしてください。
内容はメロドラマ風味なので、そういうのが苦手な方もスルー推奨。
NGワードは「さよならを言う日」でよろしくお願いします。

65:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:17:17 kYGkUe14
「ねえ、翔太郎くん」
「どうした、亜樹子」
「連れて行って欲しいところがあるんだけど」
ヘルメットを差し出した亜樹子の笑顔は、どこか寂しげだった。



 山の天気は変わりやすいと言うが、本当だ。
麓にいた時には青空が広がっていたのに、霧が出たかと思ったら雨になった。
濡れなかったのが幸いだ。
「はぁ、やまないねぇ」
窓を叩く雨粒はそれほど大きくはないが、小さくもならない。
山の夜の始まりは早く、ランプだけに照らされた部屋の中は少し寂しい。
「寒くないか?」
「平気」
とはいうものの、普段人のいない家というのは、それだけで空気が冷えるものだ。
翔太郎は自分のジャケットを脱ぐと、亜樹子の肩に着せ掛けた。
「着とけ」
「あ、ありがと……」
 荘吉の山荘に連れて行って欲しいと亜樹子に頼まれ、ここまで来たが目的は話してもらってない。
何となくそれを自分から聞き出すのも躊躇われて、翔太郎は帽子を弄ぶ以外に何かできることもなかった。
(……あの夜以来、だな)
亜樹子とこうして夜に二人きりでいるのは。
(ああ、くそっ。そんなこと思い出してる場合じゃねぇだろ!)
だが、沈黙の中にいるとつい心に沸き起こるのは、亜樹子を抱いた夜のことだ。
だがそれは朝になると夢のように消えた。
甘えるように寄り添って笑っていたはずの亜樹子が背を向け「忘れる」ときっぱりと言い放った時、情けないが動けなかった。
 あの日から、二人の間に微妙な距離が出来たように感じる。
もちろん、亜樹子はいつもと変わりなくように思えるし別に避けられているわけでもない。
だが、じゃれ合わなくなった。
触れるのも、突っ込むのも、引き寄せるのも当たり前のようにできていたのにあの夜を境にできなくなった。
確かに変わってしまったものがあり、知ってしまった感情がある。
(……亜樹子は好きでもない男とああいうことができる女じゃない。だから、亜樹子の気持ちは疑わない)
だから、伝えた。
亜樹子が好きだと。
これは罪悪感や義務感から生まれた感情じゃない。
鳴海亜樹子という存在の愛しさを、封じることはもう出来ない。
だが、そこからどうしていいのか分からないのだ。
「翔太郎くん、今日はもうこれじゃ帰れそうにないね」
「だな。フィリップに連絡いれておく」
「うん、じゃああたし、上のベッド借りるね。探し物があってきたんだけど、明日にする。もう休もう」
翔太郎に上着を返すとき、一瞬だけ指先が触れ合った。
違う温度。
自分以外の誰かの温もり。
何より、抱き合った相手の温度は一気に心を騒がせ疼かせる。
「……おやすみ」
「ああ、おやすみ」
お互いの声が少しだけ震えている。
そんな気がした。


66:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:18:52 kYGkUe14

 やまない雨が耳に痛い。
翔太郎は冴えたままの目で、暗い天井を見上げぼんやりと考えていた。
(……あいつ、寝てるのかな)
階段の上からは、特に亜樹子が起きている気配は感じない。
(……どうして、俺と来た)
一度、あんなことがあったのに二人きりになる事を何も思わなかったんだろうか。
だとしたら、本当に亜樹子はもう忘れてしまったのだろうか。
(そんな訳、ねぇ。あいつは……そんな女じゃねぇの、俺が一番分かってる)
 どれくらい時間が経っただろうか。
少し浅い睡魔に絡め取られていたらしいが、カツン、という音で覚醒する。
何よりも空気に混じる女の気配が翔太郎の感覚を呼び覚ましたが、構わずに寝た振りをした。
ベッドに近寄ってくる気配。
敵意はない、あったとしても困るが。
「……大丈夫、かな」
小さく呟いた言葉は吐息を含んでいて、翔太郎の背筋をゾワリとさせた。
ぺたぺたと床を歩いてベッドの傍をすり抜けていく気配。
小さく引き戸が開く音がして、雨の音が一瞬大きくなり、亜樹子が外に出て行こうとする気配を感じ、翔太郎の心が跳ね上がる。
 行かせては、いけない!
誰かに急かされた気がして跳ね起き、亜樹子の手を後ろから捕まえた。
「えっ?」
驚いて振り返った亜樹子が見たのは、ひどく追い詰められた目をした男だった。
苦しそうで、悲しげで、何かをむき出しにした、目。
「しょ、翔太郎、くん?起きてたの?」
「どこ行くんだよ」
「……」
「こんな時間に外に出たってどこにも行けないだろ」
「……少し、ベランダに出るだけだよ」
「雨も降ってる」
「ちょっとくらいなら、平気」
「だめだ」
何故か、駄目だと思った。
今ここで、手放したら。
亜樹子の手を離したら、もうきっと一生彼女の目を見られない気がして。
「行かせない」
強引に引き寄せて、勢いのままベッドに組み伏せる。
驚いたような亜樹子の大きな瞳に、翔太郎は自分の心が燃え上がるのを感じた。
 今しかない。
今、聞かなければ、きっと分からないままだ。
「……亜樹子」
「な、に……」
「どうして俺とセックスしたんだ」
回りくどさなど一切ない、ストレートな翔太郎の問いかけに、亜樹子が息を飲む。
どうして、なんて。
言えない、言いたくない、絶対に、もう好きだなんて言えないから。

67:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:20:46 kYGkUe14
 乱暴にシャツをたくし上げられ、ボタンを引きちぎられるように外され、あっという間に肌が晒される。
まだ、この肌が覚えている。
あの夜、彼がどんな風に優しく愛撫してくれたのか。
「や……ッ!」
最初の一撃、そう、まさに一撃という言葉が相応しい衝撃が亜樹子の肌を襲う。
噛み付かれるようにうなじに歯を立てられ、音を立ててきつく吸い上げられ、亜樹子は悲鳴を挙げた。
ジリッと焦げ付くような熱の痕がうなじに刻まれたのが分かる。
それは一度で終わらない。
翔太郎の唇が亜樹子の肌を食む度に、赤い印が無数に刻まれる。
「や……だぁっ!やだっ!や、めて……っ!」
必死で手のひらに力をこめて翔太郎を引き剥がそうとするが、圧し掛かってくる体から放たれるオーラに圧倒される。
萎縮する体が頼りなくて、亜樹子は今更ながら悟られたことを後悔し、彼の思いが怒りに彩られていることに恐怖した。
(……こわ、い)
あの夜抱かれた時と違う怖さに涙が滲む。
だが、もう泣かないと決めた亜樹子にはその涙を零さない。
翔太郎にも分かっていた。
亜樹子の恐怖も、痛みも。
だが、もうやめられない。
(……離せない。絶対、離すか)
 亜樹子が荘吉の娘だと知った時、苦しさという言葉だけでは表し切れない想いが溢れた。
目の前の少女のたった一人の父親を奪ってしまった事実は、自分が彼を失った想いとは違う痛みだった。
 償う方法を考えた。
だが、償いきれない。
生きている限り、この苦しみを抱えていく。
亜樹子が苦しむなら、それも抱えていく。
エゴだと言うなら言えばいい、笑えばいい、全部飲み込んでやる。
「んぁ、あ……ッ!」
固く尖った胸の先端を甘噛みすると、亜樹子の唇から吐息混じりの切ない悲鳴が零れた。
翔太郎は亜樹子の体に申し訳程度に残っていた衣服の残りを全て剥ぎ取ると、薄い暗闇の中にほんのりと浮かぶ亜樹子の白い体を見つめる。
ゴクリ、と息を飲んだ。
しどけない色香を含んだ肌に体の奥で熱が疼く。
まだ、体も心も覚えている。
あの夜抱いた亜樹子の体の柔らかさ、熱さ、甘さ。
苦痛に耐える表情がひどく扇情的で煽られた。
 翔太郎は亜樹子に圧し掛かったまま自分も服を脱ぐと、押さえつけていた亜樹子の両手を取り、その手のひらに口付けた。
その優しい口付けに、亜樹子は小さく彼の名前を囁いた。
「翔太郎……くん」
その切なげな声にまた欲情が煽られる。
そんな顔をして、そんな声で呼ぶのに、どうして離れようとするんだ。
 押さえきれない怒りと苛立ちが、亜樹子の体に容赦ない雨になって降る。
「ひぁ…ぁ、ぁっ!やぁぁ……っ!」
指の腹で強く胸の先端を弄り、固さを増していく未熟な蕾に歯を立てて、舌先で刺激して転がすとビクビクと痙攣するように肩を震わせて腰を捩る。
強すぎる痛みに逃がす方法も分からなくてただ、快楽と言うには強すぎる刺激に耐える。
「や、だ……っ!も……やぁ……ッ!」
「こんなにしといて、何がやなんだよ」
指先で胸の先端を弾くと、痛みと痺れに背中がしなる。
「ちゃんと、おまえの体は俺を覚えてるだろ?」
「……そ、んなの分かんない……」
「じゃあ、思い出せよ。思い出させてやるから」
腰を抱いて強引に脚の間に割り入って、まるでピンで留められた蝶のような体を見下ろす。
白い肌に散る無数の赤い痕を消さないためにはどうしたらいいのだろう。

68:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:21:27 kYGkUe14
「俺が嫌いか?」
「そんなことない!」
「じゃあ、どうしてだ?どうして、俺から離れようなんて思う?」
ぐっと唇を噛み締める。
この弱さと身勝手な恐怖を、彼には言えない。
「言う気はないってことか」
「……」
「そうだな、おまえはそんな女だよ」

強情で、気が強くて、甘えなくて、……今はこんなに遠い。
だから、追いつく、捕まえる、離さない。

「……だけど、俺もおまえが思ってるほど単純で甘い男じゃねぇ」
翔太郎の瞳がすぅっと細められる。
底光りする光は、亜樹子の意識の中に刺さってまるで麻酔のように抵抗の気力を霧散させていく。
「こんなひどい事も出来る男なんだよ、俺は」
「翔太郎くん……」
「おまえがどれだけ嫌だって泣いたって、やめない。……おまえが欲しい」
 見下ろす白い肢体に、翔太郎の心が痛む。
男とは違う、しなやかで柔らかくて、男を受け入れることの出来る体を持つ性。
自分が惚れた女は、その強さを心にも持っていて父親譲りの強い正義感に何度も感動した。
だが、今はただこの白い肢体を犯したい、ねじこんで、突き上げて全部感じて、自分のものにして食らい尽くしてしまいたい。
そして、翔太郎はその衝動に忠実に行動した。
「ぁあっ!」
まださして潤っていない場所を指先で無理やりこじ開ける。
たった一回きりしか男を知らないそこはまだ固く閉じていて、少し力をこめて侵入させると引き攣った痛みを亜樹子に強いた。
「痛い…っ!いやぁ、やだぁあ、ぁっ!」
生々しく感じる翔太郎の指の形に、亜樹子は体を固くして拒もうとしたが少しずつ潤ってくる蜜が翔太郎の指の侵入を許してしまう。
「ん…ぁ、あっ!やぁっ!」
「俺としてから、誰ともしてない?」
「し、てな……っ!やだぁっ!翔太郎くん……ッ!」
「俺としかしてない?俺以外に、この可愛い体、許してないんだな?」
「翔太郎くんしか……知らな……ッ!も、おねが……ッ痛い…ッ!」
懇願するような亜樹子の声に、翔太郎は指を引き抜いて亜樹子に見せ付けるように舐めた。
いつのまにか溢れるくらいに濡れていることに、亜樹子は気づいていない。
だが、まだ翔太郎は足りなかった。
「もうちょっと、かな」
亜樹子の膝を割り、そこに躊躇うことなく顔を埋める。
「ひぁ……ッ」
指とは違うねっとりとした生暖かい愛撫と、濡れた音。

ちゅ……ぴちゃ……くちゅ……ぐちゅ、くちゃ……っ

ざらついた柔らかな舌の感触に、亜樹子は羞恥と快感が一気に背中を駆け上がって行くような気がして、泣き声にも似た嬌声を挙げた。
「や…ぁっ!やぁぁ……っ!」
茂みの中で震えていた敏感な場所を吸い上げられ、亜樹子の体が跳ねる。
引きずり出されていく快楽は、痛い。
なのに、触れているのが翔太郎だと思うだけで、心に溢れるのは悦びなのだから、もうどうしようもない。
「これだけ濡れてりゃいいな」
「え……?」
翔太郎がキスを落としてきて、覆いかぶさってきたかと思った時、強引に両足を開かされ、一気に貫かれた。
「――ッ!!!」
悲鳴はキスで噛み砕かれ、引き裂かれるような痛みで、頭が沸騰する。
遠慮なく突き上げてくる猛々しい熱は、翔太郎の怒りそのままで亜樹子を食らい、犯す。
「は…ッ!あ、ぁっ!やめ…ッ!痛い…ッ!やぁぁッ!」
だが、どれだけ声を挙げて訴えても、懇願しても、体を開かれる痛みは増していくばかりだ。

69:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:22:37 kYGkUe14
 これは、怒り。
自分が翔太郎を怒らせた痛みだ。
雨の音より濡れた音が耳に痛い。
自分たちが確かに繋がっている、今、この瞬間はここから先どこへ向かうのか分からない。
それでも。
(……すき、なの)
好きで、好きで、こんなにひどいことをされているのに、苦しいくらい彼が好きで、だけど別れを覚悟した以上、これ以上好きになってはだめだと言い聞かせて。
それなのに、こんなひどいことをされていても、悦んでいる、心も体も。
他の誰でもない、翔太郎だから。
「あ、ぁ、……ッん、あ……しょ、たろ……く……ッ」
いつの間にか、彼の背中に縋っていた。
自分の中で暴れる猛々しいものに、組み伏せられ支配されていく、染まっていく。
「……中で、出すぞ」
だめだ、と言おうとしたのに、亜樹子の唇から零れたのはそれを許す切ない喘ぎだけだった。



 雨の音がする、まだ降っている。
亜樹子はベッドの中でぐったりとした体を横たえたまま翔太郎の腕に抱かれていた。
まだ、熱い。
体が熱くて、ジリジリとした感覚が燻っている。
「……これ、強姦、だからね」
ポツリと呟くと、翔太郎が腕に力をこめる。
もういっそこのまま潰してくれればいいのに、なんて馬鹿なことを考えてしまう。
「そうだな」
「……最低なんだからね」
「ああ」
「だけど、ね。あたし、馬鹿だよ。……イヤじゃなかった」
だって、好きな男なのだから。
苦しいくらい好きになった初めての男なのだから。
触れられた悦びで満たされているなんて、本当に馬鹿だ。
「亜樹子、こっち向いてくれ」
一瞬だけ躊躇って、亜樹子は翔太郎の腕の中で体を反転させた。
薄い暗闇の中、整った顔立ちが見えた。
「……ずっと、考えてた。おまえがどうしてあんなことしたのか。何で、初めての男に俺を選んだのか」
「……」
「俺はおまえが好きで、おまえも俺を好きだから。それが結論だった。なのにお前は忘れるように言った」
「……うん」
「だけど、忘れられなかった。無理に決まってる。……思い出して、その度に頭がイカレそうだった」
一人でいる夜、傍らにあった温もりを、肌を思い出しては欲情していた。
「……俺は何回もしたよ」
「え……?」
「おまえとした夜の事思い出して、何回も自分でした」
かっと亜樹子の頬が赤くなる。
それは自分も同じだから。
どうしようもなく寂しい夜、彼の手を、唇を思い出して何度か自分で慰めたことがある。
「……どうやって忘れろって言うんだよ、亜樹子」
「……」
「忘れられるわけ、ないだろ。おまえだって分かってるはずだ。……あの夜、抱き合った俺たちの気持ちに嘘はなかった」
「……う、ん」
亜樹子は認めた。
忘れられるはずなんかなかった。
思い出して、心は痛むのに同時に甘い記憶だったから。

70:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:23:32 kYGkUe14
「おまえが好きなんだ」
「翔太郎くん……」
「……たとえ、おやっさんに許してもらえなくても」
「……!」
「それでも、俺はおまえを離せないんだよ」

初めて、聞いた。
彼の中で絶対であり、永遠でもある父を越える言葉を。

「……翔太郎くん。あたし、あたしは……」
「乗り越えろ、亜樹子」
「……」
「おまえが何に戸惑って傷ついてるのか、情けないけど今の俺には想像しかできない。……俺のせいだってことは分かるけどな。
だったら乗り越えてくれないか?俺の傍にいることを考えてくれないか?」

 傍にいたい、傍にいたい、本当はずっと傍にいたいよ。

溢れ出してしまう。
翔太郎が好きで好きでたまらなくて、他の女が彼の腕に抱かれることを想像するだけで胸が焼けそうで、叫びたくなる。
「あ、たし……怖いの」
「……怖い?」
「……いつか、翔太郎くんを傷つけてしまうのが、怖い」
この思いが、自分の存在が、翔太郎を傷つけて、自分たちが傷つけあってしまうかもしれない「いつか」が怖くてたまらない。
「……おまえが怖がってたのはそれか」
「……うん」
「分かった。うん、分かった」
翔太郎が亜樹子の瞼にキスを落とす。
涙が、やっと零れた。
「……あのさ、亜樹子。傷つけて何が悪い?」
「え……?」
「傷ついたら、治せばいい。塞がらない傷口なんかない。痛みは残っても、ちゃんと癒される」
翔太郎の手が亜樹子の頬を撫でる。
その指先が零れた涙を掬い取って、温かなものへと変える。
「俺はおまえに出会って、良かったと思ってる。おまえになら傷つけられたって構わない。
……こういうの、惚れた弱みって言うんだろうな」
「翔太郎くん……」
「俺が一番怖いのは、おまえを失うことだ。大事なものは、もう何も失いたくない。血反吐を吐いても守ってみせる。そう決めたんだ」
「……」
「傍に、いてくれ、亜樹子。……俺はおまえが好きだ。だから離したくないし離さない。
他の男におまえを渡すくらいなら、この場で俺に死ねって言え」
激しい独占欲が翔太郎からあふれ出している。
ああ、そうだ、あの夜も。
この激しさが心地良くて、幸せで、嬉しかった。
「あ、たしだって……やだ…。ほ、他の人とこんなことする翔太郎くんやだ……っそれくらいなら……ッ」
心ごと、自分を殺してしまったほうがいいに決まってる。
 本音があふれ出してしまう。
もう言わないと決めたのに、だめだと戒めたのに、それでも亜樹子の心から溢れ出してしまうのは翔太郎への恋情だ。

71:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:24:28 kYGkUe14
「すき……すきなの……っ、しょ、翔太郎くんがだいすきなんだからぁ……っ」
「俺もだ。……愛してる」
最上級の甘い言葉が亜樹子の耳に注がれる。
愛なんてまだ分からない。
だけど、翔太郎となら、そこまで辿り着ける気がした。
「……ごめんなさ……っごめんなさい、翔太郎くん……っ」
「俺も……ごめん。おまえを苦しめてごめん」
ぎゅう、と強く翔太郎が亜樹子を抱き寄せる。
罪を犯す苦しみを、翔太郎は知っている。
誰よりも大事な人を失う罰を受けて知った痛みだ。
「……やっぱり、いっしょにいたいよぅ」
泣くような小さな亜樹子の声が翔太郎には、ただ愛おしい。
 離れたくない、傍にいたい。
ただそれだけを強く願うことを、亜樹子は恐れていた。
この願いはいつか彼を傷つけて壊すと思っていた。
だけど、彼は壊しても傷つけても構わないと胸を張る。
手放す痛み、失う苦しみを知っているからこそ、大事なものは間違えたくないと。
「ああ、ずっと一緒だ。……うん、一緒にいような」
「うん……」
大きな腕の中で甘えるように寄り添って、亜樹子は失いたくない人に甘えた。
「あの、ね、翔太郎くん」
「何だ?」
「……さっきの、その、ちょっと怖かった、からね」
「……悪かった」
「ち、違うの。だ、だから、ね。もっかい、その……や、優しくして、ほしいなぁ、なんて……」
「亜樹子……?」
「わー!もー!はずかしー!」
「ええっと、それはあれか?もう一回ヤリたいってことでいいのか?」
「かかかかか確認しないでよー!ばかぁぁぁぁ!!!」



 目を覚ますと、間近にある翔太郎の寝顔に驚いて、だけど嬉しくて小さく亜樹子は微笑んだ。
あの後、これでもかと優しくアレコレされて、自分でもびっくりするくらいすんなりと、気持ちよさも痛みも受け入れられて蕩けさせられて喘いだ。
恥ずかしさも、全部彼のせいで彼のためで、幸せだった。
(……あ、無精ひげ)
そっと指先で翔太郎の綺麗なラインの顎に触れる。
こんな彼を見られるのも、この腕の中にいる権利がある自分だけなのだ。
「あれ?」
ふと、指の重さに気づいて亜樹子は自分の左手を見て思わず声を挙げた。
「ひぇぇぇぇぇ!!」
「……うるっせー。何だよ……」
翔太郎が眉根を寄せて、うっすらと目を開ける。
起き抜けの気だるさを含んだ視線が色っぽい……じゃなくて!
と亜樹子は見とれそうになった自分の心を慌てて、指の重みで思い出す。
「しょ、翔太郎くん、これ……っ」
持ち上げて見せた亜樹子の左手の薬指に、いつも翔太郎がつけているウインドスケールのピンキーリングがおさまっていた。
少しゴツいデザインで亜樹子の華奢な指にはアンバランスに見えるが似合ってる。
今更ながら、自分がつけたら小指でおさまるのに、亜樹子だとそこでも少しブカブカなことに翔太郎は苦笑した。
こんな小さなこと一つ一つが馬鹿みたいに愛おしい。

72:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:25:36 kYGkUe14
「笑ってないで、答えなさいよー!」
「本気にしろよ?」
「へ?」
「それ予約」
「よ、予約?」
「そこの指、俺が予約済みってこと。あ、それは次のをやるまでの繋ぎな。ごついから邪魔だろうけど、外すなよ」
「……うそぉ」
「嘘ついてどーすんだ。いらないのか?」
「い、いるっ!いるけどっ!で、でもでもっ!びっくりしすぎて……」
「おまえ、ホントいちいち大げさ」
「大げさになるわよー!だ、だって……この指、とかえっと……意味、その……」
「うん、俺の嫁さんになってほしい」
「さらっと言うなぁぁぁぁぁ!!!」

スパパパパーン!

どこからか出したスリッパが、翔太郎の前頭部を直撃する。
「おっまえ、ふつーこの場面で殴るか!?」
「だってもっとこう、やっぱりちゃんと言ってほしいのー!」
「言っただろー!」
「違う!なんか違う!女心はもっと回りくどいもんなの!」
「うわ、めんどくせ」
「翔太郎くんは順番抜かしすぎなの!」
「何がだよ。好きって言ったし、実際、おまえのことめちゃくちゃ好きだし大事だし、離す気もねぇし、おまえも俺を好きでこうやってセックスもする関係で、で、次に嫁さんにしたいってことの順番のどこに問題が?」
「……ないけど、なんか違うのー!」
ああ、もう嬉しいような悔しいような、昨日まであんなに苦しんで悩んで切なかったことが、全部全部消えて、いっそどうしていいのか分からないような。
なのに、早くも次の未来をきっちり見てる翔太郎はやっぱり大人で、強くて、悔しいけど大好きだ。
 亜樹子は薬指の重みに心臓を弾ませ、むき出しにした心を繋いだ相手を改めて見つめる。
未来。
翔太郎といる、未来。
約束を、彼は求めているのだ。
「しょ、翔太郎くん」
「何だよ」
「えっと……い、今すぐじゃないよね?」
「あーまぁな。まだやらなきゃならねぇことあるしな」
「それが終わったら?」
「だな」
「……じゃあ、その、約束して」
そうだ。
それなら、自分に出来ることが確実に一つある。
「約束?」
「うん、あのね、翔太郎くん」
「ん?」
「戦っててね、もしももうだめかもって思った時には、あたしとの約束を思い出して。
必ずフィリップくんと一緒にあたしのところに帰ってくるって踏ん張るって、約束して」
「……亜樹子」
「あたしは、一緒に戦ったり出来ないけど、だけど二人が絶対に帰ってくる場所であり続けるから。
だから、ちゃんと戻ってきてあたしの傍にいるって約束して」
「……ん、約束する」
どんなにきつい状況になっても、絶体絶命になっても、帰る場所で待つと言ってくれる亜樹子のために。
相棒と二人で、必ず帰る、必ず。

73:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:26:28 kYGkUe14
「俺は、俺たちは、ちゃんとおまえの傍に帰る。ずっと、一緒だ」
「うん……」
「フィリップにも、言われてるだろ?おまえを傷つけるやつは、俺もフィリップも絶対に許さない」
「あたしもだよ」
「俺はさ、おまえのことが大好きだけど、そこにはフィリップも一緒にいてほしいって思う気持ちもあるんだ。贅沢か?」
「贅沢だよ。だってあたしも一緒だもん。あたしも、フィリップくんのこと大好きだからずっと一緒にいたいよ。
ううん、三人でずっと一緒にいられたらいいなって思ってる。すごく贅沢で幸せな気持ちだね」
「一緒の気持ちだな」
「そうだよ」
「じゃ、それを踏まえて俺と結婚してくれ!」
「あああ、だから、もうちょっと溜めてよぅー!」


雨が上がる。
霧が晴れる。
朝が来る。
そして、風が吹く。

ここには、未来が、ある。


「あ、そうだ」
一通り、いつもの夫婦漫才を終えた後、不意に翔太郎が思い出す。
「おまえ、ここに来た用事って、結局何だったんだよ?」
「あ、うん」
亜樹子も思い出して、きょろきょろを山荘の中を見回し、ため息をついた。
「ちゃんと探さないとな、と思って来たの」
「だから、何を?」
「お父さんの、写真」
「……写真?」
「お父さんのっていうのとは、ちょっと違うかも。あたしと、お父さんが写ってる筈の写真」
幼い頃の自分と父を写し取った、たった一枚の写真があったことを覚えていた。
もし父が持っているのなら、と思い、事務所を探してみたがなくて、あるとしたらここかもしれないと思って来たのだ。
「見つけたかったの」
いつか、翔太郎の元を離れる時までに、せめてそれだけはこの街にいた証として。
「……おやっさんが写真をしまっておくとしたら、か」
少し考えて、翔太郎は荘吉の性格ならば簡単に見つかるところには隠したりしないだろうと思い、ふと思いついたことを口にしてみる。
「亜樹子」
「何?」
「もし、おやっさんがその写真をしまっておくとしたら、確かに事務所じゃないと思う。この山荘にあるのなら、たぶん……」
 いつかここに連れてこられた時の事を思い出す。
あの時、荘吉は依頼人を匿い、いつもバーカウンターに座っていた。
お気に入りの場所だったのだ。
だとしたら……。
服を着て、亜樹子をカウンターの内側へ促す。
「……これか」
カウンターの下に整然と並べた酒瓶の間に一枚の写真があった。
「ま、待って!」
それを抜き取ろうとした翔太郎を、一瞬亜樹子は止め、それから息を整える。
「……うん、いいよ」
翔太郎は小さく頷いて、写真を手に取り見ることなく亜樹子に渡す。
先に見る権利があるのは亜樹子だから。
「……うん、これ、だよ」
そっとそっと亜樹子が微笑む。
「……やっと見つけたぁ」
亜樹子は愛おしむように写真を自分の胸に当てて抱き締める。
遠い遠い微かな記憶の欠片を見つけた安堵感は、今、左手の薬指にある幸せに似ている。

74:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:27:03 kYGkUe14
「翔太郎くんも、見てくれる?」
「いいのか?」
「うん」
翔太郎の手のひらに渡した写真。
そこには翔太郎が知る荘吉より少し若いけれど知った笑みと、腕に抱かれた無邪気な幼い亜樹子がいた。
幸せな一瞬を永遠に切り取った温もりに触れて、自然に翔太郎にも笑みが零れる。
「……いい写真だな」
「うん」
「おやっさんの笑顔なんて、なかなか見る機会なかったからな」
「翔太郎くんは怒られてばっかだったからでしょー」
「う……っ」
図星をつかれて眉を寄せる翔太郎に、亜樹子は笑った。心から、笑った。
「ね、翔太郎くん」
「ん?」
「いつか、教えて。お父さんがいなくなった日の事」
「……ああ」
「あたし、待ってるから」
「ん……」
「大丈夫。あたし……何があっても、翔太郎くんが大好きだよ」
亜樹子の声に、一瞬だけ驚いて、それから翔太郎も微笑んで亜樹子の目を正面から覗き込む。
「俺もだ」
「うん」
「あのさ、とりあえず今から三回目のプロポーズしたいんだけど」
「だから、ちゃんと溜めてってばぁ」
「ばか、これ以上のタイミングがあるもんか。おやっさんが見てるんだから」
「え?」
二人の手の間にある写真の荘吉が笑っている。

おやっさん。
大事な大事な一人娘、俺がもらいます。
殴るなら、夢の中で待ってますから。

「一生、傍にいてくれ」
「……イヤだって言ってもいてやる。翔太郎くんくらい、スリッパでツッコミ甲斐ある人いないもん」
「上等」
「うん!」

ああ、ほら。
ちゃんと笑い合って、抱き合って、温もりを感じて、未来を見て。
勇気を出してみれば、こんなに簡単なことだった。
大丈夫、本当に大丈夫だと信じられるのは、心を繋いだ証。
「亜樹子」
「何?」
「ありがとう」
「……馬鹿」
笑ってキスをして、指を絡めて、温もりに安堵して。
それから、そろそろ、さよならを言おうか。

長いお別れを決めたあの日に。

そっとそっと、幸せな気持ちをこめて、今、さよならを言おう。




75:翔亜樹※さよならを言う日※
10/06/05 20:34:03 kYGkUe14
やっぱり長かったwww
調子に乗ってメロドラマにしたせいです。
前スレの書いた後、やっぱり二人を幸せにしてやりたいなぁ、と思って書きました。
なんか前スレの書いた後、モヤモヤしてた気持ちがスッキリしたwww
読んでくださった方、ありがとうでしたー。
明日の放送はフィリ若が楽しみすぎる!
でも、若菜姫の死亡フラグになりませんように…。

76:名無しさん@ピンキー
10/06/05 21:07:54 OccynrU9
>>75 GJ!
じゃ正直足りない…。
何だろう、本気で涙腺が大崩壊中なんだが。
苦しいような、でも嬉しいような…。
うまく言えないから、ちょっと頭まとめてくる。
でも、先にこれは書いておく。
最高だ!ありがとう!

77:名無しさん@ピンキー
10/06/05 23:01:01 d9zVaq3k
>>75良かったです!
しかし亜樹子は受けが似合う

78:名無しさん@ピンキー
10/06/05 23:31:02 KBiOr7mb
本スレの流れが不穏な感じでドキドキ

79:名無しさん@ピンキー
10/06/05 23:54:30 MN1ax1C+
GJ!
自分も涙腺崩壊中。二人を幸せにしたくてたまらなくなった。
本スレでここの話題出てたけどあれは揉めたうちに入るのか?

80:名無しさん@ピンキー
10/06/06 00:07:37 Jsn03HtI
もう、涙が止まらない。
GJ!!GJ!!
夜中に泣いている自分。
最初、題名見て辛い結末かと
思いきや…。
胸締め付けられて、ティッシュで
涙と鼻水拭いたわ!
互いの息遣いが聴こえてきそうだ。
やっぱり、幸せになって欲しい、
二人には。
ありがとう。本当にありがとう。

81:名無しさん@ピンキー
10/06/06 00:20:44 50AdnSux
言い忘れた。「これでもかと優しくアレコレ」の内容を激しく希望します。
本当に二人は激しいのもイチャイチャラブラブも似合うなあ。

82:名無しさん@ピンキー
10/06/06 00:54:28 d3LJysId
ごめん、自分も涙が止まらない。
前スレのと合わせて読み返して涙腺決壊。
あなた、本気で神か?
こんな暖かなさよなら、の描写でくるとは・・・。
内容も描写もエロも、自分の理想通りすぐる。
幸せって、乗り越えたところにあるって思ったよ。
ああ、もう語りたい、>>75さんと語り合えたら、なんかこう色々分かる気がする!
ここが2ちゃんじゃなければ・・・!と今ほど思ったことはない!

83:名無しさん@ピンキー
10/06/06 01:40:42 c2RcBY/0
ここは、涙もろい人の多いインターネットですねwww
って自分もだがな。
>>75さん、本当にGJとしか言えない。
あなたの、翔亜樹への思い入れの深さを、作品にすごく感じたよ。
スッキリしたとか言わないでまた投下してほしい。
待ってる。

84:名無しさん@ピンキー
10/06/06 12:47:35 +Rdcdu8n
>>75
GJ!
こういうメロドラマ大好きだ
二人の夫婦漫才とか、亜樹子の翔太郎くんほどツッコミがいのある人いないとか笑ったw
公式は公式、二次は二次ってこういうことなんだなーと萌えながら読んだよ、ありがとう!

しかし、今日は若菜姫の死亡フラグが濃くなった気がしてこええ
闇姫、って感じだった
若菜を守ろうとするフィリップを精神的に支えるのが、翔太郎と亜樹子の役目だと、あの写真を見つつ思った
若菜が助かるといいな・・・これ以上園咲姉妹の闇落ちはかわいそうすぐる

85:名無しさん@ピンキー
10/06/06 13:01:11 U6sCE66H
フィリ若な自分にはけだるい昼下がりだぜ…
フィリップを守るために闇落ちしたふりをしてる若菜でも、一緒に逃げてくれなかったフィリップを憎んでるヤンデレ若菜でも美味しくいただけるが、
やっぱり幸せにしてやりたいー!
なんだあの切ない電話は!
フィリップが「姉さん」て言ったのが泣ける…

86:名無しさん@ピンキー
10/06/06 15:18:59 W406Ooxc
フィリップと若菜が、姉弟フラグ立ちまくりなのは覚悟してたんだが、若菜の闇落ちが併せてきつかったんだぜ・・・
何を知ったんだ、若菜・・・
来週が放送休みなのがもどかしいが、次はギャグ回ぽいしなぁ
しかし、ここから先シリアス怒涛展開になるのなら、ギャグ回も一回はないときついか。
今日は所長の「一緒にいよう」に何故かひどく切なくなったよ・・・
ああ、もうエロパロ板向きの話じゃないかな

冴子様のバスローブ姿はエロいので、もっと見たいですwww

87:名無しさん@ピンキー
10/06/06 18:38:12 9livm6QU
今日の放送を見てのフィリップと黒若菜の小ネタ…というか妄想
エロなしどころかこれはカップルなのかもちょっとアヤシイので注意です

タイトルは「それでも守りたい人」です

88:それでも守りたい人
10/06/06 18:39:34 9livm6QU
自分の家族についての事実や若菜に襲われた事にすっかり沈み込み
ガレージの隅で転がっているフィリップの携帯が鳴った
翔太郎も亜樹子も事務所にいるし、他に今すぐ出るべき人物はもういない
出る気になれず放っていたが、いつまでも鳴り続ける呼び出し音に折れ
誰からの着信かも確認せずに携帯を手に取った
「もしもし?」
『こんにちは、フィリップくん』
聞き間違える筈の無い大好きな声
彼女は……
「若菜…姉さん」
『ふふふっ……驚いた?』
携帯の向こうで楽しそうな声があがる
少し前ならば彼女の声が楽しそうならば自分も楽しかったに、今は……
「なんで……?」
『この前私が言ったこと、覚えている?』
「僕を殺す……と、自分の使命を思い出せ……ですか?」
『そう、覚えていてくれて嬉しいわ』
「なぜ急に貴女は…若菜姉さんは変わってしまったんですか?僕は貴女と一緒にこの街を出るつもりで……」
『それが私の使命だから』
「……」
『忘れないで。この前言ったことが、この組織のTOPである園咲若菜の言葉よ』
「ミュージアムのTOP……」
『それじゃあまたかけるわね、フィリップくん』
「あっ、待って……」
フィリップが止めようとした時には既に電話は切れていた


「姉さんは言った。『組織のTOPである園咲若菜の言葉』と……」
それは逆に言うと『本当の園咲若菜の言葉』では無いと言う事なのかもしれない
そういえば、通話中一度も僕の事を『来人』と…
ミュージアムが命を狙っている人間の名前で呼ばなかった……
もしかしたら若菜姉さんは、相手が誰か組織にバレないように話していた?
何のために?声を……聞きたかったから?
もう一度話をして確かめたいと思った
しかし、若菜のナンバーを選んで通話ボタンを押す直前で手が止まる
もし彼女が園咲来人の居場所をわかっていながら組織に隠しているとしたら
そしてその事が他の組織の幹部にバレたとしたら彼女の身が危ない
「あんな目に合いながらまだ若菜姉さんの心配なんて……翔太郎のハーフボイルドが移ったのかな?」
自嘲しながら呟くと、事務所へと向かう
今、無性に2人に会いたかった


ドアを開けると翔太郎と亜樹子が一斉にフィリップの方を見た
心配そうな2人の顔に、帰る場所があって良かったと思った
願わくば、若菜姉さんにも帰る場所が…
フィリップがなりたくてなれなかったものがありますようにと願う
「聞いてくれ翔太郎、亜樹ちゃん。どうやら僕もハーフボイルドの仲間入りみたいだ」
きょとんとした表情の2人に、フィリップは自然と笑顔を浮かべた

89:名無しさん@ピンキー
10/06/06 19:32:57 3tBefGRW
>>88
GJ!!
若菜が心配すぎてハーフボイルドになっちゃうフィリップいいよ!!

なんというか、フィリ若姉弟フラグはずいぶん前からわかってはいたけども
それでも今日の展開はつらすぎる・・・
若菜姫、とりあえず死なないでほしいがどうだろう・・・・  

90:名無しさん@ピンキー
10/06/07 03:16:52 t/iRjtiN
やっぱイナゴさん退場かぁ…
自分が変身するモチーフを人に「食べる?」と聞いて食べさせるなんてなんて性的な、とか気付いた矢先に

91:名無しさん@ピンキー
10/06/07 22:25:17 K0S6GW8e
>>88
GJ
崩壊していく園咲家と結束していく事務所の対比がますます顕著になる中
どうかフィリップと若菜がいい方に向かうように祈らずにはいられない

本編での事務所3人の
自分達は家族なんだ、一緒にいたいんだ、離れるなんて考えられないんだ
でも誰かが何かのために離れることを決意したら、残るメンバーはちゃんと見送る
って姿勢?が理想過ぎて禿げた
今週の放送見た後に>>75を読み返したらさらに泣けてきて参った…

92:名無しさん@ピンキー
10/06/07 22:31:05 VuodJcNb
フィリ若いいなぁ
姉弟だと知らないまま一緒に駆け落ちしてほしかった
違う意味でドロドロ展開になるけど

93:名無しさん@ピンキー
10/06/08 00:04:05 z4iDNYxi
「愛した人は敵のトップだった」「血族で骨肉の争い」…
キバの二の舞はよしてくれよ…ほんと、ハッピーエンドでお願いします…orz

94:名無しさん@ピンキー
10/06/08 00:50:21 ai6sMhkj
>>93
>キバの二の舞

若菜姫が太牙兄さんポジになったんだから生存フラグ成立!

と思えばむしろ良いことだ
というかそうでも思わないとやっていけない……

95:名無しさん@ピンキー
10/06/08 13:45:21 OH6LHj9E
バスローブ姿の冴子さんに滾った前回。
投げやりになって、なおかつ色々な意味で溜まってて
財団の使者の白い人に抱かれて乱れてしまうというのを想像した。


96:名無しさん@ピンキー
10/06/09 01:25:32 7pGaCu1f
真夜中にいきなり渡静香投下。
エロはなし。

97:君といる月の綺麗な夜※渡×静香※
10/06/09 01:28:29 7pGaCu1f
 時々、自分の中の「血」が怖くなる。
夜にふと目覚めた時、月を見た時、この手で引き裂いたファンガイアたちを思ってしまった時。
「人間」と「ファンガイア」の間で生きる自分を、怖いと思ってしまう。
そんな時、渡は大切な少女の言葉を思い出す。
目を閉じて、心の中に響く優しい音色に耳を澄ます。

「渡は、渡だよ」

それは、どんな調べより甘く、優しい。



「……渡?」
 静香が目を覚ました時、隣にいるはずの渡がいなかった。
枕元の時計を見ると午前2時を指している。
「うー……」
抱かれた後は、いつも気だるい心地良さと渡の腕の中で幸せに眠れるのだが、今夜は何故か目が覚めた。
(渡がいないせいかな……)
今まで気にしたことはなかったけど、ひょっとしたら、こんな風に渡が傍にいない夜もあったのかもしれない。
それは少し寂しい、なんて思ってしまう。
体を起こすと、部屋の中を見回してみるがやはり渡の姿はない。
「……どこにいるんだろ」
ベッドから出ると、シャツを羽織り静香はそっと部屋を出た。
今夜は満月で、家の中に差し込んでくる光で足元は危なくない。何より、勝手知ったる渡の家だ。
(バイオリオンのところかも)
渡が何よりも大切に大切にしている、父親の最高傑作にして形見のブラッディローズのそばかも、と思い静香はそちらへ足を向けた。
(いた……)
 やっぱり、ここだった。
椅子に座って見上げるようにブラッディローズをじっと、ただじっと見つめ、何かを問いかけるような渡の横顔が月の光に照らされている。
(……ちょっと、寂しそう、かな)
静香の知る渡は、いつも優しくて人に対して不器用で少し臆病で、だけど愛されたがっていて。
満たされることを求めてた。
今は、自分がちゃんと満たしてあげられているのだろうか?
(そうだといいのに)
ずっと、近くにはいたけれど本当の渡の気持ちや寂しさを理解したのは、きっとつい最近。
渡が色々な人たちと出会い、恋をして、別れてその秘密に苦しんで受け入れた後で、きっと自分は全てを知った。
(置いていかれたって思った)

98:君といる月の綺麗な夜※渡×静香※
10/06/09 01:29:02 7pGaCu1f
渡が新しい世界に出会って、友達が出来て、好きな人もできて嬉しかったのも寂しかったのも本当。
ずっとずっと渡の世界の一番近くにいたと思っていたのに、本当は一番遠かったのだと知って、苦しかった、だけど渡には言えなかった。
渡の中にある自分を壊すことが怖かったから。
その怖さの正体を考えたとき、ああ、そうか、自分はとてもとても渡が大好きで大事で仕方ないんだと、今更のように自覚した。
だから、置いていかれて寂しくて。
でも彼が幸せそうに笑っているのはとても嬉しくて。

だから、知りたい。
今、彼は幸せなのだろうか?

「静香ちゃん?」
 ふと、渡が人の気配に気づく。
この家のいるのは二人だけだ。
何より、静香の気配を間違えたりはしない。
「こら、何をこそこそしてるの?出ておいでよ」
「……別にこそこそしてたわけじゃないもん」
ドアを開けて、少し拗ねた表情の静香が顔を見せる。
「起きたら渡がいないから、どこに行ったのかなって思って探しに来ただけ」
「ごめん、ちょっと寝付けなくて」
「……」
「違うよ、静香ちゃんのせいじゃないから。……月があんまり綺麗なせいだよ、きっと」
「……月なんか見てないくせに」
「見なくても、今夜の月は綺麗だって分かるよ」
クス、と笑って渡が隣の椅子を引いて静香に勧める。
別に拒む理由もないし、と静香がそこに腰掛けると、渡がポツリと呟いた。
「……ねえ、静香ちゃん」
「何?」
「僕はさ、自分が何者なのか、ってあまり考えないようにしてたんだ」
 キバであること。
キバを継ぐものであること。
それがどんな意味を持つのか、ファンガイアとは何なのか、考えて戦ってきたわけではなかった。
ただ「血」がそうさせた。
「……僕は人間じゃない」
「……うん」
「そこで、否定しないのが静香ちゃんだね」
「だって、人間でもファンガイアでも、渡は渡だもの」
「うん、静香ちゃんは絶対そう言ってくれるんだよね。だから、僕は君に甘えてるんだ」
優しい笑みで渡が静香を見る。
「だから、僕はいつもそう言ってもらいたいんだろうなって思う。静香ちゃんに僕は僕、紅渡だって言ってもらって安心したいんだ」
「それくらいで安心できるのなら、幾らでも言うよ」
「うん、そうだね」
 こんな風に心を許してくれる彼は、幸せなのだろうか。
これはただの気休めではないのだろうか。

99:君といる月の綺麗な夜※渡×静香※
10/06/09 01:30:42 7pGaCu1f
「……ね、渡」
「ん?」
「あたしね、渡が思ってるほど優しい女の子じゃないと思うよ」
嫉妬したり、意地悪したり、勝手に寂しがったり怒ったり。
お母さんみたいな気持ちになったり、妹みたいな気持ちになったり、でも本当はずっとずっと……。
「あたしね、きっと、ずーっと渡のこと好きだったんだ」
「静香ちゃん…」
「渡が他の人の事を好きな時も、ずーっと好きで嫉妬したりしてすごーく嫌な子だった」
もし、今、彼女が渡の隣にいたりしたらきっとすごく醜い気持ちになるだろう。
それはまるで彼女がもうこの世にいないことを喜んでいるかのようで、そんな自分が情けないし醜い。
だから、こんな自分では彼の幸せにはなれないかもしれない。
「だからね、もし渡をね、ちゃんと幸せにしてくれる人が他に現れたら、あたし、勝てないかもななんて思うの」
「……」
「……ごめんね、変な事言って。こういうとこも、あたしのだめなとこなんだ、きっと」
「ん……」
渡が静香の頭に手のひらを乗せる。
「……静香ちゃんのそういうとこ、好きだよ」
「渡……」
「だめなとこも、怒りっぽいとこも、だけど僕の事本気で大事にしてくれて愛してくれてる君が、僕は大好きだよ」
「……」
「愛されてるの、分かってる。僕も静香ちゃんにだから甘えられるし我侭も言える。他の誰にも言えないよ?甘えさせてほしい、なんて」
「……そっか」
「さっきまで、ここで一人でバイオリンを見てて、考えてた。僕は君をどうやって幸せにしたらいいのかなぁって」
父と母が、短くとも濃厚で幸せな時間を過ごしたように、自分はどうやって愛してくれる彼女を幸せにしたらいいのかと。
「……あたしも、聞きたい」
静香が渡の顔をまっすぐに見上げる。
「渡、あたしにも教えて。あたし、どうしたら渡を幸せにしてあげられる?」
「静香ちゃん」
「あたしが幸せにしたいなって思ってるのは渡だけだから。……ねえ、どうしたらいい?」
じっと見上げてくる揺れる視線が愛おしい。
渡は静香の頬を撫でて、優しくキスを重ねた。
「……渡」
「僕は君じゃなきゃ、やだ。絶対やだよ」
「……もう、どうしてそんなにあたしを安心させるのがうまいのかなぁ、渡ってば」
少し泣きたいような気持ちになったけど、笑って渡の首筋に手を回して抱きつく。
「今、渡は幸せ?」
「うん」
「怖いことはない?」
「あるよ。だけど、静香ちゃんがいてくれれば大丈夫だよ、きっと」
「うん」
「……絶対、離さないから覚悟しててよね」
「うん、覚悟する」

100:君といる月の綺麗な夜※渡×静香※
10/06/09 01:31:26 7pGaCu1f

覚悟をしよう。
彼を、彼の人生を幸せにする力を持つ覚悟を。

抱き合ってキスをして、額を合わせて笑みを交わす。
静寂な夜の世界で、そこだけが陽だまりのように温かくて渡は自分に染み付いた血の匂いを忘れられる。
 この腕に抱くのは、ただの人間の少女。
だが、どうしようもなく愛おしい。
(母さんも、こうだったのかな)
ただの人間でしかなかった父に惹かれ、全てを捨てて尚惜しくないほどの恋をして。
だとしたら、人間もファンガイアも関係ない。
己の心があるものは、ただ己の心に従えばいい。

「渡は、渡だよ」

その声が、想いが、渡の心を生かし無敵にする。
そうだ、これが心だ。
大丈夫、幸せだ。
ちゃんと自分たちは幸せだ。
不安になったり寂しくなる日もあるけど、生きているからこそだと、今は思える。
「ね、静香ちゃん、ちょっと冷えてる」
「シャツ一枚だから」
「ベッド戻ろうか?」
「あっためてくれる?」
「……したいの?」
「ばか!そういう意味じゃないの!」
「僕はしたいな」
と、にっこりと強請るように笑うと、静香が困ったように目を泳がせ、それからため息を一つ。
「……明日、寝坊確定」
「お休みの日で良かったね」
「もう、渡のエッチ!」
「僕も男だもん」
「もー……一回だけだからねっ」
「はーい」

 月が、綺麗だ。
ここが人間とファンガイアの狭間の世界なら、ここで生きることを怖く思いながらも、きっと逃げないでいられる。
静香が傍にいてくれるのなら、この世界を美しい音楽で満たしていく未来を見つめていける。
 ああ、そうだ。
月が綺麗だから、今夜はもっとちゃんと伝えよう。
君と入る月の綺麗な夜は、きっと今夜だけじゃないけど。

「ずっとずっと傍にいて」

と。




101:名無しさん@ピンキー
10/06/09 01:32:30 h1jyTuCc
>>100
この二人はなんだか和むなー!
GJ!

102:君といる月の綺麗な夜※渡×静香※
10/06/09 01:36:52 7pGaCu1f
静香の中の人が出演中の深夜ドラマにハマってて、すごく可愛くて、これが今の静香なら渡と並んだら
すごい可愛いと妄想してしまったので書いてみた。
渡は基本的に幸薄いので、どうにか幸せにしてやりたい主人公だったなぁと当時思ってました。
そしたらなんかメロドラマ系になったw



103:君といる月の綺麗な夜※渡×静香※
10/06/09 01:38:38 7pGaCu1f
って、うああ、誤字発見!
ラストの>>100
君と入る月の綺麗な夜は、きっと今夜だけじゃないけど。

君といる月の綺麗な夜は、きっと今夜だけじゃないけど。
だ!
最後の最後で何やってんだ自分…
ちょっとアクセルさんに蹴られてきます。

104:名無しさん@ピンキー
10/06/09 02:48:42 +oPMOHZ2
>>103
寝る前にいいものを読ませてもらったよ!ありがとう。
できれば寝坊の原因をくわしくお願いしたいw

以下、保管庫トップより代筆します。

またまた規制中(PC・携帯ともに)のため、こちらから失礼致します。
 本スレ>>129氏のご指摘の件ですが、どうにもお借りしているサーバーの仕様のようです。
 対応策がないかヘルプなどを参照にいじっていますが、いまのところ良い対応策がなく手をこまねいている状況です。
 ここまで携帯で見難いのは、予想外の出来事の為、パスワード制自体をどうするか判断しなければならないのだろうかとも思っています。
 私個人の判断でパスワード制を導入した早々から、本当に申し訳なく思っております。
 ジャンルを考えると、あまりおおっぴろげに公開しない方がいいのでは、という考えから今回の判断に至っております。
 何か、良い案はないでしょうか?
 ご指導・ご意見・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 方向性が決まるまでは、パスワード制をそのまま続行したいと思います。ご理解・ご協力、よろしくお願いいたします。




105:名無しさん@ピンキー
10/06/09 02:54:26 +oPMOHZ2
コピペする場所をまちがえた・・・なにやってんだ自分

 携帯・PCともに規制をくらっているため、こちらから失礼致します。
 現在、ブログと同じサーバーで、このブログの内容を移植して認証方式を採用した保管庫を作成中です。
 ブログでパスワードロックは限界があると感じたためです。更新が楽な方をとりたかったのですが、堂々と人目につく状態で(簡単に)アクセスできるというのは、ジャンルを考えるとやはり避けたいと思うからです
 このブログを見ている人が「18歳以上の方」だということを前提としておりますので、私の思っていることが分かっていただけると信じております。
 HPが完成次第、ご連絡をしますので、今しばらく不便だとは思いますが、現行状態のまま保管庫をご覧くださいますようお願い申し上げます。


管理人様、いつもご苦労様です。
無理はしないでくださいね。気長におまちしてます。

106:名無しさん@ピンキー
10/06/09 11:59:24 LvMT3LV0
ネタバレ嫌いな方はスルーして下さいね!!

ダブルの夏映画制作発表
URLリンク(www.youtube.com)
照亜樹萌えの方たちにご朗報です。

107:名無しさん@ピンキー
10/06/09 12:47:30 0gxz6I0z
>>106
ようつべに限らず、外部サイトは直リンご法度だと知らないのか。
今すぐ削除依頼出してこい。

108:名無しさん@ピンキー
10/06/09 14:48:16 b7AbTuOO
>>106
正直、ムッときました。
照亜樹派は公式認定となり、翔亜樹を含む他のCP
妄想は止めておけとでも言いたいんでしょうか?
皆知ってることなのに、敢えて雰囲気を
悪くする話題をもってくるのはどうかと思う。
すぐに反応するのは大人気ないと思うけど。
スルーしようにも、書き方に挑戦的な感じが
見れたから。

109:名無しさん@ピンキー
10/06/09 15:11:40 LUWlk1Dk
前スレであれだけ揉めたネタを直リン+この文面で貼る時点で
106はどう見ても108みたいな反応目当ての愉快犯だと思うんだけど
あといちいち特定カプの名前挙げるのもやめてくれ
公式に反発してるのは翔亜樹派とでも印象付けられているようでいい気分じゃない

110:名無しさん@ピンキー
10/06/09 15:20:17 4x3Os3oa
>>103GJ!
この二人にも幸せになってほしかったのでここで見れて幸せです。
渡父母の蜜月が短かった分二人は長く長く幸せでいてほしい。

ここ見てると皆さんの愛が文面から伝わってきて、
自分も好きカプ幸せにしたくてたまらなくなる。



111:名無しさん@ピンキー
10/06/09 16:32:46 kL6tQweu
>>110は大人

112:名無しさん@ピンキー
10/06/09 20:21:24 UYs4kG0a
>>103
GJ!!正直、静香ちゃんってどうなの?(いらんこと言ってすみません==;)
って思ってたけど、これはよかった!!
すごい静香ちゃん可愛い!!いい話をどうもありがとう。

113:名無しさん@ピンキー
10/06/09 20:22:44 UJt7iGSv
>>106
恋をするってだけで別にくっつくとは言ってないしな。

114:名無しさん@ピンキー
10/06/09 21:40:56 7pGaCu1f
自分>>75です。
ここの空気悪くなるの、住人と職人の一人としてやだよ。
自分の萌えは他人の萎えで、他人の萎えは自分の萌え。
これがパロを楽しむ上で大事な事だと思うんだ。
今はまだ発表されたばかりで、どのカプが好きな人も色々言いたいことや溜め込んでることがある
時期だと思う。
でも、ここは単一作品のスレじゃない。
W以外の作品やカプも好きな人もたくさんいるんだから、空気を悪くしちゃいけない。
>>108も反応しちゃいけない。
言いたいことも、気持ちも痛いほど分かるから。
うーん、ここが2ちゃんじゃなければな。
自分のサイトに呼んでやりたいよ。

保管庫管理人様、いつも乙です。
気長に待ってますので、よろしくお願いします。

115:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:07:10 1Pq2G4M8
繰り返し揉めてんな……反応しすぎワロタwww
単一カプしか許せない奴にはここは向いてねぇんじゃねえの

116:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:10:40 VitHKDNu
>>115
まったくだ。この間からみてると注意するようにみせてチクっとやるレスにもげんなりする

117:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:11:27 67GRW1P7
いちいち揉めるならいっそカプ萌え禁止の方向で

118:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:15:10 VitHKDNu
そのほうがいいわ本当に。これから先本編やら映画やらのカプ萌え語りなんかしてたらどうなることか
本来ならカプ萌え話とエロパロは別物なんだし

119:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:22:32 1Pq2G4M8
>>116
同意www
チクチク陰湿確かにげんなりだわ
いつからこうなったんだか…

120:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:27:06 xda2EPPV
そうだよなー。
ここはエロパロ板だし。
みんな大人だろ?
いちいち反応するなよ。
現行作品だから仕方ない面はあるけど、これじゃ職人さんだって書けなくなるよ。
ここでもめるの、ホントげんなり。
>>114の言うとおり、ここは単一作品、単一カプのスレじゃないんだから。

さて、とにかく流れをマターリに戻そう。
最近、夏みかんの中の人の写真集を見たんだが、あの美脚だけで色々イケるwww

121:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:31:06 h1jyTuCc
なんでいちいち公式にこだわるんだよ
公式にこだわってたら士夏だって海夏だって公式じゃないし、巧真理も公式じゃないだろ
公式だからって渡恵に萌えちゃいけないわけじゃないだろうしユウスケ×八代が公式だからってユ夏に萌えちゃいけないわけじゃないだろ
別に何が公式だって自分が萌えられるなら構わないだろうが

122:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:33:44 kL6tQweu
まあまあ落ち着いて

なんかすごいことになってるなwww


123:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:35:45 0gxz6I0z
>>121
禿げ同意。
自分が萌えたらいいじゃないか。それ以外に何が必要なんだ?

>>120
あの脚は確かに素晴らしすぎるが、俺はあのくびれからオパーイにかけてのラインで更にイケる!

124:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:44:43 4x3Os3oa
まったく夏みかんと大ハナさんの美脚はけしからんと思う。
もちろん恵さんの健康的な太ももも、亜樹子のむちっとした足も
素晴らしい。何が言いたいかってみんな愛してる。


125:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:55:26 Z1keyPVw
>>124 よう俺www
キバの麻生母娘で、太もも難民になってしまった俺としては、ホッパーさんに締められた
刃さんとウォッチャマンが羨ましくてしょうがねぇぇぇw
だが、一番締められてみたいのは、やはりめぐみんだ!
占められる前に、あの健康的で尚且つ美しい太ももを撫で撫でしてぇぇぇ!

126:名無しさん@ピンキー
10/06/09 23:02:11 0tW2aKlD
真理は顔ぷにぷになのに足とかえらい細いんだよなー
劇場版だとよく分かる

あと若菜と並んだ時の冴子の小ささにときめく
お姉様可愛いよお姉様

127:名無しさん@ピンキー
10/06/09 23:36:34 1IiV8RCb
>>126
そう!冷たい感じの美人で高飛車な女王様キャラなのに
たっかいヒール履いても若菜姫と並ぶとちんまりしてるのが
もう最高に可愛い!

128:名無しさん@ピンキー
10/06/09 23:49:03 CEPpn6k7
亜樹子のしっかりした尻に抱きつきたい……

129:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:05:58 IvzBVm6Q
エロ度で言うなら、ストイックな感じの八代刑事とかかなりそそるんだが。
普段ピシッとしてる女ほど、エロく乱れた時とのギャップがたまらん。
響鬼の香須実とかもいいwww

130:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:09:28 ad2k/4I2
エロさで言えば、髪を下ろした黒若菜も宜しいんだが

冴子女王様と黒若菜が、並び立つ姿が見たいぞ!



131:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:17:31 Xz3QPvJd
106です。マナー違反と空気読まないレス申し訳ありませんでした。
荒らす気はありませんでした。不愉快にさせた方々本当にごめんなさい。
削除依頼出しました。


132:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:17:59 zmJAROJb
女王様と黒姫様、無双の図だなwww
想像してみたら、マスカレイドになりてぇ!
とか、一瞬かなり真剣に思ったじゃないかwww

133:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:38:20 IvzBVm6Q
女王様も黒姫様も、君臨してるのもたまらんが
堕ちた時が更にそそりそうじゃないか?
それなんてエロゲwwwなお約束も、あの姉妹なら
ありだろう。

134:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:38:38 +AYXvnLC
女王様&黒姫様VSスリッパ姫が見たい。
スリッパ姫互角にいけるんじゃないだろうか。

欲を言えば鉄拳制裁・笑いのツボ・スリッパトリオでスピンオフが見たい。
きっと天の道の男だって勝てない気がする。
あれ、鉄拳制裁と笑いのツボの間に誰かいたような・・まあいいか。

おや、こんな時間に来客なんて珍しい・・・

135:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:58:13 bNCnWPLF
>>134の元を訪れたのは、太ももムチ母娘か
ドラムが得意な、ヴァイオリニスト女子中学生か
先代現代揃っての、パールシェルファンガイアか。
誰でも羨ましいわwww
あ、でも自分は麻生母だけでいい。
他は>>134に譲ろう。

136:名無しさん@ピンキー
10/06/10 01:24:01 YdcTKAX1
美脚祭に乗り遅れたがクイーンとエリザベスもいいよな
女子高生二人に喰われる翔太郎が見たい

137:名無しさん@ピンキー
10/06/10 08:13:40 HGQiwIjL
おまいらおはよう。
通りすがりの太もも難民だが、美脚祭りに自分も乗り遅れたw
自分的には夏みかんが今のとこ最強太ももなのだが、実は平成ライダーはディケイドとクウガ
しかまだ見ていない。
そして明日から5日間の休暇なのだが、家でライダー鑑賞をしたいと思っている。
そこで、おまいらのおすすめの太ももを教えなさい。
今日、帰りに2828しながらレンタルに寄るから。

138:名無しさん@ピンキー
10/06/10 10:04:07 0p2MKiBU
>>137
めぐみんとハナさんは外せんな

139:名無しさん@ピンキー
10/06/10 14:03:40 uFJvM1zI
>>137
キバは入浴シーン満載だよ!
本放送時も、朝から刺激が強かったぜ・・・

140:名無しさん@ピンキー
10/06/10 14:12:07 /dX2Vfkk
>>139
女性キャラの入浴シーンなんてあったっけ

141:名無しさん@ピンキー
10/06/10 19:39:30 tudCzqI7
>>139
俺らそっちの趣味はないけど。

142:名無しさん@ピンキー
10/06/10 20:21:33 zmJAROJb
キバの入浴シーンが楽しいのは別板の住人だろw
まぁしかし、実際キバは太もも難民には実に楽しいと思うぞ。
自分も勧める。
めぐみんは最高です!

143:名無しさん@ピンキー
10/06/10 21:58:53 nCuFCjTa
真夜の太ももも忘れちゃいかん
ロングスカートかと思いきやショートパンツっていうギャップが良い

144:名無しさん@ピンキー
10/06/10 23:09:25 HGQiwIjL
おまいら、ただいま。
そして、太もも難民に優しさをありがとうw
>>137だけど、帰りにレンタルに寄ってキバを1~4巻まで借りてきた。
明日から、昼間からビール片手に太ももを楽しむことにするw
ちなみに、キバ映画でもいい太ももは楽しめるか?
楽しめるとしたら、何話くらいで見るのがいいタイミングか教えてくれ
エロいひとたち。


145:名無しさん@ピンキー
10/06/11 01:45:45 KrJovf7C
映画が照亜樹なので照亜樹萌えの自分としては楽しみだ
ところでここってファイズの小説版が出た時もこれぐらい荒れたの?
あれも完璧に草真理でヤってる描写もあったから今回の映画よりある意味すごいけど
啓太郎と結花はまさか子供までできるとは思わなかったし
こう考えると井上脚本だと公式でくっついてるのいるんだな、音也と真夜とか

146:名無しさん@ピンキー
10/06/11 01:47:36 KqwbYpM7
キバは観てないから判りませんが自分にとって最強の太ももは
Wのオープニングのあの女性

若菜とフィリップ的なものを書いてみたが、あの二人の関係性が
明らかになっちゃった以上はこれは特殊嗜好になっちゃうかな
せっかくだから書き逃げしますがダメな人はスルーかNGしてください
※絡みなし。当人同士はまだ自分達の関係に気付く前の話

147:ありえない若菜とフィリップ
10/06/11 01:49:30 KqwbYpM7
若菜とフィリップ的なものを書き逃げ。若菜壊れ気味。猫の動作はうろ覚え
**********************************

シャワーを浴びた後。若菜は部屋で独り、ベッドに座り込んでいた。
あの出来事。姉の冴子と井坂による父への裏切りと逃亡。オフィスで翻意を促す
自分の言葉にも耳を貸さず、ついには命を奪うために冷酷さと憎悪を剥き出しに
して襲いかかって来た姉の姿。それが頭から振り払えない。

ミックがいなかったら。わたし、殺されてたんだ……。
いま、お姉様はどこにいるのだろう。何をしているのだろう。
お父様はこれからどうするのだろう。
そしてわたしは……これからどうすればいいのだろう。

迷い、混乱する。頭の中にいろいろな感情と思いが渦巻き、どうにもならない。
濡れた髪も乾かさぬまま、若菜は手で顔を覆い、崩れ落ちるように泣き始めた。

部屋のドアが開く。
顔を上げるとミックが入り口から覗き込み、じっとこちらを見ている。
「にゃぁ」と声を上げる。「どうした?」と問いかけているかのように。
張り詰めていた若菜の心が少し綻ぶ。口元に笑みが浮かぶ。
「ミック……」
おいで、と手を広げる。ミックはのっそりと、様子を伺いながら近づいてくる。
「ミック、助けてくれてありがとう」
また「にゃぁ」と鳴く。ひらり、とベッドの若菜の膝に飛び乗り見上げてくる。
「わたしの王子様ね」
まだ涙の残る潤んだ瞳で若菜はミックを抱き上げる。その背中を撫でてやると、
ミックはごろごろと喉を鳴らし始めた。

ミックを胸に抱きながらベッドに横たわりまたあれこれと考え続けていると、ミックが
いきなり若菜の乳房を、その肉球が付いた手のひらでむにゅ、と押してきた。
「きゃ。やだぁ。ミック」
マッサージをするかのようにそこをきゅっきゅと押してくる。その動きで若菜が
着ていたバスローブがはだけられ、やわらかな乳房が剥き出しになる。
「ちょっと、ミックったらぁ」
相手が猫なので恥ずかしさはない。若菜はミックに向かって微笑んだ。
以前、何かで読んだことがある。仔猫が母猫の母乳の出を促す時、このように
乳房を揉むような動きを見せるそうだ。成長してもその名残りで、猫は機嫌の
良い時にはこんな仕種を見せるらしい。

「エッチな子ね。そのおっぱいはママのじゃないわよ」
クスクスと笑いながら、若菜は胸を露わにされたままミックにそのおかしな動きを
させるに任せた。
ちょっとかわいいもの。ミックもこんなこと、するのね。

ミックの手先が、若菜の乳首を擦った。
「あん」
思わず声が漏れる。ミックは目を細めながらまだきゅっきゅと揉んでいる。
「悪い子ね……」
偶然かしら?偶然よね。
少し興味が出てきてそのまま続けさせる。ミックはまだ乳房のあちこちを押し、
揉み続け、そしてその肉球が時折、乳首に触れる。撫でるように、くすぐるように。

148:ありえない若菜とフィリップ
10/06/11 01:50:19 KqwbYpM7
「あ……やだぁ」
じわ、と体の奥に何か甘いものが広がる。背筋に快感が這い登る。
戸惑い、頭を振る。深く息を吐き出す。
だめよ、こんなの。だめ……。
……でも、でも。
しばらく躊躇った後、若菜は自分の手のひらで乳房をやわらかく丸く包んだ。
「悪い子ね、ミック……わたしに、こんなことをさせて……」
指の間に乳首をきゅっと挟む。「あ……」と口から甘い声が漏れる。
でも本当に悪い子は、わたし。

わたしは何をしているのだろう。こんな時に。こんなことしてる場合じゃないのに。
だがその指は挟んだ乳首をそっと愛撫し始める。強く、弱く。
若菜は心の奥底にある願望に気付く。誰かに、そばにいてほしい。慰めてほしい。
「もう何も心配はいらない」と、囁いて欲しい。
抱きしめてほしい。強い腕と逞しい胸。それが欲しい。その中に包まれたい。
そしてベッドに横たえられて……。激しく、甘く……されたい。
全てを忘れるほどの。全ての悩みや哀しみを溶かすほどの激しさで。

若菜のもう片方の手が下に伸び、脚の間のやわらかな場所を探り始める。
ミックはその様子を、じっと見つめている。

私の側にいてくれるのはミックだけ。
若菜は笑いたいような、泣き出したいような情けない気分になる。
命を奪われかけ、望んでもいない未来に追いやられようとしている。もうどこにも
逃げ場のないわたしの側にいてくれるのは、この猫だけ。
目頭が熱くなる。うぅ、と喉から声が漏れる。
手の動きは止まらない。乳首をつまみ、ひねり、撫でる。股間に這わせた指はそっと
探るような動きから深く沈みこませる動きに変わっている。
若菜の口から途切れ途切れの喘ぎが漏れ始める。心の片隅ではいま自分がしている
行為は単なる現実逃避に過ぎないと理解しているが、それでもその手は止まらない。

「せめてあなたが、人間の男の子だったら、ね……」
涙混じりの声で若菜がミックに呟く。
「男の子だったら……わたし、あげるのに。いまなら。わたしの身体をあげ……」

─男の子?

突然、若菜の心に一人の少年の顔が浮かぶ。
ミックの瞳を見つめる。この目と、どこか似た光を持った一人の少年。
冷ややかで、こちらの心を探るような、観察してくるようなその瞳。だがこちらの心を
とろけさせるほど優しくもなれる瞳を持った、あの少年。

フィリップ君……。
そうだ、フィリップ君。フィリップ君なら、わたしを!
若菜はミックのその目に、記憶の中のフィリップの瞳を重ねた。
その途端、若菜の心には希望が。身体にこれまでで最も激しい欲望が滾った。

149:ありえない若菜とフィリップ
10/06/11 01:51:19 KqwbYpM7
「ミック……」
若菜はミックの名を呼ぶ。だが心の中ではフィリップの名を呼んでいる。
フィリップ君……。
「わたしを……守ってくれる?それなら……わたしは……」
ミックは何も言わない。鳴き声ひとつ上げず若菜を見つめている。
若菜は頷き、バスローブをはらりと脱ぎ捨てた。
見せつけるように下着も脱ぐ。ゆっくりと。なるべく淫らに見えるように。
ミックが、フィリップが。その身体をじっと見つめてくる。

「見て。わたしの身体……どう?」
問いかけながら乳房を掴み、ゆっくりと揉みしだく。親指で乳首を軽く弾く。
「ここ、また触ってくれる?……さっきみたいに」
あぁ、わたし。すごくいやらしい。どうして……こんな……何か、変。
戸惑いながらも衝動に駆られ、若菜はミックに向かってその美しい脚を開く。
その脚の付け根にあるものを見せつける。
「こっちも。ね?」
ミックは無言だ。身動ぎ一つしない。
「ほら。もう。ねぇ見て。欲しいって。わかる?ここがそう言ってるの、判る?
もう濡れてるの判る?」
無言。だがミックは立ち上がり、またのっそりと近づいてくる。
ミックはそこをじっと見ている。

「あぁ……見たいの?。わたしのここ、見たいのね。いいわよ。ほら」
若菜はそこを指で広げる。見てる……?フィリップ君……ねぇ、見てるの?
そして最も敏感な突起を、指先でくるりと一番好きな触れ方で転がしてみる。
「あ……いい……っ!」
ぎゅっと乳房を強く握り、先の尖った先端をまた指先で愛撫する。
股の間に這わせた指をさらに激しく蠢かせる。もう止めることはできない。

「見てるの?あぁ……見てるのね。いいわ……何でもさせてあげる。ぜんぶ、
全部。最後までさせてあげる。あなたが、私を……守ってくれるなら」
潤いを滴らせるその場所に、若菜は指を深く沈めていく。
「あなたのを、こうやって……入れたり、出したりして……」
中をかきまわしながら指を出し入れする。ずん、と快感が全身を貫く。
「あぅ……!すごい、すごいわ……。ねぇ、入れてみたい?あたしのここに、入れて
みたいの?やわらかいわよ……ぬるってしててね。すごくあったかいの」

音がし始めた。脚の付け根から、いやらしい水音が。
そこから滴るものが尻の下のシーツをじっとりと湿らせていく。
「きっと気持ちいいわよ……。ねぇ、あなたもわたしとしたい?わたしが欲しい?
あなたのは……どんなのかしら。大きいのかしら。固いのかしら。ねぇ、教えて?
あなたの……どんななの?」
びくん、と身体が震えだす。あぁ、すごい。すごく感じる。どうして、どうして……?

「あなたのそれが……あたしの中に入って。すごく、よくて。あたしきっと泣いちゃうわ。
気持ちよくて泣いちゃう……。あなたも、きっといいはずよ。すごく気持ちいいはず…。
すごいんだから……わたしの、ここ」
若菜の指の動きは激しさを増す。こすりつけ、抉り、ほじくり、最も奥深くまで届くよう
ぐりぐりと押し込み中を掻き混ぜる。

150:ありえない若菜とフィリップ
10/06/11 01:52:42 KqwbYpM7
「わたしと、どんなふうにしたい?何をしてもいいのよ。何でも。どんなことでも。
あなたがしたいことを。女の子の体にしてみたかったことを……全部」

わたしをあなたにあげる。何をしてもいい。だからお願い。わたしを……助けて。
この呪縛から解き放って。そうしてくれたら、あげる。わたしをあげる。だから、ねぇ。
わたしと、わたしと一緒に、ねぇ!

「あなたが、望むなら……わたし、してあげる。今までしたことないことでも、何でも。
あなたがしてほしいなら……あなたの前に跪いて……手と、口で。してあげる。
あなたが望むこと、何でも。わたしの身体があなたにできること……ぜんぶ!」

その代わり、お願い。ねぇ………お願いだから!
目に涙が溢れてくる。若菜にとってフィリップは最後の希望。絶望の闇の中の光。
指が止まらない。止められない。そして見られている。彼に見られている。
「うぁ……いい!いいの……!」
あぁ、もうだめ。わたし、いく。見られながらいく。もうだめ、もう!!
「あぁ、わたし、いくわ。もう!もう!!………あぁっ!!」
絶叫と共に若菜は果てる。快感が爆発する。意識が遠のく。波に連れ去られる。
ガクガクと痙攣していた体から力が抜け、若菜はどさり、とベッドに崩れ落ちる。
「あぁ……んぁ……」
そしてだらしなく口を開け、とろんと潤んだ瞳で。若菜はひくひくと震え続ける自分の
やわらかな肌を、しばらく独り撫でまわし続けた。

ふと気がつく。体を起こす。
あぁ、あたし。何てこと。自分でしてて?……やだぁ。
周囲を見回す。ミックはいない。いつの間にか部屋から姿を消している。
びっくりさせちゃったのかしら。わたしのこんな姿を見て。
今さらながら恥ずかしさに襲われる。自分がどれほど淫らだったか、どんな言葉を
口走ったか、思い返すことすら忌まわしい。
若菜は折り曲げた人差し指を口許に押し当て、いやいやと首を振った。

……でも。
すごく感じた……気持ち、良かった。

口許に当てた指を伸ばす。若菜はその指先を唇で咥える。
玩具を欲しがる、甘いお菓子をねだる子供のような仕種。
そしてその唇に笑みが浮かぶ。それは希望の笑み。自由になれるかもしれないと
僅かな望みを託した笑み。
その笑みの中に微かに混じる若菜の中の「女」が、ちろりと出した舌で指先を舐め、
そして「ちゅっ」と音を立てて吸った。

会いたい。彼に会いたい!会わなきゃ。どうしても。
彼なら。彼だけは私を。この世できっと、彼だけは……。
彼に会う。会って……そして……わたしは。
彼ならきっと私を自由にしてくれる。若菜はその唯一の希望にすがりつく。
だが簡単には彼を呼び出せない。何か理由が必要だ。
「彼なら、きっと……」
期待に胸を高鳴らせ、考えを巡らせながら、もう一度シャワーを浴びるために
若菜はバスルームへ向かった。

─終わり

151:名無しさん@ピンキー
10/06/11 01:57:50 KqwbYpM7
あーあ、書いちゃったよ もうシラネ
正直、自分は書ければエロでも萌えでも何でもいい
どっち書いても(今のところ)怒られないこのスレは好きだ
いろんなシリーズのいろんな話が読めるともっとうれしい
と、思ってます

152:名無しさん@ピンキー
10/06/11 02:34:15 sjmlOaPR
>>151
GJGJ
そうだよなあ、ミックは王子様だよなあ…
若菜姫の必死さが切なくてよかったです

153:名無しさん@ピンキー
10/06/11 08:38:25 I7bJSMMg
>>146
> Wのオープニングのあの女性
>
>自分には太ももより尻だな。マジたまんないです。

154:名無しさん@ピンキー
10/06/11 08:39:11 I7bJSMMg
sage忘れスマソ

155:名無しさん@ピンキー
10/06/11 08:53:13 Rpm+a8BB
>>151
いろんな意味を込めて全力でGJ
若菜がエロ切ないなあ・・・最後は幸せにならないかなあ

しかしあんたはほんと何でもありだなw
嫌いじゃないぜそういうの

156:名無しさん@ピンキー
10/06/11 12:07:57 pgg4mqp5
>>151

GJ!
ミック様絶対わかっててヤってるだろ!
これはこれである意味若菜姫堕ちてるなw


157:名無しさん@ピンキー
10/06/11 12:40:37 6w+pgya1
WのOPの女性て永徳さ…
ゲフンなんでもない

158:名無しさん@ピンキー
10/06/11 14:49:54 jNbuZdSw
>>120
夏みかんの写真集についてkwsk

159:名無しさん@ピンキー
10/06/11 19:10:07 vNkCH9F9
>>120
それほんと?
だとしたら特撮版の変態スレに何の反応もないのが不自然すぎるだろ。

160:名無しさん@ピンキー
10/06/11 20:49:59 TLgcutKQ
ごめん、>>120だけど、写真集じゃなかった。変換間違えた。写真だ、写真。
MOVIE大戦2010の本で、ニーソと短いワンピースの間からのぞくナマ脚がたまらんかったんだ!
タイツのラインもたまらん美脚だが、ちらりと見えるナマ脚が最高すぎる。
肌の色も白すぎずでいい。
U夏海の時にもたまらんと思ったが、あの太ももからふくらはぎへのラインは至高だな・・・。

161:名無しさん@ピンキー
10/06/11 22:26:51 lhEdUI5Z
U夏海は確かに日曜の朝から、実にけしからん素晴らしさだった…。

162:名無しさん@ピンキー
10/06/12 01:21:57 +g6hKC/b
個人的に一番の美乳ヒロインは桜子さんだと思ってる
ガリマ姉さんに襲われた回の服、微妙にサイズが合っていないのか
デコルテやウエストのあたりは結構布が余っているのに、胸だけちょっときつめっぽくて
胸の形がはっきり分かる感じになってしまっていてちょっとエロかった

五代×桜子が書きたいけど、超がつくほど健康的な関係すぎて難しい…
年齢的にはライダー主人公ヒロイン共に割と大人な方なのに
何故あんなに健全な空気なんだあの二人は
でもがんばってみる

163:名無しさん@ピンキー
10/06/12 03:07:30 UHS0ZWCp
>>162
あー、難しそうだな五代×桜子。
あの二人を見てると、エロ妄想って年齢だけじゃないんだなと思う。
もっと若いけど例えば巧×真理のほうが妄想しやすいわ。

…でも好きな組み合わせなんでこっそり期待してるw

164:名無しさん@ピンキー
10/06/12 06:36:32 Zt8cHG6Y
巧×真理は手を繋ぐとか、手を握るといったシチュエーションが良く似合う

165:名無しさん@ピンキー
10/06/12 10:31:06 iDNnQfLw
巧と真理はなんかあっても全然おかしくない感じするなー
特板の過去の本スレでたまに「恋人というか所帯染みてるから夫婦」とか、
「今は仲間だけど年とったら他に相手もいないし腐れ縁でゴールインしてそう」
みたいな書き込みを見かけたけど、全力で同意w

166:名無しさん@ピンキー
10/06/12 16:24:32 rNf08HvC
巧と真理は、作品のシリアスさもあって、かなりハラハラした二人だったなぁ。
草加はアレだったし。
ちょっと、久々に見たくなってきたからレンタルしてくるか。

167:名無しさん@ピンキー
10/06/12 21:39:16 6k/q27Ij
俺個人はバラのタトゥの女が大人の色気があって好きだったな。

168:名無しさん@ピンキー
10/06/12 22:41:17 UbwvzG42
劇場版の広瀬さんのウェディングドレスは可愛かった。

そして剣劇場版といえば、復活後14歳の天音ちゃんを見た始の感想が
「綺麗になった」でビックリしたのもいい思い出ww
いやその通りなんだけど、始の口から14歳の女の子に対して綺麗になったって
セリフが出てきたという事実に驚いたというか…。

169:名無しさん@ピンキー
10/06/12 22:56:21 yWYNjRgH
映画の広瀬さんは横乳も素晴らしいな

始の場合TV版の天音ちゃんも劇場版の天音ちゃんもたそがれの天音ちゃんも
みんな同じ天音ちゃんで態度が変わらないってわかってて見ると
そこまでおかしくは無いんだけどねw

170:名無しさん@ピンキー
10/06/13 00:36:01 O/YJv8Zf
あの事務所の作りとかのイメージだと亜樹子のパソコンは
ダイアルアップでネットに繋いでそうな感じだ

171:名無しさん@ピンキー
10/06/13 00:53:33 7mgMjwIR
天音ちゃんへの始の態度は一貫してたよなー。
そこがやたらツボなんだが。

この季節になると何故か響鬼が見たくなる自分。
花火の時の女性陣の浴衣姿が麗しかったよなぁ。
香須実さんの浴衣乱してみてぇ。

172:名無しさん@ピンキー
10/06/13 01:20:24 MTV+zjqT
イブキ×香須美が好きだったなー
イブキさんの弟っぽさとか、少しずつ意識するようになる香須美さんが可愛くて

173:名無しさん@ピンキー
10/06/13 11:45:10 kiwV7MYg
イブキさんと香須美さんがデートしてるシーンが何気に多くて嬉しかったな。
ヒビキさんとみどりさんがちょっと良い雰囲気になってたり
明日夢ともっちーがさりげなく手繋いでたり
響鬼はいいなー

174:名無しさん@ピンキー
10/06/13 14:18:28 pZgUlJBQ
もっちー、明日夢に対してかなり積極的だったよなー。
だから、あきらに対してちょっと気にしてたりとか、可愛かった。
つか、単純に明日夢が羨ましかったぜw
きっと俺だけじゃないはずだ。

見てるだけなら、トドロキさんと日菜佳さんがほのぼの可愛くて大好きだったよ。

175:名無しさん@ピンキー
10/06/14 00:40:24 5Z6FQcpG
イブキ×香須美とか
坊ちゃま×ミサキーヌとか
ユウスケ×あねさんとか
年下男→年上女への憧れって微笑ましくて好きだな
坊ちゃまも八代の姉さんも、何故死んだ…orz
幸せになって欲しかったよ

176:名無しさん@ピンキー
10/06/14 01:39:08 nIwj78Qq
ぼっちゃまとミキサーヌは本当に幸せになって欲しかったよ。
ぼっちゃまの想いが一途で、たまらなく好きな二人だった。
文才ないんで自分は書けないが、誰かぼっちゃま×ミキサーヌで幸せなSSを書いてもらえないか。

177:名無しさん@ピンキー
10/06/14 22:25:00 AqXmbMdD
明日夢の両手に花状態は羨ましすぎる。
しかし美人なサポーターと白衣メガネの同級生がいる
ヒビキさんもかなり羨ましいぞ!

あとこっそりザンキさんとシュキさんが好きだったりする。

178:名無しさん@ピンキー
10/06/14 23:06:04 suHz5GXd
斬鬼さんの師匠が女性ってだけでたぎるよな。

剣のみゆきと矢沢のクイーンコンビが何となく好きだった。
みゆきは虎太郎ともちょっといい感じになったけど。
アンデッド同士だと嶋さんと虎姉さんは茶のみ友達っぽい。

179:名無しさん@ピンキー
10/06/15 18:31:24 Rb4fVrRP
蓮が恵理さんを海に連れて行って
「私…またねむっちゃうんだよね?」
「大丈夫だ、また目覚める…」
のやり取りをバックにナイトのテーマが流れるのがグッとくる
最後の世界ではちゃんと幸せな家庭を築いて欲しいね
もう会えない優衣ちゃんのためにも


180:名無しさん@ピンキー
10/06/16 01:03:53 RzN/SUjf
事務所でのフィリップと翔太郎の会話で翔雪小ネタ投下します


「今日は良い風が吹くなぁ……」

事務所の窓を開け、この街の風を感じる
今日も翔太郎の一日が始まろうとしていた

「翔太郎、もしかしてまた彼女に会いに行く気かい?」
「あぁ。彼女があいつの事を思い出すなら、きっとこんな風の日だろうからな」

最近、翔太郎が『良い風が吹く』日に限って姿を消す事も、
その行き先が先日解決した事件の中心人物でありガイアメモリ使用の副作用で
過去を亡くした須藤雪絵の元であることも、フィリップは承知していた

「彼女が過去を思い出す可能性は限りなくゼロなんだが…まぁ、止めても無駄だろうね」
「さすが相棒、よく分かってるじゃねぇか」
「一つ忠告しておくよ、翔太郎」

お気に入りの帽子を手に、浮かれて事務所を出ようとしていた翔太郎をフィリップが止める

「彼女が忘れた過去には辛いモノが沢山ある。いっそこのまま忘れてしまった方が
 彼女は幸せかもしれないんだ。それでも君は思い出させたいのかい?」

しばし、帽子を見つめて考え込んでいた翔太郎だったが
帽子をかぶると静かに、だが力強く言い切った

「……過去を忘れたままじゃ、罪は償えない。罪を償えなきゃ、心は未来に進めない
 もし彼女一人で背負い切れないなら……そん時は俺が一緒に背負ってやるだけだ」
「それは彼女が園咲…いや、須藤霧彦の妹だからかい?それとも……」
「両方…なんだろうな」
「そう…いってらっしゃい、翔太郎」
「あぁ、行ってくる」

そう言って入口に向かう翔太郎の背中にフィリップは一言声をかけた

「せいぜい一緒に罪を背負うことを拒否されないように祈っておくよ」
「ぶっ…うっせぇ。せっかくカッコ良く決まったのに一言余計なんだよ!」

そう吠えて出かけて行く翔太郎を、やっぱりまだまだハーフボイルドだなぁと
苦笑しつつフィリップは見送った

181:名無しさん@ピンキー
10/06/16 01:14:45 RzN/SUjf
翔雪いいなーと思いつつ雪絵さんが事件後捕まったのか
記憶無いしどうなったのかわかんないんで
とりあえず無難に本人出さないで書いてみたけど
実際今の雪絵さんはどういう状況なんだろう?
映画に出てきたら近況わかるのに…

182:名無しさん@ピンキー
10/06/16 10:34:59 2/KdSvtO
>>181 乙乙!

記憶を無くしてても、ちょくちょく会いに来てなんやかやと世話を焼く
翔太郎に雪絵がちょっとづつ心を開いていく日が来るのかもしれない
こういう未来に希望を感じられる話は好きだ

183:名無しさん@ピンキー
10/06/17 18:11:52 O24Xq0b4
ダレモイナイ
ミンナドコイッチャッタノ?

184:名無しさん@ピンキー
10/06/17 21:24:50 GlvxyaVv
八代のあねさん(の中の人)が映画でオールヌード披露らしい!
Fカップの美乳が大画面で拝めるとは!
ユウスケは色んな意味で泣きそうだがw

185:名無しさん@ピンキー
10/06/17 23:34:43 TNeFqLqE
Wの放送が一回休みだったから、勢いが落ちてるんじゃないかな

電王映画青バレ有り




ウラとナオミ萌えた
恋人じゃなくてセフレっぽい気もするが…あの触り方って、ヤってるだろ
肉体関係あるけど付き合ってはなくて、ただの遊び相手よりは親密、みたいな関係に見えた

186:名無しさん@ピンキー
10/06/18 04:10:03 xGP278Je
>185、わかる! 
そう、付き合ってはないけど、な感じだった。

なんかこんな萌えだけの話を落としていいんだろうかと自粛してましたが、自分のネタはそれはそれで振り切っときたいので投下します。人いないし今のうちだ!!
前スレ604の続きです。
酔っ払い翔太郎寝オチ後の仲直りH、相変わらずの激甘ハーフボイルドな翔亜樹です。
男性視点(翔太郎)一人称で通したんで、流れうまくいってないとこあるかも知れません。
甘いものは苦手だぜ俺は辛党だ、という方はスルーでお願いいたします。



187:『ふれること』
10/06/18 04:12:10 xGP278Je

仕事から戻って事務所のドアを開けたら、いたのはカフェテーブルで書類整理中の亜樹子だけ。
「…おかえり。どうだった?」
「……ただいま。明日もう一回仕切りなおす、対象者があまりに動かねえし。対策練り直しだ」
「そ。お疲れ」
珍しく普通の探偵事務所みたく素行調査の仕事なんかが舞い込んできて、街が平和なのはいいことなんだけどかえって面食らうというか。いや間違ってないんだけどな、探偵としては。
一人で仕事に出るのも気分を紛らすのにはちょうどいい。
今日の帽子は黒。ガレージの扉の帽子掛けの1つ空いたとこにため息とともに投げ掛けてデスクに向かう。
3日前から亜樹子とまともに話をしていない。
いい加減何とかしなきゃなとは思うが、かと言って何を言ったものかと迷い続けて、今日で4日目。

左胸に刻まれた痕の、その赤はだいぶ薄くなった。

「……なぁ、亜樹」

ピリリリリリ、と無粋な電子音が、呼びかけた名前を途切れさせた。
舌打ちとともに開いたスタッグフォンから聞こえた声は、聞きなれた相棒の声だった。
『やあ翔太郎、今どこにいる?』
「フィリップ? どこって今、事務所に戻ったとこだ。お前わざわざガレージから電話なんか」
『いや僕は今、風都署にいる』

へ? 今なんつった?

「…はぁ?! 風都署?! いつの間に?」
視界の端で亜樹子が眼を丸くしてこっちを見たのが分かった。
視線で促すと、勢いよくうなずいてガレージに走っていく。
『亜樹ちゃんの姿が見えなかったんで、そのまま出てきたんだけど…翔太郎からちゃんと言っといてくれないか。風都署に居るから心配しないでって』
「いやそれは。いいけど……なんでまたお前、んなとこに」
『聞きたいことがあったから直接来た』
「聞きたいことって……。んだよ、直接行ってみて解決したのか?」
『いや完全には解っていない。ただ、答えに近づけるヒントを照井竜がくれた。「僕は今日は帰らないから、ゆっくり仲直りしてくれ」と言えと』
「…はあ?!」
ちょっと待てと突っ込む照井の声が聞こえた。
ついでにジンさんとマッキーの爆笑も聞こえたので、風都署にいるというのは本当らしい。
「しょ、翔太郎くん、やっぱりいないよフィリップくん……いつの間に出てったんだろ」
ガレージから戻ってきた亜樹子が袖を引く。
「あ、大丈夫、とりあえず風都署にいるってわかったし」
こそこそと告げると、電話の向こうでフィリップが誰かと言葉をかわす気配がした。
『…左か?』

188:『ふれること』
10/06/18 04:13:17 xGP278Je
「……照井」
『フィリップは明日の朝、俺が出勤するときに送って行ってやろう。それまでは身柄を預かった」
「……危険な目にあうことはないと思っていいんだな?」
『俺を疑うのか?』
「……や、それはない。正直、……助かる、な」
つい、本音が出てしまった。電話の向こうで照井が薄く笑う気配がする。
うわー、その顔(いや見えないけどもさ)むかつくー。
『この借りはいずれまとめて返してもらうぞ、左。ああ、風都署超常犯罪捜査課、課長以下全員にだな』
「…全員ったって3人しかいねえし、大体てめえら公務員だろが、見返りを求めんな! ああもう、とにかくフィリップは任せたからな!!」
ぶちんと通話を切って、あ、しまったこれフィリップからの電話だったと思ったが、まあいい。
少なくとも、あいつは一人じゃない。俺や亜樹子以外にも、あいつを守ろうとするものはいる。
大丈夫だ、任せておいて問題は無い。

イマイチ解ってないらしい相棒と、なんか色々知られてしまったらしい仲間たちからもらった猶予は明日の朝まで。

不安げに佇む亜樹子が、掴んだままの俺のシャツの袖を強く握った。
「ごめん、あたし全然気がつかなかった…、おっかしいなぁずっとここにいたのに」
少し俯いた表情に、強く胸の奥を捕まれる。
「あー、えっと、大丈夫だって、ほら。風都署にいるんだし? ある意味、パーフェクトに安全なとこだろ?」
「うん…まぁそうだけど……」
「照井も、あしたの朝ちゃんと送ってくって言ってたし」
もしかしたら、拒絶されるかもと少し怯えながら、細い肩に触れた。
「え、ちょっと翔太郎くんってば明日の朝って、どーゆーこと?」
「えーとな、仲直りしろって、フィリップから伝言」
「ふぇ?」
すっとんきょうな声をあげて見上げてきた表情が、亜樹子らしい。
ったく、そゆのが可愛いんだって。
軽く一瞬だけのキスを落して、やっと意味がわかったらしい。
「……ええええっなにそれっ、どゆことっっ!!」
「いやまぁ、そゆこと?」
あっというまに見事に頬が染まる。
「…あー、亜樹子?」
「……ばかぁ」
小さく聞こえた言葉は確かに馬鹿と罵ったけれど、正直な体が俺に寄り添う。
何度体を重ねても、いまだになんか初心なとこがあって、周りにはどうもあまり知られたくないらしい。
俺的には正直、知られたらそれはそれで構わんというか、だったら知っとけこれは俺の女だ、ってとこあんだけど。
まぁそれでも、フィリップには、あー……。どう説明したもんだかな。まぁいいか。
今はそんなこと考えられる頭じゃない。
いろいろ諸々あっても、俯いて頬を染めた恋人が目の前にいる状況で、他になにを考えられるというのか。
……仕事の建て直し、明日でいいよな?
つーか、もう無理。
仕事モード離脱確定。
「……触っていいか?……てゆか触らせろ。もう、限界」
引き寄せてキスを強請る。
「んん……しょ、しょうたろ、くん…」
逆らわない体から簡単に力が抜けて、漏れる吐息は甘く、俺を煽った。
そっと小さな手が俺の体を伝い、シャツの背をつかむ。
誘われるままに誘われて、深く口付けた。
3日ぶりのキス、それだけじゃなくてただ触るのも3日ぶりで。
あっという間に溺れ…、

……そうになったところで踏みとどまる。


189:『ふれること』
10/06/18 04:15:31 xGP278Je

「あー、なあ、すっげー怖いんだけど聞いていいか?」
「な、なによ怖いって」
「……俺、何か、まずいことやったか?」
「…まずいって、何が」
ぴったりと密着して今にもベッドになだれ込みそうな状況でする会話とは思えない。
言葉の合間についばむだけのキスを交わしながらも、だがしかし、ここは聞いておかないともう逆に、後がこわいし、後が!
「えーっと、ですね。やることやった覚えが無いのに、なんかこう、痕が残っててー? しかも確信犯的に、なんだその等間隔は、という。
……そろそろ、痕。消えそうになってんでー、その前に、確認しといたほうがいいだろう、というわけなんですが。そのあたり、えーと……。なんかやらかしたかなー……、と」
亜樹子が少し俯いた。
うわー、……こ、怖い。
もう聞きたくないです正直!
でも聞いとかないとそれも怖いです!
聞くのは辛いが聞かなければ男じゃない!
男はつらいよby車寅次郎。
いやいやいや違うだろ、いやでもつらいものは辛い。
亜樹子がふいに体を離した。
「え、あ、亜樹子?」
「…そこ、座って」
亜樹子が指差したのはベッド。
「座る? って?」
「いーから、座って」
「あ、はい。はいわかりました」
ここで素直に従わないほどコドモではない。
というか、ここで逆らうと怖いことを知ってるくらいには、大人というか。
ああ、大人って時々ツライ。
ベッドに腰を下ろすと、座った位置からは見上げることになる亜樹子が、小さな子どもみたく口を尖らせて、つかつかと近寄ってくる。
いきなり強く胸を突き飛ばされて、押し倒された。
うわその体勢美味しいですとか脳内で小人がざわざわ騒ぎだすのを押さえつけて、亜樹子の表情に目を凝らす。
ここは絶対に、間違えちゃぁならない場面。
「あー、……亜樹、子?」
「……ほんっとに、これでもわかんない? 全然、覚えてない?」
あー、怒ってるのはわかる。はい、わかります。
だが正直、乗っかられてる下半身とか下半身とかー。
「いやいやいや、えーと……全然まったく覚えてない、ってんでもなくてー」
嘘ではなく、うん、こんなふうに亜樹子が上にいて、やわらかく俺の手に馴染む身体を堪能した記憶は、ある。
あるんだ、け、ど。
問題はそこからだな……どこまで触ったとかそのへんが。
「…いいにおいだなー、とか。さわったよなー、とか、は解ってんだけど、な?」
ああ、これは正直に白状するべきなんだろうな。
今後にそなえて、聞いとくべきだ。がんばれ俺。

「あー、てゆか、その……もしかして。……俺、……寝た?」
「うん、寝た」

簡潔明瞭な一言が、さくっと俺を串刺しにした。

190:『ふれること』
10/06/18 04:16:34 xGP278Je
同時に、俺の上に陣取った亜樹子が、こらえきれずに笑い出す。
笑いが体に伝わって、その波動になおさらざくざくと切り刻まれるような気がする…。
「…わーらーうーなーーー……、うわーマジかよ、へこむ……」
「えーでも、すんごいかわいかったよ?」
「かわいいと言われて喜ぶハードボイルドがどこにいる……」
「いーじゃなーい、ハーフボイルドなんだからー」
嬉しげに亜樹子が笑う、そのたびに甘い波が体を撫ぜてく。
「すんごい甘々のらぶらぶでー、かぁわいかったーぁ♪ だからあんまりホントは怒ってないよ?」
あまあまのらぶらぶって、なんじゃそりゃ、なんかの呪文か。
「てゆーかねぇ、怒ってんのは怒ってたけど」
「……それは、俺がなにかやらかしたかなにもやってないか、その辺か、おいその辺が原因か」
「うん、そのへん原因。だってねー」
えへへと笑う緊張感のない笑顔が、かわいいだけに怖いってホントに!
女はちっちゃいと思う程度のダメージで立ち直れなくなるもんなんです男って生き物は!!
「ホンっトいっぱい、好き好きゆって、かわいいかわいいゆってくれてー」
うわーーーまじですか、ほんとにそれ言いましたか!!
「そんで、いーっぱい触って指にちゅーとかしちゃったりしてー」
いや実際そうは思ってるけどな、そうそう言えることじゃないし。
「もうねー、脱がしてとかちょーかわいくってねえ。で、そこで寝るかというタイミングで寝ちゃったわけで」
ぐさっと突き刺さる言葉、ああそうですか、脱がせろとかそんなこと言いましたか、はぁ。
「散々、さーーぁんっざん! その気にさせといてー、寝るかばかやろー寝るのか!と」
散々その気にさせといて寝オチしましたか、はいすみません、誠に申し訳ございません。

……ん?

「一瞬、首絞めてやろうかとも思ったけどー」
「…ちょっと待て」
いや首絞められても困るけど。
これ聞くべきタイミングだろ、聞いておくべきだろ男として!

「…さんっざん、その気にさせといて、寝オチで放ったらかしたわけだ」
「え? あー……うん、そう。そ、その通り、……っていうか」
「そうなんだな?」
ややあって、亜樹子が小さくうなずく。
視線が合わない。 
なのに甘く解けた表情は、ほのかに染まった頬は。
よっしゃ、これ来た、いけるでしょ、いっとくでしょ!!
「……じゃ、俺が『散々その気にさせた』の、責任とらなきゃな」
「えっ、えっちょっ、ちょっとっ!」
くるりと上下反転させて亜樹子を体の下にする。
「ちょっとだめだって! まだ仕事中っ!」
「うっせ黙れ、フィリップも居ないし今日はもう店じまいだ」
まだ文句を言おうとする唇をいちばん有効な方法で塞いだ。



191:『ふれること』
10/06/18 04:17:35 xGP278Je

……それは激情。
あつくて、はげしく、心の熱を身体にそのまま伝える行為。
身体も心も揺り動かされる。
ぎゅぅっと強くしがみついてくる爪先が、逆に俺を現実へ引き戻す。
「あ、あああああ、んっ、は、ああ、あーーだめ、だめぇっ、っ! …っ!」
「亜樹、子…っ、ちょ、ちょっと、待て…、っ!」
うわ、うわー、すごいの来た。
今の、イった瞬間よりもその後のほうがすごいんだけど…って、やばいし。
大きな波をやり過ごして、亜樹子の中に入ったまま、手を引いて抱き起こした。
あー、なんつか、これたまんねぇな。
いちばん最初っから知ってるけど、ここ最近はナカでイくこと覚えた体、完全に俺仕様。
どこに触れたらどんなふうに感じるか、全部知ってるのも俺だけ。
「…え、あ……なに? あ、…やんっ!」
「ちょっと、休憩……。ほら、そのまま…な?」
「や、やぁん…っ、なにっ……っ!」
対面座位の位置に亜樹子を引き寄せて、体勢を整える。
いいなこれ。顔見えるし、触りやすいし。
「…ん……あ、っは…あ、ちょっと…これ……」
「んー、だから休憩だってば」
「……きゅ、休憩、ね…」
つながったままで座って抱き合った状態、悪くない。
肩甲骨の、人に翼があるならばと言われる骨が肉とつながる位置を指でなぞると、亜樹子の体がひくんと揺れた。
「いーなー、これ…触り放題」
「あ……ん、んー…っ、ちょ。待ってぇ…」
要望にこたえて待ってやる。
気だるげに脚の位置を置きなおして、あらためて亜樹子から抱きついてくる。
「…は、っ……、あーもう…休憩でしょお……。もーやだぁ…」
「何が…、つ…っ!!」
右の鎖骨の上に、鈍い痛みが走った。
口付けではなく噛み付かれた。
「いってぇな! おい何すんだ、ったく」
あーやべ、噛み痕ついたか? 
シャツで隠れる位置かどうか、微妙な感じ?
「おーい、あーきこー? ギリギリんとこじゃねーのマジで。なにしてくれんだまったく」
「…だって翔太郎くんのせいだもん……っ、ん、…ぁっ」
「……なにが、俺の、せいだって?」
「だって、こんな、っ」

じぶんの、からだが、じぶんの、ものじゃ、なくなる、みたいに、なるの

切れ切れの言葉が、呪文のようにざわりと体の芯を焼いて、痛みに一瞬覚めてた俺を引き戻す。


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