10/07/07 22:26:40 LZC2eCcH
このまま彼女に振り回されるのも癪なので、話題を戻す。
「そ、そういや七夕って言ったら思い出すよなー。
子供の頃お前の家に遊びに行ったときのこと」
実は余り覚えてないけど。
「ああ、啓介とお父さんがスイカの食べ比べしておなか壊したり、
クリスマスツリー感覚で笹のてっぺんに短冊つけようとして梯子から落ちたり、
何故か啓介が私に自分の着物の帯持たせて『あ~れ~』って言って回ったり、
私と一緒にお風呂入ったら何故か一人だけ溺れて私に人工呼吸されて
ファーストキス体験したりした甘酸っぱい思い出のこと?」
「碌なことしてないな子供の頃の俺!ってか全然甘酸っぱくないだろ!」
「あの頃のやんちゃ坊主がまぁ、こんなに大きくなって」
「やめろよその親戚のおばちゃん目線!」
幼馴染み相手に過去の話を振るのは危険だ。
自分が恥ずかしい過去を持ってるなら特に。
ま、せっかくの七夕なんだし、短冊にお願い書こっか!」
ひとしきり俺をいじって満足したらしく妙に切り替えが早い。
が、そこを指摘してもやはり俺が不利なだけなので彼女に合わせることにする。
「……まぁ良いけど、笹無いぞ?」
「別に織姫彦星にお願いするわけじゃないからいいの。
今日雨だから人の頼み聞く余裕無いだろうし」
「へぇ、意外だな。
お前なら『啓介が私にプロポーズしてくれますように』とか
『啓介と私が結婚できますように』とか書くのかと思ってた」
「そーゆーのは自分の手でやり遂げるからいいの。
神様に頼らずに自力じゃないと」
「意外にリアリストだな」