【友達≦】幼馴染み萌えスレ20章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ20章【<恋人】 - 暇つぶし2ch283:名無しさん@ピンキー
10/05/15 15:41:17 651/pPFf
>>269ですが、
音を立てず投下

家は7時27分に出た。
ちなみにうちは、駅まで自転車で約10分となかなか好条件な物件である。
それを6分に短縮したという点だけは評価していただきたい。
どういうことかというと、周太郎は七時半の集合に案の定遅刻したということである。

緩やかな傾斜の坂を必死にこいでいると、坂の上の駅前のバス停に、みんなが集合しているのが見えた。どうやらこちらに気付いたようである。
中学から一緒の学友の大山に、「古谷、ねぐせくらいなおして来いよー」と叫ばれる。みんながどっと笑う。あー鬱だーちくしょー。
自転車に積んだ荷物を息も絶え絶え降ろしていると、千里に遅刻してきたことを揶揄された。
「昨日、遅刻するなと念押ししといたがやはりこうなったか。」
「夏休み初日だぞ、もっと寝かせてくれてもいいじゃないか。」
千里は笑って首をすくめると、振り向いてバスの入り口に並んだ列へ加わった。
周太郎も急いでそれに倣って加わる。すると周太郎の背後で、女子のくすくすという笑い声が聞こえた、慌てて寝癖を撫で付ける。
照りつけるような晴天を恨めしく思った。

「古谷君」
列に並んでいると、なにやら呼ばれたので振り向いてみると、日比谷智恵(姉)さんだった。姉さんと方とは同じクラスの図書委員ということで、多少面識がある。
別段、服装は他の生徒とは違いはないように思えた。髪型も、肩にかかる程度の長さで染めている様子もない綺麗な黒髪だ。
「あっ、どうも。・・・じゃなくて、遅れて申し訳ございませんでしたっ。」
周太郎は深々と頭を下げた。その下げた頭が寝癖だらけのことに気付いて、より鬱になった。
「いえいえ、いいんですよ。頭を上げてください。実際遅れたの三分だけですし。」
「・・・すいません、俺、旅行のこと知ったの昨日だったもんで・・・」
日比谷さんが口元を抑えて笑う。確かに、こういう動作ひとつとってみても、とても上品に思えた。
いや、考えすぎか、どうも昨日の今日で、品定めするような目つきになってしまう。
「ということは、もしかして、昨日まで私の家庭事情も知らなかったんじゃないですか?」
「はあ、・・・恥ずかしながら。」
「図書委員で一緒に随分、作業しましたのにね?」
なんだろう。責められているのだろうか。
「すいません申し訳ありません。」
さっきより腰を鋭角にして謝った。
また日比谷さんがうふふふ、と上品に笑った。
「いいえ、私、古谷君のそういうところ好きですよ。」
どうやら図らずも親しくなれていたようである。
自分の謝罪スキルにちょっと得意になって、そんなこと得意でどうするんだと我に返った。でも、悪い気はしなかった。
多分謝られるよりは謝るほうが気が楽だろう。


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