【友達≦】幼馴染み萌えスレ20章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ20章【<恋人】 - 暇つぶし2ch189:名無しさん@ピンキー
10/04/21 03:37:46 uMjUBruC
>>205
おっさんと少女だけど幼馴染ってのがあった筈

190:名無しさん@ピンキー
10/04/21 23:33:23 EwFdIXQs
お互いの幼少期を知ってるから幼馴染なんじゃないのか?

191:名無しさん@ピンキー
10/04/22 00:39:12 Dytyuein
SF的解決→冷凍睡眠・異星人・ウラシマ効果・タイムリープ・抗老化・促成培養 など
ファンタジー的解決→長命種・速成種・その他異種族・魔法 など
オカルト的解決→輪廻転生・憑依・ゾンビ など
論理的解決→俺のそう思うものが幼馴染

192:名無しさん@ピンキー
10/04/22 11:51:11 6AsH1eqp
書きかけの投下します。
お邪魔します。
続きは書けないけれど、ずっと保存しておくのもあれなので…

193:1
10/04/22 11:51:46 6AsH1eqp
「ねえ、本当にしちゃうんだね。」
彼にいささかきつく、荒々しい感じで抱き締められながら、私は呟く。
「えっ」
呼吸の乱れた彼は、何を言い出すのか、まさかここで拒むのかと私を見る。
「やっぱり、いつかはこんな風になるのかなと思っていたよ。少し遠かったね」
私からも腕を伸ばし、彼の体を抱き締め返す。

「もう…何を言い出すのかと思ったよ」
ほっと安堵したように私の耳元で言う。
その温かくて、柔らかい声に私はぼうっと熱くなる。
「遠かったって、会ってから随分経ったねってこと?」
「うん…」
余り喋ることができない。
耳元でそんなに優しく囁かないで。
「そうだね…7年経つもんね」
「ななねん」
鸚鵡返し。
「僕はこうなるとは思っていなかったなあ」
「そうなの?」
一度体を離して、私は聞き返してみる。
気持ちよくて頭が働かない。

「ただの言葉遊びをたまにするだけだと、思った?」
私たちは花占いのように「スキ」「キライ」を交互に言い合って遊ぶことがあった。
「何だろう…そうじゃない、けど、実際にこうして」
彼は私を抱き締める。
「こんなことできると思わなかった」
「私から始めなければ」

194:1
10/04/22 11:52:41 6AsH1eqp
「ずっとそのままだったかも」

なんだか少し悲しくなったかも。
痴女か私は。

「う、ごめん。」
据え膳食わぬは男の恥、を実践してくれただけなのだ。
本当にごめんなさい。
手を離してその場にうずくまる。
一人勘違いしていた恥ずかしさ、悲しさが相まってこのままお湯に溶けてしまいたい。

頭を抱えていた私の前に彼もしゃがむ。
「欲しがっているのは君だけじゃないよ」
「僕も君が欲しいんだ」

ふわりと掛けられた言葉に心が痺れる。
本当の事を言っているのかな?と少し思ったけれど、その言葉の甘さに肩を寄せてしまおう。
狡いんだ、2人とも。

掛かる髪ごと両頬を捉えられ、近くなる肌色をぼやけたまま見つめた。
触れる唇が柔らかく、ああこの人慣れている、などとつまらないことを考えた。
今は昔の時間に捕らわれるべきじゃない。

ゆっくりと、互いの唇が馴染むように。
伝わる体温は暖かい、ずうっとキスだけしていたい。
キスは気持ちが良くて、満たされるから大好き。

「唇、柔らかいね」と彼に言われた。
「どこも柔らかくて大好き。」

こなれた言葉が狡いよ。
そして単純な私。

お湯とあなたの肌、同じ温度で私に馴染むんだもの。

195:名無しさん@ピンキー
10/04/22 11:53:06 6AsH1eqp
ありがとうございました。

196:名無しさん@ピンキー
10/04/22 16:59:44 iE3Cgok5
  ∧_∧
∑(lll´∀`) 生殺し…
  人 Y /
 ( ヽ し
 (_)_)

197:名無しさん@ピンキー
10/04/23 00:32:37 i+BWVLu0
一緒に寝たこともあるし
キスしたこともあるし
大きくなったらお嫁さんにしてって言われたことがある



幼馴染ニューハーフなんだけどな
俺には手を出す勇気がないです

198:名無しさん@ピンキー
10/04/23 01:40:52 LfrGiu20
一瞬、幼馴染ハーフなんだけどな と読んでしまい、
何の問題があるんだこのチキンがと軽蔑した。
ごめんよ。

……216が男まさりな少女だったら充分ありだな。

199:名無しさん@ピンキー
10/04/23 08:50:15 pn/z/cY8
>>216>>217
なんか前にそんな漫画読んだような…

200:名無しさん@ピンキー
10/04/25 00:32:12 tf4q3zpw
「幼馴染ヒロインは一番の人気属性であり、主人公とはほぼ確実に結ばれる」
そんな風に思っていた時期が私にもありました・・・

このスレは本当に良い
たくさんの幼馴染カップルSSが見れる

201:名無しさん@ピンキー
10/04/25 22:49:59 yo5YG9A6
漫画家とアシが幼馴染なのは知ってたけど、いつの間にか夫婦になってました。
う…羨ましい。

202:名無しさん@ピンキー
10/04/25 22:59:09 A187mt2G
ゴルフ漫画だったりスケート漫画だったり番長漫画かいてた人だろ?
あの人たちは後書き漫画で萌える

203:名無しさん@ピンキー
10/04/25 23:09:05 ZfpMFnlQ
あの人のゴルフ漫画は確か打ち切りから復活、という冗談みたいな
展開だったよな、確か。

>あの人たちは後書き漫画で萌える

同意。

204:名無しさん@ピンキー
10/04/25 23:56:18 6NRfdCEA
(仮)から(嫁)だもんな

205:名無しさん@ピンキー
10/04/26 14:45:22 dWkovX9A
まじかジャンプで格闘漫画も書いてた人だよな

とりあえずおめでとうと言っておくぜ

206:名無しさん@ピンキー
10/04/26 20:42:40 ObWTyPjn
>>221
特定できすぎわろたw
後書きみたくなってきた!

207:名無しさん@ピンキー
10/04/29 01:19:45 gJH+q6OE
男がツンデレな幼馴染み関係

208:名無しさん@ピンキー
10/04/29 04:02:08 h3egDsCL
>>226
女のべた惚れで男ツンデレは好きだが
どうもその路線で行くとブレる作品が多い気するな
男ツンデレこそ自身にべた惚れな女相手に理不尽な対応を取るべき

209:名無しさん@ピンキー
10/04/29 11:18:31 nj9MO74O
幼馴染みの大人カップルが良い

210:名無しさん@ピンキー
10/04/30 17:46:58 kIZXFLfy
他スレでも良いから、どっかで良い幼馴染みSS見かけた人いない?ここの保管庫のは読破しちまったぜ

211:名無しさん@ピンキー
10/04/30 18:00:05 ezSld7cU
>>229
SSじゃないけど、俺は家庭・カップル・既男・セピア・純情恋愛板の該当スレを巡回してる
たまに当たりを発見するw

212:名無しさん@ピンキー
10/04/30 21:50:52 B+m5oQeJ
ヤンデレ板でみたかな。
オナホちょん切るやつ

213:名無しさん@ピンキー
10/04/30 21:57:41 x/pz+jln
>>229
依存スレもおすすめ

214:名無しさん@ピンキー
10/04/30 22:01:18 +LOAj++d
>>229
馴染みラノベやエロゲに手を出すとかどう?
このスレの親戚スレはラノベ板にもエロゲ板にもあるでよ
ラノベ板のほうは「幼馴染は禁止」がタイトルのツンデレスレだけど。

215:名無しさん@ピンキー
10/04/30 22:41:45 kIZXFLfy
みんなありがと
SSで読みたいからヤンデレ?スレ行ってくる!!
依存スレは既にみてるぜww


216:名無しさん@ピンキー
10/04/30 22:57:42 JbphYJQz
みんな親切だなw
俺も巡回先増やすよ

217:名無しさん@ピンキー
10/05/01 00:09:17 SbBjYfNX
保管庫の作品見てて思ったが完結した作品て割と少ないのね
だからこそ、完結した作品は大作認定受けられるのか

218:名無しさん@ピンキー
10/05/01 00:45:10 YAmmdM1z
>>236
ごめんなさいごめんなさい
時間がなかったんです
必ず完結させます

219:名無しさん@ピンキー
10/05/01 01:17:28 GA/Hpt2X
ネット上の小説って完結させるだけでも偉大だからな

220:名無しさん@ピンキー
10/05/01 02:32:27 EvOkK4VF
完結しても作者が保管庫から削除依頼出す事あるしなあ。
そうなるともう読めない。
RIBBON&RINGとかまた読みてーんだが。

221:名無しさん@ピンキー
10/05/01 23:59:22 LHKkDITL
気になったんだが、
ここの人達は幼馴染が出てくる商業作品(小説やゲームなど)も集めているの?


222:名無しさん@ピンキー
10/05/02 01:50:00 qiMww5BY
ドジ+幼馴染み好きなんで先週のジャンプ良かった

223:名無しさん@ピンキー
10/05/02 11:25:21 J2RBcTBy
なんでこのスレの登場人物って若い子ばっかりなん?

老人ホームで80年ぶりに再会…とかもあっていい気がする

224:名無しさん@ピンキー
10/05/02 12:06:41 L/V3q28K
男「ああ、ばあさんの歯なしフェラさいこーじゃあ」
女「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」

225:名無しさん@ピンキー
10/05/02 23:00:23 g22BdrwK
老齢カップルで濃密エロはさすがに勘弁だが、エロ以外ならなかなか味わい深くなりそう。

226:名無しさん@ピンキー
10/05/03 21:03:52 2w/c4MIx
幼馴染の二人をニヤニヤしながら観察したり助言したりする
悪友ポジが主人公の小説とかもあっていいと思うんだ

227:名無しさん@ピンキー
10/05/03 21:56:38 9r6T/TD8
むかーしむかし、あるところにそれはそれは仲の良い男女2人ずつの幼馴染がおりました。
子供の頃はごく普通の友達同士でしたが、そんな彼らも思春期を迎えて異性が気になる年頃になります。
幸運にも想い人が被らず、揉め事は起こらなかったので、やがて4人はそのまま二組の夫婦になりました。
そんな彼らの夢は……「4人で共通の孫を作る事」だったのです。

「……なーんて事考えてさ~、子供の人生を勝手に決めるんじゃねーっての」
「何それ初耳なんだけど?それ本当?」
「昨日俺んちで4人集まって飲んでたじゃん?そん時に中から聞こえてきた」
「うわー……何かやだなぁそれ」
「だろ~?」
「……でもさ」
「ん?」
「それとは全く関係無しにアンタの事好きな私はどうしたらいいわけ?」
「!?」

228:名無しさん@ピンキー
10/05/04 00:50:55 A2QyAYcy
>>246
なぜか♂→上条さん似、♀→ビリビリ似で再生された

229:名無しさん@ピンキー
10/05/04 07:08:57 SaqPEds5
だれだよ

230:名無しさん@ピンキー
10/05/04 18:05:00 NsypObgl
マジで誰? まぁいいか。

従姉ものとか増えないかしら

231:名無しさん@ピンキー
10/05/04 18:57:44 A2QyAYcy
>>248-249
すまん、とある魔術の禁書目録ネタだ。

ところで従姉妹は馴染みカテゴリなのか?

232:名無しさん@ピンキー
10/05/04 18:59:41 SH2MVuVK
>>246
イイハナシダナー

ファイアーエムブレム聖戦の系譜ってゲームのアンソロで
子供同士が恋人になった親が間接ホモ呼ばわりされてたなw

233:名無しさん@ピンキー
10/05/04 23:37:06 no0ev1a8
>>250
従姉妹同士子供の頃からの付き合い、と言う事なら幼馴染カテゴリだろうけど
姉スレ行った方が引っかかりやすいんじゃないか?

234:名無しさん@ピンキー
10/05/05 21:21:25 libkcR/q
>>249
スレリンク(eroparo板)
まぁ、男にとってはともかく女からみたら幼馴染ではないがw
しかしルーデルさんといい独逸人共めっ!!ちっ

235:名無しさん@ピンキー
10/05/05 21:22:39 libkcR/q
>>253スレリンク(eroparo板:31番)を参照ね
ミスった

236:名無しさん@ピンキー
10/05/05 22:34:12 ThcavC1g
>>242
俺ん家の近所に2人共89歳の老夫婦が居るんだが
初めて出会ったのは5歳の時で
それ以来ずっと一緒に居るらしい。

237:名無しさん@ピンキー
10/05/05 23:28:28 9+7oVMxD
その方々戦火に巻き込まれなくてよかったぜ
と思って戦時中幼なじみよくね?と思った
まあ書き手に相当のレベルが要求されるけど

238:名無しさん@ピンキー
10/05/06 00:03:16 b/DCbd5s
戦乱で離れ離れになった時期があるとより一層絆が深まりそうな気がする
まあ…男の方は腕か足が1本無くなってたり手榴弾の破片が当たって子供作れなくなってるかもしれんが…

239:名無しさん@ピンキー
10/05/06 00:49:18 t7XNfk4g
女だって占領地になったらレイプされたりするしな。

240:名無しさん@ピンキー
10/05/06 01:25:17 qkQVuVi7
ベルリンに住む少年少女の幼馴染とかいいな。
1945年のソ連侵攻を何とか無事乗り越えて、暫くは東西ベルリンを行き来してたものの、1961年の壁建設を境に会えなくなってしまう。
時は流れ、中年になった2人はベルリンの壁崩壊によって30年ぶりに再会を果たすのであった…・・・、みたいな。

241:名無しさん@ピンキー
10/05/06 01:41:18 Du5nyicl
普通に20~25歳くらいが理想だな

242:名無しさん@ピンキー
10/05/06 01:52:26 dhngpwVK
WW2のベルリンと言えば、某怒りの日のドラマCDで、
戦争に勝つ為に魔道に手を染めて不老になった幼馴染みの少女を殺す為に、
対立する組織の幹部になって少女と50年振りに対峙した男が出てきてたな。
まあ最後には少女に殺されたが。

243:名無しさん@ピンキー
10/05/06 06:48:05 eqJyC6pO
幼稚園から中3までずっと一緒だったけど
告白出来ず相手は東京に引っ越しちゃって
離ればなれに。そしてその後東京の大学で
その幼馴染みに偶然再会し告白して結婚した
俺の兄貴

244:名無しさん@ピンキー
10/05/06 13:26:48 rLwmPfUu
>>262
此処に出したからにはちゃんと取材してSSにしてくれるんだよな?
楽しみにしてるぜb

245:名無しさん@ピンキー
10/05/06 14:45:58 sEHbKxmg
>>259
1945のベルリンへのソ連侵攻って、たしか多くのドイツ婦人がソ連兵にレイプされたんだっけ……
へたするとNTRものに

246:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:06:23 Nvk4pFcf


ずいぶん前からあたためておいたやつだけど、私は遅筆なもんで間が空いてしまうかもしれません。
というかまず需要あるかわからないけど、勇気出して投下してみます。




いまから4年前の初夏のことである。それまでの鬱々とした天候と対照的に、やたら蒸し暑く、やたら蝉がうるさかったのを覚えている

その日、母から周太郎は、入院中の祖父へ見舞いへ行くために、午前の部活が終わった後病院へ来るように言われていた。
祖父は先週末自宅で倒れてから入院しているが、大事ではないと言っていた。

案内された、祖父のいる病室にはいると、母の千代が祖父をしめあげていた。
比喩でなく、本当に締め上げていた。周太郎をこの部屋まで案内した年配のベテランらしいナースが慌ててとめに入る。
「ふ、古谷さん!何をなさってるんですか!病人ですよ!」
「そんな簡単に死ぬタマじゃないわよ、この人は。」
そういうと祖父の紺色のセーターの首もとをさらに締め上げた。
「ぎ...ぎぶ、ぎぶ。」
「それじゃあこのお金は預かっておきますね。」
何事かと思ったら、祖父がどうやら病室で酒を隠し飲んでいたらしい。
祖父は切ない顔だった。
母は祖父の財布をかばんにしまい、カップに半分ほどのこった酒を流しにぶちまけた。そうとう怒っているようである。
「ナースさん。お義父さんちゃんと安静にさせてくださいって言いましたよね、たしか。」
「すす、すいませんんん。ま、まさか、こんな意味だったなんて...」
「そうですか、ならこれで問題ないと思いますけど。」
「はいいい」
そういうとナースさんは逃げるように退室した。ベテランというのは、きのせいだったのだろうか・・・。
周太郎が呆れてみていると、俊治が彼を呼んだ。
「周太郎、こっち来い、梅干くれてやる。」
正直梅干はあんまり食べたくなかったが、どうやら話があるらしい。さっきまで虐待されていた手前、無下に断るのは気の毒に思えた。
「お義父さん、なに吹き込むつもりですか。」
「人聞きの悪いことを言うんじゃねえよ。俺はただ二人で梅干食いたいだけだよ。ほら、でてったでてった」
母がジト目になった。このままでは埒が明きそうにないので、周太郎は「わーい、うめぼしだー」と間の抜けた声を出す。
すると病室に静寂が訪れた。周太郎は激しい後悔の念を覚えた。
「・・・・よーしよしよしよしよし、ほら、梅ちゃんだぞー」
傷口に塩を塗りこまれた感慨だった。
いつも食べるものより幾分梅干はすっぱかった。手厳しい味だった。
「・・・仕方ない、私はこれで帰りますよ。そろそろ佳苗も帰ってくるんでね」
どうやら母は折れたようだ。

247:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:07:04 qxrr8XXv


「あ~あ、寂しい老人の最後の趣味とるなんて、人間のやることじゃねえぞ。」
そういってかりかり、梅を食べた。
「どうやって酒なんて持ち込んだのさ。」
「昼食の後片づけやらで看護婦たちの目が薄くなってる隙にな、チョイチョイっと」
周太郎は呆れてものもいえなかった。


「・・・・一応お見舞いってことだから聞くけど、体のほう大丈夫なの?」
祖父は口を開きかけて、閉じた。周太郎は言葉を待った。祖父のその表情は、周太郎は以前に見たことがある気がした。
不意に、焦りや不安に似たざわつきが胸中に広がる思いをした。
「まあ、酒なんて盗み飲みしてるぐらいだから、心配なんて杞憂か。」
「・・・ああ、心配ない」
祖父は窓の外を眺めながらカリカリ梅を食べている。周太郎も倣って、食べかけのカリカリ梅をかじった。あまり味がしなかった。
長い間が訪れた。窓の外で、緑がざわついた。
周太郎は、何か話さなければと不意に思った、この沈黙が、恐ろしく感じられたから。


「それでさ、話って、なんだろう。」
「・・・ああ、それはな、つまり・・・道場のことでだ。」
当時祖父が師範を務めていた金井剣道場は、俊治の父が開いたらしく、細々と続いていた。
当時は正直、繁盛しているとはいえず、門下生は少なく、特に若年層が少ないのが痛かった。
周太郎が思うに・・・祖父には悪いが、そんな中で続いているのは、地域の小さな遺産としての意味合いが強いのかもしれない。と彼は思っていた。

「まだ中学生のお前に決定させるのは不本意だが、こういう事が起きちまったもんだし、意思だけでも聞いておきたくてな。継ぐか、継がないか。どう考えてる」

不安が確信へ変わろうとしていた。

いつかこういう日が来るだろうと思っていた。だからそのことについては頭の片隅に常に置いておいて、考えることも多かった。
しかしそれは、予想していた時分よりあまりに想像以上に早く来てしまったと周太郎は思った。
「まあ俺は孫だけども、俺より、千里が適任だと思う。じいちゃんもそう思うんじゃない?」
「そうか。・・・そうだな。」
夏の緑葉とその、・・・・死を待つある老人の横顔、現実感のない風景だった。口の中に残った梅干の酸味が妙に印象に残った。

それから一週間後、祖父は蒸発した。病院で、昼時の目が薄くなっている時間帯に消えた。
それからもう二年がたつが、祖父の消息はいまだにつかめない。ちょっと酒買ってきたんだよと、いつかひょっこり帰ってきそうな気もする。
そう思うたび周太郎はあの寂しい病室を思い出す。

248:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:11:10 qxrr8XXv

昼休みになって、周太郎は弁当箱を空けて、そしてふたを戻した。
鴨だ。鴨鍋の香ばしいにおいがした。惜しむらくは油が浮いてしまっていることだろうか。
今日弁当箱を受け取ったときから、嫌な予感はしていた。
母の誇りのために言っておくと、昨日の鍋の時点ではうまかった。
このまま頭を抱えているわけにも行かないので、腹を決めて周太郎は汁をずるずるすする。

「じじくさいぞ。お前学生じゃないだろう」

「玄人っぽいだろう」
「いや、そうでもない」
深いため息が出た。
「そういえば、先週末の、どうだったんだよ」
「準決勝で敗れたらしいぞ」
「・・・また佐藤は出なかったのかよ、部長なのに」
「・・・私だってやりたくてやっているわけではないんだって」
「佐藤が出れば少しは違っただろうに」
苦い顔を作ってうう、と唸った彼女は、それには答えずに飲みかけの鴨汁に手を伸ばすと、少しすすって、やはり同じようにため息をついた。
「はあ、どうしたもんかね」
そのしぐさはどう見ても学生ではないようだった。彼女のように才ある人間でも悩むんだなと思った。
俺と彼女の違いは、悩みのためにそこに留まるか前進するかだ、とも思った。

結局、道場は千里が継いだ。
彼女の腕は相当なもので、彼女は中学の部活動で全国で争い、準優勝という快挙をうちたてたものだから
金井家の血を流していない彼女でも、千里本人を除いては、周囲の誰も反対しなかった。
そういうわけで、彼女は現在の高校の剣道部では、二年生になったとたん半強制的に部長の役を充てられた。

対して周太郎は、高校に入って剣道をやめた。絶賛帰宅部である。そういう手前、周太郎は中学のときより千里が、引け目もあって、さらに恐ろしく感じられた。
そして、そういう自分を周太郎は心底嫌いであった。


帰り道は、人通りの少ない裏通りを抜ける。
もう冬が近く、まだ5時なのにあたりは薄暗かった。自転車の規則正しいペダルのきしむ音を聞きながら
ふと思いついて、回り道だが、昔よく二人で通った駄菓子屋に向かったことがある。
ついてみると、入り口のシャッターが閉まっていた。
閉店時間だろうか、いや、そうでないことは明確だった。二階は柱や梁がむき出しになっており、作業中につき立ち入り禁止の看板があった

この駄菓子屋は近々消えてなくなるだろう。昔とは変わったことを知った。
町の休憩所だった駄菓子屋も今は廃れ、途絶えそうだった金井家の道場は彼女が師範(代)になってから若い入門生が増えた。

小学生のころは、無心で竹刀を振り合ったのになあ。

立ち入り禁止の看板が風にあおられてぱたぱた揺れた。街灯の明かりが不規則に点滅を繰り返した。
かっこつけて、That's my soul up there.と呟いてみたが、風の音にかき消された。柄じゃないか。

249:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:12:42 qxrr8XXv

蒸し風呂のような教室で、待ち焦がれていたHR終了を告げるベルが遂になった。
周太郎の担任の青山は、
「じゃあ、そういうことだから、計画的にすごすんだぞ~」
と言い残してさっさとクラスを後にした。
一人だけクーラーの効いた職員室に逃げ込む算段だろう。だがよい。明日から俺は夏休みなのだ。それくらいは大目に見てやろう。

「おい、周太郎。顔。」
千里が怪訝な顔でこちらを見ている。
「?え?」
「ニヤニヤしてて気持ち悪い。」
「まあまあ、大目に見てくれよ、夏休みなんだし」
「その夏休みも、どうせ隠居するんだろう?」
そう言って、なにやら周太郎のかばんをあさり始めた。
「いやまあ、特別予定とかはいってないから・・・てか、なにやってんだよ、あさるなよお」
この間のテストとか出てきたら洒落にならないので周太郎は焦った。
「何だよ、ちゃんと持ってるじゃないか」
そういって取り出したのは周太郎の携帯電話だった。
「ん、あれ?・・・って、電源切れてるし・・・お前・・・」
千里の表情が、哀れむような表情に変わっていった。
「携帯なくても、いつも困らないの?」
「いや、あんまり...メールこないし。てか、あの、帰っていい?そろそろ」
千里が頭を抱えはじめた。俺が抱えてえよ、チクショウ。
「・・・・やっぱ可哀想だから言っておいてあげるよ、あした7時半に○▼駅集合だかんね」
「え、何、なんで?朝?」
「ほんとに何も聞いてないのか...沖縄いくんだよ。このクラスお前以外ほぼ全員行くんだぞ」
なんということだろうか。非公式の修学旅行が組まれていたことも驚きだが、そんな巨大なイベントにかすりもしなかった周太郎もなかなかである。
「なんと、そ、それは・・・いやしかし・・・俺の、俺の虎の子500円玉貯金なら・・・!」
「あわせて参加費13万だけどどうする?」
周太郎は死んだ魚の目になった。
「冗談、スポンサーがついてるよ」
「すぽんさー?」
「日比谷さん達。あの双子なんか連れてってくれるみたい。」
周太郎は唖然とした。
以前から、あの姉弟はセレブと聞いていたが。
「そういうレベルだったんですか?」
「そんなのも知らないの?だって、聞いたことない?日比谷製薬って」
CMで聞いたことあった。さんざんあった。
「でもうちのクラス、30人くらいいるぞ。一人13万として・・・よ、よんひゃくまん??」
「いや、あっちは年商5000億の大企業の子息だからな。はした金だろう、そんなの」
身近にそんな別世界の人間みたいなのがいるとは思っても見なかった。
「そんならもっとお近づきになっとけばよかったぜ・・・」
「そんな邪念すぐに見破られるわよ。特に、お姉さんの方、そういうの嫌いみたいだし。」
まあ、ただの帰宅部が、そんな別世界の彼らと親しくなれるとは到底思えなかった。

「じゃあ、明日、寝坊するなよ。まあ、空港まで貸切バスだから、多少は待ってくれるだろうけどさ」
「おう」
言い残してさっさと教室を出て行った。出て行かれて気付いたが、携帯返してもらうの忘れた。まあいいか、メール来ないし。ちくしょー。

250:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:22:21 qxrr8XXv
とりあえず投下終了です

やばい、後悔してきた。寝ます。おやすみ。

251:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:37:59 gxAEMIWF
>>265-269
乙です!!
続き待ってますお

252:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:45:53 2heJOPqU
逃がさん…逃してなるものか…
TU・DU・KI!TU・DU・KI!

253:名無しさん@ピンキー
10/05/07 17:49:15 5sLvCrxE
ケータイ繋がらなきゃ学校で口頭でも連絡取れるだろうに。
前日まで旅行のこと知らせてもらえないなんて、よっぽどハブられてたんだな……(:_;)


254:名無しさん@ピンキー
10/05/07 23:18:07 WfkhT+mP
ハブられてるのに気にせずに旅行について行くとかすごいな

255:名無しさん@ピンキー
10/05/07 23:26:14 kwbv+4DI
GJ

なんという俺……!
何故俺には幼馴染みが居なかったのだろうか……

256:名無しさん@ピンキー
10/05/07 23:32:12 UCCEV7vw
幼稚園の時は大岡裁きになるくらいモテてたというのに

257:名無しさん@ピンキー
10/05/07 23:56:20 2heJOPqU
今頃周りの奴は「千里の奴何教えてんだよ…黙っとけよ…」って思ってんだな

258:名無しさん@ピンキー
10/05/08 00:16:59 znSWQKYu
>>276
可哀想過ぎるw

259:名無しさん@ピンキー
10/05/08 00:46:38 TMgrGdG/
千里がクラスメートに「あたしが誘うから」とお願いしたんだと妄想する
そうでなきゃ主人公が可哀想過ぎる

260:名無しさん@ピンキー
10/05/08 01:04:29 8stxPnWX
つまりまわりは千里の思いを知っているのに
主人公はそんなことはつゆ知らず、それどころか劣等感をいだいているわけですね

261:名無しさん@ピンキー
10/05/08 01:54:59 8FP92yA2
不良…というか一匹狼の孤高系少女が好きだが、
幼なじみに繋げられなくて俺は筆を止めた。
やっぱり思いつきって無理があるな…

262:名無しさん@ピンキー
10/05/08 02:21:12 PemG9flf
>>269ですが、訂正します
×「ほんとに何も聞いてないのか...沖縄いくんだよ。このクラスお前以外ほぼ全員行くんだぞ」
○「メールくらい見ろよ...。沖縄行くんだぞ、てかこのクラスお前以外ほぼ全員行くんだからな」

私の脳内では千里→周太郎に、事前にメールしてある、という状況だったんですがそれを説明する文が抜けてました。
決してハブられていたわけではないんです、そこんとこよろしくお願いします。
読んで頂いた方々や、保管庫の管理人さんにはとても迷惑かけます、すいません。
保管の際、煩わしかったらこのままでもかまいません。てか保管しなくてもいい位です。

263:名無しさん@ピンキー
10/05/08 02:26:29 XVsR+ePR
良かった…ハブられた奴はいなかったんだ…
てかそんなに卑屈になるなよ、もっと堂々としろよ、続き待ってるぜ

264:名無しさん@ピンキー
10/05/08 03:22:42 aKcHcqCW
>>279
女の方が才色兼備で交友関係も広い
男の方は仲の良い奴もおらずコンプレックス全開なのは萌えますね

>>281
むしろ次回の投下を楽しみにしている。

265:名無しさん@ピンキー
10/05/08 07:24:36 m35OWT0Q
>>283
でも実はある層からはひそかに人気な男を見てやきもきする女ってのはまさに至高ですね

266:名無しさん@ピンキー
10/05/08 13:49:50 meIAlu8E
>>281
面白い作品なのでちょっとしたミスは気にせず続けてほしい。

267:名無しさん@ピンキー
10/05/09 01:43:32 7bM8uvkx
>>284
男は勿論自分に好意を寄せてる連中が居るなんて思わず、女と交遊関係のある男連中への嫉妬を募らせてるんですね
で女のほうは女のほうで自分に卑屈な態度を取る男を見て、自分は嫌われてるんだとか
何か自分は男の気に障るような事をして怒らせたのかと、こちらはこちらで落ち込んでたりするのか

268:名無しさん@ピンキー
10/05/09 02:29:25 ONnDPJvk
>>267
佐藤って誰?

269:名無しさん@ピンキー
10/05/09 13:41:10 muntzccM
B作だよ

270:名無しさん@ピンキー
10/05/12 01:17:06 13J7RxPw
グラビアアイドルな幼なじみ

271:名無しさん@ピンキー
10/05/12 04:11:22 R08X69Nx
思春期あたりから彼女の肉体が美しく成長していくのにドギマギしちゃって
そしたらスカウトかオーディションか何かに引っかかってデビューする事になって

…うーん。後は「彼女がグラビアアイドル」と同じパターンになりそうだ
幼馴染ならではの要素が何か無いだろうか…

272:名無しさん@ピンキー
10/05/12 04:12:35 jipdheeS
ポーズレッスンのお手伝い

273:名無しさん@ピンキー
10/05/12 14:55:22 vx5iZouF
(何でこんなにも平然としてられるのよ!撮影の時は絶対しないあんなポーズやこんなポーズまでしてるのに!)
(うーん…世間一般的にはエロいポーズしてるんだろうけどなーんかそういう目で見れねーんだよなぁ、コイツの事)

274:名無しさん@ピンキー
10/05/12 17:09:09 rdr+GpiK
>>292
女の子カワイソスw

275:名無しさん@ピンキー
10/05/12 21:58:15 DgDBSRno
>>290
今まで四六時中一緒だったのに、仕事で一緒にいられない時間が増えたとか
幼馴染の席だった男の隣に、仕事で忙しい幼馴染に取って代わろうとする他女が出てきたり
昔からあいつ可愛かったしなぁ。俺なんて・・・みたいな劣等感にさいなまれる男とか
昔から何かにつけて男に負けてばっかで
どうにか男に勝ちたくてアイドルになって有名になって男を見返したかったけど、結局男の近くが一番よかったと気付く幼馴染とか

使い古された王道だからこそ、安心してキュンキュンできるんだと思うんです

276:グラビアアイドルではない幼なじみ
10/05/13 00:16:58 h+fMn52B
「どれ、お前ちょっとこのポーズやってみ」
「は? なに言ってんのあんた」
「ほら、これだって。グラビアっぽくさ」
「というか幼馴染の前で平然とエロ本開くのはどうかと思うわよ」
「エロ本じゃないし。水着着てるじゃん」
「さようで。……で、どうしようっての?」
「いや、お前ってガサツじゃん」
「あら、いきなり失礼ですこと。これだから唐変木は困りますわ」
「はいはいわろす。でだ、そんなお前にもほぼ唯一といって良い長所がある」
「というと?」
「その無駄にエロい体つきだ!」


「……痛いんだけど」
「あんたの石頭を殴るこっちの身にもなりなさい」
「それはさておき」
「さておくな」

「実はこれは佐藤から借りたんだ」
「いや、べつに誰のモノでも良いんだけど……」
「まぁ話を聞け。佐藤やら安田やらが言うには、この娘が今巷で大人気らしい」
「あー。そういえば雑誌の表紙とかで時々見るかも」
「で、奴らが『うちのクラスの女どもでは足元にも及ばない』とか言うから」
「うんうん」
「お前のほうがエロいし可愛いと言っておいてやった」
「可愛いはともかくエロいは余計」
「しかし奴らの目は節穴だった」
「何て言ってたの?」
「『スカートの下に短パンはない』『うるさい』『目薬貸すぞ』と散々だった」
「…おのれ……」
「俺は悔しい。幼馴染の乳尻太股にかけて、俺は断固戦わねばならない!」
「嬉しいような哀しいような……」

「だからこのポーズを」
「お断り」


「大体、裸くらいもうなんども見てるでしょ」
「ロマンなんだよ、ロマン……」
「顔を埋めながらしゃべるな。くすぐったい」
「戦いのあとはこうして憎しみを追い出すんだ……」
「起きたら窒息とかやめてよね。今日は戻んないの?」
「明日休みだし外寒いし雨だし眠いしもうねる」
「ものぐさめ。―じゃ、電気けすね」

「もうちょっと寄れないの?」
「これ以上寄るとまた落ちるから勘弁して」
「せまいなぁ、もう」


277:名無しさん@ピンキー
10/05/13 01:12:33 1iJdIn/l
>>290
らしいシチュエーションかぁ。なんだろ…
ハズいから自分が出てる雑誌とか買うなって言われたりすりゃいいのかしらん

>>295
GJ
息のあったいい関係でgdgdなやりとりにワラタ

278:名無しさん@ピンキー
10/05/13 03:18:12 TO1WRAYO
>>295
ちくしょうなんつーかもげろ

279:名無しさん@ピンキー
10/05/13 16:36:24 w1JNVatd
ヤマトくんとあおいちゃんって四コマに萌えた。
女の子が食い気しかないっていうのが可愛い。


280:名無しさん@ピンキー
10/05/14 02:28:38 Bs27l978
おいおい、あおヤマって多少四コマ雑誌読む人にとっては有名作品だろw

四コマ雑誌の格付けって、
タイム・タウン>>タイスペ>>その他で、
掲載漫画の扱いも
おとぼけ、クレしん>>ラディホス、かりあげ>>ひまじん、朝倉さん>>その他大勢みたいな感じだけど、
あおヤマとかはこいり良品の扱いは凄まじく数のあるその他の中でもだいぶ高いよw
特に前者はタイムジャンボ掲載だけど、ジャンボにしては珍しく作者有名だし

281:名無しさん@ピンキー
10/05/14 22:51:49 ll3lxLRW
おっとそこまでだ。
それ以上は評議会を召喚してしまうやめるんだ!

282:名無しさん@ピンキー
10/05/15 15:36:48 vNCFfLuu
俺の幼馴染みがこんなに可愛いわけがない

283:名無しさん@ピンキー
10/05/15 15:41:17 651/pPFf
>>269ですが、
音を立てず投下

家は7時27分に出た。
ちなみにうちは、駅まで自転車で約10分となかなか好条件な物件である。
それを6分に短縮したという点だけは評価していただきたい。
どういうことかというと、周太郎は七時半の集合に案の定遅刻したということである。

緩やかな傾斜の坂を必死にこいでいると、坂の上の駅前のバス停に、みんなが集合しているのが見えた。どうやらこちらに気付いたようである。
中学から一緒の学友の大山に、「古谷、ねぐせくらいなおして来いよー」と叫ばれる。みんながどっと笑う。あー鬱だーちくしょー。
自転車に積んだ荷物を息も絶え絶え降ろしていると、千里に遅刻してきたことを揶揄された。
「昨日、遅刻するなと念押ししといたがやはりこうなったか。」
「夏休み初日だぞ、もっと寝かせてくれてもいいじゃないか。」
千里は笑って首をすくめると、振り向いてバスの入り口に並んだ列へ加わった。
周太郎も急いでそれに倣って加わる。すると周太郎の背後で、女子のくすくすという笑い声が聞こえた、慌てて寝癖を撫で付ける。
照りつけるような晴天を恨めしく思った。

「古谷君」
列に並んでいると、なにやら呼ばれたので振り向いてみると、日比谷智恵(姉)さんだった。姉さんと方とは同じクラスの図書委員ということで、多少面識がある。
別段、服装は他の生徒とは違いはないように思えた。髪型も、肩にかかる程度の長さで染めている様子もない綺麗な黒髪だ。
「あっ、どうも。・・・じゃなくて、遅れて申し訳ございませんでしたっ。」
周太郎は深々と頭を下げた。その下げた頭が寝癖だらけのことに気付いて、より鬱になった。
「いえいえ、いいんですよ。頭を上げてください。実際遅れたの三分だけですし。」
「・・・すいません、俺、旅行のこと知ったの昨日だったもんで・・・」
日比谷さんが口元を抑えて笑う。確かに、こういう動作ひとつとってみても、とても上品に思えた。
いや、考えすぎか、どうも昨日の今日で、品定めするような目つきになってしまう。
「ということは、もしかして、昨日まで私の家庭事情も知らなかったんじゃないですか?」
「はあ、・・・恥ずかしながら。」
「図書委員で一緒に随分、作業しましたのにね?」
なんだろう。責められているのだろうか。
「すいません申し訳ありません。」
さっきより腰を鋭角にして謝った。
また日比谷さんがうふふふ、と上品に笑った。
「いいえ、私、古谷君のそういうところ好きですよ。」
どうやら図らずも親しくなれていたようである。
自分の謝罪スキルにちょっと得意になって、そんなこと得意でどうするんだと我に返った。でも、悪い気はしなかった。
多分謝られるよりは謝るほうが気が楽だろう。

284:名無しさん@ピンキー
10/05/15 15:43:19 651/pPFf

バスにゆられて2時間半、その後成田空港で沖縄行きの飛行機に乗り、むこうに着いたのは午後2時だった。
大山が、「海じゃーっ」と叫んで走っていく。その後を何人か男子どもが笑いながらついていった。なんだこいつら、初日から海入ったら残りをどうすごせばいいんだ。観光か。
周太郎は、二日連続で観光地めぐりなんかされたら退屈で気が狂うと思った。
「初日から海入ってどうすんだよ~」
なにやら同じ考えの野郎がいるなと思ってみてみたら、日比谷祐(弟)だった。弟のほうとはあまり面識がない。容姿は姉に似て端整だったが、ぱっとみて、服装はジャージ姿でずいぶん印象が違う。
とても大企業の息子とは思えない。
「日比谷(弟)は海、嫌いなんですか?」
「弟って何だよ、弟って。戸愚呂じゃないんだから、祐でいいよ。海、嫌いじゃないけど、残り二日観光地巡りだったら先かえろうかなと思ったんだよ。」
どうもこやつ、俺と似ているぞ、と思った。というか姉と印象が違いすぎると思った。なかなか衝撃である。
「じゃあ、もしそうなったら一緒に帰らせてください」
「おう、ファーストクラスで帰しちゃる」
なかなか面白い双子である。


結局、女子の強い意向もあって、初日はホテル付近でお買い物兼時間つぶし、ということで落ち着いた。
彼女ら曰く、まだ心の準備ができてない、だそうだが、大山は、俺はいつでも受け入れる準備はできてるぜ、と言って回っていた。
女子に罵倒されるヤツを見て、黙ってればいい男なんだから、それがなければもてるだろうに、と毎度毎度ひそかに思う周太郎であった。

宿泊予定のホテルの付近は繁華街の一角で、ずいぶん回りには観光者向けの店舗が並んだりしていたから、ほとんどは食べ歩きやら買い物やらに興じていた。
実際ホテルに留まったのは数人なものだ。で、当然周太郎もその中に含まれているのだが。
周太郎は、その中に日比谷(弟)もいた事を意外に思った。
「祐は、外、行かないんですか?」
「う~ん、そんな腹すいてるわけでもないしなあ、めんどくせーし」
周太郎も似たようなものだ。
「でも、集合時間の7時までまだ結構あるよ。どうします?」
「そうなんだよなあ、あ・・・トモからだ。」
携帯を開いて、なにやらメールを打ち出した。トモとは恐らく日比谷(姉)のことであろう。彼らは性格は対照的だが、いやその分だろうか、どうも仲がよろしいようだ。
「なんか、近くにカラオケがあって、そこにいるらしいから、こっちこないかだって。行く?」
「俺呼ばれてないんじゃないですか」
「いいんだよああいうもんは人数多いほどいいんだから。」
昔、血迷って一人でカラオケとか行っていたことは絶対隠そうと思った。
「そっかーじゃあ向かってみるかな」
「あちょっと待て、俺やめとくからいってらっしゃい」
言いつつ、さきほどの返信を読んでいる。
なんだこいつ。・・・まあしかし、外に出るのが面倒だからここにいるわけだしなあ。
「あ、やっぱ行く。行く。ほら行くぞ。」
転じて突然乗り気になった、なんだこいつ。


285:名無しさん@ピンキー
10/05/15 15:44:17 651/pPFf
言われたカラオケ店の部屋へ向かってみると、扉の中からなにやら聞きなれた歌が聞こえた。こんな歌知っている人間は周太郎の知る限り一人くらいだった。
案の定、千里がポリスを熱唱していた。他に数名いたが、みんなあっけにとられている。
「あ、祐君!ちょっと、ちーちゃん凄いんだよ、さっきなんか90点台だしたんだからね!」
日比谷(姉)さんは、なにやら興奮気味に弟に話し出した。ちーちゃん、とは千里のことだろうが、どうも仲がよろしいようです...。
そっと千里の隣に座って、ながれていく歌詞を読んだ。千里の歌唱力は前々から知っていたことだったが、周太郎は、何度聞いても、やっぱうまいなあ、と思ってしまうのだった。

歌が終わってみれば、予想通り、高得点なわけで、周囲からも拍手喝采なわけで、そんな中で俺にマイクパスするなんて、嫌味か。
しかしよかったのか、悲しいのか、皆興奮冷めやらぬ様子で、周太郎を誰も気に留めてはいない。
「佐藤さん、洋楽好きなんですか?」
祐が言った。千里は、「いや、もとはコイツが好きで、それで好きになったんだけど。」と周太郎を指差した。
皆の目線を感じる。不意に、智恵さんが、
「じゃあ、古谷君も、きっとうまいんでしょうね。ねね、歌ってみてよ、古谷君」といった。嫌味か。
「いや、俺、歌のほうは全然だめなんです。からっきしなんです。暖簾に腕押しなんです。(?)」
「あれー、周太郎さん?前一緒に行ったとき、散々歌ってたじゃないですかー。」
千里が言った。心なしか嬉しそうにだった。ジュースならいくらでもおごってあげるから、正直勘弁してほしかった。
「いや、・・・あの時は、若かったのです、青かったのです。」
必死にしどろもどろになって弁解していると、千里が勝手に歌を送り始めた。
送ったのはクラプトンのblue eyes blue、だからってなんでよりによってそんな厳しい選曲を、恨みでもあるのか。
前奏が始まって、周太郎は覚悟を決めた。


「いやー、佐藤さん、すごいうまかったねー」
カラオケが終わって、ホテルへの帰り道、同席していた女子がいった。他の皆もうなずいたりして肯定の意を表したが、すぐに重苦しい雰囲気があたりを支配した。
あることについて話題が行くことを恐れているのは誰の目からも確かだった。
特に、智恵さんなんかは責任を感じてか、今にも泣きそうな表情だった。それを見て、むしろ周太郎が責任を感じた。
結果から言えば・・・いや、言うまでもないことです。


夕食は宴会会場で予定されており、組の全員が入ったのちでも、加えてあとその2倍は収容できるくらいの広さだった。
出てくる料理にいたっては、周太郎は食べながら不安になるほどの絶品だった。
つい癖で出てくる料理のおおよその値段を測りながら周太郎は、これは一人13万じゃきかないな、なんて思ったりした。
この旅行を知ったときから思っていたことだが、一体あの双子はどういう意図でこの旅行を企てたのだろうか、もし級友というだけで招待したのなら、人間としてできすぎだろう。
生徒たちは相変わらず食事を楽しんでいる。
「おい、周太郎、そのホタテ食わんの?食っていい?」
そういっておきながら大山は、周太郎の了承を待たず皿ごとほたてを奪いだした。
「ああ、いいよ別に」
「え?ほんとにいいの?無理すんなよ、うまいんだぞこれ」
許可をもらえるとは思ってもいなかったのか、なぜか焦りだす大山。
「・・・なあ、大山、この旅行、どう思う?」
「すはらしいでふ」
ホタテをもっしゃもっしゃしながら幸せそうに言った。
「まあ、それはそうなんだが、・・・なんであの姉弟は、ここまでしてくれんだろうとか思わない?」
「はあ?」
「裏があるとか」
「そういう人間に見えるか、あいつら。」
別段親しいわけではないが、確かに、彼らの印象は、そういったものとはだいぶ異なっていた。
「考えすぎだろお前~」
大山の言うとおり、取り越し苦労なのだろうか。

286:名無しさん@ピンキー
10/05/15 15:44:54 651/pPFf
終了です

287:名無しさん@ピンキー
10/05/15 15:57:18 zKEbskCJ
一番槍GJ!


288:名無しさん@ピンキー
10/05/15 21:41:57 0tlVfOEl
超GJ!

289:名無しさん@ピンキー
10/05/15 23:57:13 C+mq99ys
>>302-305

双子の姉は周太郎が好きなのか?

290:名無しさん@ピンキー
10/05/16 15:03:13 /UZznojh
なんか状況描写が中途半端で、妙に読み辛い。
期待したいけど、そこが残念。

291:名無しさん@ピンキー
10/05/16 18:36:26 I0FGbMxh
まだあまり幼なじみ的エピソードが語られてない感じがするのは、今後を楽しみにして待ってます。

292:名無しさん@ピンキー
10/05/16 21:02:49 +5xMvDr/
産まれた病院から幼稚園に小中高。
更には大学まで一緒だった幼馴染みと
結婚出来た俺勝ち組だな!
まぁ、もう居ないけどな…

293:名無しさん@ピンキー
10/05/16 21:09:59 06/gUgLm
イイハナシダナー

294:名無しさん@ピンキー
10/05/16 21:37:31 REDOWdrJ
良い話というか悲しみを背負って無想転生を習得した話のような気がする

295:名無しさん@ピンキー
10/05/17 01:00:47 BRetvGth
>>311
えっ?

296:名無しさん@ピンキー
10/05/18 02:58:06 pGizm74h
ロリっ子幼馴染みをなでなで責め

297:名無しさん@ピンキー
10/05/19 00:31:07 z8+syUVJ
てすと

298:夏の大天使
10/05/19 00:32:07 z8+syUVJ
セミの声がうるさい夏休み終盤の昼下がり。
「みーちゃん、ここわかんねんだけど」
せっかくの小学生活最後の夏休みだというのに、
「んー?どこー?」
遊びに行きもせず
「ここと、ここと、えー、ここから、ここまで」
みーちゃん家で二人っきり、
「全部じゃん!ふざけないでよっ」
あっつい部屋で勉強なんてものをやっている。
「イヒヒヒ」
「いひひなもんか!」
みーちゃんは目を三角にして怒りだした。よっし計画通り!
おれは毎日みーちゃんの喜怒哀楽の表情が見たくて見たくてしようがないのだった。
「ここは昨日やったとこでしょ!しっかりしようよもうっ!」
いつもはおっとり癒し系のボクっ子みーちゃんだけど、ここ最近はピリピリしてる。
だいたい小学生なのに受験勉強なんておかしいよまったく。
「夏休みの宿題はとっくにおわってるんだからさー、遊ぼうぜ~」
「なんのために宿題をはやくおわらせたとおもってるの!」

もちろんわかってる。わかってるけど、夏休みってのはやっぱり遊ぶもんだよなぁ?
「な~、ファミコンしようぜ」
「ダーメ。一学期までのよっちんの成績じゃ合格できっこないんだから、こうやって勉強しないと間に合わないんだよ?」
「わかってるけどさ、暑いんだもんよー。外行こうぜ。外のほうが涼しいよ。アイス買おうぜ、その後で勉強しよう」
「いいね、アイス…ってダメダメ!三時までは勉強の時間って決まってるでしょ!」
時計を見ると。げ、まだ一時半かよ。おれはわざとらしく背伸びをして、ゴロンと寝っ転がる。
「ちぇ~、最後の夏休みだってのに勉強勉強…やってらんねーこんなことよー」
ブツブツと文句を言い出す。七分くらいは冗談だ。三分は本音。
日常のコミュニケーションってやつ。あれ?レクリエーションだっけか。まあいいや。
「…でさーヨシオんとこ、昨日から熱海行ってるんだってよ。いいよなー」
バン!コロコロン
みーちゃんがちゃぶ台を叩いたせいで空っぽのコップが転がり落ちた。みーちゃん、本気で怒ってる。
「ボ、ボクだって、本当はよっちんと遊びたいよ。小学生最後だもん。いろんなとこ行きたいよ、
 でも今遊んだらこれから先、一緒に学校行けなくなるかもしれなくて、うぅ
 同じ中学で、また一緒いられるようにって、ボクだって、ガマンして。よっちん嫌がってるの、わかってるけど、でも、ぐす」
やばい。ちょっとふざけただけなのに、みーちゃんが泣きそうになってる。これは流石に想定外。


299:名無しさん@ピンキー
10/05/19 00:32:28 z8+syUVJ
みーちゃんは頭がいいから勉強なんてしなくても余裕で隣町の私立中学には入れるだろうけど、
夏休み前、おれの一言がみーちゃんに火をつけた。
 「おれもそこ、受験しよっかなー。みーちゃんと一緒の学校の制服、着たいじゃん。それにさ、あそこの制服人気なんだよ」
だってさー、中学校、別々になっちゃうかもねって寂しそうに言われたら。ボク、わざと落ちようかな…なんてつぶやかれたら、
言うしかないだろ、カッコつけて。
すっげえうれしそうにホント!?って言ったみーちゃんの顔、忘れられないなぁ。
で、みーちゃんは下から数えた方が早い成績のおれに、つきっきりで勉強を教えてくれることになったんだ。
まあ別に今までも宿題を一緒にやったり、というか写させてもらうくらいはしてたんだけど、まさか本気モードになったみーちゃんに
夏休みのあいだ中、一に勉強二に勉強、三から五までまた勉強って生活を強いられるとは思わなかった。
「勉めて強いる」と書いて「べんきょう」とはよく言ったもんだ。
おれのためにやってくれているのはうれしいけどさ。

「冗談!冗談だって!みーちゃん、泣くなよ。ゴメン、悪かったって」
「泣いてない」
ずずって鼻をすすりながら言われてもなぁ。
「だって泣いてるじゃんか」
「ないてなんかないよ!よっちんのバカ!」
「ご、ゴメン!」
バカって言われてカチンときたけれど、売り言葉に買い言葉でひどいケンカに発展させる程おれはお子様ではないのだ。
哀しそうなみーちゃんの顔も、それはそれでイイんだけど、やっぱあんま見たくないかな。素直に謝っておくのが吉だ。
…とまあそんな感じで再び算数の問題集にとりかかるおれ。みーちゃんの教え方が上手いのか、おれが元々天才だったのか。
この程度の問題なら楽勝で解けるようにはなっている。さっきもちょっとした息抜きのつもりでふざけたんだけど、
真面目なメガネっ子委員長のみーちゃんにはあいかわらず通じなかった。今回のさすがにはやりすぎたと反省。
カリカリ。カリカリ。しばしの間、みーちゃんの部屋には二人の鉛筆が走る音だけが響く。

「できたぜ」
「ふん、早いね。じゃあ答え合わせするから。みせて」
若干不機嫌なみーちゃんはおれの問題集をとると、黙読しだした。すごい勢いで目が走る。ページをめくる。
ていうかどんだけ問題やらせてんだよ。
することのなくなったおれは、みーちゃんを見ることにする。
…やっぱカワイイなぁ。透き通るように白い肌。メガネをとると青い瞳がすごく綺麗で、見つめられるとおれでも照れくさくなってしまう。
本人は気にしてるけど、クセッ毛の金色の髪が耳元やうなじでくるっと巻いていてまるで外国の絵に描かれる天使みたいだ。
みーちゃんのお母さんは元々はソ連の人で、ものすごい美人だ。日本にやってくる前はスパイをやってた。って冗談ぽく言うけど
007の映画にでてくる女スパイなんかは美人揃いだから、案外本当かもしれない。
今はみーちゃんのお父さん、あ。こっちは日本人ね。と一緒にうどん屋さんをやってる。将来はソ連にお店を出すんだって張り切ってる。
みーちゃんはお母さん譲りの容姿と、お父さん譲りの性格だとうちのオヤジは言ってる。
最初は子供なのにマセてるとか、ガイジンとかよくからかわれたりいじめられたりしたけれど、
好きな言葉は忍耐と臥薪嘗胆、尊敬する人は徳川家康という小学生なのに渋いチョイスなみーちゃんは負けなかった。くじけなかった。
いじめっ子にはきっちりケジメをつけさせ、その後で仲良く友達になった。仲の良い友達にはとっても面倒見がよかった。
みーちゃんの周りには人が集まり、クラスはおろか学校でも人気者だ。下駄箱にラブレターが入ってることなんてしょっちゅうだ。
苦笑しつつもみーちゃんは一通一通にごめんなさいの返事を書いている。その都度、おれはなんとも言えない気分になる。
あいつらはみーちゃん直筆の手紙が欲しくてラブレターを下駄箱に放り込んでいるのだ。まったく、困ったもんだ。
おれも幼稚園で初めて会った頃はみーちゃんをよくいじめてた。ほら、その。気になった子の気を引きたくてわざといじわるするみたいな?
でもある日小学生の悪ガキにからまれて困ってたおれを、みーちゃんが助けてくれて、まあ詳細は省くけれどそれ以来おれたちは親友になった。


300:名無しさん@ピンキー
10/05/19 00:33:06 z8+syUVJ
「よっちん、またぼんやりしてる」
みーちゃんの一言で我に返る。みーちゃんに見惚れていたら、うっかり時間を遡って思い出に浸ってしまった。
「んぉ?おう、悪い。どうよ。できてるだろ?」
「うん、全部合ってる。すごい。よっちん見る見るできるようになってる」
夏休み前はチンプンカンプンだった問題だって今ならこんなモンさ。みーちゃんは我が事のように喜んでる。
おれはみーちゃんの喜ぶ顔が見たくて頑張る。なんという素敵なスパイラル。
「そうだろう。おれはやればできる人間だからな」
照れ隠し半分誇らしさ半分で胸を張ってえらそうにしてみせる。
「うん、よっちんはできる。ボクうれしいよ、一緒に頑張ろうね」
みーちゃん、満面の笑顔。花が咲くようなっていう表現は陳腐だけど、他に形容する言葉をおれはまだ知らない。
「…」
やばい、胸が熱い。そんな顔されたら、そんなこと言われたら、ガマンできなくなっちまう。
「さっきは怒鳴っちゃって、ごめんね?家が近くでも、学校が違うときっと疎遠になるから。母さんはそんなことないって言うけど」
そんなモジモジとカワイイ仕草で、そんなこと言われたら、カラダが熱くなっちまう。
「ボク、よっちんと離れ離れになるの、イヤだったから、このあいだ、テレビでやってるの見て」
おれも見たよ。仲良しだった幼馴染が、ある日を境ににぱったりと会わなくなって、それで、ああ。思い出したくもない。
「不安になって、もしかしたらボクたちもああなるのかなって思うと、頑張らないと、もっと一生懸命やらないとって」
だめだ、もうガマンできない。またガマンできなくなった。おれはみーちゃんのそばに寄る。密着。
「…えっと、よっちん…?」
みーちゃんは一瞬ビクってなって押し黙る。
「一生懸命、何を、やるんだっけ?」
みーちゃんの耳元で囁く。耳たぶを甘噛みする。みーちゃんはまたビクってなった。鼻をくすぐるクセッ毛。
「よっちん、その、離れて…」
「離れ離れになるのがイヤなんだろ?だ・か・ら・ホラ、こうやって」
さらに密着。ふふ、顔が赤くなった。まあお互い様か。おれはみーちゃんの手に触れて、互いの指を絡めあう。
そのままおれの体重をみーちゃんにかけると、あっさりと押し倒せてしまった。


301:名無しさん@ピンキー
10/05/19 00:33:41 z8+syUVJ
おれはみーちゃんに馬乗りの体勢で跨ると、両手の自由を奪う。まあ力じゃおれに勝てないからな。背もおれの方が高いし。
「よっちん…ダメ、勉強しなきゃ…」
この期に及んでそんなことを言う。あいかわらず火付きの悪い炭みたいなみーちゃんに時計を見るように促す。
「な。もう三時十分だぜ。こっからはおれの時間だよな?」
「そんなこと、決めてないよ…」
「勉強、教えてくれたお礼だよ。」
「む、無茶苦茶だよ」
言いながら、みーちゃんの服の下に手を滑り込ませる。お腹をなぞり、乳首に到達。指先でちょっと掻いてやる。
「だから、おれにも勉強できたご褒美くれよ…」
おれのほっぺたが熱い。この熱をみーちゃんに分けてあげよう。みーちゃんのほっぺたの熱を分けてもらおう。
「だ、ダメだってば…」
からだをよじるみーちゃん。まだ抵抗するかコノ。物分りの悪い口をおれの口で塞いでやる。
「ンム…」
最初は啄むように。そしてだんだんと長く、深く。
「あふ…」
「あんっ」
「はぁ」
みーちゃんもノってきて、向こうからもキスしてくる。みーちゃんは舌や唇をなめるのが大好きなのだ。おれもだけど。
この体勢だと上手くキスできない。もっとキスしたい。おれは体をずらして全身をみーちゃんに密着させた。
服が邪魔でしょうがない。肌と肌で触れ合いたい。
お互いに抱き合ってちゅー。ためらいがちにおれの体をまさぐってくる。おれも負けじとみーちゃんのからだを触りまくる。
ああ、乳首はもう少し後で触って欲しいんだけどな。まだちょっと痛いんだ。
お互いのアソコはとっくにギンギンヌレヌレになってるけど、あえて触らない。さわらせてあげない。
息が荒くなる。窓、開けっ放しだから外に聞こえてないだろうかと今更そんなことが気になる。
しばらく続けているとみーちゃんがおれの耳元でこうささやいた。
「よっちん…もっと、しよ」
「…おう」
もちろんさ。
やっとこさみーちゃんに火がついた。
抱き合って、キスをしながら服を脱がせっこ。
お互い薄着だからあっという間だ。パンツはさすがに恥ずかしいから自分で脱ぐけど。

おれの目の前には素っ裸で立ってるみーちゃん。色、白いなー。なんで日焼けしないんだろう。
おれのほど生え揃ってはいないけれど、やっぱりというかみーちゃん、あそこの毛も金色なんだよな。
両手でモジモジと前を隠そうとしてるけど、おっきくなったおちんちんは隠しきれていないのがちょっと笑える。
「もうこんなにしやがって、みーちゃんはエッチだな」
「だって、よっちんが…その、ハダカだし…」
みーちゃんは恥ずかしくなってうつむいた。
「おれのハダカをみる前から、そんなだろ?」
「それは、その」
「みーちゃんのヘ・ン・タ・イ」
おれは一歩距離をつめてみーちゃんを抱きしめる。
「よよよ、よっちんだって、もうアソコがぐちょぐちょじゃんか!」
「ひぁんっ!」
みーちゃんの手が伸びて、おれのあそこをいやらしく撫でてきた。不意打ちとはずるいぞ。
思わず腰の力が抜けてしまった。


302:名無しさん@ピンキー
10/05/19 00:35:03 z8+syUVJ
ここまでかいた。
続きはまだかいてない。
タイトルは「夏の大天使」夏までにはかくよ。

303:名無しさん@ピンキー
10/05/19 03:24:29 fCVChYI6

よっちんなんというマセガキ
これは間違いなくベッドヤクザ

304:名無しさん@ピンキー
10/05/19 15:52:43 WN5nnvSI
見事に性別トリックに騙されたwww
よっちんが女の子でみーちゃんが男の子か!

305:名無しさん@ピンキー
10/05/19 22:32:14 AbrsK/SX
みーちゃんの本名はミハイルなのかな

306:名無しさん@ピンキー
10/05/19 22:59:23 TfG0jyli
みーちゃん女の子じゃないのかよ・・・

307:名無しさん@ピンキー
10/05/19 23:52:58 EjwqW1vR
みーちゃんにちんこ生えてるのがわかったときまさかのガチホモかと思ってしまった

308:名無しさん@ピンキー
10/05/20 00:22:03 oeOxxqxF
まだよっちんが女の子と確定したわけじゃないぞ

309:名無しさん@ピンキー
10/05/22 00:52:01 G197cGNS
じゃあふたなりで

310:名無しさん@ピンキー
10/05/22 01:11:55 TKVPoApq
つまんね。

311:名無しさん@ピンキー
10/05/23 05:15:23 PaW5F6o3
いつかみた男勝りが成長して清純少女になった話の続きが読みたい

312:名無しさん@ピンキー
10/05/23 11:54:53 cQ7FaFew
幼い頃活発→成長すると清純派
幼い頃はおとなしい→成長すると活発

このパターンも王道で実にすばらしいものがある

313:名無しさん@ピンキー
10/05/23 17:14:06 HioBcVrV
沖縄旅行でホタテ、かぁ…

支援

314:名無しさん@ピンキー
10/05/23 21:16:54 6bc+aGbO
>>332
南国の人が、北国の雪に憧れるようなもんじゃなかろうか。
あるいは、金持ち双子のわがままで、沖縄のホテルの人がホタテを取り寄せて難儀してるパターンか。

むかし、赤道付近にすんでいた金持ち双子は、そこより北に行けば(沖縄も、赤道からみたら北にある。)するとホタテはそこにあると考える。
カニがいっぱい、ホタテいっぱい。
っていう歌を聞いた。



315:名無しさん@ピンキー
10/05/24 14:26:39 ZTP4A/sJ
夏っていつ?6月なの?7月なの?

316:名無しさん@ピンキー
10/05/24 23:47:18 QeY41yJR
小さい頃引っ越して行った幼馴染みの女の子。
高校進学に伴って故郷であるこの町に帰って来た彼女は、変わらない笑顔で僕に微笑みます。
ただ一つ、昔と違うのは――



成長期に日本全国を旅した彼女は、気を抜くと各地の方言が飛び出してしまうのです。

317:名無しさん@ピンキー
10/05/25 00:22:34 8P38eH9C
それを書くのは言語学者並のスキルが必要だw

318:名無しさん@ピンキー
10/05/25 01:15:00 c/OP4AAZ
なんばしてんのん?

とか不思議な方言になるんだな

319:名無しさん@ピンキー
10/05/25 01:52:10 iNfrr24f
なんつーか幼馴染に自分の性癖をネタにいぢり倒されたい
しかもその幼馴染が自分の性癖に完全に合致した身体の持ち主で、
かつ幼馴染自身もその事を十分理解した上でだと最高
特に巨乳

320:名無しさん@ピンキー
10/05/25 09:45:51 CtgT18PU
ちっちゃい頃した結婚の約束を幼馴染に小中高とからかわれ、
未だ夕食の場でからかわれる、のコピペみたいな話だな

321:名無しさん@ピンキー
10/05/25 14:53:39 1L8s56KH
>>339
それを元にしたSSがあってだな……

322:名無しさん@ピンキー
10/05/25 21:35:58 HtTliadA
>>338
ぷりっぷりの桃尻を持つ幼馴染とな
何気ない日常の一コマでむらむらしまくりなんだろうなぁ
なんとなく寝巻きで部屋に来て服にぴったり張り付く尻とか。。。

323:名無しさん@ピンキー
10/05/25 23:40:40 3YlzlaUN
URLリンク(ikuzi2.blog73.fc2.com)

こういうのが心の底からうらやましい

324:おかえり 1/4
10/05/26 00:55:07 rS5Rld4m
「……ひろちゃん、久しぶり。」
「……おう。」

 俺は2年ぶりに言葉を交わした幼馴染にどんな言葉をかけていいのかわからず、
愛想のない返事を返した。
 そんな俺に対して、少し悲しそうな笑顔で彼女は笑った。

                   ◇

 俺とあいつは赤ん坊の頃から幼馴染で、家は隣、同じ小学校に通って、同じ中学に通って、
同じ高校にも通った。
 付き合っていたこともある。高校になってしばらくして、あいつの提案で正式に付き合うこと
にしたのだった。
 それまでも一緒に通学したり、一緒に勉強したり、一緒に遊びに行ったりもしていた。
 遊びにいくのがデートになって、たまにキスしたり、たまにセックスしたりするようになった。

 ただそれだけだった。

「今までと、なにか変わったのかな……?」

 彼女がそうつぶやいて、俺たちの恋人としての関係は終わった。

 俺たちはお互いについて何もかも知りすぎていた。生い立ちから始まって、好み、得意なこと
苦手なこと、癖、お互いの体のほくろの位置、傷跡のワケまで。なんら新鮮味がなかった。
 俺にはあいつとの関係の心地良さを気に入っていてそんなモノ必要なかったけど、あいつには
不満だったらしい。

 俺たちは高校を卒業して、初めて別々の大学へと進学した。
 そしてあいつは合コンで出会ったイケメンと付き合うことになって、卒業と同時に結婚して
専業主婦になった。

 結婚式には俺も招待されたけど、結局出席しなかった。
 あいつが不幸になることは望んじゃいなかったけど、でも他の男のためにウエディングドレスを
着て笑うあいつを見て祝いの言葉を口にできるほど俺の度量は大きくはなかった。

 で、まあ、俺は恋人を作ることもせず、地元の企業に就職してただあくせく働く日々を送っていた。

 それが、1月ほど前に突然あいつが隣の実家に戻ってきた。
 たった1年ちょっとで離婚したらしい。

 おばさんが家の母さんと話してるのをちらっと聞いた限りでは、相手の男が浮気してたのが
原因らしいけど、細かいことはよくわからなかった。

 俺はあいつと会ったときにどんな顔をしていいのか、何を話したらいいのかわからなくて、
1月の間、合わないようにしていた。
 昼間は会社、退社後も飲み屋で時間を潰してから帰った。

 でも今日、夜中にコンビニに出かけた帰りに道端でばったりあってしまったのだ。

                   ◇

 道端で立ち話もなんなので、近くの公園に場所を移した。
 子供の頃一緒に遊んだ小さな公園のベンチに腰掛ける。

「……」
「……」

325:おかえり 2/4
10/05/26 00:58:45 rS5Rld4m
 ……は、話づらい。
 そもそも何を話せばいいのか。

 昔は他愛も無いことでも色々と話し合えた。昨日ウチのかーさんが、とか、昨日のテストの
成績が、とか、まあ、色々。
 聞いていいこと悪いことの勘所も心得ていたから、話すのに困った事が無い。

 今はむしろ離れていた間の事とか、色々聞きたいことはてんこ盛りだが、どこから聞いたものか、
どこまで踏み込んでいいのか、さっぱりわからない。
 あれほど解っていたこいつの事が、解らない。2年の空白が、重たい。

「……聞いてる、よね。離婚したこと。」

 俺が話しあぐねてるのを察したのか、向こうから切り出してきてくれた。ちょっと助かった。

「ああ、母さんたちが話してたのはちょっと聞いたけど。」
「まだ離婚協議中なんだけどね。」
「旦那の浮気が原因だって聞いたけど。」
「うん。直接的にはそうかな。」

 そう言って、あいつはちょっとだけうつむくと、えへへへ、とおどけて続けた。

「凄いんだよ。浮気相手1人じゃなくて2人なんだ。」
「……それ、笑い事じゃねーだろ。」
「うん……ごめん。」
「いや、別に謝らなくても……で、直接的には、ってことは他にも理由があるんだろ。」
「うん。」

 あいつは1つ深呼吸して、俺に答えた。

「……ね、私たちが別れた時のこと、覚えてる?」
「ああ。付き合うようになっても、何も変わらない、だったよな。」

 ……今でもいやってほど強烈に覚えてる。
 つまり、つまんない、って言われたわけだ。

「私、子供だったんだなぁって思うよ。」

 つらそうな顔でそう言って続けた。

「あの人と付き合い始めてから、楽しかったんだぁ。
 毎日新しいあの人の良い所を知って、毎日驚かされた。それでどんどん好きになってったの。
 でもね、結婚してからあの人の嫌な部分もみえてきたんだ。
 ううん、恋人同士の時は欠点だと思ってみてなかったんだ。」
「……なんか、変な性癖があるとか。」
「あはは、そんなんじゃないよ。
 あの人ね、どんなことでも自分でてきぱき決めてどんどん先に進んでいっちゃうの。
 恋人の時はそういうところが男らしくて格好いいなって思ってた。」

 それは俺とは正反対……というか、こいつと俺との間には阿吽の呼吸みたいなものが合ったから、
いつもなんとなく二人で決めていたから、新鮮に感じたんだろうなぁ。


326:おかえり 3/4
10/05/26 01:00:09 rS5Rld4m
「でもね、夫婦になってからもそれは変わらなくって。
 彼、私に何も相談しないの。私がどう思ってるかとか気にしないでどんどん決めちゃうの。
 大事なこともそうでないことも、彼自身のことも私のことも、全部ね。
 私の知らないうちに勝手に決まっていっちゃう。
 それでね、私、彼に言ったんだ。
 夫婦って、そうじゃないと思う。大事なことは話しあって決めましょうって。」
「……それで?」
「……彼、私を見なくなった。ますます大事なことは何も話さなくなったの。
 自分が決めたことに口を挟まれるのが我慢できない質だったみたい。
 それでも、もしかしたらと思って我慢してたんだけど……ダメだった。」

 あいつはうつむいたまま目の辺りをこすっていた。
 涙をぬぐってたんだとおもう。

「私馬鹿だよね。自分を理解していて大事にしてくれる人を袖にして、自分を蔑ろにする人に
 ついて行っちゃうんだもん。男の人見る目ないね。」
「まあ、結果的にはそうかもなぁ。」
「でもね……実家に帰る事にしたとき、帰ったらひろちゃんが慰めてくれるかなぁ、って、
 勝手なこと思ってたんだ。」
「……」
「馬鹿だよね。自分をふった相手を慰めてくれるなんて虫が良すぎ。
 でも心のどこかでちょっと期待してたんだ。
 ……でも、いつも仕事だったり出かけてたりであえなくて。」
「……いや、その……実は、俺も会って何話していいかわかんなくて……避けてたって言うか……」

 俺がバツが悪そうにそういうと、あいつは俺を見てクスリ、と笑った。

「そういえばそうだったよね。喧嘩したりすると、ひろちゃんどんなふうに声掛けていいか
 わからなくて、私から話しかけるまでずっとダンマリだった。」
「そうだよ。俺は変なこといってお前を傷つけたくないから、いつも困ってたんだ。」
「そっか……ひろちゃんは変わらないな。」
「おまえだって変わってない。寂しがりで、甘えたがりなところは変わってないよ。」
「……だからひろちゃんに甘えたくて帰ってきたのかな。」
「そうかもな。」
「うん。ねえ……膝、貸してもらっていいかな?」
「へ?」

 俺が意味がわからず目を白黒させてる間に、あいつはベンチに寝っ転がって俺の膝の上に
頭を載せた。

「……これ、普通逆じゃね?」
「私が甘える側だからこれでいいの。」

 膝の上から俺を見上げて笑う。
 でも……こんなことででもこいつの気持ちを慰めることができるなら、まあいいかと思う。
 畜生、惚れた弱みか……

「それにしても私、これからどうしようかな……」
「働くんじゃないのか?」
「新卒じゃないと今時なかなか働き口無いでしょ? しかも就業経験もゼロだし。
 せいぜいパートタイマーぐらいかな。」
「そういやそうか。」

 こいつは大学卒業と同時に永久就職しちまったからな。
 まあ、永久じゃなかったわけだけど。


327:おかえり 4/4
10/05/26 01:05:15 rS5Rld4m
 ……うん? 就職?

「なあ、良い就職口1つだけ紹介出来るんだけど。」
「どんな仕事?」
「毎日俺の帰りを家で出向かえて、おいしい料理を作ってくれる簡単なオシゴト、かな?」
「……」

 あいつは頬が火照る俺の顔を下からぽかんとした顔で見上げていた。

「どうするんだ? 就職斡旋は先着1名様限りだぞ。早くしろ。」
「……私、ひろちゃんを振って別れた女だよ?」
「俺からは別れの言葉は口にしなかったけど。」
「私バツイチだよ。」
「俺は気にしないし。」
「あと、離婚届出してから半年は結婚できないから、最低でも来年までは入籍出来ないし。」
「まあ、多少は待つさ。今更1年2年待てないほど浅い仲でもないし。」
「……本当に、私でいいの?」

 問いかけるあいつの視線を、俺は受け止める。
 離婚したばかりの女に結婚を申し込むという暴挙を成功させねばならない。

「気に入ったものには何時までも固執する俺の性格、知ってるだろ。」
「……知ってる。気に入ったラーメン屋とか、何度も付き合わされたもん。」
「つまりそういう事だ。おまえを気に入ってるし、もう他の男に渡したくない。」
「……馬鹿。」

 こいつは膝の上でくるりとうつ伏せになると、俺の膝を濡らして泣いた
 ま、そのぐらいのペナルティは甘んじて受けるとしよう。
 それと引換に大事なものを取り戻せたんだから。

 あ、そういや、大事なこといい忘れてたな。

「明美。」
「なに、ひろちゃん。」

 涙で濡れた目をこすって、再び俺を見上げたあいつに、笑顔で一言。

「……おかえり。」
「……ただいま。」


328:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:06:50 rS5Rld4m
別のもの書いてたんだけど煮詰まって筆が止まっちゃったので、気分転換に軽く思いつきで書いてみた

329:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:17:07 dwMn6twY
一番槍GJ!

330:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:19:50 XoUuEFGs
(´・ω・`)b GJ

331:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:36:16 gIlISNmD
中古品に興味はねえな。

332:名無しさん@ピンキー
10/05/26 02:07:11 gHK6y4II
超GJ

333:名無しさん@ピンキー
10/05/26 02:07:31 xZqFwrwa
中古品にしたのはひろちゃんですが。

334:名無しさん@ピンキー
10/05/26 05:52:38 UAL5rUDF
よりを戻したように見えて、一年もたてばひろちゃんにもまた
不満を持つようになるんじゃね?この幼馴染。んでまた離婚とか。

335:名無しさん@ピンキー
10/05/26 09:12:50 OPN4v6tt
確かに都合良すぎるな。
イケメンと結婚するときには、「私を祝福してね!」とばかりに結婚式の招待状送ってくるとか。(仮にも元カレに!)
離婚したら実家に帰ってきて、「慰めてくれるかも」とか。
終始子供から成長できてない気が。

しばらく独り身で過ごしてた、とかならまだしも、離婚してすぐに元カレにすがって来るあたり、ただの尻軽みたいに見えてしまう。



男の方もバツイチとかだったら、お互い若かったよなぁ、で元サヤENDもわかるけど。


なんかモヤモヤする。


336:名無しさん@ピンキー
10/05/26 10:12:32 2hrVBHC/
断言する。この幼馴染はバツ2になる(´・ω・`)

337:名無しさん@ピンキー
10/05/26 11:59:16 DiKKdIV9
お前ら散々だなwww
正直俺も同意見だが、もう少しソフトに言ってやらんと…

338:名無しさん@ピンキー
10/05/26 12:21:01 AxQ/Jqn2
オブラートに包むとちょっと倒錯した幼馴染関係(男女逆にしたら船と港とかに例えられそう)だけど男の方はそこまで依存してないから微妙に違うかもしれない
ぶっちゃけると言うことは殆ど残ってないけどスイーツ(笑)に純愛っぽいデコレーションをした感じ

339:名無しさん@ピンキー
10/05/26 12:23:40 4FVtj+nX
男のほうも、甘やかしすぎだな。

次に別れるときのセリフは、
「ひろちゃんは、やさしすぎるよ……。」
だろ。

340:名無しさん@ピンキー
10/05/26 15:29:09 gIlISNmD


        ,___
       o'⌒)  `ヽ
        (i:i:i:i:i:☆i:i) なあ、良い就職口1つだけ紹介出来るんだけど。
         ( ´・ω・)
         (  ∽)         (~)
           ) ノ        γ´⌒`ヽ
          (_         {i:i:i:i:i:i:i:i:} どんな仕事?
          [il=li]        (ω・`  )
          )=(_        (:::::::∪)
         (-==-)         し─J
          `ー‐''


        ,___
       o'⌒)  `ヽ
        (i:i:i:i:i:☆i:i) 毎日俺の帰りを家で出向かえて、おいしい料理を作ってくれる簡単なオシゴト、かな?
         ( ´・ω・)
         (  ∽)         (~)
           ) ノ        γ´⌒`ヽ
          (_         {i:i:i:i:i:i:i:i:}
          [il=li]        (ω・`  ) 
          )=(_        (:::::::∪)
         (-==-)         し─J
          `ー‐''


        ,___     (~)
       o'⌒)  `ヽγ´⌒`ヽ
        (i:i:i:i::☆i){i:i:i:i:i:i:i:i:}
         ( ; ´-ω)ω- ;)
         (    `つ⊂´:::::)
           ) ノ  .し─J
          (_
          [il=li]
          )=(_
         (-==-)
          `ー‐''


341:名無しさん@ピンキー
10/05/26 17:19:15 PJkBgB7G
まぁ良いんじゃないの?
そう悪く言うなよおまいら。

342:名無しさん@ピンキー
10/05/26 17:45:55 AK6zwoeE
俺は好きだけどなこういうの
男にはただじゃ慰めてほしくないがな

もうボロボロになるまでほっといて、最後に手を差し伸べてやれ

343:名無しさん@ピンキー
10/05/26 20:11:09 IsVoc+LZ
>>361
洒落怖スレに投下された作品思い出した

344:名無しさん@ピンキー
10/05/26 21:07:59 i3jfOK76
>>358
そういうの好きだが
で、ボロボロになって戻ってくるでしょ?
そういう駄目ビッチも時には良いw

345:名無しさん@ピンキー
10/05/26 22:19:02 8Rx48eBZ
おっとろしい話やで

346:名無しさん@ピンキー
10/05/26 23:27:02 JRfDXYQs
ほんとにお前ら中古品には容赦ないよなw

347:名無しさん@ピンキー
10/05/26 23:53:17 AxQ/Jqn2
中古だから容赦がないんじゃない
愛されて当然のような態度は透けて見えてはいけないのだ

348:名無しさん@ピンキー
10/05/27 08:01:09 gWv5yqJ8
>>362
kwsk

349:名無しさん@ピンキー
10/05/27 10:43:37 UuqrDXUm
これはアレだろ
コイツを他の男が抱いたと思うと…ってなって多少乱暴なHするフラグだろ
たとえお互いが始めての相手同士だとしてもな

350:名無しさん@ピンキー
10/05/27 18:46:35 nwkocGt4
男がそれだけこの女を好きだってことだ

女もそれがわかったはずだ

あとは男なしじゃいられないように洗脳するだけ

351:名無しさん@ピンキー
10/05/27 19:04:36 LwupVWJe
>>367
URLリンク(syarecowa.moo.jp)

352:名無しさん@ピンキー
10/05/27 19:13:16 MGh3xGcX
目からションベンが出た

353:名無しさん@ピンキー
10/05/27 20:41:01 HG0n1PUZ
イイハナシ…




( ;゚Д゚)…ナノカ?

354:名無しさん@ピンキー
10/05/27 22:10:36 DeKsBvmF
>370

最後の数行・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

355:名無しさん@ピンキー
10/05/27 23:32:59 mrPlkdrQ
なんかすごいのきた・・・

永久就職=結婚てのもなあ
自分なら離婚した女が頑張って自立して強くなってっていうのに萌える
なんか努力してる子が好きだ。だからタッチの南は受け付けない
どっちかっていうとクロスゲームのヒロインの方が好きだわ
ちなみに今は漫画のバンブーブレードBの主人公と道場の息子に萌え
女の子の方が身長高くて年上っていうのがいい

356:名無しさん@ピンキー
10/05/27 23:57:43 ntFKmDUu
>>374
ユウとケンちゃんいい幼馴染みだけど
土塚作品だからどうしても「恋愛何それおいしいの」になってしまう……

いや、ユウちゃんかわいいけどね

357:名無しさん@ピンキー
10/05/28 23:00:05 G1dhmxMc
剣道道場の一人息子で、古風かつ純情な少年
高校入学と同時に、幼い頃に外国へ引っ越していった少女が帰国、再会を果たす
少女は非常にナイスバディに成長していたが、肝心の中身の方はスシ、ゲイシャ、フジヤマに憧れるエセ外人に変貌をとげていた
おまけに剣道にはげむ少年の姿にブシドーを感じ、道場に無理矢理デシイリするのだったが…

358:名無しさん@ピンキー
10/05/29 00:46:26 v5jUAMAk
少年の袴の裾を踏んだかどで無礼討ちにされ、ここに日米戦争開戦の火蓋が切って落とされるのであった。

359:名無しさん@ピンキー
10/05/29 02:22:36 XHyDfR0h
ただの友達でしかなかったのに事故チューから始まる幼馴染同士の恋

360:名無しさん@ピンキー
10/05/29 05:37:28 A3qITcBQ
事故チューされたときに本気でブチギレなかったら俺は幼馴染みの女の子と上手くいってたのかな・・・

361:名無しさん@ピンキー
10/05/29 05:53:10 glylw/2k
妄想ならSS書いて!

現実なら^q^・・・

362:名無しさん@ピンキー
10/05/29 14:12:33 7zeEbQjM
若さ故の・・・

363:名無しさん@ピンキー
10/05/29 17:54:07 A3qITcBQ
ボインなねーちゃんが好きだったマセガキの俺は同世代に興味がなかったんだよね
着替えとかに遭遇しても逆ギレしてたしフラグなんて現実世界では何の意味もないのさ

364:名無しさん@ピンキー
10/05/29 23:31:33 DF40ZWPz
>>324
当たりですエスパーなんですか?

365:名無しさん@ピンキー
10/05/29 23:32:11 DF40ZWPz
腰砕けになったおれを、みーちゃんが片手で支えてくれた。意外と力持ちなんだな。また惚れ直しちまった。
「だいじょうぶ?」
「やったなこの~、お返し…」
「大丈夫みたいだね。じゃあ、もっと触っちゃお。いいよね」
反撃しようとおちんちんに手を伸ばしたんだけど、みーちゃんの指が動く方が早かった。
「あっ?こら!ひぁんっ」
いいなんて言ってないのに、みーちゃんの親指がおれのあそこの先っちょをくりくりと捏ね回し始める。
ここを触られるだけでも辛いのに、あそこの中に入ってきた人差し指がその反対の内側からグリグリしてくる。
「あっ、ああ、あっうぁ。は、はっはぅ」
前回のえっちの時にみーちゃんが発見した技なんだけど、これ、息ができなくなるくらい刺激が強い。
人差し指と親指で敏感なところをつままれるのがどんだけキツいのか、みーちゃんにはわかんないだろうな。
「は、は、はっ、あぁぁぁん!」
「気持ちいいの?」
気持ちよすぎて涙が出ちまった。内股をすりあわせるとぬるぬるしてる。
涙目の向こうでみーちゃんがニヤリと笑う。いつもの笑顔じゃなくて、いじわるな笑顔だ。さっき怒らせたのが尾を引いてるのだろうか。
「体、震えてるよ。気持ちよかったんだね」
メガネもいつの間にか外してる。大きくて青い瞳が、おれをじっと見てる。
そんな目で見られると、何でも言う事を聞いて、逆らえなくなりそう。
「やぁん、みーちゃん、ソレもうやめ…」
「よっちん、かわいい…」
息も絶え絶えで発したおれの抗議はみーちゃんのキスで封じられてしまった。

さっきまでおれが優勢だったのに、あっという間に逆転された。でも、不思議と悔しくなくて、
下腹の奥がじわりと熱くなってくる。もっと、もっとして欲しい。もっと熱くしてほしい。
「よっちん、舌。出して」
「…こう?」
言われるままにベロを出す。
「もっと。できるだけいっぱい伸ばして」
「うん…んぇ」
めいっぱい。つりそうになるまでベロを出した。
「はむ。じゅる、はむふむちゅっ」
「んい?んー!」
みーちゃんはその舌を咥えたり、ヨダレを啜ったり舌を絡めて舐めまわしたり…あ!?
これっておれがみーちゃんのおちんちんにしてることと同じだ。
どうしよう、おれの舌がおちんちんになってしまった。
くちゃくちゃとお互いのよだれが音を立て、混ざり合い、溢れかえってそれが顎を伝って胸まで落ちてくる。
みーちゃんに、おれのおちんちんを舐められてる。そう思うととてもいけない事をしているような気がして、
おれの体は、熱いはずなのにゾクゾクと震えてしまうのだった。
エッチモード全開のみーちゃんにいやらしいキスをたっぷりされると、
おれはもうすっかり蕩けきってしまって体に力が入らない。みーちゃんにしがみついてどうにか立っていられる。
「よっちんのあそこ、ジュンジュンしてる」
「そんなころ、いうなぁ…ひぁ」
キスしてる間、みーちゃんはおれのおっぱいやあそこを好き勝手に弄りまわしていた。
「だって本当の事じゃない。おっぱいの先は硬くなってるし、あそこだって、ほら」
みーちゃんはおれのあそこを触っていた指を見せつける。恥ずかしい。
いやらしく濡れ光っているその指先を、みーちゃんがこれまたいやらしく舐め回す。
「そんなのだめぇ…」
頭がぽわぽわしてもう立ってられない。
「あそこばっかり、さわるなよう」
「だって、よっちんの声かわいいから」
「ばか」


366:名無しさん@ピンキー
10/05/29 23:32:36 DF40ZWPz
「なあ、おればっかりきもちよく、なってる…から、みーちゃんも…おれが、きもちよく、させたい」
ご褒美をたくさんもらったので、今度はお礼をする番だよな。当然だ。
「い、いいよ…恥ずかしいよぅ」
何をされるのかわかっているから、さっきまでの態度とはうって変わってモジモジしだすヘンタイみーちゃん。
いやがってる振りをしてるのはミエミエだ。だって、言う割りにはうれしそうだし。おちんちんが。
「なんでだよ、さっきまでおれのあそこさわりまくってたじゃんか。不公平だろ」
「む、無茶苦茶だよ」
むう、しょうがない。両手を祈る様に組んで、首を傾げてっと。完成。ブリっ子がおねだりするポーズ。
「お願い…みーちゃんのおちんちん舐めさせて?」
「あうう…うん」
あっさりと観念するみーちゃん。かわいいなぁ。また顔が赤くなってる。肌が白いから目立つんだよな。
おれに乙女チックにお願いされるとみーちゃんは断れないのだ。多用は禁物。ここぞという時に使う最終兵器。
「どっこいしょっと」
みーちゃんにその、いろいろされたせいで正直立っているのがしんどくなっていた。
おれはみーちゃんの前にしゃがむと、大きくなってるおちんちんをかぷっとくわえ込んだ。あ、口の中でピクってなった。
他の男子のは見たことないけど、みーちゃんのおちんちんはもうすっかり大人だ。と思う。だっておれの口に収まりきらないんだから。
これが将来おれのナカにはいるんだなぁと思うと、ちょっと怖いくらいだ。

みーちゃんのおちんちんはすでにヌレヌレになってるから、おれはそれをおちんちん全体に塗り広げるように舌を這わしてやる。
「うわぁ…恥ずかしいよう」
「じゅるる、みーひゃん、きもひひひ?」
「うん…すごい」
ちゅっ、ちゅぷ、れろ
さっき舌を舐められたときの事を思い出す。おれがされて気持ちよかった事を、みーちゃんにそのままお返ししてあげよう。それっ!
「うわぁ!よっちん、それ、ダメっ!あぁぁ」
刺激が強すぎたせいでみーちゃんの腰が引けちゃった。口からおちんちんが外れそうになったから、逃がすまいとお尻を掴む。
じゅ、ずるっずるる、くぽ。歯を立てないように咥えて、頭ごと前後に動かす。
「あん!あぁぁっ!」
「んぐ、ろうら?これ」
くぽくぽ、ちゅぱ、じょろっ。よだれがたれるのもかまわずに口を大きく開けてみーちゃんに見せつけるように舐め回す。
わざと音が出るようにしゃぶると、おれも興奮してきた。おちんちんがビクビクするたびにおれのあそこも疼きだす。
ちゅぱ、ちゅるる、じゅる。さきっぽの割れ目に舌をねじ込もうとしてみる。
みーちゃんが女の子みたいな声をあげて、おれはそれがもっと聞きたくておしゃぶりに没頭する。
「うぐぅ、もうやめてぇ」
よだれとみーちゃんのお汁で、おれの口の中は大変なことになってる。これけっこう顎が疲れるな。舌もつりそう。
「じゅるる。ふう、ちょっと休憩」
「はっ、はぁ~。よっちんそれもうやめて…」
「何でさ?」
見上げるとみーちゃん涙目だし。息も荒くてよだれも垂れてる。賢そうな顔が、なんだかバカっぽい。
他人には見せられないなー。これはおれにだけ見せていい顔だ。そう思うとおれの胸がぽわーと暖かくなってきた。
「だって、もうすぐせーし出そうなんだ。ねえ、ティッシュ取って」
「いいよ。全部口の中で出せよ」
「え…?」
「ぜ、全部飲んでやるって言ってるんだよ!ほらっ」
我ながらはしたないことを口走ってしまったから、それを紛らわすためにおしゃぶりを再開する。これはこれではしたないけれど。
「んふ、は、じゅる。いつでもいいぜ。あふ」
「うぅ~」
出そうならさっさと出せばいいのに、それでもみーちゃんは我慢して悶えてる。気持ちいいのがずっと続けばいいと思ってるんだろうか。
やっぱりみーちゃんはヘンタイだ。
知らず知らずのうちに、おれは自分のあそこを指でいじっている。やべ、またびしょびしょになってきてる。
おちんちんを舐めながらオナニーするなんておれもたいがいヘンタイだ。


367:夏の大天使
10/05/29 23:33:24 DF40ZWPz
「も、もうダメ!よっちん、ガマンできない!」
みーちゃんとみーちゃんのおちんちんがビクビクっと跳ねた。
「ング?、かぷ」
ぴゅぴゅっ、ぴゅるっ!びゅるる!
って音が聞こえそうなくらい、みーちゃんのおちんちんからせーえきが勢いよく噴出された。
「ん~~~ごく、ごく」
おれはそれを口からこぼさないように一生懸命飲み下す。むせ返りそうなのを我慢するのが大変だ。
咳き込んだりしようものなら鼻からせーえきをふき出すかも。そんな顔をみーちゃんに見せるわけにはいかない。女の意地を見せねば。
「~~~~~ごくり」
「ふう、ふう」
ようやく全部飲みきった。
みーちゃんが出したせーえきを舐めた事はあるけど、直で飲むのは初めてだ。やっぱり生臭くてまずい。
味わうものじゃないな。みーちゃん以外の男子のせーえきなら絶対飲めない。
「あの…よっちん、大丈夫?」
しゃがみ込んできたみーちゃんが心配そうにおれを見る。みーちゃんの手が伸びてきて髪をさわさわしてくる。
照れくさいから言わないけど、こうやって髪を指で梳いてくれるの、けっこう好きなんだ。
「んぁ~。ほら、全部飲んだぜ。やっぱおいしくねーわ、せーえき」
おれは口を開けて、女の意地をみーちゃんに見せつける。
「よっちん…大好き」
みーちゃんがちゅーしてきた。さっきまでしてたえっちなキスじゃなくて、こ、ここ、恋人同士のキス。
なのに。せっかくのキスなのに。
「ホントだ。まっずい」
顔をしかめてみーちゃんが言う。まだ口に残ってたのかな。恥ずかしい。でも、前に罰ゲームで青汁コーヒーを飲んだ時の事を思い出した。
あれはおもしろかったなー。そうなるとおかしさの方が勝ってきて、
「青汁コーヒー」
「ぷぷ、ホントだ。青コーだ」
「な?イヒヒ」
「あははは」
「「ははははははは」」
おれたちはべとべとの顔のまま笑い合った。

368:夏の大天使
10/05/29 23:33:52 DF40ZWPz
「お風呂場で口、ゆすご?」
「だな。うがいしてぇ」
二人して裸のまま風呂場まで直行。口をすすいで、汗みずくの体をシャワーで流し合う。
一緒に風呂場に入るのはこれで二回目だ。えっちな気分もすっかりおさまってるから、普通に洗う。
まだお互い恥ずかしさがあるから、場を持たせるために話題を振ってみる。
「なあみーちゃん」
「なにー?」
背中ごしにみーちゃんがこたえる。
「こないだニュースみて知ったんだけど、ソ連の一番偉い人って、みーちゃんと同じ名前なんだな」
「そうだねー。ミハイルはでも、あっちじゃそんなに珍しい名前じゃないんだよ。」
「ふぅん。タロウとかヒロシみたいなもんなのか」

着替えながらみーちゃんは話を続ける。
「ミハイルってね、例えばフランスじゃミッシェル、イギリスやアメリカだとマイケルっていうんだ。綴りや発音は違うけれど、おんなじ。
 ミカエルがいろんな国の言葉でなまってるんだってさ」
「マイケル?歌手と同じじゃん。へぇー。すごい。ミッシェルも聞いたことあるな。なんだっけ?えーと忘れた」
「ビートルズの曲かな。あとパン屋のモンサンミシェルとか。直訳すると聖ミカエル山になるのかな」
みーちゃんは物知りだ。去年虫採りに行った時も、捕まえたクワガタやセミの種類を全部知ってたもんな。

えっちの後始末を終えて、さっぱりしたおれたちは部屋で麦茶を飲みながらくつろいでいる。おれはさっきの話が気になってふと聞いてみた。
「なぁ、世界にミハイルはたくさん居るんだろ。みーちゃんは大人になったらどんなミハイルになってると思う?有名人になってるといいな。
 みーちゃんならなんでもなれるよな。きっと」
みーちゃんは窓辺に腰掛けて涼んでいる。
「うーん。有名人じゃなくてもいいけど…あ。絶対、一つだけあるよ。ボク、よっちんのお婿さんになりたいな」
そう言ってみーちゃんはにっこり微笑んだ。


おわり

369:名無しさん@ピンキー
10/05/29 23:37:37 DF40ZWPz
>>320の続き。タイトルは「夏の大天使」。
ベッドヤクザって単語が気に入りました。
ばいばい

370:名無しさん@ピンキー
10/05/30 00:41:50 sDQrMZ2S
GJ
できれば2人が高校生くらいになった時の話も読みたいかも
中学は事情があって離れ離れだとなお良し

371:名無しさん@ピンキー
10/05/30 01:01:30 wlG8hx0l
>>389
みーちゃんは両親についてソ連へ、よっちんは日本で彼氏つくっちゃって
で、しばらくしてみーちゃん帰ってきて元サヤていうの考えたけどややこしくてやめた。
「なぁ、アタシの初エッチのこと、聞きたい?」とか言って迫るやつ。
うろたえたみーちゃんはソ連仕込みのコマンドサンボ極めつつレイープみたいな。
だめだこれ

372:名無しさん@ピンキー
10/05/31 12:11:44 IKWafZWc
コマンドサンボに笑いかけたがそりゃやっぱダメだわ
他の男で処女使っちゃうのはいただけない

373:名無しさん@ピンキー
10/05/31 23:07:10 uLxZ41oZ
じゃあ実演して説明してやんよ、と言いながら
その場でロストバージンでおk

374:名無しさん@ピンキー
10/06/01 22:58:12 WuJkP7K6
非処女のフリして強がる処女が最強

375:名無しさん@ピンキー
10/06/02 00:46:19 fqMk+b/5
無自覚に誘惑してくる純粋無垢系幼馴染み

376:名無しさん@ピンキー
10/06/02 09:36:12 XigJM3Y+
・ツンデレ強気系幼なじみ
・甘えん坊・純粋無垢系幼なじみ
・親友系幼なじみ


う~ん、悩む…

377:名無しさん@ピンキー
10/06/02 10:36:39 XnwLxDdI
夏の大天使すばらすい

378:名無しさん@ピンキー
10/06/02 20:08:03 PKLjKTfe
>>393
本当は痛くて脂汗タラタラなのに、大丈夫か?と聞かれて
「イタッ・・・平気よっ!」とか涙目で言うんですね。わかります

379:名無しさん@ピンキー
10/06/02 23:50:43 e+X7TI8+
痛がらないとリアルじゃないでしょ!と言い張るも
出血を指摘されて、血が出ないとリアルじゃないでしょ!とさらに言い張るのですよ

380:名無しさん@ピンキー
10/06/03 12:51:37 h9LPgo7x
こんな事って現実でもあるんだな

同じ病院で同じ日に生まれた男女が婚約中 米ペンシルバニア州
URLリンク(excite.co.jp)

381:名無しさん@ピンキー
10/06/03 13:02:55 OTMTRM5b
冗談でセックスしよって言ったら

382:麻雀ネタ(1/1)
10/06/03 21:03:02 BN7FVnIc
「それにしてもお前の喰いタンはえげつなさすぎる。六向聴から鳴きまくって千点では普通上がらないだろ」
「えげつないのはお前だ。麻雀初心者だった私を散々いたぶりやがって。何がニャーと鳴けば千点だ」
「今でも有効だぞそれ。ワンと鳴いたらチョンボだけど」
「ばーか」

バカはお前だ。手牌がいいとムフフと笑いかけてムッなんて言う女はお前だけだ。

本当にバカだなこいつ。テンパると鼻がピクピク動く奴なんてお前だけだ。

((しばらくはカモらせてもらうか))

383:名無しさん@ピンキー
10/06/07 02:12:37 bkAjM+rj
年下の癖に背伸びしてお姉さんぶる幼馴染み少女

384:名無しさん@ピンキー
10/06/07 19:40:24 RVJOGAWX
甘えん坊スレでも似たようなこと書き込んだろwww

385:幼馴染な二人の観察
10/06/09 11:37:02 ctl9WxT2
ひっそりと投下します
第三者目線です

幼馴染な二人の観察

一月一日
「最低だ、最低の一年だった」
「こっちの台詞よ!!」
この声は弟とその幼馴染の声だ、毎度毎度うるさい
頼むから正月ぐらいは静かにしてくれ
「お前とまた同じクラスの隣の席とかマジ最悪だった」
「その言葉そっくりそのままアンタに返すわよっ!!」
「うっせえ!!俺はお前なんか大ッきっらいなんだよ!!」
「はあ!?あたしの方がアンタなんか嫌いよ!!」
「俺の方が嫌いですー」
「アンタのその一々間延びする語尾とか超嫌い!!」
「オメーのギャーギャーうるさい怒鳴り声なんか超々嫌いだよ!!」
やれやれ、仲良きことは良いことかな

四月八日
「もうほんッと最悪!!」
「こっちの台詞だこの野郎!!」
朝っぱらから外がうるさい、また弟とその幼馴染の痴話喧嘩か
「なんでアンタとまた同じ高校行かなきゃなんないのよ!!」
「俺だってまたオメーみたいなガサツ女に朝うるさく起こされると思うと吐き気がすんだよ!!」
あー最悪、今の最悪
幼馴染ちゃんの気も知らないで最悪だ弟よ
また私が幼馴染ちゃんの相談と称する惚気聞かなきゃいけないじゃん勘弁して
こちとら彼氏いない歴イコール年齢の恋愛難民だっつーのに
「だったらあたしと同じ学校なんか受けなきゃいいじゃない!!」
「俺のほうが先に受けてましたー」
「あたしの方が先よ」
「俺のほうがお前の二倍は先ですー」
「あたしなんかアンタの三倍先だから」
「んだとこの野郎!!」
早く学校行けよお前ら
入学初日から揃って遅刻か、おめでてーな


386:幼馴染な二人の観察
10/06/09 11:37:53 ctl9WxT2
九月一日
「あーマジ最悪、今年の夏もお前みたいなガサツ女に振り回されて終わっちまったよ」
「こっちの台詞よばーか!!」
「ああ!?お前の方が馬鹿だろうがっ!!」
「アンタの方があたしより千万倍馬鹿だし!!」
「オメーの方が一億倍馬鹿ですー」
「アンタなんかあたしよりテストの点数低いじゃない!!」
「テストで人間計れませんー」
「あーもうっ!!ほんとムカつく!!」
今日も二人はアツアツである
正直これを十何年も続けられているこっちの身にもなって欲しい
早く結婚しろよお前ら

二月十三日
今日は疲れた
幼馴染ちゃんの話に付き合っていたら夜が明けていた
弟へのチョコの渡し方はどうした方がいいかとか知るか
ストレートに渡せよ、そんで結婚しろよ
って言ったら「いやあくまで義理だしっ!!あんなヤツに本命あげるわけないしっ!!」とか抜かしやがった
じゃあお前毎年チョコ一個しか作らないのは何でだよ
ついでにハート型の型使おうとしていつも途中でやめんのなんでだよと問い詰めたい、小一時間問い詰めたい

二月十四日
今日は不思議と静かだなんかおかしい
毎年この時間帯は幼馴染ちゃんが「アンタほんとモテないわよねー、まあ仕方ないからあたしがあげる。もちろん義理だけど」でまた痴話喧嘩が始まる時間なのに
弟の部屋に入ってみると可愛らしい包みが(もちろん幼馴染ちゃんのものではない)置いてあった
何故か部屋に弟の姿はない、恐らくこれをくれた娘の気持ちに答えに行ったな
あちゃー、あいつ顔も普通性格は性悪のくせに今年ついに他の娘からもらっちゃったかー
まあ面倒見いいもんね、何だかんだいってさ
こりゃこじれるな、うん
私は部屋を後にした


387:幼馴染な二人の観察
10/06/09 11:39:03 ctl9WxT2
四月四日
「ほんッと最悪!!」
「こっちの台詞だ!!」
「アンタね、普通一時間遅刻とかする?」
「お前の時間設定がおかしいんだろうが!!」
二人は昨日のデートのことについて口論してる様子
何でも弟は待ち合わせに一時間も遅れたんだとかなんとかずっと昨日の夜にこにこしながら幼馴染ちゃんが語っていました
なんかね、もうね、アホかと、バカかと
バレンタインデーのあの日こじれにこじれた二人ですが何だかんだいってお互い両想いなわけで
当然弟はチョコくれた娘の告白を断って、幼馴染とようやくくっついたようです(あの様子だと多分一線超えたな、うん、お姉さんはわかるよ、私処女だけど)
「えへへ、好き」
うわっ今外で好きって聞こえた
あの幼馴染ちゃんもついに心も身体も繋がったとあってやっと素直になったか、やれやれ
「俺なんか大好きだからな」
「あたしの方が大好きなんだけど・・・」
おや雲行きが怪しくなってきたぞ
「俺の方がお前のこと好きだし!!」
「あたしの方がアンタのこと大好きだし!!」
「お前の好きがコンくらいだとしたら俺の好きなんかこ ぉ ん くらいだし!!」
「あたしなんかアンタのこと愛してるし!!」
やってろ
一生やってろ
そう思いながら私は恥ずかしい小競り合いを続けるバカップルの痴話喧嘩から耳を逸らすため布団をかぶりなおした


ひっそりと以上です

388:名無しさん@ピンキー
10/06/09 12:08:26 izPMuCVf
GJ
こういう視点からニヤニヤできるの大好きだ

389:名無しさん@ピンキー
10/06/09 12:13:49 9WSUTmGI
姉カワイソスwww

390:名無しさん@ピンキー
10/06/09 15:27:20 Qe5YQx65
>>399
知り合いが同じ状況で結婚した

391:名無しさん@ピンキー
10/06/09 16:45:34 qU2JkKOU
>>406
お姉さんが独り身なのは、2Chなんかに嵌まってるからだw

392:名無しさん@ピンキー
10/06/09 18:07:12 VLi6kSJm
ゆーかさん来ないかな…

393:名無しさん@ピンキー
10/06/10 07:57:50 MGKLhNni
幼馴染み娘の兄マダー?

394:名無しさん@ピンキー
10/06/11 11:06:29 P4/AoCUP
もし幼なじみが2人いて子供の頃いつも3人で遊んでいたら…
だめだ、俺には選べない!助けてくれ!

395:名無しさん@ピンキー
10/06/11 11:36:15 XF9meA0a
>>413
そこは二人とも幸せにするのが漢だろJK
…え、リアルの話?アーアーキコエナイー(AAry

396:名無しさん@ピンキー
10/06/11 12:42:46 R3kSk5yk
幼馴染は既に経験済みだった・・・ってのは?

397:名無しさん@ピンキー
10/06/11 17:59:17 qvrtId/M
>>406
いいですねーニヤニヤできます

398:名無しさん@ピンキー
10/06/11 18:55:17 2Ti+HwxZ
>>415
処女を知らないうちに頂いてたんですねわかります

399:名無しさん@ピンキー
10/06/11 19:15:56 bGsgqjiR
>>415
俺としては話のクオリティーさえあれば全くOKだが、処女厨の多いここでは…

400:名無しさん@ピンキー
10/06/11 20:05:58 AX5uD3Mk
>>415
腐れ縁とか好敵手的なポジションならアリ
昔から主人公にベッタリなら論外

401:名無しさん@ピンキー
10/06/12 00:00:14 lDG7fn5T
実は子供の頃にいたずらして膜をやぶいてたと言うオチはどうかな?
で、責任とんなさいよぅ、と迫られる

402:名無しさん@ピンキー
10/06/12 00:57:30 uNFYQYtt
>>413
子供のころから同じ幼馴染♂が好きだった幼馴染♀2人
しかし献身的な世話焼きタイプの幼馴染♀Aは明らかに好意が見えるBに遠慮して譲ろうとしてしまう
だが幼馴染♀BにとってAは恋のライバルと同時に大切でかけがえのない親友であった
幼馴染♀Aの配慮を受けてしまっては彼女が辛い思いをするし振っ切れないし自分も後味が悪い
幼馴染♀BはAの提案を断り正々堂々と幼馴染♂を取り合うことにしたのであった
しかし突如外国からやってきて幼馴染♂の婚約者を名乗る子幼馴染♀Cが現れ…

という小説を3010年公開

403:名無しさん@ピンキー
10/06/12 01:24:21 2Pe7RyRP
おれ、待ってるよ
1000年くらい屁でもないさ

404:名無しさん@ピンキー
10/06/12 06:21:13 MTfhVgAY
ジラーチ!

405:名無しさん@ピンキー
10/06/12 12:37:26 qYOmZSsj
>>415
子供の頃って好奇心で色々やっちゃうかな
パパとママがやってるみたいに裸で抱き合った=経験済みって流れを想像した

406:大きな夢と小さな私
10/06/13 13:32:16 RGDiORrm
かなり前に、ここに投下したものです
ここだったと思います
タイトルすら覚えてないので、検索出来ず、事情でキャラ名を変えたので、
頭から投下し直します
スミマセン

************************************************
私はオッパイが嫌いではない

いや、健全なる青少年として、当然の興味と関心も持ち合わせている
しかし、この状態は我慢ならない
「夢(ユメ)!
いつもいつも、乗せるなといってるだろうが
慮外者め!」
このアホたれは、学問に勤しむ私の神聖なる頭部を、あろうことか乳置きに使用してやがる

「いいじゃんか
彦(ヒコ)の頭、ちょうどいい位置にあって楽なんだよ」
全く悪びれず、後ろからしがみついた姿勢を保持したまま、私を離そうとしない
元々、勉強しにきたはずだが、早々に課題に飽き『かまえ』とばかりに……

すくすくと、身体ばっかり無駄に育ちやがったくせに、ガキの思考のまま行動しくさる
だいたいなんだ
自分ばかり、背を伸ばしおって
けっして、チビとは言えない身長(160あればチビではない)の私を、見下ろすほど育つな
心の中で、虚しい苦情を訴える私

「重いし、揺れるし、邪魔なんだよね~、コレ」
「ブラジャーを着けろ
横着者」
男子たる我が身には、全く共感出来ようはずもない感想
無視して冷たく突き放す

ブルンッ
「アンッ」
押し退けた手が、当たってはいけない処に当たってしまった
まるで水枕のような、重く柔らかい感触
一年ほど前は、ほぼ平地だったはずが、あっという間に隆起したパーツ
その異常な物体が、反作用で信じがたい揺れかたをした

「イタイよ~」
涙目でうずくまる夢
胸を押さえているだけだが、抱え込んでいるという表現が、妥当に思える質量
引き付けられる視線を、無理矢理引きはがし、勉学に没と……
「何をしている!!」
何故ゆえに、服をたくしあげておるのだ



407:大きな夢と小さな私
10/06/13 13:35:24 RGDiORrm
注意深く視線を外し、信じがたい行動をとる晶を、心中でキツく戒める

バカめ
バカめ
バカめ……
ここは私の部屋だぞ
何、乳をほうり出して……

「ホラ!!
先っちょが擦れて、朱くなっちゃったじゃないかぁ~」
ウ~~~~!
威嚇しているつもりであろう唸り声をあげながら、上目使いで睨んでいる、恐らくは……

視線を外している故に、確認は出来ない
しかしながら、視界に入れる訳にはいかずとも長い付き合い
奴の表情など、容易に頭に浮かぶ
……余計な、大きい部分まで

「ちゃんと見てよ
ほらっ!!」
「見られる訳ないだろう!
さっさとしまえ、バカタレが!!」
極力、穏便かつ穏健な表現で、優しく戒める私

一切、疚しいところは無い
断固として無い
無いのだが……

「おばちゃんに言い付けてやる!」

等と、ほざきながら部屋を飛び出ようとされた以上、止めざるをえなかった

そりゃあ、いくら幼なじみとはいえ、息子の部屋から余所の娘さんが、乳ほうり出して出て来たら
ましてや、無愛想な息子より、愛嬌たっぷりの、隣家の女の子を溺愛している愚母である
とりあえず、無条件で息子をぶん殴るだろう

ある意味、正しい行為ではあるが、身に覚えのない罪で、体罰を行使されるのは、極力避けたい
頭一つ大きい夢の体を、視界から外しながらも、必死で取り押さえる

「お前は一体、何がしたいのだ
このバカタレが!!」
「離せ~
バカってゆ~ほ~がバカだもん!!」
ジタバタ暴れる夢
ガキのように憤り、もはやわけが分からなくなっているようだ
ドタバタと続いた、非常に馬鹿馬鹿しい攻防は、やがて終焉を迎えた

「ウワッ!」
「キャッ!」
ドスン
バランスを崩し、夢を、後ろからのしかかるように、押し倒してしまった
「わ、悪い」
あまり悪くは無い筈だが、この状態で開き直れる程、太い神経を持ち合わせていない
慌てて、夢の上からおり、様子を伺う

「夢?」
夢は、両手で胸を押さえたまま、じっとうずくまっていた
「ユメッ!
大丈夫か!しっかりしろ!!」


408:大きな夢と小さな私
10/06/13 13:37:39 RGDiORrm
「……イタイ、イタイヨゥ」
微かな声で応えるが、痛みに呼吸もままならない様子だ
形状的に、酷くぶつけたのかも知れない
「大丈夫か?
なんなら、病院行くか?」
尋常でない様子にうろたえ、醜態を晒す私

「……ヤダ」
痛みに顔をしかめながらも、夢は、断固として拒否した
「しかしだな……」
「彦がみて」
……をい
「夢、オマエなぁ」
「ひーちゃんがみてくれなきゃヤダ」
常日頃、ひーちゃんと呼ぶなと言うておろうが
しかし、そんな主張をしてる場合ではない
嫁入り前の娘の胸に、傷でも残してしまったとしたら、一大事である
大体、数年前迄は、一緒に風呂に入っていたのだ
多少、形態の変化があったところで、うろたえることは無い
我ながら、詭弁をろうしてると思うが、そうでもしないと、割り切れるものではない

「わかった、診せてみろ」
極力、冷静に告げる
「えっ」
聞き返すな、バカタレ
「診てやるから、胸を出せと言っている」
「う、うん」
ペタンと床に尻を付けた、女の子座りで、体をこちらに向ける
意外そうに、ポカンと見つめる顔

口を閉じんか
全く、何も考えていない
警戒心のかけらも見えない表情
見慣れた筈のそれを、正視出来ないのは何故だろう
他の部分に、目が釘付けになってるからである

子供のように邪気の無い、愛らしい顔でも、意外に細い首や肩でもない
引き締まった腰や、薄く浮き出た肋骨でもない

全体的に成長しきっていない、薄めの肉付きの身体のなかで唯一、たっぷりと膨らむ部分
新雪を頂く、神聖なる霊峰のような、白さを保つ胸
その雪山の頂点に咲く、淡い桜のごとき乳首が、最高のアクセントとなる
突如顕れた、完璧な造形美に、私は完全に、魂を抜きとられた



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