11/01/11 16:48:18 PI5I5iz2
「おい、本当にこんなのが隣町で噂だった賞金稼ぎか?」
「一応見た目は間違いないが、俺もそうは思えないぜ」
「確かに間違いはない。こいつについてる赤色の翼、それから今は寝てるから分からねぇが、瞳も赤色なら決まりだな」
「赤翼(せきよく)の賞金稼ぎ……理には敵ってるけど、幾ら何でもこりゃないだろう?」
ある王国の冷たい空気が漂う地下牢の最奥の閉め切られた石牢から、困惑した複数の男性の声が飛び交っていた。
窓もなければあるのは小さなろうそくの頼りない光、ほぼ無明の闇の中は混乱の渦だ。
彼らはその王国の誇る軍隊の中で非常に夜目が利き、星があれば昼間とほぼ同等の視界を確保できる目をしている。
ゆえに今、目の前で両手首を合わせるように頭上で拘束されている、赤翼の賞金稼ぎの容姿に戸惑いを隠せなかった。
彼らの目の前で両手首を合わせるようにして頭上で拘束されているのは、それは花も恥じらい月も隠れんばかりの美少女。
まるで上質の絹のように白く艶やかな髪が、粗末な作りの石牢の冷えた石の床にふわりと広がる様は幻想的でさえある。
幼いながらも既に完成しきっているような端正な顔立ちは、幼いからこその魅力さえ持ち、真人間の劣情さえ誘えた。
加えて服装も独特で、異名の名の通りに肩辺りから左右に広がる真っ赤な翼。
そして両腕の露出が激しく、脇をさらすほどであり、両足も太ももから丸出しの服装。
重ねて言えば両腕両足は完全に露出しており、比較的黒に近い紺色にまた変な魅力がある。
兵士達の手にある国王からの報告によれば、赤翼の賞金稼ぎ曰く「伸縮性に優れていて動きやすい」というらしい。