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ラウルたちが新たに立ち上げたL&E社は、
それなりの規模の仕事場と機材を借り入れ、まだ本格的に活動してはいないものの、
ようやく開業へ向けて動き出したといったところだ
そして、作業が一段落ついたということもあり、簡素なホームパーティーが開かれることとなった
「しかしみんな無事でよかったわねぇ」
「フィオナさんと離れ離れになって、この世界でも戦争に巻き込まれちゃって、
私とラージさんも攫われたり…色々ありましたね」
戦いの中で離れてしまったため、彼等は長らくゆっくりと話すことができなかった
今までの体験や苦労を、食べ、飲みながら振り返っていた
ただ、ラリアーだけは無言のまま、居心地が悪そうにしている
フィオナはそんな彼が気になった
「ねぇラリアー。そんなによそよそしくしないで」
「え?ぼ、僕は別に…」
「ダメダメ。態度に遠慮があるわよ?あなたもこれからは私たちの仲間なんだからね
戸惑ってるのはわかるけど、もっと楽になさい」
「は、はい」
「ラリアー、遠慮しないで好きなだけ食べて飲んでいいんだからな
しばらくこういう機会はないだろうから、今のうちだぞ」
「は、はい!」
親のデュミナスと、きょうだいのティスとデスピニスを失ってしまった彼は心がかなり不安定になっていた。
このように優しい言葉をかけられることは嬉しかったのだろう、表情に明るさが宿っていた