10/03/13 15:34:30 8QczJriD
キッ、とロックを睨むシンディ。だがロックはそれを嘲るようにフッと笑い、シンディの顎をくいっと上げた。
「―!!」
そして、キスをした。予想外のことにシンディは戸惑い、目を見開いた。
「…っ…ん…、ふぅ…ッ」
舌を絡ませる濃厚なキス。性の経験が無いシンディにとって、これ以上無い程の屈辱、そして感覚に襲われた。
「んぅ…!ぁ…ふっ…」
巧みなキスはシンディのなかの“女”を揺り起こす。とろんとした感覚にまどろみ、意識が朦朧としてくる。
「…っんむ!?んんっ!」
突如、口の中にドロリとした液体を流し込まれる。明らかに唾液ではない、異様な粘液のようなもの。必死に拒んだが、無理矢理飲み込まされた。
そこでようやく、唇を解放される。げほげほとむせるシンディを見てロックは楽しげに笑いながらぺろりと舌なめずりをした。
「フッ…フフ。プリズナーズ・ヴェノム…お味はいかがかな?」
「こほッ…、なにを…飲ませ…っ」
「毒さ。だがただの毒ではない」
「…っ!?」
「毒にも種類があるのだよ。肉体を蝕む毒、精神を削る毒、麻痺させる毒などね。君にプレゼントしたのは…淫毒というやつだよ」
「いん…どくっ…?」
「媚薬と言ったほうがわかるかね?もっとも、そんな生易しいものでもないが」
「…!はぁっ…はッ…!」
正体不明の“熱”が沸き上がる。頭が蕩けてしまうような、狂おしいほどの熱さ。ぶるぶると震えるシンディに呼応するように、金色の鎖がキチキチと嘶いていた。
「どうかね、気分は。いや、体に聞いたほうが早いかな」
「っ!!」
ロックが手を振りかざすと、一陣の風が巻き起こる。烈風はシンディの鎧と服を引き裂き、肌蹴させる。
絶妙な手加減によってシンディの肌には傷一つつかなかったが、中途半端に肌蹴たせいで逆に羞恥心を擽られた。
「フッ…肌も綺麗ではないか。無駄のない引き締まった体…素敵だよ」
「く…ぅっ…!ロック・アイ…!」
「“それ”は時間が経つにつれて君の体を侵していく。より熱く、より敏感に…より感度良く。徐々に、徐々にだ」
「ぅ…あっ……はぁ…んっ…ッ」
「解毒はできる。だがそれは君が疲弊しきってからだ。…心も体も狂い果てて、“お願いします”と懇願したら、だ」
「くっ…戯言、をッ…わた、し…は…っ」
「さて、シンディ・バード。実験開始だ。君は…どれだけ保つかな?」
悪夢が、始まった。