10/03/13 15:31:41 8QczJriD
「だが。そのおかげで私は逆にある発見をしたのだよ」
「発見…?」
「…ミラビリス城で唯一アレディ・ナアシュだけはヒルドの力に抗った。“ハキ”の力で、だ」
「…何が言いたいのです」
「そして我が友、リグもまたアレディ・ナアシュの力を認めている。つまり私は興味が沸いたのだよ。シュラの力の源…“ハキ”について」
「覇気は誰にでもあり、たゆまぬ研磨をされてこそ力と意味を持つものです。生兵法で手を出しても怪我をするだけでしょう」
「その通りだ。私は科学者でもあってね…中途半端な知識が手痛い火傷を招くことは熟知している。だからこそ君が必要なのだよ」
「…!!」
「ここまで話したのだから要求は単刀直入に言おう。私の実験のモルモットになってくれたまえ…シンディ・バード」
「…予想はしていましたが、そういうことなら致し方ありません」
シンディは腰を深く落とし、ロックを見据えて構えを取る。一分の隙もない構えに、ロックも目を細めて警戒した。
「戦って勝った者が全てを得る。それが我ら修羅の流儀です。アグラッドヘイムの闘士よ、覇気の真髄を知りたければ私を撃砕してみせなさい」
「…さすが一筋縄ではいかなそうだな。そうさせてもらおうか」
「…“影業”のシンディ、お相手つかまつります」