10/02/14 01:36:43 qCcambsZ
スレタイの通り、不気味なモノに寄生されて虜になる娘などを語ったり、小説をうpするスレです。
ネタは、版権物・オリジナルなど問いません。(版権物SS投下の際には元ネタの表記をお願いします。)
Web上のSSやOVA・ゲーム・コミック・同人などの情報も歓迎します。
雑談は書き手さんの投下と被らないようにまたーりどうぞ。
▽注意事項
◆共通
sage進行推奨。dat落ち判定はスレの位置ではなく最終書き込み時刻が基準なので、
全てのレスがsageでも問題ありません。レス数950過ぎか、スレ容量480KBを超で次スレ立て。
荒らし、煽り、広告は無視して頂くようお願いします。
◆書き手さんへ
人を選ぶ要素がある場合、嫌いな人がスルーできるように注意書きをお願いします。
一回の投稿の最大行数は60行、最大バイト数4096バイトです。
また、数値参照文字(unicode)が使用できます
◆読み手さんへ
作者が望んだ場合を除き、感想の範疇を越えた批評・批判は御遠慮ください。
感想、アドバイスには作者さんへの配慮をお願いします。
【前スレ】
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part12
スレリンク(eroparo板)
【過去ログ】
Part11 スレリンク(eroparo板)
Part10 スレリンク(eroparo板)
Part9 スレリンク(eroparo板)
Part8 スレリンク(eroparo板)
Part7 スレリンク(eroparo板)
Part6 スレリンク(eroparo板)
Part5 スレリンク(eroparo板)
Part4 スレリンク(eroparo板)
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【関連サイト】@迷惑行為厳禁!!
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2:名無しさん@ピンキー
10/02/14 03:31:08 L95wsKzP
スレ建て乙です
今回も無事に着床できますよーに
3:名無しさん@ピンキー
10/02/14 15:50:51 7GAHZtOT
いちおつ。
もうPart13か。思えば遠くまで来たものだ・・・
4:名無しさん@ピンキー
10/02/14 17:10:13 fQ0MSkOa
>>1乙
>001 名前:黒い欲望 [] Date:01/09/11 19:50 ID:5DVg2b/.
>無限大の「ぱにっくプリンセス」の天然ボケの性格良さそうな魔法使いが
>淫虫の虜になって人格壊れちゃうところはサイコーだったね!!
>他にも「奴隷戦士マヤ」とかVHSでは「淫獣女教師」とか。
>触手で感じる程度でなくカラダにもぐり込まれて品性まで犯されちゃう
>ような激しい漫画・小説・VHS、キボーン!!!
こんな建て逃げみたいな文面のスレが建ってからもうすぐ9年目か……
5:名無しさん@ピンキー
10/02/14 19:29:57 HmU6IABW
9年といえば生まれたばかりの寄生体が小学校に入学しちゃうくらいだぜ
6:名無しさん@ピンキー
10/02/14 20:47:48 bxTRefOk
アメリカ同時多発テロのほんの数時間前か
胸があつくなるな
1乙
7:名無しさん@ピンキー
10/02/14 21:39:14 M5HXR8Ou
>>1乙
>>5
「寄生体が小学生の女の子に侵入して…」と読みそうになっちまったじゃないかw
8:名無しさん@ピンキー
10/02/15 01:32:53 ZeiCQqoE
>>1乙
バレンタインに寄生されて逆チョコと称して寄生を広めていく女の子希望
9:名無しさん@ピンキー
10/02/15 13:17:58 9lL02CxR
まぁぱにっくプリンセスや奴隷戦士マヤが名作なのは事実
10:永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI
10/02/15 19:33:05 k4TfRh4W
>>1様
新スレ立て乙でした。これで心おきなく投下出来ます。
という訳で永久の果肉続きを持ってきました。
お暇な方は是非お目をお通し下さい。
以下NGワードです。
(エロ無し、陰鬱、おしっこ)
予告した通りにエロはありません。ほんとすんません。
次回はエロちゃんと用意するつもりなので(というか今書いてます)、
勘弁して下さいぃ。
第2話 捨てる神あれば、
「―おしっこ」
寝ぼけ眼を擦りながら、リオは生理現象に叩き起こされた。
寝汗と垢で身体中がべた付いて気持ち悪い。
が、痛みと不快は慣れっこだったので後回しにした。
「―んん~。見えないー」
カーテンが締められた寝室に光源は無い。リオは寝ぼけたまま手探りに部屋の中を進み、
―ガシャン。
「ひゃっ!?」
机の上に手を掛けると、何か食器のような物を引っ掛けた。
それが何かは気になったが、急な音に驚き、溜まっていた物がこぼれそうになる。
リオは尿意と格闘しながら何とか扉まで辿り着き開いた。
「―ほっ」
部屋を出たリオは、月明かりが漏れる渡り廊下を、厠を目指して歩き始める。
ここはリビディスタの屋敷の離れだ。そして厠は母屋の方にしかない。
こういう事は多々あるので母屋の勝手口の鍵は携帯している。
(こっちにもおトイレ在ればいいのに)
などと無いものねだりしながら先を急ぐ。ドアを閉める余裕は無かった。
ドアの隙間からリオの落とした物体が、月明かりに照らされうっすらと浮かび上がる。
銀のプレートに並んだ質素な料理。そしてその脇にメッセージが添えられた便箋がある。
それにはこう書かれていた。
『明日は絶対脱がすからね! これ食べて精をつけなさい!
―リオのマブダチ、パセットより』
だがこの手紙をリオが読む事はない。
***
トイレに向かう途中、リオはそれに気付いた。
メイド達も寝静まった深夜。
起きているのは自分だけかと思ったが、小さく、本当に小さく話し声が聞こえてくる。
『あの娘を……つもりですか…』
『あいつとの……約束……するまでは…』
父と母の声だった。母と言ってもリオの母はもうこの世に存在しない。
この場合はマリオンの母と言うことだ。二人の声は父の寝室から聞こえてきた。
こんな夜中に大人がする事といえば―とリオは邪推してしまう。
だがどうにもそういう色っぽい気配は無い。
なら一体、こんな夜更けにこそこそと何の話を? リオは意識を集中した。
『そんな事を言って本当は手放すのが名残惜しいだけなのでしょう?』
『どういう意味だ…?』
11:永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI
10/02/15 19:37:09 k4TfRh4W
『メイド達の噂になっていますよ? 貴方が、あの娘を何度も抱いていると』
背筋が凍った。そうだ、こんなにも大勢の人間が住んでいるのだ。
父との関係がバレても不思議じゃない。
『そんな与太話を信じるのかお前は?』
『そうは言いますがね。最近、わたくし達ご無沙汰していますよね?
昔はあんなに激しく求め合ったというのに』
『それはお前の体を思って』
『あははっ! 可笑しな話ですわね?
あの泥棒猫にあれだけご執心だった貴方が、今更わたくしの体を気遣うと?』
『……』
『聞けばあの泥棒猫も、娘と同じで、貧弱な体をしていたそうではありませんか?』
そうだ、実の母リシュテアはリオを出産した後、衰弱死したと聞いている。
『貴方はか弱い女がいいのですね?』
『そんな事は…』
『違うとおっしゃられるのなら!
今すぐにあの目障りな小娘をわたくしの前から消して下さい!』
『馬鹿な。そんな事が出来るわけが…』
『あら、そんな事ありませんよ? 食事に毒でも混ぜればいいのです。
ああいえ。薬草ですね、はい。世話係のパセットがいるでしょう?
精の付くものだと吹き込んであの娘に料理を運ばせればいいのです。
バカな娘ですから疑いもしないでしょう』
『正気か? そんな事が出来るわけが、』
『もうわたくしは我慢の限界なのです! あの女の娘が! わたくしの家で!
剣も持たずに、魔術も学ばずに、のうのうと過ごし!
あまつさえ貴方の心を奪っていることが!』
母の言葉がリオの胸に突き刺さる。
リビディスタの人間から、メイド達から疎ましい目で見られている自覚はあった。
だが、ここまで明確な憎悪、殺意をぶつけられたのは初めてだった。
(…怖いっ)
脚が竦み、その場から一歩も動けなくなる。
父に犯された挙句、母に殺す、と言われたのだ。
ショックで尿意も引いてしまった。
(私、お義母様にそんなに恨まれていたんだ…!)
父がする事も痛く、ただ辛い。だがそこには少なくとも、求められる、という事実がある。
それは誉められたものではない。
ないが、だがこうやって、真正面から全存在を否定されるよりはマシだ。
父は果たしてどうするのか。
何度も小さな体を求め、好きなように調教したのだ、情も移っているだろう。
リオは早鐘のように打つ心臓の音を煩わしく感じながら。
淡い期待を抱いて父の言葉を待った。
家の者に蔑まれてもいい。
いつでも好きなときに抱いてくれても構わない。
どれだけ痛くても我慢する。
だから、どうか―
(私を見捨てないで!)
『―分かったお前の言うとおりにしよう』
***
アレエスの街は四方を山に囲まれた盆地だ。
それも森林地帯を切り開き開拓した地なので街の周囲は深い森に囲まれている。
リビディスタの屋敷は街の最北端に存在し、それにも理由がある。
リビディスタの優秀な戦士達が、山に生息する魔物相手にいつでも実戦を行う為だ。
無論、森からは魔物達が入り込めないようにと、永続的に魔術結界が張り巡らせれている。
12:永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI
10/02/15 19:38:49 k4TfRh4W
これによりリビディスタ家の者以外は、外から内に入る事は出来ないようになっていた。
ただし、中から外に出る事は自由に出来る。
現に今、非力な少女が身一つで山の中へと歩いていた。リオである。
「はあ…はあ…っ!」
体力の無い彼女は、屋敷を出て十分も歩かないうちに息を切らせていた。
(リビディスタに私の居場所は無かった)
あの父にすら見限られたのだ。あそこに居てもいつか母に殺される。
いや、違う。そんな事よりも、パセットに人殺しの手伝いをさせたくなかったのだ。
(辛い思いをするのは、私だけで十分)
けれどそれももう終わらせる。
この森で、魔物達にこの身を捧げて、惨めで救いようのない人生に幕を下ろそう。
そう、どうせ自分は誰からも必要とされていないんだ。
だったら魔物達の糧にでもなればいい。
「あはっ、あははははっ!」
不意に笑いがこみ上げてきた。
実の父に犯され、腹違いの母に憎まれ、今魔物達の餌になろうとしている。
母の命を吸って生まれた娘の人生はたった十二年。それで終わりだ。
そんなのおかしすぎる。リオは笑った。気が触れたと思うくらい笑った。
笑わないと悲しみに押し潰されて狂ってしまいそうだったから。
笑って笑って、むせて、また笑って。森中にリオの声を響かせた。
けれど涙は溢れて止まらなかった。
どれだけそうしていたか。
涙も声も枯れそうになった頃、横手の茂みが、ガサリ、と音をたてた。
「っ!?」
恐る恐る音がした方に目を向ける。
月明かりに照らされながら、木々の合間から『それ』が現れた。
巨大な花に下半身を埋めた女性型の魔物。
上半身は確かに人間の女性に見える。
惜しげもなく晒された裸身は深い緑色。
赤い瞳を爛々と光らせ、獲物を―リオを見据えている。
その表情はまさしく捕食者のそれで、獰猛だ。
(…私、食べられちゃうんだ…)
触手を蠢かせ、色っぽい唇を真横に裂き、魔物はこちらににじり寄ってくる。
それをリオは立ち尽くしながらただ眺めた。
鎌首をもたげながらヒュンヒュンと風きり音を鳴らす雄しべのような触手が目に映る。
あれで絞め殺された後に、頭からバリバリと食べられてしまうのだろうか。
ひょっとしたら直に、食べられてしまうかもしれない。
(もう好きにして)
痛みも苦痛も慣れている。それで楽になれるなら、それでもよかった。
リオは全身から力を抜いて虚ろな瞳で呟いた。
「―私を、食べて」
『ジャアアァァアァアアァァッッ!!』
「っひくっ!?」
途端に真正面から叩きつけられる咆哮。
人外の化け物が放つ殺意に、麻痺していた恐怖感が、呼び覚まされる。
ジョロジョロと、ため込んでいた小水を漏らしてしまった。
「や、っあっ…! ―きゃあぁっ!」
震える体を触手に掴まれ、引き上げられる。
「は、離してっ、離して下さい!」
(いやだ、食べられたくない! 死にたくない!)
ここに来て生物としての生存本能が機能した。
身に迫る危機に恐怖が溢れ出し、無茶苦茶に暴れまわる。
だがもう遅い。
触手に引き上げられた小さな体は、魔物本体の前で固定される。
同じ目線に綺麗な女性の顔。それはリオの体を舐めるように見ると舌なめずりをした。
13:永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI
10/02/15 19:40:49 k4TfRh4W
ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。
初めて父親に抱かれた時と同じだ。
自分がどれだけ美味しいか、見定められている。
「あっ…やだっ、食べないで下さい! 私、全然美味しくないです!
体も弱くて、あのっあのっ! きっとヘンな病気にかかっちゃいますから!
だから、だからっ…!」
がしり、と両手で顔を挟み込まれた。
「…ひっ!?」
恐怖に染まるリオの顔をアネモネは満足そうに一瞬眺め、
次の瞬間大きく口を開いた。
「いやああああっっ!!」
目を閉じ、体を強張らせ来るべき激痛に備える。
世界から全ての音が消えた。
だが。いつまで経っても痛みを感じる事は無かった。
「―っぷっ」
なんだろう。この、笑いを堪え切れずに吹き出しました、みたいな声は。
リオは恐る恐る、目を開いた。
「あははははっ!」
何故か、目の前の異形が爆笑している。
状況が飲み込めずに腹を抱えながら笑う異形の女を、ぼんやり見つめた。
「―はあぁ、ごめんね驚かせちゃって? 怖かったでしょう?」
ひとしきり笑ってから、魔物は人語を喋った。
まるで人間とでも話をしているような錯覚を覚えてしまう。
だからかどうかは分からないが思わずコクリと、素直に頷いて、
(あ、失礼だったかもっ)
「あ、ご、ごめんなさいっ。こんな綺麗な人なのに、怖いだなんて…」
「もう、人じゃないわよ…でもありがとう。君、いい子ね」
「え…? そんなこと無いです…」
「謙遜しなくてもいいわよ。私みたいな化け物相手にまで気を遣ってくれて。
それに礼儀正しくて。君、もっと自分に自身を持ちなさい。ね?」
「あ、はい。ありがとう、ございます…」
そこまで話してふと気付く。
どうして自分はこんなところで触手のモンスターと世話話をしているのか。
(あ、あれ? なんで、こんな事に?)
死ぬつもりで家出したのにそのモンスターに命を救われた挙句にお喋りとは。
皮肉を通り越して喜劇的だ。
「あーでもあれね。こんな時間にこんな所に来る辺り、お利口さんとは言えないわね」
「……だって私、死ぬつもりでしたから」
人間相手でないことがかえって緊張を和らげたのか、スルリと、その言葉は出たきた。
女の魔物と言えば真剣な表情でリオの瞳を見据えた後、ふうと、ため息をついて、
「めっ!」
べしりっ。
「いたっ!?」
脳天を触手ではたかれた。
「命を粗末にするんじゃないの!」
腰に手を当てながら人差し指を立てて怒っている。子供をしかりつけるように。
まるで母親のように。
「―ふぇ…っ」
急に胸の内から何かがこみ上げてきた。
「ふえぇぇぇんっ!」
14:永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI
10/02/15 19:42:44 k4TfRh4W
「えっ!? ちょ、ちょっと君っ?
やだもうあたしってば…ごめんなさい、痛くし過ぎた?」
「びええぇぇん!」
優しい気遣いが心に染み渡り、また泣く。
「あぁもう…しょうがないわね…」
その魔物は穏やかな顔になると触手でリオの体をさらに引き寄せる。
小さな体が優しく抱き締められた。
「あたしの胸で良いなら、いくらでも貸してあげるわ」
「うええぇぇぇぇぇっん!!」
かくしてリオは、女の胸に顔を埋めて、おんおんと泣き続けるのだった。
***
いつまでそうしていただろうか。
涙なんてとうの昔に枯れ果てたと思っていたのに、随分と長く泣いていた気がした。
「よしよし」
女の魔物は、しゃくり続けるリオの頭を優しく撫でている。
それがとても気持ち良くて、ずっとこうしていたい気持ちに捕らわれた。
魔物なのに、今まで出会った誰よりも優しい。
「どう? 少しは落ち着いた?」
「…はい…あの、おかげざまで」
涙でくしゃくしゃになった顔を見て女がクスリ、と笑みをこぼす。
リオは恥ずかしくなって、ずるるぅっ、と鼻水を啜った。
「それにしても本当によく泣いてたわねぇ。
―ねえ? よかったら、何があったのかお姉さんに話してみない?」
「え…?」
「悲しい事、あったんでしょ?
あー。えっと、そう言えば君、名前はなんて言うの?」
「…リオです。リオ=リビディスタ」
(…あ)
リビディスタの名前を出してからしまったと思う。
かの家にとって自分はただの癌でしかないからだ。
だがリビディスタの事情を知らないモンスターは優しく微笑んだ。
「リオか…可愛い名前ね」
「えっ?」
名前を誉められる事など一度もなかったのでどきりとしてしまう。
「ねえ、リオ。あたしじゃ力になれないと思うけど、話くらいなら聞いてあげられるわ」
リオは少しだけ考えてから、このモンスターに全てを話そうと思った。
「あの…私のお母さん。その―夜のお仕事をしていたんです…」
「…あら…」
目を丸くした魔物の反応に少し肩を落としながら、リオは先を続ける。
「今から十三年前の話です。私のお父様が遠征先の街でお母さんと出会って、
―その、えと、何度も愛し合ったみたいです」
こんな話人に聞かせる事なんて無かったので、とても恥ずかしい。
甘えるように抱きつきながら、時折チラチラと女の反応を伺う。
自分の母も、そして自分も褒められるような生は送っていない。
こんな話を聞いて、喜んでくれるのだろうか、と不安に思う。
だが、それも杞憂のようだった。
女は笑顔で、こちらの話を聞いてくれていた。
「あら、良かったじゃない」
「…そんな事は、ありません―実はその時、お母さんは病気で体を弱めていて。
私を生んでから衰弱して―」
「まさか…」
予想した女に。リオは弱々しく微笑む。
「私はお母さんの命を吸って生まれたんです」
15:永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI
10/02/15 19:44:46 k4TfRh4W
「そう…」
「それだけじゃありません。
お母さんを失って、行き場を無くした私をお父様は引き取ってくれたんですけど。
お父様は、リビディスタっていう代々武術と魔術の両方を重んじる家系で。
その、ようするに血筋を大切にするところだったんです。
お母さんから虚弱体質を受け継いだ私に、リビディスタには居場所がありませんでした」
女はリオの話を真摯に聞いているようだった。
真剣な表情でリオを見詰め、何か思うところがあるのか思案に耽る。
「…魔術は? リオには使えないの?」
ふと口にした女の言葉にリオはまたしても力なく笑う。
「才能無いって、言われました」
「―本当に?」
念を押して聞いてくるアネモネを不思議に思いながら、リオは話しを続ける。
「本当ですよ? それで剣も魔術も使えない私は、『リビディスタ家の汚点』って。
そう言われ続けたんです。特にリビディスタのお母様は、私の事を目の敵にして―」
先程の事を話す。子を毒殺しようという両親の企み。
それに唯一の友達を利用しようてしたこと。
その友達、パセットの話もした。
可愛くて真っ直ぐだった彼女が、大好きだった事を話した。
父の話もした。実の子を陵辱するおぞましく、恐ろしい存在。
だが、彼がリビディスタの中で、唯一の居場所だったという事。
全部、包み隠さず話した。
話を終えたら、また泣きそうな気持ちになった。
そんなリオを、モンスターは優しく抱き締めてくれた。
「ごめんなさい。あたし、命を粗末にするな、なんて偉そうなことを言って」
「いえ、いいんです。実際、私はあの時に、死にたくない、って思いましたから。
バカな事をしたと思っています。でも―」
(もう、リビディスタに戻る事は出来ない)
「私もう分からないんです。これからどうすればいいのか…」
自分が何を出来るのか分からない。どんな人に必要とされているのか分からない。
身の回りの事はパセットが全てしてくれていたので家事もろくに出来ない。
父親に仕込まれたせいで床の上なら何か出来るだろうが、この虚弱体質では限度がある。
リビディスタの名も、ただの飾りだ。
自分の味方は誰も居ない。
誰からも必要とされないなら。
(私、一体何の為に生まれてきたんだろう)
「リオ。あたしの仲間になりなさい」
突然だった。何を言っているのか分からなかった。
「直感したわ、リオ、君はあたしと一緒に来るべきだわ」
「どういう事ですか?」
「あたしこう見えてももう二百年は生きてるんだけど。時折人肌が恋しくなるのよね」
「…え?」
「誰かと交わっても刹那的なものだし。
だからと言って派手にやらかせばすぐに人目について、退治されそうになるし。
今も追われている身なのよね。あたし暫く一人だったから。この逃亡劇も結構辛くてね。
やっぱり独りは寂しいわぁ」
「はあ―そうですか」
(あれ、そう言えば。私、この触手のお姉さんの事何も知らない)
「あの、結局、お姉さん、一体どういう…?」
その質問にモンスターは一瞬固まり、すぐに照れ隠しのような笑みを浮かべた。
「もう、いやだわ。あたし、リオの話ばっかり聞いて、自分の事何も話して無いじゃない。
ゴメンね? こうして誰かとちゃんと話すのなんて何年ぶりだったの」
こほん、と一つ咳払い。
16:永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI
10/02/15 19:49:47 k4TfRh4W
そしてモンスターは腰に手を当ててたわわに実った胸を反らすと名乗った。
「あたしはネーア。アネモネのネーアよ。宜しくね、リオ」
にっこりと笑う彼女の表情は、魔物とは思えないほど穏やかで、優しさに溢れていた。
第二話終了です。
えー。ネーアだって。どこかで聞いた名前だなぁw
という訳で旧キャラ判明しました。無限の果肉シリーズのヒロイン、ネーアです。
前作から二百年後の世界なので色々成長しています。
精神もそうですが主におっぱいとかおっぱいとかおっぱいとかです。アネモネ効果です。
人外化すると体がエロくなるのは触手に媚薬くらい当たり前ですね。
次は二人のヒロインがぐっちょんぐっちょんに交わりますよぉ。
触手寄生和姦だ! 筆が乗るぜ!
ところで連投寄生って何回くらいでしたっけ?
二十回くらいなら二話分まとめて投下も出来るんですが。
ガイドラインやQ&Aを見てものっていないし。
知っている方、もしいらっしゃれば教えてくれると助かります。
乱筆失礼しました。今回はこの辺で。
幼女―万歳。
17:名無しさん@ピンキー
10/02/15 20:35:31 8R8pQXww
連投すると寄生されるのか?それとも連投しないと寄生されるのか?
実に気になりますなぁ
18:名無しさん@ピンキー
10/02/15 21:24:54 rv7Zz/6k
GJっしたぁ!
いよいよいよいよですかな?
幼女マンセーに禿同しつつ、楽しみに次回待ってます。
19:名無しさん@ピンキー
10/02/16 01:37:48 diQ6yA4k
ちょ、このアネモネはネーアさんだったのかwww
なんという成長っぷり(性的な意味で)、これなら幼女さんも幸せにしてくれるはず
もう妄想が止まりません><
20:名無しさん@ピンキー
10/02/16 04:29:36 ij6wOeNw
|┃三 /::::::::ハ、\、::::::::\\::::::::::::',
|┃ i:::::::イ `> ー─--ミ::::::::::::|
|┃ {::::::::| ::\:::/:::: \:::リ-}
ガラッ. |┃ ',::r、:| <●> <●> !> イ
|┃ ノ// |:、`{ `> .:: 、 __ノ
|┃三 |::∧ヘ /、__r)\ |:::::|
|┃ |::::::`~', 〈 ,_ィェァ 〉 l::::::》
|┃ |:::::::::::::'、 `=='´ ,,イ::ノノ从
|┃三 ノ从、:::::::::`i、,, ... ..,,/ |::::://:从
21:名無しさん@ピンキー
10/02/16 05:35:45 r8pMF4/Z
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃ ピシャッ!
|┃┃
22:名無しさん@ピンキー
10/02/16 11:24:31 beOo20Fm
前作魔物「アドニス」と「アネモネ」は名称違うけど別種なの?
無限の快楽で200年経た果ての進化系か?
妄想が膨らむぜ。
23:名無しさん@ピンキー
10/02/16 21:08:19 EWO9SX42
前スレ埋めSS、すごく良かったよー。寄生和姦LOVE!!
24:名無しさん@ピンキー
10/02/16 23:08:21 diQ6yA4k
前スレラストGJ!
甘いのもいいけど半ば強引なのも悪くない
25:名無しさん@ピンキー
10/02/16 23:52:46 U0VeKa2J
前スレの人お疲れ様
寄生成分が少ない気がしたけど、なかなかよかったよー
できればまた違ったものを書いてほしい
26:25
10/02/17 04:56:22 NeP2yDGc
撤回する 時間が無くて最後だけしか読んでなかった
本当GJすぎます お疲れ様でした
27:名無しさん@ピンキー
10/02/17 05:21:03 iVk7L1S+
寄生前 >25
寄生後 >26
僅か5時間で、ここまで人格を変えてしまうとは……流石前スレ>626だ
28:名無しさん@ピンキー
10/02/21 01:26:57 cLfLuq5t
乙×風さんの作品が生殺しすぎる
今日も裸で待機するか…
29:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:05:07 Kre4J8NL
前スレ626さん投下お疲れ様でした。
貴重なエロ分を補充できたのでマジ嬉しいっす。
さて、今日も投下させて頂きます。
連続投稿による規制云々ですが自己完結しました。
連続投稿回数に上限が設定されているようではないみたいですね。
連続投稿する際の間隔の長さに下限があるだけのようです。
ひょっとしたら違っているかもしれませんが。
まあ、取りあえずは投下してみます。文章量も思い切って多めにしました。
しかしもしかしたらこちらの不手際で投下途中に規制が掛かるかもしれません。
その場合はどなたかが書き込んでこちら規制を解除してくれると助かります。
以下NGワードです。
(触手、フェラ、ロリ、猥語、種付け)
ネーアがあの性格だから和姦になる予定でしたが割とがっつりやります。
ではどうぞ。
第三話 人よりも優しい魔物
ネーアと名乗ったモンスターを改めて眺める。
(おっきなお胸)
少し恨めしい。
「あら。あたしの裸に見とれた?」
良いながら男を挑発するように、妖艶にポーズをつける。
光沢のある萌葱色の肌が波打ち、それだけで妖しい色香を放つ。
同姓だというのに余りのエロティックさにドキドキした。
「ふふ。良いわね、その初な反応。女冥利に尽きるわ」
ふと思い出す。
以前、暇つぶしに読んだ、モンスターの図鑑にアネモネの事が載っていた。
彼女達は『アドニス』と呼ばれる寄生型植物と同化させられてしまった人間の女性だ。
今からおよそ二百年ほど前、大量に繁殖したモンスターである。
巨大な花にその身を埋めた彼女達は、理性を蕩けさせる催淫ガスを放つ。
そしてガスを吸い込み正気を失った人間の女に『アドニスの種子』を植え付けるのだ。
『種子』は子宮に植え付けられ、被害者の体液、或いは精液を糧に『芽』へと成長する。
『芽』は子宮に根を張り、膣を通って体外へと伸びる。
『芽』と名付けられたがその形は『花』そのものだ。
被害者の陰唇から花が生えたような格好になる。
この状態になると被害者の理性も危うい。
『芽』の最奥部、つまり胎内では新たな『種子』が既に生成されているのだ。
こうなると本能のまま、新たな犠牲者を犯し、自分がされたように『種子』を植え付ける。
『芽』は更に成長する。
被害者の下腹部が膨らみ、妊婦同然に膨れ上がると、『芽』が体外へと排出される。
だがこれで犠牲者達が解放される事は無い。
体外へと産み落とされたそれは『花』であり、これが『アドニス』。
それ自身が自我を持ち、自分を産み落とした母体を或いは他の女を陵辱し、体液を啜る。
『花』となったそれの成長は早い。
30:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:06:54 Kre4J8NL
産み落とされてから三日程で『成体』となる。
この三日間の間で、母体を陵辱し、子宮から体内構造を作り変えてしまう。
『花』と『母体』は子宮を通して完全に繋がり、意思も神経も同調する。
肌の色が浅葱色へと変化し、被害者は『アネモネ』となる。
こうなったら人間としての心は完全に消えている。
『芽』が生えた状態では操られている、と言えなくも無い。
だが『成体』となったら自らの意思で嬉々として人間を襲う。
こうして彼女達は無限に増殖していくのだ。
二百年前に起こったアネモネの大量増殖もそうだったらしい。
最終的に、かの偉人ウラヌスが秘術を用いて彼女達を『無力化』したらしいが。
らしいと言うのは当人がその秘術を使用した時点で命を失っていた事。
そして大量増殖した被害者達はアネモネから人間へと戻り、当時の記憶を失っている事。
この二点が事の仔細を不明瞭にしている。
それは、兎も角。
問題は眼前に本物のアネモネが居る、という事だ。
資料に寄れば彼女達は人の姿をし、人語を操るが、その実態はやはり化け物。
人間を襲う事を生業とする、モンスターだ。
それにしてはどうにもこのネーアというアネモネは人間臭い気がするが。
「―あの、その。ネーアさん、アネモネ、なんですよね?
私も、その、されちゃうんですか?」
「ん? 何? 興味ある?」
「ちち、違います!」
「あら? 顔が真っ赤よ」
「…からかわないで下さいっ」
「うふふ♪ 冗談よ―そうねぇ…」
にんまりとした意地悪な笑みが一転。ネーアは穏やかな表情を浮かべた。
「最初はね。リオとしようかと思ったんだけど。止めておくわ」
「どうしてですか?」
「どうしてって、体、弱いんでしょ? 無理させたくないもの」
「あ―」
気を使ってくれている。こんな自分に。
(どうして、こんなに優しいんだろう)
自殺を決意した自分を叱咤てくれた。
つまらない身の上話を聞いてくれた。
泣いたら抱き締めてくれた。
今まで、こんなに親身になってくれる者はいただろうか。
話しているだけで、心が安らぎ、不安や恐れが消えていく。
人間じゃないのに。いや、今では人間の方が恐ろしい。
それに父親も母親も、姉も。友達も。自分にはもう何もない。
(そっか。私、失う物、何も無いんだ)
元より捨てるつもりだったこの命。
彼女が望むなら、
「…ん? リオ? どうしたの?」
「―ってもいいです…」
「え?」
「仲間になってもいいです」
彼女の目を見て、はっきりと言った。
迷いは無かった。
「私を、アネモネにして下さい」
「……いいの?」
「もう、リビディスタに私の居場所はありません。それにこんな体ですから。
何処に居ても、誰かに迷惑を掛けてしまうんです」
毒殺される。誰かに迷惑をかけながら無様に生き長らえる。野垂れ死にする。
31:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:08:44 Kre4J8NL
どう転んでも、幸せな人生は歩めそうにない。
「でもネーアさんは。優しくしてくれました」
「…そうかしら? あたしはモンスターよ?
あなたを油断させる為に芝居をしてるかもしれないわ」
「それはきっと違います」
「あら? どうして?」
「上手く言えないんですけど。私、何となく分かるんです。ネーアさんは優しい人って」
「もう。おだてても何も出ないんだから。でもありがと。
あたしも優しい、なんて言われたの久しぶりだわ。悪い気はしないわね」
クスクス、と二人で笑い合う。
リオは確信する。
屋敷では得られなかった、人の優しさは、人をやめる事によって初めて得られるのだと。
「それじゃあネーアさん。お願いします」
「あー。こっちから言い出しておいてあれなんだけど。本当にいいの?
人間、止める事になるわよ?」
それはつまり、今度は人間を『襲う側』になるという事だ。
確かに、見知らぬ誰かを傷付けたりする事は悲しいが。
心も、体も、もう散々穢れている。今更罪の一つや二つ、怖くは無い。
何よりも。
「ネーアさんの傍に、居たいんです」
「…参ったわね」
「私、家に未練もありませんから、本当にいいんです。
それに、この体、私嫌いなんですから」
「やっぱり、体弱いの気にしてるの?」
「それだけじゃありません。髪の色とか皆と違うし。
それに私自分の体臭が、気になって仕方ないんです」
父親に穢されるので、雄の匂いが染み付いていないか、というのもある。
だがそれ以上に。自分の匂いは普通の子と違う気がする。
パセットがじゃれついて密着する機会が多いのでそれは確かだ。
父親も、よくこの体の匂いを嗅いでいた気がするし、何だか気になるのだ。
「そうかしら。あたしはリオの髪、好きよ。綺麗なピンク色。
サラサラしてて頭を撫でてる時気持ちよかったわ。
その瞳も変わってるわよね? オッドアイって言うんだっけ?」
「あはは…皆、薄気味悪って言ってます」
「そんな事無いわよ! 何と言うか、神秘的な感じがするわ」
「え? あの、本当ですか?」
「本当よ? リオは自分の容姿にもっと自信を持って良いと思う」
「でもでも、私、変な臭いしてませんか?」
「そうねぇ―」
「きゃっ」
脇に鼻っ面を押付け、すんすんと匂いを嗅がれる。
猛烈な恥ずかしさに襲われた。穴があったら入りたくなってくる。
そういえば最後に体を清めたのはいつだっただろうか。
「んー。変な匂いなんてしないわよ? これは日向野の匂いね。
きっと日当たりの良い部屋なんでしょ」
「あ、え…、は、はい。そうですね。暑いくらいで、私、すぐ汗掻いちゃうんです」
「ふふ、確かに。汗の臭いもするわ」
「やっ!? 嗅がないで下さい!」
「そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫よ。リオの体、甘い、良い香りがするわ。
香水とかの匂いじゃないし。きっと体質ね」
「そ、そうなんですか?」
男の精を何度もうけた体は、いやがおうにも汚く思えるが、それは思い込みだったのか。
「そうよぉ。何十人も女の子を抱いてきたあたしが言うんだもの。間違いないわ。
まあでもおしっこの匂いは普通ね」
「―ぁ」
空気が固まる。
そういえばさっき、ネーアに驚かされて派手に失禁した気がする。
(やだ! 私、オシッコでベタベタになってる!)
32:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:10:26 Kre4J8NL
「いやああぁぁっ!」
「あらら。もう…おしっこぐらいで大げさね」
「そんな事ありません! いやっ、もう離して下さい! 臭い嗅がないで下さい!」
「クンクンクンクン♪」
「だからぁっ! もうっ、セクハラですぅ! 変態ですう!」
ピタリ、とネーアの動きが止まる。変態は言い過ぎだったか。
(どうしよう。傷つけちゃったのかな?)
「あ、あの。ごめんなさい。酷い事言っちゃって」
何気ない言葉が人の心をどれだけ傷つけるのか。
それはリオ自信が身を持って知っていたので、申し訳ない気分になった。
「ねえリオ。やっぱり。モンスターになるなんて嫌?」
「え? どうしてそんなこと言うんですか?」
「だ、だってさっきから嫌がってばっかりだし。
あたしのことは変態呼ばわりするし。
ひょっとしたら、嫌いになったんじゃないかって…」
目を伏せながら喋るネーアの言葉には覇気が無く、怯えた子供のよう。
(あ…そうか…そうなんだ)
この時リオは理解した。人肌が恋しいというネーアの言葉。
あれは冗談でも何でもなかったと言う事に。
(ネーアさん。寂しがり屋なんだ)
片や親から見捨てられた醜いアヒルの子。
片や人に追われる人の心を持ったモンスター。
(私達、お似合いかもしれない)
「ネーアさん。大丈夫ですよ? 私、ネーアさんの事、嫌いになったりしませんから」
「本当に?」
「はい」
「あたしの仲間になったら…毎日、エッチな事するわよ?」
「そ、それは―の、望むところです!」
「それじゃ―」
「んっ!?」
突然唇を奪われた。
初めてのキス。しかも同性とのそれに目を白黒させる。
だが驚きはしたがショックではない。男に捧げる操は二ヶ月も前に散っていた。
それに今更素敵な殿方と甘い恋がしたい―そんな稚拙な希望を抱ける訳も無かった。
だから喜んでネーアの舌を迎え入れた。
唾液を送り込まれ、歯茎と咥内に舌を這わされる。それに合わせるようにこちらも動く。
チュプチュプ、と粘液をかき回す音が頭の中で響き渡る。
余りのいやらしさに胸が怪しく高鳴る。
舌と舌が絡まり合うと蕩けるような愉悦に頭がぼうっ、とした。
(あ、これ、気持ちいい…っ)
催淫ガスのせいもあるだろう。
だがそれを差し引いても、父親とのキスなんかよりもよほど官能的だった。
まるで粘膜が性感帯になったように甘く痺れる。
ふんふん、と鼻に掛かるネーアの吐息が甘く香り、更なる興奮を呼び起こす。
股下が、じゅくり、と甘く疼くのを自覚した。
「ちゅうぅぅ―ぷはっ―ふうぅっ、こんな事毎日しちゃうわよ?
普通のキスとかしないんだから」
最後に舌を啜ってからディープキスから解放したネーアが優しく微笑む。
激しく甘い口付けにリオは虜になりそうだった。
(それは…嬉しいかも)
だがリオは酸欠とキスの余韻で喋ることも出来ない。
かと思えば優しいアネモネは心配そうに顔色を伺った。
「あ、…ごめんなさい。少し刺激が強かったかしら?」
「だ、大丈夫―です―はあぁ、はあ…」
リオは息を整えると恥ずかしさに顔を背けながら、それでも正直に言った。
「その―気持ちよかったです」
「…可愛い!」
33:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:12:05 Kre4J8NL
「え?」
「どうしてそんなに可愛いのよもう! もうお姉さん我慢できないわ!
エッチよ! 契約よ! 種付けよ!」
いきなりネーアのテンションが上がる。
リオが受け入れてくれた事が余程嬉しかったらしい。
ぞわぞわと足元の花弁が蠕動し、そこら中から触手が生え出す。
花の中心部―つまりネーアの埋まった所から、甘酸っぱい、花の香りが漂ってきた。
(あ、いい匂い)
図鑑にはそれが、人間を欲情させる効果があると載っていた。
だが、知っていたからと言ってどうしようも出来ない。
フニャフニャになっていく体を触手に拘束され、慣れた動作で着ている物を脱がされた。
「あ…やだ、裸、見ないで下さい…」
月明かりに幼い少女の裸体が浮かび上がる。
病弱な体は少し線が細い。
更に言えば胸は勿論の事、腰回りや、尻の肉付きなど、控えめななものだ。
だが紅潮した肌は押せば返すような張りを持っている。
小さな臍や、寒さのせいで徐々に充血する乳首も愛らしい。
あばら付近から、小さな胸や、羞恥の丘へと続くなだらかなライン。
それが今後の成長を期待させる。
見るものが見れば、こんな未成熟な体でも十分魅力的に見える。
何よりも恥じらいに頬を赤くし、俯く少女の顔が可愛らしかった。
「かーわーいーいー!! きゃーー! リオちゃーん!」
「ちょっ、ネーアさんっ!?」
「ぷにぷによっ! ぷにぷにだわ! ああこの肌すべすべ! たまらないわぁ!」
「ひっ、やっ」
胸や腹、肩口やわき腹など、優しく撫でられ、揉まれる。
それが他愛の無いじゃれあいだという事も分かる。
だが裸体を触られる以上、それが性行為だという事も考えてしまうのだ。
ともすればセックスで苦痛を受けてきた体は、反射的に強ばってしまう。
「……えーと、…リオ?」
芳しくない反応にネーアが首を傾げた。
「ご、ごめんなさい」
「んー。ガスも撒いてるのに、中々解れないわね」
「本当にごめんなさい。私のせいで」
「そんな事言わないで、ね? 今まで辛い思いをしてきたんでしょ?
無理もないわ。でも大丈夫。そんなの気にならないくらい。感じさせてあげるから」
「ひゃっ!?」
いきなり脇の下を触手になぞられた。
「ふふふ。ガードが固い方が、あたしも燃えるからねー。
ちょっと本気を出すわよぉ?」
ふっ、と耳元に息を吹きかけられる。
ぞくぞくとした感触がして『にゃぁっ!?』とおかしな声が出た。
「ふふ。可愛い声出しちゃって」
「ひゃん!?」
今度はうなじ。
「体、ぷにぷにだわ。気持ちいい。良い匂いもするし。
リオのお父さんが夢中になるのも分かるわ」
「あっ!? うぅんっ」
愛撫は、吐息から触手によるタッチへ。
首から胸へ。胸から腹部へ。触れるか触れないかという絶妙な力加減で撫でられる。
くすぐったいようなじれったいような性感に、リオの中で欲情の炎が燻り始めた。
膣が疼いて汁を搾る。リオの甘い体臭に酸味のあるメスのフェロモンが混じり始める。
(私、興奮してるんだ…)
自覚すればその先に更なる官能があった。
雄しべのように花弁の付け根から伸びる触手。
それらに乳輪を、腋の下を、臍のすぐ傍を、撫でられる度にぞわり、と肌が粟立つ。
外で裸になっているから―それだけの理由ではない。明らかに感じている。
34:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:14:05 Kre4J8NL
(頭、ぼーってするよぅっ)
はあはあ、と自分の呼吸音が聞こえる。まるで犬みたいで、少し情けない。
だが徐々に肌を撫でられるだけの刺激では物足りなくなってきた。
さっきから敏感な場所はネーアの手も、触手も触れていない。焦らしているのだ。
「んん…っ、ネーアさんっ、意地悪ですっ」
「んー? 何の事かしらぁ?」
そう言って妖艶に笑う姿は、やっぱり魔物。
けれど彼女の手が、陰部を目指して徐々に下がって来るとリオの体は緊張した。
快楽に期待して、胸が怪しく高鳴る。
それが淫らな気持ちだとは、思いもしない。
エッチがこんなに素晴らしいものだとは、思いもしなかったから。
「ふぅっ♪」
「きゃぁあん!?」
いきなり耳に息を吹きかけられ声が裏返る。完全に不意打ちだった。
「隙あり♪」
ネーアの指先が、左の乳輪をクルクルとなぞるように動く。
もどかしい快感にリオは身じろぎした。
だが、乳輪をなぞる円は徐々に幅を狭めて、小さなポッチとニアミスする。
再び淫らな期待に胸がときめいて、
「―と見せかけてこっち♪」
パクリと、触手の先端に右の乳首をくわえられた。
「きゃんっ!?」
そのままコリコリと甘噛みされる。
胸にピンク色の電流が流れて、視界内で火花が散った。
その快楽。比喩でもなんでもなく、未知の領域だった。
(こんな…っ、すごい! お父様にしてもらった時と全然違う!)
「はあっ…はあぁ…っ!」
鼓動が早い。吐息も艶めかしくなる。
女芯から、ジクジクと発情汁が溢れてくるのが分かった。
股下のべた付きは、小水よりも愛液の割合の方が遥かに多い。
「だいぶ、解れてきたみたいね?」
「―っ…」
ネーアの言葉に顔が真っ赤になった。
「ネーアさんの手がいやらしすぎるんですっ」
「あら。それはアネモネにとっては最高の誉め言葉だわ♪」
「もうっ、知りませんっ」
「拗ねた顔も可愛いわ―もっと見せて頂戴」
触手に捕まれたまま体の向きを変えられ、再び向かい合う。
と、触手に力が入り、リオの脚が開いていく。
「だ、駄目です!」
小水と愛液でドロドロになった自分の性器なんて、他人に見せられる筈がない。
何より使い込まれたヴァギナが他人と違っていたら、気持ち悪いと言われたら。
そう思うと気が気でない。
「駄目じゃないわ。あたしはリオの全部が見たいの。綺麗な所も、汚い所もね?」
そうしてあっさりと、足は開かれた。
さらけ出された幼い羞恥の丘に、痛いほど視線を感じる。
「―リオったら。綺麗なアソコしてるじゃない」
「え? 本当ですかっ?」
「本当よ。勿体ぶってどうなってるのかと思ったら。ビラビラだってはみ出してないし」
くちり。
「あっ!」
細い指が涎を垂らす割れ目を開く。
「粘膜も、サーモンピンクの綺麗な色をしているわ」
「あっ、あのっ! どこか変な所とかは…」
「大丈夫よ。リオのアソコ、どこもおかしくないわ」
「ふえっ…」
35:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:15:54 Kre4J8NL
(良かったぁ…)
「リオ。ここ綺麗にしてあげるわ」
「え? え!? ここっ、て駄目です! そんな所、汚―あぁ!?」
ゾロリ、と割れ目に舌が這わされ、仰け反る。
反応を見て気を良くしたネーアはクンニを続けた。
割れ目に沿って舐めあげたり。肉ビラを一枚一枚磨き上げるように舐めたり。
膣の浅い位置に舌を差し込まれ、抜き差しする。
「あっ!? ふあっ!? はぅ!?」
痺れるような快楽だった。
苦痛に対してある程度我慢も出来るが、純粋な快楽には殆ど免疫がない。
チュプチュプと解れたヴァギナから卑猥な水音が鳴る度にアソコが痺れる。
喉からはしたない喘ぎ声が洩れてしまう。
(駄目っ! 気持ち良すぎて、頭変になりそう!)
びりびりとした純粋な快楽に意識が混濁する。
運動した後のように息が荒くなり。幼い顔は火を噴くかと思うほど真っ赤になっている。
女芯からは愛液が大量に湧き出し、リオの甘い香りを辺りに振りまいていた。
「あっ! はぁ! ネーアさん、ふあっ!? ま、待って! 待って下さい!
んあぁあぁぁ…! それ以上されたら私っ、おかしくなっちゃいます!」
返事の代わりに肉色の真珠に舌を這わされた。
「きやぁあんっ!?」
宝石でも磨き上げるように丁寧に、そして執拗に、性感の固まりを舐め解される。
身体中に電気が走り抜け、頭の中で星が散る。
強すぎる刺激に腰が引けてしまうがネーアに抱き付かれ、逃げられない。
ちゅぅっ…!
「あっ!? 駄目えぇっ!」
とどめとばかりにクリトリスを吸引され、そして解放された。
「ご馳走様♪ リオのお汁、とっても美味しかったわ♪」
これは男にくれてやるのは勿体無いわねえ、と明るくのたまっている。
余りの刺激に、前後不覚になっていたリオには言葉を返す余裕も無かった。
「はあっ…はあーっ…!」
「ふふ。涎垂らしちゃって。よっぽど気持ち良かったのね。
アソコもグチョグチョで、リオのエッチな香りがするわ♪」
「あーうっ」
指摘されて赤い顔がさらに赤くなった。
「リオったら可愛い♪」
「ば、ばかぁ…!」
余りの快感に肩で息をするリオは照れ隠しでそういうのが精一杯だった。
(あっ! どうしょうっ、馬鹿って言っちゃった)
「あら、悪い事を言う口ね?」
「ご、ごめんなさいっ」
「そんな口にはコレよ!」
「んむぅ!?」
花弁の根本から特に太い触手が生え、リオの小さな口を割って入る。
『舐めて』と言われるがままに特大触手にフェラを始めた。
(うわぁ。お父様のより大きい。
それにエラの部分が多重になってて…もしこんなのを入れられたら…)
過酷な陵辱がフラッシュバックすると、解れていた体も再び緊張してくる。
それでもネーアの期待には応えたくて、磨き上げた舌技で触手に奉仕した。
「あんっ…リオったら上手じゃない」
リオの不安を見越していたのか、ネーアはピンク色の長い髪を梳くように頭を撫でる。
頭を撫でられると心が安らぐ。リオは嬉しそうに目を細めると奉仕に夢中になった。
「あむ…ちゅ…っ、ぺろぺろっ…ちゅるっ」
(ん。本当に、大きい。エラエラに舌が削られちゃいそう)
これに比べれば父のモノなど可愛いものだ。
(お口だけじゃ、おいつかない、かな?)
ふと思い付き、せわしなくうねる胴体部分に両手で優しく触る。
「あん…!? リオ、いいのよ。そこまでしなくても」
リオは返事をする代わりに、触手をくわえたまま上目遣いにネーアを見た。
36:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:17:36 Kre4J8NL
照れ臭そうに微笑んで、
にちゃっ、にちゃっ―
「ああっ!? リ、オっ…!」
両手を使い、触手の銅をしごきあげる。
(あ―ネーアさん。感じてくれてるんだ―嬉しい…)
胸の内から幸福感が込み上げる。
眉をハの字に歪めたネーアに、リオの中に眠っていた奉仕精神が覚醒した。
「れろぉっ…ちゅぷちゅぷ―ぷあっ…はあっ…ペロペロ、
ネーアさんっ、もっと―ちゅっ…、感じて下さいっ―ちゅるっ」
凶悪な雁首に、丁寧に舌を這わせた。
先から漏れる淫汁を啜り、軽く歯を立てる。
恥垢を舐めとるように雁と雁の間を丁寧に舐め上げる。
疣疣のついた先端部分を口の中に招き入れる。
そして亀頭部分を飴でも舐めるように舌で磨き上げた。
当然、この間にも手コキは続けている。
角度を変え、力加減を変え、長く太い触手の胴をしごき続けた。
「あっ!? ぁん! リオっ、上手すぎよぉ! はっ! はぁ、んっ…!
ああっ、あっ、あっ、あっ…! ダメ! このままじゃ私っ」
(イって下さいっ、ネーアさん。私のお口の中にネーアさんの沢山出して下さい!)
舌使いもそこそこに口をすぼめて触手を締め付ける。
少ない肺活量を限界まで使って吸引すれば、小さな口内も女性器の代わりになる。
顔を前後にピストンさせて触手を受け入れると喉の粘膜が何度も小突かれた。
たまらず嘔吐してしまいそうになるのを涙を流しながら必死に堪える。
「あっ!? ごめんっ、リオっ! 私っ、もうっ、我慢っ…あっぁあっ! あぁぁあっ!!」
勢い良く先端を喉奥に突き込まれる。次の瞬間、触手が脈打った。
ビュル! ドプドプドプっ!
「んんんっ!?」
(凄い量! お父様よりもずっと多い!)
喉を叩く熱い感触に吐き気を催す。
だがそれは単なる肉体の反射であって心の方は違う。はっきり言うと充実していた。
父のをくわえてもこんな気持ちにはならなかった。
だが、今はネーアを射精に導いた事に達成感すら覚える。
「うっ…はっ、…ぁっ!? 御免なさい、リオっ」
ずるりっ、と音を立てて触手が引き抜かれた。
びゅるびゅると触手が水をぶちまけるホースのように暴れ回り、顔を汚される。
顔を叩く熱い粘液を感じながら、口に溜まった粘液を飲み下した。
(あ、美味しい…)
濃厚な体液は甘い、蜜の味がした。
それをある程度飲み下したところで、大きく息を吸う。
「っ…! げほっ! げほっ!」
慌て酸素を取り込もうとしたのがいけなかったのか、盛大にむせてしまう。
「あぁもう私ったら! ホント馬鹿なんだからっ…ほらリオ? 大丈夫?
無理させてごめんなさいね」
ネーアが背中をさすってくれている。
上目遣いで見上げれば今にも泣きそうな表情をしていた。
なんだがかえってこちらが申し訳ない気持ちになってしまう。
変わった人だ。いやモンスターだけど。
けれども今まで出会った誰よりも優しかった。
「あ、ありがとうございます。も、もう…大丈夫、ですから」
「…本当に?」
そう訪ねるネーアの表情は叱られた子供のように不安げだ。
それが彼女の妖艶な姿とのギャップも相まって、本当に可笑しい。
「もう何よ。人が心配してるのに。笑う事ないじゃない」
「あはは…あ…ごめんなさい。何だか可笑しくなっちゃって」
「…嫌じゃなかった?」
急に真顔に戻ったネーアの問いにリオは笑顔で答えた。
「少し苦しかったですけど…全然嫌じゃないですよ」
(自分でも不思議。お父様のは辛くて苦しくて、嫌なのに。
ネーアさんのは全然嫌じゃなかった)
37:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:19:24 Kre4J8NL
こんな、得体のしれない触手なのに。
催淫ガスのせいだろうが、それ以上に相性もあると思う。
なんだか肌に合っている気がするのだ。
「なら、良かったわ。私ったら一度火が着いちゃうと自分じゃなかなか抑えられなくてね。
リオの可愛い顔、ベタベタにしちゃった」
ちゅ、と蜜を舐めるようにキスをされる。
それも一度ではなく何度も何度も。顔中に降り注ぐキスの雨がくすぐったい。
でも、それだけじゃ、何だか物足りなかった。
舐め取られていく蜜も、勿体無い気がする。
「ネーアさん…」
「…っ!?」
呼びかけに応じ、こちらに注意を向けたネーア。
そんな彼女の唇を今度はリオが奪う。
唇を合わせるだけのような、甘いものじゃない。
かつて父にそうされたように舌を捻じ込み、相手の唾液を啜る。
じゅるじゅると音を立てて、自分の顔を汚した体液を啜った。
それをネーアの舌と自分の舌でこね回し、攪拌し、思う存分味わってから飲み下す。
「リオ、あなた…」
「蜜、美味しかったから」
頭が回らない。自分が何をしたのかもよく理解していない。
何を言っているのかも良く分からない。
只、酷くアソコが疼いている。かつて無いほど、淫欲に支配されていた。
ガスのせいだろうか。それとも蜜にも同様の効果があったのか。
その両方か。それともそれ以外に理由があるのか。
「ネーアさぁん…」
とんでもない猫なで声だった。甘く、男を誘惑する声だ。
自分が発したものかと思ってしまう。
本当は自分の中に『何か』が居て、それが体を乗っ取ったのではないのか。
その考えは実は当たらずとも遠からず、という事をこの後リオは身をもって知る事になる。
「アソコ、疼くんですぅ…」
言いながら彼女の体に我が身を摺り寄せる。
さっきから子宮がじくじくと疼いて本当に、堪らない。
トイレを我慢するように太ももを擦り合わせて、その辛さを訴える。
いつの間にか滲む涙で、視界が濡れていた。
媚びるような訴えにネーアは喜び勇んで犯してくれるものかと思った。
だが彼女はリオの蕩けた顔を見て、表情を引き締める。
「分かったわ。貴女を抱いてあげる」
そう宣言すると彼女は淫蕩な笑みを浮かべた。
アネモネの本性が剥き出しになり、細い触手達から更にガスを噴き出す。
甘く香るそれに、なけなしの理性が削られる。視界が薄い桃色に染まった。
リオは自分から腰を押付け、あろう事か自ら割れ目を割り開く。
ふしだらな行動だとは思う。だがそれを止められない。止める気も無い。
「スケベな子。リオってやっぱり『こっち』の才能があるんじゃないの?」
ぐちょり、と割れ目に指を沈み込まれた。
ヴァギナから甘い電流が流れ、『あぁんっ』と甘ったるい喘ぎを上げてしまう。
リオの反応に気を良くしたネーアは小さな体を更に責め立てる。
「んあっ!? そ、それぇっ」
左の乳首に細い触手を絡ませ、搾られる。
痛いほどの刺激なのに、子宮がきゅう、と蜜を絞った。
「ほら、こっちも」
「あはぁんっ! いい、いいよぉっ」
立て続けに右の乳首もぎりぎりと絞られ、快楽に目がチカチカした。
38:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:20:46 Kre4J8NL
気持ちいい。こんなに気持ちいい事、この世にあっただなんて、信じられない。
今まで父親に散々嬲者にされてきたのはなんだったのか。
「乳首だけでそんなんじゃ、耐えられないわよ?」
「ひゃぁあっ!?」
陰核に触手が巻き付く。それだけで乳首を搾られるのと同様の快感が走る。
だがそれだけで終わる筈も無い。
巻きついた触手は宝石でも磨き上げるように、真っ赤に充血した肉真珠を扱き始めた。
「にゃああぁぁっ!?」
びりびりとした官能がリオの神経を焼いた。
強すぎる快感にピンク色の短髪を振り回す。
だが前髪の下にある表情が苦痛を堪えるそれではない。
眉根を寄せ、舌を垂らすその顔は、快感を受け止める雌の表情だ。
へっ、へっ、と息を切れしながら、唾液を飛ばし、ネーアの胸元を汚した。
(すごい、すごいよぉっ、アソコ、痺れちゃうぅっ)
「もっとぉっ、ネーアさぁんっ」
「はいはい分かってるわよ。今度は、全部いっぺんにしてあげるわっ」
宣言通り、両の乳首とクリトリスに絡みついた触手が同時に三点を扱き挙げる。
しゅこしゅこしゅこっ。
「んはっ!? はっ、あっ、ぎっ! んっ! にゃっ、あぁぁっ!!」
びんびんに勃起した三点から破滅的な快楽が送り込まれる。
時には引っ張られ、爪弾かれ、とアクセントまでを加えられて。
女を感じさせる事を主眼においた愛撫だ。
大量の催淫ガスを吸い込んだ少女には刺激が強すぎた。
次々と送り込まれる官能の嵐に、体が痙攣する。
子宮がきゅうきゅうと収縮をし始めた。
(や、くるっ、なんかきちゃうよぉっ)
実は。リオは役二ヶ月間父親と肉体関係を持ったが、今まで一度も絶頂を迎えた事がない。
基本、本の虫である事から、そういう知識は知っているが経験は無かったのである。
そしてこの時彼女は本能的にこれが女の悦びである事を悟った。
快楽の果てにある更なる快楽。そう思うと始めてのエクスタシーも怖くは無い。
いや、むしろ、感じてみたい。
どこから出てきたのか。『どろり』とした情欲が胸の中で渦巻く。
快楽に、貪欲になっていく。
(いきたい、イきたイきたいっ)
リオはネーアに抱きつくと、触手に巻き付かれたままの乳首を、陰核を。
豊満な胸に、お臍に、押し付け、自ら擦り始めた。
「あ!? もうっ、本当にスケベなんだからっ」
ネーアの言葉も、その殆どを理解できない。
今は、快楽を貪る事しか考えられなかった。
「これっ! いいっ! すごいっ! ああっ! とん、じゃうっ!!
頭、真っ白にっ! ああっ! あぁっ! あっ! いいよぉ! いいっ!
もっとぉ! もっとぉ!! 気持ちよくしてぇ!」
「ふふっ、だったらお望みどおりにしてあげるわっ!
さあっ、とんじゃいなさい!」
ぎりっ。音がするほど、三っつの頂点が捻り上げられた。
「ああっ! ああっ、あ、あ、あっ! あっ! ああああっ!
ああぁぁぁっ!!! ああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!
にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっっ!!!」
視界が真っ白に染まった。
子宮が強烈な収縮運動を繰り返し、下腹部がきゅうきゅう言っている。
(イっ、てるっ…私、イってるよぉっ)
どくどくと子宮が痙攣している。
下半身が、いや、全身が蕩けていく錯覚に襲われる。
意識は忘我へと飛ばされた。
―しゃぁぁぁっ―
二度目の『粗相』をした事にも気付かない。
39:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:22:33 Kre4J8NL
「あら、勿体無い」
リオとネーアの合わした股下から零れ落ちていく黄金色の体液に触手が殺到する。
ちゅるちゅると音を立てて小水を啜っていると分かれば恥ずかしさに抗議しただろう。
だが今は初めてのアクメの余韻に浸り、暖かい人肌の温もりを感じていたかった。
「―ふふっ、どうだった?」
「かららがぁ…ふわふわしまふぅ…」
呂律の回らない言葉だったがネーアは意味を理解してくれた。
「こんなんでよければ毎日でもしたげるわよ。あーでもちょっと刺激が強かったかしら」
「あ、ん…気持ちよ過ぎて…あたま、変になるかと、思いましたぁ…。
あれが、イくって…ことなんですねぇ」
「あら? あの、リオ? ひょっとして、イった事、ないの?」
「…? ありませんよぉ? だからぁ、とっても気持ちよかったですう」
ネーアは、あっちゃぁ、と片手で顔を覆った。
何か心配事でもあったのだろうか、リオはぼんやりと考える。
「ごめんリオー。あたしったらてっきり経験済みだと。
だってお父さんと何度もしているんでしょう?」
「…はい。でも、イかしてもらったことはありませんから」
話しているうちに大分頭がすっきりしてきた。
まだ体が心地良い気だるさに包まれているが、徐々に自分が仕出かした事に気付く。
(ああ、さっきから私、いやらしい事ばっかり口にしてるっ)
かあ、と頭が羞恥心で茹で上がる。
今思い出すと、達する直前とかは本当にもう正気ではなかった。
というかあれは断じて自分ではない。
いくら父親に仕込まれたからと言ってあんなにいやらい女ではない。
「なんで顔真っ赤になってるの?」
「なななな何でもありませんっ!」
「リオって面白いわねえ。さっきまであんなにアンアン気持ち良さそうに喘いでいたのに。
今じゃ乙女チックに頬を赤らめたりなんかして♪」
「い、言わないで下さい! さっきは、どうかしてたんです!
あ、そうだ! ガスのせいです! きっとそうです!」
「ああ、これ?」
「ふわっ!?」
ぶしゅう、と顔面に甘ったるいガスを吹き付けられた。
肺に入り込んだそれはたちまち体を犯して、再び体中を淫欲で支配する。
「どう?」
「ど、どうってっ、ネーアさん、酷いです! 体、疼いて、きたじゃないですか!」
「それだけ? いやらしくなってるのは体だけ? すけべな気分じゃないの?」
「は、はっきり言わないで下さい!」
「ふーん? でもそういう事言えるって事はまだ理性は残ってるのよね?
さっきなんかは、もう、すごかったのに。エロエロだったわよ?」
まるで別人みたいにね、と付け足すネーアにリオも閉口する。
確かに、さっきの自分はおかしかった。
いやらしい気持ちになる、とかそんな生易しいものじゃない。
どろどろした情欲に囚われて、快楽を貪る事しか考えられなくなっていた。
ガスのせいだけでは、ないのだろうか。
「まあ別にいっか♪ 続きをしましょう?」
「え、あの。続きって…」
「今のは前戯よ前戯。準備運動みたいなものよ。今度は本番」
ずるうぅっ、と音を立てながらネーアの下半身が埋まった場所から触手が生えた。
雌しべに似た形状をしたそれは、先程フェラをした巨大な触手だ。
「これで、リオを犯すわ」
どくり、と心臓が脈打つ。同時に子宮がざわめいた。
浅葱色をした美しい肌とは対照的な、肉色の生生しい肉の蔦。
先端には多量の疣が張り付いている。そして男性器にも似た雁首は多重。
そしてそれは、リオの二の腕よりも太く、長い。
女を悶えさせる為に特化した、卑猥な形状だ。
(あれが、私の中に…)
どくどくと心臓が早鐘を打つ。子宮も新鮮な愛液を搾り出す。
40:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:23:58 Kre4J8NL
頭がまたぼうっとして、体の中で燻っていた淫欲が鎌首をもたげた。
『どろり』と狂おしいほどの淫欲が胸から溢れ出す。
(欲しい…ネーアさんの触手…私のおマンコに欲しい…)
まただ。体を、心をドロドロの情欲に支配される。
理性がごっそりと削られ、快楽に飢えた、一匹の雌へと変わっていく。
まるで自分が、何か別のものへと変貌していくような感覚だった。
「あはぁ…」
太く、グロテスクな触手を欲情した瞳で見詰める。
突然豹変したリオの態度に、ネーアが訝しげな目を向けた。
「…リオ? 貴女また?」
「ネーアさぁん…触手ぅ、早く下さいぃ…私のおマンコに、突っ込んで下さいぃ…」
猫撫で声が上がる。やはり、さっきと同じだ。リオは正気を失っている。
「一応聞くけど、今からするのは『種付け』よ?
貴女の子宮にアドニスの『種子』を植え付けるの。
一度寄生したらこれは簡単には取り出せない。
貴女は『種子』に操られるように男を漁って―すぐに人間を止める事になる。
そうなったら、もう、戻れないわよ? それでもいいのね?」
「いいですからぁ。ネーアさんと同じになってもいいですからぁ。
だからぁ、私の子宮にぃ、種付け―あはぁ…種付けして下さいぃ」
自分自身の言葉に酔うように、種子の植え付けを望む。
実際のところ、人間の生活に未練はない。むしろこちらから願い下げだった。
それが人間を止める事で叶うのなら、別に構わない。
それに。ネーアの傍に居られるなら、人間を止めるくらい造作もないことだ。
まあ、そういう諸々の理由は正体不明の情動に全て流されていた。
今はネーアに犯されたい一心で性交を望んでいる。
正直、何度も確認を取るネーアの態度が少し疎ましいくらいだった。
「まあ、こうなったらしょうがないわね。元々そのつもりだったし。
あたしも腹をくくるわ。リオ。貴女も覚悟しなさい」
真剣だった表情を妖艶に歪めて、
「泣いても叫んでも、止めないからね?」
「―あ、んっ」
体をゆっくりと横倒しにされる。花弁をベッドに見たてて、仰向けに寝かされた。
視界の中にはネーアの美しい裸体。それに花弁の根元からしゅるしゅると伸びる触手。
そしてネーアの根元から伸びる、生殖用触手。
覆いかぶさるように、ネーアの顔が近付く。
唇を突き出すと、答えるようにキスの雨が顔面に降り注ぐ。
それにタイミングを合わせて、こちらから唇を重ねた。
一度唇同士が合わさってしまえばそこからは貪るようなキスへと変わる。
人で無いものと、人を止める事を決意したもの同士、競うように舌をねじ込む。
唾液を送り、舌をくまなく咥内へと這わせ、相手の弱点を探り出す。
歯と歯茎の境界を。舌の付け根を。或いは口蓋を。
時には唇を柔らかく噛み、時には相手の唾液を音を立てて啜る。
ちゅるちゅる、じゅるるる、じゅぅぅっ。
ふんふんと鼻から出た息がくすぐったい。
だがそれも、唾液が絡まりあう卑猥な音と、痺れるような愉悦に覆い隠される。
心音が、これからの快楽に期待して際限無く高まっていく。
「はあっ、ちゅっ、じゅるっ、ちゅうっ、ネーアさ、んっ。ネーアさんっ」
「はっ、んっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅるるっ! リオっ、可愛いっ!
もうっ、犯すわよ? 種付け、するわよ? あたし、我慢できないからっ」
にちゃり。陰唇にぶつぶつとした感触。
(あ…今から、私、犯される)
犯され、種付けされ、アネモネになってしまう。
人を止め、人を襲う、化け物へと変わってしまう。
41:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:25:21 Kre4J8NL
ぞくり、とした。
「犯して、下さいっ、ネーアさんっ」
倒錯的なシチュエーションに背筋がぞくぞくした。
欲情し、濡れた瞳で正面からネーアの瞳を見る。
彼女もどうやら理性が飛んでいるらしい。
唇を横に裂き、魔物らしい嗜虐的な笑みを浮かべた。
次の瞬間、
ずるるるるぅぅぅっ!
「んっにゃあぁぁぁっ!!?」
一息に、触手に刺し貫かれた。
ごりごりとした疣に膣穴を削り、解される衝撃に目前で火花が散る。
(あっ、すごっ、これっ、気持ちいいっ)
父親に比べれば一回りも二回りも大きな触手に貫かれれば、とんでもなく痛いと思う。
だが実際は苦痛の一つもないのだ。精々膣が突っ張るような感触がある程度。
おかげで挿入されただけで達してしまうところだった。
「はぁっ…イイわぁっ、幼女のマンコ…っ、凄い絞め付けっ、たまんないっ」
ずっちゅずっちゅ!
「あっ!? にゃっ! んああぁっ!!」
雌しべ触手にずんずんと子宮の入り口を小突かれると、その衝撃に色っぽい声を上げた。
気持ちいい。父親にされた時と全然違う。
膣壁全体が敏感になっている。それこそ何年もかけて開発されたように。
そこをごりごりと疣疣に削られると、甘い愉悦が走りぬけ、腰が溶けそうになるのだ。
力強い突き込みを受ければ子宮が揺さぶられ、まるで落ちて行くような酩酊感に襲われる。
子宮壁の外側にはボルチオと呼ばれる性感帯があるからだ。
セックスになれた遊女が、深く激しい挿入を望むのはここが開発されているからだ。
ところが今のリオの体はそこらの遊女よりも数段敏感になっている。
およそ十やそこらの歳では考えられないほど。
「あっ! あっ! あっ! いいっ! いいよぉ!
セックス! 気持ちいいよぉ!」
「はぁっ! あっ!? うあっ! ―何よ、いきなり締め付けがっ」
快感に蕩けていたネーアが戸惑いの表情を浮かべた。
「父親に開発されてたからって、これはっ。うっ、あぁっ!」
びくり、と自分を犯す触手が打ち震えた。
一回り体積を増して、更にリオを悦ばせる。
(ネーアさんの触手っ、びくびくしてる…♪ 私の中、きもちいいんだぁ)
「はっ! あっ! んっ! ネーアさぁんっ! 私のおマンコっ、気持ちいいですか!?
あっ! にゃっ! あんっ! ……いいっ、ですよねっ? んっ、んっ!
だってっ、はぁっ、はぁっ! さっきから、触手チンポっ、びくびくしてるからぁ!」
卑猥な言葉をワザと使って気持ちを昂ぶらせる。恥ずかしいが、それがいい。
今の自分はつくづく変態だと思うが、ネーアの快楽に歪む顔を見るとどうでもよくなった。
それどころかもっと悦ばせたい、と思ってしまう。
その衝動に身を任せてみた。
するとどうだ、まるで熟練の売婦のように膣圧を調整し、触手を悦ばせる。
精をねだるようにうねり、圧迫し、収縮する肉の穴に締め付けられ、ネーアは呻いた。
「あぁっ!? ちょっ、り、リオっ! どこでそんな、やらしいっ、ああぁっ!?」
今度は8の字を描くように腰を動かす。
(あはっ、これ、おマンコの中、ぐちょぐちょに掻き混ぜられちゃうよぉ♪)
ぶつぶつとした感触に膣を余す所無く蹂躙される。
じゅぷじゅぷと愛液に空気が混じる卑猥な音が耳朶に響いていた。
その度に甘い電流がヴァギナから全身へと広がるのだ。
肉壷に揉み解されて触手も悦んでいるのが『本能的』に分かった。
それだけじゃない。触手の『弱点』すらもなんとなく分かってしまう。
膣壁を掘り返している疣が大量に張り付いた触手の先端部分。
小豆色をしていて、男根よりも二回り程大きい。
野苺を楕円形にしたような形状だ。
その先端部分―ではなくて、そこから少し下の部分が弱いらしい。
ペニスで言うと亀頭と雁の間くらいか。それも少し亀頭よりの部分。
42:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:27:06 Kre4J8NL
試しにその部分に膣圧を集中させてみた。
「きゃあぁっ!?」
可愛い悲鳴が上がり、びくびくと触手が打ち震える。
「あはぁっ、ここがぁ、いいんですねぇ? ネーアさぁん…」
信じられない、といった顔をするネーアの瞳を覗き込む。
あの優しい女性が、この幼い体で悦び、同時に怯えている。
そう思った瞬間。胸のうちからまた『ドロリ』とした感情が溢れ出る。
それに体と心を満たされていく感覚は官能的ですらあった。
気のせいか背中と頭がじくじくと疼く。
赤い瞳に映る自分の瞳が、両方とも赤くなっているのは気のせいか。
「ち、調子に乗るんじゃ、ないわよっ」
「んっきゃぁん!?」
肛門に異物感。不浄の門に触手が侵入していた。
小娘にいいように責められたのが癪に障ったのか、ネーアは本気で陵辱をするつもりだ。
細い触手が一本、また一本とアナルへと差し込まれていく。
リオの小指よりも細いが、それらが束なり、腹を圧迫していく。
「あっ、はぁっ! お腹っ、裂け、ちゃいますっ」
「大丈夫よぉ、リオはスケベだから、これくらい、なんともないわぁ。
それにぃ、慣れればこっちだってイイわよぉ?」
「んにゃああん!?」
ぎゅるり、と束になった触手が捻り、回転する。
まるでドリルのように回転し、腸壁をごりごりと削る。
普段排泄物をひり出す穴から、じわり、と官能の渦が巻いた。
(あ、すご、私、こんなので感じてっ)
「ほらほらっ、おマンコもめいっぱい可愛がってあげるわよ!」
ずっちゅ! ずっちゅ! ずっちゅ!
「んにゃぁっ!! あああっ! ひにゃあぁぁん!!」
(すご、すごいぃ! しきゅー、がつがつ小突かれてるうっ)
組み伏せられ、花びらへと押付けられた背中が反動で花弁の先端へとずり出されていく。
花弁の内側には女を狂わせる粘液が溜まっていて、背中と擦れてずじゅずじゅと音がなる。
それだけ激しいストロークだというのに痛みは殆ど無い。
あるにはあるが、快楽の総量が圧倒的に勝っていた。
「ほらほらっ! お尻も、アソコもっ! 一緒に苛めたげるっ」
ずこずこずこずこっ!
「あっあぁぁっ、あぁっ、あっぁあっ、あぁっぁうにゃぁぁぅ!!」
アナルを犯していたドリル状に束ねられた触手。それが激しいピストンを開始した。
ヴァギナを犯す触手と連動するように、交互に強烈な付きこみを繰り出す。
違和感、とした形容出来なかったアナルの官能。
だがドリル触手の強烈なストロークに、凄まじい勢いで腸壁が開発されていく。
いや、ひょっとしたらそれはヴァギナが感じた快楽だったのかもしれない。
腸壁と膣壁。二枚の壁越しに行われる苛烈なピストンにどちらがどちらか分からなくなる。
(おしりと、おマンコ、どろどろに溶けて、つながっちゃうっ)
リオは白目を剥いて、顔を振り乱した。
少女が受け止められる快楽ではない。舌をだらしなく垂らし、涎を零す。
挿入される雌しべと陰唇との隙間からは白い本気汁が泡となって下品な音をならしていた。
甘い、アルラウネのガスの香りに混じって、リオの女の香りが空気を淀める。
「いー顔になってきたわぁっ、さあ、これで、飛ばしてあげる!
とばして、種付けをしてあげるわっ」
ネーアの言葉はもう聞こえなかった。
二穴を穿つ触手のピストンに、意識が飛びかけている。
余りの快楽に膣が収縮し、細かなアクメを何度も迎えていた。
だから、三本の触手が勃起した三点を狙っているのに気付きもしない。
「あひっ! あひっ! にゃ、にゃああぁぁっ!! しぬぅっ!
こわれっ!! ひぎっ! あはっ! きもちっ! いいっ!
にゃっ!! んにゃあぁっっ!! んああぁぁぁっ!!
も、いぐっ!! ああぁっ! にゃぁぁぁっ!! ああぁぁっ!
ああああっ!! あぁぁぁぁぁぁぁっっっあぁぁぁっ!!!」
43:永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI
10/02/22 18:30:03 Kre4J8NL
小さな波に何度も押し上げられ、本格的なアクメに打ち上げられた。
全身が、突っ張り、壊れたように全身をがくがくと痙攣させる。
そこに追い討ちをかけるように、二つの乳首とクリトリスに、触手が張り付いた。
「ぎっ―」
十字の切れ込みが入った先端で三つの頂点が咥え込まれる。
その直後、
ちゅううぅぅっ!!
「にゃぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあっっっっ!!!!?」
もぎ取れる、かと思うほどの強烈な吸引。
高みへと打ち上げられた性感は更に高みへと打ち上げられる。
完全に白目を剥き、獣のような咆哮を上げる。
ぶしゅう、と派手に潮を噴いたのを聞いた気がした。
「んあああっ!! 出るうっ!! 種子がっ! リオに種付けしちゃうううぅぅ!!
ああああぁぁぁぁぁあぁんんっ!!」
ごつっ、と音が聞こえるほど雌しべ触手を子宮口へとめり込ませ、
ビュルビュルビュルビュルビュル!!
「ひにゃぁああっ!!? にゃあぁぁぁぁあっ!!!」
精を直接流し込まれる。
子宮の内側まで敏感になっていた。熱い液体が子宮壁を叩く度にびくり、と体が震える。
(あはぁ…ネーアさんのぉ…精液ぃ…あっつうい…♪)
ぼこん。
びゅーびゅーと注がれる精液に混じって何か固形物が腹の中に入った気がして、
直後に意識が飛んだ。
***
以上で三話終了ですぅ。
無事投下を終えてほっとしましたw
さて、次回投下分ですがまたしてもエロは無いかもしれません。
シリーズの構成的に、『エロ話』『メインストーリー』を交互にする事になりそうですね。
普通のSSに比べればエロシーンは少なくなりますがその分1シーンを濃くするつもりです。
こんなところですか。いつものように感想等もお待ちしております。
それではまた。
幼女っ、万っ歳っ。
44:名無しさん@ピンキー
10/02/22 19:00:37 KuHnmpz4
幼女! 万っ歳ーーーー!!
45:名無しさん@ピンキー
10/02/22 19:09:38 Qjr1SE2W
ょぅι゛ょ!ょぅι゛ょ!ょぅι゛ょ!
46:名無しさん@ピンキー
10/02/22 20:38:40 ucH5K+mk
相変わらずエロいぜ……ふぅ
俺はロリコン趣味なんてないはずなのに、琴線に触れまくりだ
リオよりむしろネーアに感情移入しているせいかもわからんね
乙×風氏の中で無限の果肉がどう終わったのかはわからんが、
今回の内容を見るに伝承が偽物なのかな?
あるいはネーアだけ取り逃がしたのか……
リオがエロ覚醒する理由(単に本性?)も含めて、伏線が多くて好みだなぁ
47:名無しさん@ピンキー
10/02/22 23:03:52 vy5GsNMT
>>43
GJ!!!
ロリ属性触手属性共に大有りの私…正直ドはまりしました。
しかも、ド甘展開w
すごいっすw
48:名無しさん@ピンキー
10/02/23 01:56:32 u4dqdMEw
ただひたすらにGJ!!
甘々の寄生ものとか・・・悶え死ぬところでしたよwww
49:名無しさん@ピンキー
10/02/23 07:08:40 c/mynubQ
徹夜の合間に読むんじゃなかった、甘々シチュが良すぎて読み疲れてしまったぜ…
50:名無しさん@ピンキー
10/02/24 05:40:51 +7enwGCZ
自分は変化後の変わりようが好きだからこれはイク寸前だったです
種付け⇒変容⇒ネーアさんと同じ感じに←ここが好き
この後が超期待! お疲れ様でした
51:名無しさん@ピンキー
10/03/01 09:58:16 PC30MYRl
保守
52:乙×風 ◆VBguGDzqNI
10/03/01 17:49:19 HoCjqtG/
皆様お待たせしました。
永久の果肉、続きです。
しかし前回投稿分のレスを読ませてもらいますとロリコン変態紳士様がなんと多い事か。
話やキャラもそれなりに練り込んでくれるので感情移入してくれるのはほんと嬉しいです。
仕事のし甲斐もあるというものですな。
さて今回のお話ではエチ無しの予定でしたがほんのちょっと入れました。
シチュは『触手が刺さったままでピロートーク』。みたいな?
うん。一応NGワードも書いておきましょう。
(本番無し、微エロ、ピロートーク、ネタバレ過去話、糖分多め)
ネーアが過去話を語ります。
無限の果肉のおさらいと、その結末についてですね。
あわわ。こんな中途半端な形で終わらせてしまってほんと勿体無い事をしてしまった。
重ね重ね、皆様にはご迷惑をおかけします。
うん。前書きも長いですね。この辺りにしておきます。
では、ごゆっくりどうぞ。
以下本編で11レス消費します。
53:名無しさん@ピンキー
10/03/01 19:21:48 si6gZEic
復活ktkrw
54:名無しさん@ピンキー
10/03/02 18:44:05 qLlmtMaT
色々な意味で復活キター!!
55:名無しさん@ピンキー
10/03/02 19:54:44 FizweIlx
怪談レストランで人面瘡か…
まあ乗っ取り成功しないのは仕方ない話だが、ちょっと興奮させてもらいました
ここ向きの話っぽいと思ったので書き込んでみる
56:名無しさん@ピンキー
10/03/02 19:57:20 RopKQgeh
やっと読めるぜ
57:名無しさん@ピンキー
10/03/02 20:17:25 zPflX1jd
リアルタイムキター!と思ってパンツを下ろしてから24時間が経ちました
これが・・・サイバーテロ・・・!
58:名無しさん@ピンキー
10/03/02 20:27:12 ZPLSd2JC
今回のサイバーテロで一番堪えたスレはここだったり
59:名無しさん@ピンキー
10/03/02 20:33:07 egsn5c+b
不気味な火病に攻撃されてぐんにょりしたスレ住民!?
60:名無しさん@ピンキー
10/03/02 20:59:22 WxzcBGK+
これはひどいじらしプレイw
61:名無しさん@ピンキー
10/03/02 21:03:12 b6hoXTHp
じらし通り越して放置プレイかも試練w
62:名無しさん@ピンキー
10/03/02 22:30:09 Oao4gIC5
死んだ祖母から貰った眼鏡を掛けたら祖母に身体を乗っ取られる。
63:名無しさん@ピンキー
10/03/02 23:52:13 iT31Mmiu
お前の婆ちゃんは不気味なのかww
64:名無しさん@ピンキー
10/03/03 03:56:51 VK1WmeOO
この流れなら言える!
頼む!
ネーア肉体変化シーンを入れてくれぇっ!
65:名無しさん@ピンキー
10/03/03 07:24:44 U2VfNRfu
>>55
身体を乗っ取られ、その乗っ取った妖怪とだんだん意識が同調していくのもいいかも
感覚が同調していて快楽に酔わされるか
その身体がいろんな悪いことをして、それを見ていた自分が共感していくとか
それはこのスレじゃなくあっちかw
66:名無しさん@ピンキー
10/03/03 13:36:23 YvLtz9QT
>>65
乗っ取りよりそっちのほうが好物
意思を無理やり捻じ曲げられてるにしろ、悪魔で本人の意思で行動するのがいいな
67:名無しさん@ピンキー
10/03/03 15:42:03 p2+oiA6F
新着レス15件で期待したが残念がる前に吹いたw
改めて降臨に期待
68:名無しさん@ピンキー
10/03/03 15:47:10 YroG11/D
乙×風たん… 自らに規制した生物に飲まれて…
69:名無しさん@ピンキー
10/03/03 17:12:55 U2VfNRfu
もうだめだ…このスレは… と見切ったんですね
分かります
しかしこのスレに寄生されてた本能がよみがえること願う
70:名無しさん@ピンキー
10/03/03 17:44:54 knwkzWhg
月曜の夜以外は投下する暇がないんじゃね?
普段は幼女を愛でるのに忙しいんだよきっと
71:名無しさん@ピンキー
10/03/03 19:10:08 p2+oiA6F
>>69
寄生してもまだロリコンへの抵抗心が残っているということか…!
72:名無しさん@ピンキー
10/03/03 20:53:04 q8gYLK4l
米国政府も使っているサーバーだと気づいて自粛したかな?
73:名無しさん@ピンキー
10/03/03 21:50:43 D007pLJW
>>72
モルダー、あなた憑かれているのよ
74:名無しさん@ピンキー
10/03/04 01:14:04 GzZVy4pF
>>70
数文字抜いて解読してみた。
普段は幼女 で 忙しいんだよきっと
たぶんこう。
75:名無しさん@ピンキー
10/03/04 01:26:05 pRWGZdFe
普段は幼女、そして寄生生物によって執筆を強要されてるんですね
幼い身体を強制的に発情させられ、さらに
小説を書かない限り疼きを治めることを許してもらえないという…
76:名無しさん@ピンキー
10/03/04 01:28:31 Z50Q1Ftp
パルスを照射してもっと書くように仕向けるんだ
77:乙×風 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:42:44 EDjw+FzK
あー。皆様、ご心配をおかけしました。乙×風です。
ちゃんとこれからも投下し続けますのでご安心下さい。
というか私のキャラがどうにも一人歩きしていますねw
私は只の幼女が好きな訳ではありません!
ヤンデレロリッ子。ロリババア。それにエロリっ子が好きなだけの只のおたくです!(キリッ
それはともかく。先日のようなサイバーテロはもうこりごりですな。
タイミングも悪かったですが……なんで前書きだけ投下出来たのか不思議です。
お陰で図らずとも皆様に対して壮絶な焦らしプレイをw
何やら今週の土曜日に第二波があるとかないとか。どれだけ暇なんでしょう。
まあ、愚痴っても仕方ないですね。
ここから先が本編となります。NGワード等は月曜日のレスにて確認下さいませ。
ではごゆるりと。
78:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:45:07 EDjw+FzK
第四話 血の秘密
激しい性交の直後、ネーアは後悔していた。
(や、やっちゃったぁっ)
「あたしの馬鹿、馬鹿っ、やりすぎよぉっ」
白目を剥いて気絶しているリオを見下ろしながら、ネーアは頭を抱えていた。
よほど具合が良かったのだろう。
少女は潮とか尿とか精液とか愛液とか、諸々の体液を結合部から噴出している。
それを美味しそうだなぁ、と見詰めて―顔を振って邪念を払った。
「反省しなさいよあたし…」
(うわもう自己嫌悪で死にたいわ)
病弱な人間の娘をどれだけ徹底的に陵辱すれば気が済むのだ。
いや、でもリオに限っては普通の女の子と一線を画していた、というか。
父親の調教のせいか、もう、兎に角エロかった。
(人間じゃなくてサキュバスか何かじゃないのこの娘?)
当人の話を聞く限り父親も母親も人間のようだが。
ネーアはさっきリオを犯しながら一瞬背筋に冷たいものをが走ったのだ。
スイッチが切り替わってまるで別人のように、淫乱に豹変したリオ。
フェラをした直後と同じだ。この娘は何か一定の条件で、性格が反転している。
気がする。気がするだけ?
(でも、一瞬、この娘、瞳の色が変わったような?)
紅と蒼のオッドアイが、両方とも血のような真紅に変わった気がする。
「まあ、あんまり考えてもしょうがないわよね」
今は目下、マグロ状態になってしまったリオの安否が心配だ。
体に相当な負担が掛かった筈だ。
フェラの時飲ませた蜜は、こんな虚弱な娘に種付けをする為に、滋養効果があるものだが。
一体どれほど効いているのか。
これでもし死んだりしたら夢見が悪くなるなんてレベルの話じゃない。
一生もののトラウマになりそうだ。
(ああ、それにしても。
気絶してるのにリオのアソコッたら今でもキュウキュウ締め付けて、たまんないわ)
「ってだから自重しなさいあたし」
これ以上負担を掛けるのも可哀想だ。
種子の定着を助長する為にも生殖器で子宮に蓋をした方がいいのだが、今は抜いておこう。
「―ぬいちゃ、や、れすぅ…」
「り、リオ!?」
呂律の回らない声が耳朶に沁み込んだ。
うっすらと開いた瞼の下のオッドアイが、こちらを見詰めていた。
大した体力だ。あんなハードプレイの後、すぐに喋れるようになるなんて。
虚弱体質とか信じられない。
「貴女、大丈夫なのっ?」
「んん…っ、気持ちよかったれふぅ…」
「いやそうじゃなくて」
(あー、そんな口が利けるなら大丈夫かしら)
なんだかどっと疲れた気がした。
最近体力的にも精神的にも疲労が絶えなかったし、種子を植え付けるのも消耗するのだ。
暫くは活動を控えた方がいいかもしれない。
「リオ。悪いけど少し体動かすわよ」
「ふえ? ―ぁにゃぁんっ」
小さな体に触手を巻きつけて持ち上げる。
雌しべの触手は突き刺さったままだ。
そのまま自分の胸へと抱き寄せて、徐々に体に巻きつけた触手の力を弱めていく。
すると当然、重力に引かれてリオの体は下降して、
「あっ!? にゃっ! あぁっ! ふかっ、いっ、よっ! あ、はぁっ…!」
花冠の中心部から真上へと生え出した雌しべ触手へと体重を預ける。
きゅうきゅうと敏感な触手が締め付けられて、うっとりとしてしまう。
「大丈夫。大丈夫よ、リオ」
はあ、と熱い吐息をリオの前髪に噴きかけながら、彼女の体をしっかりと抱き締めた。
79:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:46:41 EDjw+FzK
幼子独特のぷにぷにとした感触が堪らない。久しぶりの人肌の温もりに心が癒される。
「はぁ、はぁっ、…んっ…ネーア、さん?」
「なぁに?」
「わたし、ネーアさんのものに、なったんですね」
「ええ、そう。種子はちゃんとリオの子宮に定着している。
あとは『栄養』をあげれば、立派なアドニスが咲くわ。
そうすれば、リオはあたしと同じになる」
もう、戻れないわよ。
桃色の髪を梳きながら、静かに付け足した。
「ネーアさん。私、後悔してませんから」
きゅう、とリオから抱きついてきた。
まるで赤子が母親に甘えるように。
いや、実際そうなのかもしれない。
誕生と共に母を失い義母から憎しみを受けて育った彼女は誰にも甘える事は出来なかった。
(あたしが、お母さんの代わりなのね)
まあ、それもいいだろう。
誰にも甘えられない孤独は『誰よりもこの自分が知っている』。
だからこそこの子を仲間にしようと思ったのだ。
あまりにも不遇な彼女を、自分と重ねて。
「あたしって、ひょっとして信頼されてる?」
冗談交じりの問い掛けだった。
リオが顔を上げる。どこまでも屈託のない、太陽のような笑顔がそこにあった。
「はいっ」
その余りにも真っ直ぐな表情に思わず顔を赤くしてそっぽを向く。
背中がむず痒いような、でも心地良いような、何だか複雑な気持ちだった。
本当に我ながら、人間臭い魔物だな、と思う。
「も、もう変な子ね。
酷い事ばっかりされてきたのに、そうそう簡単に誰かを信用出来るものなの?」
「ネーアさん、優しいから」
「…そうでもないわよ」
そうだ、優しいなら、後先考えずあんな陵辱まがいの性交など誰がするものか。
自分は魔物だ。本能の赴くまま女を犯して、種を植え付け、快楽を貪る化け物だ。
「覚えておきなさいリオ。人を止めたら、本能に抗えなくなるわ。
どれだけ理性を保っても、魔物としての衝動には逆らえないの。
例えそれが、大切なものを傷付ける事になってもね」
「私の事、心配してくれたんですか?」
「そりゃ、そうよ。病弱だ、ってきいてたから。
だからあたし、もっと優しくするつもりだったのに。それなのにあんなに激しくして。
本当、馬鹿よねあたし。最低だわ。ごめんなさいリオ」
「ほら、やっぱり優しいじゃないですか」
「え…?」
リオはずっと笑顔だった。
「私の事、気遣ってくれてる。
出会ったばかりなのに、家族みたいに、心配してくれる。
それに自分のした事を悔やんで、それにちゃんと謝ってくれました」
「…だってそれは、その、当然じゃないの…?」
「私の家族は、そうじゃなかったですから」
「そう……大変だったわね…」
「そうですけど、でも、おかげでこうしてネーアさんと出会う事が出来ました。
お義母さまに殺す、って言われなかったら、私達、出会う事もなかったと思うんです。
だから、お義母様にもお父様にも、少しだけ感謝してるんですよ」
あんまりにも健気だった。
誰だこんな子を殺すとか言う母親は。見つけていびり倒してやる。
父親もだ。オナホ触手で赤球が出るまで精を吸い尽くして裸に引ん剥いて逆さに吊るすぞ。
(それに比べてリオったらっ)
「ああんもう可愛い!!」
80:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:48:25 EDjw+FzK
リオの可愛さに胸がきゅんきゅんした。
母性が疼いて猫可愛がりしたくなる。
というか、する。
「きゃ、ネ、ネーアさんっ?」
「可愛い! 可愛い! 可愛い!」
ちゅっ、ちゅっ、と顔にキスの雨を降らせる。
いやらしい口付けではない。あくまでじゃれあうように。
性的な欲求は種付けを行った事で随分大人しくなった。
それでも素面に戻ったリオはこんなキスでも顔を真っ赤にして俯くのだ。
『あうぅ…』とか言いながら。
それがまたとんでもなく可愛く思える。悶え殺す気だろうかこの娘は。
「んー。リオったらこのギャップが堪んないわね♪」
「え? ギャップ、って何ですか?」
「なぁに言ってるのよ。エッチの時なんかもうエロエロだったじゃない?
リオはHの時性格変わっちゃうのね♪」
「あ、あれはっ」
「『セックス気持ちいいよぉ!』とか叫んでたわよねぇ?」
「ちちちちちちちがいます!! あ、あれはっ」
「『触手チンポ、びくびいくしてるからぁ!』とかねぇ?」
「やあぁぁぁぁっ!! 言わないで下さい!! あれは私じゃありません!」
「そーいえば喘いでる時は『にゃーにゃーっ』って、まるで猫みたいだったし」
「ですからそれは…っ、その、つい言っちゃうんですよぉ…」
涙目になりながら弁解するリオに真にハートブレイク一歩手前。
お父様の時はこんなんじゃないのに、と弁明する姿が、もうっ、
「たまらないわぁ! このまま第二ラウンドいっちゃいましょう!?
っていうかするわ! 覚悟なさいリオ! アネモネの真髄見せてあげるわ!」
「いえあの流石に疲れたので今日はお休みさせて下さいー!?」
「あはははっ。冗談よ冗談。そこまで無理させられないって」
「もうっ、意地悪です、ネーアさん」
「ごめんごめん、謝るからさ。許してちょうだい。ね?」
頭を撫でてご機嫌を取る。胸元で、うー、と可愛らしい呻き声が上がる。
『……』
不意に会話が途切れた。
さらさらと、桃色の髪を梳く音が響く。
僅かにそよぐ風が木々を揺らし、虫達が美しい声を上げる。
夜の帳が下りた森に、静かで優しい音色が響いた。
二人の間に舞い降りた沈黙は、気まずい物ではない。
密着した互いの体温から優しさが伝わってくる。
出会ってものの一時間程度しか経っていないのに、二人には確かな絆がある。
それは先程、少女の腹に種子を植え付けた事で確固なものとなった。
「寒くない?」
「ん。平気ですよ。ネーアさん。あったかいですから」
「ふふ。ありがと」
再び沈黙。
このまま少し眠ってしまおうかと思ったが、一つ、気がかりな事があった。
リオの事だ。
セックスの時のあの豹変振り。先程は茶化したが、どうにも引っ掛かるのだ。
それに体液を飲ませたとはいえ情事への耐性の高さ。
瞳の色が変化したのも、気のせいでは無いかもしれない。
「…あ…っ」
「リオ? どうかしたの?」
「あの、その、なんか、お腹、じわあっ、って熱くなって…」
「種子が定着しているのよ。
神経とか、徐々に繋がっていくから、暫くはその感覚が続くわ。
悪いけど少し辛抱してちょうだい?」
「あ、はいっ」
子宮に入り込んだ種子が神経の根を下ろしているのだ。
下腹部が疼くのだろう。リオは触手と繋がったまま腰を揺すり始める。
81:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:50:20 EDjw+FzK
「んっ…はぁっ…んんっ…」
(ちょっと辛そうね)
切なそうに吐息を吐くリオを見ながらどうしたものかと思案する。
そもそも普通なら種子の定着はもっと時間を掛けて行うはずだったような。
(―あ、ら? この子の魔力…上昇してる?)
ふと気付く。
エッチ前に比べて魔力が上昇しているのだ。
それは種子の定着と、彼女の子宮の疼きと同調するように徐々に。だが確実に。
アネモネと化せば魔力は上昇するが、ここまで劇的に変わるものではない。
(もしかしてこの子…)
頭の中である仮説が組みあがった。
成る程、これなら確かに性行為中の、あの豹変にも納得出来る。
「リオ。辛い?」
「はぁ…はぁっ…だい、丈夫です…」
「本当?」
体を少し離し、正面からリオと視線を交わせる。
少女の右目が、ゆっくりと赤と青に明滅していた。
「―疲れた顔をしてるわ。今日はもう寝ましょう?」
返事を待たずに、触手からガスを噴出させる。
アドニスの花本体から生成し、催眠効果を持ったガスだ。
リオが、きゃ、と僅かに驚いた声を上げる。
かと思うとすぐにトロン、とした表情になった。
「あ…私、まだまだ、ネーアさんと…お話、したいのに…。
私、ネーアさんの事、何にも知らない、のに…」
「そういえば、そうね。あたし、自分の事なーんにも話してないものね。
でもそれはまた今度にしましょう? 今は、ゆっくり休みなさい」
きゅ、とリオの顔を胸元に抱き寄せる。
それから丁寧に髪の毛を梳いてやった。
「……ネーア、さん……」
それだけで、この小さな女の子は眠ってしまった。
すーすーと可愛らしい寝息を立てている。
本当に可愛い子だ。
桃色の髪も。甘い匂いも。その仕草も。声も。オッドアイも。
他人を引き付けてやまない。
人間としての理性を残したままとはいえ、人外のネーアが、こうも魅了されたのだ。
彼女の魅力は天性のものだ。
そしてそれは恐らく彼女の母親から受け継いだものなのだろう。
「リオ。貴女、元からあたし達と同類なのかもしれないわよ…」
呟く声は、夜風に流れ、溶ける。
***
メイド達の朝は早い。
この日も、リオの世話係パセットは夜が白み始めると共に目を覚ます。
むくり、と身を起こすと欠伸と共に伸び。
「よっし」
両頬を軽く叩いて気合を入れるとベッドから飛び降りて身支度を開始。
鏡台の前で栗色の髪を梳き始める。
「あー。今日も頑固者ですなー」
パセットは癖毛持ちだ。
頭頂部から耳辺りに掛けて髪が外側へと跳ねる。
そのせいで、犬耳に見えなくもない髪形になってしまう。
「リオっちの髪はあんなにサラサラなのにねー。
ええい! 遺伝子の性能の差が外見の決定的差ではない事を、教えてやる!」
82:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:52:08 EDjw+FzK
意地になって髪を触る。
ツインテール。ポニーテール。三つ編み。サイドテール。
(……うん。今日はツインテールな気分である)
「よしっ。パセットは可愛い!」
鏡の前で笑顔でサムズアップ。
自分でやってて空しくなってきた。
(リオっちはいいよねぇ。お母さん似で。パセットなんて明らかにお父さん似です。
この狸みたいな顔とかね!)
実際リオの母親を見た事は無いが少なくともこの屋敷に住む旦那様とは似ても似つかない。
あの桃色の髪も、オッドアイも、可愛い顔も母親から受け継いだものだろう。
そもそも体が弱いという時点で屈強な戦士である旦那様とは違う。
優秀な戦士の血を受け継いでいる筈なのだが。
「そーいえば最近リオっちのオッパイおっきくなってる気がするなー」
自分の方が二つ年上の筈だがリオの方が明らかに発育がいい気がする。
今日こそは脱がして確かめる気だった。主に触診で。
でも絶対リオの方が大きい自身がある。
(は!? これも遺伝子の差か!? おのれ遺伝子! 許すまじ遺伝子!
まあいいや。世の中、いろんな需要があるのさ。
貧相な体の方が好きな野郎にパセットは貰われるよ! きっと!)
「こっちの娘はちっちゃいぞー♪」
なんて意味不明な歌を歌いながら自室を出る。
すれ違う同僚のお姉さま方が珍獣でも見るような目付きでこちらを見るが気にも留めない。
それはパセットの人柄故だ。
兎に角前向きな性格なのである。多少の事があってもへこたれない。
だから最初、リビディスタの『汚点』とまで言われたリオの世話を押付けられた時。
やりがいのある仕事だと思ったのだ。
「昨日のご飯は食べたかなー♪」
晩御飯を抜いていたので夜食として軽いものを作ってこっそり置いていたのだ。
食べていてくれるとありがたい、というか嬉しい。
そう言えば昨日は大したおしゃべりも出来ずに追い出されてしまった。
実はたまにあるのだ。ああやって体を触ろうとすると情緒不安定になる事が。
昨日は特に酷かった気がするが、パセットの方は特に気にしていない。
あの日かー、しょうがないなー、程度にしか思ってないのだ。
「今日は、オッパイ揉ましてねー♪」
すれ違うお姉さま方の視線が突き刺さる。
勿論パセットは気にせず紅い絨毯の敷かれた廊下をもくもくと歩いた。
目指すは屋敷の離れ。屋敷の庭園の隅にある建物だ。
リオはそこで生活していた。
仮にもリビディスタの末娘である彼女が何故母屋で寝泊り出来ないのか。
それは奥様が腹違いの娘であるリオを嫌って隔離したから、というのがメイド達の見解だ。
そういえばこんな噂もある。
『旦那様が人目を忍んでリオ様と密会している』、と。
「旦那様はロリコンだー♪ っとととこれはマズイなー」
口ずさんでから慌てて周囲に人が居ないか確かめる。
離れへと続く中庭の道は清清しい朝の陽光が降り注ぐばかりで自分以外誰も居ない。
まあ、本当のところ。パセットはそれを只の噂としか思っていない。
というか自分の娘を手篭めにする父親なんて居るわけがないと思っている。
「ほんとだったらぶん殴るぞー? 旦那様ー♪」
その辺も今日、それとなく聞いてみようかな思った。
そして離れに到着。ドアをノックする。
「お嬢様。本日もご機嫌麗しゅうござんした!!」
無駄に声を大きく、無駄にテンションを上げ、意味不明な言葉遣いがパセット流の挨拶だ。 更に脳内で勝手に色々シチュエーションを捏造して盛り上げる。
「入るよー? 踏み込むよー? 何!? 着替え中だと!? ならば尚の事ッ!」
ばたんと蝶番が軋むほど音を立てて入り口を開く。
83:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:53:51 EDjw+FzK
「おはようございました!!!」
静寂が、パセットを迎えた。
「ありゃ? リオっち?」
そこにはもぬけの殻になったベッドと。
料理と共にひっくり返された銀食器しかない。
その光景を見て、パセットの脳は一つの結論に達した。
「分かったかくれんぼだ!」
(ほっほーう。体力では敵わないと思って知的戦術で勝負を挑む気だね?)
よろしい。ならばかくれんぼだ。
「先ずはベッドの下!」
居ない。
「んじゃクローゼットの中!」
居ない。
「むう。一筋縄ではいかないとな? そうこなくては遊び甲斐が無いというもの!
パセットも負けず嫌いだからね! 頑張って見つけるよ!」
再びリオの捜索開始。
と言っても離れ自体は小さな建物だ。
親を失ったリオがリビディスタに引き取られる際、納屋であった所を改装したのだ。
故に大きさも四メートル四方の部屋が二つ連なっているだけ。
片方は寝室、もう片方は書籍だ。
厠も風呂も、母屋までいかなければならない。全く不自由なものだ。
兎も角そういうわけで。
パセットは薄々気付いていた。
ここには隠れる所など無いも同然。
だがそれを認めたくは無かった。
空元気も元気と言う言葉に従い、離れの中を隅から隅まで探して。
「リオっち…いい加減出てきてよ…もう、パセットの負けでいいからさ…」
部屋の中をリオの着替えや書籍で散らかし、部屋の真ん中で力無く尻餅を付く。
見当たらない。こんな朝早くから一体何処に行ったのだ。
「……うんっ! 分かった! きっとトイレだな!」
都合の良い思考回路はとことん前向きに考える。
(だったら仕方が無いなあ。よしっ。部屋の中に隠れて帰ってきた所を驚かす!
無駄な体力を使わせた罰だ! どさくさに紛れてオッパイも揉む! 揉みまくる!)
「はーやく帰ってこないかなー♪」
だが、いつまで待っても、部屋の主は帰ってこない。
そしてそれから一時間も経った頃。
パセットは青い顔をしながら屋敷の中を探し回った。
探し人は見つからなかった。
***
昔話をしましょうか。
むかーしむかし、あるお屋敷に偉大な魔術師が住んでいました。
彼はおおらかで、優しい人物でした。
身寄りの無い小さな子供達を拾い、自分の屋敷に住まわせていたのです。
当然の事ですが。
顔も良く、人柄も良く、頭も良い彼は、自分が拾った女の子達に慕われる事になります。
そしてこれも当然事ですが。
拾われた少女達全てが、彼のような善人ではありませんでした。
84:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:55:19 EDjw+FzK
アーネという女の子が居ました。彼女は、彼が最後に拾った孤児でした。
ところが彼女は物覚えが悪く、使用人として働く事になってからも粗相ばかり。
彼はそんな彼女に目を掛け、優しく接しました。
そしてそれが火に油を注ぐ行為だとは思ってもみなかったようです。
役立たずの上、彼に特別扱いされるアーネに、他の使用人達は嫉妬しました。
陰湿な虐めを施し、数々の性的虐待を加えました。
処女も散らされました。
ですが何の事情も知らない彼は、落ち込むアーネを見かねて優しく接してくれます。
それが新たな嫉妬を生み―屋敷の中に淀んだ悪循環を生み出しました。
虐待は日を追う毎に酷くなり―そんなある日、アーネは運命の出会いを果たします。
彼女は偶然にも彼が封印した魔物、アドニスと出会ったのです。
異形の姿に最初はアーネも戸惑いました。
ですが使用人達に散々な目に遭わさていたからでしょう、すぐに魔物を受け入れたのです。
それどころかアーネは子宮にアドニスの種をもらい、歓喜しました。
何の役にも立たない自分が、初めて誰かの役に立てる―と。
アドニスに見初められてからのアーネは変わりました。
苦手だった仕事をそつなくこなし、仲間のいびりにも屈しません。
何より美しくなりました。
アドニスは魔物とは言え、彼女にとっては主で、男だったのですから、当然でした。
変化したアーネは使用人達に疑われる事になります。
一体あの娘に何があったのか―と。
そして皆が寝静まった夜、魔物と密会するところを見つかってしまいます。
使用人達は話合い、魔物とアーネの処断を考えました。
このようなおぞましい化け物、焼き払ってしまえ―と。
ところがアーネは自分達の逢瀬が見つかっていると気付いていなかったのです。
何時ものように何本もの触手に犯され、愛され。
愛の言葉を囁き、乱れ、別れの挨拶をしました。
そして次の日の夜、焼き払われた魔物の死骸を目にする事になります。
アーネは悲しみに明け暮れ―それが終われば怒り狂いました。
主を殺した犯人を見つけ、復讐する事を誓いました。
そしてそれは速やかに行われる事になります。
胎内に植え付けられた種子がアーネに命じます。
女を犯せ、仲間を増やせ―と。
アーネはそれに従い、次々と使用人達を襲いました。
一人、二人、三人。
一人犯せば、その者が別の者を襲います。
そうして復讐を始め三日も経った頃。
最初にアドニスの種子を受けたアーネは花へと成長したそれを出産しました。
アーネに犯された女達も次々とアドニスの花を産み落とします。
復讐を始めて一週間も経った頃、屋敷の中はアドニスの花で埋め尽くされました。
廊下で、客室で。場所を問わず、花に跨り、犯される女達が悩ましい嬌声を上げます。
彼女達は皆幸せそうに犯されていました。
花と同化し、アネモネと化すのも時間の問題です。
そしてアーネは既に完全なアネモネと化していました。
本能の赴くまま女を犯し、仲間を増やす魔物になっていたのです。
それを救ったのは彼でした。
彼は魔術を使い、使用人達からアドニスを分離させ、浄化したのです。
ですがアーネはそうはいきません。
彼女の体はアドニスと完全に同化しているのです。浄化は彼女の消滅を意味します。
85:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:56:43 EDjw+FzK
優しい彼にはそれは出来ませんでした。封印する事も、拒否しました。
彼はアーネに特別に目を掛けてきたのです。
魔物と化した彼女を、退治したり、封印するような事は出来ません。
彼は最後の手段を使いました。
それはアーネの体はそのまま、心だけを浄化するというものでした。
魔術が発動し、アーネは人間の心を取り戻します。
ですがその代償に、彼は命を失いました。
どうか僕の分まで、生きてくれ―と言い残して。
アーネは決心しました。
この命は彼を犠牲にしてまで貰ったのだ。絶対無駄にしない―と。
かくして彼女は屋敷を飛び出し、当ての無い旅を始めました。
めでたしめでたし。
―じゃないわよねぇ。ほんと。
大変なのよ? アネモネの一人身って。人肌は恋しくなるし。
体はすぐに火照って欲情するし。
だからって田舎で女の子一人でも『食べて』みなさいよ?
すごい勢いで増えちゃうのよ? もう鼠算式に。
一回それやっちゃってねー。あの時は失敗したわぁ。
人間達に目を付けられて、しつこくしつこく追い掛け回されたのよー。
もー堪ったもんじゃなかったわ。おかげで逃げるのは得意になったけれどねえ。
―あっ、いいのよ寝てなさい。これ、独り言だから。返事しなくてもいいの。
それで、えー、どこまで話したかしら?
あそうそう。逃亡生活ね。これって現在進行形なんだけど。もうほんと不便だわー。
中途半端に良心が残ってるとねー、人間相手にも同情しちゃってねー。
アネモネになってからは人間が使う魔術とかと似たようなものも使えるんだけど。
殺しちゃうわけにもいかないじゃない? かわいそーだし。何より寝覚めは悪いし。
でもでもっ、向こうはあたしの事本気でやりに来るのよ!?
あたしは手加減してるってのに不公平だと思わない!?
―あー、えっと、あはは。ごめんごめん。独り言だから。答えなくていいから。
ごほん。それは兎も角。
そんなこんなで、もー疲れちゃったのよ。
悔しいし、何よりあの人の意思もあるから、簡単に死にたい、なんて言わないけど。
溜息ばっかり出ちゃう。
「でも。もう私が居ます」
我慢出来ずに、口を開いていた。それをネーアは笑顔で返す。
「もう。独り言だって言ってるのに。この子は。
でもほんと、その通りなのよ。リオに出会えたおかげで、救われた気がするわ」
「それは、私も同じです」
「そう? なら良かったわ」
くすくすとお互い笑いあう。
(でも、ネーアさん。
自分の昔話が恥ずかしいからって、女の子の名前を『アーネ』にするのって)
ひっくり返しただけで安直すぎではないだろうか。
なんて、失礼な事を考えていると、突然ネーアが口を開いた。
「あたしね。リオの事、他人とは思えなかったのよ」
「はい。私も、そう思いました」
さっきの『独り言』。あれはどう解釈してもネーアの生い立ちだ。
そしてそれはリオが思っているより、遥かに辛く、悲しい話だった。
悲劇のヒロイン気取りだった自分が少し恥ずかしい。
86:永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI
10/03/04 17:58:02 EDjw+FzK
「本当はね。リオの事見つけた時は仲間にする気なかったんだけど。
貴女の話を聞いて、考えが変わったわ。というか放っておけなかった。
まるで、昔の自分を見ている気がしたの」
「…はい」
「人を止める事で手に入るものもある―それを貴女なら分かってくれると思った。
今思えば、これってあたしの我が侭でしかないんだけど」
「大丈夫ですよネーアさん。私も、同じ思いですから」
「…うん…ありがと…」
少し寂びそうに、でも嬉しそうに笑うネーアの顔が目に焼きついた。
大魔術師ウラヌスが死亡したアドニス大量発生事件がおよそ二百年。
事の張本人であるネーアが今までどのように生きてきたか。
どのような想いだったか。
今の泣き笑いのような表情が全てを物語っている気がした。
「あーっ、何だか疲れちゃったわ。あたしも一眠りしよっかな」
「あ、それじゃ私も」
「んー。それは無理かも」
「え? どうしてです?」
「今は少し落ち着いているけど、リオのお腹の種子ね。
すぐにまた疼き始めるわよ。そうなったらもう抑えられないと思う」
「え、ええ!? じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?」
「リオ。それが『人間を止める』って事よ」
「あ…」
「あたしと一緒に生きたいと思うなら、それだけは覚悟して。
貴女はもう、人間と同じようには生きられない。
人を襲い、仲間を増やす。それだけしか考えられない化け物になるの。
理性は、一応は残るわ。記憶もね。
でも魔物としての本能には絶対逆らえない。あたしも昔はそうだったから。
だから魔物、っていうのよ」
今更ながらだが。本当に自分はアネモネへと変わってしまうんだなぁ、と思う。
まあ、リビディスタで家族に殺されるよりかはマシだ。
それに、
「私、ネーアさんと一緒に居たいから……だから頑張ります」
「そう…だったら、もうあたしは何も言わないわ。
リオと二人で、魔物としての生を謳歌する事にしましょう。
そうねー…試しにこの街をアドニスの花で埋め尽くしましょうか?」
「いえあのっ、いきなりそんな大きな目標を設定されてもっ」
「そう? でもあたし達アネモネなんて、増える事が存在意義みたいなものよ?」
「あのでも、お話を聞いているとあまり派手に動いても目を付けられるようですから」
「はー。そうなのよねぇ。だから面倒臭いのよー。
こう、誰にも邪魔されずに一日中エッチしていたいわぁ」
(……ネーアさん、いやらしいです)
「まあ、今はそんなの無理ね。夢物語だわ。リオの言うとおり、堅実に行きましょう。
そうねー……当初の目標は貴女の種子の成長ね。
取り合えず街に行ってエッチしまくってきなさい」
絶句した。
「ん? 何? どうしたの? リオ? まさか知らない訳じゃないでしょ?
アドニスは男の精液を吸って成長するのよ」
「いえ。知っていましたけど。あんまり深く考えないようにしていました」
「あー。あーあーあーあー。そうよねぇ。普通知らない男とエッチするの嫌よねえ?
うんうん。リオも女の子だからね」
そう言ってネーアは気味の悪いくらいにっこりと笑顔を浮かべる。
甘い事言ってるんじゃ無いわよ? と言外に叱咤されている気がした。
「えと、その…頑張って来ます。
あのでも私、途中で倒れちゃったりしないでしょうか?」
「んー。種は大分定着しているから、体力だけならもう普通の人間と変わらない筈よ?」
「ほんとですか!?」