10/02/13 14:53:11 rBDObNjP
「うぁ~っ、久しぶり~、キョンキョン」
「お久しぶりです南田さん」
「元気してた?」
「はぃ、まぁ……」
「へんだねぇ、どうしたの?
みんなで柔道やってから、キョンキョンは見違えるほど、
すごいアグレッシブになったのに、
なんか今日は昔の『日陰今日子』さんみたい」
「あ、あの」
「ん?」
「ちょ、ちょっと……困ったことがあって……」
その言葉のあと、無言の時間が経過する。
幾度も口を開こうとしてはうつむいてしまう日陰を、
南田はコーヒーを飲みながらあたたかい目で見守っている。
社会人となった南田は、以前のような短気ではなくなっていた。
友人の悩みをじっくり聞けるほどには。
とはいえ、14人目の彼氏と既に半年以上続いている、
という事実があっての上だったわけだが。
「キョンキョン?」
「は、はい」
「すごぉ~く相談しにくいことなのね?」
「え、えぇ」
「で、あたしを相談相手に選んだということは…男がらみ…だよね」
「そうです」
「たしか卒業の時、彼ができたって……」
「はい、その時の彼と、こんど結婚するんです」
「うわぁ、おめでとう~ すごいね」
「ありがとうございます」
「で?」
「?」
「だから悩み事は?」
「その…… 彼が……」
「彼が?」
「えっと、えっと、……は、早いんです」
「早いって…… もしかして」
「そ、そう、あ、あれが」
「ん…そうか。 ってどのぐらい早いの?」